説明

内部混合機の圧さく要素の操作棒を作動させるための対向シリンダを有する装置

【目的】 圧さく要素の操作棒が平衡のとれた作動が出来、混合工程で起る横方向の力が吸収されて操作棒自体に横方向の推力をかけず、且つ交差部材が混合材料や添加剤の混合室への挿入を阻害しない混合機の圧さく要素の提供。
【構成】 圧さく要素18の操作棒19を作動させる装置であり、下部の混合装置10と混合材料を供給する上部機構15とからなり、一対の案内21が材料供給機構15の側で互いに対向し且つ装置の垂直軸と並行し、水平軸の夫々対向する側に配置され、一対のシリンダ24が案内21に固着され、シリンダ24は交差部材22に連結されたピストンロッド24aを有し、交差部材22に操作棒19の頂上端部を丁着するとともに転がり要素23aを介して案内21上を移動しうるようにし、操作棒19は又、材料供給ホッパーの覆い15bと共に軸方向に一体的に形成したシーリンググループ25によって案内され、垂直軸方向に操作棒19の振動を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内部混合機の室内で加工される混合物を圧さくする圧さく要素を作動させるために、互いに対向するように配列したシリンダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム及び合成樹脂材料生成技術において、最終又は最終前工程に移行する混合物を得るために、所謂内部混合機が用いられ、その混合室はその内部に並行する軸に夫々取り付けられた2個の造形回転子が室内の大量の混合物を微細に分散且つ均質化させるために配置されている混合機が既に知られている。また、混合すべき材料の所定量が混合機の混合室上部にある側面開口から、混合機の垂直軸と並行に配置されたダクトを介して混合室内に供給されようにした混合機も既に知られている。
【0003】混合すべき材料が一旦供給されると、機械の垂直軸に並行な方向に上下動することが出来、それによって開口のハッチを開閉して混合材を室内に導入するようにした圧さく要素によって、混合すべき材料が混合室内に導入され、混合工程の間混合室内に圧入される。この圧さく要素を作動させる機構も又、例えば欧州特許第0,272,338号明細書に記載された、材料を搭載した縦孔に対し横方向に配置した少なくとも2個の液圧シリンダを具えた内部混合機に見られるように、従来公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公知の混合機はしかし、前記液圧シリンダが機械全体の高さを抑えるために機構の底部に連結されているので、一対のシリンダの1個を作動させる時には他のシリンダは四辺形の対角線に沿って対象となるように配置され、この四辺形の角頂は圧さく要素の支持棒の頂上に連結した交差部材の案内によって形成される。このような配置のために、化学物質を供給するための横方向の開口を設けることが阻害され、それ以上に各シリンダの動作の均衡をとることが困難となっている。
【0005】これに加えて、圧さく要素の操作棒が上下2個の案内要素に固着されているので、混合推力によって生起される横方向の力が、上記固着の結果直接操作棒に伝達され、正常なスライド作用を阻害する変形を引き起こす。従って、このような内部混合機の圧さく要素を作動させる機構に付随する技術的課題は、圧さく要素の支持棒が平衡のとれた作動をすることが出来、混合工程で生起される横方向の力が吸収されて圧さく要素の操作棒自体にかかる横方向の推力とならないようにし、更に装置内にかかる力が極大になる時と圧さく要素が下降行程になる時とが一致するようにして、たとえこのような解決策が装置の垂直方向の高さを増大させるようなことになっても、混合工程により生起される反対方向の推力を互いに平衡させるように推力を加えるという実際の要求にこたえるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は内部混合機の圧さく要素の操作棒を作動させる機構において、上記課題を解決するようにしたものであって、混合機は下部の混合機構と上部の材料供給機構とからなり、材料供給機構の側面には,装置の鉛直軸と平行な方向に伸びており且つ水平軸上の互いに対向する位置に左右対称になるように配置された少なくとも一対の案内が配置され、少なくとも一対のシリンダが前記案内に固定されるとともに、各シリンダロッドの先端が1つの交差部材によって連結され、1つの操作棒が設けられ、その先端には前記交差部材が丁着して取り付けられ、また、前記交差部材はころがり要素を介して前記案内上を往復動するように配置される。前記操作棒は又、材料供給ホッパーの覆いと共に軸方向に一体的に形成したシーリンググループによって案内され、後者の水平面上で装置の垂直軸方向に前記操作棒が振動するのを許容するようにしている。
【0007】本発明によれば、前記操作棒の頂上は玉継手を介して交差部材に丁着されており、前記操作棒の案内及びシーリンググループはホッパー覆いのシートの内側に同軸的に挿入されている。前記シートはシーリンググループの外径より大きな内径の孔を有し、それにより水平方向の移動が可能なようになっている。本発明装置の好適な実施例では、前記案内は混合材料を供給する開口のあるホッパーの側面のより高い位置に左右対象に設けられ、前記交差部材はこれと一体化したフランジ上に取り付けた車輪によって、案内上を移動しうるようになっている。
【0008】
【実施例】添付図面に示すように、本発明の装置10はその内側に内部室11と並行軸回転子12と、同室11の底開きドア14とその開閉装置14とを有する。装置10は又、その上部にホッパー15からなる材料供給機構を固着連結し、その側面肩部15aには材料供給井17を開閉するハッチ16が丁着されている。しかし粒状粉末を供給する場合は側面15aに設けた側面開口17aを通して材料が供給される。このホッパー15の側面15aは、垂直な操作棒19の下端に固定された圧さく要素18を、図1及び図2に実線で示す最下端の作動位置と破線で示す上端の材料供給位置との間で作動させるように配置される。
