説明

再生エネルギーシステム

本発明は第1および第2のエネルギー発生装置を備えた再生エネルギーシステムに関し、その目的は孤立した電力ネットワークの環境持続性を改善することである。第1の装置のエネルギー生成は天候や太陽の位置に依存するが、第1の装置は電気エネルギー(これは複数の利用者とつながったネットワークに供給される)を発生できる発電機を具備し、第2の装置は発電機およびそれに接続されたエンジンを具備し、第2の装置は燃料タンクを備え、燃料は必要に応じてエンジンに供給できる。再生可能原料から燃料を生産するユニットが設けられ、特に第1の装置がネットワークにつながった利用者が使用できるよりも多い電力を発生できる場合および/またはネットワークから第1の装置に対するエネルギー要求があった場合、燃料生産ユニットは第1の装置からその運転のためにエネルギーを取り出すが、これは第2の装置へのエネルギー導入を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のエネルギー発生装置および第2のエネルギー発生装置を具備してなる再生エネルギーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
基本的に電力島ネットワークは明らかに既に公知であり、特許文献1または特許文献2に記載のとおり、このものには再生エネルギーシステム(たとえばウインドパーク)が設けられ、しかも第2のエネルギー発生装置として内燃式エンジンもまた存在する。だが、ここで、内燃式エンジンはその燃料を外部供給源から、たとえば石油またはディーゼル油を化石燃料から生産する、たとえば通常のディーゼル油製造所から得る。
【0003】
現時点での従来技術に関するさらなる事情については概して特許文献3、特許文献4および非特許文献1を参照されたい。
【特許文献1】独国特許発明第100 44 096.7号明細書(DE100 44 096.7)
【特許文献2】独国特許発明第102 10 099.3号明細書(DE102 10 099.3)
【特許文献3】独国特許発明第201 13 372号明細書(DE201 13 372U1)
【特許文献4】独国特許出願公開第197 57 619号明細書(DE197 57 619A1)
【非特許文献1】Wolfgang Loser著、「Erster energieautarker Bauernhof in Osterreich」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、電力島(陸上)ネットワークの環境適合性を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の第1および第2のエネルギー発生装置を備えた再生エネルギーシステムによって達成される。
【0006】
これまでに提案された解決策とは対照的に本発明は再生可能なエネルギーシステムを提供するが、これは運転のためのエネルギーを自然から直接得て(すなわちそれは風または太陽光を利用する)、それによって適当な燃料、たとえばナタネ油、アマニ油、ヒマワリ油、バイオガスなどを得るために再生可能な農作物原料(たとえばアブラナ、アサ、ヒマワリ、好ましくはそれぞれ原産の油脂植物など)を処理するが、これは内燃式エンジンによって消費され、それを用いてもし必要とあれば内燃式エンジンは発電機を駆動し、これによって、第1のエネルギー発生装置によって発生ならびに供給可能であるよりもネットワークがより多くのエネルギーを必要とする場合には、電気エネルギーをネットワークに供給することができる。
【0007】
第1のエネルギー発生装置と、そしてさらに第2のエネルギー発生装置とがいずれも再生可能なエネルギーシステムから供給を受けるので、初めて、真の再生エネルギーと言うことができ、さらにこれはまた、第2のエネルギー発生装置用の原料(すなわちたとえばアブラナ)は第1のエネルギー発生装置の周囲の地域(すなわち周囲の農地)で栽培でき、したがって第2のエネルギー発生装置用の原料を提供するための輸送距離およびエネルギーコストは著しく低い、という特有の利点を有する。
【0008】
