説明

内視鏡用光源装置

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、面順次式の撮像手段を備えたスコープ、カラーモザイク式の撮像手段を備えたスコープ、およびファイバスコープに適合する照明光を供給できる内視鏡用光源装置に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする問題点]
近年、体腔内に細長の挿入部を挿通することにより、体腔内臓器等を観察したり、必要に応じて処置具チャンネル内に挿通した処置具を用いて各種治療処置のできる内視鏡(スコープまたはファイバスコープとも呼ぶ。)が広く用いられている。
また、電荷結合素子(CCD)等の固体撮像素子を撮像手段に用いた電子スコープも種々提案されている。この電子スコープは、ファイバスコープに比べて解像度が高く、画像の記録及び再生等が容易であり、また、画像の拡大や2画像の比較等の画像処理が容易である等の利点を有する。
前記電子スコープのカラー画像の撮像方式には、例えば、特開昭61−82731号公報に示されるように、照明光をR(赤),G(緑),B(青)等に順次切換える面順次式と、例えば、特開昭60−76888号公報に示されるように、固体撮像素子の前面にR,G,B等の色光をそれぞれ透過する色フィルタをモザイク状等に配列したフィルタアレイを設けたカラーモザイク式(同時式とも呼ぶ。)とがある。面順次式は、カラーモザイク式に比べて画素数を少なくできるという利点を有し、一方、カラーモザイク方式は、色ずれを生じないという利点を有する。
また、前記電子スコープは、その使用目的により、多種化している。例えば、上部あるいは下部消火器用では、挿入部の外径が10φmm前後のものが用いられている。これに対し、例えば、気管支用では、通常外径5φmm前後以下のものが必要とされる。このように、挿入部の外径が広範囲にわたる種々の電子スコープに対して、同一種の撮像素子及び同一種の撮像方式を用いることは、物理的、性能的に無理がある。すなわち、例えば、気管支用(細径)の電子スコープを実現させるためには、画素数の少ない撮像素子を用いることにならざるを得ない。
このように画素数が少ない場合には、解像度の低下を防ぐために、カラーモザイクフィルタを用いたカラーモザイク式の撮像方式よりも、R,G,Bの各波長の光で面順次方式に照明し、その照明のもとで面順次撮像し、これらを合成してカラー表示する面順次式のカラー撮像方式が有利である。
一方、外径10φmm前後のものに対しては、画素数を多くし、撮像方式をカラーモザイク式とすることが、画質向上のために有利である。
ところで、前記ファイバスコープあるいは電子スコープは、一般に、各スコープに適合する照明光を供給する光源装置に接続して用いられるが、前記ファイバスコープ、面順次式の電子スコープ、カラーモザイク式の電子スコープでは、照明方法が異なる。すなわち、ファイバスコープとカラーモザイク式の電子スコープでは白色光を必要とし、面順次式の電子スコープでは、R,G,B等に順次切換わる光を必要とする。更に、同じ面順次式の撮像方式でも固体撮像素子の種類や内視鏡の用途に応じて、照明光の分光強度やブランキング期間を変える必要があるため、使用者は、スコープの種類により、それぞれ異なる光源装置を用意して、異なる操作を行う必要があり、経済性及び効率が悪かった。
更に、従来の光源装置は出射できる照明光の観察波長領域が固定されるため、例えば血液の情報を含む特殊画像と一般的な可視領域の画像とを比較することができなかった。
[発明の目的]
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、面順次式の撮像手段を備えたスコープ、カラーモザイク式の撮像手段を備えたスコープ、および肉眼観察可能なファイバスコープに適合する照明光を供給できると共に、特殊光観察に適合する照明光を供給できる内視鏡用光源装置を提供することを目的としている。
[問題点を解決するための手段および作用]
本発明による内視鏡用光源装置は、 照明光としての白色光を出射する光源と、 外装板に設けられた開口部から前記光源と被写体との間に挿脱自在に介装可能で波長領域の異なる各色光を順次透過する回転フィルタを内設する第1のフィルタカセットと、 外装板に設けられた開口部から前記光源と被写体との間に挿脱自在に、かつ前記第1のフィルタカセットと直列に介装可能であって、少なくとも特定の波長領域の光を選択的に透過可能なフィルタを前記光源と被写体とを結ぶ光路上に選択的に切り換えて挿入可能な第2のフィルタカセットと、 を備えることを特徴とする。
[実施例]
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図ないし第11図は本発明の第1実施例をを示す。
