説明

冷凍装置の室外ユニット

【課題】アルミ製の熱交換器と鋼製の本体ケーシングとの間の電解腐食を防止する。
【解決手段】室外ユニット3では、マイクロチャネル熱交換器が室外熱交換器25として搭載されている。マイクロチャネル熱交換器は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の扁平管とヘッダー集合管253とを有している。扁平管の内部には、冷媒が流通するマイクロチャネルが形成されている。ヘッダー集合管253は、中空筒状であり、扁平管の端部が接続されている。本体ケーシングは、鋼製の左側板917を含む外殻部材で室外熱交換器25を取り囲み、取付部材45を介して左側板917と室外熱交換器25のヘッダー集合管253とが連結されている。取付部材45は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の部材であり、ヘッダー集合管253に固定される第1面と、左側板917に固定される第2面とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍装置の室外ユニットに関し、特に、アルミ製の熱交換器を室外熱交換器として採用する冷凍装置の室外ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、冷凍装置の室外ユニットでは、室外熱交換器として、例えば、特許文献1(特開2010−107103号公報)に開示されているようなマイクロチャネル熱交換器(以後、MCHXとよぶ)が採用されるようになった。
【0003】
MCHXは、マイクロチャネルが形成された扁平管と、扁平管の端部が接続されるヘッダー集合管と、扁平管に接合される伝熱フィンとによって構成され、それらはアルミ製である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなアルミ製のMCHXを室外熱交換器として採用する室外ユニットでは、室外熱交換器が鋼製の本体ケーシングに支持される場合、室外熱交換器と本体ケーシングとの間の電解腐食が防止されなければならない。
【0005】
本発明の課題は、アルミ製の熱交換器と鋼製の本体ケーシングとの間の電解腐食を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る冷凍装置の室外ユニットは、蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する冷凍装置の室外ユニットであって、熱交換器と本体ケーシングと取付部材とを備えている。熱交換器は、伝熱管及び伝熱フィンがアルミニウム製またはアルミニウム合金製の熱交換器である。本体ケーシングは、熱交換器を鋼製の側板を含む外殻部材で取り囲む。取付部材は、側板と熱交換器との間に介在し、側板と熱交換器とを連結する。また、取付部材は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の部材である。
【0007】
この室外ユニットでは、アルミ製の熱交換器と、鋼製の側板とを直接連結せず、アルミ製の取付部材を介在させて連結しているので、熱交換器と側板との間の電解腐食が防止される。
【0008】
本発明の第2観点に係る冷凍装置の室外ユニットは、第1観点に係る冷凍装置の室外ユニットであって、取付部材が、側板の高さ位置が異なる複数箇所に固定される。
【0009】
この室外ユニットでは、アルミ製の取付部材と鋼製の側板との間の電解腐食は発生するが、部分的に固定されることによってそれらの接触面積が小さくなり、電解腐食の進行が抑制される。
【0010】
本発明の第3観点に係る冷凍装置の室外ユニットは、第1観点または第2観点に係る冷凍装置の室外ユニットであって、熱交換器の伝熱管が、水平方向に延びる扁平管である。また、熱交換器は、ヘッダー集合管をさらに有している。ヘッダー集合管は、中空筒状であり、扁平管の端部が接続される。取付部材は、ヘッダー集合管に固定されている。
【0011】
この室外ユニットでは、取付部材がヘッダー集合管に固定されるが、ヘッダー集合管は中空筒状であり、熱交換部のなかでは強度が大きい部分であるので、側板へ連結されることによる機械的ダメージを受け難い。
【0012】
