説明

共重合ポリエステル

【課題】透明性及び色調に優れ、かつ成形品として十分な機械的特性を得るのに必要な固有粘度を有する共重合ポリエステルを提供する。
【解決手段】テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を主たる酸成分とし、グリコール成分としてエチレングリコール、ネオペンチルグリコールを主成分としてなる共重合ポリエステルであって、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物及びリン化合物を含有し、固有粘度が0.60〜1.0dl/g、カラーL値が50〜60、カラーb値が−5.0〜5.0であることを特徴とする共重合ポリエステル。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は共重合ポリエステルに関し、詳しくは、テレフタル酸と、エチレングリコール及びネオペンチルグリコールを出発原料とし、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物及びリン化合物を含有する、透明性、色調及び生産性に優れた共重合ポリエステルに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル、とりわけ、テレフタル酸とエチレングリコールを原料として製造されるポリエチレンテレフタレート(PET)は、化学的、物理的性質に優れていることから、容器、フィルム、シート、繊維等の用途に広範囲に使用されている。
【0003】
近年、かかるポリエチレンテレフタレート(PET)製造時に、ネオペンチルグリコール(NPG)を共重合させたポリエステル(以下、共重合ポリエステルと略す場合がある)が透明性、耐衝撃性、成形性、耐熱性等に優れることで注目され、各種用途、特にフィルム、シート、エンジニアリングプラスチック用の原料ポリマーとして用いられてきている。
【0004】
従来、上記共重合ポリエステルを製造する際、重合触媒としてPETと同様に、価格面から一般的にアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物やチタン化合物が用いられる。しかしながら、単にPETの製造条件を適用しただけでは重合活性が十分に得られず、成形品として十分な機械的特性を得るのに必要な固有粘度に到達することができなかったり、ポリマーの色調に劣ったりするなどの問題があった。
【0005】
例えば、重合触媒としてアンチモン化合物を単独またはリン系熱安定剤と併用して使用した場合、アンチモン化合物の一部がアンチモン金属に還元されるため、上記共重合ポリエステルが黒ずんで見えるというアンチモン触媒特有の現象が見られる。そのため、クリアな透明性が得られないという問題がある。また、アンチモン化合物の使用量を減らすことで、黒ずみを低減することができるが、成形品として十分な機械的性質を得るのに必要な固有粘度に到達することができないという問題がある。
【0006】
すなわち、重合触媒としてアンチモン化合物を用いて上記共重合ポリエステルを製造しても、得られた共重合ポリエステルのカラーL値を50以上かつ固有粘度を0.6dl/g以上とすることは困難であった。さらに、成形板に成形した際の成形板(厚み5mm)のヘイズ値を5%以下とすることも困難であった。
【0007】
また、前記共重合ポリエステルの重合触媒としてチタン化合物を使用した場合、得られた共重合ポリエステルにチタン触媒特有の黄色味が強く見られることは周知である。このチタン触媒に起因する共重合ポリエステルの黄色味を減少させるために、共重合ポリエステルの重合時あるいは重合後に、コバルト化合物や有機トナー等を共重合ポリエステルに含有させることが開示されている(例えば、特許文献1)。
【0008】
【特許文献1】
特表2000−504770号公報
【0009】
しかしながら、コバルト化合物及び有機トナーを前記共重合ポリエステルに含有させるだけでは、アンチモン触媒と同様に、得られた共重合ポリエステルが黒ずむという現象が見られたり、重合活性が十分に得られなかったり、成形品として十分な機械的特性を得るのに必要な固有粘度に到達しない場合がある。
【0010】
また、前記共重合ポリエステルの重合触媒としてゲルマニウム触媒を使用した場合、PETでは該触媒単独またはリン化合物との併用でも十分な重合活性を得ることができても、ネオペンチルグリコールを含む共重合ポリエステルでは、十分な重合活性を得ることができない。そのため、成形品として十分な機械的特性を得るのに必要な固有粘度に到達しない場合がある。
【0011】
このように、上記共重合ポリエステルは透明性が高いという優れた特徴を有するものの、上記のように単にアンチモン触媒、チタン触媒あるいはゲルマニウム触媒を用いただけでは、色調や重合活性の点で満足のいくものが得られていなかった。
【0012】
