光照射装置
【課題】生体表面や毛に付着した水分による光量低下を抑制した光照射装置を提供する。
【解決手段】本発明は、近赤外光を照射する照射部6と、照射部6を一端に設けた本体1とを備えると共に、照射部6が、前記近赤外光を発する光源7と、光源7の前記近赤外光を外部に放出する照射口11とを備えた光照射装置であって、光源7が、照射口11に向けて光を発する発光ダイオード10を備え、照射部6が、光源7に生じた熱を有する空気を吸入して光源7を冷却する冷却ファン12と、冷却ファン12から排出された温風を照射口11に吐出する風路13とをさらに備える。
【解決手段】本発明は、近赤外光を照射する照射部6と、照射部6を一端に設けた本体1とを備えると共に、照射部6が、前記近赤外光を発する光源7と、光源7の前記近赤外光を外部に放出する照射口11とを備えた光照射装置であって、光源7が、照射口11に向けて光を発する発光ダイオード10を備え、照射部6が、光源7に生じた熱を有する空気を吸入して光源7を冷却する冷却ファン12と、冷却ファン12から排出された温風を照射口11に吐出する風路13とをさらに備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近赤外光を生体表面に照射して、育毛を促す光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、生体表面に光を照射する光照射装置として、例えば、キセノンランプを光源に用いた特許文献1に示すような光照射型美容装置や、特許文献2に示すような発光ダイオードを光源に用いた発毛調節光照射装置がある。特許文献1に示すような光照射型美容装置は、キセノンランプの発した光によって、毛髪等の毛の成長を抑制している。そして、この光照射型美容装置では、発光時の発熱量が大きく、発光時の熱によって生体表面の火傷や照射口に設けたレンズ等の熱変形等を生じる恐れがあるため、生体表面や照射口に熱を伝わり難くした構成になっている。
【0003】
また、特許文献2の発毛調節光照射装置では、870nm以上910nm以下の波長域を除く600nm以上1000nm以下の波長域の低エネルギーの光を毛根部付近に照射することで、炎症を生じさせることなく育毛を促進させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−142612号公報
【特許文献2】特開2008−246144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、特許文献2等の光源に発光ダイオードを用いた発毛調節光照射装置では、キセノンランプに比べて発光時の発熱量が小さいため、キセノンランプを用いた光照射型美容装置に比べて、この熱による火傷や照射部の熱変形等を生じ難い。しかしながら、この発光ダイオードを用いた光照射装置でも、キセノンランプを用いた光照射型美容装置のように、照射口側(生体表面側)に熱を伝わり難くした構成になっている。
【0006】
ところで、従来の発毛調節光照射装置では、所謂育毛用の光として、水に吸収され易い波長帯を含む近赤外光を生体表面に照射するため、上記波長帯の光が生体表面や生体表面上の毛に付着した水滴に吸収される等で、光量が低下する恐れがある。
【0007】
そこで、この事情を鑑み、生体表面や毛に付着した水分による光量低下を抑制した光照射装置を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、近赤外光を照射する照射部と、前記照射部を一端に設けた本体とを備えると共に、前記照射部が、前記近赤外光を発する光源と、前記光源の前記近赤外光を外部に放出する照射口とを備えた光照射装置であって、前記光源が、前記照射口に向けて光を発する発光ダイオードを備え、前記照射部が、前記光源に生じた熱を有する空気を吸入して前記光源を冷却する冷却ファンと、前記冷却ファンから排出された温風を前記照射口に吐出する風路とをさらに備えることを特徴とする。
【0009】
この光照射装置として、前記発光ダイオードが前記光を発する向きを照射方向とし、前記照射部が前記照射口の開口面と前記光源との照射方向における間に空隙を有し、前記風路の前記温風を吐出する吹き出し口を、前記空隙に開口して設けたことが好ましい。
【0010】
この光照射装置として、前記発光ダイオードが前記光を発する向きを照射方向とし、前記光源の照射方向を向く側を表とし、反対側を裏とし、前記冷却ファンが、前記光源の表裏両側から前記空気を吸入するものであることが好ましい。
【0011】
この光照射装置として、前記光源が、950nm又は1450nmの波長帯の近赤外光を発する前記発光ダイオードを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
このような構成としたことで、発光時の熱を利用して、生体表面や毛に付着した水分による光量低下を抑制することができ、育毛を促し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態の一例の光照射装置を模式的に示した断面図である。
【図2】同上の平面図である。
【図3】LED基板モジュールの(a)平面図であり、(b)が側面図である。
【図4】第1の変形例の断面図である。
【図5】第2の変形例の(a)断面図であり、(b)が照射部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて例示して説明する。
【0015】
