説明

冷凍装置

【課題】冷媒容器内に貯留された冷凍機油を圧縮機へ戻す。
【解決手段】圧縮機(20,60)と、放熱器(2a,3a,4a,44)と、膨張機構(30,75)と、該膨張機構(30,75)からの液冷媒が貯留する冷媒容器(51,54)とが接続され、冷媒が循環して冷凍サイクルを行うとともに冷媒中に冷凍機油が含まれる冷媒回路(10)と、上記冷媒容器(51,54)内の液冷媒の温度が、該液冷媒の密度と、該液冷媒中に含まれる冷凍機油の密度とが同等となる温度(Ta)よりも高くなるように、上記冷媒容器(51,54)内の圧力を調整する圧力調整機構(55)とを備える冷凍装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機と、膨張機構と、液冷媒が貯留される冷媒容器とを備えた冷凍装置に関し、特に圧縮機の冷凍機油不足の対策に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば特許文献1の図11に開示されるように、圧縮機と膨張機(膨張機構)と気液分離器(冷媒容器)とを備えた冷凍装置が知られている。この冷凍装置の冷媒回路では、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。この冷凍装置では、冷媒として二酸化炭素が用いられている。
【0003】
特許文献1の冷凍装置では、膨張機を流出した冷媒が気液分離器内へ流入し、ガス冷媒と液冷媒とに分離される。ガス冷媒は、減圧した後、連絡配管を通じて圧縮機に吸入される一方、液冷媒は、気液分離器から流出する。この液冷媒は、蒸発器として機能する熱交換器を通過する際に空気から吸熱した後、圧縮機へ吸入される。
【0004】
また、圧縮機には、冷凍機油を貯留するための油溜まりが形成されている。油溜まりの潤滑油は、圧縮機の圧縮機構を潤滑する。この冷凍装置では、冷凍機油としてポリアルキレングリコール(PAG)が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−164225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、冷媒容器の内部には、圧縮機から流出した冷凍機油が溜まり込む。二酸化炭素とPAGとは相溶性が比較的低いため、冷媒容器内では、冷凍機油と液冷媒とが二層に分離した状態で貯留される。
【0007】
冷媒容器内の液冷媒の温度が通常の外気温度と同等程度の場合、冷凍機油の密度が液冷媒の密度よりも大きくなるため、冷凍機油が冷媒容器の底部に溜まり、その冷凍機油の上に液冷媒が浮いた状態になる。この場合、冷凍機油は、液冷媒とともに冷媒容器を流出して、圧縮機へ戻される。
【0008】
一方、冷媒容器内の液冷媒の温度が、例えば−20℃程度まで低くなると、液冷媒の密度が冷凍機油の密度よりも大きくなるため、液冷媒が冷媒容器の底部に溜まり、その液冷媒の上に冷凍機油が浮いた状態になる。そうなると、冷凍機油が冷媒容器の上部に滞留するため、冷凍機油が圧縮機へ戻されなくなり、圧縮機の潤滑が不十分になる虞が生じる。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷凍容器内に貯留された冷凍機油を圧縮機へ戻すことである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明は、冷凍装置を対象とし、圧縮機(20,60)と、放熱器(2a,3a,4a,44)と、膨張機構(30,75)と、該膨張機構(30,75)からの液冷媒が貯留する冷媒容器(51,54)とが接続され、冷媒が循環して冷凍サイクルを行うとともに冷媒中に冷凍機油が含まれる冷媒回路(10)と、上記冷媒容器(51,54)内の液冷媒の温度が、該液冷媒の密度と、該液冷媒中に含まれる冷凍機油の密度とが同等となる温度(Ta)よりも高くなるように、上記冷媒容器(51,54)内の圧力を調整する圧力調整機構(55)とを備えることを特徴とする。
【0011】
第1の発明では、冷凍装置において、冷媒が冷媒回路(10)を循環することにより冷凍サイクルが行われる。また、冷媒容器(51,54)には、膨張機構(30,65)からの液冷媒が貯留する。冷媒容器(51,54)には、この液冷媒の他に、冷凍機油も貯まり込む。
【0012】
一般的に、液冷媒及び冷凍機油の温度が通常の外気温度と同等程度の場合、冷凍機油の密度は液冷媒の密度よりも大きくなるため、冷媒容器(51,54)では、冷凍機油の上に液冷媒が浮いた状態になる。この場合、冷凍機油は、液冷媒とともに冷媒回路(10)へ流出し、圧縮機へ戻される。
【0013】
一方、冷媒容器(51,54)内の液冷媒及び冷凍機油の温度が低くなり冷凍機油の密度が液冷媒の密度よりも小さくなると、上述の場合とは逆に、冷媒容器(51,54)内では、液冷媒の上に冷凍機油が浮いた状態となる。そうなると、冷凍機油は、冷媒回路(10)へ流出できずに冷媒容器(51,54)内に滞留してしまうため、圧縮機(20)へ戻されなくなる。
【0014】
これに対して、第1の発明では、冷凍機油の密度が液冷媒の密度よりも小さくならないように、冷媒容器(51,54)内の圧力を調整している。冷媒容器(51,54)内の液冷媒の温度は飽和温度になっているため、冷媒容器(51,54)内の圧力(飽和圧力)を上昇させると、冷媒容器(51,54)内の液冷媒及び冷凍機油の温度も上昇する。この際、液冷媒の温度は、液冷媒の密度と冷凍機油の密度とが同等となる温度(Ta)よりも高くなるように調整されるため、冷凍機油の密度が、液冷媒の密度よりも大きくなる。従って、冷凍機油が冷媒容器(51,54)の上部に滞留することを防止できる。その結果、冷凍機油が液冷媒とともに冷媒容器(51,54)から流出するため、冷凍機油を圧縮機(20)へ送ることができる。
【0015】
第2の発明は、第1の発明において、上記冷媒容器は、上記膨張機構(30,75)からの冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離する気液分離器(51)で構成され、上記圧力調整機構(55)は、上記気液分離器(51)の気相部と上記圧縮機(20)の吸入側とを繋ぐガスインジェクション管(37)と、該ガスインジェクション管(37)に設けられる圧力調整弁(52)とを備えることを特徴とする。
【0016】
第2の発明において、膨張機構(30,75)からの冷媒は、気液分離器(51)内において、ガス冷媒と液冷媒とに分離されて貯留される。この液冷媒は、気液分離器(51)から流出して冷媒回路(10)に戻される。一方、ガス冷媒は、ガスインジェクション管(37)を通じて圧縮機(20)の吸入側に搬送される。このガスインジェクション管(37)に設けられた圧力調整弁(52)の開度が絞られると、気液分離器(51)内の圧力が上昇するため、液冷媒及び冷凍機油の温度が上昇する。
【0017】
