説明

内視鏡装置

【課題】表示部を衝撃から好適に保護しつつ、確実に筐体内で支持することができる構造の内視鏡装置を提供する。
【解決手段】本発明の内視鏡装置は、先端部に撮像機構を有する長尺の挿入部と、撮像機構の取得した映像を表示する表示部40と、表示部が収容され、挿入部が接続された筐体とを備え、表示部は、筐体に固定された保護パネル42と、保護パネルに取り付けられたLCDディスプレイ41と、弾性変形可能な材料で形成されて保護パネルとLCDディスプレイとの間に配置され、保護パネルおよびLCDディスプレイに粘着される衝撃吸収層43とを有し、LCDディスプレイは、筐体に対して固定された付勢部材により、保護パネルに向かって付勢されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置、より詳しくは、挿入部を湾曲させるためのジョイスティックを備えた内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
長尺な挿入部の先端部に撮像機構を備えた内視鏡装置は、細長いアクセス経路の先にある被検物の観察や、被検物の内部観察等に広く用いられている。
近年、内視鏡装置においても小型化が進められており、撮像機構で取得した映像を表示する表示部と使用者が操作する操作部とを同一の比較的小型な筐体に収容し、大きな本体部を備えないものも提案されている。このような内視鏡装置では、表示部および操作部を備える筐体を使用者が把持して使用するため、使用者が手を滑らせたりして筐体を落下させると、表示部を破損する恐れがある。したがって、液晶ディスプレイ等からなる表示部を落下等による衝撃から好適に保護することが求められる。
【0003】
表示部を保護するための構造に関して、特許文献1には、シリコーン系ゲルを含む衝撃吸収層を設けることが記載されている。また、特許文献2には、LCDモジュールを保持するLCD保持部を、弾性体部を介して筐体へネジ止めすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−181975号公報
【特許文献2】特開2007−235491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたものは積層体であり、筐体等に表示部を支持することについては特に考慮されていない。ゲルを含んだ衝撃吸収層は、表示部に密着させることはできるが、時間が経過すると剥がれる懸念もあるため、何らかの形で表示部を支持することが必要となる。
【0006】
一方、特許文献2の保持構造は、LCD保持部のネジ止め部位が、保持されるLCDモジュールの面方向に位置するため、LCDモジュールの面方向において弾性体部が充分に変形するスペースがなく、当該方向に作用する衝撃に対する保護が充分でない。かといって、面方向における変形スペースを確保しようとすると、LCD保持部および筐体の大型化につながり、小型化という方向性に鑑みると好ましくない。さらに、LCD保持部を複数の材質を用いて形成するため、コストや製造効率の点でも充分とは言いがたいという問題もある。
【0007】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、表示部を衝撃から好適に保護しつつ、確実に筐体内で支持することができる構造の内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の内視鏡装置は、先端部に撮像機構を有する長尺の挿入部と、前記撮像機構の取得した映像を表示する表示部と、前記表示部が収容され、前記挿入部が接続された筐体とを備え、前記表示部は、前記筐体に固定された保護パネルと、前記保護パネルに取り付けられたLCDディスプレイと、弾性変形可能な材料で形成されて前記保護パネルと前記LCDディスプレイとの間に配置され、前記保護パネルおよび前記LCDディスプレイに粘着される衝撃吸収層とを有し、前記LCDディスプレイは、前記筐体に対して固定された付勢部材により、前記保護パネルに向かって付勢されていることを特徴とする。
【0009】
前記衝撃吸収層は、前記保護パネルと同等の光透過性および屈折率を有し、シート状に形成されて前記LCDディスプレイの表示面を覆うように配置されてもよい。
あるいは、前記LCDディスプレイの表示面を覆わないように枠状に形成されてもよい。
【0010】
