説明

内視鏡の湾曲操作装置

【目的】 中立復帰の有無が簡単に切り換えられるジョイスティック型の湾曲スイッチを備えた内視鏡の湾曲操作装置を提供すること。
【構成】 挿入部8の先端側を湾曲させる湾曲機構と、この湾曲機構を駆動する為の駆動モータを備えた駆動部と、この駆動部を操作する為の傾倒自在な操作レバー33を有する湾曲スイッチ19と、この湾曲スイッチ19の操作によって前記駆動部を制御する制御装置6とを有し、前記操作レバー33を傾倒する付勢力を停止した場合に、この操作レバー33を中立位置に復帰させる第1のモードと、前記付勢力を停止した場合の位置に前記操作レバー33を停止させる第2のモードとを操作レバー33の上頭部33aを操作することで切り換え可能にしている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、操作レバーを所定の位置に復帰させるモードと復帰させないモードとを備えた内視鏡の湾曲操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、細長の挿入部を体腔内に挿入することにより、体腔内臓器等を観察したり、必要に応じて処置具チャンネル内に挿通した処置具を用いて各種治療処置のできる光学式あるいは電子式の内視鏡が広く利用されている。これらの内視鏡に於いては、操作性を向上する為に、湾曲操作スイッチ等の入力手段とモータ等の駆動手段により、挿入部の湾曲部を湾曲駆動するものも提案されている。
【0003】例えば、特開昭61−106125号公報には、湾曲角度の把握と、湾曲スピードの制御が同時に行える入力装置のジョイスティックを湾曲操作スイッチとし、この操作により、上下及び左右の湾曲操作を行なう技術が開示されている。
【0004】ここで、一般に上記ジョイスティックは、操作レバーの動作により2つに区分される。1つ目は操作レバーより手を離すと、操作レバーが強制的に中央に戻る「中立復帰有型ジョイスティック」。2つ目は操作レバーより手を離しても操作レバーは動かない「中立復帰無型ジョイスティック」である。内視鏡の湾曲操作スイッチとしてジョイスティックを考えると前記2つのジョイスティックの機能を合わせもつことが望ましい。
【0005】例えば、生体等を行う等、湾曲部が止まっている必要がある場合は、操作レバーより手を離しても動かない「中立復帰無型ジョイスティック」が望ましい。しかし、大腸等の狭い管腔に挿入部を挿入する際には、湾曲部を素早く直線化できる「中立復帰有型ジョイスティック」が望ましい。
【0006】この2つの機能を満たすものに、中立復帰型ジョイスティックで、操作レバーを固定する際には、係止部材をねじ込むことにより、操作レバーを固定できるジョイスティックが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この係止部材をねじ込む型のジョイスティックは、湾曲レバーを固定する度ごとに係止部材をねじ込む必要があり、また、湾曲レバー固定後は操作レバーが動かせない為、1度この係止部材を外してやる必要があり、操作が煩雑であった。
【0008】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、中立復帰の有無が簡単に切り換えられるジョイスティック型の湾曲スイッチを備えた内視鏡の湾曲操作装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】挿入部の先端側を湾曲させる湾曲機構と、この湾曲機構を駆動する為の駆動部と、この駆動部を操作する為の傾倒自在な湾曲レバーを有するジョイスティックから成る湾曲スイッチと、この湾曲スイッチの操作によって前記駆動部を制御する制御手段とを有する内視鏡の湾曲操作装置に於いて、前記湾曲スイッチの操作レバーを傾倒する付勢力を停止した場合に、前記操作レバーを所定の位置に復帰させる第1のモードと、前記付勢力を停止した場合の位置に前記操作レバーを自動的に停止させる第2のモードとを切り換えるモード切換手段を有する構成にすることにより、モード切換手段を操作することにより、いずれのモードも簡単に選択設定できるようになっている。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。図1ないし図8は本発明の第1実施例に係り、図1R>1は第1実施例を備えた電子式内視鏡装置を示し、図2は湾曲駆動機構を示し、図3は湾曲スイッチを示し、図4R>4は図3のA−A′断面及び操作レバーを傾倒した場合の断面を示し、図5は図3のB−B′断面及び操作レバーを傾倒した場合の断面を示し、図6はRLガイドを示し、図7はUDガイドを示し、図8は操作レバーの構造を示す。
【0011】図1に示す第1実施例を備えた電子式内視鏡装置1は、CCD等の固体撮像素子を内設した電子式内視鏡2と、この電子式内視鏡2に照明光を供給する光源装置3と固体撮像素子を駆動し、固体撮像素子からの撮像信号を映像信号に変換するビデオ制御装置4と、ビデオ制御装置4からの映像信号を映し出すモニタ5と、後述する電子式内視鏡2の湾曲部10の湾曲を制御する湾曲用モータ制御装置6とから構成されている。
【0012】電子式内視鏡2は、操作部7と、この操作部7に連結され、被検体に挿入可能に細長に形成された挿入部8が設けられている。この挿入部8は、操作部7から順に屈曲自在の軟性部9、湾曲自在の湾曲部10、硬質の先端構成部11が連結されている。挿入部8の先端側に設けられた湾曲部10は、複数の湾曲駒を連結してなり、上下、左右方向に湾曲可能に構成している。先端構成部11は、固体撮像素子を含む対物光学系、照明光学系等が設けられている。固体撮像素子には、信号ケーブルが電気的に接続されており、後述するビデオ制御装置用コネクタ16まで延出している。
【0013】また、照明用光学系として、ライトガイドファイバ束がライトガイドコネクタ14まで延出している。操作部7の側部には、途中で二股に分岐するユニバーサルコード12が連結されている。このユニバーサルコード12の端部には、湾曲用モータ制御装置6に着脱自在に接続されるモータ制御装置用コネクタ13と、光源装置3に着脱自在に接続されるライトガイドコネクタ14が設けられている。
【0014】そして、ライトガイドコネクタ14には側部からビデオ制御用コード15が延出し、端部にビデオ制御装置4に着脱自在に接続されるビデオ制御装置用コネクタ16が設けられている。
【0015】また、操作部7には、観察窓を洗滌する為の送気・送水釦17と、体液等を吸引する為の吸引釦18が設けられている。送気・送水釦17を操作することにより、送気あるいは送水がなされ、吸引釦18を操作することにより、電子式内視鏡2内に配設された吸引チャンネル(処置具挿通用チャンネル)から吸引がなされる。
【0016】また、操作部7内には、湾曲部10を湾曲操作する為のジョイスティックからなる湾曲操作スイッチ19が設けられており、操作レバー33が操作部7外に突出している。操作部7内には、図2に示されるように、湾曲部10を上下方向に湾曲駆動する直流モータからなる駆動モータ21と、この駆動モータ21の駆動軸22に固定されたスプロケット23と、このスプロケット23に噛合うチェーン24とが設けられている。
【0017】そして、チェーン24の端部は、連結部材25を介して湾曲操作ワイヤ26が連結されている。この湾曲操作ワイヤ26は、軟性部9、湾曲部10内を挿通し、湾曲部10先端の湾曲駒に連結されている。そして、湾曲スイッチ19(の操作レバー33を傾倒)操作すると、その傾倒角度に応じて(後述する)ボリューム34の抵抗値が変化することにより、湾曲用モータ制御装置6はこの抵抗値を検出して、この抵抗値に対応する角度だけ湾曲部10を湾曲させるように駆動モータ21を回転駆動し、駆動モータ21が駆動されることにより、操作ワイヤ26が牽引操作され、湾曲部10が上下方向に湾曲駆動される。
【0018】ここでは、上下方向に湾曲駆動する湾曲操作機構について述べたが、左右方向に湾曲駆動する湾曲操作機構についても同様に構成されている。図3は湾曲操作スイッチ19単体を示す図である。
【0019】湾曲操作スイッチ19は非金属材料のケース32と同じく非金属材料の操作レバー33より構成されている。ケース32には、操作レバー33の上下(UDと略記)方向及び右左(RLと略記)方向の傾倒位置(傾き角)を検出するUD用ボリューム34とRL用ボリューム35が固定されている。
