説明

内容物充填チョコレートの製造方法およびその方法で製造されたチョコレート

【課題】内容物を多量にかつ安定的に含有させることができ、従来のシェルチョコレートとは異なる新しい食感を有する内容物充填チョコレートおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】砂糖10〜50重量%、カカオマス0〜70重量%および全脂粉乳および/または脱脂粉乳0〜40重量%を含み、総量に対して30〜60重量%の脂肪分を有する第1チョコレート8を凹金型9に流し込み、凹金型9に冷却した凸金型10を嵌合させて、中空溝4を有する一定厚みのシェルチョコレート3を成形する。次いで、中空溝4内にソース6を充填し充填後、砂糖10〜50重量%、カカオマス0〜70重量%および全脂粉乳および/または脱脂粉乳0〜40重量%を含み、総量に対して30〜60重量%の脂肪分を有する第2チョコレート13を、シェルチョコレート3の外延と接合するように敷設して、シェルチョコレート3の中空溝4を閉塞するボトムチョコレート5を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物充填チョコレートおよびその製造方法、詳しくは内容物を薄いシェルチョコレートで被覆したスティック状の内容物充填チョコレートおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する先行技術として、たとえば、特許文献1に開示されたシェルチョコレートの製造法がある。
特許文献1は、センター材が液体状のまま製造することができるシェルチョコレートを製造する方法を提案するものである。(特許文献1の[0004])
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−310164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されたシェルチョコレートの製造法は、凹モールドを反転させて余分なチョコレートを落とす方法でシェルチョコレートを作るので(特許文献1の[図2]等参照)、均一な厚みのシェルチョコレートを作ることができない等の課題がある。また、シェルチョコレートに最適なチョコレートの配合割合や製造方法を提案するものではない。
【0005】
本発明は、このような背景技術の元でなされたもので、内容物を多量にかつ安定的に含有させることができる内容物充填チョコレートの製造方法およびその方法により作られるチョコレートを提供することを主たる目的とする。
また、本発明は、従来のシェルチョコレートとは異なる新しい食感を有する内容物充填チョコレートおよびその製造方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、内容物充填チョコレートを製造するための方法であって、砂糖10〜50重量%、カカオマス0〜70重量%および全脂粉乳および/または脱脂粉乳0〜40重量%を含み、かつ総量に対して30〜60重量%の脂肪分を有する第1成分からなるチョコレートを用い、当該チョコレートを溶かして凹型に収容し、その凹型に冷却した凸型を嵌合させることによって、中空部を有する断面視凹状で、一定厚みの壁のシェルチョコレートを成形する工程と、前記シェルチョコレートの前記中空部内に内容物を充填する工程と、前記内容物の充填後、砂糖10〜50重量%、カカオマス0〜70重量%および全脂粉乳および/または脱脂粉乳0〜40重量%を含み、かつ総量に対して30〜60重量%の脂肪分を有する第2成分からなるチョコレートを、前記内容物の上面を覆い、かつ前記シェルチョコレートの外延と接合するように敷設して、前記シェルチョコレートの前記中空部の開放面を閉塞するボトムチョコレートを形成する工程と、を含むことを特徴とする、内容物充填チョコレートの製造方法である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記シェルチョコレートを成形する工程は、前記第1成分のチョコレートを溶かして凹金型に流し込む工程と、前記第1成分のチョコレートが入った前記凹金型を振動させることにより、前記第1成分のチョコレートから脱気する工程と、脱気後、前記凹金型に対して、冷却された凸金型を嵌合させ、前記凹金型と前記凸金型との隙間で区画される一定厚みの壁を有する固化したシェルチョコレートを成形する工程と、成形後、前記凹金型から前記凸金型を抜き、前記凹金型からはみ出た余分な前記第1成分のチョコレートを取り除く工程とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の内容物充填チョコレートの製造方法である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記内容物充填物を充填する工程は、前記シェルチョコレートの前記中空部に液状素材を流し込む工程を含み、前記ボトムチョコレートを形成する工程に先立って、前記第1成分とは別の成分のチョコレートを、前記シェルチョコレート内に流し込んだ前記液状素材の上に満遍なく降り掛かるように噴霧する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の内容物充填チョコレートの製造方法である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記冷却された凸金型の温度は、零下10〜20℃の範囲であることを特徴とする、請求項1乃至3記載の内容物充填チョコレートの製造方法である。