第3の発明は、第1の発明において、上記圧縮機(20,60)は、低段側圧縮機(20)、及び該低段側圧縮機(20)からの冷媒を圧縮する高段側圧縮機(60)を備え、上記放熱器(2a,3a,4a,44)の流出端と上記膨張機構(30,75)の流入端との間の高圧配管(71)から分岐し、上記低段側圧縮機(20)と高段側圧縮機(60)とを繋ぐ中間圧配管(53)に接続される中間インジェクション管(72)と、該中間インジェクション管(72)に接続される減圧弁(73)と、上記高圧配管(71)において上記中間インジェクション管(72)の流入端を流出した冷媒と、上記中間インジェクション管(72)において上記減圧弁(73)で減圧された冷媒とを熱交換させる熱交換部(70)とを備え、上記圧力調整機構(55)は、上記減圧弁(73)と、上記中間インジェクション管(72)を流れる冷媒の流量を調整するように、上記減圧弁(73)の開度を制御する減圧弁制御部(57c)とを備えることを特徴とする。
【0018】
第3の発明では、低段側圧縮機(20)及び高段側圧縮機(60)で圧縮された高圧の冷媒は、放熱器(2a,3a,4a,44)を流れる。この高圧冷媒は、放熱器(2a,3a,4a,44)を流出した後、高圧配管(71)と、該高圧配管(71)から分岐する中間インジェクション管(72)とに分かれて流れる。高圧配管(71)において中間インジェクション管(72)の流入端を通過した冷媒は、中間インジェクション管(72)において減圧弁(73)によって減圧された冷媒によって冷却される。
【0019】
第3の発明において、減圧弁制御部(57c)によって減圧弁(73)の開度が絞られると、中間インジェクション管(72)を流れる冷媒の流量が低減する。そうすると、熱交換部(70)において、高圧配管(71)を流れる冷媒が中間インジェクション管(72)を流れる冷媒へ放熱する熱量が小さくなる。その結果、高圧配管(71)を流出して膨張機構(30,75)へ流入する冷媒の温度が高くなる。従って、冷媒容器(51,54)内の飽和圧力が上昇するため、液冷媒及び冷凍機油の温度が上昇する。
【0020】
第4の発明は、第2又は第3の発明において、上記膨張機構は、膨張機(30)で構成されていることを特徴とする。
【0021】
第4の発明では、冷媒が膨張機(30)を通過する際に発生する動力を回収できる。
【0022】
第5の発明は、第2から第4の発明のいずれか1つにおいて、上記放熱器(2a,3a,4a,44)へ送風するファン(2c,3c,4c,44a)と、上記冷媒容器(51,54)内の液冷媒の温度が、該液冷媒の密度と、該液冷媒中に含まれる冷凍機油の密度とが同等となる温度(Ta)よりも高くなるように、上記ファン(2c,3c,4c,44a)の風量を制御するファン制御部(57b)とを備えることを特徴とする。
【0023】
第5の発明において、ファン制御部(57b)によって、放熱器(2a,3a,4a,44)へ送風するファン(2c,3c,4c,44a)の風量を低減すると、放熱器(2a,3a,4a,44)内の冷媒から空気への放熱量が低減するため、放熱器(2a,3a,4a,44)の出口側の温度が高くなり、膨張機構(30,75)に流入する冷媒の温度が高くなる。その結果、膨張機構(30,75)で膨張した冷媒の温度が高くなる。この際、ファン制御部(57b)は、冷媒容器(51,54)内の液冷媒の温度が、液冷媒の密度と冷凍機油の密度とが同等となる温度(Ta)よりも高くなるようにファン(2c,3c,4c,44a)の風量を調整する。従って、冷凍容器(51,54)内において冷凍機油が液冷媒の上部に滞留するのを防止できる。
【発明の効果】
【0024】
第1の発明によれば、冷凍機油の密度が液冷媒の密度よりも小さくならないように冷媒容器(51,54)内の圧力を調整している。これにより、冷凍機油が冷媒容器(51,54)の上部に滞留することを防止できるため、冷凍機油を液冷媒とともに冷媒容器(51,54)から流出させて圧縮機(20)へ送ることができる。
【0025】
また、第2の発明によれば、ガスインジェクション管(37)に設けられる圧力調整弁(52)を調整することにより気液分離器(51)内の温度を上昇させて、液冷媒及び冷凍機油の温度を上昇させている。こうすると、冷凍装置における高圧側の圧力及び低圧側の圧力を変えることなく、気液分離器(51)内の圧力を調整できる。その結果、冷凍装置の冷凍能力に影響を及ぼすことなく、気液分離器(51)内の冷凍機油を圧縮機(20)へ戻すことができる。
【0026】
また、第3の発明によれば、減圧弁(73)の開度を絞って中間インジェクション管(72)を流れる冷媒の流量を低減することにより、液冷媒及び冷凍機油の温度を上昇させることができる。その結果、冷凍機油が冷媒容器(51,54)の上部に滞留するのを防止できる。
【0027】
また、第4の発明によれば、冷媒が膨張する際に発生する動力を回収できるため、冷凍装置を省エネ化できる。
【0028】
また、第5の発明によれば、放熱器(2a,3a,4a,44)へ送風するファン(2c,3c,4c,44a)の風量を低減することで、気液分離器(51)内の液冷媒及び冷凍機油の温度を上昇できる。これにより、冷凍機油が気液分離器(51)の上部に滞留することを防止できるため、冷凍機油を圧縮機へ戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、実施形態1の空調機の冷媒回路図である。
【図2】図2は、液冷媒(二酸化炭素)及び冷凍機油(PAG)における、温度と密度との関係を示すグラフである。
【図3】図3は、実施形態2の空調機の冷媒回路図である。
【図4】図4は、実施形態3の空調機の冷媒回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0031】
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。図1に示すように、本実施形態1は、本発明に係る冷凍装置により構成された空調機(1)である。この空調機(1)は、冷媒回路(10)で冷媒を循環させて蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うもので、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行う。この空調機(1)は、1つの室外ユニット(5)と複数(図1の例では3つ)の室内ユニット(2,3,4)とを備える、いわゆるマルチ型に構成されている。
【0032】
冷媒回路(10)には、二酸化炭素(CO)が冷媒として充填されている。上記冷媒回路(10)は、利用側回路である3つの室内回路(11,12,13)と、熱源側回路である1つの室外回路(14)とを備えている。3つの室内回路(11,12,13)は、第1連絡管(15)及び第2連絡管(16)を介して室外回路(14)に接続されている。
【0033】
上記室内回路(11,12,13)は、各室内ユニット(2,3,4)に1つずつ収納されている。各室内回路(11,12,13)には、利用側熱交換器である室内熱交換器(2a,3a,4a)と、利用側膨張弁である開度可変の室内膨張弁(2b,3b,4b)とが直列に接続されて設けられている。各室内ユニット(2,3,4)には、室内熱交換器(2a,3a,4a)へ送風するための室内ファン(2c,3c,4c)がそれぞれ設けられている。
