説明

内視鏡用洗浄アダプタ

【課題】内視鏡内部の管路内及び内視鏡内部の管路の入口に固定された口金内に全く薬液に触れない箇所を作らずにでき、全ての箇所を確実に洗浄、消毒できるようにする。
【解決手段】本発明に係る内視鏡用洗浄アダプタ2は、内視鏡内部の管路の入口に固定された口金24Aに装着して用いられ、口金24Aの内部に挿入されるガイドパイプ58が、洗浄液の圧力変動に応じて上下に移動する。ガイドパイプ58の下端部に下端側で外径が小さくなる円錐台形状の太径部58BGが設けられ、太径部58BGは、その外周面が口金24Aの内壁に近接する。太径部58BGには、流入した洗浄液を口金24Aの中央に向けて吐出する本流出口58BHと洗浄液を上方に向かって吐出する分流出口58BIとが設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡内部の管路を洗浄消毒する際に内視鏡内部の管路の入口に固定された口金と、洗浄液が送られてくる洗浄装置の流体供給管路との間に接続される内視鏡用洗浄アダプタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
患者の体腔内の検査や治療に使用される医療機器として、内視鏡が知られている。使用後の内視鏡は、体腔内に挿入される挿入部の外周面や各チャンネル内に体液や汚物が付着している。これらの体液や汚物に含まれる病原菌やウイルスは院内感染の原因となるので、使用後の内視鏡は、必ず洗浄、消毒されている。
【0003】
使用済みの内視鏡を洗浄及び消毒する際、内視鏡用洗浄装置による洗浄では、内視鏡の表面だけでなく、内部に設けられた各管路も洗浄して汚物を除去しなければならない。このため、洗浄液が送られてくる洗浄装置の流体供給管路と、内視鏡の内部に配設された送気・送水チャンネルや鉗子チャンネルなどの各チャンネル(管路)の入口に固定された口金とを接続するための洗浄アダプタが必要である。
【0004】
洗浄液等の薬液が確実に内視鏡内部の管路内に入るよう、洗浄アダプタの一端には口金に着脱自在に挿入される挿入部が設けられているが、挿入部の外周面と口金の内壁との間の隙間が狭く液体が通過しづらい弁構造になっている。液体が通過しづらいため、この部分にのみ、洗浄液、薬液や、消毒の不十分になる現象が発生する懸念がある。
【0005】
例えば下記特許文献1に記載された洗浄アダプタには、内視鏡内部の管路に連通する口金に着脱自在に遊嵌するコネクタ部と、コネクタ部内に設けられ供給された流体の送液圧によって前進する弁体と、コネクタ部内に設けられ弁体を付勢する付勢部材と、弁体に設けられ供給された流体の送液圧によって弁体と共に前進し口金の先端部に設けられたフランジ部に密着するシール体と、コネクタ部内に設けられ口金に挿入される挿入部と、が備えられている。洗浄装置が流量を制御することで送液圧が変化し、これに伴い弁体が軸方向に移動する。シール体がフランジ部に密着したときに、流体は口金内のみ流れ、シール体がフランジ部から離れたときに、シール体とフランジ部との隙間に流体が漏れコネクタ部の外周面も洗浄可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−195400
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の洗浄アダプタは、挿入部の外周面と口金の内壁との間の隙間が狭く液体が通過しづらいため、口金の内壁のうちその箇所は洗浄できない弁構造になっている。すなわち、特許文献1の洗浄アダプタによっては口金内及び内視鏡内部の管路内の全ての箇所を洗浄することはできないという問題点がある。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、口金内及び内視鏡内部の管路内に全く薬液に触れない箇所をなくすことができ、全ての箇所を確実に洗浄、消毒することができる内視鏡用洗浄アダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る内視鏡用洗浄アダプタは、内視鏡内部の管路の入口に固定された口金に装着して用いられ、洗浄液を前記口金を通して前記管路に流入させる内視鏡用洗浄アダプタにおいて、洗浄液が注入される注入口が設けられ、この注入口に連通して底面まで貫通