第5図(a)ないし第8図に示すように、内視鏡装置1には、本実施例の光源装置と映像信号処理を行うビデオプロセッサとが収納され、各種のスコープ(内視鏡)2A,2B,2C,2D,2Eのいずれをも接続可能とする制御装置1aを備えている。スコープとしては、図に示すように5種類のもの、すなわち、面順次式電子スコープ2A、カラーモザイクフィルタを使用したカラーモザイク式電子スコープ2B、面順次式テレビカメラを外付けしたファイバスコープ(以下、面順次式テレビカメラ付きファイバスコープと記す。)2C、カラーモザイク式テレビカメラを外付けしたファイバスコープ(以下、カラーモザイク式テレビカメラ付きファイバスコープと記す。)2D、及びファイバスコープ2Eがある。
前記各スコープ2A,2B,2C,2D,2Eは、それぞれ細長の挿入部3と、この挿入部3の後端部に連設された操作部4を有し、この操作部4から図示しないユニバーサルコードが延設され、この図示しないユニバーサルコードの先端に、光源用コネクタ5A,5B,5C,5D,5Eが設けられている。面順次式電子スコープ2Aと、カラーモザイク式電子スコープ2Bでは、前記ユニバーサルコード4aの先端側に、光源用コネクタ5A,5Bの他に信号用コネクタ6A,6Bが設けられている。また、面順次式テレビカメラ付きファイバスコーブ2Cとカラーモザイク式テレビカメラ付きファイバスコーブ2Dは、ファイバスコープ2Eの接眼部7に面順次式テレビカメラ8C、カラーモザイク式テレビカメラ8Dをそれぞれ装着した構成であり、各テレビカメラ8C,8Dから延出され信号ケーブルの先端に信号用コネクタ6C,6Dが設けられている。
前記各スコープ2A,2B,2C,2D,2E(以下、これら全てのスコープに共通する場合には、符号2で代表する。)のコネクタ5A,6A;5B,6B;5C,6C;5D,6D,5Eを接続して各スコープ2を使用可能な状態に設定できるように、制御装置1aの例えばハウジングの前面には、1組のコネクタ受けが設けられている。これらコネクタ受けは、光源用コネクタ受け11、信号用コネクタ受け12とからなる。前記光源用コネクタ受け11は、前記各スコープ2の互いに同一形状の光源用コネクタ5A,5B,5C,5D,5Eを各々接続できる形状になっている。また、光源用コネクタ受け11の下側に隣接する前記信号用コネクタ受け12は、前記各スコープ2の互いに同一形状の信号用コネクタ6A,6B,6C,6D,を各々接続できる形状になっている。
前記ファイバスコープ2Eを接続して使用する場合には、肉眼観察であるが、他のスコープ2A,2B,2C,2Dを使用する場合には、制御装置1aの信号出力端に接続したカラーモニタ13によって、撮像した像をカラー表示できるようになっている。
尚、各スコープ2における光源用コネクタ5A,5B,5C,5D,5Eには、本実施例では、ライトガイドコネクタと共に、図示しない送気・送水用コネクタが設けられており、コネクタ受け11もこれらを接続できる構造になっている。更に、信号用コネクタ6A,6B,6C,6D内には、図示しないスコープ長さ判別抵抗及び静電気保護抵抗が設けられており、信号用コネクタ受け12もこれらを接続できるようになっている。
各スコープ2は、それぞれ照明後を伝送するライトガイド14が挿通され、制御装置1a内の光源装置15の光源部15aから入射端面に供給された照明後を出射端面側に伝送し、この出射端面の前方に配置した配光レンズ16を経て、前方の被写体側を照明できるようになっている。
また、前記各スコープ2は、挿入部3の先端部に結像用の対物レンズ17が配設されている。この対物レンズ17の結像位置には、面順次式またはカラーモザイク式の両電子スコープ2Aまたは2Bにおいては、CCD等の固体撮像素子18が配設され、一方、ファイバスコープ2E、テレビカメラ8Cあるいは8Dを装着したビデオカメラ付きファィバスコープ2Cまたは2Dでは、イメージガイド19の入射端面が臨むように配設されている。また、前記イメージガイド19の出射端面に対向して接眼レンズ21が配設されており、ファイバスコープ2Eでは、接眼部7に目を近づけて肉眼による観察を行うことができるようになっている。
一方、ファイバスコープ2Eの接眼部7に面順次式のテレビカメラ8Cまたはカラーモザイク式テレビカメラ8Dを装着したものにおいては、接眼レンズ21に対向して図示しない結像用レンズを介してそれぞれ固体撮像素子22が配設されている。
撮像手段を構成する固体撮像素子18または22は、撮像面に結像された光学像を光電変換し、プリアンプ24で増幅された後、信号伝送ラインを経て、信号用コネクタ6(6A,6B,6C,6Dを代表する。)側に伝送し、このコネクタ6が接続された信号用コネクタ受け12を経て、ビデオプロセッサ25aまたは25bに入力されるようになっている。また、各固体撮像素子18または22には、前記ビデオプロセッサ25aまたは25bのドライバ26aまたは26bから固体撮像素子駆動用クロックが印加されるようになっている。