燃料用の再生可能原料を処理するための設備がアブラナ(ナタネ)ミルである場合、これは、たとえばアブラナ圧搾機およびことによるとポンプまたはコンベア装置あるいはその他のユニットなどを作動させるために、たとえばナタネからナタネ油を圧搾抽出するのに(電気)エネルギーを必要とする。このための電気エネルギーはネットワークからあるいは第1のエネルギー発生装置から直に取り出され、この結果、それは続いて、ネットワークの他の消費者が利用できない電気エネルギーを発生させる。
【0009】
再生エネルギー、すなわち風力エネルギーの超過供給状況が生じ得るのは、まさに、ネットワーク負荷が低く(たとえば夜間)、しかも同時に強い風が吹いているときである。それがその場合に圧搾機を作動させるために使用されると、ネットワークからエネルギーが取り出されるにもかかわらず、油の生産は常に依然として再生エネルギーを用いて実施される。したがって風力エネルギーの超過供給はまた、運営者の視点からも、そしてまた環境にやさしいという意味でも、極めて適切な様式で利用できる。
【0010】
島(陸地)ネットワークに本発明による再生エネルギーシステムを設けることは特に好ましく、これによって(その可能な限り最大限の割合で)電気エネルギー生成は再生エネルギー生成に係る全ての要求に合致し、そしてこの点に関してとりわけ有利なのは、そうした生成がまた独国REL(再生エネルギー法)の規定を満たし、したがってネットワークに供給される全ての電気エネルギーはまたRELに基づいて支払いを受けることができることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図1に示す実施形態を用いて本発明について説明する。
【0012】
図1には、第1のエネルギー発生装置1として風力発電設備を示すが、これはまた風力発電パーク(wind park)全体を示すものでもある。風力発電設備の個々のコンポーネントについては本明細書ではこれ以上説明しない。風力発電設備の発電機(図示せず)で生成されたエネルギーは整流器(20)によって整流され、そしてDCバス2(DC中間回路)へと供給されるが、その出力端には変換装置3が設けられており、この変換装置3は直流電流を交流電流(三相電流)へと変換し、この交流電流は変圧器(図示せず)によってネットワーク5へと供給される。
【0013】
加えて、アブラナ(ナタネ)ミル6は、農産物に由来する再生可能原料を処理するための設備の形態である。アブラナミル6はそれ自身の運転のための電気エネルギーを風力発電設備1の発生装置ラインから、したがって風力発電設備1からあるいはネットワーク5から直に取り出す。
【0014】
アブラナミルはアブラナサイロ7を有するが、この中には収穫されたアブラナが収容されており、アブラナサイロ7内のアブラナは必要なときにアブラナミル6内のアブラナ圧搾機へと供給され、この結果、アブラナ圧搾機の運転時、一方ではナタネ油が、そして他方ではアブラナ廃棄物が生成される。ナタネ油8は必要とあればろ過するかあるいは浄化でき(ろ過および浄化段階は図示せず)、しかも続いて内燃式エンジン10に対して直に供給でき、エンジン10はナタネ油1によって運転される。このエンジンは発電機11に接続され、この発電機11はエンジン10によって駆動され(必要とあればエンジンと発電機との間にクラッチを設けることもできる)、これによって電気エネルギーはまた、ネットワーク5へと直に、あるいはDC中間回路への供給を経て供給できる。
【0015】
アブラナ廃棄物9はバイオガス設備12に自動的に供給できるが、これはアブラナ廃棄物から、そして必要とあれば、その他の農業に関する生物分解生成物、たとえば液状厩肥、排ふんなどからバイオガス13を生産する。バイオガスはタンク14に収容でき、そしてこのタンクから、第1のエンジン10あるいはさらなる内燃式エンジン14のいずれかへと直に供給できる。この場合、さらなるエンジン14は、それ自身の発電機(図示せず)または発電機11のいずれかに対して、バイオガス運転のみであるいはナタネ油の燃焼を伴って、ネットワークに供給される電気エネルギーを発生させるべく発電機を駆動するために接続できる。
【0016】
本発明は数多くの変形例が実施可能であり、好ましくはナタネ油タンクまたはバイオガスタンクは、可能な限り最も確実なレベルで、さらに具体的に言うと風力発電設備が、風が弱いために長期間にわたってエネルギーを発生できないときでさえ、電気エネルギーをネットワークのために絶え間なく供給できるように設計される。とにかく、ナタネ油および/またはバイオガス用の燃料の貯蔵に関しては、第1のエネルギー発生装置1なしでさえ、7ないし14日間にわたってネットワークの運用が確実に可能となるように設計されるべきである。