【0020】これらUD用ボリューム34とRL用ボリューム35は湾曲用モータ制御装置6と電気的に接続され、この湾曲用モータ制御装置6内部の図示しない抵抗値検出回路と接続され、操作レバー33の傾き角度(傾倒角度)を、傾倒角度に応じて変化する抵抗値から検出している。そして、中立位置の抵抗値からその抵抗値が変化した場合、その変化量に応じた量だけ、駆動モータ21を回転させる。この場合、湾曲用モータ制御装置6は駆動モータ21に取り付けた図示しないロータリエンコーダにより検出されるモータ21の実際の回転量が操作レバー33の操作で指示された回転量と一致するようにモータ21の回転駆動を制御する。
【0021】図3において、ケース32を挾んだUD用ボリューム34の反対面には、板材をぜんまい形状に巻いて成る操作レバー33の中立復帰の機能を持つUD用つる巻きばね36が設けられ、RL用ボリューム35の反対面には、同様にRL用つる巻きばね37が設けられている。これらのつる巻きばね36、37は、形状記憶合金(以下、SMAで略記する)でできている。
【0022】図4(a)は、図3のA−A′断面である。操作レバー33は、図6に示すようなRLガイド38の長穴38aに挿通している。操作レバー33は、RLガイド38と操作レバー33を貫通しているピン39により、RLガイド38に対し、上記長穴38a内を傾倒可能に支持されている。次に図5(a)に示すように操作レバー33は、長穴38aの挿通後に図7に示すようなUDガイド40に設けられた長穴40aに挿通している。
【0023】ここでRLガイド38、UDガイド40共に両端部には非金属材料の円柱部38b、40bが圧入等の手段により、それぞれ固定されている。これらの円柱部38b、40bには、それぞれマイナス型のスリット38c、40cが設けられている。
【0024】そして、これらのスリットは片側は、RL用ボリューム35、UD用ボリューム34の図示しないマイナス型の突起を有する回転軸と接続している。また、もう片側にはRL用つる巻きばね37、UD用つる巻きばね36とそれぞれ連結している。また、これらの円柱部はケース32に設けられて穴32bにより回転自在に支持されている。
【0025】つる巻きばねは、中心側の端部は円柱部38b,40bにそれぞれ設けられたマイナス型のスリット38c,40cにそれぞれ挿入固定され、外側の端部はケース32に設けられた穴32a,32aにそれぞれ挿入固定されている。ここで、前述のようにつる巻きばね36、37はSMAでできており、中心端および外側端は図示しない電源に接続されている。この電源は図8に示す操作レバー33に設けたスイッチの導通をモニタする制御部(図示せず)の制御により、加熱用電流を流したり、遮断する。
【0026】図8は操作レバー33の断面を示す図である。操作レバー33は上頭部33a、下頭部33b、軸部33cより成る。ここで下頭部33bには、ざくり穴よりなる穴間41と、貫通穴42が設けられている。そしてこの空間には圧縮ばね43が設けられ、前述の上頭部33aを支えている。
【0027】次に、軸部33cは太径化した端部44を有し、この端部44は前記空間41内に収まり、端部44の抜け止めの役割を果たしている。軸部33cには、内部を挿通し空間側に電極を有する導体45、導体46が設けられている。
【0028】また、上頭部33aには導体47が接着固定されており、上頭部33aと下頭部33bもまた接着固定されている。つまり、上頭部33aを押すことにより圧縮ばね43が圧縮され、上頭部33aおよび下頭部33bが下降し、上頭部33aに固定された導体47も下降し、導体45と導体46を導通させるスイッチが設けてある。
【0029】そして、モータ制御装置6内には、この導通をチェックする図示しない制御部があり、1回ONする度に図示しない電源よりSMAで形成されたつる巻きばね36、37への通電を通電−非通電−通電と切り換える働きをもっている。
【0030】そして、SMAで形成されたつる巻きばね36、37は非通電状態ではその弾性係数は小さく、一方通電により加熱されて相転移した状態ではその弾性係数は大きくなるように設定してある。つまり、非通電状態での小さい弾性係数の場合には操作レバー33が傾倒されても、中立位置に復帰させる力は小さい。このため、操作レバー33を傾倒させた状態で手を離すと、操作レバー33は手を離す直前の傾倒状態を保持する。従って、この非通電状態では、湾曲スイッチ19は中立復帰無し型のモードとなる。
【0031】一方、通電して大きい弾性係数にした場合には、中立位置から操作レバー33を傾倒すると、中立位置に復帰させる力は大きい。このため、操作レバー33を傾倒させた状態で手を離すと、操作レバー33を中立位置に復帰させる。従って、この通電状態では、湾曲スイッチ19は中立復帰有り型のモードとなる。
【0032】これら2つのモードは操作レバー33の上頭部33aを押し下げることにより、一方のモードから他方のモードへ切り換えることができるようになている。尚、本実施例では操作レバー33の中立復帰にSMAつる巻きばね36、37を使用したが、図9に示すようなSMAによるトーションばね48を使用しても良い。
【0033】この時には、トーションばね48の内部に円柱部が挿通され、トーションばね48の一端は、円柱部のマイナス型のスリット内に、他端はケースの穴32a内に挿通固定される。尚、本実施例では、中立復帰切換部を操作レバー33上に設けたが、これに限らず、ケース32上に設けても良い。次にこの実施例の作用を説明する。
【0034】例えばSMAよりなるつる巻きばね37が通電されていない状態で操作レバー33を右方向(図4(a)ではX方向)に傾けると図4(b)に示すように操作レバー33はRLガイド38と一体となり、円柱部38bを支点とし、傾倒する。この傾倒された角度に応じてRL用ボリューム35の抵抗値が変化し、この角度に応じた量だけ湾曲部10がRL方向に湾曲されることになる。この傾倒時には、操作レバー33のUDガイド40内に挿通されている部分は長穴40aに沿って動く為、UDガイド40は動かない。
【0035】ここで、図3に示すRL用つる巻きばね37は、その中心側端部が前記円柱部38bに固定されている為、操作レバー33の傾倒により中心側端部は、時計回りに回転する。そして、つる巻きばね37の外側端部は、ケース32に固定されている為、つる巻きばね37は変形する。
【0036】ここで、つる巻きばね37の変形により発生するモーメントMは次式で与えられる。 M=E・I/(l・θ)
ここで、Eは材料の縦弾性係数、Iは材料(SMA)の断面2次モーメント、lはばね状に巻く前の材料の長さ、θは外側端部を固定した際の中心側端部の回転角である。
【0037】ここで、SMAは通電時(加熱時)には、上記縦弾性係数Eが大きくなり、非通電時(冷却時)には縦弾性係数Eが小さくなる特性をもっている。ここで、つる巻きばね37は通電されておらず、縦弾性係数Eが小さくなっている為、変形により発生するモーメントMが小さい。従って、操作レバー33から手を離すなど、操作レバー33を傾倒する付勢力を停止すると、つる巻きばね37は変形したままとなり、このため操作レバー33は傾倒された状態のまま(湾曲部10も湾曲したまま)となる。つまり、操作レバー33は中立復帰しない湾曲操作のモードで動作する。
【0038】ここで、操作レバー33の上頭部33aを押すと図8の導体45と導体46が導通することにより、図示しない制御部が同じく図示しない電源より、つる巻きばね37への通電を開始する。するとつる巻きばね37は加熱し、縦弾性係数Eが大きくなることにより、つる巻きばね37の発生モーメントMが大きくなる。
【0039】ここで、つる巻きばね37の外側の端部は固定されている為、中心側の端部を反時計回りに回転させる。そして操作レバー33も元の位置(中央)へ中立復帰し、湾曲部10も湾曲した状態から真っ直ぐな状態に復帰する。つまり、操作レバー33は中立復帰する湾曲操作のモードで動作するUD(上下)方向の動作についても同様で、操作レバー33を上方向(図5(a)ではY方向)に傾けると、図5(b)に示すように操作レバー33はUDガイド40と一体となり、円柱部40bを支点とし傾倒する。この時、操作レバー33のRLガイド38内に挿通されている部分は長穴38aに沿って動く為、RLガイド38は動かない。ここで円柱部40bが回転することによりつる巻きばね36変形を起こす。後の作用は、前記RL(左右)方向と同じなので割愛する。
【0040】尚、D(下)方向、L(左)方向についても同様に作用する。この実施例によれば、以下の効果を有する。操作レバー33の頂部を押し下げる操作を行うのみで、中立復帰有り型及び中立復帰無し型の湾曲スイッチとして使用でき、従って使用する状況に応じて便利な方に設定して使用できる。
