説明

冷凍機の抽気装置及び抽気方法

【課題】抽気タンク内に空気、水素等の不凝縮ガスが残留することを防止でき、冷凍機内への不凝縮ガス及び外気の逆流を防止できる冷凍機の抽気装置及び抽気方法を提供すること。
【解決手段】冷凍機1の抽気装置5は、冷凍機1内に存在する不凝縮ガスGを除去する。抽気装置5は、蒸発器31内の冷媒Aを循環させるために用いる抽気タンク61と、抽気タンク61と蒸発器31とを循環する循環配管8と、蒸発器31から抽気タンク61へ冷媒Aを送り出す抽気用ポンプ71と、抽気タンク61から蒸発器31への冷媒Aの流れを遮断可能である遮断弁72と、冷凍機1内に存在する不凝縮ガスGを抽気タンク61へ抽気するための抽気手段73と、抽気タンク61に充満されて溢れ出す冷媒Aを流入させるための補助タンク62とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍機内に存在する不凝縮ガスを除去する抽気装置及び抽気方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸着式冷凍機、吸収式冷凍機等の冷凍機においては、真空状態にした蒸発器、凝縮器等の容器内に冷媒を入れておき、蒸発器内において冷媒を蒸発させるときの気化熱を利用して冷水を作り出す。かかる冷凍機は、容器内に冷媒を注入し容器内を真空状態にした状態で出荷されている。
ところが、冷凍機の使用を継続すると、容器、配管等のシール部分からの微少な空気の侵入、あるいは内部腐食に伴う水素の発生等によって、容器内には、空気、水素等の気体が不凝縮ガスとして蓄積されることになる。この不凝縮ガスは、容器内に残留すると、冷媒が蒸発・凝縮を行う際の妨げになり、冷凍機の性能が悪化する。そのため、容器内の不凝縮ガスを吸い出して排出する種々の抽気装置が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1においては、吸収冷凍機の内部を真空引きする抽気装置と、抽気装置によって吸引された気体を貯蔵する抽気タンクと、抽気タンクに貯蔵される気体を外部へ排出するパラジウムセルとを有する吸収冷凍機が開示されている。この吸収冷凍機においては、パラジウムセルが、所定の温度になったときに、水素を通過させる一方、空気は通過させない性質を利用して、水素を外部へ排出している。
また、例えば、特許文献2においては、溶液ポンプによって、臭化リチウム等の吸収液を吸収器から再生器へ送る際に、液流下式抽気装置によって、吸収器内の不凝縮ガスを気液分離器へ引き込んで排出することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−295929号公報
【特許文献2】特開平5−264132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2においては、抽気タンク又は気液分離器において単純に気液分離を行って、気相分の不凝縮ガスと、液相分の溶液とに分離する。そのため、この気液分離を行った後に、抽気タンク又は気液分離器に残留する空気等の不凝縮ガスを大気へ排出するために、水エジェクタ、真空ポンプ等の大気圧に耐え得る装置が別途必要になる。
【0006】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、抽気タンク内に空気、水素等の不凝縮ガスが残留することを防止することができ、冷凍機内への不凝縮ガス及び外気の逆流を防止することができる冷凍機の抽気装置及び抽気方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、真空状態の蒸発器内に入れられた冷媒を蒸発させるときの気化熱を利用して冷水を作り出す冷凍機に対して設置され、該冷凍機内に存在する不凝縮ガスを除去する抽気装置であって、
上記蒸発器内の冷媒を循環させるための抽気タンクと、
該抽気タンクと上記蒸発器とを循環する循環配管と、
該循環配管に配設され、上記蒸発器から上記抽気タンクへ冷媒を送り出す抽気用ポンプと、
上記循環配管に配設され、上記抽気タンクから上記蒸発器への冷媒の流れを遮断可能である遮断弁と、
上記蒸発器から上記抽気タンクへ送り出される冷媒を利用して、上記冷凍機内に存在する不凝縮ガスを上記抽気タンクへ抽気するための抽気手段と、
上記抽気タンクの上方に接続され、上記抽気タンクに充満されて溢れ出す冷媒を流入させるための補助タンクとを備えていることを特徴とする冷凍機の抽気装置にある(請求項1)。
【0008】
第2の発明は、上記冷凍機の抽気装置を用い、
上記抽気用ポンプを動作させるとともに上記遮断弁を開け、上記蒸発器内の冷媒を上記抽気タンクとの間で循環させる際に、上記抽気手段によって上記冷凍機内に存在する不凝縮ガスを上記抽気タンクへ引き込む抽気工程と、
