説明

入浴介護装置

【課題】補助者の負担少なく入浴介護を行うことのできる入浴介護装置を提供する。
【解決手段】一対のスタンドフレームと、一対のスタンドフレームのあいだに配置され、一対のスタンドフレームの各々によって上下動可能に吊り下げられた床部を有するベッド本体と、床部の下側に配置され、床部が降下したときに床部が収容される浴槽と、を備える入浴介護装置。好ましくは、床部が降下したときに、床部の長手方向の一方端が、床部の中央部よりも高い位置となるように床部が変形するものとし、床部の下側面には、床部の変形を誘導するための複数の案内突起、浴槽には、案内突起に対偶するガイドレールを、それぞれ設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人を寝たままで入浴させることのできる入浴介護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
寝たきりの人は自らで寝返りを打てないことが多く、このために血液循環が阻害され、床擦れが起こる。床擦れ(褥瘡)は寝たきりの人の健康状態を著しく悪化させるため、これを放置することはできない。このため、介護者は、2時間に一度程度の体位交換をしてやる必要があるが、これとともに定期的に入浴するなどして身体を常に清潔に保っておくことが望まれる。
【0003】
しかし、寝たきりの人を入浴させることは、体位変換以上に重労働であり、女性などの非力な介護者が寝たきりの人を入浴させることは困難である。このため、自力で寝起き動作ができない寝たきりの人については、訪問入浴サービスなど外部専門家にときおり依頼して、入浴させているというのが現状である。
【0004】
寝たきり患者の寝返りを補助する機能を備えた介護ベッド技術としては、例えば特許文献1の技術がある。また、寝たきり患者がベッド上でシャワーできる技術としては、例えば特許文献2の技術がある。
【0005】
特許文献1は、ベッドを円形のスライダに沿って、円周方向に自動的に回転させることにより患者の寝返りを可能としている。
【0006】
しかし、この技術にかかるベッドは、部分円形状の架台保持部材の上にスライダ部材を介して回転架台を載せ、更にその上にネット担架を載置した構造であり、ベッド本体を傾斜させる機構が大仕掛けとなる。
【0007】
特許文献2の技術は、ベッド上でシャワーが可能なベッド装置に関し、使用者が横たわれる長さと幅の床部を有し、その前後両端に立ち上がり部を有するベッドの本体と、ベッド本体の左右に取り付けられ、床部の左右と立ち上がり部の左右を水密的に囲み、浴槽を形成するための左右の側板と、ベッド本体を支え、床部がほぼ水平となった無傾斜状態から使用者の体重が使用者自身の下肢に感じられる程度に起き上がった傾斜状態まで移動可能にする支持手段とを有するものである。
【0008】
この技術にかかるベッド装置は、ベッド上でシャワーが可能であり、湯水を溜めて入浴させることも可能であるとされる。しかし、この技術にかかるベッド装置は、ベッド本体全体を台車に搭載された支持手段で下から持ち上げた構造であるので、大仕掛けな機構を必要とする。このため、ベッド装置が高価となり、また装置全体が大きくて複雑となるので、家庭で簡便に使用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−168554号公報
【特許文献2】特開2003―79694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、以上の課題を解決しようとするものであり、本発明の目的は、構造が簡単で、簡単に操作することができ、しかも寝たきりの人を入浴させるための介護労力が大幅に軽減する入浴介護装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための第1発明は、一対のスタンドフレームと、前記一対のスタンドフレームの間に配置され、前記一対のスタンドフレームの各々によって上下動可能に吊り下げられたベッド床部を有するベッド本体と、前記ベッド床部の下側に配置され、前記ベッド床部が降下したときに前記ベッド床部が収容される浴槽と、を備える入浴介護装置である。
【0012】
ベッド床部を有するベッド本体を一対のスタンドフレームで吊り下げる方式を採用することにより、ベッド床部を上下動させて、寝たきりの人をベッド床部ごと湯水に浸けることができる。よって、介護者または介助者に過大な負担を掛けることなくして、寝たきりの人の入浴を実現することができる。
【0013】
第2発明は、上記第1発明の入浴介護装置において、前記ベッド床部が降下したときに、前記ベッド床部の長手方向の一方端(すなわち短辺)が、前記ベッド床部の中央部よりも高い位置となるように前記ベッド床部が変形する構成とすることができる。
【0014】
この構成の入浴介護装置では、より高い位置となる一方端側に、人の頭が向くように人体を配置する。これにより、ベッド本体を降下させてベッド床部を浴槽に浸けたとき、首から上をお湯から出した状態で、身体全体が十分にお湯に浸かった状態とすることができる。つまり、上記構成であると、入浴中の溺れ事故を防止でき、かつ寝たままの人の身体全体を十分にお湯に浸けることができるので、入浴によるリフレッシュ効果およびリラックス効果が高まる。