本実施形態の光照射装置は、図1に示すように、有底筒状の本体1と、育毛用の光を発しこの光を生体表面に照射する照射部6とで主体が構成される。そして、光照射装置は、本体1の側面1aを把持し、且つ本体1の開口した側の一端(第1端部1b)に設けた照射部6を生体表面に当接した状態で使用される。
【0016】
本体1は矩形の筒状で、図2に示すように、筒の第1端部1bや反対側の第2端部1c(底部)が平面視矩形状となっており、第1端部1bは矩形状の開口を有する。そして、本体1は内部に、図1に示すように、照射部6に発光用の電力を供給する電源部2と、発光等の照射部6の動作を制御する制御部3と、各部を電気的に接続する導電経路4とが設けてある。電源部2は、例えば、二次電池等の充電可能な内蔵電源となっており、導電経路4を介して制御部3及び照射部6に電力を供給する。
【0017】
導電経路4には、通電と遮断とを(給電の入り切りを)切り替えるスイッチ5がさらに設けてある。そして、本体1は、外殻に露出して操作部(図示せず)が設けてある。そして、この操作部を操作することで、スイッチ5を介して導電経路4の給電の入り切りが切り替わる。また、導電経路4は、例えば、リード線や、端子金具等の導電部材で主体が形成されており、給電用の電源線や、制御部3からの制御信号を伝達するための信号線等として機能する。そして、導電経路4は、電源部2と制御部3とを電気的に接続する第1導電部4aと、制御部3と照射部6とを電気的に接続する第2導電部4bと、を有する。
【0018】
制御部3は、導電経路4において電源部2と照射部6との間に配置されており、電源部2からの電力は、制御部3に供給され、且つ制御部3を介して照射部6に供給される。そして、制御部3は、光源7がパルス点灯するよう発光制御を行う。
【0019】
照射部6は、導電経路4(第2導電部4b)を介して制御部3に電気的に接続された光源7と、生体表面に縁部11aを当接する照射口11と、光源7を冷却する冷却ファン12と、光源7の熱を付与した温風を生体表面側に送る風路13とを備える。そして、照射部6は第1端部1bの開口が照射口11となっている。
【0020】
光源7は、複数の発光ダイオード10を基板9に実装したLED基板モジュール8で主体が構成される。LED基板モジュール8は、図3に示すように、矩形板状の基板9と、複数個(本実施形態では16個)の発光ダイオード10とを備え、発光ダイオード10は基板9の一方の板面(第1板面9a)に設けてある。以下、LED基板モジュール8において、第1板面9a側を表側とし、反対側である第2板面側を裏側とする。
【0021】
発光ダイオード10は、所定の一方向に向けて光を発する指向性を有した発光体となっており、近赤外領域の波長帯の非可視(不可視)の光(近赤外光)を発する。この光の波長帯として、950nm又は1450nmの波長帯の近赤外光が好ましく、照射部6はこの波長帯の一方のみ又は両方の波長帯の近赤外光を放出することが好ましい。そして、発光ダイオード10は発する光の向きを略並行で且つ第1板面9aに略直交した向きで第1板面9a上に並べてある。
【0022】
そのため、光源7は、第1板面9aに略直交して第1板面9aから離れる向きに、発光ダイオード10の発した近赤外光を放出する構成となっている。そして、近赤外光は頭皮等の生体表面に照射することで、照射された生体表面近傍の毛の成長を促し易くすることができる(育毛効果を高め易くすることができる)。以下、この近赤外光(照射光)を放出する方向を、図1に示すように、照射方向Lとし、照射方向Lにおける先方側を前方とし、反対側を後方とする。
【0023】
また、発光ダイオード10は、平面視において、基板9上に略等間隔で且つ所定の位置に配置してある。具体的には、図3に示すように、基板9上の一方向(基板9の第1辺)に沿って、発光ダイオード10を4個並べた列を、基板9上の上記一方向に直交した他の一方向(基板9の第2辺)に沿って、4つ(4列)配置してある。
【0024】
そして、光源7(LED基板モジュール8)は、図1に示すように、本体1内部に設けてあり、光源7の照射方向Lの先(前方)には、照射口11が位置する。そのため、光源7の発した光は、照射口11を介して第1端部1bから本体1外に照射光として放出される。
【0025】
照射口11は、図2に示すように、矩形状に開口しており、平面視において、照射口11の内側に光源7が位置する。そして、照射口11の縁部11aは、本体1の外殻によって形成されており、照射部6での光照射時には、この縁部11a全体を生体表面に当接した状態で行われる。そのため、照射口11から放出された近赤外光(非可視の照射光)は、縁部11aを当接した生体表面のうち、照射口11内に位置した部位(縁部11aに囲まれた部位)に照射される。
【0026】
冷却ファン12は、導電経路4(第3導電部4c)を介して制御部3と電気的に接続してあり、制御部3を介して電源部2から給電される。そして、冷却ファン12は、この給電によって回転駆動して、所定の方向(図1中の矢印Ar1参照)に向けて風を発生させる。以下、矢印Ar1の向きを送風方向とする。
【0027】
また、冷却ファン12は、平面視において回転中心を基板9の略中央に位置して、LED基板モジュール8の裏側に設けてある。そして、冷却ファン12は、図1に示すように、送風方向が第2板面に対して略直交し且つ照射方向Lと反対向きに位置しており、第2板面から離れる方向に風を発生させる。
【0028】
そのため、冷却ファン12は、回転時に、LED基板モジュール8の裏側に位置し発光ダイオード10の発光時に生じた熱で加熱された空気(光源7の熱を有した空気)を吸入する。そして、光源7の熱を有した空気を冷却ファン12で吸入したことで、LED基板モジュール8(光源7)は周囲の空気に熱を付与し易くなって冷却され易くなる。また、冷却ファン12はLED基板モジュール8の熱を吸収した風(光源7の熱を有した温風)を風路13に排出する。