上記抽気用ポンプを動作させるとともに上記遮断弁を閉じ、上記蒸発器内の冷媒を上記抽気タンク内に充満させて上記補助タンクへ溢れ出させる際に、上記抽気タンク内に引き込まれた不凝縮ガスを上記補助タンクへ排出する排出工程とを行うことを特徴とする冷凍機の抽気方法にある(請求項6)。
【発明の効果】
【0009】
第1の発明の冷凍機の抽気装置においては、抽気用ポンプ及び抽気手段を用い、抽気用ポンプが蒸発器内の冷媒を抽気タンクへ送り出す動作によって、冷凍機内に存在する不凝縮ガスを抽気タンクへ抽気する。そして、抽気タンクに不凝縮ガスを抽気した後には、遮断弁を閉じて抽気用ポンプを動作させる。このとき、抽気用ポンプによって抽気タンクへ送り出される冷媒は、抽気タンクを充満して補助タンクへ溢れ出す。
これにより、抽気タンク内に抽気した空気、水素等の不凝縮ガスの全てを補助タンクへ排出することができる。そして、補助タンクから大気等の外部へ不凝縮ガスを排出することができる。
【0010】
そのため、抽気タンク内における不凝縮ガスの残留を防止することができる。そして、真空状態(大気圧よりも低い状態)にある抽気タンクから大気へ不凝縮ガスを排出するための水エジェクタ、真空ポンプ等の装置を別途用いる必要がなくなる。また、抽気タンク内を冷媒によって充満させ、抽気タンク内における不凝縮ガスの残留を防止することにより、再び抽気用ポンプ及び抽気手段によって不凝縮ガスの抽気を行う際に、不凝縮ガス及び外気が冷凍機内へ逆流しないようにすることができる。
【0011】
それ故、第1の発明の冷凍機の抽気装置によれば、抽気タンク内に空気、水素等の不凝縮ガスが残留することを防止することができ、冷凍機内への不凝縮ガス及び外気の逆流を防止することができる。
【0012】
第2の発明の冷凍機の抽気方法においては、上記抽気工程及び排出工程を行うことにより、第1の発明と同様に、抽気タンク内に空気、水素等の不凝縮ガスが残留することを防止することができ、冷凍機内への不凝縮ガスの逆流を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例にかかる、抽気動作(抽気工程)を行う状態の抽気装置を示す説明図。
【図2】実施例にかかる、充満動作(充満工程)を行う状態の抽気装置を示す説明図。
【図3】実施例にかかる、冷凍機の運転を行う状態の抽気装置を示す説明図。
【図4】実施例にかかる、第1の吸脱着器を吸着器とし、第2の吸脱着器を脱着器として運転する状態の冷凍機を示す説明図。
【図5】実施例にかかる、第1の吸脱着器を脱着器とし、第2の吸脱着器を吸着器として運転する状態の冷凍機を示す説明図。
【図6】実施例にかかる、冷凍機の抽気方法を示すフローチャート。
【図7】実施例にかかる、他の抽気装置を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上述した第1、第2の発明の冷凍機の抽気装置及び抽気方法における好ましい実施の形態につき説明する。
第1、第2の発明において、上記冷凍機は、吸着器と脱着器とにおける固体吸着剤への冷媒蒸気の吸着及び脱着を繰り返して、蒸発器と凝縮器とに冷媒を循環させ、蒸発器内に挿通させた蒸発管内に冷水を作り出す吸着式冷凍機とすることができる。また、上記冷凍機は、冷媒蒸気を吸収する吸収液を用いて、凝縮器と蒸発器とに冷媒を循環させ、蒸発器内に挿通させた蒸発管内に冷水を作り出す吸収式冷凍機とすることもできる。
【0015】
上記抽気手段は、液体の流れによって気体を巻き込んで吸引するエジェクタとすることができる。上記抽気手段によって上記冷凍機から不凝縮ガスを抽気する部位は、冷凍機において不凝縮ガスが最も溜まり易い部位とすることができる。抽気手段によって抽気を行う部位は、吸着式冷凍機の場合には、例えば凝縮器とすることができ、吸収式冷凍機の場合には、例えば吸収器とすることができる。
【0016】
また、上記抽気タンク内には、該抽気タンク内における冷媒の液面が所定高さ以下になったときに水位信号を出力する第1液面計が設けてあり、上記補助タンク内には、該補助タンク内における冷媒の液面が所定高さ以上になったときに水位信号を出力する第2液面計が設けてあり、上記抽気装置の制御手段は、上記遮断弁を開け、上記第1液面計から上記水位信号を受けるまで上記抽気用ポンプを動作させる抽気動作と、上記遮断弁を閉じ、上記第2液面計から上記水位信号を受けるまで上記抽気用ポンプを動作させる充満動作とを行うよう構成することが好ましい(請求項2)。
この場合には、第1液面計を用いることによって、抽気用ポンプが抽気動作を継続する時間を適切に管理することができる。また、第2液面計を用いることによって、抽気タンクから補助タンクへの不凝縮ガスの排出を適切に行うとともに、冷媒が補助タンクから溢れ出してしまうことを容易に防止することができる。
また、抽気用ポンプが抽気動作を行う時間は、第1液面計を用いずに、適宜設定した所定時間とすることもできる。
