説明

光照射装置

【課題】照射部の動作を照射部の光で判断可能な構成にし、且つこの判断可能な構成にするにあたって、回路構成の追加によるコスト増大や設置スペースの制限等の発生を軽減した光照射装置を提供する。
【解決手段】本発明は、非可視領域の波長帯で非可視の光を照射する照射部6と、照射部6を一端に設けた本体1とを備えると共に、照射部6が、前記非可視の光を発する光源7と、光源7の発した光を外部に放出する照射口11とを備えた光照射装置であって、光源7を、複数の発光ダイオードを配置したLED基板モジュール8で構成し、照射部6が、照射口11から放出する照射光の一部に、可視領域の波長帯で可視の光を有し、前記照射光の照射方向Lにおいて、照射部6の照射口11より後方の部位に、前記可視の光を外部に放出するスリット12を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近赤外光を生体表面に照射して、育毛を促す光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、生体表面に光を照射する光照射装置として、例えば、特許文献2に示すような発光ダイオードを光源に用いた発毛調節光照射装置がある。特許文献2の発毛調節光照射装置は、870nm以上910nm以下の波長域を除く600nm以上1000nm以下の波長域の低エネルギーの光を毛根部付近に照射することで、炎症を生じさせることなく育毛を促進させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−246144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1等の従来の発毛調節光照射装置は、上記波長域のうち、非可視(不可視)の波長帯の光を育毛用の光として照射した場合、使用者は照射光等の光照射(照射部の動作)を目で確認することができない。そのため、従来の発毛調節光照射装置は、光を照射しているのか否かを照射部の動作から判断することができず、この動作を使用者に認識させるための報知部等を別途設ける必要がある。しかしながら、報知部等を増設した場合、報知部用の回路等の回路構成の増加、回路構成や制御処理の複雑化等を生じ易くなり、コストの増大を生じたり、構成部材の増加によって装置内における部材の設置スペースに制限が生じたりする恐れがある。
【0005】
そこで、この事情を鑑み、照射部の動作を照射部の光で判断可能な構成にし、且つこの判断可能な構成にするにあたって、回路構成の追加等によるコスト増大や設置スペースの制限の発生等を軽減した光照射装置を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、非可視領域の波長帯で非可視の光を照射する照射部と、前記照射部を一端に設けた本体とを備えると共に、前記照射部が、前記非可視の光を発する光源と、前記光源の発した光を外部に放出する照射口とを備えた光照射装置であって、前記光源を、複数の発光ダイオードを配置したLED基板モジュールで構成し、前記照射部が、前記照射口から放出する照射光の一部に、可視領域の波長帯で可視の光を有し、前記照射光の照射方向において、前記照射部の前記照射口より後方の部位に、前記可視の光を外部に放出するスリットを設けたことを特徴とする。
【0007】
この光照射装置として、前記複数の発光ダイオードのうちの一部が、前記可視の光を発する可視光用発光ダイオードであり、前記照射部が、前記光源と前記照射口との間に設けられ前記光源からの光を拡散して透光する拡散透光部材をさらに備え、前記拡散透光部材の前記可視の光を透光する部位に、光の拡散を抑制する拡散抑制部を設けたことが好ましい。
【0008】
この光照射装置として、前記拡散抑制部が、開口部であることが好ましい。
【0009】
この光照射装置として、前記拡散抑制部が、集光部であることが好ましい。
【0010】
この光照射装置として、前記照射部が、前記光源と前記照射口との間に設けられ前記光源からの光を拡散して透光する拡散透光部材をさらに備え、前記拡散透光部材に、前記非可視の光の入射によって前記可視の光を出射する光変更部を設けたことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
このような構成としたことで、照射部の動作を照射部の光で判断可能な構成にし易くすることができ、且つこの判断可能な構成にするにあたって、回路構成の追加によるコスト増大や設置スペースの制限等の発生を軽減し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態の一例の光照射装置の構成を模式的に示した正面図である。
【図2】第1端部の平面図である。
【図3】光源の変形例であり、(a)が平面図であり、(b)がA−A断面図であり、(c)が領域Bを拡大した断面図である。
