円形ステープラーのための低コストのアンビルアセンブリ
【課題】円形ステープリング機器のためのアンビルアセンブリを提供する。
【解決手段】アンビルアセンブリは、一体型のポリマーのアンビル及びステープル形成面を含む。一体型のポリマーのアンビルはアンビル基部表面、及びこのアンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを備える。ステープル形成面はアンビル基部表面に取り付けられる。
【解決手段】アンビルアセンブリは、一体型のポリマーのアンビル及びステープル形成面を含む。一体型のポリマーのアンビルはアンビル基部表面、及びこのアンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを備える。ステープル形成面はアンビル基部表面に取り付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して円形ステープラーのためのアンビルアセンブリに関連する。
【背景技術】
【0002】
円形ステープリング機器は腸の手術の外科分野において周知である。かかる装置の例は、Ethicon Endo Surgery Inc.製造のEndopath ILS ECS 25 Endoscopic Curved Intraluminal Staplerである。多くの円形ステープラーの特許、例えば米国特許第4,207,898号(Becht)、同第4,351,466号(Noiles)、同第5,292,053号(Bilottiら)、及び同第5,344,059号(Greenら)が存在する。
【0003】
円形ステープリング機器は典型的に、金属の単一片を機械加工することによって作製されるアンビルアセンブリを使用する。これらのアンビルアセンブリは、関連する機械加工の量により、製造するのは費用がかかる。他の円形ステープリング機器は、金属基部を使用し、これは、事実上、主に表面的である成形された形状と共に、構造的な支持を提供する。依然として、他の円形ステープリング機器は、デザインが複雑であり、したがって製造するのに費用がかかる混合設計を使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
円形ステープリング機器のためのアンビルアセンブリ、及びその製造方法は、現在のアンビルアセンブリに関連する大きなコストを減少させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項によって定義され、この項におけるいずれも、これらの請求項の制限としてとられるべきではない。
【0006】
一態様では、円形ステープリング機器のためのアンビルアセンブリが提供される。アンビルアセンブリは、一体型のポリマーのアンビル及びステープル形成面を含む。一体型のポリマーのアンビルはアンビル基部表面、及びこのアンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを備える。ステープル形成面はアンビル基部表面に取り付けられる。
【0007】
他の態様において、円形ステープリング機器が提供される。円形ステープリング機器は、ハンドルと、アンビル制御部材と、往復駆動シャフトと、アンビルアセンブリと、を含む。往復駆動シャフトは、アンビル制御部材に結合される。アンビルアセンブリは、往復駆動シャフトに結合される。アンビルアセンブリは、アンビル基部表面、及びアンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを含む、一体型のポリマーのアンビルと、アンビル基部表面に取り付けられるステープル形成表面と、を含む。
【0008】
更なる態様では、アンビルアセンブリの製造方法が提供される。1つのステップでは、ステープル形成面は成形型内に配置される。他のステップでは、アンビルアセンブリは、アンビルを成形型内でステープル形成面に成形することによって形成される。成形されたアンビルは、アンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを有するように成形される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示は、以下の図面及び記載を参照することにより、より十分に理解することができる。図における構成要素は必ずしも縮尺通りではなく、本開示の原理を示す際に代わりに強調されている。
【図1】1つの好ましい実施形態による開放アセンブリ構造を有する再利用可能な円形ステープリング機器の斜視図を示す。
【図2】アンビルアセンブリが再利用可能な円形ステープリング機器の残りから分離された状態の、開放位置にある機器を備える図1の再利用可能な円形ステープリング機器の斜視図を示す。
【図3】図1の利用可能な円形ステープリング機器のハンドル及びシャフトアセンブリの分解斜視図を示す。
【図3A】図3の再利用可能な円形ステープリング機器の往復アンビル調節ロッドの一部分の線3A−3Aを通じた断面図を示す。
【図3B】図3の再利用可能な円形ステープリング機器の往復アンビル調節ロッドの一部分の線3B−3Bを通じた断面図を示す。
【図4】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のステープリングリロードアセンブリの分解斜視図を示す。
【図5】組み立てられていない構成における図1の再利用可能な円形ステープリング機器のステープリングリロードアセンブリの部分的な断面図を示す。
【図6】開放位置にあるアンビルアセンブリと発射前の位置にある環状ブレードを備える組み立てられた構成にある、図1の再利用可能な円形ステープリング機器のステープリングリロードアセンブリの断面図。
【図7】アンビルアセンブリが閉鎖位置に移動し、かつ環状ブレードが依然として発射前の位置にある図6の図を示す。
【図8】図1の利用可能な円形ステープリング機器のアンビルアセンブリの分解斜視図を示す。
【図9】円形ステープリング機器のステープリングリロードアセンブリを位置合わせする方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【図10】アンビルアセンブリの別の実施形態の分解斜視図を示す。
【図11】アンビルアセンブリを、再利用可能な円形ステープリング機器の残りから分離された図10のアンビルアセンブリと差し替えている、図1の再利用可能な円形ステープリング機器の斜視図を示す。
【図12】アンビルアセンブリの更なる実施形態の分解斜視図を示す。
【図13】アンビルアセンブリを、再利用可能な円形ステープリング機器の残りから分離された図12のアンビルアセンブリと差し替えている、図1の再利用可能な円形ステープリング機器の斜視図を示す。
【図14】アンビルアセンブリを製造する方法の一実施形態を示すフローチャートを示す。
【図15A】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のアンビル閉鎖ノブ、及びロッドに隣接する往復アンビル調節ロッドの組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図15B】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のアンビル閉鎖ノブ、及びロッドに隣接する往復アンビル調節ロッドの組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図16A】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のハンドルと共に、図15A及び15Bの往復アンビル調節ロッドと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図16B】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のハンドルと共に、図15A及び15Bの往復アンビル調節ロッドと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図17A】図1の再利用可能な円形ステープリング機器の発射バーと共に、図16A及び16Bの、往復アンビル調節ロッド及びハンドルと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図17B】図1の再利用可能な円形ステープリング機器の発射バーと共に、図16A及び16Bの、往復アンビル調節ロッド及びハンドルと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図17C】図1の再利用可能な円形ステープリング機器の発射バーと共に、図16A及び16Bの、往復アンビル調節ロッド及びハンドルと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図18A】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のキャリアカバーと共に、図17A、17B、及び17Cの、往復アンビル調節ロッド、ハンドル、及び発射バーと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図18B】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のキャリアカバーと共に、図17A、17B、及び17Cの、往復アンビル調節ロッド、ハンドル、及び発射バーと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図19A】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のシャフトアセンブリと共に、図18A及び18Bの、往復アンビル調節ロッド、ハンドル、発射バー、及びキャリアカバーと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図19B】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のシャフトアセンブリと共に、図18A及び18Bの、往復アンビル調節ロッド、ハンドル、発射バー、及びキャリアカバーと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図19C】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のシャフトアセンブリと共に、図18A及び18Bの、往復アンビル調節ロッド、ハンドル、発射バー、及びキャリアカバーと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図20】他の好ましい実施形態による、開いたアセンブリ構造を有する、湾曲した再利用可能な円形ステープリング機器の斜視図を示す。
【図21】図20の湾曲した再利用可能な円形ステープリング機器の分解斜視図を示す。
【図22】摩擦低減部材を有する、湾曲した円形ステープリング機器の断面図を示し、機器は開放状態にある。
【図23】摩擦低減部材を有する、湾曲した円形ステープリング機器の断面図を示し、機器はステープル発射前の閉鎖位置にある。
【図24】摩擦低減部材を有する、湾曲した円形ステープリング機器の断面図を示し、機器はステープルを発射時の完全に発射した状態にある。
【図25】摩擦低減部材を有する、湾曲した円形ステープリング機器の発射バーの斜視図を示す。
【図26】摩擦低減部材を有する、湾曲した円形ステープリング機器の発射バーの分解斜視図を示す。
【図27】摩擦低減部材を有する、円形ステープリング機器の発射バーの断面図を示す。
【図28】往復アンビル調節ロッドに隣接する摩擦低減部材の別の実施形態を有する、円形ステープリング機器の発射バー拡大側面図を示す。
【図29】図4の円形ステープリング機器のステープリングリロードアセンブリの環状ブレード断面図を示す。
【図30】保護部材に取り付けられる環状脱離(breakaway)ワッシャの斜視図を示す。
【図31】アンビルアセンブリが閉鎖位置にある一方で、環状ブレードが、環状脱離ワッシャを切断している発射位置に移動した、図7の図を示す。
【図32】環状ブレードが環状脱離ワッシャを切断しているのを示している、図31の環状ブレードの点線の円内の拡大図を示す。
【図33】環状ブレードが発射された後、アンビルアセンブリが開放位置に移動されて戻っている図31の図を示す。
【図33A】再利用可能な円形ステープリング機器のハンドルに接続されるアンビル制御部材の一実施形態の拡大図を示す。
【図34】アンビルアセンブリが、円形ステープリング機器から取り外され、環状脱離ワッシャ及び保護部材が環状ブレードに取り付けられている図33の図を示す。
【図35】新しいアンビルが、ステープリングリロードアセンブリに取り付けられるように試みられ、保護部材及び環状脱離ワッシャがその取り付けに干渉している図34の図を示す。
【図36】ステープリングリロードアセンブリに対する新しいアンビルの取り付けに、保護部材及び環状脱離ワッシャが干渉しているのを示している、図35の点線の円内の拡大図を示す。
【図37】ブレードを円形ステープリング機器の脱離ワッシャにロックする方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【図38】アンビルアセンブリが開放位置において、発射ゾーンから外へ、ロックされた発射前状態における発射トリガーを備えるケーシングから離れて配置された、図1の再利用可能な円形ステープリング機器の断面図を示す。
【図38B】図17Cの組み立てられた状態の発射トリガーと発射バーとの間の関係を示している、拡大図を示す。
【図39】図38の断面図の部分斜視図を示す。
【図40】図38の線40−40の断面図を示す。
【図41】アンビルアセンブリが閉鎖位置において、発射ゾーンにおいて、ロックされていない、発射前の発射準備されている発射トリガーを備えるケーシングに隣接して配置された、図1の再利用可能な円形ステープリング機器の断面図を示す。
【図42】図41の部分斜視断面図を示す。
【図43】図41の線43−43の断面図を示す。
【図44】アンビルアセンブリが閉鎖位置において、発射範囲において、発射されている発射トリガーを備えるケーシングに隣接して配置された、図1の再利用可能な円形ステープリング機器の断面図を示す。
【図45】図44の断面図の部分斜視図を示す。
【図46】図44の線46−46の断面図を示す。
【図47A】アンビルがそれぞれ開放状態及び閉鎖状態にある、ハンドルに取り付けられた状態のステープリングリロードアセンブリの断面図を示す。
【図47B】アンビルがそれぞれ開放状態及び閉鎖状態にある、ハンドルに取り付けられた状態のステープリングリロードアセンブリの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照して、本開示に従うヒトの患者から組織を除去するための、新しい外科用円形ステープリング機器100が示されている。外科用円形ステープリング機器100は、内痔核を含む組織、又は他のタイプのヒトの組織を除去するために使用され得る。円形ステープリング機器100は、その内容は参照することにより、その全容において本明細書に組み込まれる米国特許第6,102,271号に示されているように、従来の円形ステープリング機器から適用されている。円形ステープリング機器100は、ステープル104(図7及び31を参照)の環状アレイを、内痔核の基部において粘膜内に配置し、直腸又は肛門の内壁から内痔核に沿って粘膜組織を切断するために適合されたステープリングリロードアセンブリ102を有する。広くは、円形ステープリング機器100は、糞便物質の経路のために環状に形成されたステープルリングの中心からプラグを切断しながら、腸の2つの区分を、ステープル104(図7及び31を参照)の環状リングを用いて一緒に吻合するために使用され得る。
【0011】
図1〜2を参照して、円形ステープリング機器100は、人間工学的シャフトアセンブリ106と、ケーシング110を有するステープリングカートリッジアセンブリ108と、往復アンビル調節ロッド114に取り外し可能に接続されたアンビルアセンブリ112と、を含む。円形ステープリング機器のステープリングリロードアセンブリ102は、ステープリングカートリッジアセンブリ108及びアンビルアセンブリ112を含む。図1〜3に示されるように、円形ステープリング機器100は、キャビティ118を形成するハンドル116を更に含む。アンビル制御部材120は、ハンドル116の近位端上に配置され、アンビルアセンブリ112と操作可能に結合され、これによってアンビル制御部材120の回転は、アンビル制御部材120の回転の方向により、アンビルアセンブリ112を近位又は遠位に移動させる。アンビル制御部材120は、アンビル閉鎖ノブ又は他のタイプのアンビル制御部材を含んでもよい。円形ステープリング機器100は、発射トリガー122を含み、これは方向124において、示されている開放位置から、ステープル104(図7及び31を参照)が組織内(図31を参照)に注入され、余分な組織がステープリングリロードアセンブリ102の環状ブレード126(図31を参照)を用いて切断される閉鎖位置まで回転可能である。安全ラッチ128は、発射トリガー122上に配置され、上方で係合位置にあるのが示されており、これは発射トリガー122の操作を防ぐ。安全ラッチ128が外され、方向128aにおいて内側かつ下方に移動されたとき、発射トリガー122は、開放位置から閉鎖位置まで、方向124において自由に回転できる。シャフトアセンブリ106は、ハンドル116から遠位に延び、ハンドル116のネジ付き部分132(図3を参照)に接続する接続ナット130を使用しながら、近位端においてハンドル116と取り外し可能に結合する。ケーシング110の対向する取り付け部材134(図4を参照)は、シャフトアセンブリ106の遠位端において受容部材136(図3を参照)に取り外し可能に結合する。取り付け部材134は、屈折可能なスナップ部材を備え、受容部材136は開口部を備える。他の実施形態では、取り付け部材134及び受容部材136は、任意のタイプの嵌合部材を備えてもよい。
【0012】
図2に示されるように、ケーシング110は、張り出したドライバ部分140及び外側の管状ドライバ部分142を有する外面138を有する。経路144は、張り出したドライバ部分140から外側の管状ドライバ部分142まで延びるケーシングの表面開口部を含む。環状ステープルホルダ148(図4〜5、7及び31を参照)は、ケーシング110の受容部材152(図4、7、及び31を参照)に、取り外し可能に接続されるステープルホルダ148の取り付け部材150(図4、7、及び31を参照)を用いてケーシング110の遠位端内に取り付けられる。取り付け部材150は、スナップ突起部を備え、受容部材152は屈折可能なスナップを備える。他の実施形態において、取り付け部材150及び受容部材152はそれぞれ任意のタイプの接続可能な部材を含んでもよい。環状ステープルホルダ148は、ステープル104(図31を参照)を保持する及び放射するためのステープルスロット154(図4、7、及び31)の環状アレイを含む。
【0013】
図4〜7に示されるように、ステープルドライバ156は、環状ステープルホルダ148のキー溝160(図4を参照)に取り外し可能な接続である配置を提供しながら、ステープルドライバ156のキー158(図4を参照)を用いて環状ステープルホルダ148に摺動可能に接続する。ステープルドライバ156は、ケーシング110の環状の内側ケーシング表面168のアライメントスプライン166とに移動可能に接続されたステープルドライバ156の環状の外側ドライバ表面164のアライメントスロット162と共にケーシング110内に移動可能に実装し、ケーシング110内のステープルドライバ156の長手方向の移動を可能にし、その一方で、ケーシング110内のステープルドライバ156の回転を防ぐ。ステープルドライバ156の外側ドライバ表面164は、張り出したドライバ部分170及び外側の管状ドライバ部分171を有する。アライメントスロット162及びアライメントスプライン166は、ステープルドライバ156及びケーシング110の長手方向軸172及び174に平行に配置される。他の実施形態において、ケーシング110及びステープルドライバ156は、長手方向の移動を可能にするアライメント部材の任意の数、タイプ、又は構成を使用しながら、互いに対して位置合わせされてもよい。
【0014】
ステープルドライバ156は、ステープルホルダ148内のステープルスロット154内に受容される複数のフィンガー176を有する。フィンガー176は、発射トリガー122(図3を参照)の作動によって、ステープルドライバ156が発射前の位置(図7を参照)から発射した位置(図31を参照)まで移動されるとき、ステープルホルダ148のステープルスロット154から複数のステープル104(図31を参照)を係合及び駆動するためのものである。図4及び7に示されるように、ステープルドライバ156の可撓性戻り止め部材178は、ケーシング110の戻り止めバンプ180に取り外し可能に接続される。この配置は、発射バー282(図44〜46を参照)によって、所定量の力がステープルドライバ156上にかけられたときにだけ、ステープルドライバ156の長手方向の移動を可能にする。要求された力がかけられたとき、ステープルドライバ156上の屈折可能な戻り止め部材178が内側に曲がり、これによってケーシング110上の戻り止めバンプ180から、外れ、ステープルドライバ156が長手方向及び遠位に移動するのを可能にする。他の実施形態では、可撓性戻り止め部材178及び戻り止めバンプ180は、他のタイプの嵌合部材を備えてもよい。
【0015】
環状ブレード126はステープルドライバ156の遠位端内に取り付けられ、環状ブレード126の基部186内で、類似の番号の取り付け孔184を通じて突出する複数のブレード取り付けピン182(図5及び31を参照)によって取り付けられる。環状ブレード126は、基部186内でブレード開口部188(図5及び31を参照)を有する。環状ブレード126の開放遠位端190(図4、29、及び31を参照)は刃先192を有する。ステープルドライバ156が、発射トリガー122(図3を参照)を使用しながら、図7の発射前の位置から図31の発射した位置まで移動されるとき、環状ブレード126はステープルドライバ156と共に移動する。発射トリガー122が発射されたとき、発射トリガー122は、図38〜43のその位置から、図44〜46のその位置まで、方向124において回転し、ケーシング110内の嵌合した発射バー282を方向392において、ステープルドライバ(striver)156に対して当接させ、かつステープルドライバ156を方向392において、ケーシング110内で移動もさせる。この移動は、ステープルドライバ156及びその取り付けられた環状ブレード126を、図7及び38〜43のその発射前の位置から、図31及び44〜46のその発射した位置まで発射する。ステープルドライバ156の発射中に、ステープルドライバ156のフィンガー176は、図7に示されるステープルホルダ148におけるそれらの発射前の位置から、図31に示されるステープルホルダ148の外のそれらの発射した位置へ、ステープル104を発射する。
【0016】
往復アンビル調節ロッド114(図4及び6を参照)は、ステープリングカートリッジアセンブリ108内に配置され、ステープルドライバ156の環状の内部シャフト194(図4及び6を参照)を通じて、かつこの内部へ延びるように位置決めされる。図3A及び3Bに示されるように、往復アンビル調節ロッド114の断面は、形状及び寸法において様々であり、断面線3A−3Aに沿った一部分は円形であり、図3Aに示されるような直径401を有し、断面線3B−3Bに沿った他の部分は、図3Bに示されるように、直径401よりも小さい、距離402によって離間される平行な側壁を有する。図4に示されるように、環状の内部シャフト194は、ステープルドライバ156の長手方向軸172に平行なステープルドライバ156内に長手方向に延びる。孔196は、環状の内部シャフト194内で延びる。アンビルアライメント面198は、環状の内部シャフト194の環状の内面200に沿って、長手方向に延びる。アンビルアライメント面198は、少なくとも1つの長手方向スロットを備える。他の実施形態において、アンビルアライメント面198は、様々な構成にある任意の数又はタイプのアライメント面を備えてもよい。環状の内部シャフト194の外面204は、環状孔部208が環状の内部シャフト194の外面204と環状の内面206との間で延びている状態で、ステープルドライバ156の他の環状の内面206から離間される。
【0017】
図1、2、4〜7、及び特に図8を参照して、アンビルアセンブリ112は、アンビル210、ステープル形成面212、環状脱離ワッシャ214、及び金属シャフト216を備える。アンビル210は、アンビル基部表面220に一体化して成形されたアンビルシャフト218を備える一体型ポリマー成形部品である。アンビル210は、ガラスが充填された又は炭素が充填されたナイロンを含むポリマーから作製される。他の実施形態では、アンビル210は、組織の力下で過剰な屈折を防ぐために、103.4MPa(15,000psi)より大きい引張り強度を有する類似の構成要素材料から作製されてもよい。
【0018】