【0017】
また、上記循環配管は、上記蒸発器の下部に接続するとともに上記抽気用ポンプが配設された送り配管と、上記抽気タンクの下部に接続するとともに上記遮断弁が配設された戻り配管とを有しており、上記抽気タンク内に開口する上記送り配管及び上記戻り配管の端部は、上記第1液面計が水位信号を出力するときの冷媒の液面の高さよりも低い位置に配置することが好ましい(請求項3)。
この場合には、抽気タンク内へ抽気した不凝縮ガスが、誤って戻り配管へ混入してしまうことを防止することができる。また、抽気タンク内へ抽気した不凝縮ガスが、誤って送り配管へ逆流してしまうことを防止することができる。
【0018】
また、上記抽気タンクと上記補助タンクとの間には、第1タンク弁が設けてあり、上記補助タンクの上方には、第2タンク弁が設けてあり、上記制御手段は、上記抽気動作を行うときには、上記第1タンク弁を閉じ、上記充満動作を行うときには、上記第1タンク弁及び上記第2タンク弁を開け、上記第2液面計から上記水位信号を受けたときには、上記第1タンク弁を閉じるよう構成することが好ましい(請求項4)。
この場合には、抽気動作を行うときには、第1タンク弁を閉じて、補助タンクを介して外部の空気等が抽気タンクへ混入することを防止することができる。また、充満動作を行った後には、第1タンク弁を閉じることにより、空気、水素等の不凝縮ガスが補助タンクを経由して抽気タンクへ再混入することを防止することができる。
【0019】
また、上記抽気タンクの上部は、上方へ向うほど水平方向の断面積が縮小する形状を有しており、上記補助タンクは、上記抽気タンクの上部において水平方向の断面積が最も縮小した部位に接続することが好ましい(請求項5)。
この場合には、抽気タンクに充満された冷媒を補助タンクへ溢れ出させる際に、抽気タンクの気相分を構成する不凝縮ガスの一部が、抽気タンクの上部における角部等に残留してしまうことを防止することができる。そのため、抽気タンクにおける不凝縮ガスの全てを補助タンクへ排出することができる。
【実施例】
【0020】
以下に、本発明の冷凍機の抽気装置にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
本例の冷凍機1の抽気装置5は、図1〜図3に示すごとく、真空状態の蒸発器31内に入れられた冷媒Aを蒸発させるときの気化熱を利用して冷水Wを作り出す冷凍機1に対して設置され、冷凍機1内に存在する不凝縮ガスGを除去するものである。
この抽気装置5は、以下の抽気タンク61、循環配管8、抽気用ポンプ71、遮断弁72、抽気手段73及び補助タンク62を備えている。
【0021】
抽気タンク61は、器形状を有しており、蒸発器31内の冷媒Aを循環させるために用いる。循環配管8は、抽気タンク61と蒸発器31とを循環するようこれらに接続されている。抽気用ポンプ71は、循環配管8に配設され、蒸発器31から抽気タンク61へ冷媒Aを送り出すために用いる。遮断弁72は、循環配管8に配設され、抽気タンク61から蒸発器31への冷媒Aの流れを遮断可能である。抽気手段73は、蒸発器31から抽気タンク61へ送り出される冷媒Aを利用して、冷凍機1内に存在する不凝縮ガスGを抽気タンク61へ抽気するために用いる。そして、補助タンク62は、抽気タンク61の上方に接続され、抽気タンク61に充満されて溢れ出す冷媒Aを流入させるために用いる。
【0022】
以下に、本例の冷凍機1の抽気装置5及び抽気方法につき、図1〜図7を参照して詳説する。
まず、本例の冷凍機1について説明する。
ここで、図4、図5は、冷凍機1の構成を示す図であり、図5は、図4の状態から吸着器X1と脱着器X2とが入れ替わった状態を示す。
各図に示すごとく、本例の冷凍機1は、吸着器X1と脱着器X2とにおける固体吸着剤211への冷媒蒸気Aの吸着及び脱着を繰り返して、蒸発器31と凝縮器32とに冷媒Aを循環させ、蒸発器31内に挿通させた蒸発管311内に冷水Wを作り出す吸着式冷凍機1である。
吸着式冷凍機1は、固体吸着剤211を表面に配置した伝熱管21を挿通させてなる複数(本例では2つ)の吸脱着器2A,2Bと、複数の吸脱着器2A,2Bに対して個別に連通可能な蒸発器31と、複数の吸脱着器2A,2Bに対して個別に連通可能な凝縮器32とを備えている。
【0023】
各吸脱着器2A,2B、蒸発器31及び凝縮器32の内部には、冷媒A(冷媒蒸気Aと言うこともある。)が流通可能になっており、各吸脱着器2A,2B、蒸発器31及び凝縮器32の内部は、冷媒Aが蒸発し易いように真空状態になっている。蒸発器31の内部は、1/100気圧程度になっており、凝縮器32の内部は、1/20気圧程度になっている。本例の固体吸着剤211はシリカゲルであり、冷媒Aは水である。