【0041】これに対し、従来例では中立復帰有り型のものを固定手段で固定(ロック)して、中立復帰しないようにしたものがあるが、この従来例ではさらに操作レバーを傾ける操作を行う場合には固定手段による固定を解除する操作を行わなければならないため煩わしい操作が必要になる(つまり従来例では中立復帰有り型のものを、中立復帰しないように固定手段で固定しているもので、中立復帰無し型のの機能を備えたものでない。これに対し、本実施例では中立復帰無し型のモードに設定した場合、従来例における固定手段による固定を解除する操作を行うことなく、中立復帰無し型の湾曲スイッチのように連続して操作できる。つまり、2つのモードそれぞれの機能を有している)。
【0042】又、この実施例では、中立復帰機構として軸方向への変位を起こさないつる巻きばねを使用した為、中立復帰機構が小型化でき、それにより湾曲操作スイッチも小型化できる。
【0043】次に本発明の第2実施例を説明する。図10R>0〜図19は本発明の第2実施例に係り、図10は湾曲スイッチを示し、図11は図10のC−C′断面を示し、図12は図10のD−D′断面を示し、図13はRLガイドを示し、図14はUDガイドを示し、図15はUDガイドの形状を示し、図16は図11のE−E′断面を示し、図17は図12のF−F′断面を示し、図18R>8は図16の状態から傾けた場合に操作レバーに作用する力を示し、図19は図17の状態から傾けた場合に操作レバーに作用する力を示す。
【0044】本実施例は、第1実施例のつる巻きばねを圧縮ばねに代えたもので、その他第1実施例と同じ構成要素は同符号を付し、説明を省略する。図10に示す湾曲操作スイッチ50は、非金属材料のケース51と、同じく非金属材料の操作レバー33より構成されている。また、ケース51には、UDボリューム34とRL用ボリューム35が固定されている。
【0045】図11は、図10のC−C′断面である。操作レバー33はRL軸52を貫通している。また、この操作レバー33は電気を通さない材料、例えばセラミックスでできている。
【0046】図13はこの操作レバー33とRLガイド52の連結関係を示す図である。尚、この図では都合上、操作レバー33をひっくり返した形の図としている。ここでRLガイド52は角棒の片面が、以下のような形状になっている。つまり、長手方向の中央付近は高く、外側に行くに従って序々に低くなる曲面となっている。曲面の先は、低い平面が続き、両端部は高くなっている。
【0047】また、RLガイド52には、長穴52aが設けてあり、ここに操作レバー33が挿通してある。操作レバー33は、RLガイド52と操作レバー33を貫通しているピン53によりRLガイド52に対し傾倒可能に支持されている。次に図11に示すように操作レバー33は長穴52aの挿通後に図14に示すようなUDガイド54に設けられた長穴54に挿通している。
【0048】ここでUDガイド54は、U字型に曲がった板材で、後述する円柱部54bの中点を曲面の中心とすると、このU字型の曲率半径は、図15に示す通り中央付近では大きく、端に行くほど小さくなる曲率となっている。そして、これらRLガイド52、UDガイド54共に第1実施例と同様、マイナス型のスリットが設けられた円柱部52b、54bが両端にそれぞれ圧入され、ケース51に設けられた穴51bに傾倒可能に支持されている。
【0049】ここで、RLガイド52とUDガイド54で挾まれる空間には、図11に示すようにRLガイド52側から順に、半球状で穴のあいたリング55、SMA圧縮ばね56、リング55と図形状のリング57が操作レバー33に貫通して設けられている。ここで、リング55、57の部材は、電気を通さない材料でできている。
【0050】図16は、図11のE−E′断面拡大図、図17は図12のF−F′断面拡大図である。図12において、操作レバー33をY方向に傾けると図16に示すように、操作レバー33はRLガイド52に設けられた張穴52a内を傾く。
【0051】ここで回転中心OからUDガイド54までの距離はUDガイド54が操作レバー33と一体となり傾く為変化しない。これに接触しているリング57も回転中心Oからの距離は変わらない。しかし、リング55はRLガイド52との接触面が傾倒時には回転中心Oよりも遠ざかる為、矢印の方向に動く。つまり、SMA圧縮ばね56を圧縮することにする。
【0052】次に図11において操作レバー33をX方向に傾けると図17に示すように操作レバー33はUDガイド54に設けられた長穴54a内を傾く。ここで回転中心O′からRLガイド52までの距離はRLガイド52が操作レバー33と一体となり傾く為変化しない。
【0053】これに接触しているリング55も回転中心O′からの距離は変わらない。しかし、リング57は接触面であるUDガイド54のU字面の曲率半径か図15で述べたように端に行く程小さくなっている為、回転中心O′に近づく。つまりSMA圧縮ばね56を圧縮することになる。
【0054】以上に述べたように、操作レバー33を中央からどの方向に傾けてもSMA圧縮ばね56は圧縮変形される。ここでSMA圧縮ばね56の両端には図示しない電源がつながっており、図8に示す上頭部33aを押す度ごとに通電−非通電−通電を繰り返す回路構成となっている。次に作用を説明する。
【0055】例えばSMA圧縮ばね56が非通電的に図1212において操作レバー33をY方向に傾くと図16に示すように、リング55の移動により圧縮ばね56が圧縮変形される。ここで圧縮ばねの変形により発生する応力τ0は次式で与えられる。
τ0=d・G・δ/(π・Na・D・D)。
【0056】ここで、dはばねの素線径、Naはばねの巻数、Dはばねの直径、δは変形量、そしてGは横弾性係数である。ここでSMAは非通電時には横弾性係数Gが小さく、通電加熱時にはGが大きくなる特性をもっている。つまり、非通電時にはばねが変形しても横断係数Gが小さい為、発生応力τ0は小さく、ばねは変形したままとなる。従って非通電時には、中立復帰無しの動作モードとなる。
【0057】これに対し、SMA圧縮ばね56を通電加熱すると横弾性係数Gが大きくなることにより、発生応力τ0 も大きくなる。ここで図18に示すようにSMA圧縮ばね56がリング55を介し、RL軸52を押す力Fは、FxとFyに分解され、Fxにより、操作レバー33は中立復帰する。
【0058】図11でX方向に傾けた時も同様で図19に示すように、SMA圧縮ばね56がリングB57を介し、UD軸54を押す力F′はFx′とFy′に分解されFy′により操作レバー33は中立復帰する。従って通電時には、中立復帰有りの動作モードとなる。この実施例の効果は第1実施例とほぼ同様である。
【0059】次に第3実施例を説明する。図20〜図40R>0は本発明の第3実施例に係り、図20は第3実施例における湾曲スイッチを平面図で示し、図21は図20のGAーGB−GC−GD線断面を示し、図22は図20のH−H′断面を示し、図23は図20のI−I′断面を示し、図24は図22の状態で操作レバーを傾けた状態を示し、図25は図23の状態で操作レバーを傾けた状態を示し、図26はUD用ボリュームの回転部を示し、図27はUDガイドを示し、図28はUD回転軸を示し、図29はRL用用ボリュームの回転部を示し、図3030はRLガイドを斜視図で示し、図31はRLガイドを平面図で示し、図32は図21のJ−J′断面で、つる巻きばねの外側端部が係入される溝が設けられたブロックを示し、図33は図20のK−K′断面図、図34は図23のM−M′断面図、図35は6足部材を示し、図36は3足部材を示し、図37はカバー部材を示し、図38は図37のN−N′断面でカバー部材を示し、図3939は6足部材と3足部材との係合をカバー部材と共に示し、図40は図39のP−P′断面で、6足部材と3足部材との係合を示す。
【0060】本実施例は、第1実施例のつる巻きばねの材質をSMAから別の金属(本例では鉄)に変え、新たに操作レバーの回動を選択的に阻害或いは抑制する摩擦機構を設けたものである。
【0061】図20及び図21から分かるように、湾曲操作スイッチ60はケース61と操作レバー62より構成されている。ここでケース61には、以下のものが固定されている。
【0062】操作レバー62のUD方向の回転角を検出するUD用ボリューム63が、そのおねじ部63aをUD用ボリューム固定板64に設けられた穴64aに挿通し、ナット65で、UD用ボリューム固定板64を締めつけることにより、UD用ボリューム63とUD用ボリューム固定板63は連結している。