する中空部が形成された略筒状の本体部と、前記中空部内に上下に移動自在に収容され、上端部に前記注入口からの洗浄液が流入する入口が設けられ、下端部には流入した前記洗浄液を前記口金の中央に向けて吐出する本流出口と洗浄液を上方に向かって吐出する分流出口とが設けられるとともに、前記下端部が前記口金の内部に挿入されるガイドパイプと、前記ガイドパイプを前記中空部内で上方に付勢し、前記注入口から流入する洗浄液の圧力変動に応じて前記ガイドパイプを中空部内で上下に移動させる付勢部材と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、前記口金の内部に挿入される前記ガイドパイプの下端部に下端側で外径が小さくなる円錐台形状の太径部が設けられ、前記本流出口は前記太径部の底面に形成され、前記分流出口は膨出部の上面に形成される。前記太径部は、その外周面が前記口金の内壁に近接する。
【0011】
また、前記太径部の上面に対向する前記本体部の底面に前記ガイドパイプを中心に放射方向に延びた複数本の溝が形成され、前記分流出口から吐出した洗浄液がガイドパイプの外側に向けられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の内視鏡用洗浄アダプタによれば、口金内及び内視鏡内部の管路内に、全く薬液に触れない箇所をなくすことができ、全ての箇所を確実に洗浄、消毒することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る洗浄アダプタを用いた内視鏡を洗浄する際の様子を示した模式図である。
【図2】本発明に係る洗浄アダプタの組立図である。
【図3】本発明に係る洗浄アダプタの斜視図である。
【図4】実施形態のアダプタ本体の斜視図である。
【図5】本発明に係る洗浄アダプタの第二ロック部材を下から見た図である。
【図6】実施形態のガイドパイプの斜視図である。
【図7】本発明に係る流量が少ない又は無い時の洗浄アダプタの断面図である。
【図8】本発明に係る比較的流量が多い時の洗浄アダプタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、添付した図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1において、本発明の内視鏡用洗浄アダプタ(以下、洗浄アダプタと呼ぶ)2が装着される内視鏡10は、先端部に超小型固体撮像素子(CCDセンサ、CMOSセンサ等)を搭載した電子内視鏡である。内視鏡10は、固体撮像素子が内蔵され、大腸等の消化管内に挿入される長尺状の挿入部11と、挿入部11に連設され、内視鏡10の把持及び挿入部11の操作に用いられる操作部12と、この操作部12に接続されたユニバーサルコード13とを備える。
【0016】
ユニバーサルコード13は、内視鏡10から受信される撮像信号を処理するプロセッサや、内視鏡10に内挿されたライトガイドに照明光を入力する光源装置に接続されるコードである。ユニバーサルコード13の一端には、プロセッサに接続するコネクタ14や、光源装置に接続するためのコネクタ15が設けられている。プロセッサに接続されるコネクタ14には、電気的な導通を得るための接点部が設けられているため、洗浄の際には、防水キャップが取り付けられる。
【0017】
光源装置に接続されるコネクタ15の端面からは、ライトガイド16と送気コネクタ17の端部が一部突出して露呈されている。送気コネクタ17は、挿入部11及びユニバーサルコード13の内部に配設された送気・送水チャンネルに連通している。光源装置には、送気ポンプから供給される圧縮空気の供給口が設けられており、コネクタ15が接続されると、送気コネクタ17の端部と供給口が接続される。コネクタ15の側面には、送水コネクタ18、吸引コネクタ19などが設けられている。
【0018】
内視鏡10には、鉗子チャンネル、吸引チャンネル、送気・送水チャンネルなどの管路が設けられている。鉗子チャンネルは、操作部12に設けられた鉗子入口から、挿入部11の先端部11Aに設けられた鉗子出口に延びている。吸引チャンネルは、鉗子出口から鉗子入口24に向けて、分岐点までが鉗子チャンネルと共用しており、分岐点から操作部12に設けられた吸引制御弁を介して吸引コネクタ19へ延びている。吸引コネクタ19には、図示しない吸引タンクが接続される。