アンビル基部表面220は、ステープル形成面212及び金属シャフト216に成形される。他の実施形態において、アンビル基部表面220は、様々な取り付け機構を使用して、ステープル形成面212に取り付けられてもよい。ステープル形成面212は、ステンレス鋼、又はステンレス鋼を含む板金若しくはプレートから作製され、環状の形状であり、かつステープル形成ポケットを含む。他の実施形態では、ステープル形成面212は、アルミニウム、又はステープル形成力に耐え得る他の材料から作製されてもよい。
【0019】
環状脱離ワッシャ214は、アンビル基部表面220のキャビティ222内で、アンビル基部表面220に隣接して圧力嵌めされる。他の実施形態では、環状脱離ワッシャ214は、様々な取り付け機構を使用して、アンビル基部表面220のキャビティ222内に取り付けられてもよい。環状脱離ワッシャ214は、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)を含むプラスチックから作製される。他の実施形態では、環状脱離ワッシャ214は、ナイロン、ポリエチレン、又はポリプロピレンから作製され得る。
【0020】
アンビルシャフト218は金属シャフト216の端部226の外面224の周囲に成形され、アンビルシャフト218の成形孔228内に延びる金属シャフト216を備える。アンビルシャフト218の成形孔228は、アンビルシャフト218内で終端し、アンビル基部表面220の遠位端を通じて延びない。アンビルシャフト218の内面230は、金属シャフト216の端部226の外面224の取り付け部材234に成形される受容部材232を備える。受容部材232は成形された環状リブ(図38)を備え、取り付け部材234は、環状溝部(図8)を備える。他の実施形態において、受容部材232及び取り付け部材234は、溝部及びネジ、雌型及び雄型部材、又は他のタイプの取り付け機構を備えてもよい。更に他の実施形態では、アンビルシャフト218は、様々な取り付け機構を使用して金属シャフト216に取り付けられてもよい。近位端チャネル236は金属シャフト216を通じて延びる。金属シャフト216の端部238は、拡張スロット240を含む(図2を参照)。金属シャフト216はステンレス鋼から作製される。他の実施形態では、金属シャフト216は様々な材料から作製されてもよい。
【0021】
アンビルアセンブリ112の製造中に、金属シャフト216及びステープル形成面212は予め製造されている。予め製造された金属シャフト216及び予め製造されたステープル形成面212は次いで、射出成形に挿入される。アンビル210を予め製造された金属シャフト216及び予め製造されたステープル形成面212の両方に成型させながら、型は次いで、型内にアンビル210を形成するのに使用される。成型プロセス中に、アンビル基部表面220は形成し、予め製造されたステープル形成面212に成型され、一方で、アンビルシャフト218は形成し、予め製造された金属シャフト216の端部226の周辺で成型される。環状脱離ワッシャ214は次いで、成形されたアンビル基部表面220のキャビティ222内に圧力嵌めされる。他の実施形態では、製造プロセスは様々であってもよい。
【0022】
往復アンビル調節ロッド114の係合部材244は(図2及び6を参照)、スナップ嵌め結合を使用して、金属シャフト216の近位端チャネル236内に、取り外し可能に結合する。この構成は金属シャフト216、及び往復アンビル調節ロッド114のアンビル制御部材120に取り付けられたアンビル210を操作可能に結合する。他の実施形態において、往復アンビル調節ロッド114の係合部材244は、他の取り付け機構を使用して金属シャフト216に取り付けられてもよい。往復アンビル調節ロッド114の係合部材244への結合中に、拡張スロット240は金属シャフト216の端部238が拡大するのを可能にする。患者に円形ステープリング機器100を使用した後、アンビルアセンブリ112全体が廃棄される。続く手順の間、新しいアンビルアセンブリ112を含む新しいステープリングリロードアセンブリ102が使用される。
【0023】
図8に示されるように、アンビルシャフト218は、アンビル210の成形時において形成されたアライメント面246を含む。アライメント面246は、アンビルシャフト218の長手方向軸248に平行に配置された少なくとも1つのスプラインを備える。アライメント面246は、アンビルシャフト218の頂部250から、アンビルシャフト218の底部254まで、アンビルシャフト218の外側の環状面252に沿って延びる。アンビルアセンブリ112の金属シャフト216は、アライメント面を含まない。他の実施形態において、アライメント面246は、様々な構成にある任意の数又はタイプのアライメント面を備えてもよい。例えば、図12に示されるように、アンビルアセンブリ112が、アンビルアセンブリ112に取り付けられた金属シャフト216を有さずアンビルシャフト218のみを含む実施形態では、アライメント面246は、アンビルシャフト218の外側の環状面252に沿ってアンビルシャフト218の上部250から延びてもよく、かつアンビルシャフト218の底部254まで延びることなく、アンビルシャフト218の中央部256において止まってもよい。
【0024】
アンビルアセンブリ112は、ステープル形成面212が、組織の受容のためにケーシング110から離れている開放位置(図6を参照)から、閉鎖ステープルドライバ156を発射して、クランプされた組織をステープルで閉じて、切断する前に、ステープル形成面212が、ステープルホルダ148とステープル形成面212との間の組織を掴みながら、ステープリングカートリッジアセンブリ108のケーシング110に隣接して配置される閉鎖位置(図7を参照)まで移動可能である。これは、往復アンビル調節ロッド114の係合部材244の先端部242(図2及び6を参照)がステープルドライバ156の環状の内部シャフト194内で延び、かつアンビルアセンブリ112の金属シャフト216の近位端238のチャネル236内で接続されるためである。結果として、接続された往復アンビル調節ロッド114の移動により、アンビルシャフト218(これは金属シャフト216に接続されている)は、ステープルドライバ156の環状の内部シャフト194内に移動可能に配置され、ステープルドライバ156及びケーシング110に対する、アンビルアセンブリ112のステープル形成面212の移動を可能にする。
【0025】
アンビルシャフト218のアライメント面246(図8を参照)は、アンビル基部表面220がステープリングカートリッジアセンブリ108に隣接する閉鎖位置(図7を参照)にあるとき、ステープルドライバ156のアンビルアライメント面198(図4を参照)と嵌合して、ステープル形成面212をステープルホルダ148と回転して位置合わせするように構成される。初めに、図6に示されるように、往復アンビル調節ロッド114が金属シャフト216及び取り付けられたアンビルシャフト218を移動させ、これによってアンビル基部表面220が図6に示される開放位置から、図7に示される閉鎖位置の方へ移動するとき、アンビルシャフト218のアライメント面246(図8を参照)は、ステープルドライバ156の環状の内部シャフト194のアンビルアライメント面198(図4を参照)と嵌合せず、なぜならばアライメント面を有さない金属シャフト216に、アンビルアライメント面198が単に隣接して配置されるからである。この時に、ステープル形成面212は回転してステープルホルダ148と位置合わせされない。しかしながら、図7に示されるように、アンビルシャフト218のアライメント面246が、ステープルドライバ156の環状の内部シャフト194に到達したとき、アライメント面246は環状の内部シャフト194のアンビルアライメント面198と嵌合して、アンビル基部表面220が、ステープリングカートリッジアセンブリ108に隣接する閉鎖位置内に移動するとき、ステープル形成面212をステープルホルダ148と回転して位置合わせする。図33Aを参照すると、アンビル制御部材120に隣接するマーキング120Aは、アンビル112のステープル形成面212(図7を参照)と、ステープルガイド148(図7を参照)との間の隙間の距離を視覚的に示し、圧縮された組織の厚さについてユーザーにフィードバックを提供する。装置が完全に閉鎖に近いとき、往復アンビル調節ロッド114の近位端はアンビル制御部材120において孔120Fを通じて飛び出る。
【0026】
アンビルアセンブリ112が、図7の閉鎖位置にあるとき、円形ステープリング機器100は発射され、ステープルドライバ156を、図7に示されるケーシング110内のその発射前の位置から、図31に示されるその発射した位置まで移動させ、ステープルドライバ156のフィンガー176は、ステープル104をステープルホルダ148のステープルスロット154からアンビルアセンブリ112のステープル形成面212に対して駆動する。ステープル形成面212は、発射されたステープル104を、閉じたステープル形状に形成し、これによって、組織の一部分を一緒にステープルで止める。同時に、ステープルドライバ156は、環状ブレード126を、アンビル210上のステープル形成面212と、ステープルガイド148の表面との間に捕捉された圧縮組織へと駆動し、これによってアンビルアセンブリ112の脱離ワッシャ214に対して組織を切断する。
【0027】
図9は、円形ステープリング機器のステープリングリロードアセンブリを位置合わせする方法の一実施形態を示すフローチャート258を示す。ステップ260では、円形ステープリング機器のステープリングリロードアセンブリが提供される。提供された円形ステープリング機器は、ケーシングと、ケーシングに取り付けられたステープルホルダと、ステープルドライバと、環状ブレードと、アンビルと、を含む。ステップ262では、ステープルドライバは、位置合わせされた構成でケーシング内に移動可能に実装され、ステープルドライバの取り付け部材は、ステープルドライバ上に所定の量の力が発射バーによって適用されるまで、ケーシングの受容部材に接続されて、ステープルドライバが、ケーシング内の特定の点を移動して通過するのを防ぐ。ステップ264では、アンビルのアンビル基部表面は、ケーシングから離れて開放位置から移動され、ここでは、アンビルのステープル形成面は、ケーシングに隣接する閉鎖位置の方へ、ケーシングに取り付けられたステープルホルダとは回転して位置合わせされない。ステップ266では、アンビルアライメント面は、ステープルドライバのアンビルアライメント面と嵌合し、アンビル基部表面がケーシングに隣接して閉鎖位置にあるとき、アンビルのステープル形成面を、ステープルホルダと回転して位置合わせする。アンビルアライメント面は、少なくとも1つのスプラインと、少なくとも1つのスロットを含むステープルドライバのアンビルアライメント面と、を備える。他の実施形態において、アンビルアライメント面、及びドライバのアンビルアライメント面の数、タイプ、及び構成は様々であってもよい。
【0028】
本開示の1つ以上の実施形態は、従来の外科用円形ステープリング機器における位置合わせに関連する1つ以上の問題を減らすことができる。例えば、本開示の1つ以上の実施形態の使用は、アンビルとケーシングとの間の第1の位置合わせ、並びに現在の装置に実施されているような、ステープルドライバとケーシングとの間の第2の位置合わせを要求する代わりに、アンビルとステープルドライバとの間に直接、正確な位置合わせを提供することができる。ドライバとアンビルを直接位置合わせするこの方法は、位置合わせの変動の可能性を減少させ、改善されたステープルの形態となる。
【0029】
図10は、アンビル210A、ステープル形成面212A、環状脱離ワッシャ214A、及び金属シャフト216Aを含む、アンビルアセンブリ112Aの他の実施形態の分解図を示す。アンビル210Aは、アンビル基部表面220Aに成形されたアンビルシャフト218Aを備える一体型ポリマー成形部品である。アンビル210Aは、ガラスが充填された又は炭素が充填されたナイロンを含むポリマーから作製される。他の実施形態では、アンビル210Aは、組織の力下で過剰な屈折を防ぐために、103.4MPa(15,000psi)より大きい引張り強度を有する類似の構成要素材料から作製されてもよい。
【0030】
金属シャフト216Aは、成形孔228Aを通じて延び、これはアンビルシャフト218A及びアンビル基部表面220Aの両方を通じて延びる。金属シャフト216Aの1つの端部226Aは、成形孔228Aから外へ延び、アンビル基部表面220Aの頂部268に当接する。金属シャフト216Aの端部226Aは、成形孔228Aの直径272よりも大きい直径270を有する。金属シャフト216Aの他方の端部238Aは、アンビルシャフト218Aの成形孔228Aから外へ延びる。金属シャフト216Aは、取り付け部材(光景からは隠れている)を含み、これはアンビルシャフト218Aの受容部材(光景からは隠れている)に取り付けられる。取り付け部材は糸を含み、受容部材は溝部を備える。他の実施形態において、取り付け部材及び受容部材は、雌型及び雄型部材、又は他のタイプの取り付け機構を備えてもよい。更に他の実施形態では、金属シャフト216Aは、様々な取り付け機構を使用してアンビルシャフト218Aに取り付けられてもよい。チャネル236Aは、金属シャフト216Aの近位端238A内に延びる。金属シャフト216Aの端部238Aはまた、拡張スロット240Aを含む。金属シャフト216Aは、熱処理されたステンレス鋼を含む金属から作製される。他の実施形態において、金属シャフト216Aは他のスチールから作製されてもよい。
【0031】
アンビル基部表面220Aは、ステープル形成面212Aに成形される。他の実施形態において、アンビル基部表面220Aは、様々な取り付け機構を使用してステープル形成面212Aに取り付けられてもよい。ステープル形成面212Aは、オーステナイトステンレス鋼を含む板金から作製され、環状の形状であり、かつステープル形成ポケットを含む。他の実施形態において、ステープル形成面212Aは、他の金属、ステンレス鋼、アルミニウム、シート、又はプレートから作製されてもよい。
【0032】
環状脱離ワッシャ214Aは、アンビル基部表面220Aに隣接して、アンビル基部表面220Aのキャビティ222A内に圧力嵌めされる。他の実施形態において、環状脱離ワッシャ214Aは、様々な取り付け機構を使用して、アンビル基部表面220Aのキャビティ222A内に取り付けられてよい。環状脱離ワッシャ214Aは、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)を含むプラスチックから作製される。他の実施形態では、環状脱離ワッシャ214Aは、ナイロン、ポリエチレン、又はポリプロピレンから作製され得る。
【0033】
アンビルアセンブリ112Aの製造中に、ステープル形成面212Aは予め製造される。予め製造されたステープル形成面212Aは、次いで射出成形に挿入される。成形型は次いで、成形型内にアンビル210Aを形成するために使用され、アンビル210Aをステープル形成面212Aに成形させる。成形プロセス中、アンビル基部表面220Aが生じ、ステープル形成面212Aに成形される。環状脱離ワッシャ214Aは次いで、成形されたアンビル基部表面220Aのキャビティ222A内に圧力嵌めされる。アンビル基部表面220Aを成形した後、予め製造された金属シャフト216Aの端部238Aは、アンビル基部表面220Aにおいて成形孔228A内に延び、アンビルシャフト218Aにおいて成形孔228Aから外に延び、これによって、金属シャフト216Aの端部226Aは、アンビル基部表面220Aの頂部268に当接する。このステップは使用前にユーザーによって実行され得る。予め製造された金属シャフト216Aの端部238Aがアンビル210Aにおいて成形孔228A内に、かつこれから外へ延びるときに、アンビルシャフト218Aの受容部材(図では見えない)と嵌合している金属シャフト216Aの取り付け部材(図からは隠れている)により、金属シャフト216Aは取り外し可能にアンビルシャフト218Aに接続される。他の実施形態では、製造プロセスは様々であってもよい。
【0034】
図11に示されるように、金属シャフト216A及び取り付けられたアンビル210Aを、往復アンビル調節ロッド114を通じてアンビル制御部材120に操作可能に結合するスナップ嵌めを使用しながら、往復アンビル調節ロッド114の係合部材244は、金属シャフト216Aの近位端チャネル236A内に取り外し可能に結合する。他の実施形態において、往復アンビル調節ロッド114の係合部材244は、他の取り付け機構を使用して金属シャフト216Aに取り付けられてもよい。往復アンビル調節ロッド114の係合部材244への結合中に、拡張スロット240Aは金属シャフト216Aの端部238Aが拡大するのを可能にする。患者に対して円形ステープリング機器100を使用した後、アンビルシャフト218Aの受容部材(光景から隠れている)から、金属シャフト216Aの取り付け部材(光景から隠れている)を取り外すことによって、金属シャフト216Aは、アンビル210Aから除去されてもよく、アンビル210Aは処分されてもよく、金属シャフト216Aは殺菌されてもよく、金属シャフト216Aは、上記のプロセスを使用して、新しいアンビル及び新しいステープリングカートリッジアセンブリと組み合わせて、金属シャフト216Aを他の患者に対して再利用できるようにしながら、新しいアンビルに取り付けられてもよい。
【0035】
図10〜11に示されるように、アンビルシャフト210Aは、成形型により、アンビル210Aを成形するときに形成されたアライメント面246Aを含む。アライメント面246Aは、アンビルシャフト218Aの長手方向軸248Aに平行に配置された少なくとも1つのスプラインを備える。アライメント面246Aは、アンビルシャフト218Aの頂部250Aから、アンビルシャフト218Aの底部254Aまで、アンビルシャフト218Aの外側の環状面252Aに沿って延びる。アンビルアセンブリ112Aの金属シャフト216Aは、アライメント面を含まない。他の実施形態において、アライメント面246Aは、様々な構成にある任意の数又はタイプのアライメント面を備えてもよい。
【0036】
図12は、アンビル210B、ステープル形成面212B、及び環状脱離ワッシャ214Bを含む、アンビルアセンブリ112Bの他の実施形態の分解図を示す。アンビル210Bは、アンビル基部表面220Bに成形されたアンビルシャフト218Bを備える一体型ポリマー成形部品である。アンビル210Bは、ガラスが充填された又は炭素が充填されたナイロンを含むポリマーから作製される。他の実施形態では、アンビル210Bは、組織の力下で過剰な屈折を防ぐために、103.4MPa(15,000psi)より大きい引張り強度を有する類似の構成要素材料から作製されてもよい。近位端チャネル236Bはアンビルシャフト218B内に延びる。アンビルシャフト218Bは、拡張スロット240Bを含む。
【0037】
アンビル基部表面220Bは、ステープル形成面212Bに成形される。他の実施形態において、アンビル基部表面220Bは、様々な取り付け機構を使用して、ステープル形成面212Bに取り付けられてもよい。ステープル形成面212Bは、オーステナイトステンレス鋼を含む金属から作製され、環状の形状であり、かつステープル形成ポケットを含む。他の実施形態において、ステープル形成面212Bは、他の金属、ステンレス鋼、アルミニウム、シート、又はプレートから作製されてもよい。
【0038】
環状脱離ワッシャ214Bは、アンビル基部表面220Bのキャビティ222B内で、アンビル基部表面220Bに隣接して圧力嵌めされる。他の実施形態では、環状脱離ワッシャ214Bは、様々な取り付け機構を使用して、アンビル基部表面220Bのキャビティ222B内に取り付けられてもよい。環状脱離ワッシャ214Bは、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)を含むプラスチックから作製される。他の実施形態では、環状脱離ワッシャ214Bは、様々な材料から作製され得る。
【0039】
アンビルアセンブリ112Bの製造中に、ステープル形成面212Bは予め製造される。予め製造されたステープル形成面212Bは、次いで射出成形に挿入される。成形型は次いで、成形型内にアンビル210Bを形成するために使用され、アンビル210Bをステープル形成面212Bに成形させる。成形プロセス中、アンビル基部表面220Bが生じ、ステープル形成面212Bに成形される。同時に、アンビルロッド取り付け部分を含め、アンビルシャフト218Bはアンビル基部表面220Bに一体成形される。環状脱離ワッシャ214Bは次いで、成形されたアンビル基部表面220Bのキャビティ222B内に圧力嵌めされる。他の実施形態では、製造プロセスは様々であってもよい。
【0040】
図13に示されるように、アンビル210Bのアンビルシャフト218Bを、往復アンビル調節ロッド114を通じてアンビル制御部材120に操作可能に結合する、スナップ嵌め結合を使用しながら、往復アンビル調節ロッド114の係合部材244は、アンビルシャフト218Bの近位端チャネル236B内で取り外し可能に結合する。他の実施形態において、往復アンビル調節ロッド114の係合部材244は、他の取り付け機構を使用してアンビルシャフト218Bに取り付けられてもよい。往復アンビル調節ロッド114の係合部材244への結合中に、拡張スロット240Bはアンビルシャフト218Bが拡大するのを可能にする。円形ステープリング機器100を患者に使用した後、アンビル210Bは廃棄されてもよく、異なる患者に対して他の処置を実施するために円形ステープリング機器100と共に、新しいアンビルが使用されてもよい。
【0041】
図12〜13に示されるように、アンビルシャフト218Bは、アンビル210Bを成形するときに形成されたアライメント面246Bを含む。アライメント面246Bは、アンビルシャフト218Bの長手方向軸248Bに平行に配置された少なくとも1つのスプラインを備える。アライメント面246Bは、アンビルシャフト218Bの頂部250Bから、アンビルシャフト218Bの外側の環状面252Bに沿って延び、アンビルシャフト218Aの底部254Bまで延びることなく、アンビルシャフト218Aの中間部分256Bにおいて停止する。他の実施形態において、アライメント面246Bは、様々な構成にある任意の数又はタイプのアライメント面を備えてもよい。
【0042】
図14は、アンビルアセンブリを製造する方法の一実施形態を示すフローチャート274を示す。ステップ276では、予め製造されたステープル形成面(これは金属又は他の金属から作製され得る)は、成形型内に配置される。ステップ278では、アンビルアセンブリは、アンビルを、成形されたアンビルが、アンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを有する状態で、成形型内で予め製造されるステープル形成面に成形することによって形成される。アンビルは、高分子、例えばガラスが充填された又は炭素が充填されたナイロンからの一体型に成形されてもよい。他の実施形態において、アンビルは他の材料から成形されてもよい。一実施形態において、ステップ278は、アライメントスプラインを含む少なくとも1つのアライメント面、又は他のタイプのアライメント面を有するように、アンビルシャフトを成形することを更に含み得る。他の実施形態では、ステップ278は、アンビルシャフトが予め製造されたシャフトに成形されるように、アンビルアセンブリを成形することを更に含み、予め製造されたシャフトは、ステップ276中に成形型内に配置された金属又は他の材料から製造されてもよい。更なる実施形態では、後続のステップにおいて、金属又は他の材料から作製され得る予め製造されたシャフトは、アンビルが成型された後に、成形されたアンビルアセンブリのアンビルシャフトに取り付けられてもよい。ステップ280において、圧力嵌め又は他の取り付け機構を使用して、成形されたアンビルアセンブリのアンビル基部表面に脱離ワッシャが取り付けられる。脱離ワッシャは環状又は他の形状であってもよく、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)を含む塑性体から作製されてもよく、あるいは他のタイプの材料から作製されてもよい。他の実施形態において、本方法の1つ以上のステップは変化してもよい。
【0043】
本開示の1つ以上の実施形態は、従来のアンビルアセンブリに関連する1つ以上の問題を減らすことができる。例えば、本開示の1つ以上の実施形態の使用は、現在のアンビルアセンブリの1/3のコストで製造され得るアンビルアセンブリを提供することができる。
【0044】
図1〜3に示されるように、円形ステープリング機器100は、ハンドル116、往復アンビル調節ロッド114、発射バー282、キャリアカバー284、ハンドル116と取り外し可能に結合されるシャフトアセンブリ106、ステープリングカートリッジアセンブリ108、及びアンビルアセンブリ112を含み、アンビルアセンブリ112は、往復アンビル調節ロッド114と取り外し可能に結合される。ハンドル116は、発射バー282及び往復アンビル調節ロッド114を受容するキャビティ118を形成する。往復アンビル調節ロッド114は、往復アンビル調節ロッド114の先端部242において係合部材244と、往復アンビル調節ロッド114の近位端において、アンビル制御部材120と取り外し可能に結合されるネジ付き調節部材286と、を有する。