【0029】
風路13は、図1に示すように、照射方向Lに直交して視た正面視において、L字形状となっている。そして、風路13は、L字の一辺(第1風路13a)が第2板面に略平行して設けてあり、残りの一辺(第2風路13b)が照射方向Lに略平行して設けてある。
【0030】
第1風路13aは、冷却ファン12の回転中心に近い端部側が冷却ファン12の排出側に連通接続してあり、反対側の端部が第2風路13bに連通接続してあり、平面視において回転中心から径外方向に温風を流動させる。
【0031】
第2風路13bは、平面視や正面視において、回転中心を基準に、LED基板モジュール8より外方の位置(より回転中心から離れた位置)に設けてあり、冷却ファン12に流れ込む光源7周囲の空気(光源7周囲の空間)から温風の流れる流路を区画している。そして、第2風路13bは、照射方向Lにおける後方の端部(後端)が第1風路13aに連通接続してある。
【0032】
また、第2風路13bは照射方向Lにおける前方の端部(前端)が照射口11内側に向けて傾斜しており、傾斜の先端(前方側の端部)に吹き出し口14を有する。吹き出し口14は、図2に示すように、照射口11に沿った矩形状で、図1に示すように、照射口11に向けて開口しており、第1風路13aから導入された温風を照射口11内に吐出する。
【0033】
このように、本実施形態の光照射装置は、冷却ファン12で光源7を冷却し、且つ冷却時の排出した温風を風路13によって光源7の外方を経由して照射口11側に導入して、照射口11(照射口11の開口面)に吐出する構成になっている。そして、冷却ファン12でLED基板モジュール8(光源7)を冷却したことで、光源7の構成部材に要する耐熱性能の制限を軽減し易くすることができ、耐熱性能の制限による費用増大を抑制し易くすることができる。
【0034】
更に、冷却ファン12の風(温風)を風路13によって照射口11に吐出した(送り出した)ことで、キセノンランプに比べて熱量の少ない発光ダイオード10の発光時の熱を、生体表面側に付与し易くすることができる。そして、この熱付与によって、髪等の毛や生体表面に付着した水滴(水分)が蒸発し易くなり、近赤外領域の波長帯の照射光の一部が上記付着した水分に吸収されて光量が低下することを抑制し易くすることができる。そのため、光照射による育毛効果を高め易くすることができ、また光量低下による照射時間の増大を抑制することができ、使用者に光照射を行い易くすることができる。
【0035】
更に、生体表面に熱を付与したことで、温熱効果によって生体の血行を促進し易くすることができ、例えば細胞に栄養が供給され易くなる等で、毛を成長し易くすることができ、育毛効果を高め易くすることができる。
【0036】
ところで、制御部3は、単に冷却ファン12を回転させるだけでなく、回転数を変更する制御を行って、送風によってリラックス効果を付与したり、送風による過剰な生体表面の乾燥の発生を抑制したりしてもよい。例えば、光照射装置がタイマーを備え、制御部3が、冷却ファン12を10秒間駆動する毎に、上げる或いは下げる等に回転数を変更して、照射口11側(生体表面側)に吐出する風に強弱をつける制御を行う。この制御を行うことで、風の強さをリズミカルに変化させて使用者に心地よさを与え易くなり、風によるリラックス効果を付与し易くすることができる。
【0037】
また、例えば、パルス点灯させる総使用時間を約20分とした場合、制御部3は、タイマーで、光源7を発光させる使用開始時から約3分間に亘って、回転数を上げた強風状態で冷却ファン12を動作させる制御を行う。そして、制御部3は、強風状態で約3分駆動した(動作させた)後、回転数を下げて、強風状態に比べて弱い風を冷却ファン12に発生させる弱風状態に切り替え、この弱風状態で約17分間動作させる制御を行う。この制御を行うことで、総使用時間の全てに亘って強風状態で動作させた場合に比べて、生体表面の乾燥を抑えられ、送風によって生体表面が過剰に乾燥することを抑制し易くすることができる。
【0038】
以下、図4や図5に示すように、照射部6の変形例を説明する。なお、前述した構成と、重複する構成に対する説明は省略する。
【0039】
図4に示す第1の変形例は、照射方向Lにおいて、光源7から照射口11に至るまでの距離が前述の例に比べて長くなっており、光源7と照射口11の開口面との照射方向Lにおける間に、空隙15を有した構成になっている。
【0040】
吹き出し口14は光源7より前方の位置で開口しており、吹き出し口14から吐出した温風は空隙15を介して照射口11(照射口11の開口面)に至る。
【0041】
このように、空隙15を設けたことで、温風が吐出後に拡散するにあたって、光源7がこの拡散に干渉し難くなり、照射口11の開口面全体等の広い範囲に温風を拡散して照射口11に送り出し易くすることができる。そのため、照射口11内に位置した生体表面に対して広い範囲(面積)に熱を付与し易くすることができ、熱の付与の斑(温風の拡散の偏り)が生じ難くなり、育毛効果を高め易くすることができる。そして、空隙15を設けたことで、照射方向Lにおいて、照射口11内に位置した生体表面を光源7から離すことができ、光源7に生体表面の油脂等の汚れを付着し難くすることができ、汚れの付着による光量低下等を生じ難くすることができる。
【0042】