【0015】
第3発明は、上記第1又は第2発明の入浴介護装置において、前記浴槽の内がわ底部には、前記ベッド床部が降下したときに、前記ベッド床部を屈曲させ且つ下方から前記ベッド床部を支持する屈曲支持面が設けられていることを特徴とする。
【0016】
この構成であると、ベッド床部が下降したときに、屈曲支持面によってベッド床部を屈曲させることができ、且つ変形したベッド床部は常に下方の屈曲支持面で支持された状態となる。つまり、屈曲支持面は、入浴に適した人体姿勢が保てるようにベッド床部の形状を屈曲させることができるとともに、ベッド床部重量と人体重量が加わった屈曲後のベッド床部が下方から確実に支持される。よって屈曲後のベッド床部の形状安定性が高まる。
【0017】
第4発明は、上記第1乃至第3の何れかの発明にかかる入浴介護装置において、前記ベッド床部の下がわ面には、前記ベッド床部の屈曲を誘導するための複数の案内突起が設けられ、前記浴槽には、前記案内突起に対偶するガイドレールが設けられていることを特徴とする。
【0018】
この構成であると、ベッド床部が下降したときに、ベッド床部に設けられた案内突起がガイドレールに対偶しガイドレールに沿ってベッド床部を案内する。このガイドレールは例えば上記第3発明においては、屈曲支持面に設けられることになる。また、この構成においては、浴槽の内がわ面が平坦であっても、案内突起のベッド床部からの脚の長さを変えることにより、上記屈曲支持面を設けたと同様な効果を得ることができる。
【0019】
すなわち、ベッド床部を下方に屈曲させる部分に脚の短い案内突起を設け、上方に屈曲させる部分に脚の長い案内突起を設けることにより、平坦な浴槽底面上立脚した長さの異なる案内突起により、上下に波打ったベッド床部形状を形成することができる。この方式においては、例えば案内突起が浴槽底面またはガイドレールに接したときに、ベッド床部全体を平坦に保っている部材(平坦保持具)の機能が解除されるようにしておけば、ベッド床部の下降により自動的にベッド床部形状が所定の形状に調整されることになる。なお、ベッド床部形状の屈曲動作が穏やかに進行するように、例えばベッド床部の屈曲部分などの適当な部分にバネ、ゴム、油圧シリンダ、その他、機械的衝撃を緩和する緩衝装置を配置しておくのがよい。
【0020】
第5発明は、上記第4発明にかかる入浴介護装置において、前記ベッド床部の幅方向に、柱状ユニットマットが複数配列されていることを特徴とする。
【0021】
ベッドマット部材として、柱状ユニットマットを用いると、柱状ユニットマットの相互間に水を通過させる隙間を形成することができる。よって、ベッド床部をお湯に浸けるとき、又はベッド床部をお湯から上げるときにおける水抜き及び水切りが容易である。また、複数配列された柱状ユニットマットは、ランダムな圧縮反発力を与えるので、寝たきりの人の褥瘡を予防する効果がある。例えば断面形状を、円形、扁平形や、三角形、四角形、6角形などの多角形状とするなどし、異なった形状及び/又は異なった直径の柱状ユニットマットを組み合わせて用いることにより褥瘡予防効果を一層高めることができる。
【0022】
第6発明は、上記第5発明にかかる入浴介護装置において、前記ベッド床部が、前記ベッド本体により幅方向に多段階又は無段階に傾斜可能に保持されていることを特徴とする。
【0023】
この構成では、ベッド床部をベッド幅方向(寝ている人の左右方向)に傾斜させることができるので、患者の体位変えの介助が容易となる。また本発明にかかる入浴介護装置のベッド床部に寝ている人を他のベッドに移し替えるときには、本件ベッド床部を他のベッド側に傾ければよく、これにより寝たままの人を容易に他のベッドに移動させることができる。なお、他のベッドに寝ている人を本件ベッド床部に移動させる場合には、本件ベッド床部を他のベッドよりも僅かに低くなるように下げればよい。
【0024】
更にまた、本件入浴介護装置は、ベッドそのものとしても利用できるが、本件入浴介護装置のベッド床部をベッドとして利用する場合には、ベッド床部を定期的に左右に傾けるという使い方ができる。これにより、体位の変換を促すことができ、褥瘡を予防する効果が得られる。
【0025】
第7発明は、上記第6発明にかかる入浴介護装置において、前記入浴介護装置が、前記ベッド床部の幅方向の傾斜角度を制御する傾斜制御部材をさらに備える構成とすることができる。
【0026】
この構成においては、上記傾斜制御部材に、幅方向の傾斜角度を制御する機能に加えて、それ自身に幅方向への傾斜を駆動する駆動装置としての機能を持たせてもよい。
【0027】
第8発明は、上記第1または第2発明にかかる入浴介護装置において、前記ベッド床部が、下方に屈曲することのできるベッド床第1屈曲部と、前記ベッド床第1屈曲部の隣に位置する屈曲部であって上方に屈曲することのできるベッド床第2屈曲部と、を備え、前記浴槽が、底側の前記ベッド床第1屈曲部に対応する位置に、下方に屈曲した浴槽第1屈曲部が設けられ、前記ベッド床第2屈曲部に対応する位置に、上方に屈曲した浴槽第2屈曲部が設けられている構成とすることができる。
【0028】
