説明

公共交通機関における広告配信システム及び方法

【課題】公共交通機関の車両内に掲載される広告の情報を容易に友達(他者)へ知らせることができ、また、広告主に対して、現在どの広告が乗客に注目されているのかなどの情報を提供できるような広告配信技術を提供することを目的とする。
【解決手段】乗客が乗客端末により車両に掲載されている広告に関する情報にアクセスするURLへのリクエストを発行したとき、その車両に掲載された広告に関する情報を含み、当該広告について他者に知らせるメール入力欄を含む車両ごとのWebページを乗客端末に送信して表示させ、その乗客が、メール入力欄にメールアドレスを入力してメール送信を指示したとき、その広告ごとのWebページのURLを含むメールを自動生成して該メールアドレスへ送信し、メールを受信した友人端末から該メールに含まれるURLへのリクエストが発行されたとき、その広告ごとのWebページを生成してリクエスト元に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、広告配信システム及び方法に関し、特に、鉄道などの公共交通機関の車両内に掲載(掲示)してある広告を見た乗客が、その情報を友人などに知らせるための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道などの公共交通機関の車両内には、紙媒体の広告が掲載されている。乗客は、例えばその広告に興味を持って友達にその広告を見てもらいたい場合、どこに(どの鉄道会社のどの列車のどの車両に)行けばそれが見られるのかを簡単に知らせることは難しい。鉄道の駅などの窓口で、その広告に関する情報を係員から訊き出し、それを友達へ知らせるのは手間のかかることである。
【0003】
また、列車内に掲載される広告について、現在どの広告が乗客に注目されているのかを広告主が知ることは難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、公共交通機関の車両内の広告に関する情報を友人などに知らせることは現実的には難しく、そのような要求をサポートするシステムも無かった。また、列車内に掲載される広告についての注目度などを広告主が簡単に知ることができるようなシステムも無かった。
【0005】
本発明は、公共交通機関の車両内に掲載される広告の情報を容易に友達(他者)へ知らせることができ、また、広告主に対して、現在どの広告が乗客に注目されているのかなどの情報を提供できるような広告配信技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、この発明は、公共交通機関の車両に掲載した広告に関する情報を配信する広告配信システム及び方法であって、車両に乗車している乗客が乗客端末により該車両に掲載されている広告に関する情報にアクセスするためのURLを入力してリクエストを発行したとき、その乗客が乗車している車両に掲載された広告に関する情報を含み、かつ、当該広告に関する情報を他者に知らせるメール入力欄を含む車両ごとのWebページを、乗客端末に送信して表示させ、その乗客が、そのWebページのメール入力欄にメールアドレスを入力してメール送信を指示したとき、その広告に関する情報を含む広告ごとのWebページのURLを含むメールを自動生成して、入力されたメールアドレスへ送信し、さらにそのメールを受信した者の友人端末から該メールに含まれるURLへのリクエストが発行されたとき、その広告に関する情報を含む広告ごとのWebページを生成して、当該リクエスト元に送信するようにしたことを特徴とする。
【0007】
乗客端末によるURLの入力は、例えば、車両内の広告やその周辺などに配置されたQRコードの読み取りや直接入力などで行えばよい。
【0008】
乗客端末から車両ごとのWebページへのアクセスがあったとき、該Webページに含まれる広告ごとに該アクセス数を集計し、乗客端末から広告ごとのWebページのURLを含むメール送信指示があったとき、該Webページに含まれる広告ごとに該メール送信数を集計し、メールを受信した友人端末から広告ごとのWebページへのアクセスがあったとき、該Webページに含まれる広告ごとに該アクセス数を集計するようにするとよい。任意の端末から、これらの集計結果から取得した統計情報を含む統計情報Webページにアクセスできるようにしてもよい。また、広告主が、その広告主の広告に関する有用な統計情報を含むWebページにアクセスできるようにするとよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、公共交通機関の乗客は列車内に掲載されている広告について容易に他者に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の一実施の形態を示すシステム概念図である。