各吸脱着器2A,2Bと蒸発器31との間、及び各吸脱着器2A,2Bと凝縮器32との間には、冷媒蒸気Aが通過する連通路33がそれぞれ形成されている。各連通路33には、自重及び冷媒蒸気Aの圧力によって開閉可能なダンパ34が配置されている。
【0024】
図4、図5に示すごとく、各吸脱着器2A,2Bの伝熱管21は、この伝熱管21へ送る冷却水Cと温水Hとの切替を行う2組の切替弁装置46A,46Bまで配管されている。
蒸発器31内には、冷水Wを通過させる蒸発管311が挿通してあり、蒸発管311は、冷水タンク44に接続されている。蒸発管311は、冷水Wを供給して冷やすための被冷却対象としての冷凍設備45に接続してある。この冷凍設備45は、空調システム、冷蔵庫等とすることができる。蒸発管311は、蒸発器31内と冷水タンク44及び冷凍設備45とを循環して配管されている。
【0025】
凝縮器32内には、冷却水Cを通過させる凝縮管321が挿通してあり、凝縮管321は、冷却水タンク41に接続されている。冷却水Cは、冷却水タンク41から切替弁装置46A、各吸脱着器2A,2Bの伝熱管21及び切替弁装置46Bを通過した後、凝縮管321に供給され、凝縮管321から冷却水タンク41に循環されるようになっている。
凝縮器32内には、凝縮管321によって凝縮されて液体化した冷媒A(本例では水)を受ける受皿35が設けてある。受皿35と蒸発器31との間には、受皿35に溜まった冷媒Aを蒸発器31内の蒸発管311の表面へ供給するための循環配管36が配管してある。
【0026】
各吸脱着器2A,2Bの伝熱管21に供給する温水Hは、熱を発生させる発熱設備42から出される排熱を利用して加熱されるものである。この発熱設備42は、太陽熱利用システム、ガスエンジンシステム、ボイラー、あるいは蒸気ドレンを出す設備等とすることができる。温水Hは、発熱設備42による排熱を利用して作られ、温水タンク43に貯留された後、切替弁装置46Aを経由して各吸脱着器2A,2Bの伝熱管21の入口に供給されるようになっている。また、温水Hは、各吸脱着器2A,2Bの伝熱管21の出口から、切替弁装置46Bを経由して発熱設備42へ循環されるようになっている。
冷却水Cは、25〜35℃(約30℃)の水であり、温水Hは、70〜90℃(約80℃)に加熱された水である。また、蒸発器31の蒸発管311内の冷水Wは、9〜14℃(約11℃)に冷却される。
【0027】
吸着式冷凍機1は、伝熱管21に冷却水Cを流して吸着器X1として機能させる吸脱着器2A(又は2B)と、伝熱管21に温水Hを流して脱着器X2として機能させる吸脱着器2B(又は2A)とを、所定の時間間隔で交互に切り替えて運転し、蒸発器31内に挿通させた蒸発管311内の冷水Wを冷却するよう構成されている。これにより、吸着式冷凍機1は、作り出す冷水Wを冷水タンク44から冷凍設備45へ連続して供給する。
【0028】
吸着式冷凍機1の運転は、次のように行われる。
図4に示すごとく、第1の吸脱着器2A内の伝熱管21に冷却水Cが供給されるときには、第1の吸脱着器2Aは吸着器X1として機能する。このとき、第1の吸脱着器2A内の伝熱管21の表面に配置された固体吸着剤211が冷却されて、この固体吸着剤211に吸着反応によって冷媒蒸気Aが吸着される。そして、第1の吸脱着器2A内の圧力が低下することにより、第1の吸脱着器2A内の圧力は、蒸発器31内の圧力及び凝縮器32内の圧力よりも低くなる。この圧力差により、第1の吸脱着器2Aと蒸発器31との間の連通路33におけるダンパ34が開くとともに、第1の吸脱着器2Aと凝縮器32との間の連通路33におけるダンパ34が閉じる。そして、蒸発器31内の冷媒蒸気Aが第1の吸脱着器2A内へ流れ、蒸発器31内の蒸発管311の表面から気化熱としての熱が奪われ、蒸発管311内の冷水Wを冷却することができる。
【0029】
一方、同図に示すごとく、第1の吸脱着器2A内の伝熱管21に冷却水Cが供給されるときには、第2の吸脱着器2B内の伝熱管21には温水Hが供給される。第2の吸脱着器2B内の伝熱管21に温水Hが供給されるときには、第2の吸脱着器2Bは脱着器X2として機能する。このとき、第2の吸脱着器2B内の伝熱管21の表面に配置された固体吸着剤211が加熱されて、この固体吸着剤211から脱着反応によって冷媒蒸気Aが脱着される。そして、第2の吸脱着器2B内の圧力が上昇することにより、第2の吸脱着器2B内の圧力は、蒸発器31内の圧力及び凝縮器32内の圧力よりも高くなる。この圧力差により、第2の吸脱着器2Bと蒸発器31との間の連通路33におけるダンパ34が閉じるとともに、第2の吸脱着器2Bと凝縮器32との間の連通路33におけるダンパ34が開く。そして、第2の吸脱着器2B内の冷媒蒸気Aが凝縮器32内へ流れ、この冷媒蒸気Aが、凝縮器32内の凝縮管321を流れる冷却水Cによって凝縮される。そして、凝縮された冷媒蒸気Aは、循環配管36を通って蒸発器31内へ循環される。
【0030】