【0063】ここで、UD用ボリューム固定板64は、4本のねじ66によりケース61に固定されている。この時、ナット65は、ケース61に設けられたボリューム溝61aに位置し、ナット65とケース61は干渉しない。また、RL用ボリューム72の固定法もまったく同じで、RL用ボリューム72とRL用ボリューム固定板68がナット65の締め付けにより連結した後に、ねじ66によりケース61に固定されている。
【0064】まず、最初に操作レバー62の回転角検出機構について説明する。図22は図20のH−H′断面である。UD用ボリューム63の回転部63bは、図26R>6に示すように円柱の一方端部の下側を削ったD型の凸形状をしている。ここでこのD型凸部は、図27に示すような長いスリットの入った板材を多角形状に曲げたUDガイド69のD型の穴69aに挿通固定される。
【0065】このUDガイド69の反対側の端部には、D型の穴69bが設けてあり、この穴69bには図22に示すように、ケース61に設けられた穴71に支持される支持部70cと、外方向への抜けを防ぐフランジ部70aを有するUD軸70のD型凸端部70b(図28参照)が挿通固定されている。
【0066】このD型凸端部70bのフランジ部70aを挾んだ反対側には、前記の通り支持部70cがあり、後述する5本のUD用つる巻きばね77の固定を行うマイナス型スリット部70dと、このつる巻きばね77の抜け防止用のEリング固定溝70eを有している。
【0067】図23は、図20のI−I′断面である。RL用ボリューム72の回転部72aは、図29に示すようにマイナス型スリット部72bが形成されている。ここでこのマイナス型のスリット部72bに、図23のRLガイド74のマイナス型凸部74aが挿入することにより、両者は連結固定される。
【0068】このRLガイド74は、図20より分かるように角板に小判状の穴74eが空いた部材で、支持部74bとその一方の端部には上記説明のようにマイナス型凸部74aが設けてある。この支持部74bは、図30R>0に示すように他方の端部にマイナス型スリット部74cとEリング固定溝74dが設けられている。この支持部74bは、ケース61に設けられた穴71により、回転自在に支持されている。
【0069】ここで、RLガイド74には前記の通り小判状の穴74eが空いているが、ここには、図22に示すように操作レバー62の中立の外筒部75が挿入される。この外筒部75の小判状の穴74eに挿通される場所は、図31に示すような角柱部75bとなっており、角柱部75bの長手方向の面に、それぞれ2つの穴75aが設けられている。つまり、2つの穴75aは角柱部の厚肉側に設けられている。
【0070】また、RLガイド74にも穴74fが設けられており、この穴74fには、それぞれ2本のピン76が圧入固定されている。尚、図22、図23(及び図2424)に示すようにピン76、UD用ボリューム63、RL用ボリューム72の軸中心は、全ての同一平面にある。ここで、外筒部75の穴75aの穴径は、ピン76の軸径よりも大きくなっている。つまり、外筒部75は、ピン76を傾倒中心としてRLガイド74の小判径の穴74e内を傾倒することになる。
【0071】尚、この傾倒角は、例えばU方向60°、D方向60°である(図25参照)。この時、UDガイド69は外筒部75と一体で傾倒することになり、これと連結するUD用ボリューム63の回転部63bが回転し、UD用ボリューム63は、外筒部75、つまり操作レバー62のUD方向の回転角を検出する。
【0072】図24は、今とは逆にRL方向に操作レバー62を傾倒させた図である。この時、外筒部75はRLガイド74と一体となり、UDガイド69のスリット内を傾倒する。尚、この傾倒角は例えばR方向60°、L方向60°である。ここで、RLガイド74と連結するRL用ボリューム72の回転部72aが回転し、RL用ボリューム72は、外筒部75、つまり操作レバー62のRL方向の回転角を検出する。
【0073】以上のように操作レバー62の回転角は、UD用ボリューム63、RL用ボリューム72により検出される。次に、操作レバー62の中立復帰機構について説明する。
【0074】図21は、図20のGA−GB−GC−GD断面である。鉄の線材よりなる5本のつる巻きばね77は、その中心側端部77aを、図30に示す形状のRLガイド74の支持部74bに設けられたマイナス型スリット部74cに合わせ挿入された後に、図23に示すようにつる巻きばね77よりひとまわり大きい中空の円板78にて外側を押さえ、Eリング79をEリング固定溝74dに固定することにより、RLガイド74と連結している。
【0075】尚、UD軸70とつる巻きばね77の連結も同じで、図22に示すように、つる巻きばね77の中心側端部77aをUD軸70のスリット70d(図28参照)に挿通した後に、円板78とEリング79により、連結している。
【0076】図21に戻り、RLガイド74の端部を回転自在で、弾性的に支持するつる巻きばね77の外側端部77b側にはブロック80、ブロック81がある。ここで、ケース61には、ブロック80、ブロック81の幅をかせぐ為の逃げである溝59が設けてある。また、ブロック80は、2本のねじ82により、ケース61に固定され、ブロック81は、2本のネジ83により、同様にケース6に固定されている。つる巻きばね77はこの2つのブロック80、81に垂直部77cを挾まれて固定されている。
【0077】ここでブロック81は、図21のJ−J′断面である図32に示すように、ケース61と接する面に前記つる巻きばね77の外側端部77bの入る溝81aが設けてあり、ここに、外側端部77bが並べられ、両側の壁81bにより横方向へずれないように固定されている。尚、UD軸側の固定方法については同様である為割愛する。
【0078】つまり、本構成により、操作レバー62を傾倒させると、UDガイド69、RLガイド74が傾倒し、これらの連結しているつる巻きばね77の中心側端部77aが回転する。ここで、外側端部77bは固定されている為、つる巻きばね77が変形し、変形により発生する応力が復元力となり、操作レバー62をニュートラル状態に復帰させる。この実施例では5本のつる巻きばね77は操作レバー62を傾倒した場合、ニュートラル状態に復帰させる弾性力を有する材質等で形成されている。
【0079】次に、操作レバー62の中立復帰の有無を切り換える機構について説明する。図23に示すように、ケース61内には、おわん型の凹部84aとフランジ部84bを有するストッパーゴム84が挿入されて、その下をこのゴムの変形を防ぐ、剛体円板のゴム押え85により支えている。
【0080】そして、ゴム押え85を固定する4本のねじ86をケース61に締めつけることにより、この4本のねじ86は、図20のK−K′断面である図33に示すようにゴム押え85、ストッパーゴム84のフランジ部84b、ワッシャ87を挿通し、ケース61に締付けられている。ワッシャ87の枚数を変えることにより、ストッパーゴム84のケース61内への挿入量を変えることができる。
【0081】ここで、ストッパーゴム84のおわん型の凹部84aの上には、外筒部75より突出した押圧軸88が設けられている。この押圧軸88は、後述する6足部材91の押圧部91aを1回押すことにより、先端部がP1→P3→P2と動き、P2で静止し、ここで更に押圧部91aを1回押すことにより、先端部がP2→P3→P1と動きP1で静止する。
【0082】つまり、押圧部91aを押す度に、押圧軸88の先端部が、P1→P2→P1→P2と位置することになる。ここで、P1の位置では、押圧軸88の先端部は、おわん型の凹部84aより浮いており、中立位置に復帰するモードとなる。一方、P2の位置では、おわん型の凹部84aを押している状態となり、中立位置に復帰する動作が抑制された中立位置に復帰しないモードとなる。以下、この構造について説明する。
【0083】外筒部75のRLガイド74と反対側となる上部側の端部は太径化したねじ部75cとなっており、ここに後述するカバー部89がねじ込まれる。外筒部75の中空部には前述の押圧棒88が挿通されている。この押圧棒88は下部88a、中部88b、上部88cより成る。
【0084】中部88bは下部88a、上部88cに比べ細径で、外筒部75の中空部との摩擦が小さくなる構造となっている。ここで、上部88c側には圧縮ばね90が挿通され、その上には、図23のM−M′断面である図34に示すように、上部88cより細径化した最上部88dが3足部材92内の穴を貫通し、6足部材91内の穴に収容される。ここで、最上部88dと3足部材92は、接着時の手段により固定されている。しかし、最上部88dと6足部材91は、固定されておらず、両者は、回転移動自在となっている。