【図2】実施形態のシステムにおける情報の通信フロー図である。
【図3】実施形態のシステムにおける広告情報データベースのデータ構成図である。
【図4】実施形態のシステムにおける属性情報データベースのデータ構成図である。
【図5】実施形態のシステムにおけるメール送信のフローチャート図である。
【図6】実施形態のシステムにおける車両ごとのWebページの構成例を示す図である。
【図7】車両ごとのWebページの表示例を示す図である。
【図8】実施形態のシステムにおける広告ごとのWebページの構成例を示す図である。
【図9】広告ごとのWebページの表示例を示す図である。
【図10】一般向け広告統計情報Webページの構成例を示す図である。
【図11】広告主向け広告統計情報Webページの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態を示すシステム概念図である。ここでは、本発明を、インターネットを技術的基盤としたクライアントサーバ型モデルと呼ばれる形態に適用した例を説明する。また、以下の実施形態では、本発明を列車の広告に適用した例で説明するが、本発明は他の公共交通機関の車両の広告にも適用可能である。
【0013】
本システムは、Webサーバ101、DB(データベース)サーバ102、ネットワーク103、乗客端末141、友人端末142、一般の端末143、及び広告主の端末144を備える。ネットワーク103はインターネットとする。Webサーバ101及びDBサーバ102は、情報の加工及び生成を行い、システム全体を管理するコンピュータである。Webサーバ101は、DBサーバ102のデータを元にWebページを生成するサーバ機能を持つ。
【0014】
DBサーバ102は、広告情報DB121、属性情報DB122、及び送受信部123を備える。広告情報DB121は、車両に掲載された広告に関する情報やその広告を掲載した車両に関する情報を格納したデータベースである。属性情報DB122は、その広告を見た乗客がその広告の詳細情報を掲載したWebページにアクセスしたり該Webページからメールを送信した場合の情報を格納するデータベースである。送受信部123は、Webサーバ101との間で各種データの送受信を行う。
【0015】
乗客端末141は列車の乗客が持つ端末であり、友人端末142、一般の端末143、及び広告主の端末144は列車外にある端末である。これらの端末141〜144は、電子メール機能とWebブラウザ機能を有する機器であり、携帯電話、携帯端末、またはパソコンなどである。これらの端末141〜144は、このシステムのサービスへの入り口であり、ネットワーク103を介して、Webサーバ101と情報をやりとりする。
【0016】
Webサーバ101は、乗客端末141からインターネット103を経由してアクセスされる。送受信部114は、乗客端末141からのHTTPリクエストを受け付ける。このリクエストをWebサーバ部112で処理する。リクエストされたWebページを生成するため、Webページ生成部113は、DBデータ検索・更新部111を利用して、DBサーバ102へデータ検索を行う。この際、乗客端末141からリクエストするURLにはその乗客が乗車している車両を特定する情報(列車番号や車両番号情報)を埋め込んでおくものとし、Webページ生成部113は、それらをキーにして後述する「車両ごとのWebページ」に必要な情報を検索することができる。検索した情報をもとに、Webページ生成部113は車両ごとのWebページを生成し、乗客端末141へデータを送信する。Webサーバ101は、その他の端末142〜144からのリクエストに対しても、同様にしてリクエストに応じたWebページを生成してリクエスト元に送信する。
【0017】
なお、Webサーバ101において、DBデータ検索・更新部111、Webサーバ部112、Webページ生成部113、送受信部114はソフトウェアとして構成することが可能である。この場合、Webサーバ101のCPU(図示せず)がこれらのソフトウェアを読み込んで適宜それぞれの処理を実行する。