請求項5に記載の発明は、中空部を画成するシェルチョコレートと、前記シェルチョコレートに接合され、前記シェルチョコレートと協働して前記中空部を閉鎖するボトムチョコレートと、前記中空部に充填された内容物とを含む内容物充填チョコレートであって、前記シェルチョコレートは、溶解したチョコレートを冷却金型で押圧して固化した一定厚みの壁で前記中空部を区画し、前記中空部の一面が開放された断面視凹状に形成されており、前記ボトムチョコレートは、前記シェルチョコレートの開放面を閉塞するように、前記シェルチョコレートの開放端縁部と隙間なく接合されており、前記シェルチョコレートおよびボトムチョコレートは、砂糖10〜50重量%、カカオマス0〜70重量%および全脂粉乳および/または脱脂粉乳0〜40重量%を含み、かつ総量に対して30〜60重量%の脂肪分を有するチョコレートで構成されていることを特徴とする、内容物充填チョコレートである。
【0010】
請求項6に記載の発明は、前記内容物が液状素材であり、前記液状素材と前記ボトムチョコレートとの間には前記シェルチョコレートおよびボトムチョコレートとは成分の異なるチョコレートの層が設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の内容物充填チョコレートである。
請求項7に記載の発明は、前記シェルチョコレートと、前記ボトムチョコレートとは、異なる構成成分からなることを特徴とする、請求項5または6に記載の内容物充填チョコレートである。
【0011】
請求項8に記載の発明は、前記シェルチョコレートと、前記ボトムチョコレートとは、同じ構成成分からなることを特徴とする、請求項5または6に記載の内容物充填チョコレートである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、内容物充填物を被覆するシェルチョコレートおよびボトムチョコレートが、砂糖10〜50重量%、カカオマス0〜70重量%および全脂粉乳および/または脱脂粉乳0〜40重量%を含み、かつ総量に対して30〜60重量%の脂肪分を有するチョコレートで構成されているので、本発明の製造方法に従ってチョコレートを製造すれば、内容物充填物を多量かつ安定的にチョコレート内に含有させることができる。しかも、チョコレートが一定厚みを有しているので、従来のシェルチョコレートとは異なる新しい食感を楽しむことができる。
【0013】
また、内容物充填物が常温下(25〜28℃程度)で液状の素材である場合には、製造工程において、シェルチョコレートに液状素材を流し込んだ後、当該液状素材に満遍なく降りかかるように、第1成分とは別の成分のチョコレートを噴霧してシールを施すことで、液状素材とボトムチョコレートが混ざり合うことがない。そのため、シェルチョコレートとボトムチョコレートとを強固に接合することができる。そのため、液状素材の洩れを防止することができる。その結果、包装紙への液状素材の付着を防止することができる。
【0014】
また、シェルチョコレートを構成する第1成分のチョコレートと、ボトムチョコレートを構成する第2成分のチョコレートとを互いに異なる成分で作れば、1つの内容物充填チョコレートでバラエティに富む味を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係るスティック状チョコレートの外部構成を表す全体斜視図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例に係るスティック状チョコレートの内部構成を表す断面図であって、図1の切断面A−Aにおける断面を示す。
【図3A】図3Aは、スティック状チョコレートの製造工程を順に示すフロー図であって、紙面左側が各処理名称を表し、紙面右側が各処理の状態図を表わしている。
【図3B】図3Bは、図3Aに続くフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、図面を参照して、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の一実施例に係るスティック状チョコレート1の外部構成を表す全体斜視図である。
