光論理回路
【課題】電気的な機構を組み込まないで光スイッチのみで構成された、光学部品点数が少なく低コスト化が図れ、本格的な実用化が期待される光論理回路を提供する。
【解決手段】信号光とこれとは異なる波長の制御光を入力し、該制御光の入力のオン/オフにより該信号光の出力のオン/オフを制御する方式の光制御型光スイッチを少なくとも2以上接続して論理回路を構成したことを特徴とする光論理回路。
【解決手段】信号光とこれとは異なる波長の制御光を入力し、該制御光の入力のオン/オフにより該信号光の出力のオン/オフを制御する方式の光制御型光スイッチを少なくとも2以上接続して論理回路を構成したことを特徴とする光論理回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光スイッチのみで構成される光論理回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光を利用した論理回路についてはいくつかの提案がなされている(たとえば特許文献1〜6)。これらの論理回路は、電気的な機構を組み込んだ光スイッチを用いるものがほとんどであり、そのため構造も複雑なものとなっていた。
【0003】
このような事情の下、電気的な機構を組み込まないで光スイッチのみで構成された光論理回路は、今後の高速光スイッチングの展開とともにその技術的重要性は今後益々高まっていくものと考えられる。
【0004】
一方、本発明者らは、特許文献7において、波長帯域によって光吸収性を示す領域と光透過性を示す領域を有する光吸収層を有する熱レンズ形成光素子を有し、光吸収性を示す領域から選ばれる波長をもつ制御光と光透過性を示す領域から選ばれる波長をもつ制御光を前記光吸収層に同軸で照射し、制御光の照射の有無により制御光の開き角度が異なるドーナツ型の出射光を形成し、穴あきミラーを設けて光路を変更させる光スイッチ技術を提案した。
【0005】
また、最近、本発明者らは、この光スイッチ技術を利用した新規な光論理回路を提案した(特願2006−202619)。
【0006】
さらに特許文献8には、電気的または機械的手段を採らず、制御ビームの照射でスイッチ物質の屈折率を変え、信号ビームの光路を変える光スイッチが提案されている。
【特許文献1】特開2005−33017号公報
【特許文献2】特開平3−16086号公報
【特許文献3】特開平3−16087号公報
【特許文献4】特開昭61−32316号公報
【特許文献5】特開昭55−172769号公報
【特許文献6】特開昭50−109439号公報
【特許文献7】特開2002−275713号公報
【特許文献8】米国特許第4,585,301号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者が、特願2006−202619で提案した光論理回路によれば、光論理スイッチのみで構成された光論理回路が実現されたものの、制御光の照射の有無により制御光の開き角度が異なるドーナツ型の出射光を形成し、穴あきミラーを設けて光路を変更させる光スイッチ技術を用いた場合、依然、多くの光学部品を必要とするため、本格的な実用化のためにはさらに改善の余地があった。
【0008】
一方、特許文献2に開示されている光路切替手法をこの光論理回路に適用することも考えられるが、その場合、偏向角をあまり大きくできず、また屈折率変化を行わせるレーザ光は大パワーが必要であるという問題があった。
本発明は、以上のような従来技術の実状に鑑みてなされたもので、電気的な機構を組み込まないで光スイッチのみで構成された、光学部品点数が少なく低コスト化が図れ、本格的な実用化が期待される光論理回路を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、第1には、信号光を入射する第1の入力ポートと、信号光とは異なる波長を有する制御光を入射する第2の入力ポートと、制御光に対し吸収性を示し信号光に対し透過性を示す波長帯域を持つ光吸収層を有する熱レンズ形成光素子と、光吸収層に制御光と信号光とを各々集光点を光軸に対して直角方向で異ならせて集光させる集光部を備え、レンズ形成光素子は、光吸収層が制御光を吸収した領域及びその周辺領域に起こる温度上昇に起因して可逆的に生ずる屈折率の分布に基づいた熱レンズを用いることによって、制御光が照射されず熱レンズが形成されない場合は信号光を進行方向を変えない非偏向光として出射する状態と、制御光が照射されて熱レンズが形成された場合は信号光を進行方向を変えた偏向光として出射する状態とを、制御光の照射の有無に対応させて実現させ、さらに、非偏向光として出射した信号光を出力する第1の出力ポートと、偏向光として出射した信号光を出力する第2の出力ポートと、熱レンズ形成光素子より出射した信号光のうち、非偏向光は第1の出力ポートから出力させ、偏向光は第2の出力ポートから出力させる信号光光路切替部とを備えてなる光制御型光スイッチを少なくとも2以上接続して論理回路を構成したことを特徴とする光論理回路を提供する。
【0010】
また、第2には、上記第1の発明において、信号光と異なる波長の制御光を入射する光スイッチと、該光スイッチの信号光とは異なる波長の信号光と該光スイッチの制御光とは異なる波長の制御光を入力する光スイッチを複数組み合わせることにより論理回路を構成したことを特徴とする光論理回路を提供する。
【0011】
また、第3には、上記第1の発明において、信号光と異なる波長の制御光を入射する光スイッチと、該光スイッチの信号光と同じ波長の信号光と該光スイッチの制御光と同じ波長の制御光を入力する光スイッチを複数組み合わせることにより論理回路を構成したことを特徴とする光論理回路を提供する。
【0012】
また、第4には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、該第1の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を信号光として入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチと、信号光を入力する第1の入力ポートと該第2の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第3の光スイッチを備え、該第3の光スイッチの第2の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするAND回路を構成することを特徴とする光論理回路を提供する。
【0013】
また、第5には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、該第1の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を信号光として入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチと、信号光を入力する第1の入力ポートと該第2の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第3の光スイッチを備え、該第3の光スイッチの第1の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするOR回路を構成することを特徴とする光論理回路を提供する。
【0014】
また、第6には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、該第1の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を信号光として入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチと、信号光を入力する第1の入力ポートと該第2の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第3の光スイッチを備え、該第3の光スイッチの第1の出力ポートの光を論理演算結果とするNAND回路を構成することを特徴とする光論理回路を提供する。
【0015】
また、第7には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、該第1の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を信号光として入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチと、信号光を入力する第1の入力ポートと該第2の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第3の光スイッチを備え、該第3の光スイッチの第2の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするNOR回路を構成することを特徴とする光論理回路を提供する。
【0016】
また、第8には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、信号光を入力する第1の入力ポートと該第1の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチを備え、該第2の光スイッチの第1の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするNOT回路を構成することを特徴とする光論理回路を提供する。
【0017】
さらに、第9には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、信号光を入力する第1の入力ポートと該第1の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチを備え、該第2の光スイッチの第2の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするNOT回路を構成することを特徴とする光論理回路を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電気的な機構を組み込まないで光スイッチのみで構成された新しい光論理回路を提供することができる。かかる光論理回路は超高速型の光スイッチング技術の実現によりその技術的重要性が非常に期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
本発明の光論理回路は、下記構成の光制御型スイッチを少なくとも2以上接続して論理回路を構成したことを特徴とする光論理回路信号光とこれとは異なる波長の制御光を入力し、該制御光の入力のオン/オフにより該信号光の出力のオン/オフを制御する方式の光制御型光スイッチを少なくとも2以上接続して論理回路を構成したことを特徴とするものである。
【0021】
信号光を入射する第1の入力ポートと、
信号光とは異なる波長を有する制御光を入射する第2の入力ポートと、
制御光に対し吸収性を示し信号光に対し透過性を示す波長帯域を持つ光吸収層を有する熱レンズ形成光素子と、
光吸収層に制御光と信号光とを各々集光点を光軸に対して直角方向で異ならせて集光させる集光部を備え、
レンズ形成光素子は、光吸収層が制御光を吸収した領域及びその周辺領域に起こる温度上昇に起因して可逆的に生ずる屈折率の分布に基づいた熱レンズを用いることによって、制御光が照射されず熱レンズが形成されない場合は信号光を進行方向を変えない非偏向光として出射する状態と、制御光が照射されて熱レンズが形成された場合は信号光を進行方向を変えた偏向光として出射する状態とを、制御光の照射の有無に対応させて実現させ、
さらに、非偏向光として出射した信号光を出力する第1の出力ポートと、
偏向光として出射した信号光を出力する第2の出力ポートと、
熱レンズ形成光素子より出射した信号光のうち、非偏向光は第1の出力ポートから出力させ、偏向光は第2の出力ポートから出力させる信号光光路切替部とを備えてなる光制御型光スイッチ。
【0022】
上記の光スイッチの組み合わせにおいて、上記の信号光と異なる波長の制御光を入射する光スイッチと、該光スイッチの信号光とは異なる波長の信号光と該光スイッチの制御光とは異なる波長の制御光を入力する光スイッチを複数組み合わせてもよいし、信号光と異なる波長の制御光を入射する光スイッチと、該光スイッチの信号光と同じ波長の信号光と該光スイッチの制御光と同じ波長の制御光を入力する光スイッチを複数組み合わせてもよい。
【0023】
先ず、本発明の実施形態の光論理回路に用いる光制御型光スイッチについて説明する。
【0024】
図1はこの光スイッチSWの概略構成例である。図1に概要を例示するように、光スイッチSWには、信号光1を取り込むための入力ポート2と、信号光1の波長とは異なる波長を有する制御光3を取り込むための入力ポート4が設けられている。入力ポート2の下流側には入射した信号光1を平行光とするための第1のコリメートレンズ5が配置され、入力ポート4の下流側には入射した制御光3を平行光とするための第2のコリメートレンズ6が配置されている。なお、便宜上、図1には、平行光を幅を持たない直線で表してある。第1のコリメートレンズ5と第2のコリメートレンズ6の下流側には混合器7が配置され、混合器7は、第1のコリメートレンズ5からの平行光である信号光1は透過させ、第2のコリメートレンズ6からの平行光でミラー8で反射された制御光3を反射しその光路を変える。混合器7の下流側には第1の集光レンズ9、熱レンズ形成光素子10、第3のコリメートレンズ11、波長選択透過フィルター12、分岐ミラー13、第2の集光レンズ14がそれぞれ配置されている。第1の集光レンズ9は混合器7からの信号光1及び制御光3を熱レンズ形成光素子10の光吸収層に集光(収束)させる。ここで、第1の集光レンズ9には信号光1と制御光3は光軸に直角な方向にずれた位置にて入射し、熱レンズ形成光素子10の光吸収層にも光軸に直角な方向にずれた位置にて入射し、集光点が分離するようになっている。
【0025】
熱レンズ形成光素子10は、信号光1のみが入射した場合には進行方向を変えない非偏向光として出射し、信号光1と制御光3が同時に入射した場合には熱レンズを形成し、信号光1の進行方向を変えた偏向光として出射する。第3のコリメートレンズ11は信号光1(非偏向光及び偏向光)と制御光3を平行光とする。波長選択透過フィルター12は、信号光1は透過させ、制御光3はカットする。波長選択透過フィルター12の下流に設けられた分岐ミラー13は非偏向光と偏向光とを分岐し、偏向光は反射しその光路を変える。非偏向光はそのまま直進することになる。また、分岐ミラー13の図中下方には、光路を変えた偏向光の光路を更に変えるミラー15と、ミラー15からの光を集光する第3の集光レンズ16が配置されている。また、スイッチSWは2つの出力ポート17、18を有している。出力ポート17は制御光3のオフ時に第2の集光レンズ14で集光された非偏向光の光出力を行う。出力ポート18は制御光3のオン時に分岐ミラー13及びミラー15で光路を変えられ、第3の集光レンズ16で集光された偏向光の光出力を行う。
【0026】
上記スイッチSWにおいて、信号光1の波長は、熱レンズ形成光素子10の光吸収層に対して透過性を示す波長の光を用いる。また、制御光3の波長は、熱レンズ形成光素子10の光吸収層に対して吸収性を示す波長の光を用いる。
【0027】
光スイッチSWで使用される熱レンズ形成光素子10中の光吸収層の材料、信号光1の波長帯域、及び制御光3の波長帯域は、例えば、先ず、信号光1の波長ないし波長帯域を決定し、次に、これを制御するのに最適な光吸収層の材料と制御光3の波長の組み合わせを選定することができる。また、光源光1と信号光3の波長の組み合わせを決定してから、この組み合わせに適した光吸収層の材料を選定してもよい。あるいは、光吸収層の材料を決定した後、光源光1と信号光3の波長の組み合わせを選定してもよい。
【0028】
第1のコリメートレンズ5、第2のコリメートレンズ6、第3のコリメートレンズ11としては、例えば焦点距離8mmの非球面レンズを用いることができるが、焦点距離は8mmである必要はなく、より小型の光スイッチSWにするためにさらに短い焦点距離を用いてもよいことは言うまでもない。また、非球面レンズである必要はないが、小型軽量にするためには非球面レンズが好ましい。
【0029】
混合器7としては、例えば信号光1は透過し、制御光3は反射するダイクロイックミラーなどの公知の光学部材を用いることができる。もちろん、入力ポート2と入力ポート4の位置を入れ替えて、信号光1が反射し、制御光3が透過するように構成してもよいことは言うまでもない。
【0030】
第1の集光レンズ9、第2の集光レンズ14、第3の集光レンズ16には、例えば焦点距離8mmの非球面レンズを用いることができるが、焦点距離は8mmである必要はなく、より小型の光スイッチSWにするためにさらに短い焦点距離を用いてもよいことは言うまでもない。また、非球面レンズである必要はないが、小型軽量にするためには非球面レンズが好ましい。
【0031】