そのため、上記共重合ポリエステルの色調を改善し、より明るく、クリアーな透明性を増し、かつ成形品として十分な機械的特性を得るのに必要な固有粘度を有する共重合ポリエステルが強く要望されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の従来の問題点を解消し、透明性及び色調に優れ、かつ成形品として十分な機械的特性を得るのに必要な固有粘度を有する共重合ポリエステルを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、テレフタル酸、エチレングリコール及びネオペンチルグリコールを主たる構成成分とする共重合ポリエステルの製造時に、重合触媒としてアンチモン化合物及びゲルマニウム化合物を用い、添加剤としてリン化合物を特定量含有させることにより、透明性が高く、色調に優れ、かつ十分な重合活性を持つ共重合ポリエステルを得られることを見出したものである。
【0015】
すなわち、本発明の共重合ポリエステルは、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を主たる酸成分とし、グリコール成分としてエチレングリコール、ネオペンチルグリコールを主成分としてなる共重合ポリエステルであって、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物及びリン化合物を含有し、固有粘度が0.60〜1.0dl/g、カラーL値が50〜60、カラーb値が−5.0〜5.0であることを特徴とする。
【0016】
なお、カラーL値とは色調において明度を示す尺度であり、数値が高いほど黒ずみが少なく明度が高いことを意味する。また、カラーb値は黄色味を示す尺度であり、数値が高いほど黄色味が強く、マイナスに数値が高くなるほど青味が強くなる。
【0017】
前記共重合ポリエステルはカラーL値が50〜60で、かつカラーb値が−5.0〜5.0であることが重要である。カラーb値の下限は、共重合ポリエステルの青味の点から、−4.0が好ましく、−3.0がより好ましく、特に好ましくは−2.5である。一方、共重合ポリエステルの黄色味の点から、カラーb値の上限は4.0が好ましく、3.0がより好ましく、特に好ましくは2.5である。カラーb値が5.0を超えると、共重合ポリエステルの黄色味が強くなり色調の点で好ましくない。一方、カラーb値が−5.0よりも負の方に数値が大きくなると、共重合ポリエステルの青味が目立つようになり、用途によっては使用できない場合がある。
【0018】
また、カラーL値が50未満では共重合ポリエステルに黒ずみが目立ちやすく、成形品とした場合にクリアーな透明性を得ることができない。一方、カラーb値が−5.0〜5.0の範囲で、カラーL値が60を超えても色調の点で劣ることはない。しかしながら、工業的規模でカラーL値が60を超えるようにすることは技術的難度が高いわりに、成形品とした際の色調改善の程度が小さくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の共重合ポリエステルは、主たるジカルボン酸成分がテレフタル酸からなるが、全ジカルボン酸成分に対するテレフタル酸成分の組成比は70モル%以上が好ましく、さらに好ましくは85モル%以上、特に好ましくは95モル%以上、最も好ましくは100モル%である。
【0020】
テレフタル酸とともに使用できる他のジカルボン酸成分としては、(1)イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ−ル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、(2)アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸等の脂肪族ジカルボン酸、(3)1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、などが挙げられる。
【0021】
また、本発明の共重合ポリエステルは、ジカルボン酸成分以外の酸成分がさらに共重合されていてもよく、かかる酸成分としては、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸等が挙げられる。なお、本発明において、ジカルボン酸成分およびジカルボン酸成分以外の酸成分は、重合される前の原料段階での、例えば、炭素数1〜4程度のアルキルエステル等のエステル形成性誘導体も含まれる。
【0022】
本発明の共重合ポリエステルにおけるグリコール成分は、エチレングリコール(EG)とネオペンチルグリコール(NPG)とを主たる構成成分とする。全グリコール成分に対する前記グリコール成分の組成比は、EG/NPG=99/1〜60/40(モル%)であることが好ましい。EGの組成比の下限値は、65モル%であることがさらに好ましく、特に好ましくは65モル%である。一方、EGの組成比の上限値は、95モル%がさらに好ましく、特に好ましくは85モル%である。