この構成では、ベッド床第1屈曲部から外方に広がる第一床面に背中が当接し、ベッド床第1屈曲部とベッド床第2屈曲部との間の第二床面に臀部が当接し、ベッド床第2屈曲部から外方に広がる第三床面に足を乗せた状態で人を配置するのが好ましい。この状態で人が配置された場合、背部が角度をもって立ち上がり、頭の位置が腰部などよりも高くなる。よって、頭のみをお湯の外に出し、頭以外の身体部分を全てお湯に浸けた状態とすることが可能となる。
【0029】
第9発明は、上記第8発明にかかる入浴介護装置において、前記浴槽第2屈曲部の頂点高さが前記浴槽第1屈曲部の頂点高さよりも高く設定されていることを特徴とする。
【0030】
この構成であると、前記浴槽第2屈曲部の頂点高さが前記浴槽第1屈曲部の頂点高さよりも高く設定されているので、ベッド床第2屈曲部の頂点高さがベッド床第1屈曲部の頂点高さよりも高くなる。つまり、第二床面が前方に向かって高くなる。よって、臀部が前方にすべり出て、頭の位置が低くなって頭がお湯に浸かってしまう(溺れる)事故が防止できる。
【0031】
第10発明は、上記第8または9発明にかかる入浴介護装置において、前記ベッド床部の下がわ面には、前記ベッド床部の屈曲を誘導するための複数の案内突起が設けられており、前記複数の案内突起の何れかが、ベッド床第1屈曲部から外方に広がる第一床面に接触したとき、前記ベッド床第1屈曲部が上方に屈曲可能になり、前記複数の案内突起の何れかが、前記浴槽第2屈曲部近傍に接触したときに、前記ベッド床第2屈曲部が下方に屈曲可能になる構造であることを特徴とする。
【0032】
この構成では、案内突起がベッド床部の屈曲を可能にするトリガーとして機能するとともに、ガイドレールに対偶してベッド床部を浴槽内に位置づけする役割に担う。よって、ベッド床部を下降させたとき、自動的にベッド床部が浴槽上面の形状に近似した屈曲形状に誘導変形させられ、浴槽上面で下方から支持された状態になる。
【0033】
また、第11発明は、上記第10発明にかかる入浴介護装置において、前記浴槽の内がわ底面に、前記案内突起に対偶するガイドレールが設けられていることを特徴とする。
【0034】
浴槽の内がわ底面に、案内突起に対偶するガイドレールが設けられている構造であると、自動的かつスムーズにベッド床部が浴槽上面の形状に近似した屈曲形状に誘導変形される。
【0035】
また、第12発明は、上記第8ないし第11の何れかの発明にかかる入浴介護装置において、前記ベッド床部の幅方向に、柱状ユニットマットが複数配列された構成である。
【0036】
なお、本発明にかかる入浴介護装置の主な対象者は、健常人用の風呂に自力で入浴することが困難な人であり、本明細書の「寝たきりの人」は、足が不自由な人、高齢者、病人などを含む広い意味で使用されている。
【発明の効果】
【0037】
本発明によると、寝たきりの人の入浴に伴う介護者負担を顕著に低減することのできる入浴介護装置を簡素でコンパクトな構造でもって実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施の形態1にかかる入浴介護装置の浴槽部分以外の構造を示す斜視図である。
【図2】図2(a)は実施の形態1にかかる入浴介護装置のベッド床部に柱状マットユニットを敷いた状態を示す平面概念図であり、図2(b)は図2(a)の断面図である。
【図3】実施の形態1にかかる入浴介護装置の浴槽部分を示す斜視図である。
【図4】実施の形態1にかかる入浴介護装置の使用形態を説明する模式図であって、図4(a)は動作説明図、図4(b)は人が使用している状態を示す図である。
【図5】実施の形態2にかかる入浴介護装置の浴槽部分を示す斜視図である。
【図6】実施の形態2にかかる入浴介護装置の使用形態を説明する模式図である。
【図7】実施の形態3にかかる入浴介護装置の浴槽部分以外の構造を示す斜視図である。
【図8】実施の形態4にかかる入浴介護装置の浴槽部分以外の構造を示す図であって、ヘッドフレーム本体側の拡大斜視図である。
【図9】実施の形態5にかかる入浴介護装置の浴槽部分以外の構造を示す図であって、ヘッドフレーム本体側の拡大斜視図である。
【図10】実施の形態6にかかる入浴介護装置の浴槽部分以外の構造を示す図であって、ヘッドフレーム本体側の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0040】
〔実施の形態1〕
本発明の実施例1にかかる入浴介護装置の浴槽以外の部分を図1に示す。本発明の入浴介護装置は、人が寝ころがるベッド本体と、浴槽部分と、ベッド床部を上下動可能に吊り下げるスタンドフレーム部分と、を備えている。
【0041】
図1の入浴介護装置は、一対のスタンドフレーム16・16を有するヘッドフレーム本体1と、一対のスタンドフレーム16・16の間に配置され、網状床部材26を有するベッド床部20、及び、ベッド床部20を吊下げる2つの吊下げ部材8やベッド床部20の幅方向の傾斜角を規制するための傾斜制御部材12を備えるベッド本体と、を基本構成要素として構成されている。なお、図1は、図を見易くするために、網状床部材26上に配置されるベッドマットが省略して描かれている。
【0042】
(スタンドフレーム部分)