【0045】
発射バー282は、ハンドル116内において往復アンビル調節ロッド114を安定させ、かつこれを固定するために使用される。発射バー282は、1対の係合溝部288及び290を形成し、発射バー282の遠位端において係合シャフト292を有する。係合溝部288及び290は、発射バー282の対向する側上に形成されるのが好ましい。発射バー122は上端部294を含み、これは係合溝部288及び290と係合し、ハンドル116のキャビティ118内で発射バー282及び往復アンビル調節ロッド114を取り外し可能に固定する。あるいは、係合溝部288及び290は、本明細書に記載のように、任意の取り外し可能な結合と置き換えられてもよい。好ましくは、発射バー282及び往復アンビル調節ロッド114がキャビティ118内に配置されたとき、発射バー122の上端部294の部分はそれぞれ、係合溝部288及び290のうちの1つ内に延びて、キャビティ118において発射バー282及び往復アンビル調節ロッド114の両方を取り外し可能に固定する。キャビティ118において、発射バー282及び往復アンビル調節ロッド114の両方を取り外し可能に固定することによって、係合溝部288及び290、並びに発射トリガー122の上端部294は、発射バー282及び往復アンビル調節ロッド114の両方が、キャビティ118内に容易に配置され、そこから取り外され、それらが容易に補修される又は交換されるのを可能にする。キャビティ118、及び上記の構成要素の形状の設計は、それらが正しい位置及び方向に配置されたときに、ユーザーによってはっきり見えるようにするようなものである。この構成はまた、ユーザーが装置を間違って組み立てるのを防ぐ。
【0046】
係合シャフト292は、内部を通じて往復アンビル調節ロッド114の先端部242及び係合部材244が受容される開口部296を形成する。係合シャフト292の開口部296を通じて往復アンビル調節ロッド114を受容することは、ハンドル116内で往復アンビル調節ロッド114を中心にし、ステープリングカートリッジアセンブリ108内で往復アンビル調節ロッド114を位置合わせするのに役立つ。ステープリングカートリッジアセンブリ108(図1及び2を参照)は、シャフトアセンブリ106(図3を参照)の遠位端と取り外し可能に結合する。往復アンビル調節ロッド114の係合部材244の先端部242は、ケーシング110(図2を参照)内で、かつこれを通って延び、スナップ嵌め結合を使用して、アンビルアセンブリ112の金属シャフト216の近位端チャネル236(図2を参照)に、取り外し可能に結合する。
【0047】
図3を参照して、キャリアカバー284は、ハンドル116の上を摺動し、キャビティ118内の発射バー282、及び往復アンビル調節ロッド114の一部分を被覆する。好ましくは、キャリアカバー284は、内部を通じてハンドル116のネジ付き部分132が受容される開口部298を形成する。開口部298は好ましくはU型であり、キャリアカバー284の裏面300上に形成され、これによって、キャリアカバー284がハンドル116の上を摺動したとき、キャリアカバー284の当接部分302は、ハンドル116の部分に対して押され、キャリアカバー284が、キャビティ118内の発射バー282及び往復アンビル調節ロッド114の一部分の上で正しく位置決めされたということを示す。ハンドルの116上をキャリアカバー284が摺動するのを可能にすることによって、キャリアカバー284は、キャビティ118内の発射バー282及び往復アンビル調節ロッド114の両方を保護し、それらが容易に補修される又は交換されるのを可能にする。
【0048】
シャフトアセンブリ106は、近位端においてハンドル116と取り外し可能に結合され、遠位端においてステープリングカートリッジアセンブリ108(図1を参照)と取り外し可能に結合される。本明細書で使用するとき、用語「取り外し可能な」は、他方の構成要素又は部材に損傷を与えることなく、再締結される、又は外されるように設計されている第1構成要素又は部材を指す。更に、本明細書で使用されるとき、用語「取り外し可能に結合される」又は「取り外し可能に固定される」は、第1部材を第2部材に、2つの部材が、いずれかの部材に損傷を与えることなく、互いから外れる、すなわち切断されるように設計されている2つの部材における方式において、結合すること又は固定することを指す。これは、ユーザーが2つの部材を互いから損傷することなく切断する、又は外すのを可能にし、これによってユーザーは2つの部材を修理することができる。取り外し可能な結合には、スナップ嵌め結合、摩擦による係合結合(これは、互いに摩擦で係合する部材を含む)、ネジによる結合、磁気結合、又は機械結合(例えばフック・ループ式ファスナー)が挙げられ得る。
【0049】
図3を参照して、シャフトアセンブリ106が、ハンドル116上でネジ付き部分132と取り外し可能に結合される内側ネジ304を備える接続ナット130を有するのが好ましい。あるいは、接続ナット130は、本明細書に記載のように任意の取り外し可能な結合と置き換えられてもよい。いったん、ハンドル116と取り外し可能に結合されると、シャフトアセンブリ106は、キャリアカバー284をハンドル116に取り外し可能に固定し、円形ステープリング機器100及びその構成要素(例えばシャフトアセンブリ106、キャリアカバー284、ハンドル116、発射バー282、及び往復アンビル調節ロッド114)が容易に分解され、かつ補修されるのを可能にする。
【0050】
シャフトアセンブリ106をハンドル116と取り外し可能に結合することによって、発射バー282及びキャビティ118における往復アンビル調節ロッド114の両方を取り外し可能に固定することによって、キャリアカバー284をハンドル116の上で摺動するのを可能にすることによって、往復アンビル調節ロッド114をアンビル制御部材120と取り外し可能に結合することによって、シャフトアセンブリ106をハンドル116と取り外し可能に結合することによって、又はアンビルアセンブリ112(図1を参照)を往復アンビル調節ロッド114と取り外し可能に結合することによって、円形ステープリング機器100の組み立て及び分解は、より容易になり、かつ円形ステープリング機器100を備える様々な構成要素の補修及びメンテナンスを可能にする。
【0051】
図15A及び15Bを参照して、円形ステープリング機器100の組み立てにおいて、アンビル制御部材120は、往復アンビル調節ロッド114と取り外し可能に結合される。好ましくは、アンビル制御部材120は、アンビル制御部材120をネジ付き調節部材286上で回転させることによって、往復アンビル調節ロッド114の近位端において、ネジ付き調節部材286と取り外し可能に結合される。典型的に、アンビル制御部材120を反時計周りに回転することは装置を開放し、時計回りに回転することは装置を閉鎖する。
【0052】
次いで、図16A及び16Bを参照して、アンビル制御部材120の一部分及び往復アンビル調節ロッド114の一部分は、ハンドル116のキャビティ118内で取り外し可能に固定される。好ましくは、キャビティ118は、刻み目306を形成し、これはアンビル制御部材120及び往復アンビル調節ロッド114をキャビティ118内で取り外し可能に固定するために、アンビル制御部材120の一部分と嵌合する。あるいは、刻み目及び突出部の関係は反対にされてもよい。いったん、往復アンビル調節ロッド114が、配置118Aにおいてキャビティ118内に配置されると、キャビティ118に隣接する平行及び平坦な壁部114B及び114C(図15Bを参照)は、ハンドルに対する往復アンビル調節ロッド114の回転運動を防ぎながら、長手方向の移動は可能にする方式で接続される。
【0053】
図17A、17B、及び17Cを参照して、往復アンビル調節ロッド114の先端部242及び係合部材244は、発射バー282の係合シャフト292の開口部296を通じて受容され、次いで発射バー282の係合溝部288、290は、発射バー122の上端部294にわたって、次いでその周辺に配置され、発射バー282、往復アンビル調節ロッド114、及びアンビル制御部材120をキャビティ118内に取り外し可能に固定する。
【0054】
図18A及び18Bを参照して、キャリアカバー284は次いで、ハンドル116の上を摺動し、発射バー282及びキャビティ118内の往復アンビル調節ロッド114の一部分を被覆する。好ましくは、ハンドル116のネジ付き部分132は、キャリアカバー284における開口部298を通じて受容され、キャリアカバー284の当接部分302がハンドル116の一部分132aに対して押され、キャリアカバー284が正しく位置決めされたということを示すまで、キャリアカバー284は摺動される。
【0055】
図19A、19B、及び19Cを参照して、往復アンビル調節ロッド114は、シャフトアセンブリ106を通じて、かつこの内側に配置され、シャフトアセンブリ106は、ハンドル116と取り外し可能に結合される。好ましくは、シャフトアセンブリ106は、ハンドル116上でネジ付き部分132と取り外し可能に結合される内側ネジ304を備える接続ナット130を有する。シャフトアセンブリ106は、キャリアカバー284をハンドル116に取り外し可能に固定する。
【0056】
次いで、図2を参照すると、ステープリングカートリッジアセンブリ108は、シャフトアセンブリ106に取り外し可能に結合され、往復アンビル調節ロッド114の先端部242は、ステープリングカートリッジアセンブリ108に形成された中央シャフトを通じて延びる。最後に、アンビルアセンブリ112は、往復アンビル調節ロッド114の係合部材244、及びアンビルアセンブリ112の金属シャフト216の近位端チャネル236を介して往復アンビル調節ロッド114に取り外し可能に結合される。
【0057】
図20及び21を参照して、一実施形態では、湾曲した円形ステープリング機器100Aが提供され、これは、ケーシング110Aと、アンビルアセンブリ112Cが偶発的に取り外されるのを防ぐための上記のようなアンビル開放機構の湾曲した往復アンビル調節ロッド114Aに取り付けられたアンビルアセンブリ112Cと、可撓性往復アンビル調節ロッド114Aに取り外し可能に結合される湾曲した発射バー282Aと、ハンドル116Aと取り外し可能に結合されるキャリアカバー284Aと、ネジ付き調節部材286Aを介して、湾曲した往復アンビル調節ロッド114Aと取り外し可能に結合される制御部材120Aと、ネジ付き部分132Aを介してハンドル116Aと取り外し可能に結合される接続ナット130Aを有する人間工学的に湾曲されたシャフトアセンブリ106Aと、有するステープリングカートリッジアセンブリ108Aを含む。湾曲した円形ステープリング機器100Aは、哺乳類の体腔内への挿入を助けるために、湾曲した構成要素、例えば可撓性往復アンビル調節ロッド114A、湾曲した発射バー282A、及び湾曲したシャフトアセンブリ106Aを含む。
【0058】
互いに取り外し可能に結合される構成要素を有することで、円形ステープリング機器100又は湾曲した円形ステープリング機器100Aは、開放構造を有する再利用可能なステープリング機器を提供し、この開放構造は追加の構成要素(例えば往復アンビル調節ロッド114、114A、及びシャフトアセンブリ106、106A)が主に横方向に組み立てられるのを可能にするU型開口部298、298Aを有するキャリアカバー284,284Aを使用する。横方向の組み立ては、組み立てのより容易な視覚化を可能にし、組み立て時間を短くし、組み立て及び分解の容易さを改善する。結果として、円形ステープリング機器100、又は開放アセンブリ構造を有する湾曲した円形ステープリング機器100Aを組み立てるのに必要とされる時間は多くの場合、1分未満である。更に、開放構造は、どこに構成要素が配置されるべきか、ということを伝える機構の存在を可能にする。更に、互いに取り外し可能に結合される構成要素を提供することによって、円形ステープリング機器100若しくは100Aは容易に組み立てられ、又は分解され、使用後の円形ステープリング機器100若しくは100Aの洗浄及び殺菌を可能にする。
【0059】
図22〜28を参照して、一実施形態では、円形ステープリング機器100Dが提供され、これは、ケーシング110Dを有するステープリングカートリッジアセンブリ108D、上記のとおりアンビルアセンブリ112Dが偶発的に取り外されるのを防ぐためのアンビル開放機構の往復アンビル調節ロッド114Dに取り付けられたアンビルアセンブリ112Dと、往復アンビル調節ロッド114Dと取り外し可能に結合される発射バー282Dと、ハンドル116Dと結合されるキャリアカバー284Dと、往復アンビル調節ロッド114Dと結合された制御部材120Dと、ネジ付き部分132Dを介してハンドル116Dと結合される接続ナット130Dを有するシャフトアセンブリ106Dと、を含む。好ましくは、円形ステープリング機器100Dは、機器100Dで見られるように、湾曲した円形ステープリング機器であり、かつ、哺乳類の体腔内への挿入を助けるために、湾曲した構成要素、例えば湾曲した往復アンビル調節ロッド114D、湾曲した発射バー282D、及び人間工学的に湾曲したシャフトアセンブリ106Dを含む。しかしながら、円形ステープリング機器100Dで見られるように、円形ステープリング機器100Dは、湾曲した円形ステープリング機器である必要はなく、任意のタイプの円形ステープリング機器、例えば円形ステープリング機器100で見られるような比較的直線的な円形ステープリング機器であってもよく、並びに比較的直線的な構成要素、例えば比較的直線的な往復アンビル調節ロッド114D、比較的直線的な発射バー282D、及び比較的直線的なシャフトアセンブリ106Dを有する。
【0060】
往復アンビル調節ロッド114Dは、往復アンビル調節ロッド114Dの先端部242Dにおいて第1係合部材244Dと、往復アンビル調節ロッド114Dの基部402Dにおいてネジ付き調節部材286Dを含む。好ましくは、往復アンビル調節ロッド114Dは、1つの端部における基部402Dと、対向する端部における係合部材244Dと、並びに基部402Dを係合部材244Dと接続する、可撓性かつ湾曲していてもよい可撓性伸張バンド400Dと、を含む。図22及び23を参照して、発射バー282Dは第1端部430Dにおいて発射トリガー122Dと移動可能に接続され、第2係合部材416Dを通じてステープリングカートリッジアセンブリ108Dと第2端部432Dにおいて移動可能に接続される。図28を参照して、発射バー282Dは、第1係合表面406Dを形成し、これは、往復アンビル調節ロッド114D上に形成された、対応する第2係合表面408Dに面する。好ましくは、伸張バンド400Dは、第2係合表面408Dを形成し、これは、発射バー282D上の第1係合表面406Dに面する。
【0061】
円形ステープリング機器100Dは、往復アンビル調節ロッド114Dと発射バー282Dとの間の摩擦を低減するために、第1係合表面406Dと第2係合表面408Dとの間に配置された摩擦低減部材420Dを更に含む。往復アンビル調節ロッド114Dと発射バー282Dとの間の移動は、発射トリガー122Dがハンドル116Dによって係合され、発射されたときに生じ、発射バー282Dをステープリングカートリッジアセンブリ108Dの方へ移動させ、これと係合させ、ステープリングカートリッジアセンブリ108Dからステープルを発射させる。往復アンビル調節ロッド114Dと発射バー282Dとの間の移動はまた、制御部材120Dが活性化されるときに生じ、往復アンビル調節ロッド114D、及び往復アンビル調節ロッド114Dの先端部242Dに接続されるアンビルアセンブリ112Dに、ステープリングカートリッジアセンブリ108Dとアンビルアセンブリ112Dとの間の距離を調節するために、ステープリングカートリッジアセンブリ108Dに向かって、又はこれから離れて移動させる。往復アンビル調節ロッド114Dと発射バー282Dとの間のいずれかの移動は、往復アンビル調節ロッド114Dを摺動可能に発射バー282Dに係合させ、往復アンビル調節ロッド114Dと発射バー282Dとの間の摩擦となる。本明細書で使用されるとき、用語「摺動可能に係合する」は、2つの表面の間に平滑で連続的な接触を維持しながら、他方の面の上での一方の面の動きを指す。湾曲した円形ステープリング機器100Dにおける往復アンビル調節ロッド114Dと発射バー282Dとの間の摩擦は典型的に、比較的直線的な円形ステープリング機器100よりも20〜40%高い場合がある。一実施形態では、円形ステープリング機器100Dの構成は、伸張バンド400Dに発射バー282D上へ接触力をかけさせ、発射バー282Dと往復アンビル調節ロッド114Dとの間の摩擦を増加させる。第1係合表面406Dと第2係合表面408Dとの間に摩擦低減部材420Dを配置することによって、往復アンビル調節ロッド114Dと発射バー282Dとの間の摩擦は低減され得る。機器を発射する間に発射バー282Dとハンドル116Dの他の部分との間に摩擦力が生じる、他の領域も存在する。これらの摩擦力は、発射バー282Dの溝部288D及び290Dにおける表面上に所定の角度をもたらすことによって低減される。図38Bに示されるように、角度付きの表面288Fは、垂直から5度〜15度配向され得る。これは、発射バー282Dを押すための力において10〜20%の低減となる。
【0062】
摩擦低減部材420Dは、2つの部材の間、例えば往復アンビル調節ロッド114Dと発射バー282Dとの間の摩擦を低減するために使用され得る任意の機械的装置又は化合物であってもよい。特に、摩擦低減部材420Dは、2つの部材間で減少した摩擦の係数μreducedをもたらし、これは2つの部材が摩擦低減部材を有さないときの2つの部材間に存在する摩擦の標準係数μnormalよりも小さい。好ましくは、摩擦低減部材420Dは、低減された摩擦の係数μreducedを提供し、2つの部材間に存在する摩擦の標準係数μnormalよりも少なくとも20%小さく、より好ましくは少なくとも40%小さい。
【0063】
摩擦低減部材420Dのための化合物には、固体のコーティング、例えばグラファイト、又はポリマーコーティング、例えばテフロンが挙げられる。摩擦低減部材420Dのための化合物はコーティングとして適用されてもよく、これは第1係合表面406D及び第2係合表面408Dのいずれか、又はこの両方に結合する。摩擦低減部材420Dのための化合物はまた、2つの係合表面406Dと408Dとの間に捕捉された自由運動している中間成分へのコーティングと適用されてもよい。摩擦低減部材420Dに使用される機械装置には、例えば玉軸受又はころ軸受など、一対の表面の間の摩擦を低減することができる任意の機械的装置が挙げられる。摩擦低減部材420Dは、往復アンビル調節ロッド114D及び発射バー282Dのいずれか、又はこの両方と接続されてもよい。摩擦低減部材402Dは、それがハンドルの再利用のために清浄中又は補修中に拭き取られる又は劣化しないように設計される。
【0064】
図25〜27を参照して、一実施形態では、摩擦低減部材420Dは、ローラー404Dを含み、これはピン412Dを使用して発射バー282Dと接続され、かつこれは発射バー282Dに形成されるキャビティ410D内に配置される。好ましくは、ピン412Dは、発射バー282Dを通じて形成される孔414D内に配置される。好ましくは、1つ以上のローラー404D、例えば3つのローラー404Dが発射バー282Dと接続される。一実施形態では、孔414Dは、図26に示されるように、内部を通じてピン412Dが配置される円形開口部を形成し、ピン412Dをほとんど動かさない。一実施形態では、孔414Dは、内部を通じてピン412Dが配置され、かつその内部で図28に示されるように、発射バー282Dのいずれかの端部430D、432Dの方へ、又はそこから離れる、ピン412Dの頂部/底部の動き(これは発射バー282Dのいずれかの端部430D、432Dのいずれかの方でもなく、これから離れるものでもない)よりも更にピン412Dの横方向の動きを可能にし、先の実施形態と比較して、更なる自由度を可能にする。
【0065】
図29は、図4の円形ステープリング機器100のステープリングカートリッジアセンブリ108の環状ブレード126の斜視図を示す。図29に示されるように、環状ブレード126は、環状刃先192及び脱離ワッシャ取り付け部材308を備える。環状ブレード126は、環状刃先192を含み、脱離ワッシャ取り付け部材308は、ステンレス鋼などの金属から作製される。他の実施形態において、環状ブレード126は、切断するのに十分硬い、任意の材料から作製され得る。脱離ワッシャ取り付け部材308は、刃先192に隣接する環状ブレード126の配置310から延びる、複数の離間された脱離ワッシャ保持返し部を備える。脱離ワッシャ取り付け部材308は、刃先192に対して非平行な角度312において、内側に延びる。非平行な角度312は、56〜60度の範囲であってもよい。他の実施形態において、非平行な角度312は30〜60度の範囲であってもよい。更に他の実施形態では、脱離ワッシャ取り付け部材308は、環状ブレード126に対して様々な材料、数、形状、寸法、配置、方向、又は構成であってもよい。例えば、他の実施形態では脱離ワッシャ取り付け部材308は、スナップ、圧縮、又は他のタイプの取り付け部材を備えてもよい。
【0066】
図6は、ケーシング110に対して開放位置にあり、かつこれから離れている円形ステープリング機器100のステープリングリロードアセンブリ102のアンビルアセンブリ112のアンビル基部表面220、並びにケーシング110内で後退した発射前のステープルドライバ156及び取り付けられた環状ブレード126を示す。環状脱離ワッシャ214は、アンビル210のアンビル基部表面220のキャビティ222内に圧力嵌めされる。保護部材314は、フック316を使用して、アンビル基部表面220のキャビティ222内に配置された環状脱離ワッシャ214の頂部318に取り付けられる。
【0067】
図30は、保護部材314に取り付けられた環状脱離ワッシャ214の拡大図を示す。保護部材314は、赤く着色されたポリカーボネートから作製された環状保護キャップを備える。他の実施形態では、保護部材314は、材料、形状、寸法、配置、色、又は構成において様々であってもよく、かつ様々な取り付け機構を使用して、環状脱離ワッシャ214に取り付けられてもよい。更に他の実施形態では、保護部材314は、使用されなくてもよく、環状脱離ワッシャ214は、保護部材314を有さずにアンビル基部表面220のキャビティ222内に圧力嵌めされてもよい。
【0068】
図7は、ステープルドライバ156を備えるケーシング110に対して、かつこれに隣接して閉鎖位置に移動されているアンビルアセンブリ112のアンビル基部表面220を示し、取り付けられた環状ブレード126は依然として、環状脱離ワッシャ214から離間されて、ケーシング110内に後退している発射前の位置である。この発射前の位置では、ステープルドライバ156の可撓性戻り止め部材178は、ケーシング110の戻り止めバンプ180を接続部に取り外し可能に接続され、所定の量の力が適用されるまでステープルドライバ156が移動するのを防ぐ。他の実施形態では、可撓性戻り止め部材178及び戻り止めバンプ180は、様々なタイプの嵌合部材を備えてもよい。
【0069】
図31は、発射されて、その発射前の位置から発射した位置まで、ケーシング110に対してステープルドライバ156を動かす、ステープルドライバ156、及び取り付けられた環状ブレード126を示し、ここでは環状ブレード126の刃先192は、環状脱離ワッシャ214内に移動し、これを切断し、その一方でアンビルアセンブリ112のアンビル基部表面220は閉鎖位置にある。発射中に、ステープルドライバ156の可撓性戻り止め部材178は、ケーシング110の戻り止めバンプ180から開放され、ステープルドライバ156が、ケーシング110に対し、特定の位置320を過ぎて移動するのを可能にする。
【0070】
図32は、環状脱離ワッシャ214を切断している、図31の環状ブレード126の刃先192の拡大図を示す。刃先192は、環状脱離ワッシャ214の離間されている壁部322と324との間に配置されたウェブ320を切断する。これが生じるとき、脱離ワッシャ取付部材308は、環状脱離ワッシャ214の離間された壁部322のうちの1つを固定して取り付け、環状ブレード126を、環状脱離ワッシャ214にロックし、保護部材314(図31を参照)は依然として、アンビル基部表面220のキャビティ222内に配置された環状脱離ワッシャ214の上部318(図31を参照)に取り付けられたままである。
【0071】