本実施形態で用いる光スイッチSWでは、信号光1と制御光3は、第1の集光レンズ9により、光の進行方向で熱レンズ形成光素子10の光吸収層の入射面またはその近辺において集光させる。信号光1と制御光3とを熱レンズ形成光素子10の光吸収層の入射面近辺の同一の所に集光させると信号光1はドーナツ状に拡がる。この状況を図2に示す。制御光3がない場合には図2(a)の写真1aのように信号光1は丸ビームであるが、制御光3が同時に同一の所に照射されると、図2(b)の写真1bのようにドーナツ形状となる。このドーナツ形状が鮮明で大きく形成されるのが、光吸収層の入射面であると思われる。本実施形態に用いる光スイッチSWにおいて光吸収層の入射面という場合は、信号光1と制御光3を同一の所に集光させたときにこのドーナツ形状が鮮明で大きく形成される位置に相当する面とする。もちろん、本実施形態で実際に用いる信号光1と制御光3とは集光点の位置では光軸に直角な方向に25〜50μmほど離間させるので、ドーナツ形状は形成されないが、調整時には信号光1と制御光3とを同一点に入射させ、ドーナツ形状を形成させ、その後、信号光1と制御光3との集光点を分離させ、位置調整を行う。なお、信号光1と制御光3との集光点間の距離が25μm未満の場合には、図2(a)に示すような丸ビームにならず、三日月型ビームになってしまう。信号光1が三日月型ビームになると、のちに集光させ光ファイバーに入射させた場合には入射効率が減少してしまい、実用性にかけるおそれがある。また、上記距離が50μmを超えると、偏向角が低下傾向となる。
【0032】
熱レンズ形成光素子10は、図3に示したような概略構成であるが、図1では説明を容易にするため、光吸収層のみを図示してある。図3において、熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22は、色素を溶剤に溶解したものをガラス容器23に封じて用いる。溶剤に可溶性の色素としては、使用する制御光の波長領域に吸収性を示し、使用する信号光の波長領域に吸収性がなく透過性を示す色素を使用することができる。例えばレーザ光24が透過するガラス容器23のガラスの厚みは約500μm程度、光吸収層22の厚みは200〜1000μm程度とすることができる。
【0033】
色素の具体例としては、例えば、ローダミンB、ローダミン6G、エオシン、フロキシンBなどのキサンテン系色素、アクリジンオレンジ、アクリジンレッドなどのアクリジン系色素、エチルレッド、メチルレッドなどのアゾ色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、3,3’−ジエチルチアカルボシアニンヨージド、3,3’−ジエチルオキサジカルボシアニンヨージドなどのシアニン色素、エチル・バイオレット、ビクトリア・ブルーRなどのトリアリールメタン系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド系色素、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド系色素などを好適に使用することができる。また、これらの色素を単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
【0034】
溶剤としては、少なくとも使用する色素を溶解するものを用いることができるが、熱レンズ形成時の温度上昇に際し、熱分解することなく、かつ、沸騰する温度(沸点)が100℃以上、好ましくは200℃以上、さらに好ましくは300℃以上のものを好適に用いることができる。具体的には、硫酸などの無機系溶剤、o−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素系、1−フェニル−1−キシリルエタンまたは1−フェニル−1−エチルフェニルエタンなどの芳香族置換脂肪族炭化水素系、ニトロベンゼンなどのニトロベンゼン誘導体系、などの有機溶剤を好適に用いることができる。
【0035】
波長選択透過フィルター12としては、熱レンズ形成光素子21(10)をわずかに透過する制御光3を遮光し、信号光1は透過する誘電体フィルターなどを用いることができる。熱レンズ形成光素子21(10)で実用上問題ない程度に制御光3が吸収されれば、必ずしも波長選択透過フィルター12を用いる必要はない。
【0036】
また、熱レンズ形成光素子21(10)は、基本的に上記のような吸収、透過の波長特性を持ち、熱レンズの形成可能な光吸収層を有しておればよく、光吸収を促進させる層や、伝熱層、保温層等、本発明者らの出願に係る特開2005−265986号公報に記載されているような各種の構造のものとすることができる。
【0037】
ここで、熱レンズ形成光素子21(10)における熱レンズ形成による信号光1の偏向について説明する。
【0038】
熱レンズ形成光素子10の光吸収層で制御光3が吸収されると、光吸収層の温度が上昇し、屈折率が変わる。温度が上昇するので、一般に屈折率は下がる方向に変化する。通常のレーザ光源から出射するレーザ光や、通常のレーザ光源から出射し光ファイバーを透過してきたレーザ光の強度分布はガウス分布である。また、前記レーザ光をレンズ等で集光した光もガウス分布をしている。よって、制御光3が照射された光吸収層での屈折率分布は、制御光3の光軸で屈折率が一番低下し、制御光3の周辺では屈折率の低下が少なくなる。また、熱伝導があるので、光の照射されていない部分でも屈折率が変化する。
【0039】
図4は、信号光25(1)が偏向する状況を説明した図である。なお、説明を簡単にするため、図4では光吸収層と光吸収層の周りの媒質との屈折率の違いによる光の屈折は無視している。図4には、熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22に、信号光25(1)のみが照射された場合と、信号光25(1)と制御光26(3)が同時に照射された場合が示されている。図中、27は、制御光26(3)が照射されなかった場合の熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22を透過した信号光である。28は、制御光26(3)が照射された場合の熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22を透過した信号光である。また、熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22の入射面近辺での制御光の光強度分布29、及び、熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22の出射面近辺での光強度分布30が併せて示されている。
【0040】
図4aはレーザ光を集光しない場合、図4bは本実施形態で用いる光スイッチSWのようにレーザ光を集光した場合のレーザ光の光路を模式的に示したものである。レーザ光を集光しない場合のレーザ光の強度分布領域29、30は、光吸収層22の入射面近辺と出射面近辺では変わらない。このことは、信号光25(1)が光吸収層22を進むに従って、屈折率の変化の少ない領域を通過することを意味する。一方、レーザ光を集光した場合はレーザ光の強度分布領域29、30は、光吸収層22の入射面近辺と出射面近辺では大きく変わり、出射面近辺では領域が拡がっている。このことは、屈折率も徐々に拡がっていることになり、信号光25(1)が光吸収層22を進むに従ってより大きな偏向を受ける作用が及んでくることになる。なお、屈折率変化は制御光パワーにほぼ比例して変化するので、光吸収層22を進むに従って屈折率変化は小さくなる。
【0041】
図4bでは、信号光25(1)も熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22の入射面に集光するようにしているが、入射面近辺であってもよい。特に信号光25(1)は、光吸収層22のもう少し出射面側に集光するようにしてもよい。また、信号光25(1)と制御光26(3)とは光の進行方向で同一面に入射するようにしているが、全く同一面である必要はなく、多少ずれていても構わない。
【0042】
偏向角は、次の条件が変わると変化する。
【0043】
1.熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22の、信号光25(1)と制御光26(3)の第1の集光レンズ9の収束(集光)点に対する位置
2.制御光パワー
3.制御光位置(第1の集光レンズ9の集光点での信号光25(1)と制御光26(3)の光軸に直角方向の距離)
4.熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22の厚み
5.制御光波長及び信号光波長
6.光吸収層22の色素濃度
これ以外にも、光吸収層22の材質、光吸収層22への制御光26(3)及び信号光25(1)の集光角等によっても変化する。
【0044】
本実施形態で用いる光スイッチSWの一例では、波長1550nmの信号光1をコア径9.5μmのシングルモード石英光ファイバーで入力ポート2に入射させ、波長980nmの制御光3をコア径9.5μmのシングルモード石英光ファイバーで入力ポート4に入射させ、焦点距離8mmの第1のコリメートレンズ5及び第2のコリメートレンズ6で信号光1及び制御光3をほぼ平行光にし、光吸収層の厚み500μmであって光吸収層の波長1550nmにおける透過率95%及び波長980nmにおける透過率0.2%の熱レンズ形成光素子10に、焦点距離8mmの第1の集光レンズ9で収束(集光)して入射させた。
【0045】
図5に、図1の分岐ミラー13の直前で、光軸に直角に紙面内方向に、スリット開口を持った光検出器を設けて、この光検出器を動かして測定した信号光1の光強度分布を示す。図5において、線101(丸点を結ぶ実線)は制御光が照射されなかった場合の非偏向光、線102(四角点を結ぶ実線)は制御光パワー7.8mWが照射された場合の偏向光、線103(×点を結ぶ実線)は制御光パワー12.9mWが照射された場合の偏向光の光強度分布を示す。制御光パワー7.8mWが照射された場合の偏向光の場合101は、非偏向光の場合102と強度分布の裾のところで重なり合っておりお互いの分離が不充分であるが、制御光パワー12.9mWが照射された場合の偏向光の場合103は、非偏向光の場合102と充分に分離している。よって、分岐ミラー102で非偏向光と制御光パワー12.9mWが照射された場合の偏向光とは分離できることがわかる。なお、図5において、制御光位置(第1の集光レンズ9の集光点での信号光1と制御光3の光軸に直角方向の距離)は35μmであり、制御光3と信号光1は光吸収層の光入射面から約30μm進んだところに集光し、光吸収層の厚みは500μmであった。
【0046】
また、制御光パワーと偏向角との関係を図6に示す。制御光パワーが大きくなると偏向角が大きくなることがわかる。なお、図6において、制御光位置(第1の集光レンズ9の集光点での信号光1と制御光3の光軸に直角方向の距離)は35μm、制御光3と信号光1は光吸収層の光入射面から約60μm進んだところに集光させた。
【0047】
本実施形態に用いる光スイッチSWでは、図1に示す第3のコリメートレンズ11と第2の集光レンズ14及び第3の集光レンズ16の焦点距離は同じ8mmのものを用いたので、偏向角は、分岐ミラー13で分岐しなかった場合の偏向光の光軸と非偏向光の光軸とのなす角度となる。本例の場合、制御光パワー7.8mWの場合は約6.7度、制御光パワー12.9mWの場合は約10.1度、制御光パワー18mWの場合は約13.2度となった。
【0048】
図7に、図3に示した熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22への信号光1と制御光3の集光点の入射位置(「光吸収層位置」と記す)と偏向角との関係を示す。図7において、横軸の光吸収層位置は熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22への光の入射面の位置(制御光3と信号光1の集光点に対する位置)である。0点は制御光3と信号光1の集光点の位置であり、図4bの状態である。マイナス方向が光の進行方向であり、プラスの位置では信号光1と制御光3が熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22内で集光する。縦軸は偏向角である。なお、図7において、制御光パワーは約12.9mWであり、制御光位置(図1の第1の集光レンズ9の集光点での信号光1と制御光3の光軸に対して直角方向の距離)は35μm、光吸収層22の厚みは500μmである。
【0049】
さらに、図8に、図3に示す熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22への信号光1と制御光3の収束(集光)点の入射位置(すなわち、光吸収層位置)と非偏向光と偏向光との分離距離の測定データの例を示す。光吸収層22への入射位置が約60μmの場合は分離距離が0に近いが、これからずれると分離距離が大きくなる。図8で分離距離の正負の符号は、信号光1の入射点を原点(すなわち0点)とし、偏向する方向を正とした。図8において、制御光パワーは15.4mW、光吸収層22の厚みは1000μmであり、制御光位置(第1の集光レンズ9の集光点での信号光1と制御光3の光軸に直角方向の距離)は25μmである。
【0050】
なお、偏向角は、制御光波長及び信号光波長によっても異なる。波長が短いほど偏向角が大きくなる。
【0051】
以上、本実施形態に用いる光スイッチSWの一例を説明してきたが、本発明で用いる光スイッチは上記に限定されるものではなく、種々の変形、変更が可能である。
【0052】
例えば、本発明によれば、図1の入力ポート2、4、第1のコリメートレンズ5、第2のコリメートレンズ6、ミラー8、混合器7に代えて、図9に断面図で示すような2芯光ファイバーフェルール110を用いたスイッチを用いてもよい。2芯光ファイバーフェルール110は信号光光出射ファイバー111と制御光光出射ファイバー112を並設して備えている。これらの光ファイバー111、112としては、例えば、コア9.5μmのシングルモード石英光ファイバーのクラッド層をフッ酸で所望の太さにエッチングして用いる。エッチングする部分は、光ファイバーの先端数mmだけとする。エッチングした後の光ファイバーの太さ「ω」は、光吸収層に集光した信号光と制御光の集光点の光軸に直角方向の距離「χ」と次の関係で決めることができる。
(式1)
ω=χ/m
ここでmは、第1の集光レンズ9の結像倍率である。
【0053】
このような構成としても、上記光スイッチSWを用いた場合と同様の効果を得ることができる上、光入射部の構成をより簡素化できる利点がある。
【0054】
次に、上記の光スイッチSWを用いた本発明の光論理回路について説明する。
【0055】
なお、ここでは光スイッチSWの熱レンズ形成光素子の光吸収層に、図10に示す波長帯域を有する色素である日本カーリット株式会社製、CIR−960を使用した。この色素は、波長650nmの信号光に対しては透過性を示し、波長1550nmの制御光に対しては吸収性を示す波長帯域を持つ。
【0056】
図11は、本発明による光AND回路の構成を模式的に示す図である。第1、第2及び第3の光スイッチ31、32、33は、それぞれ第1の入力ポート31a、32a、33a;第2の入力ポート31b、32b、33b;第1の出力ポート31c、32c、33c;第2の出力ポート31d、32d、33dを有する。ただし、第1の光スイッチ31及び第2の光スイッチ32は波長650nmの光を信号光とするが、第3の光スイッチ33は波長1550nmの光を信号光とし、第1の光スイッチ31及び第2の光スイッチ32は波長1550nmの光を制御光とするが、第3の光スイッチ33は波長650nmの光を制御光とする。
【0057】
この光AND回路では、第1の光スイッチ31の第2の出力ポート31dが第2の光スイッチ32の第1の入力ポート32aに接続され、第2の光スイッチ32の第2の出力ポート32dが第3の光スイッチ33の第2の入力ポート33bに接続される。
【0058】
図11(a)は第1及び第2の光スイッチ31、32の第2の入力ポート31b、32bに入力される制御光がともにオフの場合である。
【0059】
この場合、第1の光スイッチ31では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート31cから出力される。第2の出力ポート31dからは信号光は出力されない。
【0060】
第2の光スイッチ32は、第1の入力ポート32aでの信号光入力がなく、また第2の入力ポート32bで制御光を入力しないため、第1及び第2の出力ポート32c、32dからの信号出力はない。
【0061】
第3の光スイッチ33は、第1の入力ポート33aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力するが、第2の入力ポート33bでの入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート33cから出力され、第2の出力ポート33dからの出力信号はオフとなる。この第2の出力ポート33dからの出力信号がこの光AND回路の演算結果となる。
【0062】
図11(b)は第1の光スイッチ31の入力ポート31bに入力される制御光がオフ、第2の光スイッチ32の第2の入力ポート32bに入力される制御光がオンの場合である。
【0063】