【0019】
送気・送水チャンネルは、一端が挿入部11の先端に設けられた送気・送水ノズルに接続されており、送気・送水ノズルの基端側で送気チャンネルと送水チャンネルに分岐している。送気チャンネルと送水チャンネルは、操作部12に設けられた送気・送水制御弁を介してそれぞれ送気コネクタ17及び送水コネクタ18へ延びている。送気コネクタ17及び送水コネクタ18は、送気タンク及び送水タンクがそれぞれ接続される。なお、洗浄消毒の際には、キャップによって送水コネクタ18は気密に塞がれる。キャップの内部では、送水チャンネルと分岐路との間は、流体の流通が可能な状態が保持される。
【0020】
以上のように構成される内視鏡10は、特に、鉗子チャンネルを洗浄するために、鉗子入口24に設けられた口金24A(図7参照)のフランジ部24AF(図7参照)に洗浄アダプタ2が装着される。本発明に係る洗浄アダプタ2は、これに限ることなく、吸引チャンネル、送気・送水チャンネルなどの管路を洗浄するために、口金のフランジ部に相当する箇所に装着して用いてもかまわない。
【0021】
内視鏡10には、洗浄アダプタ2を介して内視鏡洗浄装置(以下、洗浄装置と呼ぶ)30が接続される。洗浄装置30は、箱状の装置本体31を備えている。装置本体31の上部には、使用後の内視鏡10を収容し、洗浄液や消毒液が供給される洗浄槽32が設けられている。洗浄槽32は、上部が開放された水槽であり、例えばステンレス等の耐熱性、耐蝕性等に優れた金属材料で形成されている。装置本体31には、洗浄槽32の開口部を覆う蓋(図示せず)が設けられている。また、装置本体31は、洗浄槽32や蓋の他、操作パネル33、洗浄液や消毒液を洗浄槽32に供給するための配管、ポンプ、電磁弁、洗剤や消毒液を貯留するタンク(図示せず)などからなる。
【0022】
洗浄槽32の内周形状は、上方から見ると、前方部分が略円形で、後方部分が略方形をしている。前方部分の中央には、内視鏡10から取り外された、弁部材、操作ボタンなどの小物部品を収容する小物洗浄かご34が配置されている。内視鏡10は、挿入部11及びユニバーサルコード13が巻き回された状態で、小物洗浄かご34の周囲を取り囲むようにして、洗浄槽32上に載置される。
【0023】
洗浄槽32の後方部分には、洗浄槽32の底面よりも一段高いテラス部32A,32Bが設けられている。テラス部32Bには、鉗子チャンネル、吸引チャンネル、送気・送水チャンネル内の洗浄、消毒に用いられるチャンネル洗浄ポート40が設けられている。チャンネル洗浄ポート40は、内視鏡10の各種チャンネルに対して、洗浄液、消毒液、アルコール、圧縮空気といった流体を供給する流体供給ポートである。チャンネル洗浄ポート40は、複数のポート40A〜40Dからなる。
【0024】
ポート40Aは、洗浄アダプタ2及びチューブ43を介して鉗子チャンネルに接続され、鉗子チャンネルに流体を供給するポートである。ポート40B,40Cは、チューブ41,42を介して鉗子チャンネル、吸引チャンネル、送気・送水チャンネルに流体を供給するポートである。ポート40Dは、予備用のポートである。これにより、ポートから供給された流体は、鉗子チャンネル,吸引チャンネル,送気・送水チャンネルの全域を通過する。
【0025】
洗浄アダプタ2は、図2及び図3に示すように、アダプタ本体52と、第一,第二ロック部材53,54とを組み合わせたロック部材55とを有する。図4に示すように、アダプタ本体52は、天板56の底面に円柱部57を一体成形したもので、円柱部57は底面側が開放され、ガイドパイプ58の上端側が装着される。円柱部57の底面には、放射方向に延びた複数本の溝57Aが形成されている。
【0026】
ガイドパイプ58から円柱部57の内部を通って天板56の開口56Aに達するように直線状の給水路が形成され、開口56Aには洗浄装置の給水チューブ43が接続される供給パイプ60が固定されている。図2に示すように、供給パイプ60からガイドパイプ58に一直線に延びた給水路の中心を通る軸S1に対し、円柱部57の中心を通る軸S2は偏心している。
【0027】