図5に示す第2の変形例は、平面視及び正面視における光源7より外方の位置に、二つの冷却ファン12が対向して(背向して)設けてある。そして、冷却ファン12は光源7側を向いて回転中心を有しており、この回転中心の延長線上が基板9の板面と略平行に位置する。そのため、冷却ファン12は送風方向が基板9の辺(第1辺或いは第2辺)に沿った向きを向いており、LED基板モジュール8の表裏両側の空気を吸入して、光源7を表裏両側から冷却する。以下、第2の変形例における送風方向に正対して視た向きを、側面視とする。
【0043】
また、照射部6は照射方向Lにおいて所定の間隔を空けて光源7の表裏両側に仕切り板が設けてあり、仕切り板は照射方向Lにおいて光源7を間に位置して対向する。言い換えると、光源7は照射方向Lにおいて仕切り板によって区画された空間に配置される。以下、表側の仕切り板を第1仕切り板20とし、裏側の仕切り板を第2仕切り板21とする。
【0044】
第1仕切り板20は矩形の板状で、基板9と板面が略平行に配置してあり、光学的に透明となっている。そして、第1仕切り板20は光源7より前方の空隙15を光源7から区画している。なお、光学的に透明とは、集光レンズや拡散レンズ等のレンズとしての機能を有したものや、入射光と出射光とで光量や向きを略変えずに透過するものを指す。
【0045】
第2仕切り板21は矩形の板状で、基板9と板面が略平行に配置してあり、板の側方における寸法の略中間の位置(中間位置)に、ガイド部23が設けてある。ガイド部23は中間位置に向かうほど照射方向Lに突出した傾斜面23aで主体が構成される。傾斜面23aは側面視において、基板9の幅と略同じ幅で形成されており、冷却ファン12に対向して位置する。そのため、ガイド部23は、冷却ファン12の回転時に、中間位置近傍における光源7周囲の空気を傾斜面23aによって、対向する冷却ファン12に流動し易くしている。
【0046】
風路13は、平面視及び正面視において冷却ファン12より外方の位置(送風方向における下流側の位置)に設けてある。そして、吹き出し口14は第1仕切り板20より前方に位置し、且つ照射口11(空隙15)に向いて開口している。そのため、風路13は、冷却ファン12から排出された温風を照射方向Lに流動させて(送って)、照射口11側(空隙15内)に吐出する構成になっており、温風は第1仕切り板20によって光源7から区画された空隙15内に拡散する。
【0047】
このように、本例では、光源7を冷却ファン12で表裏両側から冷却したことで、裏面側のみに冷却ファン12を配置した場合に比べて、光源7の冷却効率を向上し易くすることができる。そして、空隙15を第1仕切り板20で光源7から区画したことで、吹き出し口14から吐出した温風を光源7側に流れ込み難くすることができ、生体表面に対して熱を付与し易くすることができ、育毛効果を高め易くすることができる。更に、吹き出し口14から吐出した温風を第1仕切り板20で光源7側に流れ込み難くしたことで、温風による光源7の再加熱を抑制し易くなり、再加熱による冷却効率の低下を抑制し易くすることができる。
【0048】
なお、本発明は実施形態や各変形例の構成のみに限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、実施形態において適宜の設計変更を行うことや、各変形例等の構成を適宜組み合わせて適用することが可能である。例えば、図4に示す変形例に、第1仕切り板20を設けてもよい。また、本体1は矩形の筒状に限らず、円筒状等であってもよく、第1端部1bの開口も矩形に限らない。また、風路13の内部に温風流動用のフィンを設けて、温風を吹き出し口14側に流動し易くしてもよい。
【0049】
また、発光ダイオード10は近赤外領域以外の波長帯を含む光や近赤外領域の波長帯以外の波長帯の光を発するものであってもよい。このものでは、例えば、光源7が、LED基板モジュール8と照射口11との間に、発光ダイオード10の発した光が入射すると近赤外光を照射口11に向けて出射する偏光レンズ等の光学的機能部材を備えることが好ましい。
【符号の説明】
【0050】
1 本体
1b 第1端部
6 照射部
7 光源
8 LED基板モジュール
10 発光ダイオード
11 照射口
12 冷却ファン
13 風路
14 吹き出し口
15 空隙
20 第1仕切り板
L 照射方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、近赤外光を生体表面に照射して、育毛を促す光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、生体表面に光を照射する光照射装置として、例えば、キセノンランプを光源に用いた特許文献1に示すような光照射型美容装置や、特許文献2に示すような発光ダイオードを光源に用いた発毛調節光照射装置がある。特許文献1に示すような光照射型美容装置は、キセノンランプの発した光によって、毛髪等の毛の成長を抑制している。そして、この光照射型美容装置では、発光時の発熱量が大きく、発光時の熱によって生体表面の火傷や照射口に設けたレンズ等の熱変形等を生じる恐れがあるため、生体表面や照射口に熱を伝わり難くした構成になっている。
【0003】
また、特許文献2の発毛調節光照射装置では、870nm以上910nm以下の波長域を除く600nm以上1000nm以下の波長域の低エネルギーの光を毛根部付近に照射することで、炎症を生じさせることなく育毛を促進させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−142612号公報