この場合、第1の光スイッチ31では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート31cから出力される。第2の出力ポート31dからは信号は出力されない。
【0064】
第2の光スイッチ32は、第2の入力ポート32bで制御光を入力するが、第1の入力ポート32aで信号光入力がないため、第1及び第2の出力ポート32c、32dからは信号出力はない。
【0065】
第3の光スイッチ33は、第1の入力ポート33aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力するが、第2の入力ポート33bでの入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート33cから出力され、第2の出力ポート33dからの出力信号はオフとなる。この第2の出力ポート33dからの出力信号がこの光AND回路の演算結果となる。
【0066】
図11(c)は第1の光スイッチ31の第1の入力ポート31bに入力される制御光がオン、第2の光スイッチ32の第2の入力ポート32bに入力される制御光がオフの場合である。
【0067】
この場合、第1の光スイッチ31では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは光路を変えて第2の出力ポート31dから出力される。第1の出力ポート31cからは信号光は出力されない。
【0068】
第2の光スイッチ32は、第2の入力ポート32bで制御光を入力しないため、第1の入力ポート32aで第1の光スイッチ31の第2の出力ポート31dからの信号光S’を信号光Sとして受け取り、第1の出力ポート32cから信号出力がされるが、第2の出力ポート32dからは信号光は出力されない。
【0069】
第3の光スイッチ33は、第1の入力ポート33aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力するが、第2の入力ポート33bでの入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート33cから出力され、第2の出力ポート33dからの出力信号はオフとなる。この第2の出力ポート33dからの出力信号がこの光AND回路の演算結果となる。
【0070】
図11(d)は第1の光スイッチ31の入力ポート31bに入力される制御光がオン、第2の光スイッチ32の入力ポート32bに入力される制御光もオンの場合である。
【0071】
この場合、第1の光スイッチ31では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは光路を変えて第2の出力ポート31dから出力される。第2の出力ポート31cからは信号光は出力されない。
【0072】
第2の光スイッチ32は、第2の入力ポート32bで制御光を入力し、第1の入力ポート32aで第1の光スイッチ31の第2の出力ポート31dからの信号光Sを受け取り、熱レンズ形成光素子が形成されるため、第1の出力ポート32cから信号光は出力されず、第2の出力ポート32dから信号光が出力される。
【0073】
第3の光スイッチ33は、第1の入力ポート33aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート33bで信号S’をSとして入力し、熱レンズ形成光素子が形成されるため、信号光Sは第1の出力ポート33cから出力されず、第2の出力ポート33dから信号光Sが出力される。この第2の出力ポート33dからの出力信号がこの光AND回路の演算結果となる。
【0074】
図12は、本発明による光OR回路の構成を模式的に示す図である。第1、第2及び第3の光スイッチ41、42、43は、それぞれ第1の入力ポート41a、42a、43a;第2の入力ポート41b、42b、43b;第1の出力ポート41c、42c、43c;第2の出力ポート41d、42d、43dを有する。ただし、第1の光スイッチ41及び第2の光スイッチ42は波長650nmの光を信号光とするが、第3の光スイッチ43は波長1550nmの光を信号光とし、第1の光スイッチ41及び第2の光スイッチ42は波長1550nmの光を制御光とするが、第3の光スイッチ3は波長650nmの光を制御光とする。
【0075】
図12(a)は第1及び第2の光スイッチ41、42の第2の入力ポート41b、42bに入力される制御光がともにオフの場合である。
【0076】
この場合、第1の光スイッチ41では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート41cから出力される。第2の出力ポート41dからは信号光は出力されない。
【0077】
第2の光スイッチ42は、第1の入力ポート42aで第1の光スイッチ41の第2の出力ポート41cからの信号光Sをそのまま信号光Sとして受け取るが、第2の入力ポート42bで制御光を入力しないため、第1の出力ポート42cから信号Sがそのまま出力され、第2の出力ポート42dから信号光は出力されない。
【0078】
第3の光スイッチ43は、第1の入力ポート43aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート43bから制御光がオフのため、信号光Sは第1の出力ポート43cから出力されず、第2の出力ポート43dから信号光Sが出力される。この第1の出力ポート43cからの出力信号がこの光OR回路の演算結果となる。
【0079】
図12(b)は第1の光スイッチ41の第2の入力ポート41bに入力される制御光がオフ、第2の光スイッチ42の第2の入力ポート42bに入力される制御光がオンの場合である。
【0080】
この場合、第1の光スイッチ42では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート42cから出力される。第2の出力ポート41dからは信号光は出力されない。
【0081】
第2の光スイッチ42は、第1の入力ポート42aで第1の光スイッチ41の第1の出力ポート41cからの信号光Sをそのまま信号光Sとして受け取り、第2の入力ポート42bで制御光を入力するため、熱レンズ形成光素子が形成されるため、第1の出力ポート42cから信号光が出力されず、第2の出力ポート42dから信号光Sが出力される。
【0082】
第3の光スイッチ43は、第1の入力ポート43aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート43bから制御光の入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート43cから出力される。第2の出力ポートから信号光は出力されない。この第1の出力ポート43cからの出力信号がこの光OR回路の演算結果となる。
【0083】
図12(c)は第1の光スイッチ41の第1の入力ポート41bに入力される制御光がオン、第2の光スイッチ42の第2の入力ポート42bに入力される制御光がオフの場合である。
【0084】
この場合、第1の光スイッチ41では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは光路を変えて第2の出力ポート41dから出力される。第2の出力ポート41cからは信号光は出力されない。
【0085】
第2の光スイッチ42は、第2の入力ポート42bで制御信号を入力せず、第1の入力ポート42aで第1の光スイッチ41の第1の出力ポート41cからの信号光を受け取らないため、第1及び第2の出力ポート42c、42dから信号光は出力されない。
【0086】
第3の光スイッチ43は、第1の入力ポート43aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力するが、第2の入力ポート43bでの入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート43cから出力され、第2の出力ポート43dからの出力信号はオフとなる。この第1の出力ポート43cからの出力信号がこの光OR回路の演算結果となる。
【0087】
図12(d)は第1の光スイッチ41の第2の入力ポート41bに入力される制御光がオン、第2の光スイッチ42の第2の入力ポート42bに入力される制御光もオンの場合である。
【0088】
この場合、第1の光スイッチ41では熱レンズ形成光素子が形成されるため、信号光Sは光路を変えて第2の出力ポート41dから出力される。第1の出力ポート41cからは信号光は出力されない。
【0089】
第2の光スイッチ42は、第2の入力ポート42bで制御光を入力するが、第1の入力ポート42aで第1の光スイッチ41の第1の出力ポート41cから信号光を受け取らないため、第1及び第2の出力ポート42c、42dから信号光は出力されない。
【0090】
第3の光スイッチ43は、第1の入力ポート43aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート43bで制御光を受け取らないため、信号光Sは第1の出力ポート43cから出力され、第2の出力ポート43dから信号光は出力されない。この第1の出力ポート43cからの出力信号がこの光OR回路の演算結果となる。
【0091】
図13は、本発明による光NAND回路の構成を模式的に示す図である。第1、第2及び第3の光スイッチ51、52、53は、それぞれ第1の入力ポート51a、52a、53a;第2の入力ポート51b、52b、53b;第1の出力ポート51c、52c、53c;第2の出力ポート51d、52d、53dを有する。ただし、第1の光スイッチ51及び第2の光スイッチ52は波長650nmの光を信号光とするが、第3の光スイッチ53は波長1550nmの光を信号光とし、第1の光スイッチ51及び第2の光スイッチ52は波長1550nmの光を制御光とするが、第3の光スイッチ53は波長650nmの光を制御光とする。
【0092】
この光NAND回路では、第1の光スイッチ51の第2の出力ポート51dが第2の光スイッチ52の入力ポート52aに接続され、第2の光スイッチ52の第2の出力ポート52dが第3の光スイッチ53の第2の入力ポート53bに接続される。
【0093】
図13(a)は第1及び第2光スイッチ51、52の第2の入力ポート51b、52bに入力される制御光がともにオフの場合である。
【0094】
この場合、第1の光スイッチ51では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート51cから出力される。第2の出力ポート51dから信号光は出力されない。
【0095】
第2の光スイッチ52は、第1の入力ポート52aでの信号光入力がなく、また第2の入力ポート52bで制御光を入力しないため、第1及び第2の出力ポート52c、52dからの信号出力はない。
【0096】
第3の光スイッチ53は、第1の入力ポート53aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート53bでの入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート53cから出力され、第2の出力ポート53dから信号光は出力されない。この第1の出力ポート53cからの出力信号がこの光NAND回路の演算結果となる。
【0097】
図13(b)は第1の光スイッチ51の第1の入力ポート51bに入力される制御光がオフ、第2の光スイッチ52の入力ポート52bに入力される制御光がオンの場合である。
【0098】
この場合、第1の光スイッチ51では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート51cから出力される。第2の出力ポート51dからは信号光は出力されない。
【0099】
第2の光スイッチ52は、第2の入力ポート52bで制御光を入力するが、第1の入力ポート52aでの信号光の入力がないため、第1及び第2の出力ポート52c、52dからは信号出力はない。
【0100】
第3の光スイッチ53は、第1の入力ポート53aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート53bでの入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート53cから出力され、第2の出力ポート53dから信号光は出力されない。この第1の出力ポート53cからの出力信号がこの光NAND回路の演算結果となる。
【0101】
図13(c)は第1の光スイッチ51の第2の入力ポート51bに入力される制御光がオン、第2の光スイッチ52の第2の入力ポート52bに入力される制御光がオフの場合である。
【0102】
この場合、第1の光スイッチ51では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは光路を変えて第2の出力ポート51dから出力する。第2の出力ポート51cから信号光は出力されない。
【0103】
第2の光スイッチ52は、第2の入力ポート52bで制御光を入力しないため、第1の入力ポート52aで信号光を受け取り、第1の出力ポート52cから信号光が出力され、第2の出力ポート52dから信号光は出力されない。
【0104】
第3の光スイッチ53は、第1の入力ポート53aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力するが、第2の入力ポート53bでの入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート53cから出力され、第2の出力ポート53dから信号光は出力されない。この第1の出力ポート53cからの出力信号がこの光NAND回路の演算結果となる。
【0105】
図13(d)は第1の光スイッチ51の入力ポート51aに入力される制御光がオン、第2の光スイッチ52の入力ポート52aに入力される制御光もオンの場合である。
【0106】
この場合、第1の光スイッチ51では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは光路を変えて第2の出力ポート51dから出力される。第2の出力ポート51cからは信号は出力されない。
【0107】
第2の光スイッチ52は、第2の入力ポート52bで制御信号を入力し、第1の入力ポート52aで信号光を受け取り、熱レンズ形成光素子が形成され、第1の出力ポート52cから信号光は出力されず、第2の出力ポート52dから信号光Sが出力される。
【0108】
第3の光スイッチ53は、第1の入力ポート53aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート53bで制御光を入力し、熱レンズ形成光素子が形成されるため、信号光は第1の出力ポート53cから出力されず、第2の出力ポート53dから信号光Sが出力される。この第1の出力ポート53cからの出力信号がこの光NAND回路の演算結果となる。
【0109】
図14は、本発明による光NOR回路の構成を模式的に示す図である。第1、第2及び第3の光スイッチ61、62、63は、それぞれ第1の入力ポート61a、62a、63a;第2の入力ポート61b、62b、63b;第1の出力ポート61c、62c、63c;第2の出力ポート61d、62d、63dを有する。ただし、第1の光スイッチ61及び第2の光スイッチ62は波長650nmの光を信号光とするが、第3の光スイッチ63は波長1550nmの光を信号光とし、第1の光スイッチ61及び第2の光スイッチ62は波長1550nmの光を制御光とするが、第3の光スイッチ63は波長650nmの光を制御光とする。
【0110】
この光NOR回路では、第1の光スイッチ61の第1の出力ポート61cが第2の光スイッチ62の第1の入力ポート62aに接続され、第2の光スイッチ62の第1の出力ポート62cが第3の光スイッチ63の第2の入力ポート63bに接続される。
【0111】
図14(a)は第1及び第2光スイッチ61、62の第2の入力ポート61b、62bに入力される制御光がともにオフの場合である。
【0112】
この場合、第1の光スイッチ61では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート61cから出力される。第2の出力ポート61dからは信号光は出力されない。
【0113】
第2の光スイッチ62は、第1の入力ポート62aで第1の光スイッチ61の第2の出力ポート61cからの信号光を受け取り、第2の入力ポート62bで制御光を入力しないため、第1の出力ポート62cから信号Sがそのまま出力され、第2の出力ポート62dから信号光は出力されない。
【0114】
第3の光スイッチ63は、第1の入力ポート63aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート63bから第2の光スイッチ62の第1の出力62cから信号光を制御光として受け取り、熱レンズ形成光素子が形成されるため、信号光Sは第2の出力ポート63dから出力され、第1の出力ポート63cから信号光は出力されない。この第2の出力ポート63dからの出力信号がこの光NOR回路の演算結果となる。
【0115】
図14(b)は第1の光スイッチ61の第2の入力ポート61bに入力される制御光がオフ、第2の光スイッチ62の第2の入力ポート62bに入力される制御光がオンの場合である。