【図4】光源の他の変形例であり、(a)が平面図であり、(b)がC−C断面図であり、(c)が領域Dを拡大した断面図である。
【図5】光源の更に他の変形例であり、(a)がC−C断面図であり、(b)が領域Eを拡大した断面図である。
【図6】光源の更に異なる他の変形例であり、(a)が発光ダイオードを省略した平面図であり、(b)がF−F断面図である。
【図7】図6の更に他の変形例の発光ダイオードを省略した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて例示して説明する。
【0014】
本実施形態の光照射装置は、図1に示すように、有底筒状の本体1と、育毛用の光を発しこの光を生体表面に照射する照射部6とで主体が構成される。そして、光照射装置は、本体1の側面1aを把持し、且つ本体1の開口した側の一端(第1端部1b)に設けた照射部6を生体表面に当接した状態で使用される。
【0015】
本体1は矩形の筒状で、図2に示すように、筒の第1端部1bや反対側の第2端部1c(底部)が平面視矩形状となっており、第1端部1bは矩形状の開口を有する。そして、本体1は内部に、図1に示すように、照射部6に発光用の電力を供給する電源部2と、発光等の照射部6の動作を制御する制御部3と、各部を電気的に接続する導電経路4とが設けてある。電源部2は、例えば、二次電池等の充電可能な内蔵電源となっており、導電経路4を介して制御部3及び照射部6に電力を供給する。
【0016】
導電経路4には、通電と遮断とを(給電の入り切りを)切り替えるスイッチ5がさらに設けてある。そして、本体1は、外殻に露出して操作部(図示せず)が設けてある。そして、この操作部を操作することで、スイッチ5を介して導電経路4の給電の入り切りが切り替わる。また、導電経路4は、例えば、リード線や、端子金具等の導電部材で主体が形成されており、給電用の電源線や、制御部3からの制御信号を伝達するための信号線等として機能する。そして、導電経路4は、電源部2と制御部3とを電気的に接続する第1導電部4aと、制御部3と照射部6とを電気的に接続する第2導電部4bと、を有する。
【0017】
制御部3は、導電経路4において電源部2と照射部6との間に配置されており、電源部2からの電力は、制御部3に供給され、且つ制御部3を介して照射部6に供給される。そして、制御部3は、光源7がパルス点灯するよう発光制御を行う。
【0018】
照射部6は、導電経路4(第2導電部4b)を介して制御部3に電気的に接続された光源7と、生体表面に縁部11aを当接する照射口11とを備える。そして、照射部6は第1端部1bの開口が照射口11となっている。
【0019】
光源7は、複数の発光ダイオード10を基板9に実装したLED基板モジュール8で主体が構成される。LED基板モジュール8は、矩形板状の基板9と、複数個(本実施形態では16個)の発光ダイオード10とを備え、発光ダイオード10は基板9の一方の板面(第1板面9a)に設けてある。
【0020】
発光ダイオード10は、所定の一方向に向けて光を発する指向性を有した発光体となっている。そして、発光ダイオード10は、所謂砲弾型の円錐形状で、底面を第1板面9aに取り付けてあり、円錐の軸方向に沿って光を発する。更に、発光ダイオード10は、軸方向を略並行で且つ第1板面9aに略直交した向きで第1板面9a上に並べてある。
【0021】
また、複数の発光ダイオード10のうち、一つの発光ダイオード10が、可視領域の波長帯の可視の光を発する可視光用発光ダイオード10bになっている。そして、この可視光用発光ダイオード10bを除く他の全ての発光ダイオード10が、非可視領域である近赤外領域の波長帯の非可視(不可視)の光(近赤外光)を発する育毛用発光ダイオード10aになっている。更に、この非可視の光の波長帯として、950nm又は1450nmの波長帯の近赤外光が好ましく、照射部6はこの波長帯の一方のみ又は両方の波長帯の近赤外光を非可視の光として放出することが好ましい。
【0022】
そのため、光源7は、第1板面9aに略直交して第1板面9aから離れる向きに、近赤外光及び可視の光を照射光として放出する構成となっている。そして、近赤外光は頭皮等の生体表面に照射することで、照射された生体表面近傍の毛の成長を促し易くすることができ、光照射による育毛効果を高め易くすることができる。
【0023】
以下、非可視の光を発する育毛用発光ダイオード10aを第1LED10aとし、可視の光を発する可視光用発光ダイオード10bを第2LED10bとし、特に区別しない場合、発光ダイオード10とする。そして、発光ダイオード10が照射光を放出する方向(軸方向に沿って光を発する向き)を、図1に示すように、照射方向Lとし、照射方向Lにおける先方側を前方とし、反対側を後方とする。
【0024】
