説明

免疫学的検査具

【課題】操作者による被検液の正確な計量が不要でありながら定量性を確保するとともに、被検液を採取後迅速に検査する。
【解決手段】所定量の被検液を吸収可能であり、被検液に含まれる被検物質と特異的に結合する抗体が固相化された検査領域2bを有する吸収片2と、所定量より大きい容積を有し、その底部において吸収片2の一端部と連通し、上部が開放された被検液滴下部3aとを備え、該被検液滴下部3aは、底部側に区画される空間の体積が所定量となる深さ位置に下限目印4が設けられている免疫学的検査具1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫学的検査具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インフルエンザや妊娠、アレルギー等の検査において、免疫クロマトグラフィ法やラテラルフロー法、フロースルー法に基づく検査具が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−185920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被検液中の被検物質の濃度などの定量的な検査を検査具によって行うためには、検査具に供する被検液を正確に計量する必要がある。特許文献1では、一定の吸収量を有する吸収性材料によって被検液を採取し、吸収性材料を検査具に組み込むことにより、検査に一定量の被検液が供されるようにしており、これにより操作者による被検液の計量の手間を省いている。しかしながら、吸収性材料に被検液が十分に採取されたことを確認する手段が備えられていない。すなわち、吸収性材料に採取された被検液の量が不足していても、そのことに操作者が気付かず被検液を検査に供してしまうこととなり、検査の定量性を確保することができないという問題がある。
【0005】
また、酵素を豊富に含む膵液や十二指腸液等の消化液に含まれるタンパク質を検査対象とする場合、時間の経過とともにタンパク質が分解されて検査精度が低下するため、採取後迅速に検査されることが要求される。しかしながら、特許文献1の場合、体内から内視鏡的に採取した消化液を別の容器等に移し、吸収性材料に吸収させてから検査具に供さなければならず、採取した被検液を迅速に検査に供することが難しいという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、操作者による被検液の正確な計量が不要でありながら定量性を確保することができるとともに、被検液を採取後迅速に検査することができる免疫学的検査具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、所定量の被検液を吸収可能であり、前記被検液に含まれる被検物質と特異的に結合する抗体が固相化された検査領域を有する吸収片と、前記所定量より大きい容積を有し、その底部において前記吸収片の一端部と連通し、上部が開放された被検液滴下部とを備え、該被検液滴下部は、前記底部側に区画される空間の体積が前記所定量となる深さ位置に下限目印が設けられている免疫学的検査具を提供する。
【0008】
本発明によれば、被検液滴下部に収容された被検液は被検液滴下部の底部から吸収片に吸収された後、吸収片を一端部から他端部に向かって移動し、移動の間に被検液に含まれる被検物質は検査領域の抗体と結合することにより検査領域に捕捉される。したがって、操作者は、被検液滴下部に被検液を滴下した後に検査領域を確認することにより、被検液中の被検物質の有無を検査することができる。
【0009】
この場合に、操作者が、被検液の液面が下限目印と同じまたは下限目印よりも高い位置に配されるように被検液を被検液滴下部に滴下するだけで、吸収片は確実に所定量の被検液を吸収することとなる。これにより、操作者による被検液の正確な計量を不要にしながら、検査の定量性を確保することができる。また、体内から採取した被検液をそのまま被検液滴下部に移動させればよいので、被検液を採取後迅速に検査することができる。
【0010】
上記発明においては、前記吸収片が、前記一端部との間に前記検査領域を挟む他端部に、前記被検液により呈色する確認領域を有することとしてもよい。
このようにすることで、被検液が吸収片を一端部から他端部まで移動したこと、つまり、吸収片に所定量の被検液が吸収されたことを確認領域の呈色によって確認することができる。
【0011】
また、上記発明においては、前記吸収片の外面を覆う被覆部材を備えることとしてもよい。
このようにすることで、吸収片に吸収された被検液の蒸発を被覆部材によって防止し、吸収片によって吸収される被検液の量をより正確に所定量とし、検査の定量性をより向上することができる。
【0012】
また、上記発明においては、前記被検液滴下部の前記上部を閉塞可能な閉塞部材を備えることとしてもよい。