また、前記付勢部材は、金属で形成されたバネであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の内視鏡装置によれば、表示部を衝撃から好適に保護しつつ、確実に筐体内で支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第一実施形態の内視鏡装置を示す斜視図である。
【図2】同内視鏡装置の筐体の一部を開いた図である。
【図3】同内視鏡装置の表示部を分解して示す図である。
【図4】同内視鏡装置の筐体およびフレームを示す図である。
【図5】同筐体および表示部の部分断面図である
【図6】同フレームの位置決め部およびその周辺を示す拡大図である。
【図7】同筐体の背面側の一部を示す斜視図である。
【図8】図7のA−A線における断面図である。
【図9】本発明の第一実施形態の内視鏡装置において、筐体の一部を開いた図である。
【図10】本発明の変形例における表示部を分解して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第一実施形態の内視鏡装置について、図1から図8を参照して説明する。本実施形態の内視鏡装置1は、細長いアクセス経路の先にある被検物の観察や、被検物の内部観察等に用いられる。
内視鏡装置1は、図1に示すように、長尺の挿入部10と、挿入部10の湾曲操作を行うための操作部20と、挿入部10で取得された映像を表示する表示部40と、操作部20および表示部40が収容され、挿入部10の基端部が接続された筐体71を備えている。
【0014】
挿入部10は、先端部に観察光学系11およびLED等の照明機構12、並びに図示しないCCD等の撮像機構を備えた公知の構成を有しており、先端部前方の被検物等の静止画像や動画等の映像を取得することができる。また、図示しない複数の節輪または湾曲コマ(以下、「節輪等」と総称する。))が軸線方向に並べて連結された公知の湾曲部13を有しており、自身の中心軸線と交差する二軸において中心軸線から離間する4方向に湾曲可能である。複数の節輪等のうち、最も先端側の節輪等には、上記4方向に対応した四本のワイヤ等の操作部材が接続されている。各操作部材は、各節輪等を通って筐体71の内部まで延び、操作部20に接続されている。
【0015】
操作部20は、湾曲部13を操作するための第一ジョイスティック21と、表示部40に表示されるカーソル等を操作するための第二ジョイスティック22と、第一ジョイスティック21を介して操作される湾曲機構(不図示)とを有する。
【0016】
第一ジョイスティック21は、湾曲機構と接続されており、基端側を揺動中心として傾倒できるように筐体71に取り付けられている。湾曲機構は公知の構成を有して筐体71内に収容されており、第一ジョイスティック21を所望の方向に倒すことで、湾曲機構に接続された操作部材を軸線方向に進退させ、湾曲部13を湾曲させることができる。
第二ジョイスティック22は、一方の端部が筐体71内に収容されたスイッチ用基板(不図示)に取り付けられた電気的操作機構であり、倒した方向がスイッチ用基板に入力されることにより、カーソルが対応する方向に移動される。
【0017】
図2は、筐体71の一部を開いた図である。表示部40は、筐体71のうち、枠状の前側部材72と、箱状に形成されて収容空間を有する後側部材73との間に配置されている。
後側部材73の収容空間には、表示部と接続される表示制御基板51が取り付けられるフレーム52が収容されている。
【0018】
図3は、表示部40を分解して示す図である。
表示部40は、撮像機構が取得した映像を表示するLCDディスプレイ41と、LCDディスプレイ41の表示面41aを保護する保護パネル42と、保護パネル42とLCDディスプレイ41との間に配置される衝撃吸収層43とを備えている。LCDディスプレイ41は、公知のものを、寸法等を適宜設定して採用することができる。LCDディスプレイ41は、表示制御基板51を介して挿入部10の撮像機構と接続されており、撮像機構の取得した映像が信号に変換された映像信号を受信し、映像として表示面41aに表示する。
【0019】
保護パネル42はガラスや、アクリルやPET等の樹脂等の透明の材料で形成され、表示面41aを覆って傷等がつかないように保護する。保護パネルは、枠状の接着部44により、前側部材72に接合されている。接着部44としては、各種接着剤や、粘着テープ等を用いることができる。
【0020】
衝撃吸収層43は、透明性を有する弾性変形可能な物質でシート状に形成されており、一方の面が保護パネル42に、他方の面が表示面41aを覆うようにLCDディスプレイ41に粘着される。衝撃吸収層としてはシリコーンのゲル状物質からなるものを用いることができ、例えば株式会社タイカ製のαGEL(登録商標)等を好適に用いることができる。