図33は、ステープルドライバ156及び取り付けられた環状ブレード126が、環状脱離ワッシャ214を切断しながら発射した後に、ケーシング110から離れて開放位置に移動して戻ったアンビルアセンブリ112のアンビル基部表面220を示す。環状脱離ワッシャ214は、環状脱離ワッシャ取り付け部材308により、環状ブレード126の上で定位置にロックされたままであり、保護部材314は、環状ブレード126の刃先192にわたって保護バリヤーとして作用しながら、環状脱離ワッシャ214の頂部318に依然として取り付けられたままである。保護部材314は、環状ブレード126が発射された後に、環状ブレード126の刃先192が偶発的に切断するのを防ぐ。環状脱離ワッシャ214又は保護部材314のうちの少なくとも1つは、予防装置として、ステープルドライバ156及び取り付けられた環状ブレード126が発射されているということを示す視覚的表示器326を備える。この視覚的表示器326は円形ステープリング機器100のケーシング110の第2の色とは異なる、第1の色を含む。他の実施形態において、視覚的表示器326は、ステープルドライバ156及び取り付けられた環状ブレード126が発射されたときを視覚的に示す任意のタイプの視覚的表示器を備えてもよい。他の実施形態では、切断された環状脱離ワッシャ214の内側部分及び視覚的表示器326のみが、環状ブレード126に取り付けられたままである。切断された環状脱離ワッシャ214の外側部分は、機器を開放した後に、アンビル基部表面220に取り付けられたままである。
【0072】
図34は、ステープルドライバ156及び取り付けられた環状ブレード126が、環状脱離ワッシャ214を切断しながら発射したした後で、円形ステープリング機器100から取り外されている図33のアンビルアセンブリ112のアンビル210を示し、環状脱離ワッシャ214及び保護部材314は、ワッシャ取り付け部材308により、環状ブレード126の後ろに取り付けられたままである。保護部材314は、ステープルドライバ156及び取り付けられた環状ブレード126が発射された後に、環状ブレード126の刃先192が、偶発的に切断するのを防ぎ続ける。更に、視覚的表示器326は、ステープルドライバ156及び取り付けられた環状ブレード126が発射されたということを示し続ける。
【0073】
図35は、図34の円形ステープリング機器100に取り付けられようと試みた新しいアンビル210Cを示す。図36に示されるように、保護部材314は、発射された環状ブレード126に取り付けられる環状脱離ワッシャ214に取り付けられ、新しいアンビル210Cが円形ステープリング機器100に取り付けられるのを妨げる。図35に示されるように、これは保護部材314の直径328が、新しい環状脱離ワッシャ332の内径330よりも大きいためである。保護部材314が環状脱離ワッシャ214に取り付けられていない場合でさえも、環状脱離ワッシャ214が依然として、新しい環状脱離ワッシャ332の内径330と同じ、又はそれより大きい直径334を有していることを受けて、環状脱離ワッシャ214はなおも、新しいアンビル210Cが円形ステープリング機器100に取り付けられるのを妨げる。
【0074】
図34の円形ステープリング機器100を再び使用するために、図1〜2に示されるステープリングリロードアセンブリ102は、円形ステープリング機器100から取り外されてもよく、これによって発射した環状ブレード126及び取り付けられた脱離ワッシャ214を取り外す。円形ステープリング機器100の取り外されていない部分(例えば、図1のハンドル116及び取り外されていない他の構成要素)を殺菌した後に、他の未使用の環状ブレード及び他の未使用の脱離ワッシャを含む、他の未使用のステープリングリロードアセンブリは、円形ステープリング機器100を再び使用する前に、円形ステープリング機器100の殺菌済の取り外されていない部分に取り付けることができる。図37は、ブレードを、円形ステープリング機器の脱離ワッシャにロックする方法340の一実施形態のフローチャートを示す。ステップ342において、円形ステープリング機器が提供される。提供された円形ステープリング機器は、ケーシングと、ステープルドライバと、アンビルアセンブリと、ブレードと、を含む。ステープルドライバは、ケーシング内で移動可能に配置される。アンビルアセンブリは、アンビル基部表面に取り付けられた脱離ワッシャを備える。ブレードはステープルドライバに取り付けられる。
【0075】
ステップ344では、アンビルアセンブリは、ケーシングから離れた開放位置から、ケーシングに隣接する閉鎖位置まで移動される。ステップ346では、ブレードがまだ脱離ワッシャを切断しておらず、かつブレードの脱離ワッシャ取り付け部材が脱離ワッシャに取り付けられていない発射前の位置から、ブレードが脱離ワッシャを切断し、ブレードの脱離ワッシャ取り付け部材を、脱離ワッシャに固定して取り付ける発射した位置まで、ステープルドライバは移動される。脱離ワッシャ取り付け部材は、ブレードの刃先に非平行な角度においてブレードから延びる少なくとも2つの脱離ワッシャ保持返し部を含み得る。非平行な角度は、56〜60度の範囲であってもよい。他の実施形態において、非平行な角度は30〜60度の範囲であってもよい。更に他の実施形態では、脱離ワッシャ取り付け部材は様々であってもよい。一実施形態において、ステップ346は、脱離ワッシャのウェブを切断するブレードと、脱離ワッシャの離間された壁部のうちの1つに固定して取り付ける少なくとも1つの脱離ワッシャ保持返し部と、を備える。
【0076】
任意のステップ348において、以下の1つ以上が生じる場合がある:ブレードがケーシングに後退して再び使用されるのを防ぐために、脱離ワッシャは円形ステープリング機器の1つ以上の構成要素に干渉する;脱離ワッシャ、又は脱離ワッシャに取り付けられた保護部材は、ブレードの上で保護バリヤーとして機能し得る;又は脱離ワッシャ若しくは脱離ワッシャに取り付けられる他の部材の視覚的表示器は、ステープルドライバが発射されたということを視覚的に示し得る。
【0077】
任意のステップ350において、以下のステップが生じ得る:ステープリングリロードアセンブリは、円形ステープリング機器から取り外されてもよく、これによって使用されたブレード及び脱離ワッシャを取り外す:円形ステープリング機器の取り外されていない部分は殺菌されてもよい;並びに、使用されていないステープリングリロードアセンブリは、円形ステープリング機器を再び使用する前に、未使用のブレード及び未使用の脱離ワッシャを含む円形ステープリング機器に取り付けられてもよい。一実施形態において、方法340の1つ以上のステップは変化してもよい。
【0078】
本開示の1つ以上の実施形態は、以下のいずれかとなり得る:発射された円形ステープリング機器の使用されたブレードが、他の処置において再び偶発的に使用されるのを防ぎ、これによって清浄性と安全性を改善する;発射された円形ステープリング機器の使用されたブレードが、偶発的に切断されるのを防ぐ;又は他のタイプの利益。
【0079】
図38〜46は、発射トリガー122及び対応するステープルドライバ156の誤発射を防ぐために、本開示のいずれかの実施形態を用いて使用され得る、様々な状態におけるロック機構352を示している図1及び2の実施形態1及び2の円形ステープリング機器100の様々な図を示す。図38〜40は、発射トリガー122及び間接的に影響されるステープルドライバ156が、発射前の位置にロックされた状態であり、ケーシング110から離れて発射ゾーンの外で、開放位置に配置されたアンビルアセンブリ112の様々な図を示す。取り付けられた往復アンビル調節ロッド114及びアンビル制御部材120を使用して、アンビルアセンブリ112が、発射ゾーンから外で、ケーシング110から離れて、開放位置に配置されたとき、アンビル基部表面220は、ステープルガイド148の端部から離れて0.25〜7.6cm(0.100〜3.0インチ)の範囲で距離354において配置される。この発射前の位置では、往復アンビル調節ロッド114のネジ付き端部286は、アンビル制御部材120の嵌合しているネジ付きシャフト360の内側部分358において、かつその内側に配置され、アンビル制御部材120の嵌合するネジ付きシャフト360の端部362から離れて配置される。
【0080】
発射トリガー122の出っ張り364は、往復アンビル調節ロッド114の第1部分366に対して当接し、これはロック機構352として機能し、方向124において発射トリガー122が回転するのを防ぐ。往復アンビル調節ロッド114の第2部分370は、出っ張り部364から離れて配置される。出っ張り364は、対抗する壁部372及び374を備え、これは0.48cm(0.190インチ)の距離376だけ離間して配置される。往復アンビル調節ロッド114の第1部分366の幅378は0.74cm(0.290インチ)である。往復アンビル調節ロッド114の第2部分370の幅380(図43を参照)は0.43cm(0.170インチ)である。発射トリガー122は、第1部分366の幅378が、出っ張り部364の対向する壁部372と374との間の距離376よりも大きいため、方向124において回転するのを防止される。
【0081】
発射バー122の上端部294は、発射バー282の係合溝部288及び290(図3を参照)で嵌合される。発射トリガー122の上端部294は、対向する表面294A及び294Bを備え、これらは1.46cm(0.574インチ)の距離382だけ離して配置される。対向する表面294Aと294Bとの間の距離382が、第1部分366の幅378よりも大きく、対向する表面294A及び294Bが、係合溝部288及び290内へと第1部分366を通過するのを可能にする。発射バー282の端部384は、ステープルドライバ156の端部386から離れて配置される。往復アンビル調節ロッド114の第1部分366が、方向124において発射トリガー122が回転するのを阻止する結果として、発射バー282の端部384(これは発射バー122と嵌合している)は、発射前のロックされた状態において、ステープルドライバ156を保持しながら、ステープルドライバ156の端部386から離れて配置される位置に留まる。
【0082】
図41〜43は、発射トリガー122を備えるケーシング110に隣接して、発射ゾーンにおいて、閉鎖位置に配置されたアンビルアセンブリ112と、発射する準備がされているが、図38〜40において示されるように、依然としてそれらの同じ発射前の位置にある、ロックされていない状態における間接的に影響されるステープルドライバ156の様々な図を示す。取り付けられた往復アンビル調節ロッド114及びアンビル制御部材120を使用して、アンビルアセンブリ112が、ケーシング110に隣接する発射ゾーンにおける閉鎖位置に配置されたとき、アンビル基部表面220は、ステープルガイド148の端部から離れて0.15〜0.25cm(0.06〜0.100インチ)の範囲で距離388において配置される。アンビル制御部材120は、往復アンビル調節ロッド114のネジ付き端部286を、アンビル制御部材120の嵌合するネジ付きシャフト360の内側部分358から離れて方向390において、アンビル制御部材120の嵌合するネジ付きシャフト360の端部362の方へ、この端部まで移動させる。この移動の結果として、往復アンビル調節ロッド114の第1部分366は、出っ張り部364の対向する壁部372及び374から離れて配置されるように、方向390において移動され、これによって第1部分366は、もはや出っ張り部364と干渉しない。往復アンビル調節ロッド114の第2部分370はまた、出っ張り部364から離れた位置から、出っ張り部364上に配置された位置までの距離390において移動されている。
【0083】
第2部分370が、出っ張り部364の対向する壁部372と374との間の距離376未満である第2部分370の幅380により、発射トリガー122は、隣接する第2部分370に対して当接することなく自由に発射され得る。発射トリガー122の上端部294の対向する面294A及び294Bは、発射バー282の係合溝部288及び290(図3を参照)において依然として嵌合している。発射トリガー122は方向124において回転されていないため、かつ固定されていないが、依然として発射前の位置にあるため、発射トリガー122は、嵌合する発射バー282を動かさず、発射バー282の端部384は依然としてステープルドライバ156の端部386から離間して配置され、ステープルドライバ156をその発射前の位置に残すが、発射に備える。
【0084】
図44〜46は、発射範囲において、ケーシング110に隣接して、閉鎖位置に配置されたアンビルアセンブリ112の様々な図を示し、発射トリガー122が方向124に回転されており、発射トリガー122を発射し、かつ間接的にステープルドライバ156に影響を与えている。往復アンビル調節ロッド114の第1部分366が、出っ張り部364から離間して配置される方向390に予め移動されて、これにより第1部分366は出っ張り部364と、もはや干渉せず、並びに、往復アンビル調節ロッド114の第2部分370の幅380は、出っ張り部364の対向する壁部372と374との間の距離376未満であり、これは第2部分370からの干渉もなく、発射トリガー122が発射されることを可能にする。
【0085】
発射トリガー122の発射中に、発射トリガー122が方向124において回転されるとき、発射トリガー122の上端部294の対向する表面294A及び294Bは、方向392に移動して、発射バー282の対応する嵌合した係合溝部288及び290(図3を参照)に対して当接し、発射バー282もまた方向392において強制的に移動させる。この移動は発射バー282の端部384をステープルドライバ156の端部386に対して押し進め、ステープルドライバ156も発射し、方向392において移動するのを強制する。ステープルドライバ156のこの発射中に、ステープルドライバ156の移動は、環状ステープルホルダ148(図4〜5、7、及び31)から外へステープル104(図7及び31を参照)を放出し、上記のとおり、ステープルドライバ156に取り付けられた環状ブレード126(図31を参照)を用いて組織を切断する。
【0086】
かかる方式において、ロック機構352は自動的に、円形ステープリング機器100のユーザーが手動でロック機構を実行することなく、発射トリガー122、及び対応するステープルドライバ156、並びにステープルドライバ156及びステープル(staples staples)104(図7及び31を参照)の誤発射を防ぐ。更に、アンビルアセンブリ112が開いた位置にあるときはいつでも、ロック機構352は自動的に、発射前の位置にある発射トリガー122、並びに対応するステープルドライバ156及びステープル104(図7及び31を参照)を発射前の位置に自動的にロックし、アンビルアセンブリ112が閉鎖位置にあるときはいつも、発射トリガー122、並びに対応するステープルドライバ156及びステープル104(図7及び31を参照)を自動的に解除する。ロック機構352は、アンビルアセンブリ112が開かれ、閉じられた数に関係なく、かつ、発射トリガー122、並びに対応するステープルドライバ156及びステープル104(図7及び31を参照)が発射されたかどうかに関係なく、この方式で機能する。
【0087】
図47Aは、ステープリングリロードアセンブリ108(図2を参照)がハンドル116に組み立てられて(図2を参照)、アンビル210が開放位置にあるときに、ステープルドライバ156の移動を防ぐ、他のロック機構352Aを有する図1の円形ステープリング機器の他の実施形態を示す。アンビル210が開放位置にあるこの状態では、可撓性戻り止め部材178に隣接する往復アンビル調節ロッド114の部分114Eは、ステープルドライバ156の環状の内部シャフト194の孔196の幅又は直径196Aの寸法より近いが十分近い寸法、幅、又は直径401(図3Bを参照)を有し、可撓性戻り止め部材178が、アンビル調節ロッド114の部分114Eと内側孔表面196Bとの間で、戻り止めバンプ180から屈折して、外れるほどの距離400を有するのを防ぎ、これによって、ひいてはステープルドライバ156の移動及び発射を防ぐ。図47Bに示されるように、アンビル210が閉鎖位置にあるとき、可撓性戻り止め部材178に隣接する往復アンビル調節ロッド114の、より狭い部分114Fは、寸法、幅、又は直径402(図3Aを参照)を有し、これはステープルドライバ156の環状の内部シャフト194の孔196の幅又は直径196Aよりも十分小さい寸法である、寸法、幅、又は直径402(図3Aを参照)を有し、可撓性戻り止め部材178が、アンビル調節ロッド114と内側孔表面196Bとの間で戻り止めバンプ180から屈折して、外れるのを可能にするために十分な距離400を有し、これによってステープルドライバ156の移動及び発射を可能にする。
【0088】
本開示の要約は、読者が早く技術的開示の本質を確認するのを可能にするために提供されている。それは、請求項の範囲若しくは意味を解釈するため又は限定するために使用されないという理解と共に提出されている。更に、前述の詳細な記載において、本開示の合理化の目的に対して、様々な機能は様々な実施形態において一緒に分類されていることが分かるであろう。この開示の方法は、請求する実施形態が、各請求項で明白に列挙されている特徴要素よりも多くの特徴要素を必要とするという趣旨を反映するものとして解釈されるものではない。むしろ、下記の請求項が反映するように、本発明の主題は、一つの開示された実施形態の全ての特徴を超えて存在する。したがって、以下の「特許請求の範囲」は、詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別個の請求されている内容として独立している。本開示の様々な実施形態が記載されてきたが、当業者にとって、他の実施形態及び実行が本開示の範囲内で可能であるということは明かである。したがって、本開示は、添付の「特許請求の範囲」及びそれらと同等のものの考慮を除き、制限されるべきではない。
【0089】
〔実施の態様〕
(1) 円形ステープリング機器のためのアンビルアセンブリであって、
アンビル基部表面、及び前記アンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを備える、一体型のポリマーのアンビルと、
前記アンビル基部表面に取り付けられるステープル形成面と、を備える、アンビルアセンブリ。
(2) 前記アンビルシャフトは少なくとも1つのアライメント面を含む、実施態様1に記載のアンビルアセンブリ。
(3) 前記アンビルは、前記アンビルシャフト及び前記アンビル基部表面の両方を通じて延びる孔を含む、実施態様1に記載のアンビルアセンブリ。
(4) 金属シャフトは前記孔を通じて延びる、実施態様3に記載のアンビルアセンブリ。
(5) 前記金属シャフトの第1端部が、前記アンビル基部表面における前記孔から外へ延び、かつ前記アンビル基部表面の頂部に当接し、前記金属シャフトの第2端部は、前記アンビルシャフトにおける前記孔から外へ延びる、実施態様4に記載のアンビルアセンブリ。
(6) 前記金属シャフトが前記一体型のポリマーのアンビルに取り付けられる、実施態様5に記載のアンビルアセンブリ。
(7) 前記アンビル基部表面に取り付けられた脱離ワッシャを更に備える、実施態様1に記載のアンビルアセンブリ。
(8) 前記アンビルシャフトは、前記アンビル基部表面を通じて延びない前記アンビルシャフト内に延びる孔を含む、実施態様1に記載のアンビルアセンブリ。
(9) 前記アンビルシャフトの前記孔内に延びる金属シャフトを更に含む、実施態様8に記載のアンビルアセンブリ。
(10) 前記金属シャフトは前記一体型のポリマーのアンビルに取り付けられる、実施態様9に記載のアンビルアセンブリ。
【0090】
(11) 円形ステープリング機器であって、
ハンドルと、
アンビル制御部材と、
前記アンビル制御部材に結合される往復駆動シャフトと、
前記往復駆動シャフトに結合されるアンビルアセンブリであって、前記アンビルアセンブリは、アンビル基部表面、及び前記アンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを含む、一体型のポリマーのアンビルと、前記アンビル基部表面に取り付けられるステープル形成面と、を含む、アンビルアセンブリと、を備える、円形ステープリング機器。
(12) 前記アンビルシャフトは、少なくとも1つのアライメント面を含む、実施態様11に記載の円形ステープリング機器。
(13) 前記アンビルシャフトは、前記アンビルシャフト及び前記アンビル基部表面の両方を通じて延びる孔を含み、金属シャフトの第1端部は、前記アンビル基部表面における前記孔から外へ延び、かつ前記アンビル基部表面の頂部と当接し、前記金属シャフトの第2端部は、前記アンビルシャフトにおける前記孔から外へ延び、前記金属シャフトは、前記アンビルシャフト及び前記往復駆動シャフトの両方に取り付けられる、実施態様11に記載の円形ステープリング機器。
(14) 前記アンビルシャフトは、前記アンビル基部表面を通じて延びない前記アンビルシャフト内に延びる孔を含み、金属シャフトは前記アンビルシャフトの前記孔内に延び、前記金属シャフトは、前記アンビルシャフト及び前記往復駆動シャフトの両方に取り付けられる、実施態様11に記載の円形ステープリング機器。
(15) 前記ハンドルに結合されるシャフトアセンブリ、及び前記シャフトアセンブリに結合されるケーシングを更に含み、前記アンビル制御部材は、前記ケーシングから離れた開放位置から、前記ケーシングに隣接する閉鎖位置まで、前記アンビル基部表面を移動するように適合される、実施態様11に記載の円形ステープリング機器。
(16) アンビルアセンブリを製造する方法であって、
成形型内にステープル形成面を配置することと、
前記成形型内でアンビルを前記ステープル形成面に成形することによって前記アンビルアセンブリを形成することであって、成形された前記アンビルが、アンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを有するように成形される、ことと、を含む、方法。
(17) 前記形成されたアンビルアセンブリの前記アンビルシャフトに、別のシャフトを取り付けることを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 脱離ワッシャを、前記形成されたアンビルアセンブリの前記アンビル基部表面に取り付けることを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 前記配置することが、予め製造されたシャフトを前記成形型内に配置することを更に含み、かつ前記形成することは、前記成形型内の前記予め製造されたシャフトに前記アンビルシャフトを成形して、前記アンビルアセンブリを形成することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(20) 前記形成することは、前記成形型内に前記アンビルシャフトを成形して、少なくとも1つのアンビルアライメント面を有することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
【技術分野】
【0001】
本開示は概して円形ステープラーのためのアンビルアセンブリに関連する。
【背景技術】
【0002】
円形ステープリング機器は腸の手術の外科分野において周知である。かかる装置の例は、Ethicon Endo Surgery Inc.製造のEndopath ILS ECS 25 Endoscopic Curved Intraluminal Staplerである。多くの円形ステープラーの特許、例えば米国特許第4,207,898号(Becht)、同第4,351,466号(Noiles)、同第5,292,053号(Bilottiら)、及び同第5,344,059号(Greenら)が存在する。
【0003】
円形ステープリング機器は典型的に、金属の単一片を機械加工することによって作製されるアンビルアセンブリを使用する。これらのアンビルアセンブリは、関連する機械加工の量により、製造するのは費用がかかる。他の円形ステープリング機器は、金属基部を使用し、これは、事実上、主に表面的である成形された形状と共に、構造的な支持を提供する。依然として、他の円形ステープリング機器は、デザインが複雑であり、したがって製造するのに費用がかかる混合設計を使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
円形ステープリング機器のためのアンビルアセンブリ、及びその製造方法は、現在のアンビルアセンブリに関連する大きなコストを減少させる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項によって定義され、この項におけるいずれも、これらの請求項の制限としてとられるべきではない。
【0006】
一態様では、円形ステープリング機器のためのアンビルアセンブリが提供される。アンビルアセンブリは、一体型のポリマーのアンビル及びステープル形成面を含む。一体型のポリマーのアンビルはアンビル基部表面、及びこのアンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを備える。ステープル形成面はアンビル基部表面に取り付けられる。
【0007】
他の態様において、円形ステープリング機器が提供される。円形ステープリング機器は、ハンドルと、アンビル制御部材と、往復駆動シャフトと、アンビルアセンブリと、を含む。往復駆動シャフトは、アンビル制御部材に結合される。アンビルアセンブリは、往復駆動シャフトに結合される。アンビルアセンブリは、アンビル基部表面、及びアンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを含む、一体型のポリマーのアンビルと、アンビル基部表面に取り付けられるステープル形成表面と、を含む。
【0008】