【0017】
上記説明がアブラナミルに関するものである限り、当然ながら、その他の農耕栽培可能であってかつ再生可能な原料、たとえばアマニ(アサ)、ヒマワリ種子あるいはその他の油を採るための農作物などもまた使用できることに留意されたい。この場合、これら作物は、たいていは殻を有するが、これは同様に廃棄物としてバイオガス設備に供給できる。
【0018】
本発明による再生エネルギーシステムの設計に関して、第2のエネルギー発生装置の定格出力は第1のエネルギー発生装置の定格出力の少なくとも概ね10ないし40%の範囲にあり、好ましくは当該エネルギー発生装置の定格出力の概ね20ないし35%の範囲にあり、最大でも第1のエネルギー発生装置の定格出力の範囲にある。
【0019】
第1のエネルギー発生装置の定格出力は概ね50ないし250MW(あるいはそれ以上)の範囲に、好ましくは概ね80ないし150MW(あるいはそれ以下)の範囲にある。単一の風力発電設備の場合、定格出力はまた数百kWないし数MWの範囲にあってもよい。
【0020】
必要とあれば、一方ではネットワークへの十分なエネルギー供給を実現するために、あるいは他方ではまたアブラナミルを作動させるために、上記貯蔵手段に蓄えられたエネルギーに頼ることができるように、上記特許文献1および特許文献2で説明すると共に開示したさらなる電力仮貯蔵手段をエネルギー供給システムに組み込むこと、すなわちたとえば化学式あるいは電気式あるいは機械式仮貯蔵手段をDC中間回路に接続することもまた可能であることに留意されたい。
【0021】
さらに、ナタネ油のみを上述したように内燃式エンジンに供給するだけでなく、それに加えてあるいはまた完全にそれに代わるものとして、生産されたバイオガスを内燃式エンジンに対して供給することも可能である。バイオガスのみが内燃式エンジンに供給され、したがって電気エネルギーの生成に使用される場合、生産されたナタネ油はさらに別個に使用でき、たとえばバイオディーゼル油製造所に供給できる。他方、好ましいことにナタネ油が内燃式エンジンのために、したがって電気エネルギー生成のために使用される場合、生産されたバイオガスはまた、たとえば住宅あるいは農作物施設に熱を供給するために火力発電カップリングに供給できる。
【0022】
やはり図1から分かるように制御装置16が存在し、これを用いることで、エネルギーシステム全体の個々の部分を概ね制御できる。制御装置はまたネットワークの消費を検出し、必要とあれば、インバーターを制御することで、無効電力の所望の成分をネットワークに供給する。さらに、一方ではネットワークの消費を、そして他方では第1のエネルギー発生装置1の発生装置能力をモニターすることで、特に第1のエネルギー発生装置の発生装置出力がネットワークにおける消費よりも大きなものである場合にアブラナミルに対して「超過」発生装置出力を供給するために、したがってまた消費者全体(すなわちまた消費者ネットワーク)に関するさらに規模の大きな制御された消費を実現するために、内燃式エンジン(すなわち第2のエネルギー発生装置)による生産が開始されかつ/またはアブラナ圧搾機が運転状態に置かれる限度に関する決定を制御システムは下すことができる。この場合、制御された消費者(すなわちアブラナミルおよびそれに接続されたユニット)はただの受動的消費者ではなく、それはまた燃料自体を生産することができ、この燃料は続いてもし必要とあれば今度は内燃式エンジン内でエネルギーへと変換され、このエネルギーはその場合には発電機11によってネットワークに供給できる。
【0023】
制御装置16はまた、生産者側の「超過」電気エネルギーをアブラナミルで直ぐに消費するか、あるいは、まずは、設けられたその他の電気的貯蔵手段、たとえば電気化学的貯蔵手段、電気的貯蔵手段(コンデンサー)あるいは機械的貯蔵手段(フライホイール)における中間貯蔵装置に供給するかを決定できるが、これは、生産者側の「超過」量が消費者側で必要な量をいくらかだけ上回る場合に好適である。制御システムによってまた、アブラナミルが運転状態にあり、したがってネットワークの消費が増大しているとき、まずは中間貯蔵手段からのエネルギーを、アブラナミルの起こり得る短期間の運転停止をそれによって防止するために、アブラナミルの運転を維持し続けるのに使用されるようにすることができる。