【0023】
また、全グリコール成分に対するNPGの組成比の下限値は、5モル%がさらに好ましく、特に好ましくは15モル%である。一方、NPGの組成比の上限値は、35モル%がさらに好ましく、特に好ましくは25モル%である。
【0024】
NPGの組成比が1モル%未満では、ポリエステルの結晶化度が大きくなり、透明性が悪化しやすくなる。そのため、成形品とした際のヘイズ値が高くなる傾向がある。一方、NPGの組成比が40モル%を越えると、重合度が上がりにくくなり、所定の固有粘度に到達するまでに著しく時間を要する。そのため、その間の熱履歴により色調が悪化しやすくなる。また、NPGの組成比が高すぎると、所定の固有粘度に到達しない場合もある。
【0025】
本発明の共重合ポリエステルは、全グリコール成分がEGとNPGとで構成されるのが好ましいが、本発明の目的とする透明性及び色調等を阻害しない範囲で、ポリエステルに他の機能を付与ないし特性を改良するために、EGとNPG以外の他のグリコール成分を使用してもよい。
【0026】
他のグリコール成分としては、(1)トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングルコール等の脂肪族グリコール類、(2)1,3−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール類、(3)p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール等の芳香族グリコール類等が挙げられる。これらの中でも、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好適である。また、これらのグリコール成分は、いずれかを単独で使用しても2種以上を任意の割合で組み合わせて使用してもよい。
【0027】
本発明の共重合ポリエステルは、アンチモン化合物及びゲルマニウム化合物を重合触媒として用いて得た、主たる繰り返し単位がテレフタル酸とエチレングリコールからなるエステル及びテレフタル酸とネオペンチルグリコールのエステルからなる前記共重合ポリエステルの製造時に、リン化合物を含有させることにより、透明性及び重合活性を維持しながら優れた色調(樹脂の黒ずみや黄色味が少なく、明るさがより高い)が得られることが最大の特徴である。
【0028】
本発明では、触媒としてアンチモン化合物及びゲルマニウム化合物を用い、十分な重合活性を維持し、かつ共重合ポリエステルのカラーL値を50〜60、カラーb値を−5.0〜5.0とするために、添加剤としてリン化合物を共重合ポリエステルに対して特定量含有させることが必要である。
【0029】
前記アンチモン化合物及びゲルマニウム化合物は、共重合ポリエステルに対して、下記式(1)を満足することが、重合活性と熱安定性の点から好ましい。下記式(1)の下限値は、重合活性の点から40であることがさらに好ましく、特に好ましくは45である。一方、下記式(1)の上限値は、熱安定性の点から90であることがさらに好ましく、特に好ましくは80である。
30≦(Sb/3.90+Ge/1.67)≦100 …(1)
【0030】
上式(1)で、Sbはアンチモン金属、Geはゲルマニウム金属の共重合ポリエステルに対する含有量(ppm)を示す。
【0031】
なお、前記(1)式は、Sb触媒とGe触媒の併用系における、熱安定性と重合活性の実験データから誘導したものであり、前記(1)式におけるSb触媒の含有量の係数(3.90の逆数)とGe触媒の含有量の係数(1.67の逆数)は、Sb触媒とGe触媒の重合活性の差異に由来する。すなわち、Ge触媒の方がSb触媒よりも重合活性が高く、触媒含有量の影響が大きいことを意味する。
【0032】
上記式(1)における(Sb/3.90+Ge/1.67)の値が30未満では、共重合ポリエステル製造時の重合活性が不十分となりやすい。そのため、重合度が十分に高くない状態(例えば、固有粘度が0.60dl/g未満)の共重合ポリエステルから、フィルム、シート、エンジニアリングプラスチックなどの成形品を製造する場合、得られる成形品の機械的特性が低下する場合がある。あるいは、共重合ポリエステルの固有粘度を特定の範囲(例えば、固有粘度が0.60〜0.90dl/g)に到達させるまでの重合時間が長くなり、生産性が著しく低下する場合がある。
【0033】
一方、上記式(1)における(Sb/3.90+Ge/1.67)の値が100を超えると、共重合ポリエステルを成形した際に、共重合ポリエステルの熱分解が激しくなり、安定した成形を行うことが困難となり、成形品の品質が低下してしまう。
【0034】
前記アンチモン化合物の含有量は、共重合ポリエステルに対してアンチモン金属が50から200ppmの範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは70から150ppm、特に好ましくは80〜120ppmの範囲である。