ヘッドフレーム本体1は、スタンドフレーム16を有しており、スタンドフレーム16には、レール溝16aが形成されている。このレール溝16aに、スタンド連結フレーム19が嵌入され、レール溝16aに沿ってスタンド連結フレーム19が上下方向に滑動できるようになっている。スタンド連結フレーム19と上下可動フレーム部材7とはその交差部で連結固定されており、上下可動フレーム部材7の下端はスタンド固定フレーム14により固定され支持されている。
【0043】
上下可動フレーム部材7の上方には、上下可動フレーム部材7の揺れ動きを防止する補強部材として、上下可動フレーム部材7の上下動を障害しない軸受け(滑り対偶軸受け)を備えた支持フレーム15が設けられている。補強部材としての支持フレーム15としては、例えば図1に示すように、中央部分に半円形のアール部が形成された支持フレーム本体15aと、このアール部に対応する半円形のアール部を有する止め部材15bとで、上下可動フレーム部材7の軸を挟む方式を採用すればよい。なお、スタンドフレームのレール溝は例えばパイプ内側にレール溝部材を溶着することにより形成することができる。
【0044】
ヘッドフレーム本体1の2つのスタンドフレーム16・16は、ベッド床部20をベッド設置面から浮かせた状態で支える脚となる部分である。
【0045】
この構造であると、上下可動フレーム部材7が上方に伸びると、上下可動フレーム部材7の伸長に応じてスタンド連結フレーム19が上方に持ち上がり、これと共に吊下げ部材8及びベッド床部20が上方に持ち上がる。この際、スタンド連結フレーム19両端の滑り部がレール溝16aに嵌入されたスタンド連結フレーム19が上下可動フレーム部材7の上下動軌跡を安定化させる。よって、ベッド本体が無用に動揺することがない。なお、この構造では、上下可動フレーム部材7はスタンド連結フレーム19により支持されているので、支持フレーム15は必須の部材ではない。
【0046】
実施の形態1のスタンドフレーム16・16は、パイプ(45φmm、外幅1200mm、直線部の長さ1100mm)で構成されている。
【0047】
パイプの材質は特に限定されない。例えば、鉄、アルミニウム、チタン、各種合金、プラスチックなどが使用できる。パイプ径やサイズも適宜設定すればよい。
【0048】
(ベッド本体部分)
本実施の形態にかかる入浴介護装置のベッド本体は、ベッド床部20と、吊下げ部材8と、ヒンジ9と、傾斜制御部材12と、を備えて構成されている。
【0049】
まず、ベッド床部20について説明する。ベッド床部20の縦枠は、屈曲を可能とするヒンジで接続されたヘッド側縦枠部材27aと、中央縦枠部材27bと、フット側縦枠部材27cと、からなる。また、ベッド床部20の床面には、対向する両縦枠の接合部分を結ぶ線を別け目として、3枚の網状床部材26が載置されている。なお、図1では、網状床部材の形状を判りやすく描くため、網状床部材の上に敷かれる柱状マットユニットが省略(不図示)されている。また、縦枠部材27a〜27cの下面には、案内突起(図示せず)が設けられている。この案内突起の構造や作用については、後に説明する。
【0050】
この構造のベッド床部20は、ヘッド側縦枠部材27aと中央縦枠部材27bとの境界に、下方に屈曲することのできる第1屈曲部28aが設けられ、中央縦枠部材27bとフット側縦枠部材27cとの境界に、上方に屈曲することのできる第2屈曲部28bが設けられ、座椅子状に折り曲げることができるようになっている。上記縦枠の屈曲部28a、28bには屈曲角度規制部材39が配置されている。屈曲角度規制部材(平坦保持部材)39は、「コ」字形状の嵌め具とチェーンとで構成されている。具体的には、ヘッド側縦枠部材27aと中央縦枠部材27bの繋ぎ目(第1屈曲部28a)に両者に跨るように、ベッド下側から「コ」字形状の嵌め具を嵌合し、下側(中央側)を中央縦枠27bに固定する。また、この嵌め具の上側(ヘッド側)の端部にその一方端が接続されたチェーンの他方端をヘッド側縦枠部材27aに接続固定する。これにより、「コ」字形状の嵌め具が、ベッド床部20が逆向きに折れ曲がることを防止し、チェーンが、ベッド床部20が過剰に折れ曲がるのを防止する。なお、中央縦枠部材27bとフット側縦枠部材27cの継ぎ目(第2屈曲部28b)についても同様である。
【0051】
なお、無用にベッド床部20が屈曲しないようにするために、嵌め具と同様な嵌め具を更に2つ用意し、これを取り外し可能な状態でベッド本体屈曲部の左右の縦枠に上側から嵌合し固定しておくのがよい。このようにしておけば、ベッド床部20を屈曲させたくないときには平坦な床面が保持され、上記嵌め具を取り外したときにのみ、ベッド床部20を屈曲させることができる。
【0052】
次に、図2を参照しながら、ベッド床部20の寝床面構造について説明する。図2(a)は、ベッド床部20に複数の柱状マットユニットを敷き詰めた様子を示す上面図であり、図2(b)は、図2(a)の断面図である。
【0053】
図2(a)、(b)に示すように、3枚の網状床部材26により構成されるベッド床面には、断面円形(例えば直径100mm)の複数の柱状マットユニット25が互いに間隔(2〜20cm程度の隙間)を空け、ベッド幅方向に平行に敷かれている。柱状マットユニット25の材質は天然ゴム発泡体である。