その後、吸着器X1として機能する第1の吸脱着器2A内の固体吸着剤211に吸着された冷媒蒸気Aの量が飽和量に近づいたときには、図5に示すごとく、2組の切替弁装置46A,46Bを操作して、第1の吸脱着器2A内の伝熱管21に温水Hを流すとともに第2の吸脱着器2B内の伝熱管21に冷却水Cを流し、第1の吸脱着器2Aを脱着器X2に切り替えるとともに第2の吸脱着器2Bを吸着器X1に切り替える。そして、第2の吸脱着器2Bを上記と同様に吸着器X1として機能させるとともに、第1の吸脱着器2Aを上記と同様に脱着器X2として機能させる。
以降は、同様にして、第1の吸脱着器2A内の伝熱管21と第2の吸脱着内の伝熱管21とに流す冷却水Cと温水Hとを交互に切り替える。これにより、2つの吸脱着器2A,2Bにおいて所定の時間間隔で吸着器X1と脱着器X2とを交互に切り替えて、蒸発管311内において作り出す冷水Wを、冷水タンク44を経由して冷凍設備45へ連続して供給することができる。
【0031】
次に、抽気装置5について説明する。
ここで、図1〜図3は、抽気装置5の構成を示す図であり、図1は、抽気動作(抽気工程)を行う状態、図2は、充満動作(充満工程)を行う状態、図3は、冷凍機1の運転を行う状態をそれぞれ示す。各図においては、冷凍機1は、蒸発器31のみを簡略化して示す。また、後述する抽気配管322は、冷凍機1の凝縮器32内に繋がっている。また、各図においては、動作中のポンプ314,71、及び開状態の弁(バルブ)611,621,72,83,84,86は、白色で示し、動作停止中のポンプ314,71、及び閉状態の弁611,621,72,83,84,86は、黒色で示す。
【0032】
図3に示すごとく、蒸発器31内には、冷媒Aが液体の状態で入っている。そして、蒸発器31には、下部の液相分である液状の冷媒Aを、上部の気相中に滴下させるための冷媒滴下管312が設けてある。冷媒滴下管312において蒸発器31内に配置された上方端部には、冷媒Aを滴下させるためのノズル部313が形成してある。冷媒滴下管312の下方端部には、蒸発器31内から液体の冷媒Aを吸い上げて、ノズル部313から滴下させる滴下用ポンプ314が配設してある。この滴下用ポンプ314は、冷水Wを連続して作り出す冷凍機1の運転中は、常時動作させておく。
【0033】
図1、図2に示すごとく、本例の抽気タンク61は、その上部613が、上方へ向うほど水平方向の断面積が縮小する形状を有している。より具体的には、抽気タンク61の上部613は、抽気タンク61の水平方向の中心部が最も高くなるドーム形状に形成されている。抽気タンク61の上部613は、ドーム形状とする以外にも、円錐形状等にすることもできる。
補助タンク62は、抽気タンク61の上部613において水平方向の断面積が最も縮小した部位であり、最も高い位置である水平方向の中心部に接続されている。
【0034】
循環配管8は、蒸発器31の下部に接続するとともに抽気用ポンプ71を配設した送り配管81と、抽気タンク61の下部に接続するとともに遮断弁72を配設した戻り配管87とを有している。本例の送り配管81は、抽気用ポンプ71の後流側位置において2つに分岐して抽気タンク61に繋がっている。より具体的には、送り配管81は、抽気用ポンプ71の後流側位置において、抽気手段73を経由して抽気タンク61に繋がる抽気配管部82と、抽気手段73を経由せずに抽気タンク61に直接繋がるバイパス配管部85とに分岐している。抽気配管部82においては、抽気手段73の上流側と下流側とに、開閉可能な開閉弁83,84が配設してある。バイパス配管部85にも、開閉可能な開閉弁86が配設してある。
また、抽気タンク61と補助タンク62との間には、開閉可能な第1タンク弁611が設けてあり、補助タンク62の上方には、開閉可能な第2タンク弁621が設けてある。
【0035】
図1、図2に示すごとく、抽気タンク61内には、抽気タンク61内における冷媒Aの液面が所定高さ以下になったときに水位信号を出力する第1液面計612が設けてある。第1液面計612は、冷媒Aの液面の高さによって、抽気タンク61内に抽気した不凝縮ガスGの量を検出するものであり、抽気タンク61の下方位置に設けることができる。第1液面計612を設ける高さ位置を調整することにより、抽気タンク61内の冷媒液面と、抽気タンク61へ抽気する不凝縮ガスGの量とを適切に設定することができる。
【0036】
また、補助タンク62内には、補助タンク62内における冷媒Aの液面が所定高さ以上になったときに水位信号を出力する第2液面計622が設けてある。第2液面計622は、冷媒Aの液面の高さによって、補助タンク62内に流入した冷媒Aの量を検出するものであり、補助タンク62の上下方向の中間位置に設けることができる。第2液面計622を設ける高さ位置を調整することにより、補助タンク62へ流入させる冷媒Aの量を適切に設定することができる。
【0037】