【0024】
さらに、上記制御システムによって、ネットワークに接続された大口消費者が現時のおよび/または将来の消費(エネルギー需要)について連絡してきたときに(これはまた本発明によるエネルギー発生システムにネットワークを介して伝達される電子制御信号によって実現できる)、著しく増大する消費によって起こり得るネットワークの問題を未然に防止するために、しかるべき時に内燃式エンジンを運転状態にさせることが可能となる。
【0025】
上記制御システムによってまた、個々の設備および再生エネルギーシステム全体の一部の始動に関するドキュメンテーションの全部が確実に実行され、そして特に当該制御システムによって、個々のコンポーネント(たとえば風力発電設備)の故障時、メンテナンスのために、設備の他の部分(たとえば内燃式エンジン)が、設備のこれら故障した部分に取って代わることができるようになり、この結果、消費者サイドに関してサブシステムの故障がネットワークの問題につながらなくなる。
【0026】
本発明はさらに以下の魅了的な代替例を含む。
【0027】
再生エネルギーシステムは、
・そのエネルギー生成が天候および/または太陽の位置に依存する第1のエネルギー発生装置であって、発電機を有し、この発電機によって電気エネルギーが生成され、この電気エネルギーは、それに対して複数の消費者が接続される電力ネットワークに供給されるようになっている第1のエネルギー発生装置と、
・発電機およびこの発電機に対して接続された内燃式エンジンを有する第2のエネルギー発生装置であって、必要なときに内燃式エンジンに供給できる燃料が充填されたタンクを有し、設備は再生可能な原料から燃料を生産するよう構成されてなると共に、燃料生産設備は第1のエネルギー発生装置に対して電気的に直接接続されており、この接続は好ましくはエネルギーシステムのDC電圧中間回路および/または出力側にAC電圧が存在する第1のエネルギー発生装置の一部に対してなされている第2のエネルギー発生装置とを具備してなり、上記燃料生産設備は、特に、
a)第1のエネルギー発生装置の現時の出力が、所定値、たとえば第1のエネルギー発生装置の定格出力の60〜80%の値を上回り、かつ/または、
b)第1のエネルギー発生装置が、ネットワークにつながった消費者が消費するよりも多くの電気エネルギーを生成でき、かつ/または、
c)第2のエネルギー発生装置のタンク内の燃料が所定の充填レベル、たとえば基準充填レベルの20%の値を下回り、かつ/または、
d)第2のエネルギー発生装置が所与の、たとえば1時間当りXリッターの燃料消費を呈するときに、
第1のエネルギー発生装置から、その運転のための電気エネルギーを取り出すようになっている。
【0028】
同図には、アブラナミル6が整流器20の出力側でDC電圧中間回路に対して電気的に接続されていることが示されている。電気的接続はまた、インバーター3の出力側あるいは発電機1の出力側での電気的接続により第1のエネルギー発生装置によって実現できることを、すなわち電気的接続はAC電圧を運ぶ第1のエネルギー発生装置の一部に対するものであることを理解されたい。
【0029】
この形態の格別の利点は、アブラナミルのために第1のエネルギー発生装置によって利用可能となったエネルギーは初めに全くネットワークには流れ込まず、したがってネットワーク側で支払いを受けることもないが、ネットワーク報酬は概してネットワークから電力を買うために発生するコストよりも少ないので、この解決策はまた経済的にとりわけ有利であるというものである。
【0030】
たとえ図示していなくても、生産されたナタネ油は、高レベルの純度を得るために通常は何度も濾過され、そして特にまた、そうした濾過および浄化段階のための電気エネルギーは第1のエネルギー発生システムから直に分岐させることができる点に留意されたい。
【0031】
最後に、特に、ナタネ油タンクはまたフュエリング(燃料補給)ポイントを有することができ、これによってシステム全体の運営者はまたナタネ油自体を、たとえばトラクターあるいはトラックにおいて使用でき、あるいはまた販売するかまたその他の方法で処分できることにもまた留意されたい。
【0032】