【0116】
この場合、第1の光スイッチ62では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート62cから出力される。第2の出力ポート61dから信号光は出力されない。
【0117】
第2の光スイッチ62は、第1の入力ポート62aで第1の光スイッチ61の第1の出力ポート61cから信号光を受け取と、第2の入力ポート62bで制御光を入力するため、熱レンズ形成光素子が形成されるため、第2の出力ポート62dから信号光Sが出力され、第1の出力ポート62cから信号光は出力されない。
【0118】
第3の光スイッチ63は、第1の入力ポート63aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート63bから制御光の入力がないため、信号光Sは第1の出力ポート63cから出力され、第2の出力ポート63dから信号光は出力されない。この第2の出力ポート63dからの出力信号がこの光NOR回路の演算結果となる。
【0119】
図14(c)は第1の光スイッチ61の第1の入力ポート61bに入力される制御光がオン、第2の光スイッチ62の第2の入力ポート62bに入力される制御光がオフの場合である。
【0120】
この場合、第1の光スイッチ61では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは光路を変えて第2の出力ポート61dから出力される。第1の出力ポート61cからは信号光は出力されない。
【0121】
第2の光スイッチ62は、第2の入力ポート62bで制御信号を入力せず、第1の入力ポート62aで第1の光スイッチ61の第2の出力ポート61cからの信号光を受け取らないため、第1及び第2の出力ポート62c、62dから信号光は出力されない。
【0122】
第3の光スイッチ63は、第1の入力ポート63aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力するが、第2の入力ポート63bでの入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート63cから出力され、第2の出力ポート63dから出力光は出力されない。この第2の出力ポート43dからの出力信号がこの光NOR回路の演算結果となる。
【0123】
図14(d)は第1の光スイッチ61の第2の入力ポート61bに入力される制御光がオン、第2の光スイッチ62の第2の入力ポート62bに入力される制御光もオンの場合である。
【0124】
この場合、第1の光スイッチ61では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは光路を変えて第2の出力ポート61dから出力される。第1の出力ポート61cからは信号光は出力されない。
【0125】
第2の光スイッチ62は、第2の入力ポート62bで制御光を入力するが、第1の入力ポート62aで第1の光スイッチ61の第1の出力ポート61cから信号光を受け取らないため、第1及び第2の出力ポート62c、62dから信号光は出力されない。
【0126】
第3の光スイッチ63は、第1の入力ポート63aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート63bで制御光を受け取らないため、信号光Sは第1の出力ポート63cから出力され、第2の出力ポート63dから信号光は出力されない。この第2の出力ポート63dからの出力信号がこの光NOR回路の演算結果となる。
【0127】
図15は、本発明による光NOT回路の構成を模式的に示す図である。第1及び第2の光スイッチ71、72は、それぞれ第1の入力ポート71a、72a;第2の入力ポート71b、72b;第1の出力ポート71c、72c;第2の出力ポート71d、72dを有する。ただし、第1の光スイッチ71は波長650nmの光を信号光とするが、第2の光スイッチ73は波長1550nmの光を信号光とし、第1の光スイッチ71は波長1550nmの光を制御光とするが、第2の光スイッチ73は波長650nmの光を制御光とする。
【0128】
この光NOT回路では、第1の光スイッチ71の第2の出力ポート71dが第2の光スイッチ72の第2の入力ポート72bに接続される。
【0129】
図15(a)は第1の光スイッチ71の第2の入力ポート71bに入力される制御光がオフの場合である。
【0130】
この場合、第1の光スイッチ71では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート71cから出力される。第2の出力ポート71dからは信号は出力されない。
【0131】
第2の光スイッチ72は、第1の入力ポート72aで信号光Sを入力し、また第2の入力ポート72bで制御光を入力しないため、熱レンズ形成光素子は形成されず、第1の出力ポート72cから信号光が出力され、第2の出力ポート72dから信号光は出力されない。
【0132】
この第1の出力ポート72cからの出力信号がこの光NOT回路の演算結果となる。
【0133】
図15(b)は第1の光スイッチ71の第2の入力ポート71bに入力される制御光がオンの場合である。
【0134】
この場合、第1の光スイッチ71では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは第2の出力ポート71dから出力される。第1の出力ポート71cからは信号光は出力されない。
【0135】
第2の光スイッチ72は、第1の入力ポート72aで信号光Sを入力し、また第2の入力ポート72bでも制御光を入力するため、熱レンズ形成光素子が形成され、第1の出力ポート72cから信号光が出力されず、第2の出力ポート72dから信号光が出力される。
【0136】
この第1の出力ポート72cからの出力信号がこの光NOT回路の演算結果となる。
【0137】
図16は、本発明による光NOT回路の別の構成を模式的に示す図である。第1及び第2の光スイッチ81、82は、それぞれ第1の入力ポート81a、82a;第2の入力ポート81b、82b;第1の出力ポート81c、82c;第2の出力ポート81d、82dを有する。ただし、第1の光スイッチ81は波長650nmの光を信号光とするが、第2の光スイッチ83は波長1550nmの光を信号光とし、第1の光スイッチ81は波長1550nmの光を制御光とするが、第2の光スイッチ83は波長650nmの光を制御光とする。
【0138】
この光NOT回路では、第1の光スイッチ81の第1の出力ポート81cが第2の光スイッチ82の第2の入力ポート82bに接続される。
【0139】
図16(a)は第1の光スイッチ81の第2の入力ポート81bに入力される制御光がオフの場合である。
【0140】
この場合、第1の光スイッチ81では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート81cから出力される。第2の出力ポート81dからは信号光は出力されない。
【0141】
第2の光スイッチ82は、第1の入力ポート82aで信号光Sを入力し、また第2の入力ポート82bで制御光を入力するため、熱レンズ形成光素子が形成され、第1の出力ポート82cから信号光は出力されず、第2の出力ポート82dから信号光が出力される。この第1の出力ポート82dからの出力信号がこの光NOT回路の演算結果となる。
【0142】
図16(b)は第1の光スイッチ81の第2の入力ポート81bに入力される制御光がオンの場合である。
【0143】
この場合、第1の光スイッチ81では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは第2の出力ポート81dから出力される。第1の出力ポート81cからは信号光は出力されない。
【0144】
第2の光スイッチ82は、第1の入力ポート82aで信号光Sを入力し、また第2の入力ポート82bでは制御光を入力しないため、熱レンズ形成光素子が形成されず、第1の出力ポート82cから信号光が出力され、第2の出力ポート82dから信号光は出力されない。この第1の出力ポート82dからの出力信号がこの光NOT回路の演算結果となる。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の光論理回路で用いる光制御型光スイッチの構成の説明図である。
【図2】熱レンズ形成光素子の光吸収層へ信号光と制御光とを同一の所に集光させるときに、制御光がない場合と制御光がある場合の信号光の出射の状況を示す図である。
【図3】熱レンズ形成光素子の概略構成を示す断面図である。
【図4a】集光しない場合の信号光が偏向する状況の説明図である。
【図4b】集光した場合の信号光が偏向する状況の説明図である。
【図5】制御光を照射しない場合と、制御光のパワーを変えて照射した場合の光強度分布を示す図である。
【図6】制御光パワーと偏向角との関係を示すグラフである。
【図7】光吸収層の位置と偏向角との関係を示すグラフである。
【図8】非偏向光と偏向光の分離距離の関係を示すグラフである。
【図9】本発明で用いる別例の光スイッチの2芯光ファイバーフェルールの概念図である。
【図10】図11〜図16の論理回路の熱レンズ形成光素子の光吸収層に用いた色素の吸収・透過特性を示す図である。
【図11】本発明による光AND回路の構成を模式的に示す図である。
【図12】本発明による光OR回路の構成を模式的に示す図である。
【図13】本発明による光NAND回路の構成を模式的に示す図である。
【図14】本発明による光NOR回路の構成を模式的に示す図である。
【図15】本発明による光NOT回路の構成を模式的に示す図である。
【図16】本発明による光NOT回路の別の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0146】
1 信号光
2、4 入力ポート
3 制御光
5、6、11 コリメートレンズ
7 分離器
8、15 ミラー
9、14、16 集光レンズ
10 熱レンズ形成光素子
12 波長選択透過フィルター
13 分岐ミラー
17、18 出力ポート
31、41、51、61、71、81 第1の光スイッチ
32、42、52、62、72、82 第2の光スイッチ
33、43、53、63 第3の光スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、光スイッチのみで構成される光論理回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光を利用した論理回路についてはいくつかの提案がなされている(たとえば特許文献1〜6)。これらの論理回路は、電気的な機構を組み込んだ光スイッチを用いるものがほとんどであり、そのため構造も複雑なものとなっていた。
【0003】
このような事情の下、電気的な機構を組み込まないで光スイッチのみで構成された光論理回路は、今後の高速光スイッチングの展開とともにその技術的重要性は今後益々高まっていくものと考えられる。
【0004】
一方、本発明者らは、特許文献7において、波長帯域によって光吸収性を示す領域と光透過性を示す領域を有する光吸収層を有する熱レンズ形成光素子を有し、光吸収性を示す領域から選ばれる波長をもつ制御光と光透過性を示す領域から選ばれる波長をもつ制御光を前記光吸収層に同軸で照射し、制御光の照射の有無により制御光の開き角度が異なるドーナツ型の出射光を形成し、穴あきミラーを設けて光路を変更させる光スイッチ技術を提案した。
【0005】
また、最近、本発明者らは、この光スイッチ技術を利用した新規な光論理回路を提案した(特願2006−202619)。
【0006】
さらに特許文献8には、電気的または機械的手段を採らず、制御ビームの照射でスイッチ物質の屈折率を変え、信号ビームの光路を変える光スイッチが提案されている。
【特許文献1】特開2005−33017号公報
【特許文献2】特開平3−16086号公報
【特許文献3】特開平3−16087号公報
【特許文献4】特開昭61−32316号公報
【特許文献5】特開昭55−172769号公報
【特許文献6】特開昭50−109439号公報
【特許文献7】特開2002−275713号公報
【特許文献8】米国特許第4,585,301号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者が、特願2006−202619で提案した光論理回路によれば、光論理スイッチのみで構成された光論理回路が実現されたものの、制御光の照射の有無により制御光の開き角度が異なるドーナツ型の出射光を形成し、穴あきミラーを設けて光路を変更させる光スイッチ技術を用いた場合、依然、多くの光学部品を必要とするため、本格的な実用化のためにはさらに改善の余地があった。
【0008】
一方、特許文献2に開示されている光路切替手法をこの光論理回路に適用することも考えられるが、その場合、偏向角をあまり大きくできず、また屈折率変化を行わせるレーザ光は大パワーが必要であるという問題があった。
本発明は、以上のような従来技術の実状に鑑みてなされたもので、電気的な機構を組み込まないで光スイッチのみで構成された、光学部品点数が少なく低コスト化が図れ、本格的な実用化が期待される光論理回路を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、第1には、信号光を入射する第1の入力ポートと、信号光とは異なる波長を有する制御光を入射する第2の入力ポートと、制御光に対し吸収性を示し信号光に対し透過性を示す波長帯域を持つ光吸収層を有する熱レンズ形成光素子と、光吸収層に制御光と信号光とを各々集光点を光軸に対して直角方向で異ならせて集光させる集光部を備え、レンズ形成光素子は、光吸収層が制御光を吸収した領域及びその周辺領域に起こる温度上昇に起因して可逆的に生ずる屈折率の分布に基づいた熱レンズを用いることによって、制御光が照射されず熱レンズが形成されない場合は信号光を進行方向を変えない非偏向光として出射する状態と、制御光が照射されて熱レンズが形成された場合は信号光を進行方向を変えた偏向光として出射する状態とを、制御光の照射の有無に対応させて実現させ、さらに、非偏向光として出射した信号光を出力する第1の出力ポートと、偏向光として出射した信号光を出力する第2の出力ポートと、熱レンズ形成光素子より出射した信号光のうち、非偏向光は第1の出力ポートから出力させ、偏向光は第2の出力ポートから出力させる信号光光路切替部とを備えてなる光制御型光スイッチを少なくとも2以上接続して論理回路を構成したことを特徴とする光論理回路を提供する。
【0010】
また、第2には、上記第1の発明において、信号光と異なる波長の制御光を入射する光スイッチと、該光スイッチの信号光とは異なる波長の信号光と該光スイッチの制御光とは異なる波長の制御光を入力する光スイッチを複数組み合わせることにより論理回路を構成したことを特徴とする光論理回路を提供する。
【0011】
また、第3には、上記第1の発明において、信号光と異なる波長の制御光を入射する光スイッチと、該光スイッチの信号光と同じ波長の信号光と該光スイッチの制御光と同じ波長の制御光を入力する光スイッチを複数組み合わせることにより論理回路を構成したことを特徴とする光論理回路を提供する。
【0012】
また、第4には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、該第1の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を信号光として入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチと、信号光を入力する第1の入力ポートと該第2の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第3の光スイッチを備え、該第3の光スイッチの第2の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするAND回路を構成することを特徴とする光論理回路を提供する。
【0013】
また、第5には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、該第1の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を信号光として入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチと、信号光を入力する第1の入力ポートと該第2の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第3の光スイッチを備え、該第3の光スイッチの第1の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするOR回路を構成することを特徴とする光論理回路を提供する。
【0014】