【0018】
図2は、本実施形態のシステムにおける情報の通信フローを表した図である。
【0019】
まず、ある車両に乗車している乗客Aが、その車両内に掲載されている広告を見て、その広告に興味を持ち、さらに詳細な情報を知りたいと考えたとする。その乗客Aは、その車両内の広告に掲載されている「車両ごとのWebページ」のURLを乗客端末141(例えば携帯電話)へ入力する(201)。ここでは、その広告に掲載されているQRコードを読み取ることによりURLを入力するものとする。ただし、QRコードは広告中に掲載する代わりに乗客端末141で読み取れる車両内の任意の位置に配置してよいし、URLを直接に入力させてもよい。このURLは、Webサーバ101をリクエスト先とするURLであり、その乗客が乗車している車両を特定する情報を含むものとする。
【0020】
次に、乗客端末141から前記URLにリクエストを送信して、乗客端末141からその乗客が乗車している車両の広告に関するWebページにアクセスする(202-1)。このページを「車両ごとのWebページ」と呼ぶ。車両ごとのWebページは、Webサーバ101がDBサーバ102にあるデータベースの情報をもとに生成する。すなわち、まずWebサーバ101は、アクセスされたURLからその車両を特定する情報を抽出し、その車両に掲載されている広告に関する情報をDBサーバ102へ問い合わせる(202-2)。DBサーバ102は、Webサーバ101からの問い合わせに対して、その車両に掲載されている全ての広告に関する広告情報を送信する(202-3)。Webサーバ101は、DBサーバ102からの情報をもとに「車両ごとのWebページ」を生成し、リクエスト発行元の乗客端末141へ送信する(202-4)。この「車両ごとのWebページ」には、当該車両に掲載されている全ての広告に関する詳細情報(商品、サービスの情報、広告IDなど)が含まれる。なお、最初に表示されるページに含まれていなくとも、リンクを辿って詳細情報を表示できるようにしてもよい。この詳細情報に含まれる広告IDは、広告ごと(詳しく言えば車両に掲載されている広告画像ごと)にユニークな値とし、後述する広告検索するためのキーとなる。DBサーバ102は、この際のアクセスの情報を属性情報DB122へ格納する。具体的には、当該車両ごとのWebページに対するアクセス数をカウントアップする。
【0021】
乗客Aが、その車両に掲載されている広告のうちの1つについて友人Bに知らせたいと考えたとする。乗客Aは、乗客端末141を用いて、その広告に関する情報を、友人Bの持つ友人端末142へ電子メールにて送信することができる。これには、乗客端末141に表示された車両ごとのWebページに搭載されたメール送信機能(Webメール)を用いる。
【0022】
まず、乗客端末141から、車両ごとのWebページにあるメール送信機能を呼び出し、送信処理をWebサーバ101に対してリクエストする(203-1)。このリクエストに応じて、Webサーバ101は、当該広告を知らせる所定のメールを自動的に作成して友人端末142へ送信する(203-3)。また、Webサーバ101は、乗客端末141からの指示に応じて当該広告を知らせるメール送信を行った旨をDBサーバ102に送信し、これを受けて、DBサーバ102は属性情報DB122の当該広告に係るメール送信総数をカウントアップする(203-2)。
【0023】
友人Bは、友人端末142によってWebサーバ101からのメールを受信する。このメールには、後述する「広告ごとのWebページ」のURLが書かれており、友人端末142を用いてこれにアクセスすることができる。友人Bは、「広告ごとのWebページ」にアクセスし、乗客Aが知らせたい広告情報(商品やサービスの詳細情報、広告主のWebページのURLなど)を閲覧することができる。
【0024】
具体的には、まず友人端末142から、受信したメールにあるURLへアクセスする(204-1)。このページを「広告ごとのWebページ」と呼ぶ。このURLには、乗客Aが友人Bに知らせたいと思った広告を特定する情報(広告ID)が含まれている。「広告ごとのWebページ」は、DBサーバ102にあるデータベースの情報をもとに、Webサーバ101が生成する。すなわち、Webサーバ101は、アクセスされたURLに含まれる広告IDの広告情報をDBサーバ102へ問い合わせる(204-2)。DBサーバ102は、Webサーバ101からの問い合わせに対して、その広告に関する広告情報を送信する(204-3)。Webサーバ101は、DBサーバ102からの情報をもとに広告ごとのWebページを生成し、友人端末142へ送信する(204-4)。この広告ごとのWebページには、当該広告に関する各種の情報(商品、サービスの情報、広告IDなど)が含まれる。また、この広告が掲載されている列車の情報も表示される。これにより、友人Bは、どの路線のどの列車のどの車両にその広告が掲載されているかを知ることができる。DBサーバ102は、この際のアクセスの情報を属性情報DBへ格納する。