このようにすることで、被検液滴下部に被検液を滴下した後に被検液滴下部の上部を閉塞部材によって塞ぐことにより、被検液の漏出を防ぐことができる。
【0013】
また、上記発明においては、前記被検液滴下部が、前記底部から前記上部に向かって漸次内径が大きくなるテーパ状の内面を有することとしてもよい。
このようにすることで、被検液滴下部の容積が小さい場合であっても上部の開口を十分に大きくし、操作者による被検液の滴下の操作を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、操作者による被検液の正確な計量が不要でありながら定量性を確保することができるとともに、被検液を採取後迅速に検査することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る免疫学的検査具の全体構成を示す(a)平面図および(b)I−I断面図である。
【図2】図1の被検液滴下窓の形状の一例を示す図である。
【図3】本発明の免疫学的検査具および市販のELISAキットを使用して膵液中のCA19−9濃度を測定した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の一実施形態に係る免疫学的検査具1について図1および図2を参照して説明する。
本実施形態に係る免疫学的検査具1は、図1に示されるように、被検液が展開される短冊状の吸収片2と、該吸収片2を外装するカバー(被覆部材)3とを備え、該カバー3には厚さ方向に貫通形成された被検液滴下窓(被検液滴下部)3a、判定窓3bおよび確認窓3cが設けられている。
【0017】
吸収片2は、多数の細孔が形成され毛細管現象によって被検液を吸収可能な多孔性材料、例えば、セルロースなどの不織布や織布、繊維マトリクス、多孔質膜などからなる。吸収片2は、細孔の総容積によって決まる所定量(以下、吸収量という。)の被検液を吸収可能である。吸収片2毎の被検液の吸収量を一定とするため、多孔性材料は略均一な孔径および密度で細孔が形成されていることが好ましい。吸収片2毎の吸収量のばらつきは、CV値(変動係数)にして10%以下であることが望ましい。
【0018】
吸収片2は、長手方向に間隔を空けて短軸方向にライン状に設けられた標識領域2aと検査領域2bと確認領域2cとを有している。標識領域2aは、被検液に含まれる被検物質を抗原とし金コロイド等の色素で標識された1次抗体を移動可能に保持している。該1次抗体は、被検物質の量に対して十分な量が保持されている。検査領域2bは、被検物質を抗原とし1次抗体とは異なるエピトープを認識する2次抗体が固相化されている。確認領域2cは、1次抗体を抗原とするコントロール抗体が固相化されている。
【0019】
カバー3は、3つの窓3a,3b,3cに相当する部分を除き吸収片2の外面全体を被覆し、吸収片2に吸収された被検液の蒸発および漏出を防止している。吸収片2に吸収された被検液の蒸発をさらに防止するために、カバー3内において吸収片2が図示しない透明のフィルム等によって被覆されていてもよい。このように被検液の蒸発を防ぐことにより、蒸発によって吸収量以上の被検液が吸収片2に吸収されることを防止し、検査に供される被検液の量をより正確に吸収量と一致させることができる。
【0020】
被検液滴下窓3aは吸収片2の一端部に対応する位置に設けられ、判定窓3bおよび確認窓3cは検査領域2bおよび確認領域2cに対応する位置にそれぞれ設けられている。
被検液滴下窓3aは、開口した底部が吸収片2の一端部の上面に一致して配置されることにより内部が吸収片2の一端部と連通し、被検液滴下窓3a内に滴下された被検体が吸収片2に一端部から吸収されるようになっている。被検液滴下窓3aの内面は、開放された上部に向かって漸次内径が大きくなるテーパ状に形成されている。これにより、被検液滴下窓3aの容積が小さい場合であっても上部の開口の大きさを十分に確保し、操作者がより容易に被検液滴下窓3a内に被検液を滴下できるようになっている。
【0021】
被検液滴下窓3aの内面には、下限ライン(下限目印)4が付されている。下限ライン4は、該下限ライン4によって底部側に区画される空間の体積が吸収片2の吸収量と一致する深さ位置に設けられている。
図2は、四角錐台形状の被検液滴下窓3aの一例を示している。例えば、被検液滴下窓3aの容積が500μL、吸収片2の吸収量が200μLである場合、a=0.8,b=1.2、c=1、d=0.6、e=0.9(cm)となり、下限ライン4は底部から0.6cmの深さ位置に設けられる。
【0022】
被検液滴下窓3aの上部近傍には、ゴムや樹脂、プラスチック等からなり被検液滴下窓3aの上部を閉塞可能な蓋体(閉塞部材)5が設けられている。操作者は、蓋体5によって被検液滴下窓3aの上部を塞ぐことにより、被検液滴下窓3a内に貯留する被検液の漏出を防ぐことができる。
