説明

光配線用トレイ及びそれを備えたクロージャ

【課題】余長収容部内での光ファイバ心線の収容本数を多くすること無く、クロージャ内の限られたスペースで多数の光ファイバ心線を配線することが可能な光配線用トレイ及びそれを備えたクロージャを提供する。
【解決手段】厚さ方向の二層に分けられた上層トレイ41と下層トレイ51を有し、上層トレイ41と下層トレイ51が、成端トレイ33の幅方向の一方側で回動可能に連結され、光ファイバ心線24の余長を収容する余長収容部42,52と、光ファイバ心線24同士が接続されたコネクタCを固定する接続固定部43,53とが、上層トレイ41及び下層トレイ51にそれぞれ設けられ、余長収容部42,52を覆う位置に、成端トレイ33に導入された光ファイバ心線24を保持可能な係止部63を有する一平面形状の心線保留シート61が回動可能に取り付けられ、心線保留シート61を回動させて余長収容部42,52から持ち上げたときに、回動軸とは異なる位置に心線保留シート61の一端を係止して自立させるシート係止部64を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幹線系光ケーブルと光ドロップケーブルとの接続部分を収容する光配線用トレイ及びそれを備えたクロージャに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ケーブルを用いたネットワークとして、加入者宅まで光ファイバを直接引き込むFTTH(Fiber To The Home)という形態が採用されている。このFTTHでは、通信事業者のネットワークとして加入者宅近傍に配線された数心〜数十心程度の光ケーブルから、クロージャによって、例えば、1〜2心程度の必要本数の光ドロップケーブルに分岐し、ネットワークの加入者宅へ引き込む。
【0003】
このようなFTTHに用いられるクロージャとしては、幹線用光ケーブル及び光ドロップケーブルの光ファイバ心線同士を接続する複数のコネクタを保持するコネクタ保持部と、光ファイバ心線の余長を収容する余長収容部とを有するトレイや、スプリッタ等の光モジュールを収容するスプリッタトレイ等が、内部に複数積層されて取り付けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−121603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
FTTHの促進により加入者宅まで光ファイバを引き込む要求が増え、クロージャから光ドロップケーブルが多数引き落とされて増設されている。
この場合、クロージャ内の一つのトレイに収容する光ファイバ心線の本数を増やすことが考えられる。しかし、一つのトレイに多数本の光ファイバ心線を収容すると、トレイの余長収容部内で光ファイバ心線同士が絡まりやすくなり、また、光ファイバ心線の判別も困難となる。
また、トレイの厚さを薄くしてトレイの積層枚数を増やすことにより、光ファイバ心線の収容可能本数を増やすことも考えられる。しかし、トレイに設けられるコネクタ保持部の厚さはコネクタの厚さより薄くできないので、トレイの厚さを薄くして積層枚数を増やすことも困難であった。
【0006】
本発明の目的は、余長収容部内での光ファイバ心線の収容本数を多くすることなく、クロージャ内の限られたスペースで多数の光ファイバ心線を配線することが可能な光配線用トレイ及びそれを備えたクロージャを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決することのできる本発明の光配線用トレイは、幹線系光ケーブルと光ドロップケーブルの光ファイバ心線同士が接続された接続部を収容する光ケーブル接続用クロージャに用いられる光配線用トレイであって、
厚さ方向の二層に分けられた上層トレイと下層トレイを有し、
前記上層トレイと前記下層トレイが、当該トレイの幅方向の一方側で回動可能に連結され、
前記光ファイバ心線の余長を収容する余長収容部と、前記光ファイバ心線同士が接続された接続部を固定する接続固定部とが、前記上層トレイ及び前記下層トレイにそれぞれ設けられ、
前記余長収容部を覆う位置に、当該光配線用トレイに導入された光ファイバ心線を保持可能な係止部を有する一平面形状の心線保留シートが回動可能に取り付けられ、
前記心線保留シートを回動させて前記余長収容部から持ち上げたときに、回動軸とは異なる位置に前記心線保留シートの一端を係止して自立させるシート係止部を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の光配線用トレイにおいて、前記心線保留シートは、プラスチックシートにより形成されていることが好ましい。
【0009】