【0025】
上述した「車両ごとのWebページ」や「広告ごとのWebページ」のURLは一般にも公開し、乗客以外の一般の方が持つ一般の端末143からもアクセスできる。例えば、インターネット上で用いられている検索ページ経由でアクセスされるケースなどが考えられる。さらに、一般の人々は、現在の広告のアクセスランキングなどの統計情報を、Webサーバ101から参照することもできる。このページで参照できる情報は、現在出ている広告、それらの広告のアクセスされたランキング、広告の詳細に関する情報(例えば、広告主のページのURLなど)、及び、過去の広告などである。
【0026】
一般の端末から広告に関する統計情報にアクセスする場合の通信の流れについて説明する。まず一般の端末143から、公開されている統計情報を表示するためのページのURLへアクセスする(205-1)。このページを「一般向け広告統計情報Webページ」と呼ぶ。このWebページは、DBサーバ102にあるデータベースの情報をもとに、Webサーバ101が生成する。Webサーバ101は、アクセスごとに、広告に関する統計情報をDBサーバ102へ問い合わせる(205-2)。DBサーバ102は、Webサーバ101からの問い合わせに対して、統計情報を送信する(205-3)。Webサーバ101は、DBサーバ102からの情報をもとに一般向け広告統計情報Webページを生成し、一般の端末143へ送信する(205-4)。ここでは一般の端末143から統計情報を表示するWebページにアクセスする例を説明したが、車両ごとのWebページや広告ごとのWebページにアクセスする場合も同様である。
【0027】
広告主向け統計情報WebページのURLは、基本的に広告主のみに公開されているURLである。広告主は、例えば端末144からこのURLにアクセスすることで、広告主向け統計情報Webページを参照できる。この広告主向け統計情報Webページは、Webサーバ101が、DBサーバ102に蓄積された情報を元に加工されたデータをアクセスごとに生成する。このページで参照できる情報は、当該広告主の広告に関するアクセスランキングや、当該広告のページビューに関する属性情報(アクセス数を時間でグラフ化したり、路線ごとのアクセスの傾向比較など)の情報である。
【0028】
具体的には、まず広告主の端末144から、「広告主向け統計情報Webページ」へアクセスする(206-1)。このWebページは、DBサーバ102にあるデータベースの情報をもとに、Webサーバ101が生成する。Webサーバ101はアクセスごとに、当該広告主の広告に関する統計情報をDBサーバ102へ問い合わせる(206-2)。DBサーバ102は、Webサーバ101からの問い合わせに対して、当該広告主の広告に関する統計情報を送信する(206-3)。Webサーバ101は、DBサーバ102からの情報をもとに広告主向け統計情報Webページを生成し、広告主の端末144へ送信する(206-4)。
【0029】
図3は、DBサーバ102が備える広告情報DB121のデータテーブル構造の例を示した図である。広告情報DB121には、広告に関する情報が格納されている。広告IDは、広告ごとに付けられたユニークなIDであり、これをキーに検索することが可能である(もちろん他の項目情報による検索も可能である)。広告主情報は当該広告の広告主を特定する情報、広告画像は車両内に掲示されている当該広告を電子データ化した画像データ、広告詳細情報は当該広告に関する詳細な情報を掲載したWebページのリンク情報である。さらに、広告情報DB121は、当該広告が掲載されている路線、列車種別、列車番号、及び車両番号を格納している。なお、通常は列車番号が分かれば路線と列車種別も特定できるので、車両を特定する情報としては、列車番号及び車両番号を用いればよい。広告掲載予定期間は、当該広告が掲載される期間を示す。広告情報DB121は、広告ごと、路線ごと、列車番号ごと、車両番号ごと、広告掲載予定期間ごとに異なる広告IDのレコードを持つ。例えば、同じ広告画像の広告であっても、別の車両に掲載されている場合は、その車両ごとに別の広告IDが付与されて広告情報DB121に登録される。広告IDが分かれば、その広告を特定できるとともに、その広告がどの路線のどの列車のどの車両にいつからいつまで掲載されているかが特定できる。