また、第6には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、該第1の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を信号光として入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチと、信号光を入力する第1の入力ポートと該第2の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第3の光スイッチを備え、該第3の光スイッチの第1の出力ポートの光を論理演算結果とするNAND回路を構成することを特徴とする光論理回路を提供する。
【0015】
また、第7には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、該第1の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を信号光として入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチと、信号光を入力する第1の入力ポートと該第2の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第3の光スイッチを備え、該第3の光スイッチの第2の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするNOR回路を構成することを特徴とする光論理回路を提供する。
【0016】
また、第8には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、信号光を入力する第1の入力ポートと該第1の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチを備え、該第2の光スイッチの第1の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするNOT回路を構成することを特徴とする光論理回路を提供する。
【0017】
さらに、第9には、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、信号光を入力する第1の入力ポートと該第1の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチを備え、該第2の光スイッチの第2の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするNOT回路を構成することを特徴とする光論理回路を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電気的な機構を組み込まないで光スイッチのみで構成された新しい光論理回路を提供することができる。かかる光論理回路は超高速型の光スイッチング技術の実現によりその技術的重要性が非常に期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
本発明の光論理回路は、下記構成の光制御型スイッチを少なくとも2以上接続して論理回路を構成したことを特徴とする光論理回路信号光とこれとは異なる波長の制御光を入力し、該制御光の入力のオン/オフにより該信号光の出力のオン/オフを制御する方式の光制御型光スイッチを少なくとも2以上接続して論理回路を構成したことを特徴とするものである。
【0021】
信号光を入射する第1の入力ポートと、
信号光とは異なる波長を有する制御光を入射する第2の入力ポートと、
制御光に対し吸収性を示し信号光に対し透過性を示す波長帯域を持つ光吸収層を有する熱レンズ形成光素子と、
光吸収層に制御光と信号光とを各々集光点を光軸に対して直角方向で異ならせて集光させる集光部を備え、
レンズ形成光素子は、光吸収層が制御光を吸収した領域及びその周辺領域に起こる温度上昇に起因して可逆的に生ずる屈折率の分布に基づいた熱レンズを用いることによって、制御光が照射されず熱レンズが形成されない場合は信号光を進行方向を変えない非偏向光として出射する状態と、制御光が照射されて熱レンズが形成された場合は信号光を進行方向を変えた偏向光として出射する状態とを、制御光の照射の有無に対応させて実現させ、
さらに、非偏向光として出射した信号光を出力する第1の出力ポートと、
偏向光として出射した信号光を出力する第2の出力ポートと、
熱レンズ形成光素子より出射した信号光のうち、非偏向光は第1の出力ポートから出力させ、偏向光は第2の出力ポートから出力させる信号光光路切替部とを備えてなる光制御型光スイッチ。
【0022】
上記の光スイッチの組み合わせにおいて、上記の信号光と異なる波長の制御光を入射する光スイッチと、該光スイッチの信号光とは異なる波長の信号光と該光スイッチの制御光とは異なる波長の制御光を入力する光スイッチを複数組み合わせてもよいし、信号光と異なる波長の制御光を入射する光スイッチと、該光スイッチの信号光と同じ波長の信号光と該光スイッチの制御光と同じ波長の制御光を入力する光スイッチを複数組み合わせてもよい。
【0023】
先ず、本発明の実施形態の光論理回路に用いる光制御型光スイッチについて説明する。
【0024】
図1はこの光スイッチSWの概略構成例である。図1に概要を例示するように、光スイッチSWには、信号光1を取り込むための入力ポート2と、信号光1の波長とは異なる波長を有する制御光3を取り込むための入力ポート4が設けられている。入力ポート2の下流側には入射した信号光1を平行光とするための第1のコリメートレンズ5が配置され、入力ポート4の下流側には入射した制御光3を平行光とするための第2のコリメートレンズ6が配置されている。なお、便宜上、図1には、平行光を幅を持たない直線で表してある。第1のコリメートレンズ5と第2のコリメートレンズ6の下流側には混合器7が配置され、混合器7は、第1のコリメートレンズ5からの平行光である信号光1は透過させ、第2のコリメートレンズ6からの平行光でミラー8で反射された制御光3を反射しその光路を変える。混合器7の下流側には第1の集光レンズ9、熱レンズ形成光素子10、第3のコリメートレンズ11、波長選択透過フィルター12、分岐ミラー13、第2の集光レンズ14がそれぞれ配置されている。第1の集光レンズ9は混合器7からの信号光1及び制御光3を熱レンズ形成光素子10の光吸収層に集光(収束)させる。ここで、第1の集光レンズ9には信号光1と制御光3は光軸に直角な方向にずれた位置にて入射し、熱レンズ形成光素子10の光吸収層にも光軸に直角な方向にずれた位置にて入射し、集光点が分離するようになっている。
【0025】
熱レンズ形成光素子10は、信号光1のみが入射した場合には進行方向を変えない非偏向光として出射し、信号光1と制御光3が同時に入射した場合には熱レンズを形成し、信号光1の進行方向を変えた偏向光として出射する。第3のコリメートレンズ11は信号光1(非偏向光及び偏向光)と制御光3を平行光とする。波長選択透過フィルター12は、信号光1は透過させ、制御光3はカットする。波長選択透過フィルター12の下流に設けられた分岐ミラー13は非偏向光と偏向光とを分岐し、偏向光は反射しその光路を変える。非偏向光はそのまま直進することになる。また、分岐ミラー13の図中下方には、光路を変えた偏向光の光路を更に変えるミラー15と、ミラー15からの光を集光する第3の集光レンズ16が配置されている。また、スイッチSWは2つの出力ポート17、18を有している。出力ポート17は制御光3のオフ時に第2の集光レンズ14で集光された非偏向光の光出力を行う。出力ポート18は制御光3のオン時に分岐ミラー13及びミラー15で光路を変えられ、第3の集光レンズ16で集光された偏向光の光出力を行う。
【0026】
上記スイッチSWにおいて、信号光1の波長は、熱レンズ形成光素子10の光吸収層に対して透過性を示す波長の光を用いる。また、制御光3の波長は、熱レンズ形成光素子10の光吸収層に対して吸収性を示す波長の光を用いる。
【0027】
光スイッチSWで使用される熱レンズ形成光素子10中の光吸収層の材料、信号光1の波長帯域、及び制御光3の波長帯域は、例えば、先ず、信号光1の波長ないし波長帯域を決定し、次に、これを制御するのに最適な光吸収層の材料と制御光3の波長の組み合わせを選定することができる。また、光源光1と信号光3の波長の組み合わせを決定してから、この組み合わせに適した光吸収層の材料を選定してもよい。あるいは、光吸収層の材料を決定した後、光源光1と信号光3の波長の組み合わせを選定してもよい。
【0028】
第1のコリメートレンズ5、第2のコリメートレンズ6、第3のコリメートレンズ11としては、例えば焦点距離8mmの非球面レンズを用いることができるが、焦点距離は8mmである必要はなく、より小型の光スイッチSWにするためにさらに短い焦点距離を用いてもよいことは言うまでもない。また、非球面レンズである必要はないが、小型軽量にするためには非球面レンズが好ましい。
【0029】
混合器7としては、例えば信号光1は透過し、制御光3は反射するダイクロイックミラーなどの公知の光学部材を用いることができる。もちろん、入力ポート2と入力ポート4の位置を入れ替えて、信号光1が反射し、制御光3が透過するように構成してもよいことは言うまでもない。
【0030】
第1の集光レンズ9、第2の集光レンズ14、第3の集光レンズ16には、例えば焦点距離8mmの非球面レンズを用いることができるが、焦点距離は8mmである必要はなく、より小型の光スイッチSWにするためにさらに短い焦点距離を用いてもよいことは言うまでもない。また、非球面レンズである必要はないが、小型軽量にするためには非球面レンズが好ましい。
【0031】
本実施形態で用いる光スイッチSWでは、信号光1と制御光3は、第1の集光レンズ9により、光の進行方向で熱レンズ形成光素子10の光吸収層の入射面またはその近辺において集光させる。信号光1と制御光3とを熱レンズ形成光素子10の光吸収層の入射面近辺の同一の所に集光させると信号光1はドーナツ状に拡がる。この状況を図2に示す。制御光3がない場合には図2(a)の写真1aのように信号光1は丸ビームであるが、制御光3が同時に同一の所に照射されると、図2(b)の写真1bのようにドーナツ形状となる。このドーナツ形状が鮮明で大きく形成されるのが、光吸収層の入射面であると思われる。本実施形態に用いる光スイッチSWにおいて光吸収層の入射面という場合は、信号光1と制御光3を同一の所に集光させたときにこのドーナツ形状が鮮明で大きく形成される位置に相当する面とする。もちろん、本実施形態で実際に用いる信号光1と制御光3とは集光点の位置では光軸に直角な方向に25〜50μmほど離間させるので、ドーナツ形状は形成されないが、調整時には信号光1と制御光3とを同一点に入射させ、ドーナツ形状を形成させ、その後、信号光1と制御光3との集光点を分離させ、位置調整を行う。なお、信号光1と制御光3との集光点間の距離が25μm未満の場合には、図2(a)に示すような丸ビームにならず、三日月型ビームになってしまう。信号光1が三日月型ビームになると、のちに集光させ光ファイバーに入射させた場合には入射効率が減少してしまい、実用性にかけるおそれがある。また、上記距離が50μmを超えると、偏向角が低下傾向となる。
【0032】
熱レンズ形成光素子10は、図3に示したような概略構成であるが、図1では説明を容易にするため、光吸収層のみを図示してある。図3において、熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22は、色素を溶剤に溶解したものをガラス容器23に封じて用いる。溶剤に可溶性の色素としては、使用する制御光の波長領域に吸収性を示し、使用する信号光の波長領域に吸収性がなく透過性を示す色素を使用することができる。例えばレーザ光24が透過するガラス容器23のガラスの厚みは約500μm程度、光吸収層22の厚みは200〜1000μm程度とすることができる。
【0033】
色素の具体例としては、例えば、ローダミンB、ローダミン6G、エオシン、フロキシンBなどのキサンテン系色素、アクリジンオレンジ、アクリジンレッドなどのアクリジン系色素、エチルレッド、メチルレッドなどのアゾ色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、3,3’−ジエチルチアカルボシアニンヨージド、3,3’−ジエチルオキサジカルボシアニンヨージドなどのシアニン色素、エチル・バイオレット、ビクトリア・ブルーRなどのトリアリールメタン系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド系色素、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド系色素などを好適に使用することができる。また、これらの色素を単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
【0034】
溶剤としては、少なくとも使用する色素を溶解するものを用いることができるが、熱レンズ形成時の温度上昇に際し、熱分解することなく、かつ、沸騰する温度(沸点)が100℃以上、好ましくは200℃以上、さらに好ましくは300℃以上のものを好適に用いることができる。具体的には、硫酸などの無機系溶剤、o−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素系、1−フェニル−1−キシリルエタンまたは1−フェニル−1−エチルフェニルエタンなどの芳香族置換脂肪族炭化水素系、ニトロベンゼンなどのニトロベンゼン誘導体系、などの有機溶剤を好適に用いることができる。
【0035】
波長選択透過フィルター12としては、熱レンズ形成光素子21(10)をわずかに透過する制御光3を遮光し、信号光1は透過する誘電体フィルターなどを用いることができる。熱レンズ形成光素子21(10)で実用上問題ない程度に制御光3が吸収されれば、必ずしも波長選択透過フィルター12を用いる必要はない。
【0036】
また、熱レンズ形成光素子21(10)は、基本的に上記のような吸収、透過の波長特性を持ち、熱レンズの形成可能な光吸収層を有しておればよく、光吸収を促進させる層や、伝熱層、保温層等、本発明者らの出願に係る特開2005−265986号公報に記載されているような各種の構造のものとすることができる。
【0037】
ここで、熱レンズ形成光素子21(10)における熱レンズ形成による信号光1の偏向について説明する。
【0038】
熱レンズ形成光素子10の光吸収層で制御光3が吸収されると、光吸収層の温度が上昇し、屈折率が変わる。温度が上昇するので、一般に屈折率は下がる方向に変化する。通常のレーザ光源から出射するレーザ光や、通常のレーザ光源から出射し光ファイバーを透過してきたレーザ光の強度分布はガウス分布である。また、前記レーザ光をレンズ等で集光した光もガウス分布をしている。よって、制御光3が照射された光吸収層での屈折率分布は、制御光3の光軸で屈折率が一番低下し、制御光3の周辺では屈折率の低下が少なくなる。また、熱伝導があるので、光の照射されていない部分でも屈折率が変化する。
【0039】
図4は、信号光25(1)が偏向する状況を説明した図である。なお、説明を簡単にするため、図4では光吸収層と光吸収層の周りの媒質との屈折率の違いによる光の屈折は無視している。図4には、熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22に、信号光25(1)のみが照射された場合と、信号光25(1)と制御光26(3)が同時に照射された場合が示されている。図中、27は、制御光26(3)が照射されなかった場合の熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22を透過した信号光である。28は、制御光26(3)が照射された場合の熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22を透過した信号光である。また、熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22の入射面近辺での制御光の光強度分布29、及び、熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22の出射面近辺での光強度分布30が併せて示されている。
【0040】
図4aはレーザ光を集光しない場合、図4bは本実施形態で用いる光スイッチSWのようにレーザ光を集光した場合のレーザ光の光路を模式的に示したものである。レーザ光を集光しない場合のレーザ光の強度分布領域29、30は、光吸収層22の入射面近辺と出射面近辺では変わらない。このことは、信号光25(1)が光吸収層22を進むに従って、屈折率の変化の少ない領域を通過することを意味する。一方、レーザ光を集光した場合はレーザ光の強度分布領域29、30は、光吸収層22の入射面近辺と出射面近辺では大きく変わり、出射面近辺では領域が拡がっている。このことは、屈折率も徐々に拡がっていることになり、信号光25(1)が光吸収層22を進むに従ってより大きな偏向を受ける作用が及んでくることになる。なお、屈折率変化は制御光パワーにほぼ比例して変化するので、光吸収層22を進むに従って屈折率変化は小さくなる。
【0041】
図4bでは、信号光25(1)も熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22の入射面に集光するようにしているが、入射面近辺であってもよい。特に信号光25(1)は、光吸収層22のもう少し出射面側に集光するようにしてもよい。また、信号光25(1)と制御光26(3)とは光の進行方向で同一面に入射するようにしているが、全く同一面である必要はなく、多少ずれていても構わない。