また、ファイバスコープ2E以外のスコープには、スコープ識別用タイプ信号を出力するタイプ信号発生回路27A,27B,27C,27Dが設けられており、信号用コネクタ6を介して制御装置1a内の識別回路28で識別されるようになっている。
ところで、前記いずれのスコープ2でも接続可能な制御装置1a内は、第5図(a)に示すように、光源部15aからなる光源装置15と、2組のビデオプロセッサ25a,25bとが収納されている。
前記光源装置15の光源部15aは、第1図において、白色光を出射する光源ランプ31と、この照明光が入射することのできるライトガイド14の入射端面とを結ぶ光路上には、前記光源ランプ31から出射された照明光を平行光にする平行光レンズ36と、この平行にされた照明光の波長領域を選択できる波長領域選択手段としてのターレットカセット34と、光源装置15に面順次式電子スコープ2Aと面順次式テレビカメラ8Cが接続された場合に挿着される色分離手段としてのフィルタカセット38と、このフィルタカセット38を出射した照明光を集光する集光レンズ37が配設されている。
第3図および第4図において前記回転フィルタ33は、円盤状であって、板面の周方向には、赤(R),緑(G),青(B)の3原色の色透過フィルタ32R,32G,32Bを有し、光源ランプ31より出射した白色光を赤,緑,青の各波長の照明光とし、面順次式電子スコープ2Aと面順次式テレビカメラ8Cに適合した照明光を出射できるようになっている。なお、このフィルタカセット38は光源装置15にモザイク式電子スコープ2Bとモザイク式テレビカメラ8Dとファイバスコープ2Eが接続された場合に抜去して各スコープに適合する白色光を出射できるようになっている。
この色透過フィルタ32R,32G,32Bの内径側の周方向には、固体撮像素子信号読みだしのタイミング検出用に複数の孔47,47…が設けられている。
前記回転フィルタ33は、フィルタカセット38に収納されており、該回転フィルタ33の回転中心には、玉軸受39,39に軸支され、フィルタカセット38の中央部に設けられた回転軸40が設けられている。
前記フィルタカセット38の正面板48と背面板49には、窓50,50が設けられ、光源ランプ31を出射した白色光が色透過フィルタ32R,32G,32Bを透過できるようになっている。更に、前記タイミング検出用の孔47を臨むように正面板48と背面板49には、窓53,53が設けられており、一方の窓53から孔47を臨むように例えば発光素子74が配設され、他方の窓53から孔47を臨むようにして例えばフォントセンサ75が設けられている。
前記回転軸40の正面側端面には、軸方向に設けられた溝部51,51を有する穴66が設けられており、正面板48の中央部には、該穴66を臨むように窓67が設けられている。
前記穴66には、径方向に突起したピン69,69が前記溝部51,51と一致するように設けられ、滑り軸受72aに支持された回転フィルタ駆動用モータ70の駆動軸68が挿入されている。
前記回転フィルタ駆動用モータ70の前方には、制御装置1aの例えば前面板71を貫通し、滑り軸受72bによって支持された略円筒状の着脱ノブ73が連設されている。
前記フィルタカセット38内には、フィルタの種類を判別するための、例えばROM(リードオンリーメモリ)や接点の組合せ等によって回転フィルタ33を透過する照明光の分光強度やブランキング期間等の情報が記憶されたフィルタ種類記録部83が設けられており、フィルタカセット38の側面に設けられた接点84に接続されている。
前記フィルタカセット38は、第2図のように、例えば制御装置1aの頂板77に設けられた、開口部78により挿入され、フィルタカセット38の側板86に設けられた位置決めピン79,79により位置決めされるようになっている。位置決めの後に、着脱ノズル73を制御装置1aの方向に押すことにより回転フィルタ駆動用モータ70の駆動軸68が、回転フィルタ33を支持する回転軸40に設けられた穴66内に挿入され、回転を伝達できるように連結される。
なお、フィルタ種類記録部83の接点84は、フィルタカセット38が位置決めされると同時に制御装置1a内のタイミングジェネレータ52と接続されるようになっており、挿入された回転フィルタ33の種類及び特性をタイミングジェネレータ52に伝送し、これに適合する信号を面順次式プロセス回路41aとモザイク式プロセス回路41bとドライバ26a,26bと出力回路80とドライバ116とに出力できるようになっている。
前記ドライバ116は、タイミングジェネレータ52からの回転フィルタ33に適合した、同期信号により回転フィルタ駆動用モータ70を駆動する。
なお、前記フォントセンサ75は、タイミングジェネレータ52のクロックのタイミングを回転フィルタ33の回転に同期させ、且つこのタイミングジェネレータ52の出力は面順次式プロセス回路41aのタイミングを制御するようになっている。