【0030】
図4は、DBサーバ102が備える属性情報DB122のデータテーブル構造の例を示した図である。属性情報DB122には、ある広告IDの広告に対して、アクセス数やメール送信総数や送信先からのアクセス数を格納する。
【0031】
車両ごとのWebページが参照された場合(図2の202)、Webサーバ101では、DBデータ検索・更新部111を利用して、その広告の属性情報DB122の「列車番号/車両番号/アクセス数」の値を1増加させる。なお、車両ごとのWebページにはその車両に掲載されている全ての広告についての広告情報が表示されるので、それら全ての広告の各広告IDに対応する図4の属性情報DB上のレコードの「列車番号/車両番号/アクセス数」を全てカウントアップするものとする。この場合、1つの車両に掲載されている全ての広告の属性情報レコードの「列車番号/車両番号/アクセス数」は同じ値になる。
【0032】
乗客端末141からメール送信した場合(図2の203)、そのリクエストを受信したWebサーバ101では、DBデータ検索・更新部111を利用して、その広告の属性情報DB122の「メール送信総数」の値を1増加させる。メール送信の場合は、車両ごとのWebページに表示されている広告から1つを特定して、その1つの広告について知人・友人に知らせようとするものであるから、その広告の広告IDの属性情報DB上のレコードの「メール送信総数」をカウントアップする。
【0033】
広告ごとのWebページが参照された場合(図2の204)、Webサーバ101では、DBデータ検索・更新部111を利用して、その広告の属性情報DB122の「送信先からのアクセス数」の値を1増加させる。この場合も、1つの広告が特定されるので、その広告の広告IDの属性情報DB上のレコードの「送信先からのアクセス数」をカウントアップする。
【0034】
なお、車両ごとのWebページや広告ごとのWebページが参照された場合、本実施形態ではアクセス数のカウントアップのみを行っているが、該カウントアップだけでなく、そのアクセス日時などを属性情報DBに格納するようにしてもよい。
【0035】
図5は、乗客端末141からメール送信する際の操作手順を表したフローチャート図の例である。
【0036】
図2の202で説明したように、列車の乗客が乗客端末141からWebサーバ101にアクセスして、車両ごとのWebページを表示したとする。
【0037】
図6は、車両ごとのWebページのデータ構成例である。図示したのは、1つの広告に対応するデータであり、一般には1つの車両内には複数種類の広告画像の広告が掲載されるので、車両ごとのWebページのデータは、図6のデータが広告画像の種類数だけ集まったものとなる。図7は車両ごとのWebページの表示例を示す。なお、図7では「この広告をメールで知人へ知らせます」以下の部分が表示されているが、Webページを最初にアクセスしたときはこの部分の代わりに「メール作成ボタン」が表示されているものとする。図6で説明したように1つの車両内に複数種類の広告画像の広告が掲載されている場合は、それらの広告画像の種類ごとに表示が繰り返される。
【0038】
図5において、乗客端末141にて車両ごとのWebページを見た乗客が、1つの広告についてメールで友人に知らせたいと考えた場合、ステップ501から502に進み、その乗客は画面上に表示されているその広告画像に対応する「メール作成ボタン」を押す。これにより、図7に示すように、そのメール作成ボタンのあった位置に、その広告をメールで知人に知らせるための入力領域が表示される。
【0039】
乗客は、ステップ503で、当該入力領域に、送信者名その他の情報を入力する。送信先アドレスには、その広告を知らせたい知人のメールアドレスを入力する。その後、「メールを送信する」ボタンを押すと(ステップ504)、メール内容の確認画面が表示され(ステップ505)、メールを送信して良ければ(ステップ506)、メール送信ボタンを押す(ステップ507)。メール送信ボタンの押下により、乗客端末141からWebサーバ101に、前記入力領域に入力された送信者名その他の情報が送信され、Webサーバ部112は、それらの情報を元に、この広告を知人に知らせるためのメール(「広告ごとのWebページ」のURLを含むメール)を作成し、指定された送信先アドレスに送信する。キャンセルボタンを押した場合は(ステップ508)、メールの送信はキャンセルされる。その後、広告画面に戻り(ステップ509)、終了する。なお、上述したブラウザ上の動作は、例えばJava(商標)アプレットを用いる方式などで実現すればよい。