【0009】作動装置20は、ホッパー15の両側面15a上に対向して配置された断面が実質的に「C」型を呈する一対の垂直案内21と、長手方向の案内21の間を横断し部材の表面に取り付けたフランジ23に軸着した車輪23aによって前記案内に沿い上下動するようにした交差部材22とからなる。前記交差部材22は又、一対のフォーク要素22aがフランジ23と対向する側に設けられ、各案内21の断面C型の内側に配置され支持されたシリンダ24のピストンロッド24aの自由端側に連結される。
【0010】図3に示すように操作棒19の上端も又、玉継手19aを介して交差部材22に連結されている。図1及び3に見るように操作棒19は材料搬入用ホッパー15の上部覆い15bに設けた、より大きな径の孔15cに組み込まれたシーリンググループ25により案内されている。このように操作棒19はその上端部が横断部材22に玉継手19aによって丁着されており、材料搬入用ホッパー15の上部覆い15bを自由に往復動するので、混合工程中に材料によって惹起される横方向の推力に対してたわむことなくこれを吸収することが出来る。
【0011】混合機への材料供給ホッパーの覆い15bは又、装置の垂直線に並行に配置した2個の補助シリンダ26と連結しており、補助シリンダロッド26aはフランジ23に一体化されている水平方向突き合わせ棒23bと接合して水平を保つ作用をする。前記補助シリンダ26は圧さく要素12を持ち上げる際に、圧さく要素と混合室の壁面との間に混合材料が浸透して圧さく要素と壁面との間に起こる材料の居つきによるいかなる抵抗力をも克服するように、シリンダ24の作動を助ける。
【0012】図1、3、5及び6に示すように、装置はシリンダ24及び案内21を化学物質を混合機に送り込む横方向の開口17aより上方に高く持ち上げることが出来るように、一対のシリンダを供給用ホッパーの側に装置の垂直軸を横断する軸に沿って左右対象になるように配置されているので、装置が平衡を保ち、運転中交差部材22が材料供給の妨害になるようなことが無い。(図6を参照)
【0013】さらに、シリンダ24のスライド棒24aが装置の基台近くまで下方に延びているのでピストンの最大長さを用いることが出来、圧さく要素の下降移動中最大推力をこれに加え、混合工程中これを維持することが出来る。さらに戻りの上昇運動中前述した理由から何らかの上昇力不足が発生した場合には、戻り上昇の最初のストロークにおいて補助シリンダ26の作動をおこなうことができる。
【0014】本発明を構成する部分に関して、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の実施例を導入することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による圧さく要素を作動させるようにした混合機の見取り図。
【図2】図1のII−II面に沿った断面図。
【図3】図2のIII−III面に沿った垂直方向断面図。
【図4】図3のIV−IV面に沿った垂直方向断面図。
【図5】図3のV−V面に沿った水平方向断面図。
【図6】図3のVI−VI面に沿った水平方向断面図を示す。
【符号の説明】
10 装置
11 混合室
12 回転子
13 開口扉
15 ホッパー
18 圧さく要素
19 操作棒
20 作動装置
21 案内
22 交差部材
22a フォーク状部材
23 フランジ
23a 車輪
23b 突き合わせ棒
24 シリンダ
24a ピストンロッド
25 シーリンググループ
26 補助シリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部混合機の圧さく要素(18)の操作棒(19)を作動させるための装置であって低部の混合装置(10)と混合材料を供給する上部機構(15)とからなる装置において、少なくとも一対の案内(21)が材料供給機構(15)の側で互いに対向し且つ装置の垂直軸と並行し、水平軸の夫々対向する側に配置され、少なくとも一対のシリンダ(24)が夫々前記案内に固着され、各シリンダは夫々交差部材(22)に連結されたピストンロッド(24a)を有し、交差部材(22)に操作棒(19)の頂上端部を丁着するとともに該交差部材は転がり要素(23a)を介して前記案内(21)上を移動しうるようにし、前記操作棒は又、材料供給ホッパーの覆い(15b)と共に軸方向に一体的に形成したシーリンググループ(25)によって案内され、後者の水平面上で装置の垂直軸方向に前記操作棒が振動するのを許容するようにしたことを特徴とする、内部混合機装置。
【請求項2】 前記操作棒(19)の頂上端部は玉継手(19a)を介して交差部材(22)に丁着されていることを特徴とする、請求項1に記載の内部混合機装置。
【請求項3】 操作棒(19)をシールし案内している前記シーリンググループ(25)はホッパー(15)を覆うシート(15c)との内側に同軸となるように挿入され、且つ前記シートはその挿入孔の内径がシーリンググループの外径より大きく形成され、そのためシーリンググループが水平面上で移動するのを許容するようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の内部混合機装置。
【請求項4】 前記案内(21)はホッパー(15)の側の混合材添加物を供給するための開口(17a)より高い位置で左右対象に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の内部混合機装置。
【請求項5】 前記交差部材(22)は案内(21)上を、交差部材(22)と一体的に形成したフランジ(23)に軸着した車輪(23a)によって移動可能としたことを特徴とする、請求項1に記載の内部混合機装置。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図4】
image rotate