更なる態様では、アンビルアセンブリの製造方法が提供される。1つのステップでは、ステープル形成面は成形型内に配置される。他のステップでは、アンビルアセンブリは、アンビルを成形型内でステープル形成面に成形することによって形成される。成形されたアンビルは、アンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを有するように成形される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示は、以下の図面及び記載を参照することにより、より十分に理解することができる。図における構成要素は必ずしも縮尺通りではなく、本開示の原理を示す際に代わりに強調されている。
【図1】1つの好ましい実施形態による開放アセンブリ構造を有する再利用可能な円形ステープリング機器の斜視図を示す。
【図2】アンビルアセンブリが再利用可能な円形ステープリング機器の残りから分離された状態の、開放位置にある機器を備える図1の再利用可能な円形ステープリング機器の斜視図を示す。
【図3】図1の利用可能な円形ステープリング機器のハンドル及びシャフトアセンブリの分解斜視図を示す。
【図3A】図3の再利用可能な円形ステープリング機器の往復アンビル調節ロッドの一部分の線3A−3Aを通じた断面図を示す。
【図3B】図3の再利用可能な円形ステープリング機器の往復アンビル調節ロッドの一部分の線3B−3Bを通じた断面図を示す。
【図4】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のステープリングリロードアセンブリの分解斜視図を示す。
【図5】組み立てられていない構成における図1の再利用可能な円形ステープリング機器のステープリングリロードアセンブリの部分的な断面図を示す。
【図6】開放位置にあるアンビルアセンブリと発射前の位置にある環状ブレードを備える組み立てられた構成にある、図1の再利用可能な円形ステープリング機器のステープリングリロードアセンブリの断面図。
【図7】アンビルアセンブリが閉鎖位置に移動し、かつ環状ブレードが依然として発射前の位置にある図6の図を示す。
【図8】図1の利用可能な円形ステープリング機器のアンビルアセンブリの分解斜視図を示す。
【図9】円形ステープリング機器のステープリングリロードアセンブリを位置合わせする方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【図10】アンビルアセンブリの別の実施形態の分解斜視図を示す。
【図11】アンビルアセンブリを、再利用可能な円形ステープリング機器の残りから分離された図10のアンビルアセンブリと差し替えている、図1の再利用可能な円形ステープリング機器の斜視図を示す。
【図12】アンビルアセンブリの更なる実施形態の分解斜視図を示す。
【図13】アンビルアセンブリを、再利用可能な円形ステープリング機器の残りから分離された図12のアンビルアセンブリと差し替えている、図1の再利用可能な円形ステープリング機器の斜視図を示す。
【図14】アンビルアセンブリを製造する方法の一実施形態を示すフローチャートを示す。
【図15A】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のアンビル閉鎖ノブ、及びロッドに隣接する往復アンビル調節ロッドの組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図15B】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のアンビル閉鎖ノブ、及びロッドに隣接する往復アンビル調節ロッドの組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図16A】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のハンドルと共に、図15A及び15Bの往復アンビル調節ロッドと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図16B】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のハンドルと共に、図15A及び15Bの往復アンビル調節ロッドと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図17A】図1の再利用可能な円形ステープリング機器の発射バーと共に、図16A及び16Bの、往復アンビル調節ロッド及びハンドルと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図17B】図1の再利用可能な円形ステープリング機器の発射バーと共に、図16A及び16Bの、往復アンビル調節ロッド及びハンドルと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図17C】図1の再利用可能な円形ステープリング機器の発射バーと共に、図16A及び16Bの、往復アンビル調節ロッド及びハンドルと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図18A】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のキャリアカバーと共に、図17A、17B、及び17Cの、往復アンビル調節ロッド、ハンドル、及び発射バーと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図18B】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のキャリアカバーと共に、図17A、17B、及び17Cの、往復アンビル調節ロッド、ハンドル、及び発射バーと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図19A】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のシャフトアセンブリと共に、図18A及び18Bの、往復アンビル調節ロッド、ハンドル、発射バー、及びキャリアカバーと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図19B】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のシャフトアセンブリと共に、図18A及び18Bの、往復アンビル調節ロッド、ハンドル、発射バー、及びキャリアカバーと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図19C】図1の再利用可能な円形ステープリング機器のシャフトアセンブリと共に、図18A及び18Bの、往復アンビル調節ロッド、ハンドル、発射バー、及びキャリアカバーと接続されたアンビル閉鎖ノブの、組み立ての異なる段階中の組み立て斜視図を示す。
【図20】他の好ましい実施形態による、開いたアセンブリ構造を有する、湾曲した再利用可能な円形ステープリング機器の斜視図を示す。
【図21】図20の湾曲した再利用可能な円形ステープリング機器の分解斜視図を示す。
【図22】摩擦低減部材を有する、湾曲した円形ステープリング機器の断面図を示し、機器は開放状態にある。
【図23】摩擦低減部材を有する、湾曲した円形ステープリング機器の断面図を示し、機器はステープル発射前の閉鎖位置にある。
【図24】摩擦低減部材を有する、湾曲した円形ステープリング機器の断面図を示し、機器はステープルを発射時の完全に発射した状態にある。
【図25】摩擦低減部材を有する、湾曲した円形ステープリング機器の発射バーの斜視図を示す。
【図26】摩擦低減部材を有する、湾曲した円形ステープリング機器の発射バーの分解斜視図を示す。
【図27】摩擦低減部材を有する、円形ステープリング機器の発射バーの断面図を示す。
【図28】往復アンビル調節ロッドに隣接する摩擦低減部材の別の実施形態を有する、円形ステープリング機器の発射バー拡大側面図を示す。
【図29】図4の円形ステープリング機器のステープリングリロードアセンブリの環状ブレード断面図を示す。
【図30】保護部材に取り付けられる環状脱離(breakaway)ワッシャの斜視図を示す。
【図31】アンビルアセンブリが閉鎖位置にある一方で、環状ブレードが、環状脱離ワッシャを切断している発射位置に移動した、図7の図を示す。
【図32】環状ブレードが環状脱離ワッシャを切断しているのを示している、図31の環状ブレードの点線の円内の拡大図を示す。
【図33】環状ブレードが発射された後、アンビルアセンブリが開放位置に移動されて戻っている図31の図を示す。
【図33A】再利用可能な円形ステープリング機器のハンドルに接続されるアンビル制御部材の一実施形態の拡大図を示す。
【図34】アンビルアセンブリが、円形ステープリング機器から取り外され、環状脱離ワッシャ及び保護部材が環状ブレードに取り付けられている図33の図を示す。
【図35】新しいアンビルが、ステープリングリロードアセンブリに取り付けられるように試みられ、保護部材及び環状脱離ワッシャがその取り付けに干渉している図34の図を示す。
【図36】ステープリングリロードアセンブリに対する新しいアンビルの取り付けに、保護部材及び環状脱離ワッシャが干渉しているのを示している、図35の点線の円内の拡大図を示す。
【図37】ブレードを円形ステープリング機器の脱離ワッシャにロックする方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【図38】アンビルアセンブリが開放位置において、発射ゾーンから外へ、ロックされた発射前状態における発射トリガーを備えるケーシングから離れて配置された、図1の再利用可能な円形ステープリング機器の断面図を示す。
【図38B】図17Cの組み立てられた状態の発射トリガーと発射バーとの間の関係を示している、拡大図を示す。
【図39】図38の断面図の部分斜視図を示す。
【図40】図38の線40−40の断面図を示す。
【図41】アンビルアセンブリが閉鎖位置において、発射ゾーンにおいて、ロックされていない、発射前の発射準備されている発射トリガーを備えるケーシングに隣接して配置された、図1の再利用可能な円形ステープリング機器の断面図を示す。
【図42】図41の部分斜視断面図を示す。
【図43】図41の線43−43の断面図を示す。
【図44】アンビルアセンブリが閉鎖位置において、発射範囲において、発射されている発射トリガーを備えるケーシングに隣接して配置された、図1の再利用可能な円形ステープリング機器の断面図を示す。
【図45】図44の断面図の部分斜視図を示す。
【図46】図44の線46−46の断面図を示す。
【図47A】アンビルがそれぞれ開放状態及び閉鎖状態にある、ハンドルに取り付けられた状態のステープリングリロードアセンブリの断面図を示す。
【図47B】アンビルがそれぞれ開放状態及び閉鎖状態にある、ハンドルに取り付けられた状態のステープリングリロードアセンブリの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照して、本開示に従うヒトの患者から組織を除去するための、新しい外科用円形ステープリング機器100が示されている。外科用円形ステープリング機器100は、内痔核を含む組織、又は他のタイプのヒトの組織を除去するために使用され得る。円形ステープリング機器100は、その内容は参照することにより、その全容において本明細書に組み込まれる米国特許第6,102,271号に示されているように、従来の円形ステープリング機器から適用されている。円形ステープリング機器100は、ステープル104(図7及び31を参照)の環状アレイを、内痔核の基部において粘膜内に配置し、直腸又は肛門の内壁から内痔核に沿って粘膜組織を切断するために適合されたステープリングリロードアセンブリ102を有する。広くは、円形ステープリング機器100は、糞便物質の経路のために環状に形成されたステープルリングの中心からプラグを切断しながら、腸の2つの区分を、ステープル104(図7及び31を参照)の環状リングを用いて一緒に吻合するために使用され得る。
【0011】
図1〜2を参照して、円形ステープリング機器100は、人間工学的シャフトアセンブリ106と、ケーシング110を有するステープリングカートリッジアセンブリ108と、往復アンビル調節ロッド114に取り外し可能に接続されたアンビルアセンブリ112と、を含む。円形ステープリング機器のステープリングリロードアセンブリ102は、ステープリングカートリッジアセンブリ108及びアンビルアセンブリ112を含む。図1〜3に示されるように、円形ステープリング機器100は、キャビティ118を形成するハンドル116を更に含む。アンビル制御部材120は、ハンドル116の近位端上に配置され、アンビルアセンブリ112と操作可能に結合され、これによってアンビル制御部材120の回転は、アンビル制御部材120の回転の方向により、アンビルアセンブリ112を近位又は遠位に移動させる。アンビル制御部材120は、アンビル閉鎖ノブ又は他のタイプのアンビル制御部材を含んでもよい。円形ステープリング機器100は、発射トリガー122を含み、これは方向124において、示されている開放位置から、ステープル104(図7及び31を参照)が組織内(図31を参照)に注入され、余分な組織がステープリングリロードアセンブリ102の環状ブレード126(図31を参照)を用いて切断される閉鎖位置まで回転可能である。安全ラッチ128は、発射トリガー122上に配置され、上方で係合位置にあるのが示されており、これは発射トリガー122の操作を防ぐ。安全ラッチ128が外され、方向128aにおいて内側かつ下方に移動されたとき、発射トリガー122は、開放位置から閉鎖位置まで、方向124において自由に回転できる。シャフトアセンブリ106は、ハンドル116から遠位に延び、ハンドル116のネジ付き部分132(図3を参照)に接続する接続ナット130を使用しながら、近位端においてハンドル116と取り外し可能に結合する。ケーシング110の対向する取り付け部材134(図4を参照)は、シャフトアセンブリ106の遠位端において受容部材136(図3を参照)に取り外し可能に結合する。取り付け部材134は、屈折可能なスナップ部材を備え、受容部材136は開口部を備える。他の実施形態では、取り付け部材134及び受容部材136は、任意のタイプの嵌合部材を備えてもよい。
【0012】
図2に示されるように、ケーシング110は、張り出したドライバ部分140及び外側の管状ドライバ部分142を有する外面138を有する。経路144は、張り出したドライバ部分140から外側の管状ドライバ部分142まで延びるケーシングの表面開口部を含む。環状ステープルホルダ148(図4〜5、7及び31を参照)は、ケーシング110の受容部材152(図4、7、及び31を参照)に、取り外し可能に接続されるステープルホルダ148の取り付け部材150(図4、7、及び31を参照)を用いてケーシング110の遠位端内に取り付けられる。取り付け部材150は、スナップ突起部を備え、受容部材152は屈折可能なスナップを備える。他の実施形態において、取り付け部材150及び受容部材152はそれぞれ任意のタイプの接続可能な部材を含んでもよい。環状ステープルホルダ148は、ステープル104(図31を参照)を保持する及び放射するためのステープルスロット154(図4、7、及び31)の環状アレイを含む。
【0013】
図4〜7に示されるように、ステープルドライバ156は、環状ステープルホルダ148のキー溝160(図4を参照)に取り外し可能な接続である配置を提供しながら、ステープルドライバ156のキー158(図4を参照)を用いて環状ステープルホルダ148に摺動可能に接続する。ステープルドライバ156は、ケーシング110の環状の内側ケーシング表面168のアライメントスプライン166とに移動可能に接続されたステープルドライバ156の環状の外側ドライバ表面164のアライメントスロット162と共にケーシング110内に移動可能に実装し、ケーシング110内のステープルドライバ156の長手方向の移動を可能にし、その一方で、ケーシング110内のステープルドライバ156の回転を防ぐ。ステープルドライバ156の外側ドライバ表面164は、張り出したドライバ部分170及び外側の管状ドライバ部分171を有する。アライメントスロット162及びアライメントスプライン166は、ステープルドライバ156及びケーシング110の長手方向軸172及び174に平行に配置される。他の実施形態において、ケーシング110及びステープルドライバ156は、長手方向の移動を可能にするアライメント部材の任意の数、タイプ、又は構成を使用しながら、互いに対して位置合わせされてもよい。
【0014】
ステープルドライバ156は、ステープルホルダ148内のステープルスロット154内に受容される複数のフィンガー176を有する。フィンガー176は、発射トリガー122(図3を参照)の作動によって、ステープルドライバ156が発射前の位置(図7を参照)から発射した位置(図31を参照)まで移動されるとき、ステープルホルダ148のステープルスロット154から複数のステープル104(図31を参照)を係合及び駆動するためのものである。図4及び7に示されるように、ステープルドライバ156の可撓性戻り止め部材178は、ケーシング110の戻り止めバンプ180に取り外し可能に接続される。この配置は、発射バー282(図44〜46を参照)によって、所定量の力がステープルドライバ156上にかけられたときにだけ、ステープルドライバ156の長手方向の移動を可能にする。要求された力がかけられたとき、ステープルドライバ156上の屈折可能な戻り止め部材178が内側に曲がり、これによってケーシング110上の戻り止めバンプ180から、外れ、ステープルドライバ156が長手方向及び遠位に移動するのを可能にする。他の実施形態では、可撓性戻り止め部材178及び戻り止めバンプ180は、他のタイプの嵌合部材を備えてもよい。
【0015】
環状ブレード126はステープルドライバ156の遠位端内に取り付けられ、環状ブレード126の基部186内で、類似の番号の取り付け孔184を通じて突出する複数のブレード取り付けピン182(図5及び31を参照)によって取り付けられる。環状ブレード126は、基部186内でブレード開口部188(図5及び31を参照)を有する。環状ブレード126の開放遠位端190(図4、29、及び31を参照)は刃先192を有する。ステープルドライバ156が、発射トリガー122(図3を参照)を使用しながら、図7の発射前の位置から図31の発射した位置まで移動されるとき、環状ブレード126はステープルドライバ156と共に移動する。発射トリガー122が発射されたとき、発射トリガー122は、図38〜43のその位置から、図44〜46のその位置まで、方向124において回転し、ケーシング110内の嵌合した発射バー282を方向392において、ステープルドライバ(striver)156に対して当接させ、かつステープルドライバ156を方向392において、ケーシング110内で移動もさせる。この移動は、ステープルドライバ156及びその取り付けられた環状ブレード126を、図7及び38〜43のその発射前の位置から、図31及び44〜46のその発射した位置まで発射する。ステープルドライバ156の発射中に、ステープルドライバ156のフィンガー176は、図7に示されるステープルホルダ148におけるそれらの発射前の位置から、図31に示されるステープルホルダ148の外のそれらの発射した位置へ、ステープル104を発射する。
【0016】
往復アンビル調節ロッド114(図4及び6を参照)は、ステープリングカートリッジアセンブリ108内に配置され、ステープルドライバ156の環状の内部シャフト194(図4及び6を参照)を通じて、かつこの内部へ延びるように位置決めされる。図3A及び3Bに示されるように、往復アンビル調節ロッド114の断面は、形状及び寸法において様々であり、断面線3A−3Aに沿った一部分は円形であり、図3Aに示されるような直径401を有し、断面線3B−3Bに沿った他の部分は、図3Bに示されるように、直径401よりも小さい、距離402によって離間される平行な側壁を有する。図4に示されるように、環状の内部シャフト194は、ステープルドライバ156の長手方向軸172に平行なステープルドライバ156内に長手方向に延びる。孔196は、環状の内部シャフト194内で延びる。アンビルアライメント面198は、環状の内部シャフト194の環状の内面200に沿って、長手方向に延びる。アンビルアライメント面198は、少なくとも1つの長手方向スロットを備える。他の実施形態において、アンビルアライメント面198は、様々な構成にある任意の数又はタイプのアライメント面を備えてもよい。環状の内部シャフト194の外面204は、環状孔部208が環状の内部シャフト194の外面204と環状の内面206との間で延びている状態で、ステープルドライバ156の他の環状の内面206から離間される。
【0017】
図1、2、4〜7、及び特に図8を参照して、アンビルアセンブリ112は、アンビル210、ステープル形成面212、環状脱離ワッシャ214、及び金属シャフト216を備える。アンビル210は、アンビル基部表面220に一体化して成形されたアンビルシャフト218を備える一体型ポリマー成形部品である。アンビル210は、ガラスが充填された又は炭素が充填されたナイロンを含むポリマーから作製される。他の実施形態では、アンビル210は、組織の力下で過剰な屈折を防ぐために、103.4MPa(15,000psi)より大きい引張り強度を有する類似の構成要素材料から作製されてもよい。
【0018】
アンビル基部表面220は、ステープル形成面212及び金属シャフト216に成形される。他の実施形態において、アンビル基部表面220は、様々な取り付け機構を使用して、ステープル形成面212に取り付けられてもよい。ステープル形成面212は、ステンレス鋼、又はステンレス鋼を含む板金若しくはプレートから作製され、環状の形状であり、かつステープル形成ポケットを含む。他の実施形態では、ステープル形成面212は、アルミニウム、又はステープル形成力に耐え得る他の材料から作製されてもよい。
【0019】
環状脱離ワッシャ214は、アンビル基部表面220のキャビティ222内で、アンビル基部表面220に隣接して圧力嵌めされる。他の実施形態では、環状脱離ワッシャ214は、様々な取り付け機構を使用して、アンビル基部表面220のキャビティ222内に取り付けられてもよい。環状脱離ワッシャ214は、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)を含むプラスチックから作製される。他の実施形態では、環状脱離ワッシャ214は、ナイロン、ポリエチレン、又はポリプロピレンから作製され得る。
【0020】
アンビルシャフト218は金属シャフト216の端部226の外面224の周囲に成形され、アンビルシャフト218の成形孔228内に延びる金属シャフト216を備える。アンビルシャフト218の成形孔228は、アンビルシャフト218内で終端し、アンビル基部表面220の遠位端を通じて延びない。アンビルシャフト218の内面230は、金属シャフト216の端部226の外面224の取り付け部材234に成形される受容部材232を備える。受容部材232は成形された環状リブ(図38)を備え、取り付け部材234は、環状溝部(図8)を備える。他の実施形態において、受容部材232及び取り付け部材234は、溝部及びネジ、雌型及び雄型部材、又は他のタイプの取り付け機構を備えてもよい。更に他の実施形態では、アンビルシャフト218は、様々な取り付け機構を使用して金属シャフト216に取り付けられてもよい。近位端チャネル236は金属シャフト216を通じて延びる。金属シャフト216の端部238は、拡張スロット240を含む(図2を参照)。金属シャフト216はステンレス鋼から作製される。他の実施形態では、金属シャフト216は様々な材料から作製されてもよい。
【0021】
アンビルアセンブリ112の製造中に、金属シャフト216及びステープル形成面212は予め製造されている。予め製造された金属シャフト216及び予め製造されたステープル形成面212は次いで、射出成形に挿入される。アンビル210を予め製造された金属シャフト216及び予め製造されたステープル形成面212の両方に成型させながら、型は次いで、型内にアンビル210を形成するのに使用される。成型プロセス中に、アンビル基部表面220は形成し、予め製造されたステープル形成面212に成型され、一方で、アンビルシャフト218は形成し、予め製造された金属シャフト216の端部226の周辺で成型される。環状脱離ワッシャ214は次いで、成形されたアンビル基部表面220のキャビティ222内に圧力嵌めされる。他の実施形態では、製造プロセスは様々であってもよい。
【0022】
往復アンビル調節ロッド114の係合部材244は(図2及び6を参照)、スナップ嵌め結合を使用して、金属シャフト216の近位端チャネル236内に、取り外し可能に結合する。この構成は金属シャフト216、及び往復アンビル調節ロッド114のアンビル制御部材120に取り付けられたアンビル210を操作可能に結合する。他の実施形態において、往復アンビル調節ロッド114の係合部材244は、他の取り付け機構を使用して金属シャフト216に取り付けられてもよい。往復アンビル調節ロッド114の係合部材244への結合中に、拡張スロット240は金属シャフト216の端部238が拡大するのを可能にする。患者に円形ステープリング機器100を使用した後、アンビルアセンブリ112全体が廃棄される。続く手順の間、新しいアンビルアセンブリ112を含む新しいステープリングリロードアセンブリ102が使用される。