【0040】
上述のメール入力領域のコメントの欄には、乗客が広告の感想や現在乗車している列車のリアルタイムな運行情報などの任意の情報を記載できるので、例えば列車が遅れている場合にいまどこの駅を通過したなどの状況を友人に伝えることなどが可能である。また、運行情報などの列車に乗車していることに由来する情報その他の任意の情報を、自動的にメールに付加するようにしてもよい。そうすることで、広告主や鉄道会社から配信したい情報を配信できる。
【0041】
図8は、「広告ごとのWebページ」のデータ構成例である。図9は、図8のデータの表示例を示す。メールを受け取った友人は、友人端末142から、そのメールに含まれているURLにアクセスすることで図9のWebページを表示する。この広告についてさらに詳細な情報が欲しい場合は、広告詳細情報のリンクを辿ればよい。また、「広告の掲載車両を表示」ボタンを押下すると、この広告の広告IDがWebサーバ101に通知され、Webサーバ101は、その広告IDの広告が掲載されている車両の車両情報を広告情報DB121から検索し、その車両情報を表示するWebページを作成して友人端末142に返す。友人端末142でそのWebページを表示し、これにより、どの列車のどの車両に当該広告が掲載されているかが分かる。
【0042】
図10は「一般向け広告統計情報Webページ」のデータ構成例、図11は「広告主向け広告統計情報Webページ」のデータ構成例である。これらの統計情報は、Webページ生成部113が属性情報DB122のデータを集計することで生成される。なお、統計情報は図示したものに限ることなく、図4の属性情報DB122に格納した情報から取得できる統計情報であればよい。例えば、1つの広告について、路線別、列車別、車両別のランキングを取れば、その広告がどの路線のどの列車のどの車両で多く見られているかの傾向が分かる。列車の運行時間から、アクセスが多い時間帯なども分かる。広告別のメール送信総数のランキングを取れば、どのような広告が他人に知らせたい広告であるのかが分かる。広告別の送信先からのアクセス数のランキングを取れば、どのような広告が他人から知らされただけで見たくなる広告であるのかが分かる。
【0043】
上記実施形態によれば、乗客は乗車中の列車の広告情報を容易に取得でき、それを列車外にいる他者へ知らせることができる。列車外の他者は、広告などに関してより詳しい情報を得ることができる。目的の広告に関する各種の情報を含むWebページへアクセスすることも容易となる。また、広告主にとっては、アクセス数などの分析ができ、より効果的な広告作成のための情報を得ることができる。鉄道会社にとっては、利用客や広告主などへより便利なサービスを提供することができる。
【0044】
なお、上記実施形態では、「車両ごとのWebページ」には、その車両に掲載されている全ての広告に関する広告情報を含めて表示するようにしたが、乗客が注目した1つの広告の広告情報のみを「車両ごとのWebページ」で表示するようにしてもよい。そのためには、広告に掲載されたQRコードから広告と車両の両方を特定する情報(例えば広告IDを利用すればよい)を含むURLを入力し、Webサーバ101は、特定された広告に関する「車両ごとのWebページ」(「広告ごとのWebページ」と同内容でもよい)を作成して乗客端末141に返すようにすればよい。この場合、車両ごとのWebページが参照されたときの属性情報DB122の「列車番号/車両番号/アクセス数」のカウントアップは、広告IDごとにカウントアップすることができる。
【0045】
また、上記実施形態では、列車の車両内に紙媒体での広告を掲示する場合を例として説明したが、本発明は、列車の代わりにバスその他の公共交通機関に掲示する広告に適用することもできるし、紙媒体ではなくデジタルサイネージでの広告に利用することもできる。さらに、上述の「車両ごとのWebページ」に、広告情報に加えてその乗客が乗車している列車のリアルタイムな運行情報などを掲載してもよい。これにより、乗客は、車両内の広告情報のためのURLにアクセスするだけで、自分が乗車している列車の運行情報(例えば、何分遅れている、あるいは次に駅には何時に到着見込みであるなど)を知ることができる。