【0023】
次に、このように構成された免疫学的検査具1の作用について説明する。
本実施形態に係る免疫学的検査具1を使用して被検液中の被検物質の有無を検査するためには、まず、体内からシリンジ等の容器内に採取した被検液を被検液滴下窓3aに滴下する。このときに、操作者は、図2に示されるように、被検液滴下窓3a内に貯留する被検液の液面Aが下限ライン4よりも高くなるまで被検液を滴下する。
【0024】
被検液滴下窓3a内に貯留した被検液は下層側から吸収片2に吸収され、吸収片2を一端部から他端部に向かって移動する。被検液に被検物質が含まれている場合、被検物質は標識領域2aにおいて1次抗体と複合体を形成する。該複合体は吸収片2をさらに移動し、検査領域2bにおいて1次抗体と2次抗体とが複合体を形成することにより検査領域2bに捕捉される。これにより、検査領域2bには色素が蓄積されて色素の色のライン(以下、判定ラインという。)が出現する。判定ラインの色の濃さは、捕捉された被検物質の量に比例する。
【0025】
一方、被検物質と複合体を形成しなかった1次抗体は、被検液とともに吸収片2を移動した後に確認領域2cにおいてコントロール抗体と複合体を形成し、確認領域2cに捕捉される。これにより、吸収片2の他端部まで十分な量の被検液が移動したときに、すなわち、吸収量と一致する量の被検液が吸収片2に吸収されたときに、確認領域2cに色素の色のライン(以下、コントロールラインという。)が出現する。
【0026】
操作者は、確認窓3c内にコントロールラインが出現するのを待ってから、判定窓3b内の判定ラインの出現の有無を確認し、判定ラインが出現した場合に検査に陽性であると診断する。また、陽性であった場合には、判定ラインの色の濃さから陽性の度合いを診断する。
【0027】
この場合に、本実施形態によれば、操作者が下限ライン4で示される量よりも多い被検液を被検液滴下窓3a内に滴下することにより、吸収片2の吸収量よりも多い被検液が被検液滴下窓3a内に収容される。吸収量を超えた分の被検液は、吸収片2に吸収されることなく被検液滴下窓3a内に残る。すなわち、操作者が被検液を精密に計量しなくても所定の吸収量の被検液が過不足なく検査に供されることとなり、簡便な操作のみで検査の定量性を確保することができるという利点がある。また、体内から容器内に採取した被検液をそのまま被検液滴下窓3a内に移動させればよいので、被検液を採取後迅速に検査することができるという利点がある。
【実施例】
【0028】
次に、上述した実施形態の実施例について、図3を参照して以下に説明する。
〔実施例1〕
本発明に係る免疫学的検査具の定量性能を、膵液に含まれる癌胎児性抗原(CEA)の検査によって評価した。
【0029】
本発明の実施例1に係る免疫学的検査具の被検液滴下窓は、図2に示される四角錐台形状においてa=0.8,b=1.2、c=1、d=0.6、e=0.9(cm)とし、容積500μLとした。下限ラインは、底部から0.6cmの深さ位置に設けた。吸収片は、吸収量が200μLのニトロセルロース製を使用した。吸収片の側面を液体不透過性のフィルムで被覆することにより、吸収片に吸収された被検液の蒸発を防止した。
【0030】
1次抗体として金コロイド標識ポリクローナル抗CEA抗体(ウサギ)を使用し、2次抗体としてモノクローナル抗CEA抗体(マウス)、コントロールライン層用の抗体として抗ウサギIgG抗体を用いた。被検液を滴下した後、被検液滴下窓をゴム製の栓によって密閉した。
【0031】
被検液としては、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)によって採取した膵液を、0.5%BSAを添加したPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で10倍に希釈したものを使用した。被検液を、被検液滴下窓内に液面が下限ラインを超えるまで滴下し、確認窓内のコントロールラインの出現を確認してから、判定ラインの色の濃さをイムノクロマトリーダ(浜松ホトニクス社製)によって測定することによりCEA濃度を測定した。被検液の滴下から判定ラインの出現までの所要時間は、10分程度であった。
【0032】
本発明に係る免疫学的検査具の比較例として、同一の被検液を市販の免疫検査具であるラナマンモカードCEA(登録商標、日本化薬株式会社)によって検査した。具体的には、スポイドを使用して被検液を5滴クロマトパッドに滴下し、15分後に判定ラインの色の濃さをイムノクロマトリーダによって測定することによりCEA濃度を測定した。
なお、CEAの濃度が既知の被検液を各免疫検査具によって検査し、判定ラインの色の濃さをイムノクロマトリーダ測定することによって予め検量線を作成しておき、該検量線に基づいてCEA濃度を算出した。
【0033】
同一の被検液の検査を本発明および市販の免疫検査具によって5回行った。その検査結果を表1に示す。