抽気タンク61内に開口する抽気配管部82の端部821及び戻り配管87の端部871は、第1液面計612が水位信号を出力するときの冷媒Aの液面の高さよりも低い位置に配置されている。これにより、抽気タンク61内へ抽気した不凝縮ガスGが、誤って戻り配管87へ混入してしまうことと、誤って送り配管81へ逆流してしまうことを防止することができる。また、抽気配管部82は、抽気タンク61内に上方から挿通されて、第1液面計612の配置位置よりも下方の位置まで配管されている。
【0038】
図1、図2に示すごとく、本例の抽気手段73は、液体の流れによって気体を巻き込んで吸引するエジェクタ73である。このエジェクタ73は、液体を通過させる経路の内側又は外側に、気体を巻き込む経路を形成してなる。また、液体を通過させる経路は、抽気配管部82の途中に接続してあり、気体を巻き込む経路は、抽気配管322を経由して冷凍機1の凝縮器32内に接続してある。
本例の抽気用ポンプ71は、抽気タンク61に充満された冷媒Aを、大気圧下に開放された補助タンク62へ溢れ出させるために、大気圧(0.1MPa)よりも高い吐出圧力を有している。
【0039】
本例の冷凍機1は、制御手段(制御コンピュータ、制御シーケンサ)による制御を受けて、2組の切替弁装置46A,46B、滴下用ポンプ314、抽気用ポンプ71、遮断弁72、第1タンク弁611、第2タンク弁621、各開閉弁83,84,86の制御を行うよう構成されている。また、第1液面計612及び第2液面計622の水位信号は、制御手段に送信されるようになっている。
【0040】
本例の制御手段は、図1に示すごとく、遮断弁72を開けるとともに第1タンク弁611及び第2タンク弁621を閉じ、第1液面計612から水位信号を受けるまで抽気用ポンプ71を動作させる抽気動作と、図2に示すごとく、遮断弁72を閉じるとともに第1タンク弁611及び第2タンク弁621を開け、第2液面計622から水位信号を受けるまで抽気用ポンプ71を動作させる充満動作とを行うよう構成されている。そして、制御手段は、充満動作を行う際に、第2液面計622から水位信号を受けたときには、第1タンク弁611及び第2タンク弁621を閉じるよう構成されている。
【0041】
次に、本例の抽気装置5を用いて冷凍機1内に存在する不凝縮ガスGの排出を行う方法につき、図6のフローチャートを参照して説明する。
不凝縮ガスGの排出を行う前には、冷凍機1の運転を行って、蒸発器31内の蒸発管311において冷水Wを連続して作り出す。このとき、図3に示すごとく、蒸発器31における滴下用ポンプ314を動作させる一方、抽気用ポンプ71の動作は停止しておく。また、遮断弁72、各開閉弁83,84,86は閉じておく。
そして、冷凍機1の運転を所定時間(例えば数日。)行った後には、冷凍機1の運転停止中に、抽気工程として、図1に示すごとく、冷凍機1内に蓄積された空気、水素等の不凝縮ガスGを抽気する。この抽気動作を行うときには、滴下用ポンプ314等は動作させておく一方、冷凍機1の運転は停止させている。また、第1タンク弁611、第2タンク弁621及びバイパス配管部85の開閉弁86は閉じたままで、抽気用ポンプ71を動作させ(図6のステップS1、以下同様)、遮断弁72、及び抽気手段73の前後の開閉弁83,84を開ける(S2)。
【0042】
そして、蒸発器31内の冷媒Aを抽気タンク61との間で循環させるとともに、抽気手段73を通過する冷媒Aによって、凝縮器32内に存在する不凝縮ガスGを抽気タンク61へ引き込む(S3)。この抽気動作は、制御手段が第1液面計612から水位信号を受けるまで継続する(S4)。より具体的には、抽気タンク61内に不凝縮ガスGが抽気されるときには、抽気タンク61内の気相分が増加するとともに液相分としての冷媒Aが減少し、冷媒Aの液面が下がっていく。そして、抽気タンク61内の冷媒Aの液面が所定の高さになったときには、第1液面計612が水位信号を制御手段へ送信する。このとき、制御手段は、抽気動作から充満動作に切り替える。
【0043】
次いで、充満工程として、図2に示すごとく、制御手段は、遮断弁72と抽気手段73の前後の開閉弁83,84を閉じるとともに第1タンク弁611、第2タンク弁621及びバイパス配管部85の開閉弁86を開け(S5)、抽気用ポンプ71の動作を継続する。
このとき、抽気用ポンプ71によって蒸発器31からから送り出される冷媒Aは、抽気タンク61に貯留されて行き、抽気タンク61が満タンになったときには、補助タンク62へと溢れ出す(S6)。そして、抽気タンク61の気相分を構成していた不凝縮ガスGと外気とは、冷媒Aによって補助タンク62へと押し出されて、補助タンク62から大気へ排出される。
なお、補助タンク62が大気に開放されたことにより、補助タンク62内にある冷媒Aが抽気タンク61内へ落水し、抽気タンク61内及び補助タンク62内は不凝縮ガスGと外気との混合状態となる。