【0035】
上記アンチモン金属の含有量が200ppmを越えると、アンチモン金属の還元色により得られた共重合ポリエステルが黒ずんだり、共重合ポリエステルを成形した際に成形品の透明性が悪化したりする。すなわちカラーL値が50未満となったり、共重合ポリエステルを段付成形板にした際、厚み5mmにおけるヘイズ値が5%を越えてしまい商品価値の低下してしまったりしてしまう。
【0036】
重合触媒として好適なアンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモングリコキサイド等が挙げられる。これらの中でも、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモングリコキサイドが好適であり、三酸化アンチモンが特に好適である。
【0037】
また、重合触媒として好適なゲルマニウム化合物としては、結晶性二酸化ゲルマニウム、非晶性二酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラn−ブトキシド等が挙げられる。これらの中でも、結晶性二酸化ゲルマニウム、非晶性二酸化ゲルマニウムが好適であり、非晶性二酸化ゲルマニウムが特に好適である。
【0038】
本発明では、色調を改善するために、共重合ポリエステルに対し、特定量のリン化合物を含有させることが必要である。
【0039】
前記リン化合物としては、例えば、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸およびそれらの誘導体等が挙げられる。好適な具体例としては、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸モノブチル、リン酸ジブチル、亜リン酸、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリブチル、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、エチルホスホン酸ジメチル、フェニールホスホン酸ジメチル、フェニールホスホン酸ジエチル、フェニールホスホン酸ジフェニールが挙げられる。なかでも、リン酸トリメチル、リン酸が特に好適である。
【0040】
共重合ポリエステルの色調改善の点から、リン化合物は次のように作用しているのと推察される。
【0041】
リンを中心元素とする酸素酸は、リン原子のまわりにOH及びHが合計4個配位した四面体形の構造を有する。オルトリン酸が縮合すると、ポリリン酸、メタリン酸などの縮合リン酸を生じる。これらの縮合リン酸は金属イオンに配位しやすい性質を有している。したがって、ポリエステルの重合反応系内で、リン化合物とフリーの金属イオン(本願発明では、ゲルマニウム、アンチモン、コバルトなどのイオン)が存在すると、リン化合物は金属イオンと優先的に反応する。
【0042】
ゲルマニウム化合物をリン化合物と特定のモル比(質量比)で反応させることにより、ゲルマニウム化合物は安定化し、触媒活性を維持しながらカラーb値を小さくすることが可能となる。この際、リン化合物が過剰に存在すると、それがアンチモン化合物と反応し、例えば、リン化合物がリン酸塩の場合にはリン酸アンチモンを形成する。その結果、アンチモン元素が還元されカラーL値が低下する。
【0043】
また、コバルト化合物だけではポリエステルに青味をつけることはできないが、リン化合物を併用することにより、ポリエステルに青味を付けることができ、カラーb値を小さくすることが可能となる。この際に、リン化合物が過剰に存在すると、ポリエステル自身の耐熱性が悪化するためカラーb値が上昇する。一方、リン化合物が少量であると、コバルト化合物と反応しないため、ポリエステルに青味を付けることができなくなる。また、フリーのゲルマニウム化合物が増加するため、カラーb値が上昇する。
【0044】
具体的には、リン化合物のリン金属としての含有量は、ゲルマニウムのゲルマニウム金属としての含有量に対して下記(2)式の範囲で含有することが、共重合ポリエステルの色調や熱安定性を改善する上で好ましい。下記式(2)の下限値は、0.5であることが生産性の面からさらに好ましく、特に好ましくは0.8である。
0.2≦Ge/P≦2.0・・・(2)
【0045】
上式で、Geはゲルマニウム金属、Pはリン金属の共重合ポリエステルに対する含有量(ppm)を示す。
【0046】
一方上記式(2)における上限値は、1.5であることが色調の面からさらに好ましく、特に好ましくは1.2である。
【0047】
上記式(2)のリン金属とゲルマニウム金属の比が、0.2未満ではフリーのリン化合物がアンチモン化合物と反応し、アンチモン金属の還元が強まるため共重合ポリエステルのカラーL値が50未満となったり、共重合ポリエステルを段付成形板にした際の5mmヘイズ値が5%を越えたりし、商品価値の低下を招いてしまう。
【0048】