【0054】
天然ゴム発泡体らなる円柱状マットユニットは、患者の体重が架かると横方向に広がり円柱状マットユニット相互間が略平坦面となるので、その上に寝る患者に凸凹感などの違和感を殆ど与えない。また、円柱状であると、圧縮反発力に強弱変化があるので、患者の僅かな動きにより皮膚へのマッサージ効果が生まれ、これが褥瘡予防効果を発揮する。特に、複数の柱状マットユニットが互いに間隔を空けて敷かれた床面であると、上記皮膚マッサージ効果が都合よく発揮され、かつベッド床面の下方から上方への通気性が向上するため、衛生面と褥瘡予防の面の双方から好ましい。
【0055】
また、柱状マットユニットを互いに間隔を空けて敷かれた床面は、下記するが、ベッド本体を浴槽に漬けたとき、湯水が柱状マットユニットの隙間を移動できるので都合がよい。また、乾燥しやすくすると共に、汚物が付着しにくくする目的からは、天然ゴム発泡体からなる柱状マットユニットの表面を撥水性を有する樹脂フィルムなどのフィルムで覆い、または撥水コートするのがよい。なお、円柱状マットユニットは取り外しが容易であるので、例えば網上床部材に適当な個所に適当な穴をあけておくと、当該部分のマットユニットを取り外すことにより、足をベッド下方に下げることが可能になる。このようにすると、腰掛けた姿勢がとれるので、身体を起こし易い。
【0056】
上記、柱状マットユニットの材質は、天然ゴム発泡体に限られず、例えばウレタンでもよい。また、天然ゴム等からなるケース内に気体やゲル、液体等が、1種又は複数種充填された構造であってもよい。また、柱状マットユニットの形状は、断面円形に限られず、楕円形、四角形、多角形、台形などであってもよい。また、円形と四角や三角形の柱状マットユニットなどを併用してもよい。また、高さや大きさを違えた柱状マットユニットを併用してもよい。
【0057】
上記構造のベッド床部20は、吊下げ部材8の下部に直接取り付けられた構造となっている。また、スタンドフレーム部分のスタンド連結フレーム19と上下可動フレーム部材7の交差部分には、吊下げ部材8が吊下げ連結具8a・8bを介して吊下げられている。なお、フット側の吊下げ連結具8bは、伸縮可能に構成されている。
【0058】
傾斜制御部材12は、吊下げ部材8の肩部にピンを用いたヒンジ9を介して取り付けられている。ヒンジ9を用いたのは、吊下げ部材8の回動を円滑に行わせるためである。また、傾斜制御部材12は、吊下げ部材8の両肩部にピンを用いたヒンジ9を介して取り付ける構造であってもよい。
【0059】
図1の例では、下末広がり形状の吊下げ部材8の下部にベッド床部20が直接取り付けられた構造になっているが、下末広がり形状の吊下げ部材8の両端を繋ぐ部材を配置し、この部材の上にベッド床部20を載置して吊下げる構造でもよい。ベッド床部20と吊下げ部材8との連結方法については、ベッド本体重量とこのベッドを利用する人の体重が合算された重量を安定して支えることができる方法であればよく、特段の制限はない。例えば溶接法やボルトナットでの締結によればよい。
【0060】
(浴槽部分)
次に、浴槽部分について、図3を用いて説明する。図3は、実施の形態1にかかる入浴介護装置の浴槽部分を示す斜視図である。
【0061】
浴槽30は、外枠34を有しており、外枠34内に、ベッド床部を支持する屈曲支持面33が設けられている。また、屈曲支持面33には、ベッド床部の縦枠部材の下面に設けられた案内突起に対偶するガイドレール32が設けられている。
【0062】
また、屈曲支持面33は、下方に屈曲した浴槽第1屈曲部35aと、上方に屈曲した浴槽第1屈曲部35bと、を備えている。
【0063】
案内突起の形状としては特に限定されることはなく、例えば、半球状、半円柱状、半楕円柱状、多角柱状等とすることができる。ガイドレールの形状は、案内突起の形状の形状に対偶するように適宜決定される。
【0064】
次に、浴槽にベッド床部を降下させる場合の動作について、図4を用いて説明する。実施の形態1にかかる入浴介護装置の使用形態を説明する模式図であって、図4(a)は動作説明図、図4(b)は人が使用している状態を示す図である。図4(a)においては、降下前の状況は破線で示され、降下後の状況は実線で示されている。
【0065】
ベッド床部20の上には、柱状マットユニット25が複数載置されており、ベッド床部20の下面には、案内突起31が設けられている。ベッド床部20は、上述したように、スタンドフレーム16に取り付けられた吊下げ部材8により、上下動可能に吊り下げられている。
【0066】
降下が開始すると、まず、フット側の吊下げ部材8のみが降下しつつ、フット側の吊り下げ連結具8bがヘッド側に伸長する。これにより、ベッド床部20が、斜めフラット状態(ヘッド側が上方)となる。
【0067】
斜めフラット状態でヘッド側の吊下げ部材8とともにヘッド側の吊下げ部材8が降下し、ベッド床部20全体がさらに降下していく。ベッド床部20の下面に設けられた案内突起31が床支持体33のガイドレール(図4において図示せず)に接すると、ベッド床部20の留め具(図示せず)が外れて、ベッド床部20が床支持体33の形状に誘導されて変形する。