【0023】
図8に示されるように、アンビルシャフト218は、アンビル210の成形時において形成されたアライメント面246を含む。アライメント面246は、アンビルシャフト218の長手方向軸248に平行に配置された少なくとも1つのスプラインを備える。アライメント面246は、アンビルシャフト218の頂部250から、アンビルシャフト218の底部254まで、アンビルシャフト218の外側の環状面252に沿って延びる。アンビルアセンブリ112の金属シャフト216は、アライメント面を含まない。他の実施形態において、アライメント面246は、様々な構成にある任意の数又はタイプのアライメント面を備えてもよい。例えば、図12に示されるように、アンビルアセンブリ112が、アンビルアセンブリ112に取り付けられた金属シャフト216を有さずアンビルシャフト218のみを含む実施形態では、アライメント面246は、アンビルシャフト218の外側の環状面252に沿ってアンビルシャフト218の上部250から延びてもよく、かつアンビルシャフト218の底部254まで延びることなく、アンビルシャフト218の中央部256において止まってもよい。
【0024】
アンビルアセンブリ112は、ステープル形成面212が、組織の受容のためにケーシング110から離れている開放位置(図6を参照)から、閉鎖ステープルドライバ156を発射して、クランプされた組織をステープルで閉じて、切断する前に、ステープル形成面212が、ステープルホルダ148とステープル形成面212との間の組織を掴みながら、ステープリングカートリッジアセンブリ108のケーシング110に隣接して配置される閉鎖位置(図7を参照)まで移動可能である。これは、往復アンビル調節ロッド114の係合部材244の先端部242(図2及び6を参照)がステープルドライバ156の環状の内部シャフト194内で延び、かつアンビルアセンブリ112の金属シャフト216の近位端238のチャネル236内で接続されるためである。結果として、接続された往復アンビル調節ロッド114の移動により、アンビルシャフト218(これは金属シャフト216に接続されている)は、ステープルドライバ156の環状の内部シャフト194内に移動可能に配置され、ステープルドライバ156及びケーシング110に対する、アンビルアセンブリ112のステープル形成面212の移動を可能にする。
【0025】
アンビルシャフト218のアライメント面246(図8を参照)は、アンビル基部表面220がステープリングカートリッジアセンブリ108に隣接する閉鎖位置(図7を参照)にあるとき、ステープルドライバ156のアンビルアライメント面198(図4を参照)と嵌合して、ステープル形成面212をステープルホルダ148と回転して位置合わせするように構成される。初めに、図6に示されるように、往復アンビル調節ロッド114が金属シャフト216及び取り付けられたアンビルシャフト218を移動させ、これによってアンビル基部表面220が図6に示される開放位置から、図7に示される閉鎖位置の方へ移動するとき、アンビルシャフト218のアライメント面246(図8を参照)は、ステープルドライバ156の環状の内部シャフト194のアンビルアライメント面198(図4を参照)と嵌合せず、なぜならばアライメント面を有さない金属シャフト216に、アンビルアライメント面198が単に隣接して配置されるからである。この時に、ステープル形成面212は回転してステープルホルダ148と位置合わせされない。しかしながら、図7に示されるように、アンビルシャフト218のアライメント面246が、ステープルドライバ156の環状の内部シャフト194に到達したとき、アライメント面246は環状の内部シャフト194のアンビルアライメント面198と嵌合して、アンビル基部表面220が、ステープリングカートリッジアセンブリ108に隣接する閉鎖位置内に移動するとき、ステープル形成面212をステープルホルダ148と回転して位置合わせする。図33Aを参照すると、アンビル制御部材120に隣接するマーキング120Aは、アンビル112のステープル形成面212(図7を参照)と、ステープルガイド148(図7を参照)との間の隙間の距離を視覚的に示し、圧縮された組織の厚さについてユーザーにフィードバックを提供する。装置が完全に閉鎖に近いとき、往復アンビル調節ロッド114の近位端はアンビル制御部材120において孔120Fを通じて飛び出る。
【0026】
アンビルアセンブリ112が、図7の閉鎖位置にあるとき、円形ステープリング機器100は発射され、ステープルドライバ156を、図7に示されるケーシング110内のその発射前の位置から、図31に示されるその発射した位置まで移動させ、ステープルドライバ156のフィンガー176は、ステープル104をステープルホルダ148のステープルスロット154からアンビルアセンブリ112のステープル形成面212に対して駆動する。ステープル形成面212は、発射されたステープル104を、閉じたステープル形状に形成し、これによって、組織の一部分を一緒にステープルで止める。同時に、ステープルドライバ156は、環状ブレード126を、アンビル210上のステープル形成面212と、ステープルガイド148の表面との間に捕捉された圧縮組織へと駆動し、これによってアンビルアセンブリ112の脱離ワッシャ214に対して組織を切断する。
【0027】
図9は、円形ステープリング機器のステープリングリロードアセンブリを位置合わせする方法の一実施形態を示すフローチャート258を示す。ステップ260では、円形ステープリング機器のステープリングリロードアセンブリが提供される。提供された円形ステープリング機器は、ケーシングと、ケーシングに取り付けられたステープルホルダと、ステープルドライバと、環状ブレードと、アンビルと、を含む。ステップ262では、ステープルドライバは、位置合わせされた構成でケーシング内に移動可能に実装され、ステープルドライバの取り付け部材は、ステープルドライバ上に所定の量の力が発射バーによって適用されるまで、ケーシングの受容部材に接続されて、ステープルドライバが、ケーシング内の特定の点を移動して通過するのを防ぐ。ステップ264では、アンビルのアンビル基部表面は、ケーシングから離れて開放位置から移動され、ここでは、アンビルのステープル形成面は、ケーシングに隣接する閉鎖位置の方へ、ケーシングに取り付けられたステープルホルダとは回転して位置合わせされない。ステップ266では、アンビルアライメント面は、ステープルドライバのアンビルアライメント面と嵌合し、アンビル基部表面がケーシングに隣接して閉鎖位置にあるとき、アンビルのステープル形成面を、ステープルホルダと回転して位置合わせする。アンビルアライメント面は、少なくとも1つのスプラインと、少なくとも1つのスロットを含むステープルドライバのアンビルアライメント面と、を備える。他の実施形態において、アンビルアライメント面、及びドライバのアンビルアライメント面の数、タイプ、及び構成は様々であってもよい。
【0028】
本開示の1つ以上の実施形態は、従来の外科用円形ステープリング機器における位置合わせに関連する1つ以上の問題を減らすことができる。例えば、本開示の1つ以上の実施形態の使用は、アンビルとケーシングとの間の第1の位置合わせ、並びに現在の装置に実施されているような、ステープルドライバとケーシングとの間の第2の位置合わせを要求する代わりに、アンビルとステープルドライバとの間に直接、正確な位置合わせを提供することができる。ドライバとアンビルを直接位置合わせするこの方法は、位置合わせの変動の可能性を減少させ、改善されたステープルの形態となる。
【0029】
図10は、アンビル210A、ステープル形成面212A、環状脱離ワッシャ214A、及び金属シャフト216Aを含む、アンビルアセンブリ112Aの他の実施形態の分解図を示す。アンビル210Aは、アンビル基部表面220Aに成形されたアンビルシャフト218Aを備える一体型ポリマー成形部品である。アンビル210Aは、ガラスが充填された又は炭素が充填されたナイロンを含むポリマーから作製される。他の実施形態では、アンビル210Aは、組織の力下で過剰な屈折を防ぐために、103.4MPa(15,000psi)より大きい引張り強度を有する類似の構成要素材料から作製されてもよい。
【0030】
金属シャフト216Aは、成形孔228Aを通じて延び、これはアンビルシャフト218A及びアンビル基部表面220Aの両方を通じて延びる。金属シャフト216Aの1つの端部226Aは、成形孔228Aから外へ延び、アンビル基部表面220Aの頂部268に当接する。金属シャフト216Aの端部226Aは、成形孔228Aの直径272よりも大きい直径270を有する。金属シャフト216Aの他方の端部238Aは、アンビルシャフト218Aの成形孔228Aから外へ延びる。金属シャフト216Aは、取り付け部材(光景からは隠れている)を含み、これはアンビルシャフト218Aの受容部材(光景からは隠れている)に取り付けられる。取り付け部材は糸を含み、受容部材は溝部を備える。他の実施形態において、取り付け部材及び受容部材は、雌型及び雄型部材、又は他のタイプの取り付け機構を備えてもよい。更に他の実施形態では、金属シャフト216Aは、様々な取り付け機構を使用してアンビルシャフト218Aに取り付けられてもよい。チャネル236Aは、金属シャフト216Aの近位端238A内に延びる。金属シャフト216Aの端部238Aはまた、拡張スロット240Aを含む。金属シャフト216Aは、熱処理されたステンレス鋼を含む金属から作製される。他の実施形態において、金属シャフト216Aは他のスチールから作製されてもよい。
【0031】
アンビル基部表面220Aは、ステープル形成面212Aに成形される。他の実施形態において、アンビル基部表面220Aは、様々な取り付け機構を使用してステープル形成面212Aに取り付けられてもよい。ステープル形成面212Aは、オーステナイトステンレス鋼を含む板金から作製され、環状の形状であり、かつステープル形成ポケットを含む。他の実施形態において、ステープル形成面212Aは、他の金属、ステンレス鋼、アルミニウム、シート、又はプレートから作製されてもよい。
【0032】
環状脱離ワッシャ214Aは、アンビル基部表面220Aに隣接して、アンビル基部表面220Aのキャビティ222A内に圧力嵌めされる。他の実施形態において、環状脱離ワッシャ214Aは、様々な取り付け機構を使用して、アンビル基部表面220Aのキャビティ222A内に取り付けられてよい。環状脱離ワッシャ214Aは、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)を含むプラスチックから作製される。他の実施形態では、環状脱離ワッシャ214Aは、ナイロン、ポリエチレン、又はポリプロピレンから作製され得る。
【0033】
アンビルアセンブリ112Aの製造中に、ステープル形成面212Aは予め製造される。予め製造されたステープル形成面212Aは、次いで射出成形に挿入される。成形型は次いで、成形型内にアンビル210Aを形成するために使用され、アンビル210Aをステープル形成面212Aに成形させる。成形プロセス中、アンビル基部表面220Aが生じ、ステープル形成面212Aに成形される。環状脱離ワッシャ214Aは次いで、成形されたアンビル基部表面220Aのキャビティ222A内に圧力嵌めされる。アンビル基部表面220Aを成形した後、予め製造された金属シャフト216Aの端部238Aは、アンビル基部表面220Aにおいて成形孔228A内に延び、アンビルシャフト218Aにおいて成形孔228Aから外に延び、これによって、金属シャフト216Aの端部226Aは、アンビル基部表面220Aの頂部268に当接する。このステップは使用前にユーザーによって実行され得る。予め製造された金属シャフト216Aの端部238Aがアンビル210Aにおいて成形孔228A内に、かつこれから外へ延びるときに、アンビルシャフト218Aの受容部材(図では見えない)と嵌合している金属シャフト216Aの取り付け部材(図からは隠れている)により、金属シャフト216Aは取り外し可能にアンビルシャフト218Aに接続される。他の実施形態では、製造プロセスは様々であってもよい。
【0034】
図11に示されるように、金属シャフト216A及び取り付けられたアンビル210Aを、往復アンビル調節ロッド114を通じてアンビル制御部材120に操作可能に結合するスナップ嵌めを使用しながら、往復アンビル調節ロッド114の係合部材244は、金属シャフト216Aの近位端チャネル236A内に取り外し可能に結合する。他の実施形態において、往復アンビル調節ロッド114の係合部材244は、他の取り付け機構を使用して金属シャフト216Aに取り付けられてもよい。往復アンビル調節ロッド114の係合部材244への結合中に、拡張スロット240Aは金属シャフト216Aの端部238Aが拡大するのを可能にする。患者に対して円形ステープリング機器100を使用した後、アンビルシャフト218Aの受容部材(光景から隠れている)から、金属シャフト216Aの取り付け部材(光景から隠れている)を取り外すことによって、金属シャフト216Aは、アンビル210Aから除去されてもよく、アンビル210Aは処分されてもよく、金属シャフト216Aは殺菌されてもよく、金属シャフト216Aは、上記のプロセスを使用して、新しいアンビル及び新しいステープリングカートリッジアセンブリと組み合わせて、金属シャフト216Aを他の患者に対して再利用できるようにしながら、新しいアンビルに取り付けられてもよい。
【0035】
図10〜11に示されるように、アンビルシャフト210Aは、成形型により、アンビル210Aを成形するときに形成されたアライメント面246Aを含む。アライメント面246Aは、アンビルシャフト218Aの長手方向軸248Aに平行に配置された少なくとも1つのスプラインを備える。アライメント面246Aは、アンビルシャフト218Aの頂部250Aから、アンビルシャフト218Aの底部254Aまで、アンビルシャフト218Aの外側の環状面252Aに沿って延びる。アンビルアセンブリ112Aの金属シャフト216Aは、アライメント面を含まない。他の実施形態において、アライメント面246Aは、様々な構成にある任意の数又はタイプのアライメント面を備えてもよい。
【0036】
図12は、アンビル210B、ステープル形成面212B、及び環状脱離ワッシャ214Bを含む、アンビルアセンブリ112Bの他の実施形態の分解図を示す。アンビル210Bは、アンビル基部表面220Bに成形されたアンビルシャフト218Bを備える一体型ポリマー成形部品である。アンビル210Bは、ガラスが充填された又は炭素が充填されたナイロンを含むポリマーから作製される。他の実施形態では、アンビル210Bは、組織の力下で過剰な屈折を防ぐために、103.4MPa(15,000psi)より大きい引張り強度を有する類似の構成要素材料から作製されてもよい。近位端チャネル236Bはアンビルシャフト218B内に延びる。アンビルシャフト218Bは、拡張スロット240Bを含む。
【0037】
アンビル基部表面220Bは、ステープル形成面212Bに成形される。他の実施形態において、アンビル基部表面220Bは、様々な取り付け機構を使用して、ステープル形成面212Bに取り付けられてもよい。ステープル形成面212Bは、オーステナイトステンレス鋼を含む金属から作製され、環状の形状であり、かつステープル形成ポケットを含む。他の実施形態において、ステープル形成面212Bは、他の金属、ステンレス鋼、アルミニウム、シート、又はプレートから作製されてもよい。
【0038】
環状脱離ワッシャ214Bは、アンビル基部表面220Bのキャビティ222B内で、アンビル基部表面220Bに隣接して圧力嵌めされる。他の実施形態では、環状脱離ワッシャ214Bは、様々な取り付け機構を使用して、アンビル基部表面220Bのキャビティ222B内に取り付けられてもよい。環状脱離ワッシャ214Bは、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)を含むプラスチックから作製される。他の実施形態では、環状脱離ワッシャ214Bは、様々な材料から作製され得る。
【0039】
アンビルアセンブリ112Bの製造中に、ステープル形成面212Bは予め製造される。予め製造されたステープル形成面212Bは、次いで射出成形に挿入される。成形型は次いで、成形型内にアンビル210Bを形成するために使用され、アンビル210Bをステープル形成面212Bに成形させる。成形プロセス中、アンビル基部表面220Bが生じ、ステープル形成面212Bに成形される。同時に、アンビルロッド取り付け部分を含め、アンビルシャフト218Bはアンビル基部表面220Bに一体成形される。環状脱離ワッシャ214Bは次いで、成形されたアンビル基部表面220Bのキャビティ222B内に圧力嵌めされる。他の実施形態では、製造プロセスは様々であってもよい。
【0040】
図13に示されるように、アンビル210Bのアンビルシャフト218Bを、往復アンビル調節ロッド114を通じてアンビル制御部材120に操作可能に結合する、スナップ嵌め結合を使用しながら、往復アンビル調節ロッド114の係合部材244は、アンビルシャフト218Bの近位端チャネル236B内で取り外し可能に結合する。他の実施形態において、往復アンビル調節ロッド114の係合部材244は、他の取り付け機構を使用してアンビルシャフト218Bに取り付けられてもよい。往復アンビル調節ロッド114の係合部材244への結合中に、拡張スロット240Bはアンビルシャフト218Bが拡大するのを可能にする。円形ステープリング機器100を患者に使用した後、アンビル210Bは廃棄されてもよく、異なる患者に対して他の処置を実施するために円形ステープリング機器100と共に、新しいアンビルが使用されてもよい。
【0041】
図12〜13に示されるように、アンビルシャフト218Bは、アンビル210Bを成形するときに形成されたアライメント面246Bを含む。アライメント面246Bは、アンビルシャフト218Bの長手方向軸248Bに平行に配置された少なくとも1つのスプラインを備える。アライメント面246Bは、アンビルシャフト218Bの頂部250Bから、アンビルシャフト218Bの外側の環状面252Bに沿って延び、アンビルシャフト218Aの底部254Bまで延びることなく、アンビルシャフト218Aの中間部分256Bにおいて停止する。他の実施形態において、アライメント面246Bは、様々な構成にある任意の数又はタイプのアライメント面を備えてもよい。
【0042】
図14は、アンビルアセンブリを製造する方法の一実施形態を示すフローチャート274を示す。ステップ276では、予め製造されたステープル形成面(これは金属又は他の金属から作製され得る)は、成形型内に配置される。ステップ278では、アンビルアセンブリは、アンビルを、成形されたアンビルが、アンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを有する状態で、成形型内で予め製造されるステープル形成面に成形することによって形成される。アンビルは、高分子、例えばガラスが充填された又は炭素が充填されたナイロンからの一体型に成形されてもよい。他の実施形態において、アンビルは他の材料から成形されてもよい。一実施形態において、ステップ278は、アライメントスプラインを含む少なくとも1つのアライメント面、又は他のタイプのアライメント面を有するように、アンビルシャフトを成形することを更に含み得る。他の実施形態では、ステップ278は、アンビルシャフトが予め製造されたシャフトに成形されるように、アンビルアセンブリを成形することを更に含み、予め製造されたシャフトは、ステップ276中に成形型内に配置された金属又は他の材料から製造されてもよい。更なる実施形態では、後続のステップにおいて、金属又は他の材料から作製され得る予め製造されたシャフトは、アンビルが成型された後に、成形されたアンビルアセンブリのアンビルシャフトに取り付けられてもよい。ステップ280において、圧力嵌め又は他の取り付け機構を使用して、成形されたアンビルアセンブリのアンビル基部表面に脱離ワッシャが取り付けられる。脱離ワッシャは環状又は他の形状であってもよく、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)を含む塑性体から作製されてもよく、あるいは他のタイプの材料から作製されてもよい。他の実施形態において、本方法の1つ以上のステップは変化してもよい。
【0043】
本開示の1つ以上の実施形態は、従来のアンビルアセンブリに関連する1つ以上の問題を減らすことができる。例えば、本開示の1つ以上の実施形態の使用は、現在のアンビルアセンブリの1/3のコストで製造され得るアンビルアセンブリを提供することができる。
【0044】
図1〜3に示されるように、円形ステープリング機器100は、ハンドル116、往復アンビル調節ロッド114、発射バー282、キャリアカバー284、ハンドル116と取り外し可能に結合されるシャフトアセンブリ106、ステープリングカートリッジアセンブリ108、及びアンビルアセンブリ112を含み、アンビルアセンブリ112は、往復アンビル調節ロッド114と取り外し可能に結合される。ハンドル116は、発射バー282及び往復アンビル調節ロッド114を受容するキャビティ118を形成する。往復アンビル調節ロッド114は、往復アンビル調節ロッド114の先端部242において係合部材244と、往復アンビル調節ロッド114の近位端において、アンビル制御部材120と取り外し可能に結合されるネジ付き調節部材286と、を有する。
【0045】
発射バー282は、ハンドル116内において往復アンビル調節ロッド114を安定させ、かつこれを固定するために使用される。発射バー282は、1対の係合溝部288及び290を形成し、発射バー282の遠位端において係合シャフト292を有する。係合溝部288及び290は、発射バー282の対向する側上に形成されるのが好ましい。発射バー122は上端部294を含み、これは係合溝部288及び290と係合し、ハンドル116のキャビティ118内で発射バー282及び往復アンビル調節ロッド114を取り外し可能に固定する。あるいは、係合溝部288及び290は、本明細書に記載のように、任意の取り外し可能な結合と置き換えられてもよい。好ましくは、発射バー282及び往復アンビル調節ロッド114がキャビティ118内に配置されたとき、発射バー122の上端部294の部分はそれぞれ、係合溝部288及び290のうちの1つ内に延びて、キャビティ118において発射バー282及び往復アンビル調節ロッド114の両方を取り外し可能に固定する。キャビティ118において、発射バー282及び往復アンビル調節ロッド114の両方を取り外し可能に固定することによって、係合溝部288及び290、並びに発射トリガー122の上端部294は、発射バー282及び往復アンビル調節ロッド114の両方が、キャビティ118内に容易に配置され、そこから取り外され、それらが容易に補修される又は交換されるのを可能にする。キャビティ118、及び上記の構成要素の形状の設計は、それらが正しい位置及び方向に配置されたときに、ユーザーによってはっきり見えるようにするようなものである。この構成はまた、ユーザーが装置を間違って組み立てるのを防ぐ。
【0046】
係合シャフト292は、内部を通じて往復アンビル調節ロッド114の先端部242及び係合部材244が受容される開口部296を形成する。係合シャフト292の開口部296を通じて往復アンビル調節ロッド114を受容することは、ハンドル116内で往復アンビル調節ロッド114を中心にし、ステープリングカートリッジアセンブリ108内で往復アンビル調節ロッド114を位置合わせするのに役立つ。ステープリングカートリッジアセンブリ108(図1及び2を参照)は、シャフトアセンブリ106(図3を参照)の遠位端と取り外し可能に結合する。往復アンビル調節ロッド114の係合部材244の先端部242は、ケーシング110(図2を参照)内で、かつこれを通って延び、スナップ嵌め結合を使用して、アンビルアセンブリ112の金属シャフト216の近位端チャネル236(図2を参照)に、取り外し可能に結合する。
【0047】
図3を参照して、キャリアカバー284は、ハンドル116の上を摺動し、キャビティ118内の発射バー282、及び往復アンビル調節ロッド114の一部分を被覆する。好ましくは、キャリアカバー284は、内部を通じてハンドル116のネジ付き部分132が受容される開口部298を形成する。開口部298は好ましくはU型であり、キャリアカバー284の裏面300上に形成され、これによって、キャリアカバー284がハンドル116の上を摺動したとき、キャリアカバー284の当接部分302は、ハンドル116の部分に対して押され、キャリアカバー284が、キャビティ118内の発射バー282及び往復アンビル調節ロッド114の一部分の上で正しく位置決めされたということを示す。ハンドルの116上をキャリアカバー284が摺動するのを可能にすることによって、キャリアカバー284は、キャビティ118内の発射バー282及び往復アンビル調節ロッド114の両方を保護し、それらが容易に補修される又は交換されるのを可能にする。
【0048】