本発明の光配線用トレイにおいて、前記心線保留シートは、前記上層トレイと前記下層トレイとの連結箇所側における一対の鍵爪状の支持部によって回動可能に支持されていることが好ましい。
【0010】
本発明の光配線用トレイにおいて、前記シート係止部は、前記余長収容部の上面を開放する方向へ前記心線保留シートを回動させた状態で、前記心線保留シートの一端を変形させて係止可能であり、前記心線保留シートが前記シート係止部へ係止されると、前記心線保留シートが前記支持部と前記シート係止部とにより湾曲されるとともに湾曲方向と直交する方向に真直化することが好ましい。
【0011】
本発明の光配線用トレイにおいて、前記上層トレイ及び前記下層トレイのそれぞれにおいて、前記幹線系光ケーブルから前記余長収容部への光ファイバ心線の入口が、共に前記上層トレイと前記下層トレイの回動中心軸近傍に設けられていることが好ましい。
【0012】
また、本発明のクロージャは、上記本発明の何れかの光配線用トレイが複数段に積層されて収容されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の光配線用トレイによれば、厚さの増加を抑えつつ余長収容部を二層構造とすることができる。これにより、余長収容部内での光ファイバ心線の収容本数を多くすること無く、クロージャ内の限られたスペースで多数の光ファイバ心線を配線することができる。
そして、本発明のクロージャによれば、FTTHの促進により光ファイバを引き込む要求が増えたとしても、その要求に対して容易に光ファイバ心線の配線本数を増やして対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る光配線用トレイを備えたクロージャの一実施形態を示す図であって、(a)は一部を断面視した平面図、(b)は縦断面図、(c)は横断面図である。
【図2】図1のクロージャにおける成端トレイ及びスプリッタトレイの収容状態を説明する図であって、(a)及び(b)はそれぞれ側面図である。
【図3】図1のクロージャに収容された成端トレイの構造を示す斜視図である。
【図4】図3の成端トレイの上層トレイと下層トレイとを開いた状態の斜視図である。
【図5】図3の成端トレイの構造を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図6】図3の成端トレイを構成する上層トレイを示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図7】図3の成端トレイを構成する下層トレイを示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図8】心線保留シートの支持構造を示す上層トレイの連結側における一部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る光配線用トレイ及びそれを備えたクロージャの実施形態の例を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、光ケーブル接続用クロージャ11は、前面及び後面が開口可能なケース本体12を備え、その内部が光ケーブル収容空間15とされている。
【0016】
クロージャ11の両端部には、ケーブル導出入部16,17が設けられており、このケーブル導出入部16,17で、幹線系の光ケーブル21や各加入者宅へ引き込むためのドロップケーブル22が導出入可能とされている。
このケーブル導出入部16,17には、導出入されるケーブルに密着するゴム材料で形成されたグロメットが取り付けられており、ケーブルを伝ってクロージャ11の光ケーブル収容空間15内に雨水等が浸入することが防止されている。
【0017】
また、ケース本体12とケーブル導出入部16,17との合わせ部には、適宜、パッキンが設けられるか、あるいはそれぞれの縁部が重なり合う構造とされることにより、高度な防水性や耐光性が確保されている。
ケーブル導出入部17から光ケーブル収容空間15内へ引き込まれた幹線系の光ケーブル21は、ケーブルTM把持具23によって把持され、光ケーブル21から引き落とされる光ファイバ心線24は、コネクタ(図示省略)に接続されて成端盤13に設置され、その後スプリッタトレイ34及び成端トレイ33を経由してドロップケーブル22の光ファイバ心線24に接続される。
【0018】
クロージャ11の光ケーブル収容空間15内には、上下方向に配置されたトレイ固定ベース31が設けられている。このトレイ固定ベース31には、トレイ収納ケース32が取り付けられており、このトレイ収納ケース32には、複数の光配線用トレイである成端トレイ33及びスプリッタトレイ34が複数段に積層されて収容されている。成端トレイ33には、光ファイバ心線24の接続部及び余長部が収容され、スプリッタトレイ34には、光信号を分岐する光スプリッタが収容されている。