表1において、市販の免疫学的検査具に比べて、本発明の免疫学的検査具は測定されたCEA濃度のSD(標準偏差)およびCV値が有意に小さかった。すなわち、本発明の免疫学的検査具は、略一定の量の被検液が検査に供されており、定量性に優れていることが確認された。
【0034】
【表1】

【0035】
〔実施例2〕
次に、本発明に係る免疫学的検査具および市販のELISAキットによって同一の被検液を検査し、両者の検査結果を比較することにより、本発明の免疫学的検査具の検査感度を評価した。被検液としては、ERCPによって採取した膵液の原液、および、膵液を0.5%BSAを添加したPBSで10倍、100倍、500倍に希釈したものを使用し、膵液中に含まれるCA19−9の濃度を測定した。CA19−9は、膵臓腫瘍のマーカとして知られるタンパク質である。
【0036】
本発明の実施例2に係る免疫学的検査具は、実施例1の免疫学的検査具において、1次抗体を金コロイド標識ポリクローナル抗CA19−9抗体(ウサギ)に、2次抗体をモノクローナル抗CA19−9抗体(マウス)に代えたものを使用した。実施例1と同様の方法で、4種類の被検液を本実施例の免疫学的検査具に供し、判定ラインの色の濃さからイムノクロマトリーダによってCA19−9濃度を測定した。
【0037】
ELISAキットとしては、DRG CA 19−9 Enzyme Immunoassay Kit(DRG Instruments GmbH社製)を使用した。以下の1〜6の手順にしたがって被検液中のCA19―9濃度を測定した。
【0038】
1.10μLの被検液をマイクロタイターウェル(以下、ウェルという。)に滴下する。
2.100μLのEnzyme Conjugateをウェル内に添加し、十分混合した後、室温で30分間反応させる。
3.ウェルから溶液を除去した後、ウェルを400μLのWash Solutionで3回洗浄する。
4.100μLのSubstrate Solutionをウェルに添加した後、室温で30分間反応させる。
5.100μLのStop Solutionをウェルに添加し、酵素反応を停止させる。
6.Stop Solutionの添加後10分以内に波長450nmのOD(光学濃度)を測定することにより、CA19−9の濃度を測定する。
【0039】
本実施例の免疫学的検査具および市販のELISAキットによるCA19−9濃度の測定結果を図3に示す。図3において、本実施例の免疫学的検査具による濃度はpg/mLの単位で示し、ELISAキットによる濃度はU/mLで示す。両者の測定結果を比較すると、膵液の希釈倍率に応じたCA19−9濃度の増減の傾向が非常によく相関している。この実験から、本発明に係る免疫学的検査具は、ELISA法による検査に比べて所要時間が短く操作が簡便でありながら、ELISA法と同等の感度で被検物質を検査できることが確認された。
【符号の説明】
【0040】
1 免疫学的検査具
2 吸収片
2a 標識領域
2b 検査領域
2c 確認領域
3 カバー(被覆部材)
3a 被検液滴下窓(被検液滴下部)
3b 判定窓
3c 確認窓
4 下限ライン(下限目印)
5 蓋体(閉塞部材)
A 被検液の液面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定量の被検液を吸収可能であり、前記被検液に含まれる被検物質と特異的に結合する抗体が固相化された検査領域を有する吸収片と、
前記所定量より大きい容積を有し、その底部において前記吸収片の一端部と連通し、上部が開放された被検液滴下部とを備え、
該被検液滴下部は、前記底部側に区画される空間の体積が前記所定量となる深さ位置に下限目印が設けられている免疫学的検査具。
【請求項2】
前記吸収片が、前記一端部との間に前記検査領域を挟む他端部に、前記被検液により呈色する確認領域を有する請求項1に記載の免疫学的検査具。
【請求項3】
前記吸収片の外面を覆う被覆部材を備える請求項1または請求項2に記載の免疫学的検査具。
【請求項4】
前記被検液滴下部の前記上部を閉塞可能な閉塞部材を備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の免疫学的検査具。
【請求項5】
前記被検液滴下部が、前記底部から前記上部に向かって漸次内径が大きくなるテーパ状の内面を有する請求項1から請求項4のいずれかに記載の免疫学的検査具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−3009(P2013−3009A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135523(P2011−135523)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)