衝撃吸収層43は、その粘着力でLCDディスプレイ41を保護パネル42に対して支持する。さらに、面方向および厚さ方向に弾性変形することにより、筐体71から伝わる衝撃を吸収し、LCDディスプレイ41に到達する衝撃を減少させる。
【0021】
図2に示すように、フレーム52には、板バネ(付勢部材)53が嵌め込みや溶接等により取り付けられている。板バネ53は、図5に断面で示すように、前側部材72と後側部材73とを組み付けたときにLCDディスプレイ41と接触し、自身の弾性力によりLCDディスプレイ41を保護パネル42に向かって付勢する。板バネ53の材料としては、金属や樹脂等を用いることができるが、充分な剛性を確保する観点からは、金属で形成されるのが好ましい。
【0022】
図4は、後側部材73およびフレーム52を示す図であり、説明の便宜のため、板バネ53を除いて示している。フレーム52は矩形の枠状に形成されており、枠形状の外方に突出した2箇所の第一舌片54がネジ止めされることにより後側部材73に固定されている。枠形状の内方には複数の第二舌片55が突出しており、表示制御基板51は図5に示すように、第二舌片55にネジ止め等の手段で固定される。また、枠状のフレーム52の四隅には、フレーム52を後側部材73に対して位置決めするための位置決め部が設けられている。
【0023】
図6は、位置決め部56およびその周辺を示す拡大図であり、表示制御基板51を除いて示している。位置決め部56は、後側部材73における収容空間の底面73Aに向かって延びており、底面73Aに形成された受け部74に支持されている。受け部74は、複数の突起を有し、当該突起が位置決め部56と接触することによりフレーム52が後側部材73に対して位置決めされる。受け部74の各突起は、後側部材73の他の部位と比較して、より小さい衝撃で破壊されるように、肉厚等の寸法や構造等が設定されている。
【0024】
図7は、筐体71の背面側を示す斜視図であり、図8は、図7のA−A線における断面図である。ただし、図8は、後述する蓋部81が閉じられた状態を示している。後側部材73には、背面に開口するバッテリー収容部80が設けられている。バッテリー収容部80は、開口を開閉自在に覆う蓋部81と、バッテリーの飛び出しを防ぐ鍔部82と、バッテリーと接触するバネ性端子83とを備えている。
【0025】
鍔部82は、使用者がバッテリーをバッテリー収容部80内に収容する際に挿入する挿入方向の両側において、バッテリー収容部80の開口周縁に突出するように設けられている。鍔部82のうち、バネ性端子83側に設けられた鍔部82Aには、蓋部81の突起81Aを受け入れるための長穴84が設けられている。
【0026】
バッテリーを収容する際、使用者は、バッテリーの端子側を鍔部82Aの下にもぐりこませるようにしてバッテリーB(図8参照)をバッテリー収容部80内に挿入し、バッテリーBの端子バネ性端子83に押し当てる。この状態では、バッテリーBの端子側と反対側の端部は鍔部82と干渉しないため、当該端部をバッテリー収容部80内に進入させてバッテリーB全体をバッテリー収容部80内に収容する。
【0027】
収容後、使用者がバッテリーBから手を離すと、バネ性端子83がバッテリーBを押すため、バッテリーBは、バッテリー収容部80内で、挿入方向上流側(バネ性端子83から離間する方向)にスライドして図8に示すような位置関係となる。図8に示す状態では、筐体71に衝撃が加わる等によりバッテリーBがバッテリー収容部80の底面80Aから離間する方向に移動しようとしても、鍔部82が干渉してその動きが抑制される。
【0028】
バッテリーBの収容後、使用者が蓋部81を閉じると、図8に示すように、突起81Aが長穴84を通ってバッテリーBとバッテリー収容部80のバネ性端子83が設けられた面との間に突出する。このため、筐体71に衝撃が加わる等によりバッテリーBがバネ性端子83を押し戻す方向に移動しようとしても、突起81Aと干渉し、バネ性端子83は完全に押し戻されることはない。したがって、蓋部81が閉じられている間は、鍔部82がバッテリーBに干渉する図8の位置関係が保持され、バッテリーBの一部がバッテリー収容部80外に移動することが防止され、バッテリーBの端子とバネ性端子83との接触状態も確実に保持される。
【0029】
上記のように構成された内視鏡装置1の作用および効果について説明する。