前記ターレットカセット34内には、円板状のターレット板91が、このターレット板91の回転中心に設けられた軸92を軸支されるようにして設けられている。このターレット板91には周方向に扇状に形成された赤外線カットフィルタ93の減光効果を持つ中性濃度フィルタ(NDフィルタ)94と照明光の波長領域を選択する特殊光観察用フィルタ96と開口部97とが配設されている。
前記赤外線カットフィルタ93は前記フィルタカセット38が挿着された場合に照明光に含まれる赤外成分を除去するために用いられるようになっている。また、特殊観察用フィルタ96は、例えば血液中のヘモグロビンの量や酸素飽和度によって吸光度が顕著に変化する波長帯域を透過することができるようになっており、特殊光観察を行う場合に用いられるようになっている。更に、開口部97はフィルタカセット38が抜去された場合、すなわちカラーモザイク式の電子スコープ2Bとカラーモザイク式のテレビカメラ8Dとファイバスコープ2Eとが接続された場合に使用されるようになっている。
前記ターレット板91の外周には複数の爪98,98…が突設されており、ターレットカセット34の底板99に設けられたスリット101より挿入された突起部102と当接できるようになっている。このターレットカセット34は第2図のように制御装置1aの筐体29を形成する頂板77に設けられた開口部103より挿入され、挿入することによって前記突起部102がターレットカセット34内に突出されるようになっている。
前記突起部102はソレノイド105によって突没するピン108の先端部に設けられており、このピン108が突出することによって突起部102が爪98をターレット板91の接線方向に挿圧してターレット板91を回動できるようになっている。
第5図(a)において、ソレノイド105はターレット制御回路104によって制御されるようになっており、図示しない例えば前面板71に設けられたターレット回動スイッチを操作することによってターレット制御回路104がソレノイド105を動作させるようになっている。なお、ターレットカセット34の近傍にはソレノイド105によって回動された角度を検知できるように発光ダイオード106とフォトセンサ107とが設けられており、検知された角度をターレット制御回路104に入力して指定されたフィルタが光路上に挿入されるようになっている。
ところで、一方のビデオプロセッサ25aは、面順次式信号処理用のものであって、面順次式信号用コネクタ受け12の信号入力端子に入力された信号は、面順次式プロセス回路41aに入力され、R,G,Bの各波長の照明光のもとでそれぞれ撮像された信号を色信号R,G,Bとして出力するようになっている。この各色信号R,G,Bは、出力回路80により3原色出力端43から3原色信号GBとして出力される。また、前記色信号R,G,BはNTSC方式の複合ビデオ信号に変換され、NTSC出力端46から出力される。
前記面順次式プロセス回路41aは、例えば第9図に示すように構成されている。
すなわち、プリアンプを経て入力される信号は、サンプルホールド回路54に入力され、サンプルホールドされた後、γ補正回路55でγ補正されてA/Dコンバータ56でディジタル信号に変換される。そして、前記タイミングジェネレータ52の信号で切換えられるマルチプレクサ57を経てR,G,Bの面順次照明のもとで撮像された信号は、Rフレームメモリ58R、Gフレームメモリ58G、Bフレームメモリ58Bに書込まれる。これら各フレームメモリ58R,58G,58Bに書込まれた信号データは同時に読出され、それぞれD/Aコンバータ59でアナログ色信号R,G,Bに変換され、出力回路80に出力される。
一方、カラーモザイク式電子スコープ2B,モザイク式外付けカメラ付きファイバスコープ2Eの固体撮像素子18または22で撮像された信号は、カラーモザイク式プロセス回路41bに入力され、輝度信号Y、色差信号R−Y,B−Yが出力される。そして、この信号は出力回路80に入力され、NTSC方式の複合ビデオ信号に変換され、NTSC出力端46から出力される。また、前記輝度信号Y、色差信号R−Y,B−Yは、前記出力回路80により色信号R,G,Bに変換され、3原色信号出力端43から3原色信号RGBが出力される。
尚、前記カラーモザイク式プロセス回路41bは、例えば、第10図に示すように構成されている。
すなわち、プリアンプ24で増幅された固体撮像素子18または22からの信号は、輝度信号処理回路61を経て輝度信号Yが生成される。また、色信号再生回路62に入力され、色差信号R−Y,B−Yが1水平ラインごとに時系列的に生成され、ホワイトバランス回路63でホワイトバランス補償され、一方はアナログスイッチ64に直接、もう一方は1Hディレイライン63aで1水平ライン遅延されてアナログスイッチ64aに入力され、タイミングジェネレータ52の切換信号によって、色差信号R−Y,B−Yが得られる。