スティック状チョコレート1は、細長い台形柱状(長手方向に直交する方向の断面が等脚台形の四角柱状)である。そのサイズは、たとえば、長手方向における底辺Lが約100mmであり、幅方向における上辺(台形の上底)aおよび下辺(台形の下底)bが、それぞれa=約8.5mm、b=約11mmであり、高さhが約6.0mmである。なお、スティック状チョコレート1の外形は、三角柱状(プリズム状)、四角柱状、五角柱状、六角柱状などの任意の形状であってよい。
【0018】
また、スティック状チョコレート1の上面には、長手方向一端から他端に至るように延びる波状の溝2(たとえば、図1では、1波長が長手方向一端から他端までの距離と同じ正弦波状の溝2)が形成されている。これにより、スティック状チョコレート1の上面と包装紙との接触領域を、小さな面積の複数領域に分割できるので、包装紙の剥離性を高めることができる。
【0019】
図2は、本発明の一実施例に係るスティック状チョコレート1の内部構成を表す断面図であって、図1の切断面A−Aにおける断面を示す。
スティック状チョコレート1は、長手方向に延びる細長い中空部としての中空溝4(長手方向一端から他端に至る中空溝)を画成する断面視凹状のシェルチョコレート3と、シェルチョコレート3の開放面を閉塞するように、シェルチョコレート3の開放端縁部と隙間なく接合された板状のボトムチョコレート5と、細長い中空溝4に充填された内容物としてのソース6と、中空溝4内を液密的にシールするために、ボトムチョコレート5の中空溝4側の面上においてシェルチョコレート3の内壁全周に接合されるように形成されたスプレーチョコレート7とを含んでいる。表1は、スティック状チョコレート1の構成材料の成分割合を表わしている。
【0020】
【表1】

【0021】
表1において、この実施例では、シェルチョコレート3の第1成分としての構成成分およびボトムチョコレート5の第2成分としての構成成分は、互いに同じである。それらの成分割合は、砂糖40重量%、カカオマス25重量%、全粉乳13重量%、植物油脂(ひまわり、パーム、なたね)12重量%、ココアバター10重量%、レシチン0.3重量%、香料0.1重量%で構成されている。また、シェルチョコレート3およびボトムチョコレート5の総重量に対する脂肪分の割合は、約40重量%となっている。この脂肪分は、この実施例では、カカオマス、全粉乳、植物油脂、ココアバターに由来するものである。
【0022】
スプレーチョコレート7は、シェルチョコレート3とボトムチョコレート5との接合部分からソース6が洩れ出るのを防止するために中空溝4内に設けられるものであり、特徴としては、シェルチョコレート3およびボトムチョコレート5に比べて脂肪分の割合が高く(50重量%以上が好ましい。)なっている。その成分割合は、植物油脂(ひまわり、パーム、なたね)50重量%、砂糖30重量%、カカオマス20重量%、レシチン0.1重量%、香料0.1重量%未満で構成されている。
【0023】
また、ソース6は、キャラメルソース100重量%(実施例1)または苺ソース100重量%(実施例2)の成分割合で構成されている。
そして、スティック状チョコレート1の製品比率(各部の重量比率)は、シェルチョコレート3が47重量%、ソース6(キャラメルソースまたは苺ソース)が30重量%、スプレーチョコレート7が9重量%およびボトムチョコレート5が14重量%となっている。
【0024】
このように、シェルチョコレート3およびボトムチョコレート5が表1の成分割合であれば、スティック状チョコレート1の全重量に対して、ソース6を30重量%も含めることができる。しかも、スプレーチョコレート7が設けられていて、ソース6がほとんど洩れないので、歯でスティック状チョコレート1を割ったときに、ソース6を口の中全体に一気に広げることができる。その結果、従来のブロック状のシェルチョコレートとは異なる新しい食感を楽しむことができ、さらに風味も向上させることができる。
【0025】
図3A〜図3Bは、スティック状チョコレート1の製造工程を順に示すフロー図であって、紙面左側が各処理名称を表し、紙面右側が各処理の状態図を表わしている。
まず、図3Aを参照して、シェルチョコレート3の原料となる第1チョコレート8を準備し(S1)、テンパリングし(S2)、所定の凹型としての凹金型9に流し込む(S3)。第1チョコレート8は、表1で説明したシェルチョコレート3の成分割合(第1成分)を有するものである。
【0026】
次いで、第1チョコレート8が入った凹金型9を振動させることにより、第1チョコレート8から脱気する(S4)。脱気後、凹金型9に対して、たとえば、零下18℃(−18℃)〜零下16℃(−16℃)程度に冷えた凸型としての凸金型10を、1.5秒〜3秒間(約2秒程度が好ましい)嵌合させ、その後、嵌合を解除する(S5)。これにより、細長い中空溝4を有する断面凹状のシェルチョコレート3を成形する。