【0044】
そして、補助タンク62における冷媒Aの液面が所定高さになったときには、補助タンク62内の第2液面計622が制御手段へ水位信号を送信する(S7)。このとき、制御手段は、第1タンク弁611及び第2タンク弁621を閉じるとともに(S8)、抽気用ポンプ71の動作を停止させる(S9)。こうして、抽気装置5によって、冷凍機1内の不凝縮ガスGを大気へ排出することができる。
【0045】
その後、図3に示すごとく、各開閉弁83,84,86を閉じ、抽気用ポンプ71の動作を停止した状態で、再び滴下用ポンプ314等を動作させて、冷凍機1の運転を再開する。そして、冷凍機1の運転を所定時間(例えば数日。)行ったときには、上記と同様にして、冷凍機1の運転が停止しているときに、不凝縮ガスGの抽気を再び行うことができる。
なお、抽気タンク61内は不凝縮ガスGの存在により、蒸発器31内よりも圧力が高い状態にある。そして、戻り配管87内に残された冷媒Aは、圧力差によって蒸発器31へ流れることになる。
【0046】
本例の冷凍機1の抽気装置5及び抽気方法においては、抽気用ポンプ71及び抽気手段73を用い、抽気用ポンプ71が蒸発器31内の冷媒Aを抽気タンク61へ送り出す動作によって、冷凍機1内に存在する不凝縮ガスGを抽気タンク61へ抽気する。そして、抽気タンク61に不凝縮ガスGを抽気した後には、遮断弁72を閉じて抽気用ポンプ71の動作を継続する。このとき、抽気用ポンプ71によって抽気タンク61へ送り出される冷媒Aは、抽気タンク61を充満して補助タンク62へ溢れ出す。
これにより、抽気タンク61内に抽気した空気、水素等の不凝縮ガスGの全てを補助タンク62へ排出することができる。そして、補助タンク62から大気圧下へ不凝縮ガスGを排出することができる。
【0047】
そのため、抽気タンク61内における不凝縮ガスGの残留を防止することができる。そして、真空状態(大気圧よりも低い状態)にある抽気タンク61から大気へ不凝縮ガスGを排出するための水エジェクタ、真空ポンプ等の装置を別途用いる必要がなくなる。また、抽気タンク61内を冷媒Aによって充満させ、抽気タンク61内における不凝縮ガスGの残留を防止することにより、再び抽気用ポンプ71及び抽気手段73によって不凝縮ガスGの抽気を行う際に、不凝縮ガスG及び外気が冷凍機1内へ逆流しないようにすることができる。
【0048】
それ故、本例の冷凍機1の抽気装置5及び抽気方法によれば、抽気タンク61内に空気、水素等の不凝縮ガスGが残留することを防止することができ、冷凍機1内への不凝縮ガスG及び外気の逆流を防止することができる。
【0049】
本例の抽気用ポンプ71と滴下用ポンプ314とは、それぞれ蒸発器31に対して並列に接続し、別々に動作させた。これに対し、図7に示すごとく、滴下用ポンプ314Aと抽気用ポンプ71Aとを直列に接続し、冷媒滴下管312は、滴下用ポンプ314Aと抽気用ポンプ71Aとの間からノズル部313へと配管し、冷媒滴下管312には、開閉弁315を配設することができる。この場合には、冷凍機1の運転を行う際には、冷媒滴下管312に配設した開閉弁315を開き、滴下用ポンプ314のみ動作させることができる。
【0050】
一方、不凝縮ガスGの抽気を行う際には、冷媒滴下管312の開閉弁315を閉じるとともに、滴下用ポンプ314Aと抽気用ポンプ71Aとの両方を動作させる。これにより、滴下用ポンプ314Aと抽気用ポンプ71Aとの2つのポンプによって蒸発器31から抽気タンク61へ冷媒Aを送り出すことができる。そのため、抽気用ポンプ71Aの吐出圧力が大気圧(0.1MPa)以下のときには、抽気用ポンプ71Aの吐出圧力と滴下用ポンプ314Aの吐出圧力との和を大気圧よりも高くすることができる。
【0051】
また、図示は省略するが、冷凍機1は、吸着式冷凍機1とする以外にも、冷媒蒸気Aを吸収する吸収液(臭化リチウム溶液等)を用いて、凝縮器32と蒸発器31とに冷媒Aを循環させ、蒸発器31内に挿通させた蒸発管内に冷水を作り出す吸収式冷凍機とすることもできる。吸収式冷凍機においては、蒸発器31から蒸発する冷媒蒸気Aを吸収させる吸収液を入れた吸収器と、冷媒Aを含む吸収液を吸収器から受け取り、加熱を行って吸収液から冷媒Aを分離する再生器とを用いる。そして、再生器から凝縮器32へ冷媒蒸気Aが流れ、この冷媒蒸気Aは、凝縮器32内で冷やされて蒸発器31内に流下し、蒸発器31内の冷媒Aとして利用される。
【0052】
この吸収式冷凍機においても、蒸発器31に対して上記と同様の抽気装置5を設置することができる。また、抽気手段(エジェクタ)73において気体を巻き込む経路は、不凝縮ガスGが最も溜まり易い吸収器に接続することができる。その他、吸収式冷凍機に設置する抽気装置5の構成は、上記吸着式冷凍機1について示したものと同様であり、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 冷凍機