また、発光ダイオード10は、平面視において、基板9上に略等間隔で且つ所定の位置に配置してある。具体的には、図2に示すように、基板9上の一方向(基板9の第1辺)に沿って、発光ダイオード10を4個並べた列を、基板9上の上記一方向に直交したの他の一方向(基板9の第2辺)に沿って、4つ(4列)配置してある。
【0025】
そして、LED基板モジュール8は、図1に示すように、本体1内部に設けてあり、光源7の照射方向Lの先(前方)には、照射口11が位置する。そのため、光源7の発した光は、照射口11を介して第1端部1bから本体1の外部(本体1の前方)に照射光として放出される。
【0026】
照射口11は、図2に示すように、矩形状に開口しており、平面視において、照射口11内(縁部11aに囲まれた内周側)に光源7が位置する。そして、照射口11の縁部11aは、本体1の外殻によって形成されており、照射部6での光照射時には、この縁部11a全体を生体表面に当接した状態で行われる。そのため、照射口11から放出された近赤外光(非可視の照射光)は、縁部11aを当接した生体表面のうち、照射口11内に位置した部位(縁部11aに囲まれた部位)に照射される。
【0027】
また、本実施形態の光照射装置は、図1に示すように、使用者が後方側から照射口11を覗き、照射光に含まれる可視の光を視認するために、側面1aの照射部6近傍の位置にスリット12が設けてある。
【0028】
具体的には、側面1aのうち、基板9(光源7)から照射方向Lに直交した位置にスリット12が設けてある。言い換えると、スリット12は、側面1aの把持される領域より前方側、すなわち側面1aの照射部6の外殻を形成する部位に設けてある。そして、光照射装置は、使用者が本体1側方で且つスリット12の後方側から、照射方向Lから本体1内向きに傾斜した向きで、スリット12を介して本体1内部側を覗くことで、照射口11を視認することができる構成になっている。
【0029】
そのため、生体表面に光照射を行った際には、例えばスリット12を介して第2LED10bの可視の光に照らされた生体表面の一部を視認する等で、光照射中(照射部6が動作中)か否かを使用者に判断させ易くすることができる。言い換えると、スリット12は、光源7の光の一部の可視領域の波長帯の光である第2LED10bの生体表面で反射した光(反射光)を側面1aより外方(側方)に放出することで、動作中か否かを使用者に判断させ易くすることができる。
【0030】
そして、スリット12を介して照射口11を視認して動作中か否かを判断可能にしたことで、生体表面に照射口11を当接した状態等であっても、動作中かを判断させ易くすることができる。
【0031】
更に、生体表面に当接した状態であっても、照射口11を視認可能にしたことで、照射口11を介して当接位置を確認することができ、生体表面の使用者が所望する部位に照射口11を位置させ易くなり、光照射装置の利便性を向上し易くすることができる。そして、照射方向Lから傾斜した向きで照射口11より後方側から視認する構成としたことで、前方側から照射方向Lに対向して照射口11を覗き込まなくても(光源7を直視しなくても)動作中かを判断させ易くすることができる。そのため、動作中かを判断させ易くするにあたって、光源7を直視すること等による使用者の不安を生じ難くすることができる。
【0032】
更に、側面1aの照射部6の位置する部位(把持される領域より前方側)にスリット12を設けたことで、スリット12を介して照射口11側を視認するにあたって、使用時に把持した手等がこの視認に干渉し難くすることができる。そのため、スリット12を介して照射口11内や可視の光を視認し易くすることができ、動作中かを判断させ易くすることができる。
【0033】
以下、図3乃至図6に示す照射部6の変形例を説明する。なお、前述した構成と、重複する構成に対する説明は省略する。
【0034】
図3に示す第1の変形例は、基板9は第1板面9aの中央に凸部9bを有する。凸部9bは照射方向に突出した円柱状となっており、円柱の軸方向が照射方向と略並行に並ぶ。そして、凸部9bは円柱の端面(前面9c)に発光ダイオード10が設けてある。発光ダイオード10は平面視矩形のチップ形状のものになっており、発光ダイオード10は、5個並ぶ列を平行に5つ(5列)配置した平面視矩形状で、前面9c上に設けてある。
【0035】
そして、LED基板モジュール8は、報知用の発光ダイオード15をさらに備える。報知用の発光ダイオード15は、照射口11に向けて光を発する発光ダイオード10(第1LED10a及び第2LED10b)と別体で、第1板面9aの平面視において第1板面9aの照射口11内に位置しない部位に設けてある。言い換えると、報知用の発光ダイオード15は、平面視において、第1板面9aの凸部9bより径外方向にずれた凸部9b以外の位置に設けてある。以下、報知用の発光ダイオード15を第3LED15とし、照射光用の発光ダイオード10である第1LED10a及び第2LED10bを纏めた「発光ダイオード10」と区別する。
