説明

入れられたガスからの臭気の除去のための装置

第1のセクション(10)と第2のセクション(11)とによって不快な臭気を除去するための装置である。第1のセクション中を、入れられたガスが移動され、また第1のセクションは、入れられたガス内の空気からオゾンを生成させることによって、入れられたガスを処理し、第2のセクションは、第1のセクションから出された空気流内の残ったオゾンを酸素に変換する。好ましくは、第1のセクション内でオゾンを生成するための手段は、第1の波長の紫外光であり、第2のセクション内でオゾンを生成するための手段は、異なる波長の紫外光である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入れられたガスからの不快な臭気の除去に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入れられたガスからの臭気の除去には、チャコールフィルターの使用が多くの場合に必要であり、これは、多くの環境において効果的な技術であるが、全ての環境における使用には適していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、フィルター、若しくは帯電プレートを使用することなく、入れられたガス流から不快な臭気を除去する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、第1のセクションと第2のセクションとによって不快な臭気を除去するための装置を提供している。第1のセクション中を、入れられた空気が移動され、また、第1のセクションは、入れられたガス中の空気からオゾンを生成させることによって、入れられたガスを処理し、第2のセクションは、第1のセクションから出された空気流内の残ったオゾンを酸素に変換する。
【0005】
好ましくは、紫外光が、前記第1のセクション内でオゾンを生成するために使用され、最初に述べられた紫外光と異なる波長の紫外光が、前記第2のセクション内でオゾンを酸素に変換するために使用される。
【0006】
好ましくは、第1のセクション内の紫外光は、185ナノメートルの波長であり、前記第2のセクション内の紫外光は、254ナノメートルの波長である。
【0007】
本発明がより容易に理解されるように、本発明の一実施形態が、添付図面を参照して以下に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1において、好ましい実施形態に従った装置が、2つのセクション10,11で構成されている。第1のセクション10において、臭気を含んだ空気が、入口12へと供給され、セクション10中に入れられ、この空気は、オゾンを生成させるのに適した所定の波長の紫外光によって照射される。この場合、185ナノメートルの波長の紫外光が適切であることは分かっている。この紫外光は、第1のセクション10内で互いに等間隔で平行に配置されている複数の紫外線ランプ15aによって与えられる。かくして、空気は、紫外線放射に対する同じ照射量を得る。
【0009】
オゾンの生成を向上させるために、前記入口12を通過した空気は、空気流を撹拌して乱すための手段にさらされる。これら撹拌は、空気を渦状に循環させる。さらに、触媒が、オゾンの生成を向上させるために前記セクション10内に与えられている。この実施形態において、触媒は、セクション10の中央に配置され、二酸化チタンでコーティングされている金属板16の形態である。
【0010】
前記セクション10内で、臭気を含んだ空気流内の酸素(O)の幾らかが、紫外線の作用によって1個の酸素原子に分解される。これら原子は、互いに結合して完全な酸素(0)分子となり、そしてオゾン(O)を生成する。かくして生成されたオゾンは、導入された空気流中の臭気化合物を、酸化によって分解する。
【0011】
前記セクション10内に存在し、部分的に処理された空気は、残ったオゾンが除去される前記第2のセクション11中に通される。この除去は、オゾンを1個の原子に変えて、これら1個の原子を完全な酸素分子に戻すために、セクション11を通る空気流を適切な波長の紫外光で照射することによって果たされる。本実施形態において、この除去は、254ナノメートルの波長の紫外光を使用することによって達成される。第1のセクション10内でのように、紫外光は、第1のセクション10と同様の構成で配置された複数の紫外線ランプ15bによって与えられる。セクション11内での処理は、Alanod(登録商標)として販売されているアルミ合金によって与えられ得るような高反射面が、セクションに内張りされることによって向上される。
【0012】
前記セクション11から出された空気は、無臭で、またオゾンを含んでおらず、このため、大気、若しくは制御された環境空間へと安全に排出されることができる。
【0013】
所望に応じて、前記セクション10に残っている空気は、セクション11中に入れられる前に、撹拌器18によって撹拌されることができる。さらに、固定若しくは移動可能であり得るバッフルが、セクションを通る空気の乱流を維持するために、セクション10又は11、若しくはこれら両方の中に設けられることができる。
【0014】
紫外光は、通常利用可能な紫外線ランプによって発生されることができ、これらランプは、人が紫外光に偶発的にさらされることを防止するように、保護装置を備えた1つ以上の気密/光シールドのケーシング内に収容されることができる。
【0015】
上述された臭気制御装置は、臭気化合物を空気から完全に除去する、紫外線を基礎としたシステムである。このユニットは、存在する空気を処理するプラント内に装着されるセクションとして、若しくは自身で空気を移動させる装置を自身が完備している独立ユニットとして設計されることができる。
【0016】
図2には、臭気除去装置が、臭気除去後に、浄化された排出空気から熱エネルギーを回収させ得るように、エネルギー回収システムの冷凍回路と組み合わされた本発明の変形例を示している。
【0017】
図2において、臭気除去装置1には、この臭気除去装置の排出部に装着された熱回収コイル17の形態のエバポレーターが設けられている。
【0018】
