説明

写経用紙

【課題】 従来の写経用紙には表面に経文が印刷されているためインキの影響で紙に直接墨がのらず書き心地が悪い、初心者に敷居が高く上手に書き写す事ができない、下敷きの手本がズレるなどの問題があった。そのため写経を途中で挫折してしまう者や、写経を始める事を躊躇する者が多かった。そこで様々な効用や功徳があるとされている写経の普及には、誰にでも簡単で上手に書く事のできる写経用紙を発明する必要があった。
【解決手段】 用紙の裏面に手本となる写経の経文を逆向きに印刷し、表面から透けて見える経文をなぞり書きができるようにした。本考案の写経用紙ではインキの影響で紙に直接墨がのらず書き心地が悪くなる事がない。また、手本と罫紙がズレる心配もなく、意識を集中し写経をする事ができる。にじみの少ないサイジング処理された用紙を採用する事で美しい経文が書ける。以上の理由より写経を手軽に誰にでも始める事ができ、上達も早いため、写経の普及に大きく貢献する事ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は用紙の裏面に手本となる写経の経文を逆向きに印刷し、表面から透けて見える経文をなぞり書きができる写経用紙に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の写経の方法としは、手本となる写経の経文を参照しながら罫紙に書き写す、手本となる写経の経文を罫紙の下敷きにして透けて見える経文をなぞり書きする、表面に薄く印刷された手本となる写経の経文をなぞり書きする、裏面に用紙と同系色のインキで経文を逆向きに印刷し黒系統の下敷き等を使用することにより手本の経文を白く浮き上がさせそれをなぞり書きするものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−5381
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表面に薄く印刷された手本となる写経の経文をなぞり書きする方法では表面に経文が印刷されているため、インキの影響で紙に直接墨がのらず書き心地が悪い。
【0005】
手本となる写経の経文を罫紙の下敷きにして透けて見える経文をなぞり書きする方法では、手本と罫紙がズレてしまう問題があり、意識を集中できず写経を楽しむ事ができない。
【0006】
裏面に用紙と同系色のインキで経文を逆向きに印刷し、黒系統の下敷き等を使用することにより手本の経文を白く浮き上がさせ、それをなぞり書きする方法では、用紙の下に黒系統の下敷き等を使用する必要があり、白く浮き上がった手本となる経文がはっきり見えないためなぞり書きが困難である。
【0007】
【0007】
手本となる写経の経文を参照しながら罫紙に書き写す方法では上手に書き写す事が難しく、初心者やこれから始める者にとって敷居が高い。
【0008】
従来の写経用紙は毛筆で書いた際ににじみが多く、美しい経文が書けない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では前述の問題を解決するため、図2に示すように用紙の裏面に手本となる写経の経文を逆向きに印刷し、表面から透けて見える経文をなぞり書きできるようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
用紙の裏面に手本となる写経の経文を逆向きに印刷する事により、表面に薄く印刷された手本となる写経の経文をなぞり書きする方法とは違い、直接紙に墨をのせるので、自然な書き心地である。
【0011】
用紙の裏面に手本となる写経の経文を逆向きに印刷する事により、手本を下敷きにして透けて見える写経の経文をなぞり書きする方法とは違い、手本と罫紙がズレる心配もなく、意識を集中し写経をする事ができる。
【0012】
用紙の裏面に手本となる写経の経文を逆向きに印刷する事により、裏面に用紙と同系色のインキで経文を逆向きに印刷し、黒系統の下敷き等を使用することにより手本の経文を白く浮き上がさせ、それをなぞり書きする方法とは違い、用紙の下に黒系統の下敷き等を使用する必要がなく、手本となる経文が黒く透けて見えるのでなぞり書きが容易である。
【0013】
写経用紙に紙の液体を吸収する性質を抑える技術であるサイジング処理を施した用紙を使う事でにじみが少なく、美しい経文が書ける。
【0014】
本発明を施した写経用紙は前述の課題を全て解決しており、初心者やこれから写経を始める者にとって敷居が低く、手軽に写経の世界を楽しむ事ができる。
【0015】
写経には様々な効用があるとされている。脳の活性化により認知症の予防になる事、字がうまくなる事、ストレスを解消し安定した精神を保つ事、集中力や忍耐力の向上などである。今まで敷居が高く途中で挫折した人、なかなか始める事ができなかった人も本発明の写経用紙を使用する事により、前述したような写経の様々な効用を受ける事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のサイジングによりにじみを抑えた写経用紙の表面。
【図2】本発明の写経の経文を逆抜きに印刷した写経用紙の裏面
【発明を実施するための形態】
【0017】
写経用紙の表面には図1のように罫線と経文以外の文字のみが印刷されており、裏面に逆向きに印刷された経文が透けて見える。
【0018】
写経用紙の裏面には図2のように経文が逆向きに印刷されている。
【0019】
写経用紙に紙の液体を吸収する性質を抑える技術であるサイジング処理を施したにじみの少ない用紙を採用。
【実施例】
【0020】
写経用紙の表面には裏面に逆向きに印刷された経文が透けて見え、それを毛筆などでなぞり書きする。
【産業上の利用可能性】
【0021】
寺院、高齢者福祉施設、病院、学校などで利用すれば写経のもつ様々な効用が期待できる。
【符号の説明】
【0022】
1 サイジングによりにじみを抑えた写経用紙
2 表面から透けて見える裏面に逆向きに印刷された写経の経文
3 裏面に逆向きに印刷された写経の経文

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の裏面に手本となる写経の経文を逆向きに印刷し、表面からは裏面に印刷された経文が透けて見える事を特徴とした写経用紙。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−106467(P2012−106467A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269751(P2010−269751)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(510319432)創文社印刷株式会社 (1)