【符号の説明】
【0046】
101…Webサーバ、102…DBサーバ、103…ネットワーク、111…DBデータ検索・更新部、112…Webサーバ部、113…Webページ生成部、114…送受信部、121…広告情報DB、122…属性情報DB、123…送受信部、141…乗客端末、142…友人端末、143…一般の端末、144…広告主の端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公共交通機関の車両に掲載した広告に関する情報を配信する広告配信システムであって、
前記車両に乗車している乗客が持つ乗客端末により該車両に掲載されている広告に関する情報にアクセスするためのURLが入力され、該乗客端末から該URLへのリクエストが発行されたとき、前記乗客が乗車している車両に掲載された広告に関する情報を含み、かつ、当該広告に関する情報を他者に知らせるメール入力欄を含む車両ごとのWebページを、前記乗客端末に送信して表示させる手段と、
前記Webページのメール入力欄にメールアドレスが入力されメール送信が指示されたとき、前記広告に関する情報を含む広告ごとのWebページのURLを含むメールを自動生成して、前記入力されたメールアドレスへ送信する手段と、
前記メールを受信した者の友人端末から該メールに含まれるURLへのリクエストが発行されたとき、前記広告に関する情報を含む広告ごとのWebページを生成して、当該リクエスト元に送信する手段と
を備えることを特徴とする広告配信システム。
【請求項2】
公共交通機関の車両に掲載した広告に関する情報を配信する広告配信システムであって、
ネットワークに接続された乗客端末、友人端末、およびサーバを備え、
前記乗客端末は、
公共交通機関の車両に掲載されている広告に関する情報にアクセスするためのURLの入力を受け付け、該URLへのリクエストを送信する手段と、
前記リクエストに応じて前記サーバから送信される、前記乗客が乗車している車両に掲載された広告に関する情報を含み、かつ、当該広告に関する情報を他者に知らせるメール入力欄を含む車両ごとのWebページを、表示する手段と、
前記車両ごとのWebページのメール入力欄へのメールアドレスの入力およびメール送信の指示を受け付け、該メール送信の指示を前記サーバに送信する手段と
を備え、
前記サーバは、
前記乗客端末から前記車両に掲載されている広告に関する情報にアクセスするためのURLへのリクエストを受信したとき、前記乗客が乗車している車両に掲載された広告に関する情報を含み、かつ、当該広告に関する情報を他者に知らせるメール入力欄を含む車両ごとのWebページを、前記乗客端末に送信する手段と、
前記乗客端末から前記メール送信の指示を受信したとき、前記広告に関する情報を含むWebページのURLを含むメールを自動生成して、前記入力されたメールアドレスへ送信する手段と、
前記メールを受信した友人端末から該メールに含まれるURLへのリクエストを受信したとき、前記広告に関する情報を含む広告ごとのWebページを生成して、当該リクエスト元の友人端末に送信する手段と
を備え、
前記友人端末は、
前記サーバから送信されたメールを受信する手段と、
受信したメールに含まれているURLへのリクエストを送信する手段と、
該リクエストに応じて前記サーバから送信される前記広告に関する情報を含む広告ごとのWebページを、表示する手段と
を備えることを特徴とする広告配信システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の広告配信システムにおいて、
前記乗客端末から車両ごとのWebページへのアクセスがあったとき、該Webページに含まれる広告ごとに該アクセス数を集計する手段と、
前記乗客端末から広告ごとのWebページのURLを含むメール送信指示があったとき、該Webページに含まれる広告ごとに該メール送信数を集計する手段と、
前記メールを受信した友人端末から広告ごとのWebページへのアクセスがあったとき、該Webページに含まれる広告ごとに該アクセス数を集計する手段と
を、さらに備えることを特徴とする広告配信システム。
【請求項4】
請求項3に記載の広告配信システムにおいて、