【0085】また、6足部材91は前記P1の状態においては、圧縮ばね90の付勢力によってカバー89の上部側に配置された底部89aにつき当たるようになっている。また、この底部89aには、貫通穴89bが設けられており、6足部材91の押圧部91aが、カバー89外に突出している。
【0086】ここで、6足部材91は、図35(a)に示す形状で、60°間隔で6本の足91bを有しており、各足91bは中央が高く両側が低い形状で、図35(b)に示すように頂角は約90°である。次に、3足部材92は、図36に示す形状で120°間隔で3本の足92aを有しており、各足92aは片側が高く、片側が低い形状で頂角は約60°である。
【0087】また、カバー部89は、図37とそのN−N′断面である図38に示すように、中空の部材で、前述の穴89bの反対側端部は、ねじ部89cとなっており、前述の外筒部75のねじ部75cと螺合するよう構成されている。ここで、中空部には、内径方向に60°間隔で、上部の頂角が約60°になるように斜めカットされた突起93と上記突起93間と1ヶおきにつなぐ突起94が設けられている。
【0088】ここで、突起93〜突起93で、突起94が無い区間を溝部95、突起94がある区間を溝部96と呼ぶことにする。ここで、前記図35の6足部材91は、足91bを含めた外径が小さく、溝部95にも、溝部96にも入り込む大きさとなっている。
【0089】しかし、前記図36の3足部材92は、足92aを含めた外径が大きく、溝部95には入り込めるが溝部96には入り込めず、突起94上に引っかかる大きさとなっている。
【0090】図39〜図40は6足部材91と、3足部材をかみ合わせて動作させた図である。図中P1〜P3は、図23におけるP1〜P3状態と対応している。図4040において、6足部材91を図中下側に押し込むと、3足部材92は押されて、3本の足92aは図中下側に移動する。つまり、P1→P3と移動する。この時、図3939に示すように3足部材92は、外筒部75のねじ部75cに当たり止まる。
【0091】この時、図40に示すように3本の各足92aは、突起93〜突起93で囲まれた空間である溝部95より外れており、圧縮ばね90の働きにより、最初は6足部材91の足91bの斜面に沿って図中の矢印で示す方向、つまり左側斜め上の方向に動いた後、突起93上の斜面に沿って動き、次の溝部96内に落ち込む。そして、3足部材の足92aは、突起94上に引っかかって止まる。つまり、P3→P2と移動する。
【0092】ここで、3足部材92は、前記の通り、3本の足92aが120°間隔で設けてあり、(図36参照)、カバー部89は、溝部95が120°間隔で設けられ、溝部96が溝部95より60°ずれて、同様に120°間隔で設けられている為(図38参照)、3足部材92は60°回転する度に、その足部92aが溝部95−溝部96に入り、図40上で6足部材91を押す度にP1の状態−P2の状態−P1の状態と繰り返すことになる。
【0093】ここで、前述の通り、3足部材92は、押圧軸88に固着されている為、押圧軸88は、図23に於いて押圧部91aを押す度に、P1の状態−P2の状態−P1の状態を繰り返すことになる。
【0094】ここで、P2の状態に於いては、押圧軸88は、ストッパゴム84を押圧しているが、この押圧により発生する摩擦力は、操作レバー62を最大に傾倒させた時につる巻きばね77によって発生する力よりも十分に大きくなるように設定してある。
【0095】つまり、P2の状態に於いては、操作レバー62をどんなに傾けようと、押圧軸88〜ストッパゴム84間の摩擦が大きく、操作レバー62が戻らない構成となっている。次に作用を説明する。
【0096】図23に於いて、押圧部91aをP1状態(押圧軸88はストッパゴム84と非接触)で操作レバー62を傾倒させると、つる巻きばね77は変形し、応力を発生する。この傾倒操作の後に操作レバー62から手を離すと、前記応力により、操作レバー62は、つる巻きばね77を変形させない位置、つまりニュートラル状態まで中立復帰する。この状態では中立復帰するモードとして機能する。
【0097】次に、押圧部91aを一度押し、P2状態(押圧軸88はストッパゴム84を押圧している)で操作レバー62を傾倒させると、その傾倒角度に応じてつる巻きばね77は変形し、応力を発生する。、その後に操作レバー62から手を離すと、つる巻きばね77は前記応力により操作レバー62を中立位置側へと復帰させようとする。しかし、押圧軸88がストッパゴム84を押すことにより、摩擦力が発生しており、この摩擦力はつる巻きばね77の発生応力よりも大きい為、操作レバー62は、中立復帰しない。この状態では中立復帰しないモードとして機能する。
【0098】ここでもう一度押圧部91aを押すと、押圧軸88がストッパゴム84の押圧を止め、両者が非接触状態となる為、つる巻きばね77の応力により操作レバー62は中立復帰するモードに切り換えられることになる。このように、2つのモードの切換を押圧部91aを押すという操作で簡単にできる様になっている。
【0099】この実施例は次の効果を有する。上記のように2つのモードの選択設定を押圧部91aを押す操作で簡単に行える。又、UDガイドをスイッチユニット上側に設けることにより、スイッチユニット内部が小型化できる。また、機械式中立復帰切換スイッチなので、スイッチ駆動用の電源がいらず、および節電、安全性が向上する。また、傾倒角度が大きいので、微調しやすく、操作性が良い。
【0100】図41及び図42は第3実施例の第1の変形例に係り、図41(a),(b)はこの変形例に用いられる2種類のつる巻きばねを示し、図42はこれらのつる巻きばねを用いて例えばRLガイド74を弾性的に固定した図を示す。第3実施例では図41の一方のつる巻きばね77のみを例えば5本用いている(例えば図21R>1参照)に対し、図42に示すようにこの変形例では2種類のつる巻きばね77,77′を用いて例えばRLガイド74を弾性的に固定している。
【0101】図41の2種類のつる巻きばね77,77′は巻き方向が逆で、従って互いに逆方向に付勢する。又、巻き方向が逆で(付勢する方向が逆で)あること以外は殆ど等しい特性である。これらのつる巻きばね77,77′は中心側端部77a,77′aをRLガイド74のマイナス型スリット74cに挿入され、外側の端部77b,77′bが固定用ブロック81,80にそれぞれネジ83,82で固定されている。
【0102】その際、垂直部77c,77′cが固定用ブロック81,80で挟まれる。この変形例ではブロック81のみならず、ブロック80にも図32に示すような溝81aが設けてある。図42では示していないが、つる巻きばね77,77′はそれぞれ3本づつ計6本(第3の変形例となる図47又は図48に図示してある)固定されている。従って上記溝は3本を収納する溝幅である。図示しないが、UDボリューム63も同様の固定方法で固定されている。
【0103】一般に、つる巻きばねは開く方向と閉じる方向とで発生する力が異なるため、このように対称的に配置してRLガイド74及びUDボリューム63を弾性的に保持するようにすると、RLガイド74及びUDボリューム63の回転軸を時計回り方向及び反時計回り方向のいずれの方向に回しても均等な力を発生させることができる。従って、この変形例によれば、傾倒する方向によって復帰速度が異なってしまうことを解消できる。
【0104】図43ないし図46は第3実施例の第2の変形例に係り、図43はスイッチユニットのRL方向断面図、図44はUD方向断面図、図45(a)は図43のR矢視図、図46(a)は図44のS矢視図を示す。この変形例はつる巻きばね77を用いないで、その機能をストッパゴム84で代用する、つまりこのストッパゴム84で中立復帰させる機能を兼ねるようにしたものである。
【0105】図43又は図45(a)において、操作レバー62を向こう側に傾斜させると、UDガイド69はUD回転部70を回転中心として、一緒に向こう側に傾倒する。すると、図45(a)は図45(b)に示すようになり、UDガイド69がストッパゴム84に当たる状態になり、このストッパゴム84の復元力により、UDガイド69が押し戻すように作用する。従って、UDガイド69は中立位置に戻り、一緒に操作レバー62も中立位置に戻る。