【0068】
なお、ベッド床部20が床支持体33と接触する時、屈曲角度規制部材39は、ガイドレールの外側に位置するようになっており、支持床部33によって屈曲角度規制部材39がベッド床部20の縦枠部材を固定した状態とはならないようになっている。ここで、屈曲角度規制部材39は、自動的にはずれる構造であってもよく、手動で外す構造であってもよく、半自動的に外す構造であってもよい。
【0069】
降下が終了したときには、図4(b)に示すように、ベッド床第1屈曲部から外方に広がる第一床面29aに背中が当接し、ベッド床第1屈曲部とベッド床第2屈曲部との間の第二床面29bに臀部が当接し、ベッド床第2屈曲部から外方に広がる第三床面29cに足を乗せた状態となる。この状態では、背部が角度をもって立ち上がり、頭の位置が腰部などよりも高くなるので、頭のみをお湯の外に出し、頭以外の身体部分を全てお湯に浸けた状態となる。
【0070】
また、浴槽30からベッド床部20を引き上げる際には、上記と逆の動作を行えばよい。
【0071】
上記で説明した部材以外の部材を設けることができることは勿論であり、例えばフレーム本体やベッド本体の構造を補強するために、更にフレームを設けるのもよい。また、手すり、照明、可動テーブル等を設けてもよい。
【0072】
また、上記で説明した部材の一部を省略でき、例えば浴槽に床支持部を設けることなく、ガイドレールのみを設けてもよい。
【0073】
〔実施の形態2〕
図5は、実施の形態2にかかる入浴介護装置の浴槽を示す斜視図であり、図6は、実施の形態2にかかる入浴介護装置の使用形態を説明する模式図である。実施の形態2は、図5,6に示すように、浴槽のスペースを図3,4に示す実施の形態1よりも小さくしていること以外は、上記実施の形態1と同様である。この構成によると、浴槽を軽量コンパクト化できる。
【0074】
〔実施の形態3〕
図7は、実施の形態3にかかる入浴介護装置の浴槽以外の部分を示す斜視図である。実施の形態3は、図7に示すように、ベッド床部に設けられた屈曲部(下方に屈曲する屈曲部)28が一箇所である(図示していないが、浴槽部分側の屈曲部も一箇所である)こと以外は、上記実施の形態1と同様である。
【0075】
〔実施の形態4〕
図8は、実施の形態4にかかる入浴介護装置の浴槽部分以外の構造を示す図であって、ヘッドフレーム本体側の拡大斜視図である。実施の形態4は、図8に示すように、スタンドフレームに、レール溝が形成され、このレール溝にスタンド連結フレームが嵌入され、レール溝に沿ってスタンド連結フレームが上下方向に滑動できる構造に代えて、U字状の大径のパイプ(45φmm、外幅1200mm、直線部の長さ1100mm)からなるスタンドフレーム3に、円柱状の小径パイプ(42φmm、長さ900mm)からなる足部4を摺動可能に嵌め合わせた構造を採用している。
【0076】
両パイプの材質は特に限定されない。例えば、鉄、アルミニウム、チタン、各種合金、プラスチックなどが使用できる。パイプ径やサイズも適宜設定すればよい。また、「U」字状に繋がっていない、各々が独立した2つのスタンドフレームを用いることができることは勿論である。
【0077】
上記2つのスタンドフレームの両足部は、長さ1110mmの金属製角材(42mm×42mm))を足部連結フレーム5として用いて連結固定される。連結固定方法としは、足部に金属製角材を溶接する方法、連結固定具を用い結合する方法、両部材を直接螺合させる方法など、如何なる方法でもよい。
【0078】
スタンド連結フレーム6は、スタンドフレームの足部の長さを最小とした状態で、下から800mmの位置に、45φmm、1110mmの金属製パイプをスタンド連結フレームとして用いて、足部連結フレーム5の場合と同様にして連結固定した。
【0079】
上下可動フレーム部材7は、足部連結フレーム5の長さ方向の中央付近に、上下動駆動手段としての油圧シリンダ7aを固定し、当該油圧シリンダの上端に、45φmmの金属製パイプ取り付け、更にその先端をスタンド連結フレーム6の中央付近に連結固定した。更に、図1の例では、スタンド連結フレーム6の中央とU字状頂上部分との間についても同様な金属製パイプで連結した。なお、連結固定方法については何らの制限はない。上記と同様、溶接する方法、連結固定具を用い結合する方法などを用いればよい。この設定では、スタンドフレームの長さが、最大500mm伸びるようにしてある。
【0080】
吊下げ軸部を構成する吊下げ連結具8aを備えた吊下げ部材8を用い、吊下げ連結具8aの一方端をフレーム本体の上下可動フレーム部材7とスタンド連結フレーム6との交差部分に固定し、他方端を吊下げ部材本体の上方頂部に形成された、球体を内蔵した転がり軸受け部に差し込むことにより、吊下げ部材8本体がベッド長手方向に直交する方向(幅方向)に回動可能に構成されている。なお、転がり軸受け部は、上下可動フレーム部材7とスタンド連結フレーム6との交差部側に設けてもよい。また、吊下げ部材を回動可能にする方法は、転がり軸受け方式でない、公知の他の方式を用いてもよいことは勿論である。
【0081】
〔実施の形態5〕