【0034】
各室内熱交換器(2a,3a,4a)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器により構成されている。各室内熱交換器(2a,3a,4a)へは、室内ファン(2c,3c,4c)によって室内空気が供給される。各室内熱交換器(2a,3a,4a)では、供給された室内空気と該室内熱交換器(2a,3a,4a)を流通する冷媒との間で熱交換が行われる。また、各室内膨張弁(2b,3b,4b)は、電子膨張弁によって構成されている。
【0035】
上記室外回路(14)は、室外ユニット(5)に収納されている。この室外回路(14)には、圧縮機(20)、膨張機構としての膨張機(30)、冷媒容器としての気液分離器(51)、室外熱交換器(44)、冷却用熱交換器である内部熱交換器(45)、四路切換弁(42)、及びブリッジ回路(41)が設けられている。室外ユニット(5)には、室外熱交換器(44)へ送風するための室外ファン(44a)が設けられている。
【0036】
圧縮機(20)は、密閉状の圧縮機ケーシング(21)と、該圧縮機ケーシング(21)内に配置される電動機(22)と、該電動機(22)によって駆動される圧縮機構(24)とを備えている。
【0037】
圧縮機ケーシング(21)は、縦長で円筒状の密閉容器である。圧縮機ケーシング(21)の上部には、圧縮機構(24)で圧縮された冷媒を吐出するための吐出管(26)が、圧縮機ケーシング(21)の下部には、冷媒を吸入するための吸入管(25)が、それぞれ挿通固定されている。また、圧縮機ケーシング(21)の底部には、冷凍機油を貯留するための油溜まり(27)が形成されている。本実施形態1では、冷凍機油として、PAG(ポリアルキレングリコール)が用いられる。
【0038】
電動機(22)は、ステータ(22a)とロータ(22b)とを備えている。ステータ(22a)は、略円筒状に形成され、圧縮機ケーシング(21)における上側の部分に内嵌している。ロータ(22b)は、円柱状に形成され、ステータ(22a)の内周に所定の隙間(エアギャップ)を介して挿通されている。ロータ(22b)の中央部には、駆動軸(23)が挿通固定されている。
【0039】
駆動軸(23)は、ロータ(22b)から油溜まり(27)まで上下方向に延びるように形成されている。駆動軸(23)には、油溜まり(27)の冷凍機油を圧縮機構(24)の摺動部へ供給するための給油路(23a)が形成されている。また、駆動軸(23)の下端部には、冷凍機油を上方へ汲み上げるための遠心ポンプ(23b)が形成されている。電動機(22)の駆動により駆動軸(23)が回転すると、冷凍機油は、遠心ポンプ(23b)によって上方へ汲み上げられ、給油路(23a)を通じて圧縮機構(24)の摺動部へ供給される。
【0040】
圧縮機構(24)は、ロータリー式の圧縮機構で構成されている。圧縮機構(24)は、圧縮機ケーシング(21)における下側の部分に配置されている。圧縮機構(24)は、シリンダ及びピストンを備えている。圧縮機構(24)は、ピストンの回転により吸入管(25)から吸入された冷媒を圧縮し、圧縮後の高圧冷媒を圧縮機ケーシング(21)内の上方へ吐出する。この高圧冷媒は、冷凍機油とともに、吐出管(26)を通じて冷媒回路(10)へ吐出される。
【0041】
膨張機(30)は、密閉状の膨張機ケーシング(31)を備えている。膨張機ケーシング(31)の内部には、膨張機構(34)と発電機(32)と出力軸(33)とが収容されている。膨張機構(34)は、いわゆるロータリ式の容積型流体機械を構成している。膨張機ケーシング(31)内では、膨張機構(34)の上方に発電機(32)が配置されている。出力軸(33)は、上下方向に延びて、膨張機構(34)と発電機(32)とを連結している。
【0042】
膨張機ケーシング(31)には、流入管(35)と流出管(36)とが設けられている。流入管(35)及び流出管(36)は、何れも膨張機ケーシング(31)の胴部の下部付近を貫通している。流入管(35)は、その終端が膨張機構(34)へ接続されている。流出管(36)は、その始端が膨張機構(34)へ接続されている。膨張機構(34)の内部では、流入管(35)を通って流入した冷媒がピストン(図示省略)を回転させながら膨張する。その結果、発電機(32)が回転駆動される。つまり、冷媒の膨張によって発生した動力が発電に利用される。また、冷媒回路(10)には、膨張機(30)の流入側と流出側とに接続されるバイパス管(38)が設けられている。バイパス管(38)には、該バイパス管(38)を流れる冷媒の流量を調整するためのバイパス弁(29)が設けられている。
【0043】
気液分離器(51)は、縦長で円筒状の密閉容器である。気液分離器(51)内では、膨張機(30)から流出した冷媒がガス冷媒と液冷媒とに分離された状態で貯留される。この気液分離器(51)の内部は、飽和温度に保たれている。
【0044】
気液分離器(51)には、その頂部にガスインジェクション管(37)の一端が接続されている。ガスインジェクション管(37)は、気液分離器(51)内の気相部へ開口している。また、気液分離器(51)には、その底部に液冷媒流出管(49)の一端が、その側部に膨張機側流出管(39)の一端が、それぞれ接続されている。ガスインジェクション管(37)の他端は、圧縮機(20)の吸入側へ接続されている。液冷媒流出管(49)の他端は、ブリッジ回路(41)に接続されている。膨張機側流出管(39)の他端は、膨張機(30)の流出管(36)に接続されている。また、ガスインジェクション管(37)には、気液分離器(51)内の圧力を調整するための圧力調整弁(52)が設けられている。圧力調整弁(52)は、制御部(57)によって開度が調整される。圧力調整弁(52)は、例えば電子膨張弁で構成される。
【0045】
気液分離器(51)内には、液冷媒及びガス冷媒の他に、冷媒中に含まれる冷凍機油も溜まり込む。本実施形態1では、冷媒(二酸化炭素)に対して相溶性が比較的低い冷凍機油(PAG)が用いられているため、液冷媒と冷凍機油とは分離した状態で気液分離器(51)内に貯留される。
【0046】
液冷媒及び冷凍機油の温度が、通常の外気温度(例えば20℃)と同等程度の場合、図2に示すように、冷凍機油(PAG)の密度は液冷媒(CO)の密度よりも大きくなっている。この場合、気液分離器(51)内では、冷凍機油の上に液冷媒が溜まった状態となる。一方、液冷媒及び冷凍機油の温度が、ある温度(Ta)を下回ると、冷凍機油の密度が液冷媒の密度よりも小さくなる。この場合、気液分離器(51)内では、液冷媒の上に冷凍機油が溜まった状態となる。図2にも示すように、冷凍機油の密度及び液冷媒の密度は、上記温度(Ta)を閾値として上下関係が逆転する。なお、この閾値(Ta)は、−20℃程度である。
【0047】