本発明の第4観点に係る冷凍装置の室外ユニットは、第3観点に係る冷凍装置の室外ユニットであって、ヘッダー集合管では、取付部材が固定される部分が平面である。
【0013】
この室外ユニットでは、ヘッダー集合管に平面が形成され、それを取付部材の取付面として利用することができるので、製造時の作業性が向上する。
【0014】
本発明の第5観点に係る冷凍装置の室外ユニットは、第3観点または第4観点に係る冷凍装置の室外ユニットであって、取付部材が、少なくとも2平面を形成するように曲げ加工された板状部材であり、ヘッダー集合管に固定される第1面と、側板に固定される第2面とを有している。
【0015】
この室外ユニットでは、熱交換器と側板との間の電解腐食の防止と、熱交換器と側板との連結が確実に行われる上に、小型化できるので省スペースである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1観点に係る冷凍装置の室外ユニットでは、アルミ製の熱交換器と、鋼製の側板とを直接連結せず、アルミ製の取付部材を介在させて連結しているので、熱交換器と側板との間の電解腐食が防止される。
【0017】
本発明の第2観点に係る冷凍装置の室外ユニットでは、アルミ製の取付部材と鋼製の側板との間の電解腐食は発生するが、部分的に固定されることによってそれらの接触面積が小さくなり、電解腐食の進行が抑制される。
【0018】
本発明の第3観点に係る冷凍装置の室外ユニットでは、取付部材がヘッダー集合管に固定されるが、ヘッダー集合管は中空筒状であり、熱交換部のなかでは強度が大きい部分であるので、側板へ連結されることによる機械的ダメージを受け難い。
【0019】
本発明の第4観点に係る冷凍装置の室外ユニットでは、ヘッダー集合管のうち取付部材が固定される部分を平面にすることによって、それを取付部材の取付面として利用することができるので、製造時の作業性が向上する。
【0020】
本発明の第5観点に係る冷凍装置の室外ユニットでは、熱交換器と側板との間の電解腐食の防止と、熱交換器と側板との連結が確実に行われる上に、小型化できるので省スペースである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る室外ユニットを使用した空気調和装置の構成図。
【図2】マイクロチャネル熱交換器の外観斜視図。
【図3】室外ユニットの平面図。
【図4】正規位置に配置された左側板、室外熱交換器および室外ファンの斜視図。
【図5】正規位置に配置された左側板、室外熱交換器および室外ファンを図4とは別の角度から視たときの左側板、室外熱交換器および室外ファンの斜視図。
【図6】室外熱交換部、側板、および取付部材の連結部分の断面図。
【図7A】変形例に係る室外ユニットのU字状の取付部材の平面図。
【図7B】変形例に係る室外ユニットの逆Z字状の取付部材の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0023】
(1)空気調和機の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る室外ユニットを使用した空気調和装置の構成図である。図1において、空気調和装置1は、冷房運転及び暖房運転が可能な空気調和装置であり、室外ユニット3と、室内ユニット2と、室外ユニット3と室内ユニット2とを接続するための液冷媒連絡配管7及びガス冷媒連絡配管9とを備えている。
【0024】
(1−1)室内ユニット
図1において、室内ユニット2は、室内熱交換器11と、室内ファン13とを有している。室内熱交換器11は、クロスフィン型熱交換器であり、室内空気との熱交換によって内部を流れる冷媒を蒸発又は凝縮させ、室内の空気を冷却又は加熱することができる。
【0025】
(1−2)室外ユニット
図1において、室外ユニット3は、主に、圧縮機21、四路切換弁23、室外熱交換器25、膨張弁27、アキュムレータ29、液側閉鎖弁37、及びガス側閉鎖弁39を有している。さらに、室外ユニット3は室外ファン51も有している。
【0026】
(2)室外ユニットの詳細構成
(2−1)圧縮機、四路切換弁およびアキュムレータ
圧縮機21は、ガス冷媒を吸入して圧縮する。圧縮機21の吸込口手前には、アキュムレータ29が配置されており、圧縮機21に液冷媒が直に吸い込まれないようになっている。