シャフトアセンブリ106は、近位端においてハンドル116と取り外し可能に結合され、遠位端においてステープリングカートリッジアセンブリ108(図1を参照)と取り外し可能に結合される。本明細書で使用するとき、用語「取り外し可能な」は、他方の構成要素又は部材に損傷を与えることなく、再締結される、又は外されるように設計されている第1構成要素又は部材を指す。更に、本明細書で使用されるとき、用語「取り外し可能に結合される」又は「取り外し可能に固定される」は、第1部材を第2部材に、2つの部材が、いずれかの部材に損傷を与えることなく、互いから外れる、すなわち切断されるように設計されている2つの部材における方式において、結合すること又は固定することを指す。これは、ユーザーが2つの部材を互いから損傷することなく切断する、又は外すのを可能にし、これによってユーザーは2つの部材を修理することができる。取り外し可能な結合には、スナップ嵌め結合、摩擦による係合結合(これは、互いに摩擦で係合する部材を含む)、ネジによる結合、磁気結合、又は機械結合(例えばフック・ループ式ファスナー)が挙げられ得る。
【0049】
図3を参照して、シャフトアセンブリ106が、ハンドル116上でネジ付き部分132と取り外し可能に結合される内側ネジ304を備える接続ナット130を有するのが好ましい。あるいは、接続ナット130は、本明細書に記載のように任意の取り外し可能な結合と置き換えられてもよい。いったん、ハンドル116と取り外し可能に結合されると、シャフトアセンブリ106は、キャリアカバー284をハンドル116に取り外し可能に固定し、円形ステープリング機器100及びその構成要素(例えばシャフトアセンブリ106、キャリアカバー284、ハンドル116、発射バー282、及び往復アンビル調節ロッド114)が容易に分解され、かつ補修されるのを可能にする。
【0050】
シャフトアセンブリ106をハンドル116と取り外し可能に結合することによって、発射バー282及びキャビティ118における往復アンビル調節ロッド114の両方を取り外し可能に固定することによって、キャリアカバー284をハンドル116の上で摺動するのを可能にすることによって、往復アンビル調節ロッド114をアンビル制御部材120と取り外し可能に結合することによって、シャフトアセンブリ106をハンドル116と取り外し可能に結合することによって、又はアンビルアセンブリ112(図1を参照)を往復アンビル調節ロッド114と取り外し可能に結合することによって、円形ステープリング機器100の組み立て及び分解は、より容易になり、かつ円形ステープリング機器100を備える様々な構成要素の補修及びメンテナンスを可能にする。
【0051】
図15A及び15Bを参照して、円形ステープリング機器100の組み立てにおいて、アンビル制御部材120は、往復アンビル調節ロッド114と取り外し可能に結合される。好ましくは、アンビル制御部材120は、アンビル制御部材120をネジ付き調節部材286上で回転させることによって、往復アンビル調節ロッド114の近位端において、ネジ付き調節部材286と取り外し可能に結合される。典型的に、アンビル制御部材120を反時計周りに回転することは装置を開放し、時計回りに回転することは装置を閉鎖する。
【0052】
次いで、図16A及び16Bを参照して、アンビル制御部材120の一部分及び往復アンビル調節ロッド114の一部分は、ハンドル116のキャビティ118内で取り外し可能に固定される。好ましくは、キャビティ118は、刻み目306を形成し、これはアンビル制御部材120及び往復アンビル調節ロッド114をキャビティ118内で取り外し可能に固定するために、アンビル制御部材120の一部分と嵌合する。あるいは、刻み目及び突出部の関係は反対にされてもよい。いったん、往復アンビル調節ロッド114が、配置118Aにおいてキャビティ118内に配置されると、キャビティ118に隣接する平行及び平坦な壁部114B及び114C(図15Bを参照)は、ハンドルに対する往復アンビル調節ロッド114の回転運動を防ぎながら、長手方向の移動は可能にする方式で接続される。
【0053】
図17A、17B、及び17Cを参照して、往復アンビル調節ロッド114の先端部242及び係合部材244は、発射バー282の係合シャフト292の開口部296を通じて受容され、次いで発射バー282の係合溝部288、290は、発射バー122の上端部294にわたって、次いでその周辺に配置され、発射バー282、往復アンビル調節ロッド114、及びアンビル制御部材120をキャビティ118内に取り外し可能に固定する。
【0054】
図18A及び18Bを参照して、キャリアカバー284は次いで、ハンドル116の上を摺動し、発射バー282及びキャビティ118内の往復アンビル調節ロッド114の一部分を被覆する。好ましくは、ハンドル116のネジ付き部分132は、キャリアカバー284における開口部298を通じて受容され、キャリアカバー284の当接部分302がハンドル116の一部分132aに対して押され、キャリアカバー284が正しく位置決めされたということを示すまで、キャリアカバー284は摺動される。
【0055】
図19A、19B、及び19Cを参照して、往復アンビル調節ロッド114は、シャフトアセンブリ106を通じて、かつこの内側に配置され、シャフトアセンブリ106は、ハンドル116と取り外し可能に結合される。好ましくは、シャフトアセンブリ106は、ハンドル116上でネジ付き部分132と取り外し可能に結合される内側ネジ304を備える接続ナット130を有する。シャフトアセンブリ106は、キャリアカバー284をハンドル116に取り外し可能に固定する。
【0056】
次いで、図2を参照すると、ステープリングカートリッジアセンブリ108は、シャフトアセンブリ106に取り外し可能に結合され、往復アンビル調節ロッド114の先端部242は、ステープリングカートリッジアセンブリ108に形成された中央シャフトを通じて延びる。最後に、アンビルアセンブリ112は、往復アンビル調節ロッド114の係合部材244、及びアンビルアセンブリ112の金属シャフト216の近位端チャネル236を介して往復アンビル調節ロッド114に取り外し可能に結合される。
【0057】
図20及び21を参照して、一実施形態では、湾曲した円形ステープリング機器100Aが提供され、これは、ケーシング110Aと、アンビルアセンブリ112Cが偶発的に取り外されるのを防ぐための上記のようなアンビル開放機構の湾曲した往復アンビル調節ロッド114Aに取り付けられたアンビルアセンブリ112Cと、可撓性往復アンビル調節ロッド114Aに取り外し可能に結合される湾曲した発射バー282Aと、ハンドル116Aと取り外し可能に結合されるキャリアカバー284Aと、ネジ付き調節部材286Aを介して、湾曲した往復アンビル調節ロッド114Aと取り外し可能に結合される制御部材120Aと、ネジ付き部分132Aを介してハンドル116Aと取り外し可能に結合される接続ナット130Aを有する人間工学的に湾曲されたシャフトアセンブリ106Aと、有するステープリングカートリッジアセンブリ108Aを含む。湾曲した円形ステープリング機器100Aは、哺乳類の体腔内への挿入を助けるために、湾曲した構成要素、例えば可撓性往復アンビル調節ロッド114A、湾曲した発射バー282A、及び湾曲したシャフトアセンブリ106Aを含む。
【0058】
互いに取り外し可能に結合される構成要素を有することで、円形ステープリング機器100又は湾曲した円形ステープリング機器100Aは、開放構造を有する再利用可能なステープリング機器を提供し、この開放構造は追加の構成要素(例えば往復アンビル調節ロッド114、114A、及びシャフトアセンブリ106、106A)が主に横方向に組み立てられるのを可能にするU型開口部298、298Aを有するキャリアカバー284,284Aを使用する。横方向の組み立ては、組み立てのより容易な視覚化を可能にし、組み立て時間を短くし、組み立て及び分解の容易さを改善する。結果として、円形ステープリング機器100、又は開放アセンブリ構造を有する湾曲した円形ステープリング機器100Aを組み立てるのに必要とされる時間は多くの場合、1分未満である。更に、開放構造は、どこに構成要素が配置されるべきか、ということを伝える機構の存在を可能にする。更に、互いに取り外し可能に結合される構成要素を提供することによって、円形ステープリング機器100若しくは100Aは容易に組み立てられ、又は分解され、使用後の円形ステープリング機器100若しくは100Aの洗浄及び殺菌を可能にする。
【0059】
図22〜28を参照して、一実施形態では、円形ステープリング機器100Dが提供され、これは、ケーシング110Dを有するステープリングカートリッジアセンブリ108D、上記のとおりアンビルアセンブリ112Dが偶発的に取り外されるのを防ぐためのアンビル開放機構の往復アンビル調節ロッド114Dに取り付けられたアンビルアセンブリ112Dと、往復アンビル調節ロッド114Dと取り外し可能に結合される発射バー282Dと、ハンドル116Dと結合されるキャリアカバー284Dと、往復アンビル調節ロッド114Dと結合された制御部材120Dと、ネジ付き部分132Dを介してハンドル116Dと結合される接続ナット130Dを有するシャフトアセンブリ106Dと、を含む。好ましくは、円形ステープリング機器100Dは、機器100Dで見られるように、湾曲した円形ステープリング機器であり、かつ、哺乳類の体腔内への挿入を助けるために、湾曲した構成要素、例えば湾曲した往復アンビル調節ロッド114D、湾曲した発射バー282D、及び人間工学的に湾曲したシャフトアセンブリ106Dを含む。しかしながら、円形ステープリング機器100Dで見られるように、円形ステープリング機器100Dは、湾曲した円形ステープリング機器である必要はなく、任意のタイプの円形ステープリング機器、例えば円形ステープリング機器100で見られるような比較的直線的な円形ステープリング機器であってもよく、並びに比較的直線的な構成要素、例えば比較的直線的な往復アンビル調節ロッド114D、比較的直線的な発射バー282D、及び比較的直線的なシャフトアセンブリ106Dを有する。
【0060】
往復アンビル調節ロッド114Dは、往復アンビル調節ロッド114Dの先端部242Dにおいて第1係合部材244Dと、往復アンビル調節ロッド114Dの基部402Dにおいてネジ付き調節部材286Dを含む。好ましくは、往復アンビル調節ロッド114Dは、1つの端部における基部402Dと、対向する端部における係合部材244Dと、並びに基部402Dを係合部材244Dと接続する、可撓性かつ湾曲していてもよい可撓性伸張バンド400Dと、を含む。図22及び23を参照して、発射バー282Dは第1端部430Dにおいて発射トリガー122Dと移動可能に接続され、第2係合部材416Dを通じてステープリングカートリッジアセンブリ108Dと第2端部432Dにおいて移動可能に接続される。図28を参照して、発射バー282Dは、第1係合表面406Dを形成し、これは、往復アンビル調節ロッド114D上に形成された、対応する第2係合表面408Dに面する。好ましくは、伸張バンド400Dは、第2係合表面408Dを形成し、これは、発射バー282D上の第1係合表面406Dに面する。
【0061】
円形ステープリング機器100Dは、往復アンビル調節ロッド114Dと発射バー282Dとの間の摩擦を低減するために、第1係合表面406Dと第2係合表面408Dとの間に配置された摩擦低減部材420Dを更に含む。往復アンビル調節ロッド114Dと発射バー282Dとの間の移動は、発射トリガー122Dがハンドル116Dによって係合され、発射されたときに生じ、発射バー282Dをステープリングカートリッジアセンブリ108Dの方へ移動させ、これと係合させ、ステープリングカートリッジアセンブリ108Dからステープルを発射させる。往復アンビル調節ロッド114Dと発射バー282Dとの間の移動はまた、制御部材120Dが活性化されるときに生じ、往復アンビル調節ロッド114D、及び往復アンビル調節ロッド114Dの先端部242Dに接続されるアンビルアセンブリ112Dに、ステープリングカートリッジアセンブリ108Dとアンビルアセンブリ112Dとの間の距離を調節するために、ステープリングカートリッジアセンブリ108Dに向かって、又はこれから離れて移動させる。往復アンビル調節ロッド114Dと発射バー282Dとの間のいずれかの移動は、往復アンビル調節ロッド114Dを摺動可能に発射バー282Dに係合させ、往復アンビル調節ロッド114Dと発射バー282Dとの間の摩擦となる。本明細書で使用されるとき、用語「摺動可能に係合する」は、2つの表面の間に平滑で連続的な接触を維持しながら、他方の面の上での一方の面の動きを指す。湾曲した円形ステープリング機器100Dにおける往復アンビル調節ロッド114Dと発射バー282Dとの間の摩擦は典型的に、比較的直線的な円形ステープリング機器100よりも20〜40%高い場合がある。一実施形態では、円形ステープリング機器100Dの構成は、伸張バンド400Dに発射バー282D上へ接触力をかけさせ、発射バー282Dと往復アンビル調節ロッド114Dとの間の摩擦を増加させる。第1係合表面406Dと第2係合表面408Dとの間に摩擦低減部材420Dを配置することによって、往復アンビル調節ロッド114Dと発射バー282Dとの間の摩擦は低減され得る。機器を発射する間に発射バー282Dとハンドル116Dの他の部分との間に摩擦力が生じる、他の領域も存在する。これらの摩擦力は、発射バー282Dの溝部288D及び290Dにおける表面上に所定の角度をもたらすことによって低減される。図38Bに示されるように、角度付きの表面288Fは、垂直から5度〜15度配向され得る。これは、発射バー282Dを押すための力において10〜20%の低減となる。
【0062】
摩擦低減部材420Dは、2つの部材の間、例えば往復アンビル調節ロッド114Dと発射バー282Dとの間の摩擦を低減するために使用され得る任意の機械的装置又は化合物であってもよい。特に、摩擦低減部材420Dは、2つの部材間で減少した摩擦の係数μreducedをもたらし、これは2つの部材が摩擦低減部材を有さないときの2つの部材間に存在する摩擦の標準係数μnormalよりも小さい。好ましくは、摩擦低減部材420Dは、低減された摩擦の係数μreducedを提供し、2つの部材間に存在する摩擦の標準係数μnormalよりも少なくとも20%小さく、より好ましくは少なくとも40%小さい。
【0063】
摩擦低減部材420Dのための化合物には、固体のコーティング、例えばグラファイト、又はポリマーコーティング、例えばテフロンが挙げられる。摩擦低減部材420Dのための化合物はコーティングとして適用されてもよく、これは第1係合表面406D及び第2係合表面408Dのいずれか、又はこの両方に結合する。摩擦低減部材420Dのための化合物はまた、2つの係合表面406Dと408Dとの間に捕捉された自由運動している中間成分へのコーティングと適用されてもよい。摩擦低減部材420Dに使用される機械装置には、例えば玉軸受又はころ軸受など、一対の表面の間の摩擦を低減することができる任意の機械的装置が挙げられる。摩擦低減部材420Dは、往復アンビル調節ロッド114D及び発射バー282Dのいずれか、又はこの両方と接続されてもよい。摩擦低減部材402Dは、それがハンドルの再利用のために清浄中又は補修中に拭き取られる又は劣化しないように設計される。
【0064】
図25〜27を参照して、一実施形態では、摩擦低減部材420Dは、ローラー404Dを含み、これはピン412Dを使用して発射バー282Dと接続され、かつこれは発射バー282Dに形成されるキャビティ410D内に配置される。好ましくは、ピン412Dは、発射バー282Dを通じて形成される孔414D内に配置される。好ましくは、1つ以上のローラー404D、例えば3つのローラー404Dが発射バー282Dと接続される。一実施形態では、孔414Dは、図26に示されるように、内部を通じてピン412Dが配置される円形開口部を形成し、ピン412Dをほとんど動かさない。一実施形態では、孔414Dは、内部を通じてピン412Dが配置され、かつその内部で図28に示されるように、発射バー282Dのいずれかの端部430D、432Dの方へ、又はそこから離れる、ピン412Dの頂部/底部の動き(これは発射バー282Dのいずれかの端部430D、432Dのいずれかの方でもなく、これから離れるものでもない)よりも更にピン412Dの横方向の動きを可能にし、先の実施形態と比較して、更なる自由度を可能にする。
【0065】
図29は、図4の円形ステープリング機器100のステープリングカートリッジアセンブリ108の環状ブレード126の斜視図を示す。図29に示されるように、環状ブレード126は、環状刃先192及び脱離ワッシャ取り付け部材308を備える。環状ブレード126は、環状刃先192を含み、脱離ワッシャ取り付け部材308は、ステンレス鋼などの金属から作製される。他の実施形態において、環状ブレード126は、切断するのに十分硬い、任意の材料から作製され得る。脱離ワッシャ取り付け部材308は、刃先192に隣接する環状ブレード126の配置310から延びる、複数の離間された脱離ワッシャ保持返し部を備える。脱離ワッシャ取り付け部材308は、刃先192に対して非平行な角度312において、内側に延びる。非平行な角度312は、56〜60度の範囲であってもよい。他の実施形態において、非平行な角度312は30〜60度の範囲であってもよい。更に他の実施形態では、脱離ワッシャ取り付け部材308は、環状ブレード126に対して様々な材料、数、形状、寸法、配置、方向、又は構成であってもよい。例えば、他の実施形態では脱離ワッシャ取り付け部材308は、スナップ、圧縮、又は他のタイプの取り付け部材を備えてもよい。
【0066】
図6は、ケーシング110に対して開放位置にあり、かつこれから離れている円形ステープリング機器100のステープリングリロードアセンブリ102のアンビルアセンブリ112のアンビル基部表面220、並びにケーシング110内で後退した発射前のステープルドライバ156及び取り付けられた環状ブレード126を示す。環状脱離ワッシャ214は、アンビル210のアンビル基部表面220のキャビティ222内に圧力嵌めされる。保護部材314は、フック316を使用して、アンビル基部表面220のキャビティ222内に配置された環状脱離ワッシャ214の頂部318に取り付けられる。
【0067】
図30は、保護部材314に取り付けられた環状脱離ワッシャ214の拡大図を示す。保護部材314は、赤く着色されたポリカーボネートから作製された環状保護キャップを備える。他の実施形態では、保護部材314は、材料、形状、寸法、配置、色、又は構成において様々であってもよく、かつ様々な取り付け機構を使用して、環状脱離ワッシャ214に取り付けられてもよい。更に他の実施形態では、保護部材314は、使用されなくてもよく、環状脱離ワッシャ214は、保護部材314を有さずにアンビル基部表面220のキャビティ222内に圧力嵌めされてもよい。
【0068】
図7は、ステープルドライバ156を備えるケーシング110に対して、かつこれに隣接して閉鎖位置に移動されているアンビルアセンブリ112のアンビル基部表面220を示し、取り付けられた環状ブレード126は依然として、環状脱離ワッシャ214から離間されて、ケーシング110内に後退している発射前の位置である。この発射前の位置では、ステープルドライバ156の可撓性戻り止め部材178は、ケーシング110の戻り止めバンプ180を接続部に取り外し可能に接続され、所定の量の力が適用されるまでステープルドライバ156が移動するのを防ぐ。他の実施形態では、可撓性戻り止め部材178及び戻り止めバンプ180は、様々なタイプの嵌合部材を備えてもよい。
【0069】
図31は、発射されて、その発射前の位置から発射した位置まで、ケーシング110に対してステープルドライバ156を動かす、ステープルドライバ156、及び取り付けられた環状ブレード126を示し、ここでは環状ブレード126の刃先192は、環状脱離ワッシャ214内に移動し、これを切断し、その一方でアンビルアセンブリ112のアンビル基部表面220は閉鎖位置にある。発射中に、ステープルドライバ156の可撓性戻り止め部材178は、ケーシング110の戻り止めバンプ180から開放され、ステープルドライバ156が、ケーシング110に対し、特定の位置320を過ぎて移動するのを可能にする。
【0070】
図32は、環状脱離ワッシャ214を切断している、図31の環状ブレード126の刃先192の拡大図を示す。刃先192は、環状脱離ワッシャ214の離間されている壁部322と324との間に配置されたウェブ320を切断する。これが生じるとき、脱離ワッシャ取付部材308は、環状脱離ワッシャ214の離間された壁部322のうちの1つを固定して取り付け、環状ブレード126を、環状脱離ワッシャ214にロックし、保護部材314(図31を参照)は依然として、アンビル基部表面220のキャビティ222内に配置された環状脱離ワッシャ214の上部318(図31を参照)に取り付けられたままである。
【0071】
図33は、ステープルドライバ156及び取り付けられた環状ブレード126が、環状脱離ワッシャ214を切断しながら発射した後に、ケーシング110から離れて開放位置に移動して戻ったアンビルアセンブリ112のアンビル基部表面220を示す。環状脱離ワッシャ214は、環状脱離ワッシャ取り付け部材308により、環状ブレード126の上で定位置にロックされたままであり、保護部材314は、環状ブレード126の刃先192にわたって保護バリヤーとして作用しながら、環状脱離ワッシャ214の頂部318に依然として取り付けられたままである。保護部材314は、環状ブレード126が発射された後に、環状ブレード126の刃先192が偶発的に切断するのを防ぐ。環状脱離ワッシャ214又は保護部材314のうちの少なくとも1つは、予防装置として、ステープルドライバ156及び取り付けられた環状ブレード126が発射されているということを示す視覚的表示器326を備える。この視覚的表示器326は円形ステープリング機器100のケーシング110の第2の色とは異なる、第1の色を含む。他の実施形態において、視覚的表示器326は、ステープルドライバ156及び取り付けられた環状ブレード126が発射されたときを視覚的に示す任意のタイプの視覚的表示器を備えてもよい。他の実施形態では、切断された環状脱離ワッシャ214の内側部分及び視覚的表示器326のみが、環状ブレード126に取り付けられたままである。切断された環状脱離ワッシャ214の外側部分は、機器を開放した後に、アンビル基部表面220に取り付けられたままである。
【0072】
図34は、ステープルドライバ156及び取り付けられた環状ブレード126が、環状脱離ワッシャ214を切断しながら発射したした後で、円形ステープリング機器100から取り外されている図33のアンビルアセンブリ112のアンビル210を示し、環状脱離ワッシャ214及び保護部材314は、ワッシャ取り付け部材308により、環状ブレード126の後ろに取り付けられたままである。保護部材314は、ステープルドライバ156及び取り付けられた環状ブレード126が発射された後に、環状ブレード126の刃先192が、偶発的に切断するのを防ぎ続ける。更に、視覚的表示器326は、ステープルドライバ156及び取り付けられた環状ブレード126が発射されたということを示し続ける。
【0073】
図35は、図34の円形ステープリング機器100に取り付けられようと試みた新しいアンビル210Cを示す。図36に示されるように、保護部材314は、発射された環状ブレード126に取り付けられる環状脱離ワッシャ214に取り付けられ、新しいアンビル210Cが円形ステープリング機器100に取り付けられるのを妨げる。図35に示されるように、これは保護部材314の直径328が、新しい環状脱離ワッシャ332の内径330よりも大きいためである。保護部材314が環状脱離ワッシャ214に取り付けられていない場合でさえも、環状脱離ワッシャ214が依然として、新しい環状脱離ワッシャ332の内径330と同じ、又はそれより大きい直径334を有していることを受けて、環状脱離ワッシャ214はなおも、新しいアンビル210Cが円形ステープリング機器100に取り付けられるのを妨げる。
【0074】
図34の円形ステープリング機器100を再び使用するために、図1〜2に示されるステープリングリロードアセンブリ102は、円形ステープリング機器100から取り外されてもよく、これによって発射した環状ブレード126及び取り付けられた脱離ワッシャ214を取り外す。円形ステープリング機器100の取り外されていない部分(例えば、図1のハンドル116及び取り外されていない他の構成要素)を殺菌した後に、他の未使用の環状ブレード及び他の未使用の脱離ワッシャを含む、他の未使用のステープリングリロードアセンブリは、円形ステープリング機器100を再び使用する前に、円形ステープリング機器100の殺菌済の取り外されていない部分に取り付けることができる。図37は、ブレードを、円形ステープリング機器の脱離ワッシャにロックする方法340の一実施形態のフローチャートを示す。ステップ342において、円形ステープリング機器が提供される。提供された円形ステープリング機器は、ケーシングと、ステープルドライバと、アンビルアセンブリと、ブレードと、を含む。ステープルドライバは、ケーシング内で移動可能に配置される。アンビルアセンブリは、アンビル基部表面に取り付けられた脱離ワッシャを備える。ブレードはステープルドライバに取り付けられる。
【0075】