【0019】
図2(a)に示すように、トレイ収納ケース32には、複数の隔壁36によって区画された複数段のトレイ収納部37が形成されており、成端トレイ33及びスプリッタトレイ34は、トレイ収納部37にそれぞれ収納されている。
また、トレイ収納ケース32は、クロージャ11の開口側(図2における左側)へ引き出し可能に設けられたトレイ支持部38を有している。成端トレイ33及びスプリッタトレイ34は、クロージャ11の開口側と反対側の奥側の端部が、トレイ支持部38に対して水平方向の軸線を中心として回動可能に支持されている。
【0020】
このトレイ支持部38をクロージャ11の開口側へ引き出すと、図2(b)に示すように、成端トレイ33及びスプリッタトレイ34がトレイ収納ケース32のトレイ収納部37から引き出される。この状態で、成端トレイ33及びスプリッタトレイ34は、トレイ支持部38に対して回動させることが可能となる。
【0021】
例えば、成端トレイ33またはスプリッタトレイ34で作業を行う場合、作業対象の成端トレイ33またはスプリッタトレイ34よりも下方側のトレイを下方へ回動させ、作業対象の成端トレイ33またはスプリッタトレイ34の上方側の成端トレイ33またはスプリッタトレイ34を上方へ回動させる。このようにすると、作業対象の成端トレイ33またはスプリッタトレイ34の上面側を広く開放させることができ、円滑な作業が可能となる。なお、最上段の成端トレイ33で作業を行う場合は、全ての成端トレイ33及びスプリッタトレイ34を下方へ回動させて傾ける。
【0022】
次に、本発明に係る光配線用トレイである成端トレイ33の構造を説明する。
図3から図5に示すように、成端トレイ33は、厚さ方向の二層に分けられた上層トレイ41と下層トレイ51とを有している。これらの上層トレイ41と下層トレイ51は、幅方向の一方側であるトレイ支持部38との連結箇所側の連結部49,59で、互いに回動可能に連結されている。
【0023】
図6に示すように、上層トレイ41は、幹線系の光ケーブル21から導入された光ファイバ心線24の余長を収容する余長収容部42と、光ファイバ心線24とドロップケーブル22側の光ファイバ心線22aとを接続するコネクタ(接続部)Cを収容して固定する複数の接続固定部43とを有しており、余長収容部42は、その厚さ寸法が、接続固定部43の略半分とされている。
【0024】
余長収容部42には、上方へ突出した一対の心線ガイド44を有しており、余長収容部42では、心線ガイド44の周囲が光ファイバ心線24の収容路とされている。接続固定部43は、上層トレイ41の長手方向の両端側でそれぞれ幅方向に4つずつ配列されており、下層トレイ51との連結側と反対側である幅方向の他方側に並設されている。
【0025】
この上層トレイ41では、接続固定部43に収容され固定されたコネクタCから延びる光ファイバ心線24の余長部が、余長収容部42における長手方向の中央近傍まで略真直ぐに案内されて心線ガイド44同士の間を通され、心線ガイド44の周囲に沿って配されて心線導入口56へ至っている。
【0026】
このように、上層トレイ41では、コネクタCから延びる光ファイバ心線24の余長部が、余長収容部42における長手方向の中央近傍まで略真直ぐに案内されているので、光ファイバ心線24の許容曲げ半径以下の屈曲を防ぐことができ、屈曲による伝送損失をなくすことができる。
【0027】
図7に示すように、下層トレイ51は、光ファイバ心線24の余長を収容する余長収容部52と、光ファイバ心線24とドロップケーブル22側の光ファイバ心線22aとを接続するコネクタCを収容して固定する複数の接続固定部53とを有しており、余長収容部52は、その厚さ寸法が、接続固定部53の略半分とされている。
【0028】
余長収容部52には、上方へ突出した4つの心線ガイド54を有しており、余長収容部52では、心線ガイド54の周囲が光ファイバ心線24の収容路とされている。接続固定部53は、下層トレイ51の長手方向の両端側でそれぞれ幅方向に4つずつ配列されており、上層トレイ41との連結側である幅方向の一方側に並設されている。
【0029】
この下層トレイ51では、接続固定部53に収容され固定されたコネクタCから延びる光ファイバ心線24の余長部が、心線ガイド54同士の間を通されて余長収容部52における長手方向の中央近傍まで略真直ぐに案内され、さらに、心線ガイド54同士の間を通され、心線ガイド54の周囲に沿って配されて心線導入口56へ至っている。
【0030】
このように、下層トレイ51の場合も、コネクタCから延びる光ファイバ心線24の余長部が、余長収容部52における長手方向の中央近傍まで略真直ぐに案内されているので、光ファイバ心線24の許容曲げ半径以下の屈曲を防ぐことができ、屈曲による伝送損失をなくすことができる。