【0106】次に図44又は図46(a)において、操作レバー62を向こう側に傾斜させると、RLガイド74はその端部を回転中心として、一緒に向こう側に傾倒する。すると、図46(a)は図46(b)に示すようになり、RLガイド74がストッパゴム84に当たる状態になり、このストッパゴム84の復元力により、RLガイド74が押し戻すように作用する。従って、RLガイド74は中立位置に戻り、一緒に操作レバー62も中立位置に戻る。この変形例の効果は第3実施例とほぼ同様である。
【0107】次に第3実施例の第3の変形例を図47及び図48を参照して説明する。この変形例は第3実施例と第2の変形例とを組み合わせたものである。つまり、操作レバーをつる巻きばねとストッパゴムの弾性力で中立位置に復帰させるものである。操作レバーの傾倒角度が小さい場合(図47又は図48の状態から少し傾倒した場合)で、UDガイド69又はRLガイド74がストッパゴムに当たらない場合にはつる巻きばねの弾性力で復帰させる。操作レバーの傾倒角度が大きい場合には、RLガイド74等がストッパゴムに当たり、ストッパゴム及びつる巻きばねの弾性力で復帰させるようにしたものである。
【0108】次に第3実施例の第4の変形例を説明する。この変形例は例えば図41のつる巻きばね77、77′の内側の端部77a、77a′を固定する場合、回転中心を一致させないで互いに少しずらしてRLガイド74のスリット74c等に固定することによって、中立位置の状態でもその位置に保つように付勢し、中立位置付近で遊び(僅かに傾倒しても中立位置に戻す力が発生しない)が発生しないようにしている。
【0109】次に第3実施例の第5の変形例を説明する。この変形例は例えば図41のつる巻きばね77、77′の内側の端部77a、77a′が点線で示すものである場合に、実線のように変形した状態でRLガイド74のスリット74c等に固定することによって、中立位置の状態でもその位置に付勢するようにして遊びが発生しないようにしている。
【0110】図49〜図53は本発明の第4実施例を示す図である。本実施例は、第2実施例のUDガイド〜RLガイド間で行っていたSMA圧縮ばねの圧縮を、操作レバー〜ケース間で行うようにしたもので、他は第2実施例と同じなので、同じ部品は同符号を付し説明を省略する。図49に示す湾曲スイッチ160は、ケース51と操作レバー33より構成されている。
【0111】図50は図49のP−P′断面、図51は図49のQ−Q′断面である。これらの図より分かるように、ケース51内では、第2実施例で説明したUDガイド54が逆向きに取り付けられ、RLガイド52は第2実施例と同じ向きに設けられている。また、RLガイド52の下では、操作レバー33にフランジ部161が圧入等の手段で固定されている。このフランジ部161の下方には、第2実施例で既に述べてSMA圧縮ばね56を挾み、後述する移動部材163が設けられている。移動部材163の下方には、カム曲面を有するカム部材164が、ケース51に接着後の手段により固定されている。
【0112】図52はカム部材164と、移動部材163の関係を示す図である。カム部材164は、図53に示すように、中央では操作レバー33の回転中心O”からの曲率半径が大きく、両端に行く程曲率半径が小さくなる曲面を有している。この曲面はU,D,RL方向全て同じである。
【0113】図52に戻り、ニュートラル状態のP4状態で操作レバー33には、フランジ部161が固定され、その下にはSMA圧縮ばね56が操作レバー33に挿通されている。そしてその更に下には、カム部材164側に半球状の曲面を有し、ざぐり溝163aとそれよりひとまわり小さな貫通穴163bを有する移動部材163が設けられている。
【0114】移動部材163は、貫通穴63bに操作レバー33を過し、ざぐり溝163a内で、操作レバー33に設けられたねじ部165にナット166を締め付けることにより、操作レバー33に対し図中上方向に移動自在で、かつ操作レバー33より外れないよう構成されている。
【0115】次に操作レバー33を傾倒させるとP5状態となる。この時、移動部材163は、カム部材164の曲率半径が小さくなることにより、矢印方向に移動する。ここで、フランジ部161は、操作レバー33に固定さて居る為、回転中心0”からの距離は変わらない。つまり、移動部材163のみ回転中心0”に近づく為、フランジ部161と移動部材163に挾まれている圧縮ばね56が圧縮され、変形することになる。
【0116】尚、第2実施例で述べた通り、SMA圧縮ばね56の両端には、図示しない電源がつながっており、操作レバー33の上頭部33aを押す度ごとに通電−非通電−通電を繰り返す回路構成となっている。次に作用を説明する。
【0117】図52に於いて、例えばSMA圧縮ばねが非通電時に操作レバー33を傾け、P4状態→P5状態とすると、カム部材164により、移動部材163が図中矢印方向に動き、圧縮ばね56が圧縮変形される。ここで、第2実施例で述べたようにSMAは非通電時には横弾性係数Gが小さくなり、これにより、圧縮ばね56は、変形による発生応力が小さくなる。よって、非通電時には圧縮ばね56が変形しても、変形したままで元には戻らない。
【0118】ここで、圧縮ばね56に通電加熱すると、横弾性係数Gが大きくなることにより、発生応力も大きくなる。ここで圧縮ばねは56、カム部材164の曲面を押し戻そうとし、この力F”はFx ”とFy ”に分解され、Fy ”により移動部材163がP4状態まで戻される。これにより操作レバー33は中立復帰する。
【0119】次に本発明の第5実施例における湾曲操作スイッチを説明する。図54において、ジョイスティック100には図示しない中立復帰機構が設けられている。このジョイスティック100の2つの側面部101,102には突出部103,104が設けられている。図55に示すように突出部103はポテンショメータ室105及びブレーキ室106から成る。ポテンショメータ室105とブレーキ室106の間にはOリング70が設けられ、両室をシールしている。
【0120】ポテンショメータ室105内にはスティック107を動かすことによって回転する回転軸108がポテンショメータ109を貫通するように設けられ、この回転軸108の回転角をポテンショメータ109が検出するようになっている。ポテンショメータ109を貫通した回転軸108は上記ブレーキ室106内に達し、その端部付近には羽根111が固定されている。図56では90°間隔で4枚となっているが、少なくとも1枚以上であれば良い。
【0121】ブレーキ室106には1〜100μmの微粒子を混合した溶剤112(いわゆるER流体)が満たされている。このブレーキ室106には電極113が室内に露出するように設けられている。電極113はリード線により電源114及びスイッチ115と電気的に接続されている。
【0122】そして、溶剤112がイオン化されて整列されていない状態では、ブレーキ室106内に収納された羽根111が設けられた回転軸108は、ブレーキ室106内の溶剤112を撹拌するだけで回転の妨げにはならない。この実施例の作用を以下に説明する。
【0123】ジョイスティック100のスティック107を傾けることにより、回転軸108がスティック107の傾きの角度分回転し、この回転はポテンショメータ109により検出される。この場合、溶剤112がイオン化されて整列されていない状態であるので、ブレーキ室106内に収納された羽根111が設けられた回転軸108は、ブレーキ室106内の溶剤112を撹拌するだけで回転の妨げにはならない。
【0124】ここで検出された回転角の値は図示しない制御系により、処理されて例えば、内視鏡の湾曲部を湾曲させる。ここでスティック107から手を離すと、図示しない中立復帰機構によりスティック107は中立状態に復帰する。一方、スティック107を任意の位置で固定したい場合にはスイッチ115をONにする。すると、電源114と電極113は導通する。そして、一方の電極113には+(プラス)の電荷が、他方の電極113にはー(マイナス)の電荷が発生する。
【0125】このため、ブレーキ室106内に充満された溶剤112中の微粒子はイオン化されているので、図5757(b)に示すように電極113の電荷に引き寄せられ、1対の電極113,113間に微粒子が結合して整列に近い状態となる。この結果、溶剤112の粘度は上昇し、羽根111はその抵抗により回転できなくなり、スティック107は任意の位置に固定される。
【0126】さらにこの状態からスティック107を中立状態に復帰させるにはスイッチ115をOFF状態にする。これにより、図57(a)に示すように溶剤112中のイオン化した微粒子は結合がなくなり、溶剤112の粘度は低下する。この結果、羽根111は回転可能になり、中立復帰機構により、スティック107を中立状態に復帰する。尚、回転軸108が回転してもブレーキ室106とポテンショメータ室105との間にはOリング110でをシールしてあるので、ブレーキ室106内の溶剤112がポテンショメータ室105に漏れることはない。