【特許文献2】特開2008−246144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、特許文献2等の光源に発光ダイオードを用いた発毛調節光照射装置では、キセノンランプに比べて発光時の発熱量が小さいため、キセノンランプを用いた光照射型美容装置に比べて、この熱による火傷や照射部の熱変形等を生じ難い。しかしながら、この発光ダイオードを用いた光照射装置でも、キセノンランプを用いた光照射型美容装置のように、照射口側(生体表面側)に熱を伝わり難くした構成になっている。
【0006】
ところで、従来の発毛調節光照射装置では、所謂育毛用の光として、水に吸収され易い波長帯を含む近赤外光を生体表面に照射するため、上記波長帯の光が生体表面や生体表面上の毛に付着した水滴に吸収される等で、光量が低下する恐れがある。
【0007】
そこで、この事情を鑑み、生体表面や毛に付着した水分による光量低下を抑制した光照射装置を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、近赤外光を照射する照射部と、前記照射部を一端に設けた本体とを備えると共に、前記照射部が、前記近赤外光を発する光源と、前記光源の前記近赤外光を外部に放出する照射口とを備えた光照射装置であって、前記光源が、前記照射口に向けて光を発する発光ダイオードを備え、前記照射部が、前記光源に生じた熱を有する空気を吸入して前記光源を冷却する冷却ファンと、前記冷却ファンから排出された温風を前記照射口に吐出する風路とをさらに備えることを特徴とする。
【0009】
この光照射装置として、前記発光ダイオードが前記光を発する向きを照射方向とし、前記照射部が前記照射口の開口面と前記光源との照射方向における間に空隙を有し、前記風路の前記温風を吐出する吹き出し口を、前記空隙に開口して設けたことが好ましい。
【0010】
この光照射装置として、前記発光ダイオードが前記光を発する向きを照射方向とし、前記光源の照射方向を向く側を表とし、反対側を裏とし、前記冷却ファンが、前記光源の表裏両側から前記空気を吸入するものであることが好ましい。
【0011】
この光照射装置として、前記光源が、950nm又は1450nmの波長帯の近赤外光を発する前記発光ダイオードを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
このような構成としたことで、発光時の熱を利用して、生体表面や毛に付着した水分による光量低下を抑制することができ、育毛を促し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態の一例の光照射装置を模式的に示した断面図である。
【図2】同上の平面図である。
【図3】LED基板モジュールの(a)平面図であり、(b)が側面図である。
【図4】第1の変形例の断面図である。
【図5】第2の変形例の(a)断面図であり、(b)が照射部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて例示して説明する。
【0015】
本実施形態の光照射装置は、図1に示すように、有底筒状の本体1と、育毛用の光を発しこの光を生体表面に照射する照射部6とで主体が構成される。そして、光照射装置は、本体1の側面1aを把持し、且つ本体1の開口した側の一端(第1端部1b)に設けた照射部6を生体表面に当接した状態で使用される。
【0016】
本体1は矩形の筒状で、図2に示すように、筒の第1端部1bや反対側の第2端部1c(底部)が平面視矩形状となっており、第1端部1bは矩形状の開口を有する。そして、本体1は内部に、図1に示すように、照射部6に発光用の電力を供給する電源部2と、発光等の照射部6の動作を制御する制御部3と、各部を電気的に接続する導電経路4とが設けてある。電源部2は、例えば、二次電池等の充電可能な内蔵電源となっており、導電経路4を介して制御部3及び照射部6に電力を供給する。
【0017】
導電経路4には、通電と遮断とを(給電の入り切りを)切り替えるスイッチ5がさらに設けてある。そして、本体1は、外殻に露出して操作部(図示せず)が設けてある。そして、この操作部を操作することで、スイッチ5を介して導電経路4の給電の入り切りが切り替わる。また、導電経路4は、例えば、リード線や、端子金具等の導電部材で主体が形成されており、給電用の電源線や、制御部3からの制御信号を伝達するための信号線等として機能する。そして、導電経路4は、電源部2と制御部3とを電気的に接続する第1導電部4aと、制御部3と照射部6とを電気的に接続する第2導電部4bと、を有する。
【0018】
制御部3は、導電経路4において電源部2と照射部6との間に配置されており、電源部2からの電力は、制御部3に供給され、且つ制御部3を介して照射部6に供給される。そして、制御部3は、光源7がパルス点灯するよう発光制御を行う。
【0019】
照射部6は、導電経路4(第2導電部4b)を介して制御部3に電気的に接続された光源7と、生体表面に縁部11aを当接する照射口11と、光源7を冷却する冷却ファン12と、光源7の熱を付与した温風を生体表面側に送る風路13とを備える。そして、照射部6は第1端部1bの開口が照射口11となっている。
【0020】
光源7は、複数の発光ダイオード10を基板9に実装したLED基板モジュール8で主体が構成される。LED基板モジュール8は、図3に示すように、矩形板状の基板9と、複数個(本実施形態では16個)の発光ダイオード10とを備え、発光ダイオード10は基板9の一方の板面(第1板面9a)に設けてある。以下、LED基板モジュール8において、第1板面9a側を表側とし、反対側である第2板面側を裏側とする。