室外熱交換器(44)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器により構成されている。室外熱交換器(44)へは、室外ファン(44a)によって室外空気が供給される。室外熱交換器(44)では、供給された室外空気と該室外熱交換器(44)を流通する冷媒との間で熱交換が行われる。室外回路(14)において、室外熱交換器(44)は、その一端が四路切換弁(42)の第3のポートに接続され、その他端がブリッジ回路(41)に接続されている。
【0048】
内部熱交換器(45)は、互いに隣接して配置された液冷媒側流路(46)及びガス冷媒側流路(47)を備え、液冷媒側流路(46)の冷媒とガス冷媒側流路(47)の冷媒とを熱交換させるように構成されている。室外回路(14)において、液冷媒側流路(46)は液冷媒流出管(49)の一部を構成し、ガス冷媒側流路(47)はガスインジェクション管(37)の一部を構成している。この内部熱交換器(45)では、液冷媒側流路(46)の冷媒とガス冷媒側流路(47)の冷媒との間で熱交換が行われる。
【0049】
ブリッジ回路(41)は、3つの逆止弁(CV-1〜CV-3)と1つのブリッジ回路側膨張弁(43)とをブリッジ状に接続したものである。各逆止弁(CV-1〜CV-3)は、図1における矢印方向への冷媒の流れを許容し、その逆の流れを禁止している。このブリッジ回路(41)は、第1逆止弁(CV-1)の流入側及びブリッジ回路側膨張弁(43)の一端側が室外熱交換器(44)の他端に接続され、第2逆止弁(CV-2)の流入側及びブリッジ回路側膨張弁(43)の他端側が液冷媒流出管(49)に接続されている。また、ブリッジ回路(41)は、第2逆止弁(CV-2)の流出側及び第3逆止弁(CV-3)の流入側が第1閉鎖弁(17)に接続され、第3逆止弁(CV-3)の流出側及び第1逆止弁(CV-1)の流出側が膨張機(30)の流入側へ接続されている。
【0050】
室外回路(14)において、四路切換弁(42)の第1のポートは、圧縮機(20)の吸入側に接続されている。第2のポートは、第2閉鎖弁(18)に接続されている。第3のポートは、室外熱交換器(44)の一端に接続されている。第4のポートは、圧縮機(20)の吐出側に接続されている。この四路切換弁(42)は、第1のポートが第2のポートと連通し且つ第3のポートが第4のポートと連通する状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わるように構成されている。
【0051】
第1連絡管(15)は、その一端が第1閉鎖弁(17)に接続されている。また、第1連絡管(15)は、他端側で3つに分岐されて、各室内回路(11,12,13)における室内膨張弁(2b,3b,4b)側の端部に接続されている。第2連絡管(16)は、その一端が第2閉鎖弁(18)に接続されている。また、第2連絡管(16)は、他端側で3つに分岐されて、各室内回路(11,12,13)における室内熱交換器(2a,3a,4a)側の端部に接続されている。
【0052】
−圧力調整機構−
本実施形態1の空調機(1)は、圧力調整機構(55)を備えている。圧力調整機構(55)は、気液分離器(51)内の圧力を調整するためのものである。圧力調整機構(55)は、温度センサ(56)と、上記ガスインジェクション管(37)及び圧力調整弁(52)と、制御部(57)とを備えている。
【0053】
温度センサ(56)は、膨張機側流出管(39)における気液分離器(51)近傍に設けられ、気液分離器(51)に流入する冷媒の温度を検出している。膨張機側流出管(39)は気液分離器(51)の内部と連通しているため、温度センサ(56)では、実質的に気液分離器(51)内の液冷媒及び冷凍機油の温度が検出される。温度センサ(56)で検出された温度(T)は、制御部(57)へ送信される。
【0054】
制御部(57)は、温度センサ(56)から送信される温度(T)に基づいて、圧力調整弁(52)の開度を調整する。また、制御部(57)には、基準温度(Ts)が記憶されている。この基準温度(Ts)は、図2に示すように、液冷媒の密度と冷凍機油の密度とが同等となる温度(つまり、液冷媒の密度と冷凍機油の密度との上下関係が逆転する閾値(Ta))よりもやや高い値が設定される。制御部(57)では、温度センサ(56)で検出された温度(T)と、上記基準温度(Ts)とが比較される。
【0055】
また、制御部(57)は、圧力調整弁(52)の開度を調整するための圧力調整弁制御部(57a)を備えている。温度センサ(56)での検出温度(T)が基準温度(Ts)に到達すると、圧力調整弁制御部(57a)によって、圧力調整弁(52)の開度が絞られる。
【0056】
−運転動作−
本実施形態1の空調機(1)では、冷房運転と暖房運転とが選択的に行われる。
【0057】
《冷房運転》
上記空調機(1)の冷房運転時の動作について説明する。
【0058】
冷房運転時において、四路切換弁(42)は、図1に実線で示す状態に切り換えられ、各室内膨張弁(2b,3b,4b)の開度が個別に調節される。また、ブリッジ回路側膨張弁(43)は全閉状態に設定され、バイパス弁(29)及び圧力調整弁(52)は、開度が適宜調整される。
【0059】
この状態で圧縮機(20)を駆動すると、冷媒回路(10)で冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。その際、室外熱交換器(44)が放熱器として機能し、室内熱交換器(2a,3a,4a)が蒸発器として機能する。
【0060】
具体的に、圧縮機(20)からは、圧縮されて臨界圧力よりも高い圧力となった高圧冷媒が吐出される。この高圧冷媒は、四路切換弁(42)を通過して室外熱交換器(44)へ送られる。室外熱交換器(44)を流れる高圧冷媒は、室外空気と熱交換を行い、室外空気に対して放熱する。
【0061】
室外熱交換器(44)で放熱した冷媒は、ブリッジ回路(41)を通じて膨張機(30)へ流入する。膨張機(30)では冷媒が膨張して減圧される。減圧された冷媒は、気液分離器(51)に流入して液冷媒とガス冷媒とに分離される。気液分離器(51)内の飽和状態の液冷媒は、底部から流出して内部熱交換器(45)の液冷媒側流路(46)に流入する。一方、気液分離器(51)内の飽和状態のガス冷媒は、圧力調整弁(52)で減圧された後に内部熱交換器(45)のガス冷媒側流路(47)に流入する。
【0062】
内部熱交換器(45)では、液冷媒側流路(46)の冷媒とガス冷媒側流路(47)の冷媒との間で熱交換が行われる。液冷媒側流路(46)の冷媒は、ガス冷媒側流路(47)の冷媒によって冷却される。
【0063】