【0027】
次いで、凹金型9の開放面を上方に向けた姿勢のまま、凸金型10の嵌合の際に凹金型9から溢れ出てはみ出した第1チョコレート8の余分な部分11を、ローラーなどで掻き取る(S6)。
次いで、図3Bを参照して、シェルチョコレート3の中空溝4に流し込むソース6を準備し(S7)、当該中空溝4へ流し込み、凹金型9ごと振動させることにより、ソース6が中空溝4内で均一になるようにならす(S8)。すなわち、センターデポが行われる。
【0028】
次いで、スプレーチョコレート7の原料となる第3チョコレート12を準備し(S9)、テンパリングを行う(S10)。そして、テンパリングを行った第3チョコレート12をスプレーガンに充填し、それを中空溝4内のソース6およびその周りの凹金型9にも満遍なく降り掛かるように、ソース6が視認できなくなるまで中空溝4内に隙間なく噴霧する(S11)。第3チョコレート12は、表1で説明したスプレーチョコレート7の成分割合を有するものである。
【0029】
この実施例のように充填物として常温下(25〜28℃程度)で液状のソース6を用いる場合、ソース6がボトムチョコレート5内に移行し、液状のソース6と固体状のボトムチョコレート5とが混ざり合うという現象が発生することがある。その場合、ボトムチョコレート5内に移行したソース6が引き金となって、液漏れが生じてしまう。
しかし、この実施例のようにスプレーチョコレート7を噴霧することによって、ソース6とボトムチョコレート7との間に液状のソース6の移行を防止する薄い壁が作られることとなり、ソース6とボトムチョコレート5とが混ざり合うことを防止することが可能となる。そのため、シェルチョコレート3とボトムチョコレート5とを強固に接合することができ、ソース6の洩れを防止することができる。その結果、包装紙へのソース6の付着を防止することができる。なお、常温下(25〜28℃程度)において液状であるソース6とは、シェルチョコレート3を上下逆さにすると即座に、もしくは短時間で流れ落ちてしまう程度の粘性を示す素材を意味している。
【0030】
一方、液体状のソース6に代えて、中空溝4内に固体状のチョコレートなどを充填する場合には、当該チョコレートがボトムチョコレート5に移行して混ざり合うことが無いため、充填後に外部に洩れ出すおそれがない。そのため、固体状のチョコレートなどを充填する場合には、スプレーチョコを噴霧する工程を省略することができる。
そして、スプレーチョコレート7の噴霧後、ソース6が充填されたシェルチョコレート3は、凹金型9ごと冷却されてクーラー処理され、固化される(S12)。
【0031】
シェルチョコレート3の固化までの処理と並行して、ボトムチョコレート5の原料となる第2チョコレート13を準備し(S13)、テンパリングし(S14)、シェルチョコレート3の中空溝4の開放面を閉塞するように、シェルチョコレート3上に敷く(S15)。これにより、シェルチョコレート3と協働して細長い閉塞された中空溝4を形成し、同時に当該中空溝4内にソース6を閉じ込める。
【0032】
そして、ボトムチョコレート5が形成されたスティック状チョコレート1は、第2チョコレート13の余分な部分がローラーなどで掻き取られたのち(S16)、凹金型9ごとクーラー処理により冷却されて形状が安定され(S17)、凹金型9からデモールドされる(S18)。その後、スティック状チョコレート1は、包装機に送られて包装が施され(S19)、製品として箱詰め等される(S20)。
【0033】
本発明は、以上説明した実施例に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、表1に表したシェルチョコレート3およびボトムチョコレート5の構成成分の割合は、本発明の一例に過ぎず、砂糖10〜50重量%、カカオマス0〜70重量%および全脂粉乳および/または脱脂粉乳0〜40重量%を含み、かつ総重量に対して脂肪分30〜60重量%の範囲内で適宜変更することができる。
【0034】
また、スティック状チョコレート1の中身は、キャラメルソースや苺ソースのような液状素材だけでなく、チョコレートなどの固形素材であってもよい。中身が固形素材である場合には、素材が外部に洩れるおそれが低いので、スプレーチョコレート7を噴霧する工程を省略することができる。スプレーチョコレート7を噴霧する工程を省略するか否かは、たとえば、中身の素材が常温(25〜28℃程度)において液状であるか否かに基づいて判断することができる。
【0035】
また、前述の実施例では、シェルチョコレート3およびボトムチョコレート5は、互いに同じ構成成分からなっているとしたが、これらは異なる構成成分からなっていてもよい。たとえば、シェルチョコレート3がセピアチョコレートとなるように構成され、ボトムチョコレート5がホワイトチョコレートとなるように構成されていてもよい。シェルチョコレート3およびボトムチョコレート5の構成成分が互いに異なれば、1本のスティック状チョコレート1でバラエティに富む味を楽しむことができる。