【0042】
偏向角は、次の条件が変わると変化する。
【0043】
1.熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22の、信号光25(1)と制御光26(3)の第1の集光レンズ9の収束(集光)点に対する位置
2.制御光パワー
3.制御光位置(第1の集光レンズ9の集光点での信号光25(1)と制御光26(3)の光軸に直角方向の距離)
4.熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22の厚み
5.制御光波長及び信号光波長
6.光吸収層22の色素濃度
これ以外にも、光吸収層22の材質、光吸収層22への制御光26(3)及び信号光25(1)の集光角等によっても変化する。
【0044】
本実施形態で用いる光スイッチSWの一例では、波長1550nmの信号光1をコア径9.5μmのシングルモード石英光ファイバーで入力ポート2に入射させ、波長980nmの制御光3をコア径9.5μmのシングルモード石英光ファイバーで入力ポート4に入射させ、焦点距離8mmの第1のコリメートレンズ5及び第2のコリメートレンズ6で信号光1及び制御光3をほぼ平行光にし、光吸収層の厚み500μmであって光吸収層の波長1550nmにおける透過率95%及び波長980nmにおける透過率0.2%の熱レンズ形成光素子10に、焦点距離8mmの第1の集光レンズ9で収束(集光)して入射させた。
【0045】
図5に、図1の分岐ミラー13の直前で、光軸に直角に紙面内方向に、スリット開口を持った光検出器を設けて、この光検出器を動かして測定した信号光1の光強度分布を示す。図5において、線101(丸点を結ぶ実線)は制御光が照射されなかった場合の非偏向光、線102(四角点を結ぶ実線)は制御光パワー7.8mWが照射された場合の偏向光、線103(×点を結ぶ実線)は制御光パワー12.9mWが照射された場合の偏向光の光強度分布を示す。制御光パワー7.8mWが照射された場合の偏向光の場合101は、非偏向光の場合102と強度分布の裾のところで重なり合っておりお互いの分離が不充分であるが、制御光パワー12.9mWが照射された場合の偏向光の場合103は、非偏向光の場合102と充分に分離している。よって、分岐ミラー102で非偏向光と制御光パワー12.9mWが照射された場合の偏向光とは分離できることがわかる。なお、図5において、制御光位置(第1の集光レンズ9の集光点での信号光1と制御光3の光軸に直角方向の距離)は35μmであり、制御光3と信号光1は光吸収層の光入射面から約30μm進んだところに集光し、光吸収層の厚みは500μmであった。
【0046】
また、制御光パワーと偏向角との関係を図6に示す。制御光パワーが大きくなると偏向角が大きくなることがわかる。なお、図6において、制御光位置(第1の集光レンズ9の集光点での信号光1と制御光3の光軸に直角方向の距離)は35μm、制御光3と信号光1は光吸収層の光入射面から約60μm進んだところに集光させた。
【0047】
本実施形態に用いる光スイッチSWでは、図1に示す第3のコリメートレンズ11と第2の集光レンズ14及び第3の集光レンズ16の焦点距離は同じ8mmのものを用いたので、偏向角は、分岐ミラー13で分岐しなかった場合の偏向光の光軸と非偏向光の光軸とのなす角度となる。本例の場合、制御光パワー7.8mWの場合は約6.7度、制御光パワー12.9mWの場合は約10.1度、制御光パワー18mWの場合は約13.2度となった。
【0048】
図7に、図3に示した熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22への信号光1と制御光3の集光点の入射位置(「光吸収層位置」と記す)と偏向角との関係を示す。図7において、横軸の光吸収層位置は熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22への光の入射面の位置(制御光3と信号光1の集光点に対する位置)である。0点は制御光3と信号光1の集光点の位置であり、図4bの状態である。マイナス方向が光の進行方向であり、プラスの位置では信号光1と制御光3が熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22内で集光する。縦軸は偏向角である。なお、図7において、制御光パワーは約12.9mWであり、制御光位置(図1の第1の集光レンズ9の集光点での信号光1と制御光3の光軸に対して直角方向の距離)は35μm、光吸収層22の厚みは500μmである。
【0049】
さらに、図8に、図3に示す熱レンズ形成光素子21(10)の光吸収層22への信号光1と制御光3の収束(集光)点の入射位置(すなわち、光吸収層位置)と非偏向光と偏向光との分離距離の測定データの例を示す。光吸収層22への入射位置が約60μmの場合は分離距離が0に近いが、これからずれると分離距離が大きくなる。図8で分離距離の正負の符号は、信号光1の入射点を原点(すなわち0点)とし、偏向する方向を正とした。図8において、制御光パワーは15.4mW、光吸収層22の厚みは1000μmであり、制御光位置(第1の集光レンズ9の集光点での信号光1と制御光3の光軸に直角方向の距離)は25μmである。
【0050】
なお、偏向角は、制御光波長及び信号光波長によっても異なる。波長が短いほど偏向角が大きくなる。
【0051】
以上、本実施形態に用いる光スイッチSWの一例を説明してきたが、本発明で用いる光スイッチは上記に限定されるものではなく、種々の変形、変更が可能である。
【0052】
例えば、本発明によれば、図1の入力ポート2、4、第1のコリメートレンズ5、第2のコリメートレンズ6、ミラー8、混合器7に代えて、図9に断面図で示すような2芯光ファイバーフェルール110を用いたスイッチを用いてもよい。2芯光ファイバーフェルール110は信号光光出射ファイバー111と制御光光出射ファイバー112を並設して備えている。これらの光ファイバー111、112としては、例えば、コア9.5μmのシングルモード石英光ファイバーのクラッド層をフッ酸で所望の太さにエッチングして用いる。エッチングする部分は、光ファイバーの先端数mmだけとする。エッチングした後の光ファイバーの太さ「ω」は、光吸収層に集光した信号光と制御光の集光点の光軸に直角方向の距離「χ」と次の関係で決めることができる。
(式1)
ω=χ/m
ここでmは、第1の集光レンズ9の結像倍率である。
【0053】
このような構成としても、上記光スイッチSWを用いた場合と同様の効果を得ることができる上、光入射部の構成をより簡素化できる利点がある。
【0054】
次に、上記の光スイッチSWを用いた本発明の光論理回路について説明する。
【0055】
なお、ここでは光スイッチSWの熱レンズ形成光素子の光吸収層に、図10に示す波長帯域を有する色素である日本カーリット株式会社製、CIR−960を使用した。この色素は、波長650nmの信号光に対しては透過性を示し、波長1550nmの制御光に対しては吸収性を示す波長帯域を持つ。
【0056】
図11は、本発明による光AND回路の構成を模式的に示す図である。第1、第2及び第3の光スイッチ31、32、33は、それぞれ第1の入力ポート31a、32a、33a;第2の入力ポート31b、32b、33b;第1の出力ポート31c、32c、33c;第2の出力ポート31d、32d、33dを有する。ただし、第1の光スイッチ31及び第2の光スイッチ32は波長650nmの光を信号光とするが、第3の光スイッチ33は波長1550nmの光を信号光とし、第1の光スイッチ31及び第2の光スイッチ32は波長1550nmの光を制御光とするが、第3の光スイッチ33は波長650nmの光を制御光とする。
【0057】
この光AND回路では、第1の光スイッチ31の第2の出力ポート31dが第2の光スイッチ32の第1の入力ポート32aに接続され、第2の光スイッチ32の第2の出力ポート32dが第3の光スイッチ33の第2の入力ポート33bに接続される。
【0058】
図11(a)は第1及び第2の光スイッチ31、32の第2の入力ポート31b、32bに入力される制御光がともにオフの場合である。
【0059】
この場合、第1の光スイッチ31では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート31cから出力される。第2の出力ポート31dからは信号光は出力されない。
【0060】
第2の光スイッチ32は、第1の入力ポート32aでの信号光入力がなく、また第2の入力ポート32bで制御光を入力しないため、第1及び第2の出力ポート32c、32dからの信号出力はない。
【0061】
第3の光スイッチ33は、第1の入力ポート33aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力するが、第2の入力ポート33bでの入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート33cから出力され、第2の出力ポート33dからの出力信号はオフとなる。この第2の出力ポート33dからの出力信号がこの光AND回路の演算結果となる。
【0062】
図11(b)は第1の光スイッチ31の入力ポート31bに入力される制御光がオフ、第2の光スイッチ32の第2の入力ポート32bに入力される制御光がオンの場合である。
【0063】
この場合、第1の光スイッチ31では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート31cから出力される。第2の出力ポート31dからは信号は出力されない。
【0064】
第2の光スイッチ32は、第2の入力ポート32bで制御光を入力するが、第1の入力ポート32aで信号光入力がないため、第1及び第2の出力ポート32c、32dからは信号出力はない。
【0065】
第3の光スイッチ33は、第1の入力ポート33aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力するが、第2の入力ポート33bでの入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート33cから出力され、第2の出力ポート33dからの出力信号はオフとなる。この第2の出力ポート33dからの出力信号がこの光AND回路の演算結果となる。
【0066】
図11(c)は第1の光スイッチ31の第1の入力ポート31bに入力される制御光がオン、第2の光スイッチ32の第2の入力ポート32bに入力される制御光がオフの場合である。
【0067】
この場合、第1の光スイッチ31では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは光路を変えて第2の出力ポート31dから出力される。第1の出力ポート31cからは信号光は出力されない。
【0068】
第2の光スイッチ32は、第2の入力ポート32bで制御光を入力しないため、第1の入力ポート32aで第1の光スイッチ31の第2の出力ポート31dからの信号光S’を信号光Sとして受け取り、第1の出力ポート32cから信号出力がされるが、第2の出力ポート32dからは信号光は出力されない。
【0069】
第3の光スイッチ33は、第1の入力ポート33aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力するが、第2の入力ポート33bでの入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート33cから出力され、第2の出力ポート33dからの出力信号はオフとなる。この第2の出力ポート33dからの出力信号がこの光AND回路の演算結果となる。
【0070】
図11(d)は第1の光スイッチ31の入力ポート31bに入力される制御光がオン、第2の光スイッチ32の入力ポート32bに入力される制御光もオンの場合である。
【0071】
この場合、第1の光スイッチ31では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは光路を変えて第2の出力ポート31dから出力される。第2の出力ポート31cからは信号光は出力されない。
【0072】
第2の光スイッチ32は、第2の入力ポート32bで制御光を入力し、第1の入力ポート32aで第1の光スイッチ31の第2の出力ポート31dからの信号光Sを受け取り、熱レンズ形成光素子が形成されるため、第1の出力ポート32cから信号光は出力されず、第2の出力ポート32dから信号光が出力される。
【0073】
第3の光スイッチ33は、第1の入力ポート33aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート33bで信号S’をSとして入力し、熱レンズ形成光素子が形成されるため、信号光Sは第1の出力ポート33cから出力されず、第2の出力ポート33dから信号光Sが出力される。この第2の出力ポート33dからの出力信号がこの光AND回路の演算結果となる。
【0074】
図12は、本発明による光OR回路の構成を模式的に示す図である。第1、第2及び第3の光スイッチ41、42、43は、それぞれ第1の入力ポート41a、42a、43a;第2の入力ポート41b、42b、43b;第1の出力ポート41c、42c、43c;第2の出力ポート41d、42d、43dを有する。ただし、第1の光スイッチ41及び第2の光スイッチ42は波長650nmの光を信号光とするが、第3の光スイッチ43は波長1550nmの光を信号光とし、第1の光スイッチ41及び第2の光スイッチ42は波長1550nmの光を制御光とするが、第3の光スイッチ3は波長650nmの光を制御光とする。
【0075】
図12(a)は第1及び第2の光スイッチ41、42の第2の入力ポート41b、42bに入力される制御光がともにオフの場合である。
【0076】
この場合、第1の光スイッチ41では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート41cから出力される。第2の出力ポート41dからは信号光は出力されない。
【0077】
第2の光スイッチ42は、第1の入力ポート42aで第1の光スイッチ41の第2の出力ポート41cからの信号光Sをそのまま信号光Sとして受け取るが、第2の入力ポート42bで制御光を入力しないため、第1の出力ポート42cから信号Sがそのまま出力され、第2の出力ポート42dから信号光は出力されない。
【0078】
第3の光スイッチ43は、第1の入力ポート43aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート43bから制御光がオフのため、信号光Sは第1の出力ポート43cから出力されず、第2の出力ポート43dから信号光Sが出力される。この第1の出力ポート43cからの出力信号がこの光OR回路の演算結果となる。
【0079】
図12(b)は第1の光スイッチ41の第2の入力ポート41bに入力される制御光がオフ、第2の光スイッチ42の第2の入力ポート42bに入力される制御光がオンの場合である。
【0080】
この場合、第1の光スイッチ42では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート42cから出力される。第2の出力ポート41dからは信号光は出力されない。
【0081】
第2の光スイッチ42は、第1の入力ポート42aで第1の光スイッチ41の第1の出力ポート41cからの信号光Sをそのまま信号光Sとして受け取り、第2の入力ポート42bで制御光を入力するため、熱レンズ形成光素子が形成されるため、第1の出力ポート42cから信号光が出力されず、第2の出力ポート42dから信号光Sが出力される。
【0082】
第3の光スイッチ43は、第1の入力ポート43aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート43bから制御光の入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート43cから出力される。第2の出力ポートから信号光は出力されない。この第1の出力ポート43cからの出力信号がこの光OR回路の演算結果となる。
【0083】
図12(c)は第1の光スイッチ41の第1の入力ポート41bに入力される制御光がオン、第2の光スイッチ42の第2の入力ポート42bに入力される制御光がオフの場合である。
【0084】
この場合、第1の光スイッチ41では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは光路を変えて第2の出力ポート41dから出力される。第2の出力ポート41cからは信号光は出力されない。
【0085】
第2の光スイッチ42は、第2の入力ポート42bで制御信号を入力せず、第1の入力ポート42aで第1の光スイッチ41の第1の出力ポート41cからの信号光を受け取らないため、第1及び第2の出力ポート42c、42dから信号光は出力されない。
【0086】