また、下層トレイ51では、上層トレイ41の心線ガイド44とは異なる形態で心線ガイド54を4つにしたことにより、コネクタCから延びる光ファイバ心線24を許容曲げ半径以下に曲げずに無理なく余長収容部52に配線できる。また、上層トレイ41と重ね合わされた際の光ファイバ心線24の挟み込みを防止することができる。
【0031】
そして、上記構造の上層トレイ41と下層トレイ51とを有する成端トレイ33では、上層トレイ41と下層トレイ51を重ね合わせると、上層トレイ41及び下層トレイ51のそれぞれの接続固定部43,53が、共通する平面上に並列されて配置される。また、この状態で、上層トレイ41及び下層トレイ51の余長収容部42,52が重ね合わされ、その厚さ寸法が、接続固定部43,53の厚さ寸法と略同一となる。つまり、成端トレイ33は、上層トレイ41と下層トレイ51とを重ね合わせた状態で、その全体の厚さ寸法が接続固定部43,53の厚さ寸法となる。
【0032】
また、上記成端トレイ33では、下層トレイ51に対して上層トレイ41を上方へ回動させることにより、下層トレイ51の上面側を広く開放させることができ、下層トレイ51での配線作業を円滑に行うことができる。また、このとき、上層トレイ41の接続固定部43がクロージャ11の開口側に配置されているので、作業者は、この上層トレイ41の接続固定部43を把持して持ち上げて、下層トレイ51の上面側を容易に開放させることができる。
【0033】
成端トレイ33のトレイ支持部38との連結箇所の反対側には、上層トレイ41に形成された係合部48と下層トレイ51に形成された係合爪58とが設けられている。そして、係合爪58に係合部48を係合させることにより、上層トレイ41と下層トレイ51とが係合され、上層トレイ41と下層トレイ51とが積層された状態に維持される。
【0034】
また、下層トレイ51の長手方向の両側には、心線導入口56が形成されており、この心線導入口56から、光ケーブル21の光ファイバ心線24が導入される。導入された光ファイバ心線24は、上層トレイ41及び下層トレイ51のそれぞれの余長収容部42,52へ導かれている。
この心線導入口56は、上層トレイ41と下層トレイ51との連結側である幅方向の一方側で、互いの回動中心軸(連結部49,59の回動軸)近傍に設けられている。これにより、上層トレイ41と下層トレイ51とを相対的に回動させたとしても、心線導入口56からそれぞれの余長収容部42,52までの距離が変わらず、心線導入口56から上層トレイ41及び下層トレイ51のそれぞれの余長収容部42,52へ導かれた光ファイバ心線24を引っ張ったり弛ませたりすることが極力抑えられる。
【0035】
また、図3及び図4に示すように、成端トレイ33を構成する上層トレイ41及び下層トレイ51には、余長収容部42,52の上部を覆うように、それぞれ心線保留シート61が設けられている。
心線保留シート61は、薄いプラスチックシートにより形成されており、上層トレイ41及び下層トレイ51に対して、上層トレイ41と下層トレイ51との連結箇所側における一対の鍵爪状の支持部62によって回動可能に支持されている。
心線保留シート61には、光ファイバ心線24を保持可能な複数の係止部63が形成されており、初期配線時には接続に用いない光ファイバ心線24を巻き回しながら係止部63へ順番に係止させることにより、接続に用いない光ファイバ心線24を保持しておくことができる。
【0036】
図8に示すように、上層トレイ41及び下層トレイ51には、支持部62の間に、壁面とリブによって形成されたシート係止部64が設けられている。このシート係止部64は、支持部62による心線保留シート61の回動軸に対してずらされた異なる位置に形成されており、このシート係止部64は、上層トレイ41及び下層トレイ51の上面を開放する方向へ心線保留シート61を回動させた状態で、心線保留シート61の一端を変形させて係止可能とされている。心線保留シート61をシート係止部64へ係止させると、心線保留シート61が支持箇所で湾曲されるとともに湾曲方向と直交する方向に真直化する。これにより心線保留シート61を上層トレイ41または下層トレイ51に対して安定して自立させることができ、上層トレイ41または下層トレイ51の余長収容部42,52を開放状態に維持させることができる。
【0037】
また、図3及び図4に示すように、上層トレイ41の余長収容部42の上部には、蓋板65が設けられ、この蓋板65によって上層トレイ41の余長収容部42が保護されている。この蓋板65は、心線保留シート61と同様に一対の鍵爪状の支持部62で回動可能に支持されており、この蓋板65を回動させることにより、上層トレイ41の余長収容部42が開閉されるようになっている。