【0027】
四路切換弁23は、冷房運転と暖房運転との切換時に、冷媒の流れの方向を切り換える。冷房運転時、四路切換弁23は、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器25のガス側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側とガス側閉鎖弁39とを接続する。つまり、図1の四路切換弁23内の実線で示された状態である。
【0028】
また、暖房運転時、四路切換弁23は、圧縮機21の吐出側とガス側閉鎖弁39とを接続するとともに圧縮機21の吸入側と室外熱交換器25のガス側とを接続する。つまり、図1の四路切換弁23内の点線で示された状態である。
【0029】
(2−2)室外熱交換器
室外熱交換器25は、マイクロチャネル熱交換器であって、室外空気との熱交換によって内部を流れる冷媒を凝縮又は蒸発させることができる。なお、室外ファン51が、この室外熱交換器25に対面するように配置されており、回転することによって室外空気を取り込んで室外熱交換器25に送風し、室外熱交換器25と室外空気との熱交換を促進する。以下、マイクロチャネル熱交換器について説明する。
【0030】
図2は、マイクロチャネル熱交換器の外観斜視図である。図2において、マイクロチャネル熱交換器は、扁平管251、ヘッダー集合管253、及び伝熱フィン255を有している。
【0031】
扁平管251は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で成形されており、伝熱面となる平面部251aと、冷媒が流れる複数のマイクロチャネル(図示せず)を有している。扁平管251は、平面部251aを上下に向けた状態で複数段配列されている。
【0032】
伝熱フィン255は、波形に折り曲げられたアルミニウム製またはアルミニウム合金製のフィンである。伝熱フィン255は、上下に隣接する扁平管251に挟まれた通風空間に配置され、谷部および山部が扁平管251の平面部251aと接触している。なお、谷部と山部と平面部251aとはロウ付け溶接されている。
【0033】
ヘッダー集合管253は、横断面形状が四角形状である中空筒状管であり、鉛直方向と平行な面を成す鉛直平面部253aが形成されている。ヘッダー集合管253は、上下方向に複数段配列された扁平管251の両端に連結されている。また、ヘッダー集合管253は、扁平管251を支持する機能と、冷媒を扁平管251のマイクロチャネルに導く機能と、マイクロチャネルから出てきた冷媒を集合させる機能とを有している。
【0034】
図2正面視において、右側のヘッダー集合管253(以後、第1ヘッダー集合管とよぶ)の入口253cから流入した冷媒は、最上段の扁平管251の各内部流路(マイクロチャネル)へほぼ均等に分配され左側のヘッダー集合管253(以後、第2ヘッダー集合管とよぶ)に向って流れる。第2ヘッダー集合管に達した冷媒は、2段目の扁平管251の各内部流路へ均等に分配され第1ヘッダー集合管へ向って流れる。以降、奇数段目の扁平管251内の冷媒は、第2ヘッダー集合管へ向って流れ、偶数段目の扁平管251内の冷媒は、第1ヘッダー集合管に向って流れる。そして、最下段で且つ偶数段目の扁平管251内の冷媒は、第1ヘッダー集合管に向って流れ、第1ヘッダー集合管で集合し出口253dから流出する。
【0035】
例えば、マイクロチャネル熱交換器が蒸発器として機能するとき、扁平管251内を流れる冷媒は、伝熱フィン255を介して通風空間を流れる空気流から吸熱する。室外熱交換器25が凝縮器として機能するときは、扁平管251内を流れる冷媒は、伝熱フィン255を介して通風空間を流れる空気流へ放熱する。
【0036】
なお、図2のマイクロチャネル熱交換器では、実際の熱交換に寄与するのは扁平管251と伝熱フィン255であるので、以後、扁平管251と伝熱フィン255とが形成する伝熱面を総称して伝熱面形成部257とよぶ。
【0037】
また、室外熱交換器25の基本構造は、図2のマイクロチャネル熱交換器と同じであるが、実使用では、図3〜図5に示すように長手側がL字状に曲げられ、本体ケーシング91の左側板917と背面の吸込グリル925に沿うように配置される。
【0038】
(2−3)膨張弁