さらに、1対の空気フィルターユニット13が、入口12と第1のセクション10との間に配置されている。これらフィルターは、可洗のポリエステルフォーム若しくはグリースフィルターの形態であり得る。
【0019】
臭気除去システムからの排出空気は、冷却器によって機械的に冷却される。顕エネルギーと潜在エネルギー(sensible and latent energy)との両方が取り出され、これらエネルギーは、次に、空間を暖める空気システムである、回収システム2の一側部21中に集められる(deposited)。
【0020】
そして、所定の状態が果たされた場合、回収されたエネルギーは、次に、家庭用の熱湯を家屋に与えるような熱湯タンクである、回収システム2の第2の側部22中に集められることができる。
【0021】
この期間に、回収システムの両部材が、冷媒ガスの流れを調節することによってほぼ満たされたとき、空気と水との温度は、空気と水との両方が同時に加熱され得るように調節されることができる。
【0022】
上記組み合わされたシステムによって用いられるエネルギー回収プロセスは、図2に示されているエネルギー回収システムの複数の部材を参照することによって詳細に以下に説明される。
【0023】
排出空気の冷却効果と回収システム2内での加熱効果とを与えるために、蒸気圧縮が利用されている。
【0024】
コンプレッサー23の始動により、冷媒ガスの温度は、機械的な圧縮によって高められる。高温ガスは、熱エネルギーが取り出されるコンデンサー中に通されて、空気システム21若しくは水システム22中に通される。複数の制御バルブ24が、必要に応じて空気から水に自動的かつ優先的に変更されるように、コンプレッサー23と空気システム21並びに水システム22との間に配置されている。空気システム21並びに/若しくは水システム22を通過した後に、高圧で冷却された冷媒液が、膨張弁25を通り、これを介して流体圧力が下げられる。この低圧の流体は、排出空気から熱を吸収することによって蒸発される、臭気制御システムのエバポレーター17へと入れられる。加熱されたガスは、コンプレッサー23へと再び入れられ、この全サイクルは繰り返される。
【0025】
システム温度の制御ユニット(図示されず)が、臭気除去システムからの排出空気と回収された熱エネルギーシステムとの両方の状況を連続的にモニターする。このようにして、最も効果的なエネルギー回収が達成されることができる。
【0026】
以上に加えて、冷却の逆用のバルブ(refrigerant reversing valve)のシステムによって、機械的な冷却が、処理されるスペースに対して与えられることができる。前記エバポレーターはコンデンサーに代えられ、コンデンサーはエバポレーターに代えられる。
【0027】
このようにして、組み合わされたシステムは、臭気化合物を空気から除去可能にし、また、排出空気中に含まれる余剰エネルギーを回収させて、他の媒体、例えば、家屋、若しくは温水貯蔵タンクの働きをするベンチレーションシステムに移動させることを可能にしている。
【0028】
この処理は、特に、例えば、台所の排気システムに用いられる。回収エネルギーが、台所の温熱システム、若しくは家屋内のいずれのエリアに経済的な予熱を与えるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に従った装置の概略的な断面を示している。
【図2】図1に示された装置の変形例を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のセクション(10)と、
第2のセクション(11)とを具備しており、前記第1のセクション中を、入れられたガスが移動され、また、第1のセクションは、前記入れられたガス中の空気からオゾンを生成させることによって、前記入れられたガスを処理し、前記第2のセクションは、前記第1のセクションから出された空気流内の残ったオゾンを酸素に交換する、入れられたガスから不快な臭気を除去するための装置。
【請求項2】
第1の波長の紫外光が、前記第1のセクション内でオゾンを生成するために使用され、前記第1の波長と異なる波長の紫外光が、前記第2のセクション内でオゾンを酸素に交換するのに利用される請求項1の装置。
【請求項3】
前記第1のセクション内の紫外光は、185ナノメートルの波長であり、前記第2のセクション内の紫外光は、254ナノメートルの波長である請求項2の装置。
【請求項4】
前記紫外光は、チャンバの各セクション(10,11)内で互いに平行かつ等間隔で配置されている複数のランプ(15a,15b)によって与えられる請求項2又は3の装置。
【請求項5】
触媒が、オゾンの生成を促進させるために前記第1のセクション内に与えられている請求項1ないし4のいずれか1の装置。
【請求項6】
前記触媒は、前記第1のセクション内の中央に配置され、二酸化チタンでコーティングされた金属板(16)の形態である請求項5の装置。
【請求項7】
前記第2のセクションは、高反射面で内張りされている前記全ての請求項のいずれか1の装置。
【請求項8】
前記高反射面は、アルミ合金で形成されている請求項7の装置。
【請求項9】
装置内での空気流を維持するように配置された少なくとも1つのバッフルをさらに具備している請求項1ないし8のいずれか1の装置。
【請求項10】
排出空気から熱エネルギーを回収するために前記第2のセクション近くに装着された熱回収コイル(17)をさらに具備している前記全ての請求項1のいずれか1の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−503899(P2007−503899A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525178(P2006−525178)
【出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【国際出願番号】PCT/GB2004/003712
【国際公開番号】WO2005/021135
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(506071748)イーエックス・テクノロジー・リミテッド (2)
【Fターム(参考)】