図9は、実施の形態5にかかる入浴介護装置の浴槽部分以外の構造を示す図であって、ヘッドフレーム本体側の拡大斜視図である。ヘッドフレーム本体1側の部分拡大図である図9に基づいて、実施の形態3にかかる介護ベッドを説明する。実施の形態5は、上記実施の形態1とは、上下可動フレーム部材の構造が異なる。実施の形態5で用いる上下可動フレーム部材17は、その上方を正逆回転させると、上下可動フレーム部材17の主軸17aが伸び縮みするようになっている。また、実施の形態5では、上下可動フレーム部材17を回転させるために、傾斜制御部材12の一方端の取り付けに工夫が凝らされている。すなわち、上下可動フレーム部材17にその軸回転を阻害せずかつ上下動しない軸受け(回り対偶軸受け)17cを設け、これに傾斜制御部材12の一方端を取り付けた構造になっている。
【0082】
実施の形態5における上下可動フレーム部材17は、上下可動フレーム部材の主軸17aの下方が受け軸17bに螺合されており、主軸17aを正逆回転させると、主軸17aが前進し、または主軸17aが受け軸17bの中に進入する構造になっている。これにより、上下可動フレーム部材17の全長が伸長または短縮する。また、上下可動フレーム部材の主軸17aには上記した回り対偶軸受け17cが嵌められており、これに傾斜制御部材12の一方端を取り付けられている。
【0083】
この実施の形態においては、主軸17aの回転を手動としてもよいが、好ましくはモータ駆動させる。
【0084】
〔実施の形態6〕
図10は、実施の形態6にかかる入浴介護装置の浴槽部分以外の構造を示す図であって、ヘッドフレーム本体側の拡大斜視図である。実施の形態6の入浴介護装置は、上記実施の形態5とは、上下可動フレーム部材の構造が異なり、ウオームギア機構により上下可動フレーム部材7が上下動する構造である点において相違する。この実施の形態では、ウオームホイール歯車41a及び電動モータ41bが上下動駆動手段の構成要素となる。その他の事項については上記実施の形態5と同様である。
【0085】
実施の形態6の入浴介護装置を、ヘッドフレーム本体1側の部分拡大図である図10に基づいて説明する。図10に示すように、上下可動フレーム部材18の軸部にはネジ溝(ウオームねじ溝)が切ってある。また、スタンドフレーム40・40はU字状に一体的形成されており、U字状の頂部には、上下可動フレーム部材18の軸径よりも径の大きい通し穴が開けられている。この通し穴に上下可動フレーム部材18が通され、かつ上下可動フレーム部材18の下端がスタンド連結フレーム16の中央部分に連結固定されている。スタンド連結フレーム16は、その両端がU字状スタンドフレーム40のレール溝40aに滑動可能に嵌合されている。
【0086】
また、スタンドフレーム40・40のU字状の頂部には、上下可動フレーム部材18のネジ溝に対応させたウオームホイール歯車41aが設置され、ウオームホイール歯車41aは電動モータ41bで駆動できるようになっている。この電動モータ41bによりウオームホイール歯車41aを順回転又は逆回転させることにより、上下可動フレーム部材40が上下方向に前進後退するので、吊下げ部材8及びこれに吊下げられたベッド床部42を上下に移動させることができる。
【0087】
また、傾斜制御部材12の一方端側が吊下げ部材8の肩に結合され、他方端が上下可動フレーム部材7の上端側に取り付けられている。よって、上下可動フレーム部材7の前進後退に伴って傾斜制御部材12全体が同じ距離だけ上下方向に動くので、この移動がベッド床部42の傾斜角(ベッド設置面に対する傾斜角)に影響を与えない。
【0088】
なお、この実施の形態においても、両端の滑り部19aがレール溝40aに嵌入されたスタンド連結フレーム19が上下可動フレーム部材40の上下動軌跡を安定化させるので、ベッド床部42が無用に動揺することがない。また、この実施の形態は、上方からベッド床部42を引き上げる構造であるので、上下可動フレーム部材18を下支えする部材は必須ではない。
【0089】
この実施の形態において、上記通し穴の内側に、上下可動フレーム部材18の軸部のネジと対応するネジ切りを設け、上下可動フレーム部材18の軸部を回転させることにより、スタンド連結フレーム16を上下させる構造としてもよい。この場合、傾斜制御部材12の他方端の連結先は、スタンド連結フレーム19上とするか、または上下可動フレーム部材18の上方に軸回転を阻害せずかつ上下動しない軸受けを設け、これを連結先とするのがよい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
以上で説明したように、本発明はベッド床部を吊下げる構造を採用した。この構造であると、ベッド床部の上下動や幅方向への傾斜を簡単でコンパクトな駆動機構でもって実現することができる。また、ヘッド本体の下側に浴槽を配置することにより、寝たきり患者を寝たままで簡便に入浴させることができる入浴介護装置を廉価で提供することができる。よって、その産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0091】
1 ヘッドフレーム本体
2 フットフレーム本体
3 スタンドフレーム
4 足部
5 足部連結フレーム
7 上下可動フレーム部材
7a 油圧シリンダ(上下動駆動手段)
8 吊下げ部材