一方、上記式(2)のリン金属とゲルマニウム金属の比が2.0を越えると、共重合ポリエステルの黄色味が強まるため、カラーb値が5以上となり商品価値が低下する。
【0049】
本発明においては、共重合ポリエステルのカラーb値を小さくするために、コバルト化合物を添加することが好ましい。コバルト化合物はコバルト金属として共重合ポリエステルに対して、1〜30ppm含有させることが好ましく、さらに好ましくは1〜20ppm、特に好ましくは1〜15ppmの範囲である。
【0050】
前記コバルト金属の含有量が30ppmを越えるとコバルト金属の還元により共重合ポリエステルが黒ずんだり、青味が強くなったりし、カラーL値が50未満となったり、カラーb値が−5未満となったりし、商品価値が低下する。
【0051】
前記コバルト化合物としては、酢酸コバルト、塩化コバルト、安息香酸コバルト、クロム酸コバルト等が挙げられる。なかでも、酢酸コバルトが好ましい。
【0052】
例えば、本発明の共重合ポリエステルを直接エステル化法により製造する場合、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、コバルト化合物は、エステル化反応開始前、あるいはエステル化反応終了時から初期重合反応開始前の任意の時点で系内に添加することができるが、アンチモン化合物はエステル化反応開始前に添加することが好ましい。
【0053】
また、リン化合物はエステル化反応終了時から初期重縮合反応開始前の任意の時点で系内に添加することが好ましい。これは、リン化合物をエステル化反応開始前に系内に添加すると、共重合ポリエステル製造時に副生成物が増加しやすくなるためである。
【0054】
本発明の共重合ポリエステルは、固有粘度(IV)が0.60〜1.0dl/gであることが好ましい。固有粘度の下限値は0.65dl/gであることがさらに好ましく、特に好ましくは0.70dl/gである。固有粘度が0.60dl/g未満では、成形品の機械的特性が低下する傾向がある。
【0055】
一方、固有粘度の上限値は0.85dl/gであることがさらに好ましく、特に好ましくは0.80dl/gである。固有粘度が1.0dl/gを越えると、成形機等による溶融時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなる傾向があるため、保香性に影響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加し、成形体が黄色に着色する等の問題が起こりやすくなる。
【0056】
本発明の共重合ポリエステルを段付成形板に成形した際、厚さ5mmにおけるヘイズ値は5%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。ヘイズ値が5%を越えると、成形品の透明性が悪化し、透明性の要求が厳しい用途では使用できない場合がある。
【0057】
本発明の共重合ポリエステルは、例えば、重合触媒としてアンチモン化合物及びゲルマニウム化合物を用い、テレフタル酸、エチレングリコール及びネオペンチルグリコールを主とする原料モノマーを直接反応させて水を留去してエステル化した後、減圧下で溶融重縮合を行う直接エステル化法により製造することができる。
【0058】
本発明の共重合ポリエステルは、テレフタル酸ジメチル、エチレングリコール及びネオペンチルグリコールを主とする原料モノマーをエステル交換法によってメタノールを留去しても製造することができる。その時のエステル交換触媒としては、亜鉛化合物、マンガン化合物、またはチタン化合物を使用することが好ましい。
【0059】
上記の重合反応は、回分式反応装置(回分式重合法)で行ってもよいし、連続式反応装置(連続式重合法)行ってもよい。例えば、連続式反応装置(連続式重合法)で前記共重合ポリエステルを20ton製造した場合、固有粘度(重合度の指標)の変動幅(最大値−最小値)を0.050dl/g以下、好ましくは0.025dl/g以下に抑制することができる。
【0060】
連続式反応装置(連続式重合法)において、エステル化反応及び溶融重縮合反応は、それぞれ、1段階で行ってもよいが、複数の段階に分けて行うのが好ましい。エステル化反応を複数の段階に分けて行う場合、反応缶数は2缶〜3缶が好ましい。また、溶融重縮合を複数の段階に分けて行う場合、反応缶数は3缶〜7缶が好ましい。
【0061】
本発明の共重合ポリエステルを連続式重合法で製造する場合、エステル化反応温度は通常240〜270℃であり、好ましくは250〜265℃である。また、反応缶内の圧力は通常0.20MPa以下、好ましくは0.01〜0.05MPaである。また、重縮合反応の温度は通常265〜285℃であり、好ましくは270〜280℃であり、反応缶内の圧力は通常1.5hPa以下、好ましくは0.5hPa以下である。エステル化反応の反応時間は5時間以下が好ましく、特に好ましくは2〜3.5時間である。また、重縮合反応の反応時間は3時間以下が好ましく、特に好ましくは1〜2時間である。