尚、タイミングジェネレータ52は、それぞれドライバ26a,26b及び図示しないNTSCエンコーダに信号を印加し、固体撮像素子18または22から信号読出しに用いる駆動パルスに同期した信号処理を行うように制御する。この場合、面順次式のビデオプロセッサ25aにおいては、前述したように、前記タイミングジュネレータ52はフォトセンサ75の出力によって、回転フィルタ33に同期させている。
ところで、タイプ信号発生回路27A,27B,27C,27Dは、例えば2つの端子間にそれぞれ異なる抵抗値の抵抗等を接続して形成され、一方、識別回路28は、2つの端子間の抵抗値をコンパレータ等を用いていずれも抵抗値のスコープが接続されたかを識別できるようにしている。
前記識別回路28は、両ドライバ26a,26bを制御する他に、切換スイッチ103の切換を制御する。例えば、面順次式スコープ2A又は2Cが接続されると、面順次式に切換えられ、ドライバ26aの駆動パルスがコネクタを経て固体撮像素子18に印加されると共に、固体撮像素子18から読出された信号は面順次式プロセス回路41aに入力される。
一方、面順次式スコープ2A,2Cが接続されてないと、モザイク式プロセス回路側が選択されるようになっている。尚、モザイク式スコープ2B又は2Dの場合を検出して、切換スイッチ103をモザイク式側に切換えるようにしても良い。
上記識別回路28は、タイミングジェレネータ52にも制御信号を送り、いずれの方式にも対処できるようにしている。
また、第11図に示すように出力回路80は、マトリックス回路44aの出力端とNTSCエンコーダ45との間に3回路2接点の切換スイッチ81を設け、且つ逆マトリックス回路44bの出力端とドライバを形成するバッファ42との間にも3回路2接点の切換スイッチ82が設けてある。
上記切換スイッチ81は、一方の接点側がオンされると、マトリックス回路44aの信号を共通のNTSCエンコーダ45に導き、このNTSCエンコーダ45でNTSC方式のビデオ信号にされて共通のNTSC出力端46から出力する。又、他方の接点側が選択されると、モザイク式プロセス回路41bの信号をNTSCエンコーダ45に導き、共通のNTSC出力端46から出力する。
一方、他方の切換スイッチ82については、面順次式側が選択されると、面順次式プロセス回路41aの出力信号がドライバを形成する共通のバッファ42を経て共通のRGB出力端43から3原色信号が出力される。又、モザイク式プロセス回路側が選択されると、逆マトリックス回路44bを経た3原色信号R,G,Bが共通のRGB出力端43から出力される。
上記切換スイッチ81,82は、それぞれがマニュアルで切換えることができるし、これらを連動して切換えるようにすることもできる。
なお、ターレットカセット34に設けられるフィルタは光源ランプ31の出射光に含まれる可干渉性の高い輝線スペクトルのピークを減衰させたり、輝線スペクトルを除去するフィルタとしてもよい。
本実施例によれば、ターレットカセット34に設けられたフィルタを選択的に照明光の光路上に挿入することによって赤外成分の除去,照明光の減光,特殊観察を行うことのできる波長領域の透過等を行うことができる。更に、ターレットカセット34の抜去して、他の波長領域を透過することのできるフィルタが設けられたターレットカセットを挿着することによって診断等に必要な豊富な情報を得ることができる。
第12図は本発明の第2実施例を示す。
本実施例ではフィルタ板109の回動を回転モータによって行うものである。
ターレットカセット34内には、円板状のターレット板109が、このターレット板109の回転中心に設けられた軸11を軸支されるようにして設けられている。このターレット板109の外周面には歯車112が刻設されており、この歯車112には、ターレットカセット34の底板99に設けらたスリット101より挿入された歯車113が噛合するようになっている。この歯車113は光源装置15側に設けられたモータ114によって回動するようになっており、このモータ114はターレット制御回路104によって回動を制御されている。
その他の構成,作用および効果は第1実施例と同様である。
第13図ないし第17図は本発明の第3実施例に係り、第13図はターレット板の説明図、第14図は同心板に網目フィルタを設けたターレット板の説明図、第15図は同心状に透過率の異なる薄膜を設けたターレット板の説明図、第16図は着脱自在なフィルタの説明図、第17図は第16図のB−B′方向断面図である。
本実施例ではターレット板109に減光フィルタとし網目状のフィルタが設けられたものである。