第一ロック部材53は、上部に円柱部57の外径よりもわずかに大きい内径で開口53Aが形成され、その内部にはさらに大きい内径の中空部が設けられている。また、上面にはクリックピン62を取り付けるための穴53Bと、天板56の下面に突設した規制ピン63が入り込むように、円弧状の溝53Cが形成されている。さらに、第一ロック部材53の側方が突出するように取手53Dが一体に設けられている。この取手53Dに対応し、天板56にも側方に突出して取手カバー56Bが設けられ、取手53Dが真下に移動してきたときには、その上面を全体的に覆うサイズになっている。また、取手53Dが取手カバー56Bの真下に移動してきたときには、クリックピン62がちょうど天板56に設けられたクリック穴56Cにクリック係合するようになっている。
【0028】
アダプタ本体52の円柱部57を第一ロック部材53の開口53Aに挿入した後、第一ロック部材53の底面側から円柱部57の外周を囲むようにコイルバネ70を挿入し、コイルバネ70の下端を受け止めるリング71を円柱部57の細径部に固着する。コイルバネ70の上端が第一ロック部材53の上部内壁に当接することにより、第一ロック部材53はアダプタ本体52に対して常時上方に向かって付勢された状態となる。また、リング71の外径は第一ロック部材53の中空部の内径とほぼ一致している。
【0029】
さらに第一ロック部材53には円筒状の第二ロック部材54がビス75で固定される。第二ロック部材54の底面には、図5に示すように、円柱部57の外径と略等しい内径の円弧80Aと、その両端を結ぶ弦80BとからなるD字状の開口80が形成されている。この弦80Bに対応して形成される底板部54Aが洗浄アダプタ2を口金24Aにロックしあるいはロック解除するロック部として作用する。
【0030】
図6に示されるように、ガイドパイプ58は上端部にフランジ部58Aが設けられ、下端部に口金24Aに着脱自在に遊嵌する挿入部58Bが設けられている。挿入部58Bには径の小さい溝58BFが設けられている。また、下端側で外径が小さくなる円錐台形状の太径部58BGが設けられている。太径部58BGには、口金24Aの中央に向けて洗浄液を吐出する本流出口58BHと、洗浄液を上方に向かって口金24A内だけでなく口金24Aの外周面へ吐出するための分流出口58BIが設けられている。太径部58BGは、その外周面が口金の内壁に近接する。円柱部57の内壁とガイドパイプ58の外周面との間にはバネ90が挟まれ、バネ90は支持部材91で支持されている。バネ90の上端がフランジ部58Aに当接することにより、ガイドパイプ58は常時上方に向かって付勢された状態となる。
【0031】
次に本発明の作用を説明する。図7は、洗浄アダプタ2が鉗子入口24の口金24Aに接続された様子を表している。この接続状態では、口金24Aのフランジ部24AFの下側に第二ロック部材54の底板部54Aが入り込み、洗浄アダプタ2が上方に抜けることはない。また、コイルバネ70の付勢力でクリックピン62がクリック穴56Cに係合しているから、アダプタ本体52に対して第一及び第二ロック部材53,54が相対的に回転することはない。
【0032】
なお、口金24Aを中心に、アダプタ本体52に対してロック部材55は共に回転可能であるが、この回転によって底板部54Aがフランジ部24AFから外れることはない。また、口金24Aの中にはガイドパイプ58が入り込み、口金24Aに対して洗浄アダプタ2が横にスライドすることもないから、結果的に洗浄アダプタ2は口金24Aに接続された状態を維持する。
【0033】
なお、洗浄アダプタ2を取り外す際には、クリックピン62とクリック穴56との係合を解除するように第一ロック部材53を回転操作すればよい。第二ロック部材54は第一ロック部材53と一体になって軸S2を中心に回転し、底板部54Aは軸S1に対して偏心して回転するから、底板部54Aをフランジ部24AFから離脱させることができる。底板部54Aをフランジ部24AFから離脱させた後は、そのまま洗浄アダプタ2を上方に引き抜けばよい。もちろん、逆の操作を行うことによって、洗浄アダプタ2を口金24Aに装着することが可能である。
【0034】