2A,2B 吸脱着器
31 蒸発器
32 凝縮器
5 抽気装置
61 抽気タンク
611 第1タンク弁
612 第1液面計
62 補助タンク
621 第2タンク弁
622 第2液面計
71 抽気用ポンプ
72 遮断弁
73 抽気手段(エジェクタ)
8 循環配管
81 送り配管
87 戻り配管
A 冷媒
G 不凝縮ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空状態の蒸発器内に入れられた冷媒を蒸発させるときの気化熱を利用して冷水を作り出す冷凍機に対して設置され、該冷凍機内に存在する不凝縮ガスを除去する抽気装置であって、
上記蒸発器内の冷媒を循環させるための抽気タンクと、
該抽気タンクと上記蒸発器とを循環する循環配管と、
該循環配管に配設され、上記蒸発器から上記抽気タンクへ冷媒を送り出す抽気用ポンプと、
上記循環配管に配設され、上記抽気タンクから上記蒸発器への冷媒の流れを遮断可能である遮断弁と、
上記蒸発器から上記抽気タンクへ送り出される冷媒を利用して、上記冷凍機内に存在する不凝縮ガスを上記抽気タンクへ抽気するための抽気手段と、
上記抽気タンクの上方に接続され、上記抽気タンクに充満されて溢れ出す冷媒を流入させるための補助タンクとを備えていることを特徴とする冷凍機の抽気装置。
【請求項2】
請求項1に記載の冷凍機の抽気装置において、上記抽気タンク内には、該抽気タンク内における冷媒の液面が所定高さ以下になったときに水位信号を出力する第1液面計が設けてあり、
上記補助タンク内には、該補助タンク内における冷媒の液面が所定高さ以上になったときに水位信号を出力する第2液面計が設けてあり、
上記抽気装置の制御手段は、上記遮断弁を開け、上記第1液面計から上記水位信号を受けるまで上記抽気用ポンプを動作させる抽気動作と、上記遮断弁を閉じ、上記第2液面計から上記水位信号を受けるまで上記抽気用ポンプを動作させる充満動作とを行うよう構成されていることを特徴とする冷凍機の抽気装置。
【請求項3】
請求項2に記載の冷凍機の抽気装置において、上記循環配管は、上記蒸発器の下部に接続するとともに上記抽気用ポンプが配設された送り配管と、上記抽気タンクの下部に接続するとともに上記遮断弁が配設された戻り配管とを有しており、
上記抽気タンク内に開口する上記送り配管及び上記戻り配管の端部は、上記第1液面計が水位信号を出力するときの冷媒の液面の高さよりも低い位置に配置されていることを特徴とする冷凍機の抽気装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の冷凍機の抽気装置において、上記抽気タンクと上記補助タンクとの間には、第1タンク弁が設けてあり、
上記補助タンクの上方には、第2タンク弁が設けてあり、
上記制御手段は、上記抽気動作を行うときには、上記第1タンク弁を閉じ、上記充満動作を行うときには、上記第1タンク弁及び上記第2タンク弁を開け、上記第2液面計から上記水位信号を受けたときには、上記第1タンク弁を閉じるよう構成されていることを特徴とする冷凍機の抽気装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷凍機の抽気装置において、上記抽気タンクの上部は、上方へ向うほど水平方向の断面積が縮小する形状を有しており、
上記補助タンクは、上記抽気タンクの上部において水平方向の断面積が最も縮小した部位に接続されていることを特徴とする冷凍機の抽気装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷凍機の抽気装置を用い、
上記抽気用ポンプを動作させるとともに上記遮断弁を開け、上記蒸発器内の冷媒を上記抽気タンクとの間で循環させる際に、上記抽気手段によって上記冷凍機内に存在する不凝縮ガスを上記抽気タンクへ引き込む抽気工程と、
上記抽気用ポンプを動作させるとともに上記遮断弁を閉じ、上記蒸発器内の冷媒を上記抽気タンク内に充満させて上記補助タンクへ溢れ出させる際に、上記抽気タンク内に引き込まれた不凝縮ガスを上記補助タンクへ排出する排出工程とを行うことを特徴とする冷凍機の抽気方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−220124(P2012−220124A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87658(P2011−87658)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(393007444)ユニオン産業株式会社 (6)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【出願人】(000221834)東邦瓦斯株式会社 (440)