筐体71が落下したり、何かにぶつかったりすると、その衝撃は筐体からLCDディスプレイ41に伝達される。LCDディスプレイ41に伝達される衝撃が一定の大きさ以上になると、LCDディスプレイ41の破損の原因となる。
【0030】
LCDディスプレイ41は、接着部44により前側部材72に固定されているため、前側部材72に加わった衝撃はLCDディスプレイ41に伝達されるが、前側部材72とLCDディスプレイ41との間には衝撃吸収層43が存在するため、前側部材72から伝わってくる衝撃は、シート状の衝撃吸収層43が面方向および厚さ方向に弾性変形することによりその多くが吸収されてLCDディスプレイ41に到達することが抑制される。
【0031】
衝撃吸収層43は、自身の粘着力により保護パネル42およびLCDディスプレイ41に粘着しているが、衝撃吸収層43には、LCDディスプレイ41の重みが作用するため、時間の経過や、使用環境の変化等により、衝撃吸収層43が保護パネル42から剥がれたり、LCDディスプレイ41が衝撃吸収層43から剥がれたりする恐れがある。
しかし、LCDディスプレイ41は、フレーム52に取り付けられた板バネ53により、保護パネル42に向かって、すなわち衝撃吸収層43に接近するように付勢されている。したがって、LCDディスプレイ41は筐体71内で確実に支持される。その結果、衝撃吸収層43と保護パネル42およびLCDディスプレイ41との接触状態が良好に保持されて、上述の剥がれの発生が好適に抑制される。
【0032】
また、後側部材73に比較的大きな衝撃が加わった場合、まず受け部74が破壊されてフレーム52の位置決め部56の保持が解除される。これにより、フレーム52が後側部材73に対してわずかに相対移動できるようになり、表示制御基板51やLCDディスプレイ41へ伝わる衝撃の一部を減殺する。その結果、表示制御基板51やLCDディスプレイ41が破損して内視鏡装置1が使用不能となる事態の発生が抑制される。
【0033】
本実施形態の内視鏡装置1によれば、上述の作用により、衝撃吸収層43によりLCDディスプレイ41に伝達する衝撃を吸収しつつ、LCDディスプレイ41を筐体71内で確実に支持することで、衝撃吸収層43の剥がれを好適に抑制して、衝撃吸収効果を安定して発揮させることができる。
【0034】
また、LCDディスプレイ41は、前側部材72にネジ止め等で固定されておらず、接着部44のみにより固定されているため、衝撃吸収層43の弾性変形を阻害することがない。このため、衝撃吸収層が充分に弾性変形することができ、衝撃を効率よく吸収することができる。さらに、ネジ止め等のための部位を表示部に設ける必要がなく、内視鏡装置の小型化がしやすい。
【0035】
さらに、LCDディスプレイ41は、板バネ53と接触しているだけでフレーム52および後側部材73のいずれにも固定されていないため、後側部材73に加わった衝撃がLCDディスプレイ41に伝わりにくい。これにより、LCDディスプレイの損傷をさらに抑制することができる。
【0036】
さらに、表示制御基板51が固定されたフレーム52は、位置決め部56が受け部74に支持されることにより後側部材73に位置決めされているため、後側部材73に特に大きな衝撃が加わった際に、受け部74が破壊されてフレーム52をある程度後側部材73に対して相対移動可能にすることで、内視鏡装置1が使用不能となることを防止することができる。
【0037】
次に、本発明の第二実施形態について、図9を参照して説明する。本実施形態の内視鏡装置101と上述の内視鏡装置1との異なるところは、付勢部材の形状である。なお、以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0038】
図9は、内視鏡装置101において、筐体71の一部を開いた図である。内視鏡装置101では、板バネ53に代えて、コイルバネ102がLCDディスプレイ41を付勢する付勢部材として用いられている。
コイルバネ102は金属からなり、表示制御基板51の各隅部にハンダ付け等の手段で固定されている。コイルバネ102の高さは、フレーム52の厚さ方向の寸法よりも高く、コイルバネ102はフレーム52よりも表示部40側に突出しており、フレーム52よりも前側でLCDディスプレイ41に接触している。
【0039】
本実施形態の内視鏡装置101においても、第一実施形態同様、衝撃吸収層によりLCDディスプレイに到達する衝撃を吸収して減少させつつ、衝撃吸収層43の剥がれを好適に抑制して、衝撃吸収効果を安定して発揮させることができる。