洗浄装置30のチューブ43を予め洗浄アダプタ2の供給パイプ60に接続していない場合には、洗浄アダプタ2を口金24Aに接続した後、供給パイプ60の先端にチューブ43を接続する。続いて洗浄装置30の操作パネル33で入力操作を行って鉗子チャネルの洗浄を開始すると、図8のように洗浄液が供給パイプ60を通して洗浄アダプタ2に流入し、さらにガイドパイプ58を通って太径部58BGに達する。太径部58BGの底面に形成された本流出口58BHから吐出した洗浄液は口金24Aの内部に流入する。また、太径部24Aの上面に形成された分流出口58BIから吐出した洗浄液は、第一ロック部材53の底面に放射状に形成された溝57Aを経て口金24Aの外周面に達し、この部分も効果的に洗浄することができる。
【0035】
洗浄装置30から供給される洗浄液の圧力は一定ではなく、一般にはランダムな周期で変動する。このため、ガイドパイプ58のフランジ部58Aに加わる液圧が変化する。バネ90の付勢力は液圧の変化に追従する程度にしてあるから、ガイドパイプ58は液圧の変化に追従して第一ロック部材53の中空部内で上下動する。ガイドパイプ58の上下動とともに太径部58BGが口金24Aの内部で上下し、洗浄液の吐出位置が変化する。これにより洗浄液の流路が様々に変化することになって、口金24Aの内周面はもとより、その外周面も洗浄液に曝されない部分がほとんどなくなり、効率的な洗浄作用を得ることができる。
【0036】
以上のような本実施形態に係る内視鏡の洗浄アダプタによれば、送液圧により太径部がガイドパイプの軸方向に移動するため、太径部の外周面と口金の内壁との間に確実に流体が通過し、口金内に全く薬液に触れない箇所をなくすことができ、口金内の全ての箇所を確実に洗浄、消毒することができる。
【0037】
上記実施例の説明では、内視鏡管路へ流入させる流体として洗浄液や消毒液などの液体が用いられているが、本発明の適用はかかる場合に限定されず、例えば、減菌ガスなどの気体でもよい。
【0038】
また、上記実施例の説明では、洗浄アダプタを洗浄装置に接続して洗浄液を送ることとしたが、本発明の適用はかかる場合に限定されず、例えば、洗浄アダプタをシリンジなどに接続して手動で圧を上下させながら洗浄液を送って洗浄してもよい。
【符号の説明】
【0039】
10 内視鏡
24A 口金
52 アダプタ本体
53 第一ロック部材
54 第二ロック部材
58 ガイドパイプ
58BG 太径部
58BH 本流出口
58BI 分流出口
62 クリックピン
63 規制ピン
70 コイルバネ
90 バネ
91 支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡内部の管路の入口に固定された口金に装着して用いられ、洗浄液を前記口金を通して前記管路に流入させる内視鏡用洗浄アダプタにおいて、
洗浄液が注入される注入口が設けられ、この注入口に連通して底面まで貫通する中空部が形成された略筒状の本体部と、
前記中空部内に上下に移動自在に収容され、上端部に前記注入口からの洗浄液が流入する入口が設けられ、下端部には流入した前記洗浄液を前記口金の中央に向けて吐出する本流出口と洗浄液を上方に向かって吐出する分流出口とが設けられるとともに、前記下端部が前記口金の内部に挿入されるガイドパイプと、
前記ガイドパイプを前記中空部内で上方に付勢し、前記注入口から流入する洗浄液の圧力変動に応じて前記ガイドパイプを中空部内で上下に移動させる付勢部材と、
を備えたことを特徴とする内視鏡用洗浄アダプタ。
【請求項2】
前記口金の内部に挿入される前記ガイドパイプの下端部に下端側で外径が小さくなる円錐台形状の太径部が設けられ、前記本流出口は前記太径部の底面に形成され、前記分流出口は膨出部の上面に形成されることを特徴とする請求項1記載の内視鏡用洗浄アダプタ。
【請求項3】
前記太径部は、その外周面が前記口金の内壁に近接することを特徴とする請求項2記載の内視鏡用洗浄アダプタ。
【請求項4】
前記太径部の上面に対向する前記本体部の底面に前記ガイドパイプを中心に放射方向に延びた複数本の溝が形成され、前記分流出口から吐出した洗浄液がガイドパイプの外側に向けられることを特徴とする請求項3記載の内視鏡用洗浄アダプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−111446(P2013−111446A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263468(P2011−263468)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】