ステップ344では、アンビルアセンブリは、ケーシングから離れた開放位置から、ケーシングに隣接する閉鎖位置まで移動される。ステップ346では、ブレードがまだ脱離ワッシャを切断しておらず、かつブレードの脱離ワッシャ取り付け部材が脱離ワッシャに取り付けられていない発射前の位置から、ブレードが脱離ワッシャを切断し、ブレードの脱離ワッシャ取り付け部材を、脱離ワッシャに固定して取り付ける発射した位置まで、ステープルドライバは移動される。脱離ワッシャ取り付け部材は、ブレードの刃先に非平行な角度においてブレードから延びる少なくとも2つの脱離ワッシャ保持返し部を含み得る。非平行な角度は、56〜60度の範囲であってもよい。他の実施形態において、非平行な角度は30〜60度の範囲であってもよい。更に他の実施形態では、脱離ワッシャ取り付け部材は様々であってもよい。一実施形態において、ステップ346は、脱離ワッシャのウェブを切断するブレードと、脱離ワッシャの離間された壁部のうちの1つに固定して取り付ける少なくとも1つの脱離ワッシャ保持返し部と、を備える。
【0076】
任意のステップ348において、以下の1つ以上が生じる場合がある:ブレードがケーシングに後退して再び使用されるのを防ぐために、脱離ワッシャは円形ステープリング機器の1つ以上の構成要素に干渉する;脱離ワッシャ、又は脱離ワッシャに取り付けられた保護部材は、ブレードの上で保護バリヤーとして機能し得る;又は脱離ワッシャ若しくは脱離ワッシャに取り付けられる他の部材の視覚的表示器は、ステープルドライバが発射されたということを視覚的に示し得る。
【0077】
任意のステップ350において、以下のステップが生じ得る:ステープリングリロードアセンブリは、円形ステープリング機器から取り外されてもよく、これによって使用されたブレード及び脱離ワッシャを取り外す:円形ステープリング機器の取り外されていない部分は殺菌されてもよい;並びに、使用されていないステープリングリロードアセンブリは、円形ステープリング機器を再び使用する前に、未使用のブレード及び未使用の脱離ワッシャを含む円形ステープリング機器に取り付けられてもよい。一実施形態において、方法340の1つ以上のステップは変化してもよい。
【0078】
本開示の1つ以上の実施形態は、以下のいずれかとなり得る:発射された円形ステープリング機器の使用されたブレードが、他の処置において再び偶発的に使用されるのを防ぎ、これによって清浄性と安全性を改善する;発射された円形ステープリング機器の使用されたブレードが、偶発的に切断されるのを防ぐ;又は他のタイプの利益。
【0079】
図38〜46は、発射トリガー122及び対応するステープルドライバ156の誤発射を防ぐために、本開示のいずれかの実施形態を用いて使用され得る、様々な状態におけるロック機構352を示している図1及び2の実施形態1及び2の円形ステープリング機器100の様々な図を示す。図38〜40は、発射トリガー122及び間接的に影響されるステープルドライバ156が、発射前の位置にロックされた状態であり、ケーシング110から離れて発射ゾーンの外で、開放位置に配置されたアンビルアセンブリ112の様々な図を示す。取り付けられた往復アンビル調節ロッド114及びアンビル制御部材120を使用して、アンビルアセンブリ112が、発射ゾーンから外で、ケーシング110から離れて、開放位置に配置されたとき、アンビル基部表面220は、ステープルガイド148の端部から離れて0.25〜7.6cm(0.100〜3.0インチ)の範囲で距離354において配置される。この発射前の位置では、往復アンビル調節ロッド114のネジ付き端部286は、アンビル制御部材120の嵌合しているネジ付きシャフト360の内側部分358において、かつその内側に配置され、アンビル制御部材120の嵌合するネジ付きシャフト360の端部362から離れて配置される。
【0080】
発射トリガー122の出っ張り364は、往復アンビル調節ロッド114の第1部分366に対して当接し、これはロック機構352として機能し、方向124において発射トリガー122が回転するのを防ぐ。往復アンビル調節ロッド114の第2部分370は、出っ張り部364から離れて配置される。出っ張り364は、対抗する壁部372及び374を備え、これは0.48cm(0.190インチ)の距離376だけ離間して配置される。往復アンビル調節ロッド114の第1部分366の幅378は0.74cm(0.290インチ)である。往復アンビル調節ロッド114の第2部分370の幅380(図43を参照)は0.43cm(0.170インチ)である。発射トリガー122は、第1部分366の幅378が、出っ張り部364の対向する壁部372と374との間の距離376よりも大きいため、方向124において回転するのを防止される。
【0081】
発射バー122の上端部294は、発射バー282の係合溝部288及び290(図3を参照)で嵌合される。発射トリガー122の上端部294は、対向する表面294A及び294Bを備え、これらは1.46cm(0.574インチ)の距離382だけ離して配置される。対向する表面294Aと294Bとの間の距離382が、第1部分366の幅378よりも大きく、対向する表面294A及び294Bが、係合溝部288及び290内へと第1部分366を通過するのを可能にする。発射バー282の端部384は、ステープルドライバ156の端部386から離れて配置される。往復アンビル調節ロッド114の第1部分366が、方向124において発射トリガー122が回転するのを阻止する結果として、発射バー282の端部384(これは発射バー122と嵌合している)は、発射前のロックされた状態において、ステープルドライバ156を保持しながら、ステープルドライバ156の端部386から離れて配置される位置に留まる。
【0082】
図41〜43は、発射トリガー122を備えるケーシング110に隣接して、発射ゾーンにおいて、閉鎖位置に配置されたアンビルアセンブリ112と、発射する準備がされているが、図38〜40において示されるように、依然としてそれらの同じ発射前の位置にある、ロックされていない状態における間接的に影響されるステープルドライバ156の様々な図を示す。取り付けられた往復アンビル調節ロッド114及びアンビル制御部材120を使用して、アンビルアセンブリ112が、ケーシング110に隣接する発射ゾーンにおける閉鎖位置に配置されたとき、アンビル基部表面220は、ステープルガイド148の端部から離れて0.15〜0.25cm(0.06〜0.100インチ)の範囲で距離388において配置される。アンビル制御部材120は、往復アンビル調節ロッド114のネジ付き端部286を、アンビル制御部材120の嵌合するネジ付きシャフト360の内側部分358から離れて方向390において、アンビル制御部材120の嵌合するネジ付きシャフト360の端部362の方へ、この端部まで移動させる。この移動の結果として、往復アンビル調節ロッド114の第1部分366は、出っ張り部364の対向する壁部372及び374から離れて配置されるように、方向390において移動され、これによって第1部分366は、もはや出っ張り部364と干渉しない。往復アンビル調節ロッド114の第2部分370はまた、出っ張り部364から離れた位置から、出っ張り部364上に配置された位置までの距離390において移動されている。
【0083】
第2部分370が、出っ張り部364の対向する壁部372と374との間の距離376未満である第2部分370の幅380により、発射トリガー122は、隣接する第2部分370に対して当接することなく自由に発射され得る。発射トリガー122の上端部294の対向する面294A及び294Bは、発射バー282の係合溝部288及び290(図3を参照)において依然として嵌合している。発射トリガー122は方向124において回転されていないため、かつ固定されていないが、依然として発射前の位置にあるため、発射トリガー122は、嵌合する発射バー282を動かさず、発射バー282の端部384は依然としてステープルドライバ156の端部386から離間して配置され、ステープルドライバ156をその発射前の位置に残すが、発射に備える。
【0084】
図44〜46は、発射範囲において、ケーシング110に隣接して、閉鎖位置に配置されたアンビルアセンブリ112の様々な図を示し、発射トリガー122が方向124に回転されており、発射トリガー122を発射し、かつ間接的にステープルドライバ156に影響を与えている。往復アンビル調節ロッド114の第1部分366が、出っ張り部364から離間して配置される方向390に予め移動されて、これにより第1部分366は出っ張り部364と、もはや干渉せず、並びに、往復アンビル調節ロッド114の第2部分370の幅380は、出っ張り部364の対向する壁部372と374との間の距離376未満であり、これは第2部分370からの干渉もなく、発射トリガー122が発射されることを可能にする。
【0085】
発射トリガー122の発射中に、発射トリガー122が方向124において回転されるとき、発射トリガー122の上端部294の対向する表面294A及び294Bは、方向392に移動して、発射バー282の対応する嵌合した係合溝部288及び290(図3を参照)に対して当接し、発射バー282もまた方向392において強制的に移動させる。この移動は発射バー282の端部384をステープルドライバ156の端部386に対して押し進め、ステープルドライバ156も発射し、方向392において移動するのを強制する。ステープルドライバ156のこの発射中に、ステープルドライバ156の移動は、環状ステープルホルダ148(図4〜5、7、及び31)から外へステープル104(図7及び31を参照)を放出し、上記のとおり、ステープルドライバ156に取り付けられた環状ブレード126(図31を参照)を用いて組織を切断する。
【0086】
かかる方式において、ロック機構352は自動的に、円形ステープリング機器100のユーザーが手動でロック機構を実行することなく、発射トリガー122、及び対応するステープルドライバ156、並びにステープルドライバ156及びステープル(staples staples)104(図7及び31を参照)の誤発射を防ぐ。更に、アンビルアセンブリ112が開いた位置にあるときはいつでも、ロック機構352は自動的に、発射前の位置にある発射トリガー122、並びに対応するステープルドライバ156及びステープル104(図7及び31を参照)を発射前の位置に自動的にロックし、アンビルアセンブリ112が閉鎖位置にあるときはいつも、発射トリガー122、並びに対応するステープルドライバ156及びステープル104(図7及び31を参照)を自動的に解除する。ロック機構352は、アンビルアセンブリ112が開かれ、閉じられた数に関係なく、かつ、発射トリガー122、並びに対応するステープルドライバ156及びステープル104(図7及び31を参照)が発射されたかどうかに関係なく、この方式で機能する。
【0087】
図47Aは、ステープリングリロードアセンブリ108(図2を参照)がハンドル116に組み立てられて(図2を参照)、アンビル210が開放位置にあるときに、ステープルドライバ156の移動を防ぐ、他のロック機構352Aを有する図1の円形ステープリング機器の他の実施形態を示す。アンビル210が開放位置にあるこの状態では、可撓性戻り止め部材178に隣接する往復アンビル調節ロッド114の部分114Eは、ステープルドライバ156の環状の内部シャフト194の孔196の幅又は直径196Aの寸法より近いが十分近い寸法、幅、又は直径401(図3Bを参照)を有し、可撓性戻り止め部材178が、アンビル調節ロッド114の部分114Eと内側孔表面196Bとの間で、戻り止めバンプ180から屈折して、外れるほどの距離400を有するのを防ぎ、これによって、ひいてはステープルドライバ156の移動及び発射を防ぐ。図47Bに示されるように、アンビル210が閉鎖位置にあるとき、可撓性戻り止め部材178に隣接する往復アンビル調節ロッド114の、より狭い部分114Fは、寸法、幅、又は直径402(図3Aを参照)を有し、これはステープルドライバ156の環状の内部シャフト194の孔196の幅又は直径196Aよりも十分小さい寸法である、寸法、幅、又は直径402(図3Aを参照)を有し、可撓性戻り止め部材178が、アンビル調節ロッド114と内側孔表面196Bとの間で戻り止めバンプ180から屈折して、外れるのを可能にするために十分な距離400を有し、これによってステープルドライバ156の移動及び発射を可能にする。
【0088】
本開示の要約は、読者が早く技術的開示の本質を確認するのを可能にするために提供されている。それは、請求項の範囲若しくは意味を解釈するため又は限定するために使用されないという理解と共に提出されている。更に、前述の詳細な記載において、本開示の合理化の目的に対して、様々な機能は様々な実施形態において一緒に分類されていることが分かるであろう。この開示の方法は、請求する実施形態が、各請求項で明白に列挙されている特徴要素よりも多くの特徴要素を必要とするという趣旨を反映するものとして解釈されるものではない。むしろ、下記の請求項が反映するように、本発明の主題は、一つの開示された実施形態の全ての特徴を超えて存在する。したがって、以下の「特許請求の範囲」は、詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別個の請求されている内容として独立している。本開示の様々な実施形態が記載されてきたが、当業者にとって、他の実施形態及び実行が本開示の範囲内で可能であるということは明かである。したがって、本開示は、添付の「特許請求の範囲」及びそれらと同等のものの考慮を除き、制限されるべきではない。
【0089】
〔実施の態様〕
(1) 円形ステープリング機器のためのアンビルアセンブリであって、
アンビル基部表面、及び前記アンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを備える、一体型のポリマーのアンビルと、
前記アンビル基部表面に取り付けられるステープル形成面と、を備える、アンビルアセンブリ。
(2) 前記アンビルシャフトは少なくとも1つのアライメント面を含む、実施態様1に記載のアンビルアセンブリ。
(3) 前記アンビルは、前記アンビルシャフト及び前記アンビル基部表面の両方を通じて延びる孔を含む、実施態様1に記載のアンビルアセンブリ。
(4) 金属シャフトは前記孔を通じて延びる、実施態様3に記載のアンビルアセンブリ。
(5) 前記金属シャフトの第1端部が、前記アンビル基部表面における前記孔から外へ延び、かつ前記アンビル基部表面の頂部に当接し、前記金属シャフトの第2端部は、前記アンビルシャフトにおける前記孔から外へ延びる、実施態様4に記載のアンビルアセンブリ。
(6) 前記金属シャフトが前記一体型のポリマーのアンビルに取り付けられる、実施態様5に記載のアンビルアセンブリ。
(7) 前記アンビル基部表面に取り付けられた脱離ワッシャを更に備える、実施態様1に記載のアンビルアセンブリ。
(8) 前記アンビルシャフトは、前記アンビル基部表面を通じて延びない前記アンビルシャフト内に延びる孔を含む、実施態様1に記載のアンビルアセンブリ。
(9) 前記アンビルシャフトの前記孔内に延びる金属シャフトを更に含む、実施態様8に記載のアンビルアセンブリ。
(10) 前記金属シャフトは前記一体型のポリマーのアンビルに取り付けられる、実施態様9に記載のアンビルアセンブリ。
【0090】
(11) 円形ステープリング機器であって、
ハンドルと、
アンビル制御部材と、
前記アンビル制御部材に結合される往復駆動シャフトと、
前記往復駆動シャフトに結合されるアンビルアセンブリであって、前記アンビルアセンブリは、アンビル基部表面、及び前記アンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを含む、一体型のポリマーのアンビルと、前記アンビル基部表面に取り付けられるステープル形成面と、を含む、アンビルアセンブリと、を備える、円形ステープリング機器。
(12) 前記アンビルシャフトは、少なくとも1つのアライメント面を含む、実施態様11に記載の円形ステープリング機器。
(13) 前記アンビルシャフトは、前記アンビルシャフト及び前記アンビル基部表面の両方を通じて延びる孔を含み、金属シャフトの第1端部は、前記アンビル基部表面における前記孔から外へ延び、かつ前記アンビル基部表面の頂部と当接し、前記金属シャフトの第2端部は、前記アンビルシャフトにおける前記孔から外へ延び、前記金属シャフトは、前記アンビルシャフト及び前記往復駆動シャフトの両方に取り付けられる、実施態様11に記載の円形ステープリング機器。
(14) 前記アンビルシャフトは、前記アンビル基部表面を通じて延びない前記アンビルシャフト内に延びる孔を含み、金属シャフトは前記アンビルシャフトの前記孔内に延び、前記金属シャフトは、前記アンビルシャフト及び前記往復駆動シャフトの両方に取り付けられる、実施態様11に記載の円形ステープリング機器。
(15) 前記ハンドルに結合されるシャフトアセンブリ、及び前記シャフトアセンブリに結合されるケーシングを更に含み、前記アンビル制御部材は、前記ケーシングから離れた開放位置から、前記ケーシングに隣接する閉鎖位置まで、前記アンビル基部表面を移動するように適合される、実施態様11に記載の円形ステープリング機器。
(16) アンビルアセンブリを製造する方法であって、
成形型内にステープル形成面を配置することと、
前記成形型内でアンビルを前記ステープル形成面に成形することによって前記アンビルアセンブリを形成することであって、成形された前記アンビルが、アンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを有するように成形される、ことと、を含む、方法。
(17) 前記形成されたアンビルアセンブリの前記アンビルシャフトに、別のシャフトを取り付けることを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 脱離ワッシャを、前記形成されたアンビルアセンブリの前記アンビル基部表面に取り付けることを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 前記配置することが、予め製造されたシャフトを前記成形型内に配置することを更に含み、かつ前記形成することは、前記成形型内の前記予め製造されたシャフトに前記アンビルシャフトを成形して、前記アンビルアセンブリを形成することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(20) 前記形成することは、前記成形型内に前記アンビルシャフトを成形して、少なくとも1つのアンビルアライメント面を有することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形ステープリング機器のためのアンビルアセンブリであって、
アンビル基部表面、及び前記アンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを備える、一体型のポリマーのアンビルと、
前記アンビル基部表面に取り付けられるステープル形成面と、を備える、アンビルアセンブリ。
【請求項2】
前記アンビルシャフトは少なくとも1つのアライメント面を含む、請求項1に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項3】
前記アンビルは、前記アンビルシャフト及び前記アンビル基部表面の両方を通じて延びる孔を含む、請求項1に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項4】
金属シャフトは前記孔を通じて延びる、請求項3に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項5】
前記金属シャフトの第1端部が、前記アンビル基部表面における前記孔から外へ延び、かつ前記アンビル基部表面の頂部に当接し、前記金属シャフトの第2端部は、前記アンビルシャフトにおける前記孔から外へ延びる、請求項4に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項6】
前記金属シャフトが前記一体型のポリマーのアンビルに取り付けられる、請求項5に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項7】
前記アンビル基部表面に取り付けられた脱離ワッシャを更に備える、請求項1に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項8】
前記アンビルシャフトは、前記アンビル基部表面を通じて延びない前記アンビルシャフト内に延びる孔を含む、請求項1に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項9】
前記アンビルシャフトの前記孔内に延びる金属シャフトを更に含む、請求項8に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項10】
前記金属シャフトは前記一体型のポリマーのアンビルに取り付けられる、請求項9に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項1】
円形ステープリング機器のためのアンビルアセンブリであって、
アンビル基部表面、及び前記アンビル基部表面から延びるアンビルシャフトを備える、一体型のポリマーのアンビルと、
前記アンビル基部表面に取り付けられるステープル形成面と、を備える、アンビルアセンブリ。
【請求項2】
前記アンビルシャフトは少なくとも1つのアライメント面を含む、請求項1に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項3】
前記アンビルは、前記アンビルシャフト及び前記アンビル基部表面の両方を通じて延びる孔を含む、請求項1に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項4】
金属シャフトは前記孔を通じて延びる、請求項3に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項5】
前記金属シャフトの第1端部が、前記アンビル基部表面における前記孔から外へ延び、かつ前記アンビル基部表面の頂部に当接し、前記金属シャフトの第2端部は、前記アンビルシャフトにおける前記孔から外へ延びる、請求項4に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項6】
前記金属シャフトが前記一体型のポリマーのアンビルに取り付けられる、請求項5に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項7】
前記アンビル基部表面に取り付けられた脱離ワッシャを更に備える、請求項1に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項8】
前記アンビルシャフトは、前記アンビル基部表面を通じて延びない前記アンビルシャフト内に延びる孔を含む、請求項1に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項9】
前記アンビルシャフトの前記孔内に延びる金属シャフトを更に含む、請求項8に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項10】
前記金属シャフトは前記一体型のポリマーのアンビルに取り付けられる、請求項9に記載のアンビルアセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図33A】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図38B】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47A】
【図47B】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図33A】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図38B】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47A】
【図47B】
【公開番号】特開2012−239906(P2012−239906A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−114268(P2012−114268)
【出願日】平成24年5月18日(2012.5.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(595057890)エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド (743)
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−114268(P2012−114268)
【出願日】平成24年5月18日(2012.5.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(595057890)エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド (743)
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
【Fターム(参考)】
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