液冷媒側流路(46)を通過した液冷媒は、ブリッジ回路(41)及び第1連絡管(15)を通じて各室内回路(11,12,13)へ分配される。この液冷媒は、各室内調節弁(2b,3b,4b)で減圧された後に各室内熱交換器(2a,3a,4a)へ流入する。各室内熱交換器(2a,3a,4a)では、冷媒と室内空気と間で熱交換が行われる。この熱交換により、冷媒は室内空気から吸熱して蒸発する一方、室内空気は冷却されて室内へ供給される。各室内熱交換器(2a,3a,4a)で蒸発した冷媒は、第2連絡管(16)で合流して室外回路(14)へ流入する。室外回路(14)へ流入した冷媒は、ガス冷媒側流路(47)を流出した冷媒と合流し、圧縮機(20)へ吸入される。圧縮機(20)に吸入された冷媒は、再び圧縮されて吐出される。
【0064】
《暖房運転》
上記空調機(1)の暖房運転時の動作について説明する。
【0065】
暖房運転時において、四路切換弁(42)は、図1に破線で示す状態に切り換えられ、各室内膨張弁(2b,3b,4b)の開度が個別に調節される。また、バイパス弁(29)、ブリッジ回路側膨張弁(43)、及び圧力調整弁(52)は、開度が適宜調整される。
【0066】
この状態で圧縮機(20)を駆動すると、冷媒回路(10)で冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。その際、室内熱交換器(2a,3a,4a)が放熱器として機能し、室外熱交換器(44)が蒸発器として機能する。
【0067】
具体的に、圧縮機(20)からは、圧縮されて臨界圧力よりも高圧となった高圧冷媒が吐出される。この高圧冷媒は、四路切換弁(42)を通過して第2連絡管(16)へ流入し、各室内回路(11,12,13)へ分配される。その際、各室内回路(11,12,13)に対しては、室内膨張弁(2b,3b,4b)の開度に応じた量の冷媒が供給される。
【0068】
各室内回路(11,12,13)へ分配された高圧冷媒は、それぞれ室内熱交換器(2a,3a,4a)へ導入されて室内空気と熱交換を行う。この熱交換により、高圧冷媒は室内空気に対して放熱し、室内空気が加熱される。各室内熱交換器(2a,3a,4a)で放熱した冷媒は、第1連絡管(15)へ流入して合流し、その後に室外回路(14)へ送り返される。一方、室内熱交換器(2a,3a,4a)において加熱された室内空気は、室内へ供給される。
【0069】
第1連絡管(15)から室外回路(14)へ流入した冷媒は、ブリッジ回路(41)を通じて膨張機(30)へ流入する。膨張機(30)では冷媒が膨張して減圧される。減圧された冷媒は、気液分離器(51)に流入して液冷媒とガス冷媒とに分離される。気液分離器(51)内の液冷媒は、底部から流出してブリッジ回路(41)のブリッジ回路側膨張弁(43)を流れて減圧された後、室外熱交換器(44)へ流入する。この冷媒は、室外空気と熱交換を行うことにより、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(44)で蒸発した冷媒は、圧縮機(20)へ吸入され、再び圧縮されて吐出される。
【0070】
〈冷媒回路における冷凍機油の流れ、及び圧力調整機構の動作〉
冷房運転時及び暖房運転時において、圧縮機(20)の電動機(22)が駆動すると、圧縮機(20)の油溜まり(27)に貯留される冷凍機油は、遠心ポンプ(23b)によって上方へ汲み上げられ、給油路(23a)を通じて圧縮機構(24)の摺動部へ供給される。これにより、圧縮機構(24)の摺動部が潤滑される。摺動部を潤滑した冷凍機油は、そのまま油溜まり(27)へ戻されるか、又は圧縮機構(24)によって圧縮された冷媒とともに圧縮機(20)の吐出管(26)から吐出される。その後、冷媒及び冷凍機油は、冷房運転時には、室外熱交換器(44)及び膨張機(30)を順に流れて気液分離器(51)に流入する。一方、暖房運転時には、室内熱交換器(2a,3a,4a)及び膨張機(30)を順に流れて気液分離器(51)に流入する。
【0071】
気液分離器(51)内において、液冷媒及び冷凍機油の温度が上記閾値(Ta)を上回っている場合、気液分離器(51)内では、冷凍機油の上に液冷媒が溜まった状態となる。このとき、冷凍機油は、液冷媒とともに気液分離器(51)から液冷媒流出管(49)を通じて冷媒回路(10)へ戻される。そして、冷凍機油は、蒸発器としての室内熱交換器(2a,3a,4a)又は室外熱交換器(44)を流れて、再び圧縮機(20)の油溜まり(27)へ戻される。
【0072】
一方、気液分離器(51)内において、液冷媒及び冷凍機油の温度が上記閾値以下になってしまうと、気液分離器(51)内では、液冷媒の上に冷凍機油が溜まった状態となる。そうなると、冷凍機油は、気液分離器(51)の上部に滞留するため、圧縮機(20)へ戻りにくくなってしまう。
【0073】
これに対して、実施形態1の空調機(1)では、冷凍機油が気液分離器(51)の底部に溜まるように、圧力調整機構(55)が動作する。
【0074】
具体的には、まず、制御部(57)において、温度センサ(56)で検出された温度(T)と、基準温度(Ts)とが比較される。検出温度(T)が基準温度(Ts)を上回っている場合、冷凍機油の上に液冷媒が溜まった状態となっている。一方、温度センサ(56)での検出温度(T)が徐々に低くなり、基準温度(Ts)に到達すると、圧力調整弁制御部(57a)によって圧力調整弁(52)の開度が絞られる。
【0075】
圧力調整弁(52)の開度が絞られると、気液分離器(51)内の圧力が上昇する。気液分離器(51)内の冷媒は、気液二相状態になっているため、気液分離器(51)内の圧力上昇とともに気液分離器(51)内の液冷媒及び冷凍機油の温度が上昇する。圧力調整弁(52)の開度は、基準温度(Ts)よりも高くなるように調整されるため、冷凍機油が気液分離器(51)の上部に滞留することを防止できる。その結果、冷凍機油が液冷媒とともに気液分離器(51)から流出するため、冷凍機油を圧縮機(20)へ送ることができる。
【0076】
−実施形態1の効果−
以上のように、実施形態1に係る空調機(1)では、気液分離器(51)内の液冷媒及び冷凍機油の温度が極端に低くなる場合であっても、冷凍機油が気液分離器(51)の上部に滞留することを防止できる。従って、気液分離器(51)内から冷凍機油を冷媒回路(10)へ流出させて圧縮機(20)へ戻すことができるため、圧縮機(20)の潤滑不良を抑制できる。
【0077】
また、実施形態1では、気液分離器(51)内の圧力調整を、ガスインジェクション管(37)に設けられた圧力調整弁(52)の開度を調整することにより行っている。こうすると、冷凍装置の高圧側の圧力及び低圧側の圧力を変更することなく、気液分離器(51)内の圧力を調整できる。従って、空調機(1)の空調能力を維持しつつ、圧縮機(20)の潤滑不足を抑制できる。
【0078】
しかも、実施形態1では、基準温度(Ts)を、液冷媒の密度と冷凍機油の密度とが同等となる温度(Ta)よりもやや高い温度に設定している。こうすると、膨張機(30)の出口側の圧力が極端に高くならないため、膨張機(30)の入口側の圧力と出口側の圧力との間の差圧を確保できる。従って、膨張機(30)での発電量が極端に少なくなるのを抑制できる。
【0079】
《発明の実施形態2》
実施形態2の空調機(1)は、実施形態1の空調機(1)と比べて、制御部(57)の構成が異なっている。実施形態2の制御部(57)は、図3に示すように、各ファン(2c,3c,4c,44a)の風量を制御するためのファン制御部(57b)を更に備えている。