8a 吊下げ軸部(吊下げ連結具)
8b 吊下げ軸部(吊下げ連結具)
9 ヒンジ
10 ヘッドフット連結部材
12 傾斜制御部材

14 スタンド固定フレーム
15 支持フレーム
15a 支持フレーム本体
15b 止め部材
16 スタンドフレーム
16a レール溝
17 上下可動フレーム部材
17a 主軸
17b 受け軸
17c 回り対偶軸受け
18 上下可動フレーム部材
18a ネジ切り部
19 スタンド連結フレーム
19a 滑り部
20 ベッド本体
22 横枠
25 柱状マットユニット
26 網状床部材
27 ベッド本体
27a ヘッド側縦枠部材
27b 中央縦枠部材
27c フット側縦枠部材
28 ベッド床部屈曲部
28a ベッド床第1屈曲部
28b ベッド床第2屈曲部
29a 第一床面
29b 第二床面
29c 第三床面

30 浴槽
31 案内突起
32 ガイドレール
33 屈曲支持面
34 外枠
35a 浴槽第1屈曲部
35b 浴槽第2屈曲部
39 屈曲角度規制部材

40 スタンドフレーム
40a レール溝
41 上下動駆動手段
41a ウオームホイール歯車
41b 電動モータ
42 ベッド床部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のスタンドフレームと、
前記一対のスタンドフレームの間に配置され、前記一対のスタンドフレームの各々によって上下動可能に吊り下げられたベッド床部を有するベッド本体と、
前記ベッド床部の下側に配置され、前記ベッド床部が降下したときに前記ベッド床部が収容される浴槽と、
を備える入浴介護装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入浴介護装置において、
前記ベッド床部が降下したときに、前記ベッド床部の長手方向の一方端が、前記ベッド床部の中央部よりも高い位置となるように前記ベッド床部が変形する、
ことを特徴とする入浴介護装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の入浴介護装置において、
前記浴槽の内がわ底部には、前記ベッド床部が降下したときに、前記ベッド床部を屈曲させ且つ下方から前記ベッド床部を支持する屈曲支持面が設けられている、
ことを特徴とする入浴介護装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の入浴介護装置において、
前記ベッド床部の下がわ面には、前記ベッド床部の屈曲を誘導するための複数の案内突起が設けられ、前記浴槽には、前記案内突起に対偶するガイドレールが設けられている、
ことを特徴とする入浴介護装置。
【請求項5】
請求項4に記載の入浴介護装置において、
前記ベッド床部の幅方向に、柱状ユニットマットが複数配列されている、
ことを特徴とする入浴介護装置。
【請求項6】
請求項5に記載の入浴介護装置において、
前記ベッド床部は、前記ベッド本体により幅方向に多段階又は無段階に傾斜可能に保持されている、
ことを特徴とする入浴介護装置。
【請求項7】
請求項6に記載の入浴介護装置において、
前記入浴介護装置は、前記ベッド床部の幅方向の傾斜角度を制御する傾斜制御部材をさらに備える、
ことを特徴とする入浴介護装置。
【請求項8】
請求項1または2に記載の入浴介護装置において、
前記ベッド床部は、下方に屈曲することのできるベッド床第1屈曲部と、前記ベッド床第1屈曲部の隣に位置する屈曲部であって上方に屈曲することのできるベッド床第2屈曲部と、を有し、
前記浴槽は、底側の前記ベッド床第1屈曲部に対応する位置に、下方に屈曲した浴槽第1屈曲部が設けられ、前記ベッド床第2屈曲部に対応する位置に、上方に屈曲した浴槽第2屈曲部が設けられている、
ことを特徴とする入浴介護装置。
【請求項9】
請求項8に記載の入浴介護装置において、
前記浴槽第2屈曲部の頂点高さが前記浴槽第1屈曲部の頂点高さよりも高く設定されている、
ことを特徴とする入浴介護装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の入浴介護装置において、
前記ベッド床部の下側面には、前記ベッド床部の屈曲を誘導するための複数の案内突起が設けられており、
前記複数の案内突起の何れかが、ベッド床第1屈曲部から外方に広がる第一床面に接触したとき、前記ベッド床第1屈曲部が上方に屈曲可能になり、
前記複数の案内突起の何れかが、前記浴槽第2屈曲部近傍に接触したときに、前記ベッド床第2屈曲部が下方に屈曲可能になる構造である、
ことを特徴とする入浴介護装置。
【請求項11】
請求項10に記載の入浴介護装置において、
前記浴槽の内がわ底面には、前記案内突起に対偶するガイドレールが設けられている、
ことを特徴とする入浴介護装置。
【請求項12】
請求項8乃至11の何れか1項に記載の入浴介護装置において、
前記ベッド床部の幅方向に、柱状ユニットマットが複数配列されている、
ことを特徴とする入浴介護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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