端末からのリスエストに応答して、前記各集計する手段による集計結果から取得した統計情報を含む統計情報Webページを生成して送信する手段を、さらに備えることを特徴とする広告配信システム。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1つに記載の広告配信システムにおいて、
一般の端末からのリクエストに応じて、前記車両ごとのWebページ、広告ごとのWebページ、または、統計情報Webページを送信する手段を、さらに備えることを特徴とする広告配信システム。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1つに記載の広告配信システムにおいて、
広告主の端末からのリクエストに応じて、該広告主の広告に関する統計情報Webページを送信する手段を、さらに備えることを特徴とする広告配信システム。
【請求項7】
公共交通機関の車両に掲載した広告に関する情報を配信する広告配信方法であって、
サーバが、前記車両に乗車している乗客が持つ乗客端末により該車両に掲載されている広告に関する情報にアクセスするためのURLが入力され、該乗客端末から該URLへのリクエストが発行されたとき、前記乗客が乗車している車両に掲載された広告に関する情報を含み、かつ、当該広告に関する情報を他者に知らせるメール入力欄を含む車両ごとのWebページを、前記乗客端末に送信して表示させるステップと、
サーバが、前記Webページのメール入力欄にメールアドレスが入力されメール送信が指示されたとき、前記広告に関する情報を含む広告ごとのWebページのURLを含むメールを自動生成して、前記入力されたメールアドレスへ送信するステップと、
サーバが、前記メールを受信した者の友人端末から該メールに含まれるURLへのリクエストが発行されたとき、前記広告に関する情報を含む広告ごとのWebページを生成して、当該リクエスト元に送信するステップと
を備えることを特徴とする広告配信方法。
【請求項8】
公共交通機関の車両に掲載した広告に関する情報を配信する広告配信方法であって、
ネットワークに接続された乗客端末、友人端末、およびサーバを設け、
前記乗客端末が、公共交通機関の車両に掲載されている広告に関する情報にアクセスするためのURLの入力を受け付け、該URLへのリクエストを送信するステップと、
前記サーバが、前記乗客端末から前記車両に掲載されている広告に関する情報にアクセスするためのURLへのリクエストを受信したとき、前記乗客が乗車している車両に掲載された広告に関する情報を含み、かつ、当該広告に関する情報を他者に知らせるメール入力欄を含む車両ごとのWebページを、前記乗客端末に送信するステップと、
前記乗客端末が、前記サーバから送信される、前記乗客が乗車している車両に掲載された広告に関する情報を含み、かつ、当該広告に関する情報を他者に知らせるメール入力欄を含む車両ごとのWebページを、表示するステップと、
前記乗客端末が、前記車両ごとのWebページのメール入力欄へのメールアドレスの入力およびメール送信の指示を受け付け、該メール送信の指示を前記サーバに送信するステップと、
前記サーバが、前記乗客端末から前記メール送信の指示を受信したとき、前記広告に関する情報を含むWebページのURLを含むメールを自動生成して、前記入力されたメールアドレスへ送信するステップと、
前記友人端末が、前記サーバから送信されたメールを受信するステップと、
前記友人端末が、受信したメールに含まれているURLへのリクエストを送信するステップと、
前記サーバが、前記友人端末から該メールに含まれるURLへのリクエストを受信したとき、前記広告に関する情報を含む広告ごとのWebページを生成して、当該リクエスト元の友人端末に送信するステップと、
前記友人端末が、前記サーバから送信される前記広告に関する情報を含む広告ごとのWebページを、表示するステップと
を備えることを特徴とする広告配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図7】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−155032(P2012−155032A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12369(P2011−12369)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)