第3の光スイッチ43は、第1の入力ポート43aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力するが、第2の入力ポート43bでの入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート43cから出力され、第2の出力ポート43dからの出力信号はオフとなる。この第1の出力ポート43cからの出力信号がこの光OR回路の演算結果となる。
【0087】
図12(d)は第1の光スイッチ41の第2の入力ポート41bに入力される制御光がオン、第2の光スイッチ42の第2の入力ポート42bに入力される制御光もオンの場合である。
【0088】
この場合、第1の光スイッチ41では熱レンズ形成光素子が形成されるため、信号光Sは光路を変えて第2の出力ポート41dから出力される。第1の出力ポート41cからは信号光は出力されない。
【0089】
第2の光スイッチ42は、第2の入力ポート42bで制御光を入力するが、第1の入力ポート42aで第1の光スイッチ41の第1の出力ポート41cから信号光を受け取らないため、第1及び第2の出力ポート42c、42dから信号光は出力されない。
【0090】
第3の光スイッチ43は、第1の入力ポート43aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート43bで制御光を受け取らないため、信号光Sは第1の出力ポート43cから出力され、第2の出力ポート43dから信号光は出力されない。この第1の出力ポート43cからの出力信号がこの光OR回路の演算結果となる。
【0091】
図13は、本発明による光NAND回路の構成を模式的に示す図である。第1、第2及び第3の光スイッチ51、52、53は、それぞれ第1の入力ポート51a、52a、53a;第2の入力ポート51b、52b、53b;第1の出力ポート51c、52c、53c;第2の出力ポート51d、52d、53dを有する。ただし、第1の光スイッチ51及び第2の光スイッチ52は波長650nmの光を信号光とするが、第3の光スイッチ53は波長1550nmの光を信号光とし、第1の光スイッチ51及び第2の光スイッチ52は波長1550nmの光を制御光とするが、第3の光スイッチ53は波長650nmの光を制御光とする。
【0092】
この光NAND回路では、第1の光スイッチ51の第2の出力ポート51dが第2の光スイッチ52の入力ポート52aに接続され、第2の光スイッチ52の第2の出力ポート52dが第3の光スイッチ53の第2の入力ポート53bに接続される。
【0093】
図13(a)は第1及び第2光スイッチ51、52の第2の入力ポート51b、52bに入力される制御光がともにオフの場合である。
【0094】
この場合、第1の光スイッチ51では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート51cから出力される。第2の出力ポート51dから信号光は出力されない。
【0095】
第2の光スイッチ52は、第1の入力ポート52aでの信号光入力がなく、また第2の入力ポート52bで制御光を入力しないため、第1及び第2の出力ポート52c、52dからの信号出力はない。
【0096】
第3の光スイッチ53は、第1の入力ポート53aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート53bでの入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート53cから出力され、第2の出力ポート53dから信号光は出力されない。この第1の出力ポート53cからの出力信号がこの光NAND回路の演算結果となる。
【0097】
図13(b)は第1の光スイッチ51の第1の入力ポート51bに入力される制御光がオフ、第2の光スイッチ52の入力ポート52bに入力される制御光がオンの場合である。
【0098】
この場合、第1の光スイッチ51では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート51cから出力される。第2の出力ポート51dからは信号光は出力されない。
【0099】
第2の光スイッチ52は、第2の入力ポート52bで制御光を入力するが、第1の入力ポート52aでの信号光の入力がないため、第1及び第2の出力ポート52c、52dからは信号出力はない。
【0100】
第3の光スイッチ53は、第1の入力ポート53aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート53bでの入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート53cから出力され、第2の出力ポート53dから信号光は出力されない。この第1の出力ポート53cからの出力信号がこの光NAND回路の演算結果となる。
【0101】
図13(c)は第1の光スイッチ51の第2の入力ポート51bに入力される制御光がオン、第2の光スイッチ52の第2の入力ポート52bに入力される制御光がオフの場合である。
【0102】
この場合、第1の光スイッチ51では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは光路を変えて第2の出力ポート51dから出力する。第2の出力ポート51cから信号光は出力されない。
【0103】
第2の光スイッチ52は、第2の入力ポート52bで制御光を入力しないため、第1の入力ポート52aで信号光を受け取り、第1の出力ポート52cから信号光が出力され、第2の出力ポート52dから信号光は出力されない。
【0104】
第3の光スイッチ53は、第1の入力ポート53aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力するが、第2の入力ポート53bでの入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート53cから出力され、第2の出力ポート53dから信号光は出力されない。この第1の出力ポート53cからの出力信号がこの光NAND回路の演算結果となる。
【0105】
図13(d)は第1の光スイッチ51の入力ポート51aに入力される制御光がオン、第2の光スイッチ52の入力ポート52aに入力される制御光もオンの場合である。
【0106】
この場合、第1の光スイッチ51では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは光路を変えて第2の出力ポート51dから出力される。第2の出力ポート51cからは信号は出力されない。
【0107】
第2の光スイッチ52は、第2の入力ポート52bで制御信号を入力し、第1の入力ポート52aで信号光を受け取り、熱レンズ形成光素子が形成され、第1の出力ポート52cから信号光は出力されず、第2の出力ポート52dから信号光Sが出力される。
【0108】
第3の光スイッチ53は、第1の入力ポート53aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート53bで制御光を入力し、熱レンズ形成光素子が形成されるため、信号光は第1の出力ポート53cから出力されず、第2の出力ポート53dから信号光Sが出力される。この第1の出力ポート53cからの出力信号がこの光NAND回路の演算結果となる。
【0109】
図14は、本発明による光NOR回路の構成を模式的に示す図である。第1、第2及び第3の光スイッチ61、62、63は、それぞれ第1の入力ポート61a、62a、63a;第2の入力ポート61b、62b、63b;第1の出力ポート61c、62c、63c;第2の出力ポート61d、62d、63dを有する。ただし、第1の光スイッチ61及び第2の光スイッチ62は波長650nmの光を信号光とするが、第3の光スイッチ63は波長1550nmの光を信号光とし、第1の光スイッチ61及び第2の光スイッチ62は波長1550nmの光を制御光とするが、第3の光スイッチ63は波長650nmの光を制御光とする。
【0110】
この光NOR回路では、第1の光スイッチ61の第1の出力ポート61cが第2の光スイッチ62の第1の入力ポート62aに接続され、第2の光スイッチ62の第1の出力ポート62cが第3の光スイッチ63の第2の入力ポート63bに接続される。
【0111】
図14(a)は第1及び第2光スイッチ61、62の第2の入力ポート61b、62bに入力される制御光がともにオフの場合である。
【0112】
この場合、第1の光スイッチ61では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート61cから出力される。第2の出力ポート61dからは信号光は出力されない。
【0113】
第2の光スイッチ62は、第1の入力ポート62aで第1の光スイッチ61の第2の出力ポート61cからの信号光を受け取り、第2の入力ポート62bで制御光を入力しないため、第1の出力ポート62cから信号Sがそのまま出力され、第2の出力ポート62dから信号光は出力されない。
【0114】
第3の光スイッチ63は、第1の入力ポート63aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート63bから第2の光スイッチ62の第1の出力62cから信号光を制御光として受け取り、熱レンズ形成光素子が形成されるため、信号光Sは第2の出力ポート63dから出力され、第1の出力ポート63cから信号光は出力されない。この第2の出力ポート63dからの出力信号がこの光NOR回路の演算結果となる。
【0115】
図14(b)は第1の光スイッチ61の第2の入力ポート61bに入力される制御光がオフ、第2の光スイッチ62の第2の入力ポート62bに入力される制御光がオンの場合である。
【0116】
この場合、第1の光スイッチ62では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート62cから出力される。第2の出力ポート61dから信号光は出力されない。
【0117】
第2の光スイッチ62は、第1の入力ポート62aで第1の光スイッチ61の第1の出力ポート61cから信号光を受け取と、第2の入力ポート62bで制御光を入力するため、熱レンズ形成光素子が形成されるため、第2の出力ポート62dから信号光Sが出力され、第1の出力ポート62cから信号光は出力されない。
【0118】
第3の光スイッチ63は、第1の入力ポート63aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート63bから制御光の入力がないため、信号光Sは第1の出力ポート63cから出力され、第2の出力ポート63dから信号光は出力されない。この第2の出力ポート63dからの出力信号がこの光NOR回路の演算結果となる。
【0119】
図14(c)は第1の光スイッチ61の第1の入力ポート61bに入力される制御光がオン、第2の光スイッチ62の第2の入力ポート62bに入力される制御光がオフの場合である。
【0120】
この場合、第1の光スイッチ61では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは光路を変えて第2の出力ポート61dから出力される。第1の出力ポート61cからは信号光は出力されない。
【0121】
第2の光スイッチ62は、第2の入力ポート62bで制御信号を入力せず、第1の入力ポート62aで第1の光スイッチ61の第2の出力ポート61cからの信号光を受け取らないため、第1及び第2の出力ポート62c、62dから信号光は出力されない。
【0122】
第3の光スイッチ63は、第1の入力ポート63aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力するが、第2の入力ポート63bでの入力がないため、信号光Sはそのまま第1の出力ポート63cから出力され、第2の出力ポート63dから出力光は出力されない。この第2の出力ポート43dからの出力信号がこの光NOR回路の演算結果となる。
【0123】
図14(d)は第1の光スイッチ61の第2の入力ポート61bに入力される制御光がオン、第2の光スイッチ62の第2の入力ポート62bに入力される制御光もオンの場合である。
【0124】
この場合、第1の光スイッチ61では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは光路を変えて第2の出力ポート61dから出力される。第1の出力ポート61cからは信号光は出力されない。
【0125】
第2の光スイッチ62は、第2の入力ポート62bで制御光を入力するが、第1の入力ポート62aで第1の光スイッチ61の第1の出力ポート61cから信号光を受け取らないため、第1及び第2の出力ポート62c、62dから信号光は出力されない。
【0126】
第3の光スイッチ63は、第1の入力ポート63aで1550nmの連続光を信号光Sとして入力し、第2の入力ポート63bで制御光を受け取らないため、信号光Sは第1の出力ポート63cから出力され、第2の出力ポート63dから信号光は出力されない。この第2の出力ポート63dからの出力信号がこの光NOR回路の演算結果となる。
【0127】
図15は、本発明による光NOT回路の構成を模式的に示す図である。第1及び第2の光スイッチ71、72は、それぞれ第1の入力ポート71a、72a;第2の入力ポート71b、72b;第1の出力ポート71c、72c;第2の出力ポート71d、72dを有する。ただし、第1の光スイッチ71は波長650nmの光を信号光とするが、第2の光スイッチ73は波長1550nmの光を信号光とし、第1の光スイッチ71は波長1550nmの光を制御光とするが、第2の光スイッチ73は波長650nmの光を制御光とする。
【0128】
この光NOT回路では、第1の光スイッチ71の第2の出力ポート71dが第2の光スイッチ72の第2の入力ポート72bに接続される。
【0129】
図15(a)は第1の光スイッチ71の第2の入力ポート71bに入力される制御光がオフの場合である。
【0130】
この場合、第1の光スイッチ71では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート71cから出力される。第2の出力ポート71dからは信号は出力されない。
【0131】
第2の光スイッチ72は、第1の入力ポート72aで信号光Sを入力し、また第2の入力ポート72bで制御光を入力しないため、熱レンズ形成光素子は形成されず、第1の出力ポート72cから信号光が出力され、第2の出力ポート72dから信号光は出力されない。
【0132】
この第1の出力ポート72cからの出力信号がこの光NOT回路の演算結果となる。
【0133】
図15(b)は第1の光スイッチ71の第2の入力ポート71bに入力される制御光がオンの場合である。
【0134】
この場合、第1の光スイッチ71では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは第2の出力ポート71dから出力される。第1の出力ポート71cからは信号光は出力されない。
【0135】
第2の光スイッチ72は、第1の入力ポート72aで信号光Sを入力し、また第2の入力ポート72bでも制御光を入力するため、熱レンズ形成光素子が形成され、第1の出力ポート72cから信号光が出力されず、第2の出力ポート72dから信号光が出力される。
【0136】
この第1の出力ポート72cからの出力信号がこの光NOT回路の演算結果となる。
【0137】
図16は、本発明による光NOT回路の別の構成を模式的に示す図である。第1及び第2の光スイッチ81、82は、それぞれ第1の入力ポート81a、82a;第2の入力ポート81b、82b;第1の出力ポート81c、82c;第2の出力ポート81d、82dを有する。ただし、第1の光スイッチ81は波長650nmの光を信号光とするが、第2の光スイッチ83は波長1550nmの光を信号光とし、第1の光スイッチ81は波長1550nmの光を制御光とするが、第2の光スイッチ83は波長650nmの光を制御光とする。
【0138】
この光NOT回路では、第1の光スイッチ81の第1の出力ポート81cが第2の光スイッチ82の第2の入力ポート82bに接続される。
【0139】
図16(a)は第1の光スイッチ81の第2の入力ポート81bに入力される制御光がオフの場合である。
【0140】
この場合、第1の光スイッチ81では熱レンズ形成光素子が形成されないため信号光Sはそのまま第1の出力ポート81cから出力される。第2の出力ポート81dからは信号光は出力されない。
【0141】
第2の光スイッチ82は、第1の入力ポート82aで信号光Sを入力し、また第2の入力ポート82bで制御光を入力するため、熱レンズ形成光素子が形成され、第1の出力ポート82cから信号光は出力されず、第2の出力ポート82dから信号光が出力される。この第1の出力ポート82dからの出力信号がこの光NOT回路の演算結果となる。
【0142】
図16(b)は第1の光スイッチ81の第2の入力ポート81bに入力される制御光がオンの場合である。
【0143】
この場合、第1の光スイッチ81では熱レンズ形成光素子が形成されるため信号光Sは第2の出力ポート81dから出力される。第1の出力ポート81cからは信号光は出力されない。
【0144】