本発明のさらに有利な形態ではまた、アブラナミルすなわちアブラナ圧搾機(すなわち油を生産するための装置)は移動式装置(たとえば、トラックなどの車両に搭載された固定設備)の形態となるようにすることができる。これは次のような利点を有する。すなわち、その場合にもし必要であれば油を生産すべきとき本発明による再生エネルギーシステムにそうしたアブラナ圧搾機をまた導入でき、そして十分な油が生産され、この油がタンク内に存在するかあるいはアブラナ源(すなわちそこから農産物由来の油のみをとにかく得ることができる供給源)を使い果たしたとき、移動式アブラナ圧搾機は本発明による他の再生エネルギーシステムに組み込むことができる。この解決策は次のような利点を有する。すなわち、アブラナ圧搾機は本発明による各再生エネルギーシステムのために固定的に設ける必要はなく、移動式アブラナ圧搾機はまたさまざまな再生エネルギーシステムに引き続いて組み込むことができるが、これによってそうしたアブラナ圧搾機に関する設備投資はかなり大きな価値を生じる。そうした移動式アブラナ圧搾機はその場合にはまた、先に説明したように本発明による再生エネルギーシステムに電気的に組み込むことができるようにするために、あらゆる電気的接続部を有することを理解されたい。
【0033】
移動式アブラナ圧搾機が現在のところ公知でない限り、本出願の対象事項はまたそうしたアブラナ圧搾機それ自体である。これは、電気的に作動可能でありかつその作動のために第1のエネルギーシステムから電気エネルギーを取り出すアブラナ圧搾機を含み、かつ/または車両は、それを用いて圧搾機を作動させることができる発電機または駆動源を有し、これによってこの移動式アブラナ圧搾機は、たとえ第1の再生エネルギーシステムに対して接続できなくても、いかなる場所においても使用可能である。発電機または車両の駆動源はエンジン(これは今度はディーゼル油あるいはまたナタネ油自体を使用する)によってやはり駆動できる。
【0034】
好ましくは、圧搾機を備えたそうした車両はまた、抽出されたナタネ油を濾過するためのフィルター装置を有する。
【0035】
本出願におけるナタネ油はナタネ油ただそれだけを意味するのではなく、農産物(たとえばヒマワリ油など)から生産できるその他の油をも意味することを再度強調する。
【0036】
移動式アブラナ圧搾機は車両トレーラーによって運搬できる。その場合、圧搾機部分だけでなく、必要とあれば抽出されたナタネ油を濾過するかあるいはさらに処理するためのさらなる部分を車両トレーラーに搭載できる。アブラナ圧搾機へのエネルギー供給に関しては、上述したとおり、圧搾機が電気的接続によって電気エネルギーの供給を受けるようにすることができる。これに加えてあるいはこれに代えて、ディーゼル発電機あるいはディーゼル動力源をトレーラーに搭載することもできるが、これは圧搾機のために必要なエネルギー(それが電流の形態であってもあるいは圧搾機がその近くのディーゼルエンジンによる直接駆動方式で駆動される場合でも)を提供する。圧搾機のための駆動源に関するさらなる可能性によればまた、圧搾機自体が、トラクターの駆動部(たとえばその動力取り出し装置駆動シャフト)に接続可能な動力取り出し装置接続部などを有するよう構成でき、この結果、農業車両(すなわちたとえばトラクター)によって圧搾機をナタネ油抽出のために駆動できる。アブラナ圧搾機がトラクターの動力取り出し装置用のそうした接続部を備える場合、トラクターのみを圧搾機まで移動させればよく、続いてそれを動力取り出し装置シャフトリンケージを用いて圧搾機自体に接続することができるように、適切な長さの動力取り出し装置シャフトリンケージもまた車両に設けられることが特に有利である。
【0037】
本発明のとりわけ有利な形態は、たとえばアブラナあるいはヒマワリ種子のような農作物原料から、燃料(たとえば油)を抽出するための移動式装置を含む。この場合、アブラナ圧搾機は移動式ベース(たとえば車両または車両トレーラー)の上に搭載され、もし必要とあればそれに対して固定される。この場合、アブラナ圧搾機のために、車両に搭載されたアブラナ圧搾機と共に配置される駆動源が設けられ、かつ/またはアブラナ圧搾機用の駆動源が車両とは別個に設けられ、そしてそうした外部駆動源は適当な接続部(たとえば動力取り出し装置シャフト接続部)を介してアブラナ圧搾機に対して接続できる。本発明によるそうした移動式アブラナ圧搾機はまた、圧搾された原料を、そして最終的にはまた抽出された油に関する最初の放出物あるいは圧搾廃棄物(たとえばアブラナ廃棄物)に関するさらなる放出物を収容するかあるいは受け入れるための接続部を有する。