【0040】
本実施形態において、コイルバネ102は、表示制御基板51の隅部に固定されているが、コイルバネ102は、表示制御基板51上に取り付けられるため、第一実施形態のようにフレーム52に取り付ける場合よりも配置位置の自由度が高い。したがって、隅部に代えて又は隅部とともに、表示制御基板51の中央部にもコイルバネ102を配置し、LCDディスプレイの中央部を付勢してもよい。ただし、衝撃吸収層の剥がれは周縁部から生じやすいため、コイルバネ等の付勢部材の少なくとも一つは、LCDディスプレイの周縁部と接触するように配置されるのが好ましい。
【0041】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各実施形態における構成要素の組み合わせを変えたり、各構成要素に種々の変更を加えたり、削除したりすることが可能である。
【0042】
例えば、上述の実施形態では、衝撃吸収層がシート状である例を説明したが、これに代えて図10に示す変形例のように、LCDディスプレイ41の表示面41aを覆わないような枠状の衝撃吸収層43Aが用いられてもよい。この場合、衝撃吸収層43Aが表示面41aを覆わないため、衝撃吸収層が透明性を有する必要はない。したがって、衝撃吸収性の観点から、硬度等の物理的特性を考慮して、より適した材料からなる衝撃吸収層を選択することが可能になる。
なお、材料の硬度を表すパラメータとしては、例えばJIS K2207に規定される針入度等を用いることができ、値としては60以上のものが好ましい。
【0043】
ただし、この場合は、表示面41aと保護パネル42との間に空気が存在するため、乱反射等により表示面41aに表示される映像が見難くなることがある。したがって、衝撃吸収層として、保護パネルと同等の光透過性および屈折率を有するシート状の衝撃吸収層を用い、表示面41aを覆うように配置するのが、表示部の視認性を良好にする観点からは好ましい。表示面41aと保護パネル42との間に空気が存在しなくなり、なおかつ保護パネルと衝撃吸収層との界面においても光の屈折が起こりにくくなるからである。
【0044】
また、衝撃吸収層を枠状にした場合、シート状にした場合よりも衝撃吸収層の体積が小さくなる。したがって、好適に衝撃を吸収させるための衝撃吸収層の物理的特性は、シート状の場合と枠状の場合とで異なるため、これを考慮して衝撃吸収層の材料を選択することが好ましい。
【符号の説明】
【0045】
1、101 内視鏡装置
10 挿入部
40 表示部
41 LCDディスプレイ
41a 表示面
42 保護パネル
43、43A 衝撃吸収層
53 板バネ(付勢部材)
102 コイルバネ(付勢部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に撮像機構を有する長尺の挿入部と、
前記撮像機構の取得した映像を表示する表示部と、
前記表示部が収容され、前記挿入部が接続された筐体と、
を備え、
前記表示部は、
前記筐体に固定された保護パネルと、
前記保護パネルに取り付けられたLCDディスプレイと、
弾性変形可能な材料で形成されて前記保護パネルと前記LCDディスプレイとの間に配置され、前記保護パネルおよび前記LCDディスプレイに粘着される衝撃吸収層と、を有し、
前記LCDディスプレイは、前記筐体に対して固定された付勢部材により、前記保護パネルに向かって付勢されていることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
前記衝撃吸収層は、前記保護パネルと同等の光透過性および屈折率を有し、シート状に形成されて前記LCDディスプレイの表示面を覆うように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記衝撃吸収層は、前記LCDディスプレイの表示面を覆わないように枠状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記付勢部材は、金属で形成されたバネであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−78512(P2013−78512A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220836(P2011−220836)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】