説明

共晶体理論による金属(銅)と非金属(硫黄)の合金(合上金属)製造方

【課題】 現在、半導体製造はいろいろな技術が知られていますが、今の主流は金属シリコンチップを使った半導体がほとんどです。しかし金属シリコンの精製、シリコンチップの作成等多くのコストがかかりますし、簡単に製造できる、いろいろな性質の半導体の開発が必要です。
【解決手段】 今回の発明は非金属である硫黄と金属である銅、及びその他の金属との共晶合金(合上金属)を生成する事により、半導体の製造に新たな方法を提供出来ると考えられます。母体金属の組成を変える事により、共晶合金(合上金属)の半導体としての性質も簡単に変える事が可能です。また熱による溶解が出来ますので、成型が自由に出来ます。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属と非金属を結合、合金(合上金属)を作成する技術です。
【背景技術】
【0002】
当社はかねてから共晶体理論(溶解された複数の金属は、ある環境条件の下では金属と金属は一定の割合で結合している)を用いて多くの金属精錬方法を確立して来ました。ちなみに錫と鉛の63%37%配合の合金を共晶はんだと言い、同じ合金組成%の中で一番低融点であり、もっとも安定している状態です。
【0003】
以前より当社で使っている、非金属である硫黄が銅と結びつく技術が、非金属である硫黄が銅と結びついて、共晶体理論の合金(合上金属)となって居る可能性を考え、高温で溶解して観たところ、銅と硫黄の共晶体が生成され,他の金属と分離、結晶しました。
【0004】
本来、合金とは金属と金属とで作成される物ですが、本技術を用いれば、金属と非金属である(硫黄)との合金(合上金属)製造が可能です。
【0005】
銅は電気を通す良導体ですが、硫黄は電気を通さない不導体です。銅と硫黄が合金(合上体)となれば当然半導体となります。外見も破砕断面などは金属シリコンの結晶状態と非常に良く似ています。比重も銅と硫黄の合金(合上金属)ですから、ごく軽い物です。
【0006】
硫黄は可燃物であり、高温では燃焼しますが、硫黄と銅の合金(合上金属)は赤熱程度では、硫黄分は分離燃焼しません。なぜなら合金(合上金属)となり、硫黄の物理的性質が変化し、新しい未知合金(合上金属)と成っているので、その物性も変わってしまったのです。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、金属と非金属により合金(合上金属)は簡単に出来ないと考えられておりました。また、金属シリコンより半導体チップを作るのは、成型等手間とお金のかかる事でした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
当理論及びこの発明を用いれば、簡単に金属と非金属の合金(合上金属)が作成出来ます。また合金(合上金属)ですので、鋳型に流し込めば、どんな形状にもなりますし、形状が自由に出来れば、又その加工も簡単にできます。あわせて半導体としての利用を考えるなら、半導体製造における、半導体製造コストも大幅に削減する事が出来ます。
【発明の効果】
共晶体理論により、新合金の作成が可能であり、本発明に習い、金属と非金属の合金(合上金属)が作成出来る事により、多くの新物質の生成が可能になりますし、とくに半導体の開発には、有用であると考えられます。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
銅と硫黄の共晶体を作る為の溶解釜を用意する。
【0010】
共晶体合金(合上金属)と不純分を溶解分離するための反射炉等高温炉を準備。
【実施例1】
【0011】
一定量以上の銅を含む、錫、鉛又はこれらにより作られる、接着用はんだ材料等を融点より少し高い温度環境下において、攪拌しながら硫黄を少しずつ加え、攪拌を続けると、顆粒状の銅と硫黄の共晶体が析出するが、酸化物等の不純分を多く含む。
【実施例2】
【0012】
反射炉等で赤熱溶解すると、過剰な硫黄分は燃え、また金属分も溶解分離する。
【実施例3】
【0013】
これらを鋳型に流し込み、冷却すると凝固する。
【実施例4】
【0014】
金属分と銅、硫黄の共晶体合金(合上金属)は比重の違いと融点の違いにより、分離凝固しているので、分離の境目に衝撃を加え、金属分と硫黄、銅等の合金(合上金属)を分ける。
【実施例5】
【0015】
得られた金属と硫黄の合金(合上金属)を再溶解すれば純粋な金属と硫黄の合金(合上金属)が得られるが、硫黄は銅のみと合金(合上金属)と成る訳では無い。他の金属とも共晶合金(合上金属)となるので、母体合金により、その組成は変わる。従って母体金属組成を変える事により、硫黄一銅、その他金属との共晶体合金(合上金属)が出来て、その物理的性質も変わるので、多様な性質を持つ共晶合金(合上金属)の製造が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0016】
共晶体理論を利用した、新しい合金(合上金属)の製造。
【0017】
本発明である硫黄といろいろな金属、およびその複合体を開発する事により、新たな有用半導体の製造。
【0018】
共晶体理論を使っての新たな、有用新物質の開発。特に半導体開発。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非金属である硫黄と金属である銅およびその他金属との合金(合上金属)の製造方法。
【請求項2】
電気の良導体である銅およびその他金属と非金属である硫黄との合金(合上金属)の半導体としての製造利用。
【請求項3】
共晶体理論による金属と金属の新たな合金開発。
【請求項4】
共晶体理論による非金属と金属の合金(合上金属)開発、とくに半導体としての共晶合金(合上金属)の開発。

【公開番号】特開2006−9135(P2006−9135A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209223(P2004−209223)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(501485032)株式会社白金 (2)