【0036】
第3LED15は、発光ダイオード10と同様に、制御部3から給電され且つ発光制御されており、発光ダイオード10のパルス点灯中、点灯し続け、可視領域の波長帯の光を照射方向Lに沿って発し続ける。そして、第3LED15は、照射方向Lにおいて、第1端部1bの照射口11より側方に設けた開口(図示せず)に正対して位置しており、第3LED15の発した光はこの開口から本体1前方に放出される。
【0037】
そのため、第1端部1bを生体表面に当接した状態では、発光ダイオード10での光照射動作と略同時に、第3LED15が生体表面の平面視において上記開口と重なる位置に光を照射する。そして、第3LED15は平面視において照射口11より側方の位置に光を照射するため、光の一部が発光ダイオード10の光(照射光)に比べて、平面視において本体1側方に漏れ出易い。
【0038】
そのため、この漏れ出た光が同時に行われる光照射の指標となり、動作中か否かを使用者に判断させ易くすることができる。更に、第3LED15をLED基板モジュール8に設けたことで、LED基板モジュール8と別体で動作報知用の報知部を設けたものに比べて、設置スペースの制限を生じ難くしたり、導電経路4の複雑化やコスト増大等を抑制し易くしたりすることができる。
【0039】
図4に示す第2の変形例は、LED基板モジュール8に拡散透光部材20が設けてある。拡散透光部材20は、矩形状に配置した発光ダイオード10の前面側及び凸部9bを覆っている。そして、拡散透光部材20は、発光ダイオード10の発した光を拡散して照射方向Lに透光する。そのため、光照射装置は、拡散透光部材20で拡散した光を照射光として照射口11から本体1外部(前方)に放出する構成になっている。
【0040】
そして、照射光を拡散透光部材20で拡散した光にしたことで、拡散透光部材20の無いものに比べて、平面視において、発光ダイオード10間や照射口11の略全体等の広い範囲で照射口11から放出し易くする(照射し易くする)ことができる。そのため、拡散透光部材20を備えないものに比べて、発光ダイオード10間等の生体表面の広い範囲に育毛用の光を照射し易くすることができ、光照射による育毛効果の向上を生体表面に付与し易くすることができる。
【0041】
更に、拡散透光部材20は、第2LED10bの光の拡散を抑制した拡散抑制部21を有する。拡散抑制部21は拡散透光部材20に切り欠く等で形成した開口部22で主体が構成される。開口部22は、照射方向Lにおいて第2LED10bに正対した部位に設けてあり、開口部22から第2LED10bの前面側が露出している。
【0042】
そのため、第2LED10bの発した可視の光は、開口部22を介して照射口11に入射しており、拡散透光部材20による光学的な影響を略受けず(拡散せず)に、指向性を略保った状態で照射口11から放出される。そして、指向性を略保った状態で可視の光を放出したことで、例えば可視の光で照らされた生体表面や反射光の単位面積当たりの光量の低下等での視認性の低下を抑制し易くなり、動作中かを使用者に判断させ易くすることができる。
【0043】
図5に示す第3の変形例は、拡散透光部材20の第2LED10bに正対した部位(第2変形例の開口部22を有した部位)に、拡散抑制部21として集光部23が設けてある。集光部23は、例えば集光レンズ等で主体が構成されており、集光部23は第2LED10bの光を、第2LED10bの平面視中央側に集めて、又は指向性を略保った状態で、照射口11に入射させる。
【0044】
この構成にしたことで、第2LED10bの光は拡散抑制部21を介して照射口11に入射するため、拡散透光部材20による光学的な影響を略受けず(拡散せず)に照射口11から放出される。そのため、例えば可視の光で照らされた生体表面や反射光の単位面積当たりの光量の低下等での視認性の低下を抑制し易くなり、動作中かを使用者に判断させ易くすることができる。そして、可視の光を平面視第2LED10bの中央側に集めたことで、可視の光の視認性を高め易くすることができ、動作中かを使用者に判断させ易くすることができる。
【0045】
図6に示す第4の変形例は、光源7が可視の光を発する第2LED10bを備えておらず、光源7用の発光ダイオード10として第1LED10aのみを備える。そして、拡散透光部材20は光変更部24を有する。
【0046】
光変更部24は、光源7からの非可視の光が入射されることで、照射口11に向けて可視の光を出射する構成になっており、拡散透光部材20の一部に設けてある。そして、光変更部24は、例えば近赤外領域の波長帯の光で励起し可視の光を発する蛍光体で主体が構成される。蛍光体は、例えば平面視矩形状の蛍光部材24aで主体が構成される。
【0047】