膨張弁27は、冷媒圧力や冷媒流量の調節を行うために、室外熱交換器25と液側閉鎖弁37の間の配管に接続され、冷房運転時及び暖房運転時のいずれにおいても、冷媒を膨張させる機能を有している。
【0039】
(2−4)閉鎖弁および冷媒連絡配管
液側閉鎖弁37及びガス側閉鎖弁39は、それぞれ、液冷媒連絡配管7及びガス冷媒連絡配管9に接続されている。液冷媒連絡配管7は、室内ユニット2の室内熱交換器11の液側と室外ユニット3の液側閉鎖弁37との間を接続している。ガス冷媒連絡配管9は、室内ユニット2の室内熱交換器11のガス側と室外ユニット3のガス側閉鎖弁39との間を接続している。
【0040】
その結果、冷房運転時に圧縮機21、室外熱交換器25、膨張弁27および室内熱交換器11の順に冷媒が流れ、暖房運転時に圧縮機21、室内熱交換器11、膨張弁27および室外熱交換器25の順に冷媒が流れる冷凍回路が形成されている。
【0041】
(2−5)本体ケーシング
図3は、室外ユニットの平面図であり、天板を取り除いて内部を平面的に図示している。また、図4は、正規位置に配置された左側板、室外熱交換器および室外ファンの斜視図である。さらに、図5は、正規位置に配置された左側板、室外熱交換器および室外ファンを図4とは別の角度から視たときの左側板、室外熱交換器および室外ファンの斜視図である。
【0042】
図3、図4および図5において、室外ユニット3は、外殻を形成する本体ケーシング91の内部に、室外ファン51、圧縮機21、室外熱交換器25、及び配管等の蒸気圧縮式冷凍サイクルの構成に必要な部材を収納している。
【0043】
本体ケーシング91の外形は、天板911、底板913、基礎脚915、左側板917、第1前板919、第2前板921、右側板923、及び吸込グリル925によって略直方体形状に形成されている。また、天板911、底板913、基礎脚915、左側板917、第1前板919、第2前板921、及び右側板923は鋼製の板金加工部材である。
【0044】
本体ケーシング91の内部は、鉛直に延びる仕切板927によって機械室91aとファン室91bとに分割されており、機械室91aに圧縮機21が、ファン室91bに室外熱交換器25及び室外ファン51が収納されている。図3において、室外ファン51が稼動しているとき、空気はB及びCの方向から吸い込まれ、室外熱交換器25と熱交換した後、Aの方向へ吹き出される。
【0045】
天板911は、室外ユニット3の天面部分を構成する横長の略長方形状であり、天板911の周縁部は下向きに折り曲げられている。
【0046】
底板913は、本体ケーシング91の底面部分を構成する略長方形状であり、底板913の周縁部は上向きに折り曲げられている。基礎脚915は、底板913の下面に固定され、据付場所の基礎台(図示せず)に固定される。基礎脚915は、本体ケーシング91の前側から後側に向かって延びる。
【0047】
左側板917は、図3平面視左側の側面を形成し、Cの方向からの空気を吸い込むための側面吸入口91cが形成されている。それゆえ、L字状の室外熱交換器25の短寸法部分が左側板917に対峙している。
【0048】
また、左側板917の手前側端部は本体ケーシング91の内部に向って折り曲げられている。このため、左側板917の手前側端部には、図3平面視手前側に面する平坦部917aが形成される。この平坦部917aは、室外熱交換器25のヘッダー集合管253の鉛直平面部253a(図6参照)と、一定の隙間を保って対峙している。また、左側板917の上端は、室外熱交換部25の上端よりも上方に位置している。
【0049】
第1前板919は、図3平面視手前側を正面として、仕切板927の前端より左側の前面及び左側板917と重なる左側面を形成いている。第1前板919には、吸い込まれた空気を外部に吹き出すための吹出口91aが設けられている。
【0050】
第2前板921は、仕切板927の前端より右側の前面及び右側面の一部を形成する。右側板923は、第2前板921に隣接して本体ケーシング91の右側面の残りと背面の一部を形成する。
【0051】
吸込グリル925は、右側板923の背面部に隣接し、本体ケーシング91の残りの背面を形成している。吸込グリル925には、室外ファン51によって本体ケーシング91内に吸入される空気の吸入口91bが形成されている。それゆえ、L字状の室外熱交換器25の長寸法部分が吸込グリル925に対峙する。