【0080】
実施形態2のファン制御部(57b)は、圧力調整弁(52)を全閉状態にして気液分離器(51)内の圧力を上昇させても該気液分離器(51)内の冷媒の飽和温度が基準温度(Ts)を下回る場合、室内ファン(2c,3c,4c)又は室外ファン(44a)の風量を適宜、低減する。こうすると、放熱器(2a,3a,4a,44)内の冷媒から空気への放熱量が低減するため、放熱器(2a,3a,4a,44)の出口側の温度が高くなり、膨張機(30)に流入する冷媒の温度が高くなる。その結果、気液分離器(51)内の飽和圧力が上昇するため、液冷媒及び冷凍機油の飽和温度が上昇する。この飽和温度が基準温度(Ts)よりも高くなるように、ファン制御部(57b)によって、ファン(2c,3c,4c,44a)の風量が制御される。
【0081】
−実施形態2の効果−
以上のように、実施形態2に係る空調機(1)では、放熱器(2a,3a,4a,44)として機能する熱交換器(2a,3a,4a,44)へ送風するファン(2c,3c,4c,44a)の風量を制御することにより、液冷媒及び冷凍機油の温度を上昇させている。こうすると、圧力調整弁(52)の開度の調整だけでは気液分離器(51)内の液冷媒を基準温度(Ts)まで上昇できない場合であっても、ファン(2c,3c,4c,44a)の風量を制御することにより、液冷媒を基準温度(Ts)まで上昇させることが可能になる。
【0082】
《発明の実施形態3》
実施形態3の空調機(1)は、図4に示すように、実施形態1の空調機と比べて、圧縮機としての低段側圧縮機(20)及び高段側圧縮機(60)と、熱交換部としてのエコノマイザ熱交換器(70)とを更に備えている。また、実施形態3の空調機(1)は、実施形態1の空調機と比べて、膨張機(30)、バイパス管(38)、及びバイパス弁(29)が省略された構成となっており、その代わりに、膨張機構としての室外膨張弁(75)を備えている。更に、実施形態3の空調機(1)は、気液分離器(51)の代わりに、冷媒容器としてのレシーバ(54)を備えている。
【0083】
低段側圧縮機(20)は、上記実施形態1における圧縮機の構成を概ね同じである。しかし、実施形態1の圧縮機と異なり、低段側圧縮機(20)の低段側圧縮機構(24)は、冷媒を中間圧まで圧縮するように構成されている。低段側圧縮機(20)で圧縮された冷媒は、該低段側圧縮機(20)の吐出管(26)と高段側圧縮機(60)の吸入管(65)とを繋ぐ中間圧配管(53)を通じて、高段側圧縮機(60)へ吸入される。高段側圧縮機(60)は、高段側圧縮機構(64)によって該冷媒を圧縮して高圧の冷媒とし、該高圧冷媒を吐出管(66)から冷媒回路(10)へ吐出するように構成されている。また、高段側圧縮機(60)の底部の油溜まり(67)には、冷凍機油が貯留されている。この油溜まり(67)の冷凍機油は、遠心ポンプ(63b)によって上方へ汲み上げられ、給油路(63a)を介して高段側圧縮機構(64)の摺動部へ供給される。
【0084】
空調機(1)は、高圧配管(71)と、中間インジェクション管(72)とを備えている。高圧配管(71)は、ブリッジ回路(41)における第1逆止弁(CV-1)の流出側及び第3逆止弁(CV-3)の流出側の接続部分と、室外膨張弁(75)の流入側との間に接続されている。中間インジェクション管(72)は、流入端が高圧配管(71)に接続され、流出端が中間圧配管(53)に接続されている。中間インジェクション管(72)には、減圧弁(73)が設けられている。減圧弁(73)は、開度が調整可能なように構成されている。これにより、中間インジェクション管(72)を流れる冷媒の流量を調整できる。減圧弁(73)の開度は、減圧弁制御部(57c)によって制御される。
【0085】
エコノマイザ熱交換器(70)は、互いに隣接して配置された第1流路(71a)及び第2流路(72a)を備え、各流路(71a,72a)を流れる冷媒同士を熱交換させるように構成されている。第1流路(71a)は高圧配管(71)に接続され、第2流路(72a)は、中間インジェクション管(72)における減圧弁(73)よりも下流側に接続されている。
【0086】
室外膨張弁(75)は、流入側が高圧配管(71)の流出端に接続され、流出側がレシーバ流入管(74)に接続されている。
【0087】
レシーバ(54)は、密閉状の容器である。レシーバ(54)の気相部には、レシーバ流入管(74)の流出端が接続されている。レシーバ流入管(74)の流入端は、室外膨張弁(75)の流出側に接続されている。また、レシーバ(54)の底部には、液冷媒流出管(49)の一端が接続されている。この液冷媒流出管(49)の他端は、ブリッジ回路(41)における第2逆止弁(CV-2)の流入側とブリッジ回路側膨張弁(43)の他端側との間に接続されている。
【0088】
−圧力調整機構−
実施形態3の空調機(1)の圧力調整機構(55)は、温度センサ(56)と、上記減圧弁(73)と、減圧弁制御部(57c)とを備えている。
【0089】
温度センサ(56)は、レシーバ流入管(74)におけるレシーバ(54)近傍に設けられ、レシーバ(54)に流入する冷媒の温度を検出している。レシーバ流入管(74)は、レシーバ(54)の内部と連通しているため、温度センサ(56)では、実質的にレシーバ(54)内の液冷媒及び冷凍機油の温度が検出される。温度センサ(56)で検出された温度(T)は、制御部(57)へ送信される。制御部(57)は、実施形態1の場合と同様、温度センサ(56)での検出温度(T)と基準温度(Ts)とを比較する。そして、検出温度(Ts)が基準温度(Ts)に到達すると、減圧弁制御部(57c)によって減圧弁(73)の開度が絞られる。
【0090】
−運転動作−
本実施形態3の空調機(1)でも、上記実施形態1の空調機と同様、冷房運転と暖房運転とが選択的に行われる。
【0091】
《冷房運転》
上記空調機(1)の冷房運転時の動作について説明する。
【0092】
冷房運転時において、四路切換弁(42)は、図4に実線で示す状態に切り換えられ、各室内膨張弁(2b,3b,4b)の開度が個別に調節される。また、ブリッジ回路側膨張弁(43)は全閉状態に設定され、室外膨張弁(75)及び減圧弁(73)は、開度が適宜調整される。
【0093】
この状態で各圧縮機(20,60)を駆動すると、冷媒回路(10)で冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。その際、室外熱交換器(44)が放熱器として機能し、室内熱交換器(2a,3a,4a)が蒸発器として機能する。
【0094】
具体的に、低段側圧縮機(20)の吸入管(25)から吸入された冷媒は、低段側圧縮機(20)によって圧縮されて中間圧の冷媒となる。この冷媒は、中間圧配管(53)を通じて高段側圧縮機(60)へ吸入されて、臨界圧力よりも高い圧力まで圧縮される。この高圧冷媒は、四路切換弁(42)を通過して室外熱交換器(44)へ送られる。室外熱交換器(44)を流れる高圧冷媒は、室外空気と熱交換を行い、室外空気に対して放熱する。