【0062】
一方、回分式反応装置(回分式重合法)で製造する場合、生成した重合体を重合反応缶から抜き出す際、重合反応缶の缶内圧力を0.1〜300hPa、好ましくは5〜50hPaに保持しながら重合反応缶から重合体を抜き出すようにする。これにより、抜き出し過程で重合体(共重合ポリエステル)の固有粘度(重合度)が変動するのを抑制することができる。
【0063】
例えば、回分式反応装置(回分式重合法)で前記共重合ポリエステルを上記方法で700kg製造し、抜き出し時間を30分とした場合、固有粘度(IV)の変動幅(最大値−最小値)を0.050dl/g以下、好ましくは0.025dl/g以下に抑制することができる。従来からの一般的な回分式反応装置(回分式重合法)で前記共重合ポリエステルを製造した場合、重合反応缶からの重合体の抜き出しは、窒素ガス等により重合反応缶内を加圧状態として抜出しているが、かかる従来方法では、重合体(共重合ポリエステル)の固有粘度(IV)の変動幅(最大値−最小値)は0.1dl/g以上となってしまう。
【0064】
なお、かかる本発明の缶内圧力を減圧状態に保持した重合反応缶内から重合体を抜き出す方法を実施する場合、重合反応缶の抜き出し口にギアポンプ等の手段を取り付けて行うのが好ましい。ギアポンプ手段を取り付けないと、減圧状態の反応缶内から、効率良く重合体を抜き出すことが困難となる。
【0065】
本発明の共重合ポリエステルを回分式重合法で製造する場合、エステル化反応温度は通常220〜250℃であり、好ましくは230〜245℃である。また、反応缶内の圧力は通常0.20〜0.40MPa、好ましくは0.25〜0.30MPaである。また、重縮合反応は1段階で行っても、複数段階に分けて行ってもよい。1段階で行う場合は、漸次減圧および昇温を行い、最終的な温度を260〜280℃、好ましくは265〜275℃、の範囲とし、最終的な圧力を、通常3hPa以下、好ましくは0.5hPa以下とする。エステル化反応の反応時間は4時間以下が好ましく、特に好ましくは2〜3時間である。また、重縮合反応の反応時間は5時間以下が好ましく、特に好ましくは1〜3時間である。
【0066】
本発明の共重合ポリエステルは回分式重合法で製造する場合、エステル交換反応によっても製造できるが、反応条件はエステル化反応とほぼ同一条件下で製造できる。
【0067】
上記の連続式重合法または回分式重合法で得られた前記共重合ポリエステルは、通常、反応缶の底部に設けた抜き出し口よりストランド状に抜き出し、水冷後、チップ状にカットする。
【0068】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。なお、共重合ポリエステルの特性は以下の方法にしたがって測定した。
【0069】
(1)固有粘度(IV)
チップサンプル0.1gを精秤し、25mlのフェノール/テトラクロロエタン=3/2(質量比)の混合溶媒に溶解し、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定した。
【0070】
(2)共重合ポリエステルの組成比
サンプル約5mgを重クロロホルムとトリフルオロ酢酸の混合溶液(9/1;体積比)0.7mlに溶解し、H−NMR(varian製、UNITY50)を使用して求めた。
【0071】
(3)色調
カラーメーター(日本電色社製、Model 1001DP)を使用し、カラーL値及びカラーb値を測定した。
【0072】
(4)ヘイズ
射出成形機(名機製作所製、M−150C−DM)を使用して、280℃で共重合ポリエステルを溶融させ、金型温度15℃で厚さ2〜11mmの段付成形板を成形し、厚さ5mmの部位をヘイズメーター(日本電色社製、Model NDH2000)にてヘイズ(%)を測定した。
【0073】
(5)元素分析
以下に示す方法で元素分析を行った。
【0074】
(a)Sbの分析
試料1gを硫酸/過酸化水素水の混合液で湿式分解させた。次いで、亜硝酸ナトリウムを加えてSb原子をSb5+とし、ブリリアングリーンを添加してSbとの青色錯体を生成させた。この錯体をトルエンで抽出後、吸光光度計(島津製作所製、UV−150−02)を用いて、波長625nmにおける吸光度を測定し、Sbの比色定量を行った。
【0075】
(b)Geの分析
試料2gを白金ルツボにて灰化分解させ、さらに10質量%の炭酸水素ナトリウム溶液5mlを加えて蒸発させ、次いで塩酸を加えて蒸発乾固させた。電気炉にて400℃から950℃まで昇温させ、30分放置して残渣を融解させた。融解物を水10mlに加温溶解させ、ゲルマニウム蒸留装置に移した。なお、白金ルツボ内を7.5mlのイオン交換水で2回水洗し、この水洗液もゲルマニウム蒸留装置に移した。次いで、塩酸35mlを加え、蒸留して留出液25mlを得た。その留出液中から適当量を分取し、最終濃度が1.0〜1.5mol/Lとなるように塩酸を加えた。さらに、0.25質量%のポリビニルアルコール溶液2.5ml及び0.04質量%のフェニルフルオレン(2,3,7−トリヒドロキシ−9−フェニル−6−フルオレン)溶液5mlを添加し、イオン交換水にて25mlとした。生成したGeとの黄色錯体を吸光光度計(島津製作所製、UV−150−02)により波長505nmにおける吸光度を測定し、Geの比色定量を行った。