蛍光部材24aは複数個設けてあり、拡散透光部材20の前面側の夫々異なる位置に埋め込み取り付けてある。そして、蛍光部材24aは、光源7から拡散透光部を介して非可視の光(育毛用の光)が入射すると、少なくとも照射口11に向けて可視の光を出射する。
【0048】
このような構成にしたことで、拡散透光部材20で拡散された光源7からの育毛用の光と、光変更部24から出射した可視の光との二種類の光が照射口11から放出される。そのため、育毛用の光照射による育毛効果の向上を生体表面に付与し易くすることができ、且つ可視の光照射によって動作中かを使用者に判断させ易くすることができる。
【0049】
また例えば、図7に示すように、光変更部24は、蛍光剤24bで主体を構成することができ、蛍光剤24bは拡散透光部材20の前面や後面に塗布する等で光変更部24を形成する。そして、蛍光剤24bを用いた場合、光変更部24で拡散透光部材20に模様や文字等を描き易くなるため、動作判断用の可視の光で生体表面に所定の絵や模様や文字等を投射することができる。
【0050】
なお、本発明は、実施形態や変形例の構成のみに限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、実施形態や変形例において適宜の設計変更を行うことや、実施形態や各変形例等の構成を適宜組み合わせて適用することが可能である。例えば、拡散透光部材20は、レンズ部材等のLED基板モジュール8と別部材で形成して、照射方向Lにおける光源7と照射口11との間に設けた構成であってもよい。また例えば、第2LED10bを二つ以上設けた構成であってもよく、砲弾型の発光ダイオード10を配置したLED基板モジュール8に拡散透光部材20を設けてもよい。また例えばLED基板モジュール8は、基板9が凸部9bを有さず、チップ形状の発光ダイオード10を第1板面9aに設けた構成であってもよい。
【0051】
また例えば、光変更部24は、蛍光部材24aと蛍光剤24bとを設けたものであってもよい。そして、蛍光体は、発した可視の光が拡散透光部材20による光学的な影響を受け難い前面側が好ましいが、後面側や内部に設けた構成であってもよい。更に、光変更部24は、蛍光体で構成したものに限らず、近赤外光等の非可視の光が入射されることで可視の光を出射するものであればよい。また例えば、拡散透光部材20の一つの発光ダイオード10の前面側に正対した部位に開口部22(拡散抑制部21)を形成し、開口部22に光変更部24を設けた構成としてもよい。もちろん、蛍光部材24aの形状や数は例示の構成のみに限らない。
【符号の説明】
【0052】
1 本体
1b 第1端部
6 照射部
7 光源
8 LED基板モジュール
10 発光ダイオード
11 照射口
12 スリット
20 拡散透光部材
21 拡散抑制部
22 開口部
23 集光部
24 光変更部
L 照射方向


【特許請求の範囲】
【請求項1】
非可視領域の波長帯で非可視の光を照射する照射部と、前記照射部を一端に設けた本体とを備えると共に、前記照射部が、前記非可視の光を発する光源と、前記光源の発した光を外部に放出する照射口とを備えた光照射装置であって、
前記光源を、複数の発光ダイオードを配置したLED基板モジュールで構成し、
前記照射部が、前記照射口から放出する照射光の一部に、可視領域の波長帯で可視の光を有し、
前記照射光の照射方向において、前記照射部の前記照射口より後方の部位に、前記可視の光を外部に放出するスリットを設けた
ことを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
前記複数の発光ダイオードのうちの一部が、前記可視の光を発する可視光用発光ダイオードであり、
前記照射部が、前記光源と前記照射口との間に設けられ前記光源からの光を拡散して透光する拡散透光部材をさらに備え、
前記拡散透光部材の前記可視の光を透光する部位に、光の拡散を抑制する拡散抑制部を設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
【請求項3】
前記拡散抑制部が、開口部である
ことを特徴とする請求項2に記載の光照射装置。
【請求項4】
前記拡散抑制部が、集光部である
ことを特徴とする請求項2に記載の光照射装置。
【請求項5】
前記照射部が、前記光源と前記照射口との間に設けられ前記光源からの光を拡散して透光する拡散透光部材をさらに備え、
前記拡散透光部材に、前記非可視の光の入射によって前記可視の光を出射する光変更部を設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−106877(P2013−106877A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255962(P2011−255962)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】