【0052】
(2−6)取付部材
図4及び図5において、室外熱交換器25と左側板917とは、高さ位置が異なる2箇所で取付部材45を介して連結されている。
【0053】
図6は、室外熱交換部、側板、および取付部材の連結部分の断面図である。図6において、取付部材45は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の板状部材であり、曲げ加工によってコの字状に成形され、平行に離れた第1面451及び第2面452を有している。
【0054】
第1面451は、鉛直平面部253aにロウ付けによって固定されている。第2面452は、左側板917の平坦部917aにネジ止めによって固定されている。つまり、平坦部917aとヘッダー集合管253とは非接触で連結されている。このため、ヘッダー集合管253と左側板917との間の電解腐食が防止される。
【0055】
また、取付部材45と平坦部917aとの間の電解腐食は発生するが、第2面452と平坦部917aとの接触面積は平坦部917aの全面積に比べて小さいので、取付部材45と平坦部917aとの間の電解腐食の進行が抑制される。
【0056】
なお、本実施形態では、ヘッダー集合管253の鉛直平面部253aはヘッダー集合管253の下端から上端にかけて形成されているが、取付部材45の第1面451が固定される部分のみが鉛直平面部であってもよい。
【0057】
上記のように、アルミ製の室外熱交換器25と鋼製の左側板917とを連結するときには、アルミ製の取付部材45を介在させて連結することが電解腐食の防止に繋がる。
【0058】
室外熱交換器25での取付部材45の固定場所は、ヘッダー集合管253に限定されることはない。しかし、ヘッダー集合管253は中空筒状であるので、室外熱交換部25の扁平管251及び伝熱フィン255に比べて強度が大きいので、左側板917へ連結されたときの機械的ダメージを受け難いことを鑑みると、取付部材45がヘッダー集合管253に固定されることが好ましい。
【0059】
(2−7)室外ファン
図4及び図5において、室外ファン51は、複数の翼を有するプロペラファンであり、ファン室91b内の室外熱交換器25の前側で、吹出口91a(図3参照)に対向するように配置されている。室外ファン51は、ファンモータ51aによって回転駆動される。
【0060】
ファンモータ51aは、モータ固定台71に取り付けられている。モータ固定台71は、上端平面部711と下端平面部713とが4本の支持棒715で連結されている構造体である。ファンモータ51aはモータ固定台71の鉛直方向中央部分に固定されている。
【0061】
モータ固定台71は、上端平面部711が天板911に、下端平面部713が底板913に支持されている。但し、上端平面部711と天板911との間にはシール材(図示せず)が挟まれている。
【0062】
上端平面部711は、室外熱交換部25の伝熱面形成部257の上方を跨ぐように配置されており、上端平面部711と最上位の伝熱面形成部257との間には隙間が設けられている。
【0063】
下端平面部713は底板913に支持されている。下端平面部713には、上端平面部711にかかる荷重が支持膨715を介して伝達される。それゆえ、下端平面部713を支える底板913は、間接的に上端平面部711に作用した荷重を受ける。このときの底板913の撓みが抑制されるように、下端平面部713は基礎脚915の近傍に配置されている。
【0064】
(3)特徴
(3−1)
室外ユニット3では、マイクロチャネル熱交換器が室外熱交換器25として搭載されている。マイクロチャネル熱交換器は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の扁平管251とヘッダー集合管253とを有している。扁平管251の内部には、冷媒が流通するマイクロチャネルが形成されている。ヘッダー集合管253は、中空筒状であり、扁平管251の端部が接続されている。
【0065】
本体ケーシング91は、鋼製の左側板917を含む外殻部材で室外熱交換器25を取り囲み、取付部材45を介して左側板917と室外熱交換器25のヘッダー集合管253とが連結されている。取付部材45は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の部材であり、ヘッダー集合管253に固定される第1面451と、左側板917に固定される第2面452とを有している。