【0076】
(c)Coの分析
試料1gを白金ルツボにて灰化分解し、6モル/L塩酸を加えて蒸発乾固させた。これを1.2モル/Lの塩酸で溶解し、ICP発光分析装置(島津製作所製、ICPS−2000)を用いて発光強度を測定した。予め作成した検量線から、試料中のCoを定量した。
【0077】
(d)Pの分析
試料1gを、炭酸ナトリウム共存下で乾式灰化分解させる方法、あるいは硫酸/硝酸/過塩素酸の混合液または硫酸/過酸化水素水の混合液で湿式分解させる方法によってリン化合物を正リン酸とした。次いで、1mol/Lの硫酸溶液中においてモリブデン酸塩を反応させてリンモリブデン酸とし、これを硫酸ヒドラジンで還元して生成したヘテロポリ青を吸光光度計(島津製作所製、UV−150−02)により波長830nmにおける吸光度を測定し、Pの比色定量を行った。
【0078】
(e)Tiの分析
試料1gを白金ルツボにて灰化分解し、硫酸と硫酸水素カリウムを加え、加熱溶融させた。この溶融物を2モル/L硫酸に溶解させた後、過酸化水素水を添加し、吸光光度計(島津製作所製、UV−150−02)により波長420nmにおける吸光度を測定した。予め作成した検量線から、試料中のTiを比色定量した。
【0079】
実施例1
連続式の重合設備を使用した。
予め反応物を含有している第1エステル化反応缶に、ジカルボン酸成分として高純度テレフタル酸(TPA)を100モル%、グリコール成分としてエチレングリコール(EG)を83モル%及びネオペンチルグリコール(NPG)を17モル%、ジカルボン酸成分に対する全グリコール成分のモル比を2.0としたスラリーを、生成ポリマーとして1ton/hの生産量となるように連続的に供給した。
【0080】
さらに、三酸化アンチモンを12g/Lのエチレングリコール溶液として、生成ポリマーに対してアンチモン金属として135ppm含有するように、結晶性二酸化ゲルマニウムを0.8g/Lの水溶液として、生成ポリマーに対してゲルマニウム金属として20ppm含有するように、第1エステル化反応缶に連続的に供給し、缶内圧力0.05MPaで攪拌下、約250℃で平均滞留時間として約4時間反応を行った。
【0081】
この反応物を第2エステル化反応缶に移送し、リン酸トリメチルを65g/Lのエチレングリコール溶液として、生成ポリマーに対してリン金属として30ppm含有するように第2エステル反応缶に連続的に供給し、缶内圧力0.05MPaで攪拌下、約260℃で平均滞留時間として約2時間反応を行い、オリゴマーを得た。
【0082】
このオリゴマーを連続的に第1重縮合反応缶に供給し、攪拌下、約265℃、35hPaで約1時間、次いで第2重縮合反応缶で攪拌下、約270℃、5hPaで約1時間、さらに最終重縮合反応缶で攪拌下、約280℃、0.5〜1.5hPaで約1時間重縮合させた。
【0083】
得られた共重合ポリエステルの組成は、TPA//EG/NPG/DEG(副生成物)=100//69/30/1(モル%)であった。また、共重合ポリエステル中の触媒及び添加物由来の金属含有量は、Sb/Ge/P=135/20/30(ppm)であり、(Sb/3.90+Ge/1.67)は47、Ge/Pは0.7であった。さらに、カラーL値は55、カラーb値は2.0であり、色調は良好であった。
【0084】
得られた共重合ポリエステルを段付成形板で成形した際、厚さ5mmにおける成形板のヘイズは3.4%と非常に透明性に優れていた。得られた共重合ポリエステルの組成を表1に、物性を表2にまとめた。
【0085】
実施例2
攪拌機及び留出コンデンサーを有する、容積10Lのエステル化反応槽に、テレフタル酸(TPA)2414質量部、エチレングリコール(EG)1497質量部、ネオペンチルグリコール(NPG)515質量部を投入し、触媒として三酸化アンチモンを12g/Lのエチレングリコール溶液として、生成ポリマーに対してアンチモン金属として180ppm含有するように、結晶性二酸化ゲルマニウムを0.8g/Lの水溶液として、生成ポリマーに対してゲルマニウム金属として15ppm含有するように、酢酸コバルト2水和物を50g/Lのエチレングリコール溶液として、生成ポリマーに対してコバルト金属として20ppm含有するように添加した。
【0086】
その後、反応系内を最終的に240℃となるまで除々に昇温し、圧力0.25MPaでエステル化反応を180分間行った。反応系内からの留出水が出なくなるのを確認した後、反応系内を常圧に戻し、リン酸トリメチルを130g/Lのエチレングリコール溶液として生成ポリマーに対してリン原子として30ppm含有するように添加した。
【0087】