【0127】尚、溶剤交換用のドレーン孔をブレーキ室106に設けても良い。又、スイッチ115はスティック107に内蔵しても良い。又、溶剤中の微粒子は容易に沈澱することはないが、沈澱しても羽根の撹拌により、すぐに溶剤中に均一に存在するようになる。この実施例は機械的又は電磁的のクラッチよりも小型化できるメリットがある。
【0128】次に中立位置を認識できるようにした湾曲操作スイッチの各実施例を図58から図64まで順次説明する。図58において、ジョイスティックの4方向中心点(図示せず)を中心にスティック301は傾動する。この実施例のタイプのスティック301は上下動しない。スティック301は中立点(図58(a)の状態)において、中立支持部材302の上面凹部303に嵌り込んでいる。中立支持部材302はばね304によりジョイスティック本体底部305に揺動自在に固定されている。次に作用を説明する。
【0129】スティック301が傾動されると、凹部303からはずれ、図58(b)の状態になる。さらに、スティック301を傾動すると、ばね304の力により中立支持部材302は図58(a)の中立状態に復帰する。スティック301は、この状態では中立支持部材302に触れないため、その感触がスティック301に伝わらず、スティック301が中立付近にないことが分かる。
【0130】スティック301が中立支持部材302に当たると、その感触がスティック301に伝わる。尚、スティック301が完全に中立になると、凹部303に嵌まるようにばね304は選定されている。この構造によれば中立付近を認識できるという効果を有する。
【0131】図59ではスティック311は、その軸方向に移動可能になっており、2点鎖線で示す第1の位置312と第2の位置313とを選択可能になっている。ジョイスティック本体底部314には、ばね315の一端が固定されており、他端には中立付勢部材316が固定されている。中立付勢部材316の内面には、図59(a)の位置関係で、中心線317にどの方向に対しても、対称なカム面318が設けられている。次に作用を説明する。
【0132】図59(a)の第1の位置312ではスティック311は、傾動しても中立付勢部材316に全く接触しない。従って、手をスティック311から離しても、その傾動角度が保持される。図59(a)の第1の位置312では、スティック311が傾動されると、図59(b)に示すように、スティック311がカム面318に当接する。
【0133】この状態ではスティック311から手を離すと、ばね315の付勢力により図59(a)の様にスティック311は中立状態になる。この構造によれば中立復帰の有無を切換可能であるという効果を有する。図6060ではスティック321は外筒322と、内棒323とからなり、押圧子を形成する内棒323は外筒322に対して突没自在である。この内棒323にはストッパネジ325が設けられ、内棒323が外筒322に引き込まれすぎない様になっている。
【0134】外筒322の下部には中立付勢部材326が嵌まり込む様になっている。この中立付勢部材326はばね327により揺動可能にジョイスティック本体328に固定されている。次に作用を説明する。
【0135】図60(a)及び図60(b)を用いて中立復帰の動作を説明する。スティック321が傾動されると、図60(b)の状態になる。ここで、スティック321から手を離すと、ばね327の付勢力により図60R>0(a)の状態にスティック321は中立復帰する。
【0136】スティック321を傾動させ、図60(b)の状態になった時、図60(c)に示す様に外筒322を上部にスライドすると、この外筒322と中立付勢部材326の係合が外れてその結果ばね327の付勢力により、図60(d)に示す状態となる。ここで、スティック321から手を離しても、図60(d)に示す様にスティック321の傾き状態が保持される。
【0137】次に外筒322を下部にスライドすると、図60(a)に示す様に外筒322と中立付勢部材326が係合し、中立復帰する。尚、先に外筒322を上部にスライドさせてからスティック321を傾動させれば、上記と同様にスティック321の傾きが保持される。
【0138】図61ではスティック331は外筒332と、押圧棒333とからなる。この押圧棒333は外筒322に対して突没自在である。この押圧棒333の下端には中立付勢部材334の上面凹部に係合固定されている。この中立付勢部材334はばね335によりジョイスティック本体336に固定されている。次に作用を説明する。
【0139】図61(a)を参照して中立復帰しない場合、即ちスティック331の傾きが保持される場合について説明する。ばね335は図61(a)の状態では付勢力が中立復帰させるには不十分であるため、スティック331が傾けられると、その傾きが保持される。
【0140】次に図61(b)を参照して中立復帰する場合について説明する。外筒332に対して、押圧棒333が突出した位置に選択されると、ばね335の付勢力が中立復帰に必要な付勢力が発生し、従って中立復帰させる。
【0141】図62ではスティック341は軸方向にスライド自在になっている。円柱状のケーシング342の下部には蓋343が螺合されている。ケーシング342内には円形のプレート344が設けられている。このプレート344の中心には孔345が設けてある。又、このプレート344はばね346により、上向きに付勢されている。
【0142】スティック341の下方には、プレート344の孔345よりも大径の円板部347が設けられている。次に作用を説明する。図62の状態ではスティック341を傾動して、スティック341から手を離すと、その傾きが保持される。スティック341を傾動させて、その後中立復帰がしたくなったら、スティック341をスライドさせ、円板部347をプレート344に押し付け、手を離す。すると、ばね346の付勢力により、中立復帰する。
【0143】図63ではスティック351は軸方向にスライド自在になっている。円柱状のケーシング352の下部には蓋353が螺合されている。ケーシング352内には円形のプレート354が設けられている。このプレート354の中心には穴(又は凹部)355が設けてある。又、このプレート354はばね356により、上向きに付勢されている。
【0144】ケーシング352の上面に設けられた孔357より小径のつば358がスティック351の下方に設けられている。このスティック351の下部の凸部359は上記穴355に嵌合する。次に作用を説明する。図63の状態で、スティック351を傾動して、スティック351から手を離すと、その傾きが保持される。スティック351を傾動してからスティック351を下方にスライドしてもケーシング352の上面にスティック351の下部が当たって中立復帰しない。
【0145】中立復帰させるためには、スティック351が中立状態で、スティック351を下方にスライドさせ、凸部359が穴355に係合し、さらにつば358の厚さ以上スティック351をスライドさせてから、スティック351を傾動させる必要がある。
【0146】図64ではスティック361は軸方向にスライド自在となっている。ジョイスティック本体下面362にはばね363が固定されている。次に作用を説明する。図64のスティック361の実線の状態で、スティック361を傾動させると、その傾きは手を離しても保持される。図57のスティック361の破線の状態で、スティック361を傾動させると、手を離すと中立復帰する。
【0147】尚、例えば第1実施例などにおいて、操作レバー33を傾倒させた場合、その傾倒角度はボリューム(ポテンショメータ)34、35の抵抗値から検出されるが、その抵抗値をメモリ等に記憶できるようにして、中立位置に復帰させた場合にも、その後に記憶された抵抗値を読み出すことにより再び同じ傾倒角度に設定できるようにしても良い。
【0148】尚、操作レバーを操作して復帰させる位置は中立位置に限らず、他の位置でも良い。又、復帰させる位置を可変設定できるようにしても良い。
【0149】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、 湾曲操作する操作レバーを中立位置に復帰させるモードを実現する復帰機構と、操作レバーを中立位置に復帰させないモードを実現する復帰なし機構と、これら2つの機構の一方を選択的にアクティブにする選択設定手段とを設けてあるので、選択設定手段の操作によりいずれのモードへも簡単に設定でき、操作性が良い湾曲操作装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の電子式内視鏡装置の全体構成図。