第13図において、図示しないターレットカセット内に回動自在に設けられたターレット板109は円盤状に形成されている。このターレット板109の周方向には透過光の波長領域を制限しない素通しガラス142が着脱自在に設けられているとともに、例えば1/4メッシュの網143によって形成された第1の光量調整フィルタ144と、減光効果を持つ中性濃度フィルタ(NDフィルタ146と、赤外線カットフィルタ147と、例えば1/2メッシュの網148によって形成された第2の光量調整フィルタ149と透過光の波長領域を制限しない素通しガラス151とが固定されている。
前記フィルタ142,144,146,147,149,151の内径側には、更に同心状に複数の位置検出マーク152が設けられており、この位置検出マーク152を図示しない位置検出センサで読み取ることによって照明光の光路上に介装されたフィルタを検出することができるようになっている。
また、第14図のようにターレット板153を透過光の波長領域を制限しない素通しガラス154と、例えば1/2メッシュの網156とを同心状に配置して形成し、ターレット板153の回転中心照明光の光路に対して直交する方向、すなわちターレット板153の径方向に移動させて、照明光の光量を調整してもよい。
更に、第15図のように円盤状のターレット板157の表面に透過率の異なる複数の薄膜158,159,161を同心状に形成し、ターレット板157を径方向に移動するようにしてもよい。
なお、透過率の異なる複数の薄膜を放射状に設けターレット板を、回転中心線を中心として回動させるようにしてもよい。
更にまた、ターレットカセットと共に使用されるフィルタカセット内に設けられるフィルタ円盤状は面順次式でなく短波長フィルタであってもよい。
なお、着脱自在な素通しフィルタ142は第16図および第17図に示す構成となっている。
円盤状のターレット板109の周縁部には円弧状の切欠き部166が設けられていると共に、このターレット板109の片面には固定手段例えば板ばね167の基端部が取り付けられている。更に、この板ばね167の先端部にはV字状の係止爪部168が折曲形成されていて、その係止爪部168は上記切欠き部166の奥端部に対向している。そして、この切欠き部166には上記板ばね167によってフィルタ枠169が着脱自在に取付けられている、すなわち、上記フィルタ枠169は円環状に形成されていて、その外周面には上記切欠き部166の内周縁に係合可能な係合溝171が設けられている。更に、フィルタ枠169の両側面には同心状に円環状の溝170,170が刻設されていて、この溝170,170はフィルタ枠169を上記切欠き部166に挿入した板ばね167の係止爪部168に係合するように断面V字状をなしている。また、フィルタ枠169の内周面にはフィルタ取付段部172と雌ねじ部173が設けられている。そして、フィルタ取付段部172にはフィルタ142が装着され、このフィルタ142は上記雌ねじ部173に螺着された締付リング174によって固定されている。
フィルタ142の交換は、フィルタ枠169を第16図で示す矢印X方向に引くとフィルタ枠169の溝170,170を係止している板ばね167は弾性変形してその係止爪部168が溝170から外れてフィルタ枠169をターレット板109から取外すことができる。また、フィルタ枠169をターレット板109に取付ける場合にはフィルタ枠169の係合溝171を切欠き部166の内周縁に対向させ、第16図に示す矢印Y方向へ押込むと、フィルタ枠169の係合溝171は切欠き部166の内周縁に係合した状態で挿入され、所定位置まで挿入されると、溝170,170に板ばね167の係止爪部168が落込み係止固定される。したがって、予め使用するフィルタ142を装着したフィルタ枠169を用意しておくことにより、各種フィルタ枠169によってスターレット板109に選択的に取付けることができ、フィルタ142の交換作業を用意に行うことができる。しかもこの場合フィルタ枠169の両側面に溝170,170を設けたので、フィルタ枠169のスターレット板109に対する挿入時に裏表が逆になっても取付けることができ、また溝170,170をフィルタ枠169と同心状に円環状にしたため、フィルタ枠169を切欠き部166に対していずれの方向に挿入しても板ばね167の係止爪部168と係止することができる。
その他の構成,作用および効果は第1実施例と同様である。
上記の各実施例ではフィルタカセットとターレットカセットとが別体に設けられているが、これらを一体として挿脱できるようにしてもよい。
[発明の効果]