【0095】
室外熱交換器(44)で放熱した冷媒は、ブリッジ回路(41)を通じて高圧配管(71)へ流入し、エコノマイザ熱交換器(70)の第1流路(71a)を流れる。一方、高圧配管(71)へ流入した冷媒の一部は、中間インジェクション管(72)へ流入し、減圧弁(73)によって減圧された後、第2流路(72a)を流れる。これにより、エコノマイザ熱交換器(70)では、第1流路(71a)を流れる冷媒が第2流路(72a)を流れる冷媒によって冷却される。第2流路(72a)を流れた冷媒は、中間圧配管(53)を通じて高段側圧縮機(60)へ吸入される。
【0096】
第1流路(71a)を流れた冷媒は、室外膨張弁(75)によって減圧されてレシーバ(54)へ流入する。レシーバ(54)では、冷媒が液状態で貯留される。この液冷媒は、液冷媒流出管(49)へ流出し、ブリッジ回路(41)及び第1連絡管(15)を通じて各室内回路(11,12,13)へ分配される。この液冷媒は、各室内調節弁(2b,3b,4b)で減圧された後に各室内熱交換器(2a,3a,4a)へ流入する。各室内熱交換器(2a,3a,4a)では、冷媒と室内空気と間で熱交換が行われる。この熱交換により、冷媒は室内空気から吸熱して蒸発する一方、室内空気は冷却されて室内へ供給される。各室内熱交換器(2a,3a,4a)で蒸発した冷媒は、第2連絡管(16)で合流して室外回路(14)へ流入する。室外回路(14)へ流入した冷媒は、低段側圧縮機(20)に吸入されて圧縮され、吐出管(26)を通じて中間圧配管(53)へ吐出される。この中間圧の冷媒は、中間インジェクション管(72)を流出した冷媒と合流し、高段側圧縮機(60)へ吸入されて圧縮され、吐出管(66)から吐出される。
【0097】
《暖房運転》
上記空調機(1)の暖房運転時の動作について説明する。
【0098】
暖房運転時において、四路切換弁(42)は、図4に破線で示す状態に切り換えられ、各室内膨張弁(2b,3b,4b)の開度が個別に調節される。また、ブリッジ回路側膨張弁(43)、室外膨張弁(75)、及び減圧弁(73)は、開度が適宜調整される。
【0099】
この状態で各圧縮機(20,60)を駆動すると、冷媒回路(10)で冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。その際、室内熱交換器(2a,3a,4a)が放熱器として機能し、室外熱交換器(44)が蒸発器として機能する。
【0100】
具体的に、低段側圧縮機(20)の吸入管(25)から吸入された冷媒は、該低段側圧縮機(20)及び高段側圧縮機(60)によって、臨界圧力よりも高い圧力まで圧縮される。この高圧冷媒は、四路切換弁(42)を通過して第2連絡管(16)へ流入し、各室内回路(11,12,13)へ分配される。各室内回路(11,12,13)へ分配された高圧冷媒は、室内空気に対して放熱し、室内空気が加熱される。各室内熱交換器(2a,3a,4a)で放熱した冷媒は、第1連絡管(15)へ流入して合流し、その後に室外回路(14)へ送り返される。一方、室内熱交換器(2a,3a,4a)において加熱された室内空気は、室内へ供給される。
【0101】
第1連絡管(15)から室外回路(14)へ流入した冷媒は、ブリッジ回路(41)を通じて高圧配管(71)へ流入し、エコノマイザ熱交換器(70)の第1流路(71a)を流れる。一方、高圧配管(71)へ流入した冷媒の一部は、中間インジェクション管(72)へ流入し、減圧弁(73)によって減圧された後、第2流路(72a)を流れる。これにより、冷房運転の場合と同様、エコノマイザ熱交換器(70)では、第1流路(71a)を流れる冷媒が第2流路(72a)を流れる冷媒によって冷却される。第2流路(72a)を流れた冷媒は、中間圧配管(53)を通じて高段側圧縮機(60)へ吸入される。
【0102】
第1流路(71a)を流れた冷媒は、室外膨張弁(75)によって減圧されてレシーバ(54)へ流入する。レシーバ(54)では、冷媒が液状態で貯留される。この液冷媒は、液冷媒流出管(49)へ流出し、ブリッジ回路側膨張弁(43)を流れて減圧された後、室外熱交換器(44)へ流入する。この冷媒は、室外空気から吸熱して蒸発した後、再び低段側圧縮機(20)へ吸入される。
【0103】
〈冷媒回路における冷凍機油の流れ、及び圧力調整機構の動作〉
冷房運転時及び暖房運転時において、各圧縮機(20,60)が駆動すると、各圧縮機(20,60)の油溜まり(27,67)に貯留される冷凍機油は、各圧縮機構(24,64)の摺動部へ供給される。この冷凍機油の一部は、圧縮された冷媒とともに冷媒回路(10)へ吐出される。その後、冷媒及び冷凍機油は、冷房運転時には、室外熱交換器(44)、エコノマイザ熱交換器(70)、及び室外膨張弁(75)を順に流れてレシーバ(54)に流入する。一方、暖房運転時には、上記冷媒及び冷凍機油は、室内熱交換器(2a,3a,4a)、エコノマイザ熱交換器(70)、及び室外膨張弁(75)を順に流れてレシーバ(54)に流入する。
【0104】
レシーバ(54)内において、液冷媒及び冷凍機油の温度が上記閾値(Ta)を上回っている場合、レシーバ(54)内では、冷凍機油の上に液冷媒が溜まった状態となる。従って、レシーバ(54)内の冷凍機油は、冷媒回路(10)へ戻されるため、各圧縮機(20,60)の油溜まり(27,67)へ戻される。しかし、レシーバ(54)内において、液冷媒及び冷凍機油の温度が上記閾値(Ta)以下になってしまうと、レシーバ(54)内では、液冷媒の上に冷凍機油が溜まった状態となり、実施形態1の場合と同様、冷凍機油が圧縮機(20,60)へ戻りにくくなってしまう。
【0105】
これに対して、実施形態3の空調機(1)では、冷凍機油がレシーバ(54)の底部に溜まるように、圧力調整機構(55)が動作する。
【0106】
具体的には、まず、制御部(57)において、温度センサ(56)で検出された温度(T)と、基準温度(Ts)とが比較される。検出温度(T)が基準温度(Ts)を上回っている場合、冷凍機油の上に液冷媒が溜まった状態となっている。一方、温度センサ(56)での検出温度(T)が徐々に低くなり、基準温度(Ts)に到達すると、減圧弁制御部(57c)によって減圧弁(73)の開度が絞られる。
【0107】
減圧弁(73)の開度が絞られると、エコノマイザ熱交換器(70)の第2流路(72a)を流れる冷媒の流量が減少するので、第1流路(71a)を流れる冷媒から第2流路(72a)を流れる冷媒への放熱量が低減する。これにより、第1流路(71a)から流出する冷媒の温度が上昇するため、レシーバ(54)へ流入する冷媒の温度も上昇する。減圧弁(73)の開度は、レシーバ(54)内の液冷媒の温度が基準温度(Ts)よりも高くなるように調整されるため、冷凍機油がレシーバ(54)の上部に滞留することを防止できる。その結果、冷凍機油が液冷媒とともにレシーバ(54)から流出するため、冷凍機油を各圧縮機(20,60)へ戻すことができる。