第2の光スイッチ82は、第1の入力ポート82aで信号光Sを入力し、また第2の入力ポート82bでは制御光を入力しないため、熱レンズ形成光素子が形成されず、第1の出力ポート82cから信号光が出力され、第2の出力ポート82dから信号光は出力されない。この第1の出力ポート82dからの出力信号がこの光NOT回路の演算結果となる。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の光論理回路で用いる光制御型光スイッチの構成の説明図である。
【図2】熱レンズ形成光素子の光吸収層へ信号光と制御光とを同一の所に集光させるときに、制御光がない場合と制御光がある場合の信号光の出射の状況を示す図である。
【図3】熱レンズ形成光素子の概略構成を示す断面図である。
【図4a】集光しない場合の信号光が偏向する状況の説明図である。
【図4b】集光した場合の信号光が偏向する状況の説明図である。
【図5】制御光を照射しない場合と、制御光のパワーを変えて照射した場合の光強度分布を示す図である。
【図6】制御光パワーと偏向角との関係を示すグラフである。
【図7】光吸収層の位置と偏向角との関係を示すグラフである。
【図8】非偏向光と偏向光の分離距離の関係を示すグラフである。
【図9】本発明で用いる別例の光スイッチの2芯光ファイバーフェルールの概念図である。
【図10】図11〜図16の論理回路の熱レンズ形成光素子の光吸収層に用いた色素の吸収・透過特性を示す図である。
【図11】本発明による光AND回路の構成を模式的に示す図である。
【図12】本発明による光OR回路の構成を模式的に示す図である。
【図13】本発明による光NAND回路の構成を模式的に示す図である。
【図14】本発明による光NOR回路の構成を模式的に示す図である。
【図15】本発明による光NOT回路の構成を模式的に示す図である。
【図16】本発明による光NOT回路の別の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0146】
1 信号光
2、4 入力ポート
3 制御光
5、6、11 コリメートレンズ
7 分離器
8、15 ミラー
9、14、16 集光レンズ
10 熱レンズ形成光素子
12 波長選択透過フィルター
13 分岐ミラー
17、18 出力ポート
31、41、51、61、71、81 第1の光スイッチ
32、42、52、62、72、82 第2の光スイッチ
33、43、53、63 第3の光スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号光を入射する第1の入力ポートと、
信号光とは異なる波長を有する制御光を入射する第2の入力ポートと、
制御光に対し吸収性を示し信号光に対し透過性を示す波長帯域を持つ光吸収層を有する熱レンズ形成光素子と、
光吸収層に制御光と信号光とを各々集光点を光軸に対して直角方向で異ならせて集光させる集光部を備え、
レンズ形成光素子は、光吸収層が制御光を吸収した領域及びその周辺領域に起こる温度上昇に起因して可逆的に生ずる屈折率の分布に基づいた熱レンズを用いることによって、制御光が照射されず熱レンズが形成されない場合は信号光を進行方向を変えない非偏向光として出射する状態と、制御光が照射されて熱レンズが形成された場合は信号光を進行方向を変えた偏向光として出射する状態とを、制御光の照射の有無に対応させて実現させ、
さらに、非偏向光として出射した信号光を出力する第1の出力ポートと、
偏向光として出射した信号光を出力する第2の出力ポートと、
熱レンズ形成光素子より出射した信号光のうち、非偏向光は第1の出力ポートから出力させ、偏向光は第2の出力ポートから出力させる信号光光路切替部とを備えてなる光制御型光スイッチを少なくとも2以上接続して論理回路を構成したことを特徴とする光論理回路。
【請求項2】
信号光と異なる波長の制御光を入射する光スイッチと、該光スイッチの信号光とは異なる波長の信号光と該光スイッチの制御光とは異なる波長の制御光を入力する光スイッチを複数組み合わせることにより論理回路を構成したことを特徴とする請求項1に記載の光論理回路。
【請求項3】
信号光と異なる波長の制御光を入射する光スイッチと、該光スイッチの信号光と同じ波長の信号光と該光スイッチの制御光と同じ波長の制御光を入力する光スイッチを複数組み合わせることにより論理回路を構成したことを特徴とする請求項1に記載の光論理回路。
【請求項4】
信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、
該第1の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を信号光として入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチと、
信号光を入力する第1の入力ポートと該第2の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第3の光スイッチを備え、
該第3の光スイッチの第2の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするAND回路を構成することを特徴とする請求項1ない3のいずれか一項に記載の光論理回路。
【請求項5】
信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、
該第1の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を信号光として入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチと、
信号光を入力する第1の入力ポートと該第2の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第3の光スイッチを備え、
該第3の光スイッチの第1の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするOR回路を構成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の光論理回路。
【請求項6】
信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、
該第1の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を信号光として入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチと、
信号光を入力する第1の入力ポートと該第2の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第3の光スイッチを備え、
該第3の光スイッチの第1の出力ポートの光を論理演算結果とするNAND回路を構成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光論理回路。
【請求項7】
信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、
該第1の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を信号光として入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチと、
信号光を入力する第1の入力ポートと該第2の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第3の光スイッチを備え、
該第3の光スイッチの第2の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするNOR回路を構成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の光論理回路。
【請求項8】
信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、
信号光を入力する第1の入力ポートと該第1の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチを備え、
該第2の光スイッチの第1の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするNOT回路を構成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の光論理回路。
【請求項9】
信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、
信号光を入力する第1の入力ポートと該第1の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチを備え、
該第2の光スイッチの第2の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするNOT回路を構成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の光論理回路。
【請求項1】
信号光を入射する第1の入力ポートと、
信号光とは異なる波長を有する制御光を入射する第2の入力ポートと、
制御光に対し吸収性を示し信号光に対し透過性を示す波長帯域を持つ光吸収層を有する熱レンズ形成光素子と、
光吸収層に制御光と信号光とを各々集光点を光軸に対して直角方向で異ならせて集光させる集光部を備え、
レンズ形成光素子は、光吸収層が制御光を吸収した領域及びその周辺領域に起こる温度上昇に起因して可逆的に生ずる屈折率の分布に基づいた熱レンズを用いることによって、制御光が照射されず熱レンズが形成されない場合は信号光を進行方向を変えない非偏向光として出射する状態と、制御光が照射されて熱レンズが形成された場合は信号光を進行方向を変えた偏向光として出射する状態とを、制御光の照射の有無に対応させて実現させ、
さらに、非偏向光として出射した信号光を出力する第1の出力ポートと、
偏向光として出射した信号光を出力する第2の出力ポートと、
熱レンズ形成光素子より出射した信号光のうち、非偏向光は第1の出力ポートから出力させ、偏向光は第2の出力ポートから出力させる信号光光路切替部とを備えてなる光制御型光スイッチを少なくとも2以上接続して論理回路を構成したことを特徴とする光論理回路。
【請求項2】
信号光と異なる波長の制御光を入射する光スイッチと、該光スイッチの信号光とは異なる波長の信号光と該光スイッチの制御光とは異なる波長の制御光を入力する光スイッチを複数組み合わせることにより論理回路を構成したことを特徴とする請求項1に記載の光論理回路。
【請求項3】
信号光と異なる波長の制御光を入射する光スイッチと、該光スイッチの信号光と同じ波長の信号光と該光スイッチの制御光と同じ波長の制御光を入力する光スイッチを複数組み合わせることにより論理回路を構成したことを特徴とする請求項1に記載の光論理回路。
【請求項4】
信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、
該第1の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を信号光として入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチと、
信号光を入力する第1の入力ポートと該第2の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第3の光スイッチを備え、
該第3の光スイッチの第2の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするAND回路を構成することを特徴とする請求項1ない3のいずれか一項に記載の光論理回路。
【請求項5】
信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、
該第1の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を信号光として入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチと、
信号光を入力する第1の入力ポートと該第2の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第3の光スイッチを備え、
該第3の光スイッチの第1の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするOR回路を構成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の光論理回路。
【請求項6】
信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、
該第1の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を信号光として入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチと、
信号光を入力する第1の入力ポートと該第2の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第3の光スイッチを備え、
該第3の光スイッチの第1の出力ポートの光を論理演算結果とするNAND回路を構成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光論理回路。
【請求項7】
信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、
該第1の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を信号光として入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチと、
信号光を入力する第1の入力ポートと該第2の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第3の光スイッチを備え、
該第3の光スイッチの第2の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするNOR回路を構成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の光論理回路。
【請求項8】
信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、
信号光を入力する第1の入力ポートと該第1の光スイッチの第2の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチを備え、
該第2の光スイッチの第1の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするNOT回路を構成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の光論理回路。
【請求項9】
信号光を入力する第1の入力ポートと制御光を入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第1の光スイッチと、
信号光を入力する第1の入力ポートと該第1の光スイッチの第1の出力ポートからの出力光を制御光として入力する第2の入力ポート、及び制御光のオン/オフにより出力が切り替わる第1の出力ポートと第2の出力ポートを有し、制御光がオンのときには第2の出力ポートから信号光を出力光として出力し、制御光がオフのときには第1の出力ポートから信号光を出力光として出力する第2の光スイッチを備え、
該第2の光スイッチの第2の出力ポートの光出力のオン/オフを論理演算結果とするNOT回路を構成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の光論理回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−250168(P2008−250168A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−93916(P2007−93916)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度独立行政法人科学技術振興機構「全光データ配信システムの開発」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(000002820)大日精化工業株式会社 (387)
【出願人】(503184234)株式会社インターエナジー (20)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度独立行政法人科学技術振興機構「全光データ配信システムの開発」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(000002820)大日精化工業株式会社 (387)
【出願人】(503184234)株式会社インターエナジー (20)
【Fターム(参考)】
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