【図2】湾曲駆動機構を示す説明図。
【図3】湾曲スイッチを示す斜視図。
【図4】図3のA−A′断面及び操作レバーを傾倒した場合の断面図。
【図5】図3のB−B′断面及び操作レバーを傾倒した場合の断面図。
【図6】RLガイドを示す斜視図。
【図7】UDガイドを示す斜視図。
【図8】操作レバーの構造を示す断面図。
【図9】つる巻きばねの代わりに使用可能なトーションばねを示す斜視図。
【図10】湾曲スイッチを示す斜視図。
【図11】図10のC−C′断面図。
【図12】図10のD−D′断面図。
【図13】RLガイドを示す斜視図。
【図14】UDガイドを示す斜視図。
【図15】UDガイドの形状を示す正面図。
【図16】図11のE−E′断面図。
【図17】図12のF−F′断面図。
【図18】図16の状態から傾けた場合に操作レバーに作用する力を示す説明図。
【図19】図17の状態から傾けた場合に操作レバーに作用する力を示す説明図。
【図20】第3実施例における湾曲スイッチを示す平面図。
【図21】図20のGAーGB−GC−GD線断面図。
【図22】図20のH−H′線断面図。
【図23】図20のI−I′線断面図。
【図24】図22の状態で操作レバーを傾けた状態を示す断面図。
【図25】図23の状態で操作レバーを傾けた状態を示す断面図。
【図26】UD用ボリュームの回転部を示す斜視図。
【図27】UDガイドを示す斜視図。
【図28】UD回転軸を示す斜視図。
【図29】RL用用ボリュームの回転部を示す斜視図。
【図30】RLガイドを示す斜視図。
【図31】RLガイドを示す平面図。
【図32】図21のJ−J′断面で、つる巻きばねの外側端部が係入される溝が設けられたブロックを示す図。
【図33】図20のK−K′断面図。
【図34】図23のM−M′断面図。
【図35】6足部材を示す側面図。
【図36】3足部材を示す側面図。
【図37】カバー部材を示す断面図。
【図38】図37のN−N′断面でカバー部材を示す図。
【図39】6足部材と3足部材との係合をカバー部材と共に示す説明図。
【図40】図39のP−P′断面で、6足部材と3足部材との係合を示す説明図。
【図41】第3実施例の第1の変形例に用いられるつる巻きばねを示す図。
【図42】図41のつる巻きばねでRLガイドを弾性的に固定した様子を示す正面図。
【図43】第3実施例の第2の変形例におけるRL方向の断面図。
【図44】第3実施例の第2の変形例におけるUD方向の断面図。
【図45】図43のR方向から見た概略図。
【図46】図44のS方向から見た概略図。
【図47】第3実施例の第3の変形例におけるRL方向の断面図。
【図48】第3実施例の第3の変形例におけるUD方向の断面図。
【図49】本発明の第4実施例における湾曲スイッチを示す斜視図。
【図50】図49のP−P′断面図。
【図51】図49のQ−Q′断面図。
【図52】カム部材と移動部材の関係を示す拡大図。
【図53】曲率半径が変化するように形成されたカム部材を示す図。
【図54】本発明の第5実施例における湾曲スイッチを示す斜視図。
【図55】突出部の内部構造を示す断面図。
【図56】ブレーキ室を示す断面図。
【図57】スイッチをOFFにした場合とONにした場合の動作の説明図。
【図58】中立位置を認識できるようにした機構の第1実施例の要部を示す説明図。
【図59】中立位置を認識できるようにした機構の第2実施例の要部を示す説明図。
【図60】中立位置を認識できるようにした機構の第3実施例の要部を示す説明図。
【図61】中立位置を認識できるようにした機構の第4実施例の要部を示す説明図。
【図62】中立位置を認識できるようにした機構の第5実施例の要部を示す説明図。
【図63】中立位置を認識できるようにした機構の第6実施例の要部を示す説明図。
【図64】中立位置を認識できるようにした機構の第7実施例の要部を示す説明図。
【符号の説明】
1…電子式内視鏡装置
2…電子式内視鏡
3…光源装置
4…ビデオ制御装置
5…モニタ
6…湾曲用モータ制御装置
7…操作部
8…挿入部
10…湾曲部
19…湾曲スイッチ
21…駆動モータ
26…湾曲操作ワイヤ
32…ケース
33…操作レバー
34…UD用ボリューム
35…RL用ボリューム
36…(UD用)つる巻きばね
37…(RL用)つる巻きばね
38…RLガイド
39…ピン
40…UDガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】 挿入部の先端側を湾曲させる湾曲機構と、この湾曲機構を駆動する為の駆動部と、この駆動部を操作する為の傾倒自在な湾曲レバーを有するジョイスティックから成る湾曲スイッチと、この湾曲スイッチの操作によって前記駆動部を制御する制御手段とを有する内視鏡の湾曲操作装置に於いて、前記湾曲スイッチの操作レバーを傾倒する付勢力を停止した場合に、前記操作レバーを所定の位置に復帰させる第1のモードと、前記付勢力を停止した場合の位置に前記操作レバーを自動的に停止させる第2のモードとを切り換えるモード切換手段を有することを特徴とする内視鏡の湾曲操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図26】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図24】
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【図29】
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【図36】
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【図23】
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【図25】
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【図27】
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【図28】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図38】
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【図35】
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【図37】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図46】
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【図45】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図53】
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【図55】
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【図56】
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【図63】
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【図64】
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【図52】
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【図54】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図61】
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【図60】
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【図62】
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