【0108】
なお、実施形態3における制御部に、実施形態2の場合と同様のファン制御部(57b)を設けてもよい。
【0109】
−実施形態3の効果−
以上のように、実施形態3に係る空調機(1)では、減圧弁(73)の開度を絞って中間インジェクション管(72)を流れる冷媒の流量を低減することにより、液冷媒及び冷凍機油の温度を上昇させることができる。その結果、冷凍機油がレシーバ(54)の上部に滞留するのを防止でき、該レシーバ(54)から冷媒回路(10)へ冷凍機油を戻しやすくなるため、各圧縮機(20,60)の潤滑不良を抑制できる。
【0110】
また、本実施形態3の空調機(1)が、例えば外気温度が非常に低くなる寒冷地で使用される場合、冷凍サイクルの低圧(蒸発圧力)が小さくなる。このため、レシーバ(54)内に液状態の冷媒を溜めるためには、室外膨張弁(75)をある程度絞って、該レシーバ(54)内の圧力をある程度下げる必要がある。しかし、そうすると、レシーバ(54)内の液冷媒の温度が、基準温度(Ts)を下回ってしまう場合がある。
【0111】
これに対して、本実施形態3のように、室外膨張弁(75)に流入する冷媒の温度を上昇させることで、レシーバ(54)内の飽和圧力を上昇させて、該レシーバ(54)内の液冷媒及び冷凍機油の温度を上昇させることができる。
【0112】
なお、実施形態3では、空調機(1)を対象としているが、この限りでなく、例えば、冷凍庫や冷蔵庫を対象とすることもできる。特に、冷凍庫は、蒸発温度を低くする必要があるため、レシーバ(54)内の液冷媒の温度が基準温度(Ts)を下回りやすくなる。これに対して、上記実施形態3のように室外膨張弁(75)に流入する冷媒の温度を上昇させることで、レシーバ(54)内の液冷媒及び冷凍機油の温度を上昇させることができる。
【0113】
−その他の実施形態−
上記実施形態については、以下のような構成にしてもよい。
【0114】
上記実施形態1及び2では、膨張機構として膨張機(30)が用いられ、また、実施形態3では、膨張機構として室外膨張弁(75)が用いられている。しかし、この限りでなく、実施形態1及び2において、膨張機構として膨張弁を用いてもよく、また、実施形態3において、膨張機構として膨張機(30)を用いてもよい。
【0115】
上記実施形態では、圧力調整弁(52)の開度を調整したり、放熱器として機能する熱交換器(2a,3a,4a,44)へ送風するファン(2c,3c,4c,44a)の風量を調整したりすることで、気液分離器(51)内の圧力を調整しているが、この限りでない。例えば、膨張機(30)の上流側に加熱機構を設け、膨張機(30)へ流入する前の冷媒を加熱してもよい。これにより、気液分離器(51)内の液冷媒及び冷凍機油の温度を上昇することができる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
以上説明したように、本発明は、気液分離器やレシーバを備えた冷凍装置に有用である。
【符号の説明】
【0117】
2a,3a,4a 室内熱交換器(放熱器)
2c,3c,4c 室内ファン(ファン)
10 冷媒回路
20 圧縮機、低段側圧縮機
30 膨張機(膨張機構)
37 ガスインジェクション管
44 室外熱交換器(放熱器)
44a 室外ファン(ファン)
51 気液分離器(冷媒容器)
52 圧力調整弁
53 中間圧配管
54 レシーバ(冷媒容器)
55 圧力調整機構
57b ファン制御部
57c 減圧弁制御部
60 高段側圧縮機(圧縮機)
70 エコノマイザ熱交換器(熱交換部)
71 高圧配管
72 中間インジェクション管
73 減圧弁
75 室外膨張弁(膨張機構)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機(20,60)と、放熱器(2a,3a,4a,44)と、膨張機構(30,75)と、該膨張機構(30,75)からの液冷媒が貯留する冷媒容器(51,54)とが接続され、冷媒が循環して冷凍サイクルを行うとともに冷媒中に冷凍機油が含まれる冷媒回路(10)と、
上記冷媒容器(51,54)内の液冷媒の温度が、該液冷媒の密度と、該液冷媒中に含まれる冷凍機油の密度とが同等となる温度(Ta)よりも高くなるように、上記冷媒容器(51,54)内の圧力を調整する圧力調整機構(55)と
を備えることを特徴とする冷凍装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記冷媒容器は、上記膨張機構(30,75)からの冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離する気液分離器(51)で構成され、
上記圧力調整機構(55)は、
上記気液分離器(51)の気相部と上記圧縮機(20)の吸入側とを繋ぐガスインジェクション管(37)と、
上記ガスインジェクション管(37)に設けられる圧力調整弁(52)と
を備えることを特徴とする冷凍装置。
【請求項3】
請求項1において、
上記圧縮機(20,60)は、低段側圧縮機(20)、及び該低段側圧縮機(20)からの冷媒を圧縮する高段側圧縮機(60)を備え、
上記放熱器(2a,3a,4a,44)の流出端と上記膨張機構(30,75)の流入端との間の高圧配管(71)から分岐し、上記低段側圧縮機(20)と高段側圧縮機(60)とを繋ぐ中間圧配管(53)に接続される中間インジェクション管(72)と、
上記中間インジェクション管(72)に接続される減圧弁(73)と、
上記高圧配管(71)において上記中間インジェクション管(72)の流入端を流出した冷媒と、上記中間インジェクション管(72)において上記減圧弁(73)で減圧された冷媒とを熱交換させる熱交換部(70)とを備え、
上記圧力調整機構(55)は、
上記減圧弁(73)と、
上記中間インジェクション管(72)を流れる冷媒の流量を調整するように、上記減圧弁(73)の開度を制御する減圧弁制御部(57c)と
を備えることを特徴とする冷凍装置。
【請求項4】
請求項2又は3において、
上記膨張機構は、膨張機(30)で構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1つにおいて、
上記放熱器(2a,3a,4a,44)へ送風するファン(2c,3c,4c,44a)と、
上記冷媒容器(51,54)内の液冷媒の温度が、該液冷媒の密度と、該液冷媒中に含まれる冷凍機油の密度とが同等となる温度(Ta)よりも高くなるように、上記ファン(2c,3c,4c,44a)の風量を制御するファン制御部(57b)と
を備えることを特徴とする冷凍装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−108713(P2013−108713A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255944(P2011−255944)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)