【0021】
発光ダイオード10は、所定の一方向に向けて光を発する指向性を有した発光体となっており、近赤外領域の波長帯の非可視(不可視)の光(近赤外光)を発する。この光の波長帯として、950nm又は1450nmの波長帯の近赤外光が好ましく、照射部6はこの波長帯の一方のみ又は両方の波長帯の近赤外光を放出することが好ましい。そして、発光ダイオード10は発する光の向きを略並行で且つ第1板面9aに略直交した向きで第1板面9a上に並べてある。
【0022】
そのため、光源7は、第1板面9aに略直交して第1板面9aから離れる向きに、発光ダイオード10の発した近赤外光を放出する構成となっている。そして、近赤外光は頭皮等の生体表面に照射することで、照射された生体表面近傍の毛の成長を促し易くすることができる(育毛効果を高め易くすることができる)。以下、この近赤外光(照射光)を放出する方向を、図1に示すように、照射方向Lとし、照射方向Lにおける先方側を前方とし、反対側を後方とする。
【0023】
また、発光ダイオード10は、平面視において、基板9上に略等間隔で且つ所定の位置に配置してある。具体的には、図3に示すように、基板9上の一方向(基板9の第1辺)に沿って、発光ダイオード10を4個並べた列を、基板9上の上記一方向に直交した他の一方向(基板9の第2辺)に沿って、4つ(4列)配置してある。
【0024】
そして、光源7(LED基板モジュール8)は、図1に示すように、本体1内部に設けてあり、光源7の照射方向Lの先(前方)には、照射口11が位置する。そのため、光源7の発した光は、照射口11を介して第1端部1bから本体1外に照射光として放出される。
【0025】
照射口11は、図2に示すように、矩形状に開口しており、平面視において、照射口11の内側に光源7が位置する。そして、照射口11の縁部11aは、本体1の外殻によって形成されており、照射部6での光照射時には、この縁部11a全体を生体表面に当接した状態で行われる。そのため、照射口11から放出された近赤外光(非可視の照射光)は、縁部11aを当接した生体表面のうち、照射口11内に位置した部位(縁部11aに囲まれた部位)に照射される。
【0026】
冷却ファン12は、導電経路4(第3導電部4c)を介して制御部3と電気的に接続してあり、制御部3を介して電源部2から給電される。そして、冷却ファン12は、この給電によって回転駆動して、所定の方向(図1中の矢印Ar1参照)に向けて風を発生させる。以下、矢印Ar1の向きを送風方向とする。
【0027】
また、冷却ファン12は、平面視において回転中心を基板9の略中央に位置して、LED基板モジュール8の裏側に設けてある。そして、冷却ファン12は、図1に示すように、送風方向が第2板面に対して略直交し且つ照射方向Lと反対向きに位置しており、第2板面から離れる方向に風を発生させる。
【0028】
そのため、冷却ファン12は、回転時に、LED基板モジュール8の裏側に位置し発光ダイオード10の発光時に生じた熱で加熱された空気(光源7の熱を有した空気)を吸入する。そして、光源7の熱を有した空気を冷却ファン12で吸入したことで、LED基板モジュール8(光源7)は周囲の空気に熱を付与し易くなって冷却され易くなる。また、冷却ファン12はLED基板モジュール8の熱を吸収した風(光源7の熱を有した温風)を風路13に排出する。
【0029】
風路13は、図1に示すように、照射方向Lに直交して視た正面視において、L字形状となっている。そして、風路13は、L字の一辺(第1風路13a)が第2板面に略平行して設けてあり、残りの一辺(第2風路13b)が照射方向Lに略平行して設けてある。
【0030】
第1風路13aは、冷却ファン12の回転中心に近い端部側が冷却ファン12の排出側に連通接続してあり、反対側の端部が第2風路13bに連通接続してあり、平面視において回転中心から径外方向に温風を流動させる。
【0031】
第2風路13bは、平面視や正面視において、回転中心を基準に、LED基板モジュール8より外方の位置(より回転中心から離れた位置)に設けてあり、冷却ファン12に流れ込む光源7周囲の空気(光源7周囲の空間)から温風の流れる流路を区画している。そして、第2風路13bは、照射方向Lにおける後方の端部(後端)が第1風路13aに連通接続してある。
【0032】
また、第2風路13bは照射方向Lにおける前方の端部(前端)が照射口11内側に向けて傾斜しており、傾斜の先端(前方側の端部)に吹き出し口14を有する。吹き出し口14は、図2に示すように、照射口11に沿った矩形状で、図1に示すように、照射口11に向けて開口しており、第1風路13aから導入された温風を照射口11内に吐出する。
【0033】
このように、本実施形態の光照射装置は、冷却ファン12で光源7を冷却し、且つ冷却時の排出した温風を風路13によって光源7の外方を経由して照射口11側に導入して、照射口11(照射口11の開口面)に吐出する構成になっている。そして、冷却ファン12でLED基板モジュール8(光源7)を冷却したことで、光源7の構成部材に要する耐熱性能の制限を軽減し易くすることができ、耐熱性能の制限による費用増大を抑制し易くすることができる。
【0034】
更に、冷却ファン12の風(温風)を風路13によって照射口11に吐出した(送り出した)ことで、キセノンランプに比べて熱量の少ない発光ダイオード10の発光時の熱を、生体表面側に付与し易くすることができる。そして、この熱付与によって、髪等の毛や生体表面に付着した水滴(水分)が蒸発し易くなり、近赤外領域の波長帯の照射光の一部が上記付着した水分に吸収されて光量が低下することを抑制し易くすることができる。そのため、光照射による育毛効果を高め易くすることができ、また光量低下による照射時間の増大を抑制することができ、使用者に光照射を行い易くすることができる。