圧搾機のトレーラーはまた、抽出された油を受けるためのタンクを備えることができる。だが、搭載されたタンク内に抽出された油が供給される、さらなるトレーラーを設けることも可能である。だが、抽出された油を固定タンク内へと直に圧送することもまた可能であり、その場合、抽出された油は、このタンクから第2の再生エネルギーシステムへと供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第1のエネルギー発生装置として風力発電設備を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 第1のエネルギー発生装置(風力発電設備)
2 DCバス
3 変換装置(インバーター)
5 ネットワーク
6 アブラナミル
7 アブラナサイロ
8 ナタネ油
9 アブラナ廃棄物
10 内燃式エンジン
11 発電機
12 バイオガス設備
13 バイオガス
14 タンク
16 制御装置
20 整流器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生エネルギーシステムであって、
そのエネルギー生成が天候および/または太陽の位置に依存する第1のエネルギー発生装置と、
発電機およびこの発電機に接続された内燃式エンジンを有する第2のエネルギー発生装置と、を具備してなり、
前記第1のエネルギー発生装置は発電機を有し、この発電機によって電気エネルギーが発生させられ、この電気エネルギーは複数の消費者とつながっている電力ネットワークに供給されるようになっており、
前記第2のエネルギー発生装置は必要なときに内燃式エンジンに供給できる燃料が充填されたタンクを有し、設備は再生可能な原料から燃料を生産するよう構成されてなると共に、前記燃料生産設備は、特に、第1のエネルギー発生装置がネットワークにつながった消費者が消費するよりも多くの電気エネルギーを発生でき、かつ/または前記ネットワークからの前記第1のエネルギー発生装置に対するエネルギー需要が存在するときに、前記第1のエネルギー発生装置からその運転のための電気エネルギーを取り出し、これによって前記第2のエネルギー発生装置へのエネルギー供給を可能とするようになっていることを特徴とする再生エネルギーシステム。
【請求項2】
前記第1のエネルギー発生装置が発生する電気エネルギーが前記ネットワークにおいて消費される電気エネルギーを下回った場合に、燃料が第2の内燃式エンジンに供給されかつ電気エネルギーが前記ネットワークに供給されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギーシステム。
【請求項3】
前記第1の発生装置は、別個の風力発電設備または風力発電パークおよび/または太陽光発電設備であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の再生エネルギーシステム。
【請求項4】
再生可能な原料から燃料を生産するための前記設備は搾油機(6)であり、この搾油機(6)は、前記原料から燃料油(8)および/または廃棄物を得るようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の再生エネルギーシステム。
【請求項5】
前記得られた油(8)は、前記内燃式エンジンへの供給に先立って、浄化段階を通過し、かつ/または前記油(8)から、タンク(14)に貯蔵されるオイルメチルエステル(バイオディーゼル油)を得るために任意選択でメタノールと混合させられるようになっていることを特徴とする請求項4に記載の再生エネルギーシステム。
【請求項6】
前記廃棄物(9)は、この廃棄物(9)を処理して、それからバイオガス(13)を生産するバイオガス設備に供給されると共に、生産されたバイオガス(13)は単独で、あるいは任意選択で前記油(8)と共にあるいはバイオディーゼル油と一緒に内燃式エンジンに供給され、この内燃式エンジンはまたそれに対して接続された発電機を駆動できるようになっていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の再生エネルギーシステム。
【請求項7】