得られたオリゴマーを重縮合反応槽に移送し、除々に昇温しながら減圧し最終的に温度が280℃で、圧力が0.2hPaになるようにした。固有粘度に対応する攪拌翼のトルク値が所望の数値となるまで反応させ、重縮合反応を終了した。反応時間は85分であった。得られた溶融ポリエステル樹脂を重合槽下部の抜き出し口からストランド状に抜き出し、水槽で冷却した後チップ状に切断した。得られた共重合ポリエステルの組成を表1に、物性を表2にまとめた。
【0088】
実施例3〜8、比較例2〜8
実施例2において、アンチモン金属、ゲルマニウム金属、コバルト金属、リン金属の含有量、共重合ポリエステルの組成比のうち少なくとも1種変更した以外は全て実施例2と同様に実験した。
【0089】
比較例1
実施例2において、触媒としてチタニウムテトラブトキシドを250g/Lのn−ブタノール溶液として生成ポリマーに対して、チタン原子として5ppm含有させ、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、コバルト化合物、リン化合物を含有させないこと以外はすべて実施例2と同様にして共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルの組成を表1、物性を表2にまとめた。
【0090】
【表1】



【0091】
なお、表1において、TPAは全ジカルボン酸成分に対するテレフタル酸のモル比、EGは全グリコール成分に対するエチレングリコールのモル比、NPGは全グリコール成分に対するネオペンチルグリコールのモル比、DEGは全グリコール成分に対するジエチレングリコールのモル比、Sbは共重合ポリエステルに対するアンチモン原子の含有量(ppm)、Geは共重合ポリエステルに対するゲルマニム原子の含有量(ppm)、Coは共重合ポリエステルに対するコバルト原子の含有量(ppm)、Pは共重合ポリエステルに対するリン原子の含有量(ppm)、Tiは共重合ポリエステルに対するチタン原子の含有量(ppm)を意味する。
【0092】
【表2】



【0093】
【発明の効果】
本発明の共重合ポリエステルは、テレフタル酸と、エチレングリコール及びネオペンチルグリコールを主たる構成成分とする共重合ポリエステルが有する、優れた透明性、耐衝撃性、成形性、耐熱性等を維持しながら、該共重合ポリエステルの色調を改善することができる。そのため、フィルム、シート、中空成形容器、エンジニアリングプラスチック、繊維等の各種成形品用の材料として広く使用することができる。なかでも、シート、エンジニアリングプラスチックの材料として特に好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を主たる酸成分とし、グリコール成分としてエチレングリコール、ネオペンチルグリコールを主成分としてなる共重合ポリエステルであって、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物及びリン化合物を含有し、固有粘度が0.60〜1.0dl/g、カラーL値が50〜60、カラーb値が−5.0〜5.0であることを特徴とする共重合ポリエステル。
【請求項2】
前記アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物及びリン化合物は、それぞれアンチモン金属、ゲルマニウム金属、リン金属として、共重合ポリエステルに対し下記式(1)〜(3)を満足するよう含有することを特徴とする請求項1記載の共重合ポリエステル。
30≦(Sb/3.90+Ge/1.67)≦100 …(1)
0.2≦Ge/P≦2.0 …(2)
50≦Sb≦200 …(3)
上式で、Sbはアンチモン金属、Geはゲルマニウム金属、Pはリン金属の共重合ポリエステルに対する含有量(ppm)を示す。
【請求項3】
前記共重合ポリエステルは、更にコバルト化合物を、共重合ポリエステルに対してコバルト金属として1〜30ppm含有することを特徴とする請求項1または2記載の共重合ポリエステル。
【請求項4】
前記グリコール成分は、エチレングリコールを99〜60モル%、ネオペンチルグリコールを1〜40モル%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の共重合ポリエステル。
【請求項5】
前記共重合ポリエステルを段付成形板に成型した際、厚み5mmにおけるヘイズ値が5%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の共重合ポリエステル。

【公開番号】特開2004−123984(P2004−123984A)
【公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−292638(P2002−292638)
【出願日】平成14年10月4日(2002.10.4)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】