【0035】
更に、生体表面に熱を付与したことで、温熱効果によって生体の血行を促進し易くすることができ、例えば細胞に栄養が供給され易くなる等で、毛を成長し易くすることができ、育毛効果を高め易くすることができる。
【0036】
ところで、制御部3は、単に冷却ファン12を回転させるだけでなく、回転数を変更する制御を行って、送風によってリラックス効果を付与したり、送風による過剰な生体表面の乾燥の発生を抑制したりしてもよい。例えば、光照射装置がタイマーを備え、制御部3が、冷却ファン12を10秒間駆動する毎に、上げる或いは下げる等に回転数を変更して、照射口11側(生体表面側)に吐出する風に強弱をつける制御を行う。この制御を行うことで、風の強さをリズミカルに変化させて使用者に心地よさを与え易くなり、風によるリラックス効果を付与し易くすることができる。
【0037】
また、例えば、パルス点灯させる総使用時間を約20分とした場合、制御部3は、タイマーで、光源7を発光させる使用開始時から約3分間に亘って、回転数を上げた強風状態で冷却ファン12を動作させる制御を行う。そして、制御部3は、強風状態で約3分駆動した(動作させた)後、回転数を下げて、強風状態に比べて弱い風を冷却ファン12に発生させる弱風状態に切り替え、この弱風状態で約17分間動作させる制御を行う。この制御を行うことで、総使用時間の全てに亘って強風状態で動作させた場合に比べて、生体表面の乾燥を抑えられ、送風によって生体表面が過剰に乾燥することを抑制し易くすることができる。
【0038】
以下、図4や図5に示すように、照射部6の変形例を説明する。なお、前述した構成と、重複する構成に対する説明は省略する。
【0039】
図4に示す第1の変形例は、照射方向Lにおいて、光源7から照射口11に至るまでの距離が前述の例に比べて長くなっており、光源7と照射口11の開口面との照射方向Lにおける間に、空隙15を有した構成になっている。
【0040】
吹き出し口14は光源7より前方の位置で開口しており、吹き出し口14から吐出した温風は空隙15を介して照射口11(照射口11の開口面)に至る。
【0041】
このように、空隙15を設けたことで、温風が吐出後に拡散するにあたって、光源7がこの拡散に干渉し難くなり、照射口11の開口面全体等の広い範囲に温風を拡散して照射口11に送り出し易くすることができる。そのため、照射口11内に位置した生体表面に対して広い範囲(面積)に熱を付与し易くすることができ、熱の付与の斑(温風の拡散の偏り)が生じ難くなり、育毛効果を高め易くすることができる。そして、空隙15を設けたことで、照射方向Lにおいて、照射口11内に位置した生体表面を光源7から離すことができ、光源7に生体表面の油脂等の汚れを付着し難くすることができ、汚れの付着による光量低下等を生じ難くすることができる。
【0042】
図5に示す第2の変形例は、平面視及び正面視における光源7より外方の位置に、二つの冷却ファン12が対向して(背向して)設けてある。そして、冷却ファン12は光源7側を向いて回転中心を有しており、この回転中心の延長線上が基板9の板面と略平行に位置する。そのため、冷却ファン12は送風方向が基板9の辺(第1辺或いは第2辺)に沿った向きを向いており、LED基板モジュール8の表裏両側の空気を吸入して、光源7を表裏両側から冷却する。以下、第2の変形例における送風方向に正対して視た向きを、側面視とする。
【0043】
また、照射部6は照射方向Lにおいて所定の間隔を空けて光源7の表裏両側に仕切り板が設けてあり、仕切り板は照射方向Lにおいて光源7を間に位置して対向する。言い換えると、光源7は照射方向Lにおいて仕切り板によって区画された空間に配置される。以下、表側の仕切り板を第1仕切り板20とし、裏側の仕切り板を第2仕切り板21とする。
【0044】
第1仕切り板20は矩形の板状で、基板9と板面が略平行に配置してあり、光学的に透明となっている。そして、第1仕切り板20は光源7より前方の空隙15を光源7から区画している。なお、光学的に透明とは、集光レンズや拡散レンズ等のレンズとしての機能を有したものや、入射光と出射光とで光量や向きを略変えずに透過するものを指す。
【0045】
第2仕切り板21は矩形の板状で、基板9と板面が略平行に配置してあり、板の側方における寸法の略中間の位置(中間位置)に、ガイド部23が設けてある。ガイド部23は中間位置に向かうほど照射方向Lに突出した傾斜面23aで主体が構成される。傾斜面23aは側面視において、基板9の幅と略同じ幅で形成されており、冷却ファン12に対向して位置する。そのため、ガイド部23は、冷却ファン12の回転時に、中間位置近傍における光源7周囲の空気を傾斜面23aによって、対向する冷却ファン12に流動し易くしている。
【0046】
風路13は、平面視及び正面視において冷却ファン12より外方の位置(送風方向における下流側の位置)に設けてある。そして、吹き出し口14は第1仕切り板20より前方に位置し、且つ照射口11(空隙15)に向いて開口している。そのため、風路13は、冷却ファン12から排出された温風を照射方向Lに流動させて(送って)、照射口11側(空隙15内)に吐出する構成になっており、温風は第1仕切り板20によって光源7から区画された空隙15内に拡散する。
【0047】