再生可能原料は、アブラナ、アサ、ヒマワリおよび/またはアマニを含むことを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の再生エネルギーシステム。
【請求項8】
前記第2のエネルギー発生装置は、前記第1のエネルギー発生装置の定格出力の10ないし40%の範囲の、好ましくは前記第1のエネルギー発生装置の定格出力の20ないし35%の範囲の定格出力を有するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の再生エネルギーシステム。
【請求項9】
前記第1のエネルギー発生装置の前記定格出力は、50ないし250MWの範囲、好ましくは80ないし150MWの範囲のものであることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の再生エネルギーシステム。
【請求項10】
前記再生エネルギーシステムの個々のサブシステムを制御すると共にこの個々のサブシステムを、特にまた電力ネットワークにおける消費をモニターし、かつ前記ネットワークにおける消費および発生エネルギーのモニタリングに基づいて、特に、前記第1の発生装置によって発生できるエネルギーの可能な限り多くをシステム全体のために使用できるように前記個々のサブシステムを制御する制御装置(16)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の再生エネルギーシステム。
【請求項11】
生産者側に請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の再生エネルギーシステムを備えたことを特徴とする電力島ネットワーク。
【請求項12】
再生エネルギーシステムであって、
そのエネルギー生成が天候および/または太陽の位置に依存する第1のエネルギー発生装置と、
発電機およびこの発電機に対して接続された内燃式エンジンを有する第2のエネルギー発生装置と、を具備してなり、
前記第1のエネルギー発生装置は発電機を有し、この発電機によって電気エネルギーが発生させられ、この電気エネルギーは複数の消費者とつながっている電力ネットワークに供給されるようになっており、
前記第2のエネルギー発生装置は必要なときに内燃式エンジンに供給できる燃料が充填されたタンクを有し、設備は再生可能な原料から燃料を生産するよう構成されてなると共に、前記燃料生産設備は前記第1のエネルギー発生装置に対して電気的に直接接続されており、前記接続は好ましくはエネルギーシステムのDC電圧中間回路および/または出力側にAC電圧が存在する前記第1のエネルギー発生装置の一部に対してなされており、前記燃料生産設備は、特に、
a)前記第1のエネルギー発生装置の現時の出力が所定値、たとえば前記第1のエネルギー発生装置の定格出力の60〜80%の値を上回り、かつ/または、
b)前記第1のエネルギー発生装置が、前記ネットワークにつながった消費者が消費するよりも多くの電気エネルギーを生成でき、かつ/または、
c)前記第2のエネルギー発生装置のタンク内の燃料が所定の充填レベル、たとえば基準充填レベルの20%の値を下回り、かつ/または、
d)前記第2のエネルギー発生装置が所与の、たとえば1時間当りXリッターの燃料消費量を有するときに、
前記第1のエネルギー発生装置から、その運転のための電気エネルギーを取り出すようになっていることを特徴とする再生エネルギーシステム。
【請求項13】
請求項2ないし請求項11に記載された一つ以上の特徴部を有することを特徴とする請求項12に記載の再生エネルギーシステム。

【図1】
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【公表番号】特表2008−515367(P2008−515367A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532895(P2007−532895)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【国際出願番号】PCT/EP2005/054743
【国際公開番号】WO2006/032685
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(500017944)アロイス・ヴォベン (107)
【Fターム(参考)】