【0038】
本実施形態に係る光配線用トレイである成端トレイ33によれば、厚さ寸法が決まっているコネクタCを収納して固定する接続固定部43,53を、上層トレイ41と下層トレイ51とを重ねた状態で共通する平面上に並列させて配置させることにより、厚さの増加を抑えつつ余長収容部42,52を二層構造とすることができる。これにより、余長収容部42.52内での光ファイバ心線24の収容本数を多くすることにより、光ファイバ心線24同士の絡まりや判別の困難化を引き起こすようなこと無く、クロージャ11内の限られたスペースで多数の光ファイバ心線24を配線することができる。
そして、上記の成端トレイ33を備えたクロージャ11によれば、FTTHの促進により光ファイバを引き込む要求が増えたとしても、その要求に対して容易に光ファイバ心線24の配線本数を増やして対応することができる。
【符号の説明】
【0039】
11:クロージャ、21:光ケーブル、22:光ドロップケーブル、24:光ファイバ心線、33:成端トレイ(光配線用トレイ)、41:上層トレイ、42,52:余長収容部、43,53:接続固定部、44,54:心線ガイド、51:下層トレイ、61:心線保留シート、63:係止部、64:シート係止部、C:コネクタ(接続部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幹線系光ケーブルと光ドロップケーブルの光ファイバ心線同士が接続された接続部を収容する光ケーブル接続用クロージャに用いられる光配線用トレイであって、
厚さ方向の二層に分けられた上層トレイと下層トレイを有し、
前記上層トレイと前記下層トレイが、当該トレイの幅方向の一方側で回動可能に連結され、
前記光ファイバ心線の余長を収容する余長収容部と、前記光ファイバ心線同士が接続された接続部を固定する接続固定部とが、前記上層トレイ及び前記下層トレイにそれぞれ設けられ、
前記余長収容部を覆う位置に、当該光配線用トレイに導入された光ファイバ心線を保持可能な係止部を有する一平面形状の心線保留シートが回動可能に取り付けられ、
前記心線保留シートを回動させて前記余長収容部から持ち上げたときに、回動軸とは異なる位置に前記心線保留シートの一端を係止して自立させるシート係止部を有することを特徴とする光配線用トレイ。
【請求項2】
請求項1に記載の光配線用トレイであって、
前記心線保留シートは、プラスチックシートにより形成されていることを特徴とする光配線用トレイ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光配線用トレイであって、
前記心線保留シートは、前記上層トレイと前記下層トレイとの連結箇所側における一対の鍵爪状の支持部によって回動可能に支持されていることを特徴とする光配線用トレイ。
【請求項4】
請求項3に記載の光配線用トレイであって、
前記シート係止部は、前記余長収容部の上面を開放する方向へ前記心線保留シートを回動させた状態で、前記心線保留シートの一端を変形させて係止可能であり、前記心線保留シートが前記シート係止部へ係止されると、前記心線保留シートが前記支持部と前記シート係止部とにより湾曲されるとともに湾曲方向と直交する方向に真直化することを特徴とする光配線用トレイ。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の光配線用トレイであって、
前記上層トレイ及び前記下層トレイのそれぞれにおいて、前記幹線系光ケーブルから前記余長収容部への光ファイバ心線の入口が、共に前記上層トレイと前記下層トレイの回動中心軸近傍に設けられていることを特徴とする光配線用トレイ。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の光配線用トレイが複数段に積層されて収容されていることを特徴とするクロージャ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−8602(P2012−8602A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207696(P2011−207696)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【分割の表示】特願2009−223305(P2009−223305)の分割
【原出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000231936)日本通信電材株式会社 (98)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(595083051)株式会社ジャパンリーコム (40)
【Fターム(参考)】