【0066】
アルミ製の室外熱交換器25と鋼製の左側板917とは、アルミ製の取付部材45を介して連結されているので、室外熱交換器25と左側板917とは直に接触せず、両者間の電解腐食は防止されている。
【0067】
(3−2)
この室外ユニット3では、アルミ製の取付部材45と鋼製の左側板917との間の電解腐食は発生するが、取付部材45は左側板917の高さ位置が異なる2箇所に固定されているだけなので、両者の接触面積は小さく、電解腐食の進行が抑制されている。
【0068】
(3−3)
この室外ユニット3では、ヘッダー集合管253の横断面が四角形状であり、ヘッダー集合管253に鉛直方向に沿った鉛直平面部253aが形成されている。この鉛直平面部253aが取付部材45の取付面として利用されるので、製造時の作業性が向上する。
【0069】
(4)変形例
図6に示すように、取付部材45は曲げ加工によってコの字状に成形され、平行に離れた第1面451及び第2面452を有している。しかしながら、取付部材45の形状はコの字状に限定されるものではない。
【0070】
図7Aは、変形例に係る室外ユニットのU字状の取付部材の平面図である。また、図7Bは、変形例に係る室外ユニットの逆Z字状の取付部材の平面図である。図7Aおよび図7Bに示すように、取付部材45は、U字状および逆Z字状であっても、平行に離れた第1面451及び第2面452を有しているならば、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上のように、本発明によれば、アルミ製の熱交換器を室外熱交換器として採用することができるので、空気調和機に限らずヒートポンプ式給湯機にも有用である。
【符号の説明】
【0072】
3 室外ユニット
25 室外熱交換器
45 取付部材
91 本体ケーシング
251 扁平管(チューブ)
253 ヘッダー集合管
451 第1面
452 第2面
917 左側板
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開2010−107103号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する冷凍装置の室外ユニットであって、
伝熱管及び伝熱フィンがアルミニウム製またはアルミニウム合金製の熱交換器(25)と、
前記熱交換器(25)を鋼製の側板(917)を含む外殻部材で取り囲む本体ケーシング(91)と、
前記側板(917)と前記熱交換器(25)との間に介在し前記側板(917)と前記熱交換器(25)とを連結する、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の取付部材(45)と、
を備える、
冷凍装置の室外ユニット(3)。
【請求項2】
前記取付部材(45)は、前記側板(917)の高さ位置が異なる複数箇所に固定される、
請求項1に記載の冷凍装置の室外ユニット(3)。
【請求項3】
前記熱交換器の前記伝熱管は、水平方向に延びる扁平管(251)であって、
前記熱交換器(25)は、前記扁平管(251)の端部が接続される中空筒状のヘッダー集合管(253)をさらに有しており、
前記取付部材(45)は、前記ヘッダー集合管(253)に固定されている、
請求項1又は請求項2に記載の冷凍装置の室外ユニット(3)。
【請求項4】
前記ヘッダー集合管(253)では、前記取付部材(45)が固定される部分が平面である、
請求項3に記載の冷凍装置の室外ユニット(3)。
【請求項5】
前記取付部材(45)は、少なくとも2平面を形成するように曲げ加工された板状部材であり、
前記ヘッダー集合管(253)に固定される第1面(451)と、
前記側板(917)に固定される第2面(452)と、
を有する、
請求項3又は請求項4に記載の冷凍装置の室外ユニット(3)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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