このように、本例では、光源7を冷却ファン12で表裏両側から冷却したことで、裏面側のみに冷却ファン12を配置した場合に比べて、光源7の冷却効率を向上し易くすることができる。そして、空隙15を第1仕切り板20で光源7から区画したことで、吹き出し口14から吐出した温風を光源7側に流れ込み難くすることができ、生体表面に対して熱を付与し易くすることができ、育毛効果を高め易くすることができる。更に、吹き出し口14から吐出した温風を第1仕切り板20で光源7側に流れ込み難くしたことで、温風による光源7の再加熱を抑制し易くなり、再加熱による冷却効率の低下を抑制し易くすることができる。
【0048】
なお、本発明は実施形態や各変形例の構成のみに限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、実施形態において適宜の設計変更を行うことや、各変形例等の構成を適宜組み合わせて適用することが可能である。例えば、図4に示す変形例に、第1仕切り板20を設けてもよい。また、本体1は矩形の筒状に限らず、円筒状等であってもよく、第1端部1bの開口も矩形に限らない。また、風路13の内部に温風流動用のフィンを設けて、温風を吹き出し口14側に流動し易くしてもよい。
【0049】
また、発光ダイオード10は近赤外領域以外の波長帯を含む光や近赤外領域の波長帯以外の波長帯の光を発するものであってもよい。このものでは、例えば、光源7が、LED基板モジュール8と照射口11との間に、発光ダイオード10の発した光が入射すると近赤外光を照射口11に向けて出射する偏光レンズ等の光学的機能部材を備えることが好ましい。
【符号の説明】
【0050】
1 本体
1b 第1端部
6 照射部
7 光源
8 LED基板モジュール
10 発光ダイオード
11 照射口
12 冷却ファン
13 風路
14 吹き出し口
15 空隙
20 第1仕切り板
L 照射方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近赤外光を照射する照射部と、前記照射部を一端に設けた本体とを備えると共に、前記照射部が、前記近赤外光を発する光源と、前記光源の前記近赤外光を外部に放出する照射口とを備えた光照射装置であって、
前記光源が、前記照射口に向けて光を発する発光ダイオードを備え、
前記照射部が、前記光源に生じた熱を有する空気を吸入して前記光源を冷却する冷却ファンと、前記冷却ファンから排出された温風を前記照射口に吐出する風路とをさらに備える
ことを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
前記発光ダイオードが前記光を発する向きを照射方向とし、
前記照射部が前記照射口の開口面と前記光源との照射方向における間に空隙を有し、
前記風路の前記温風を吐出する吹き出し口を、前記空隙に開口して設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
【請求項3】
前記発光ダイオードが前記光を発する向きを照射方向とし、
前記光源の照射方向を向く側を表とし、反対側を裏とし、
前記冷却ファンが、前記光源の表裏両側から前記空気を吸入するものである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光照射装置。
【請求項4】
前記光源が、950nm又は1450nmの波長帯の近赤外光を発する前記発光ダイオードを有する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光照射装置。
【請求項1】
近赤外光を照射する照射部と、前記照射部を一端に設けた本体とを備えると共に、前記照射部が、前記近赤外光を発する光源と、前記光源の前記近赤外光を外部に放出する照射口とを備えた光照射装置であって、
前記光源が、前記照射口に向けて光を発する発光ダイオードを備え、
前記照射部が、前記光源に生じた熱を有する空気を吸入して前記光源を冷却する冷却ファンと、前記冷却ファンから排出された温風を前記照射口に吐出する風路とをさらに備える
ことを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
前記発光ダイオードが前記光を発する向きを照射方向とし、
前記照射部が前記照射口の開口面と前記光源との照射方向における間に空隙を有し、
前記風路の前記温風を吐出する吹き出し口を、前記空隙に開口して設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
【請求項3】
前記発光ダイオードが前記光を発する向きを照射方向とし、
前記光源の照射方向を向く側を表とし、反対側を裏とし、
前記冷却ファンが、前記光源の表裏両側から前記空気を吸入するものである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光照射装置。
【請求項4】
前記光源が、950nm又は1450nmの波長帯の近赤外光を発する前記発光ダイオードを有する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光照射装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2013−106876(P2013−106876A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255961(P2011−255961)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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