以上、説明したように本発明によれば面順次式の撮像手段を備えたスコープ、カラーモザイク式の撮像手段を備えたスコープ、および肉眼観察可能なファィバスコープに適合する照明光を供給できると共に、特殊光観察に適合する照明光を供給できる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第11図は第1実施例に係り、第1図は光源部の構成を示す斜視図、第2図は内視鏡用制御装置斜視図、第3図は回転フィルタの構成を示す断面図、第4図は第3図のA−A′方向断面図、第5図(a)は内視鏡装置の構成を示すブロック図、第5図(b)はカラーモザイク式電子スコープの構成を示す説明図、第6図は面順次式外付けカラメラ付きファイバスコープの構成を示す説明図、第7図はモザイク式外付けカメラ付きファイバスコープの構成を示す説明図、第8図はファイバスコープの構成を示す説明図、第9図は面順次式プロセス回路の構成を示すブロック図、第10図はモザイク式プロセス回路の構成を示すブロック図、第11図は出力回路の構成を示すブロック図、第12図は本発明の第2実施例に係り、光源部の構成を示す斜視図、第13図ないし第17図は本発明の第3実施例に係り、第13図はターレット板の説明図、第14図は同心状に網目フィルタを設けたターレット板の説明図、第15図同心状に透過率の異なる複数の薄膜を設けたターレット板の説明図、第16図は着脱自在なフィルタの説明図、第17図は第16図のB−B′方向断面図である。
15a……光源部、31……光源ランプ
32R,32G,32B……色透過フィルタ
33……回転フィルタ
34……ターレットカセット
38……フィルタカセット
93……赤外線カットフィルタ
94……中性濃度フィルタ
96……特殊光観察用フィルタ
97……開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】照明光としての白色光を出射する光源と、外装板に設けられた開口部から前記光源と被写体との間に挿脱自在に介装可能で波長領域の異なる各色光を順次透過する回転フィルタを内設する第1のフィルタカセットと、外装板に設けられた開口部から前記光源と被写体との間に挿脱自在に、かつ前記第1のフィルタカセットと直列に介装可能であって、少なくとも特定の波長領域の光を選択的に透過可能なフィルタを前記光源と被写体とを結ぶ光路上に選択的に切り換えて挿入可能な第2のフィルタカセットと、を備えることを特徴とする内視鏡用光源装置。

【第1図】
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【第4図】
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【第5図(b)】
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【第14図】
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【第2図】
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【第3図】
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【第8図】
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【第15図】
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【第16図】
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【第5図(a)】
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【第6図】
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【第7図】
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【第9図】
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【第17図】
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【第10図】
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【第11図】
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【第12図】
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【第13図】
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【特許番号】第2688358号
【登録日】平成9年(1997)8月22日
【発行日】平成9年(1997)12月10日
【国際特許分類】
【出願番号】特願昭63−105973
【出願日】昭和63年(1988)4月28日
【公開番号】特開平1−295213
【公開日】平成1年(1989)11月28日
【出願人】(999999999)オリンパス光学工業株式会社
【参考文献】
【文献】特開 昭63−234941(JP,A)