【符号の説明】
【0036】
1 スティック状チョコレート
2 溝
3 シェルチョコレート
4 中空溝
5 ボトムチョコレート
6 ソース
7 スプレーチョコレート
8 第1チョコレート
9 凹金型
10 凸金型
11 (第1チョコレートの)余分な部分
12 第3チョコレート
13 第2チョコレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物充填チョコレートを製造するための方法であって、
砂糖10〜50重量%、カカオマス0〜70重量%および全脂粉乳および/または脱脂粉乳0〜40重量%を含み、かつ総量に対して30〜60重量%の脂肪分を有する第1成分からなるチョコレートを用い、当該チョコレートを溶かして凹型に収容し、その凹型に冷却した凸型を嵌合させることによって、中空部を有する断面視凹状で、一定厚みの壁のシェルチョコレートを成形する工程と、
前記シェルチョコレートの前記中空部内に内容物を充填する工程と、
前記内容物の充填後、砂糖10〜50重量%、カカオマス0〜70重量%および全脂粉乳および/または脱脂粉乳0〜40重量%を含み、かつ総量に対して30〜60重量%の脂肪分を有する第2成分からなるチョコレートを、前記内容物の上面を覆い、かつ前記シェルチョコレートの外延と接合するように敷設して、前記シェルチョコレートの前記中空部の開放面を閉塞するボトムチョコレートを形成する工程と、
を含むことを特徴とする、内容物充填チョコレートの製造方法。
【請求項2】
前記シェルチョコレートを成形する工程は、
前記第1成分のチョコレートを溶かして凹金型に流し込む工程と、
前記第1成分のチョコレートが入った前記凹金型を振動させることにより、前記第1成分のチョコレートから脱気する工程と、
脱気後、前記凹金型に対して、冷却された凸金型を嵌合させ、前記凹金型と前記凸金型との隙間で区画される一定厚みの壁を有する固化したシェルチョコレートを成形する工程と、
成形後、前記凹金型から前記凸金型を抜き、前記凹金型からはみ出た余分な前記第1成分のチョコレートを取り除く工程とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の内容物充填チョコレートの製造方法。
【請求項3】
前記内容物充填物を充填する工程は、前記シェルチョコレートの前記中空部に液状素材を流し込む工程を含み、
前記ボトムチョコレートを形成する工程に先立って、前記第1成分とは別の成分のチョコレートを、前記シェルチョコレート内に流し込んだ前記液状素材の上に満遍なく降り掛かるように噴霧する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の内容物充填チョコレートの製造方法。
【請求項4】
前記冷却された凸金型の温度は、零下10〜20℃の範囲であることを特徴とする、請求項1乃至3記載の内容物充填チョコレートの製造方法。
【請求項5】
中空部を画成するシェルチョコレートと、
前記シェルチョコレートに接合され、前記シェルチョコレートと協働して前記中空部を閉鎖するボトムチョコレートと、
前記中空部に充填された内容物とを含む内容物充填チョコレートであって、
前記シェルチョコレートは、溶解したチョコレートを冷却金型で押圧して固化した一定厚みの壁で前記中空部を区画し、前記中空部の一面が開放された断面視凹状に形成されており、
前記ボトムチョコレートは、前記シェルチョコレートの開放面を閉塞するように、前記シェルチョコレートの開放端縁部と隙間なく接合されており、
前記シェルチョコレートおよびボトムチョコレートは、砂糖10〜50重量%、カカオマス0〜70重量%および全脂粉乳および/または脱脂粉乳0〜40重量%を含み、かつ総量に対して30〜60重量%の脂肪分を有するチョコレートで構成されていることを特徴とする、内容物充填チョコレート。
【請求項6】
前記内容物が液状素材であり、
前記液状素材と前記ボトムチョコレートとの間には前記シェルチョコレートおよびボトムチョコレートとは成分の異なるチョコレートの層が設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の内容物充填チョコレート。
【請求項7】
前記シェルチョコレートと、前記ボトムチョコレートとは、異なる構成成分からなることを特徴とする、請求項5または6に記載の内容物充填チョコレート。
【請求項8】
前記シェルチョコレートと、前記ボトムチョコレートとは、同じ構成成分からなることを特徴とする、請求項5または6に記載の内容物充填チョコレート。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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