説明

冷凍車又は冷蔵車庫内の中仕切り壁

【課題】 冷凍車又は冷蔵車庫内におけるパネルの取り付けを容易に行うことのできる中仕切り壁を提供すること。
【解決手段】 中仕切り壁3は、庫内2を仕切るパネル10と、庫内2において所定方向に移動可能に設けられた移動フレーム11と、パネル10の端部を移動フレーム11に着脱可能に装着する装着金具12とを備えており、移動フレーム11が所定方向に移動してパネル10の端部の片面に当接したときに、同時に、装着金具12によりパネル10が移動フレーム11に装着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍車又は冷蔵車庫内を2室以上に仕切る中仕切り壁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
管理温度の異なる複数種類の荷物を一度に運ぶことができるようにするために、冷凍車又は冷蔵車の庫内を2室以上に仕切る中仕切り壁として、発泡ウレタン等の断熱性のパネルを有し、庫内においてパネルを前後に移動させて庫内の所定の位置に設置することが可能であり、さらに、庫内を仕切らない場合にはパネルを天井へはね上げて収納することが可能なものがある。しかし、パネルを天井へはね上げた状態ではパネルが内壁から部分的に突出しているために、パネルが荷物の積み込み作業や積み下ろし作業の邪魔になる。また、パネルが庫内へ突出している分、積載効率が低下するし、さらには、突出したパネルが冷気循環の妨げになる場合もある。
【0003】
このような問題を解決することが可能な中仕切り壁として、例えば、特許文献1には、前後方向に延びる左右2本のガイドレールを介して前後に移動可能に設けられた横棒に、4つの吊下げベルトを介してパネルが着脱自在に吊り下げられた中仕切り壁が記載されている。この中仕切り壁においては、パネルで庫内を仕切らない場合には、パネルを天井へはね上げる他に、パネルを庫内から取り外すこともできるようになっている。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2563715号公報(第3頁、図1、図2及び図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記特許文献1に記載の中仕切り壁においては、パネルを横棒に取り付ける場合には、4つの吊下げベルトをパネルに1つずつ装着する必要があるため、取り付け作業に手間がかかる。さらに、このとき、横棒を4つの吊下げベルトに挿通させてパネルを横棒に取り付けることになるが、サイズ及び重量の比較的大きいパネルを前後に移動する横棒に対して位置決めして取り付けることはかなり困難である。
【0006】
本発明の目的は、冷凍車又は冷蔵車庫内におけるパネルの取り付けを容易に行うことのできる中仕切り壁を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
第1の発明の冷凍車又は冷蔵車庫内の中仕切り壁は、冷凍車又は冷蔵車の庫内を仕切るパネルと、庫内において所定方向に移動可能に設けられた移動フレームと、前記パネルの端部を前記移動フレームに着脱可能に装着する装着手段とを備え、前記移動フレームがパネルの端部の片面に当接した状態で、前記装着手段により前記パネルが前記移動フレームに着脱可能に装着されることを特徴とするものである。
【0008】
この中仕切り壁においては、冷凍車又は冷蔵車庫内を仕切るパネルは、このパネルに移動フレームが当接した状態で、装着手段により移動フレームに着脱可能に装着される。従って、パネルを直立状態に保持してから移動フレームをパネルに当接させることにより、移動フレームのパネルに対する位置を確実に決めてから、パネルを移動フレームに装着することができるため、パネルを移動フレームに容易に取り付けることができる。また、庫内でパネルを移動させる場合やパネルを庫内から取り外す場合における、パネルの取り扱い性を向上させるために、パネルと内壁との間にある程度隙間が形成されている場合でも、パネルの端部に当接する移動フレームにより、パネルと内壁との間の隙間を塞ぐことができるため、シール性が向上する。
【0009】
第2の発明の冷凍車又は冷蔵車庫内の中仕切り壁は、前記第1の発明において、前記移動フレームが前記所定方向に移動して前記パネルの端部の片面に当接したときに、同時に、前記装着手段により前記パネルが前記移動フレームに装着されるように構成されていることを特徴とするものである。従って、パネルに移動フレームを当接させるだけでパネルを移動フレームに取り付けることができ、パネルの取り付けが非常に容易になる。
【0010】
第3の発明の冷凍車又は冷蔵車庫内の中仕切り壁は、前記第1又は第2の発明において、前記パネルは、前記装着手段により前記移動フレームに対して回動自在に装着されることを特徴とするものである。従って、パネルを庫内で移動させる際にパネルを移動フレームに対して回動させることにより、パネルを内壁から少し離して、パネルと内壁との抵抗を小さくすることができるため、パネルの移動が容易になる。また、パネルで庫内を仕切る必要のないときには、パネルを天井へはね上げることも可能になる。
【0011】
第4の発明の冷凍車又は冷蔵車庫内の中仕切り壁は、前記第1〜第3の何れかの発明において、前記パネルは、庫内においてその面に平行な方向に並ぶ複数の分割パネルに分割され、これら複数の分割パネルが前記装着手段により夫々前記移動フレームに着脱可能に装着されることを特徴とするものである。このように、パネルが複数の分割パネルに分割されているため、パネルを庫内で移動させたり、あるいは、パネルを庫内から取り外したりすることがさらに容易になる。
【0012】
第5の発明の冷凍車又は冷蔵車庫内の中仕切り壁は、前記第1〜第4の何れかの発明において、前記移動フレームは、長さ調節可能に構成されていることを特徴とするものである。従って、移動フレームの長さを適宜調節することにより、種々のサイズのパネルを移動フレームに取り付けることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、冷凍車の庫内を2室以上に仕切る為のはね上げ式の中仕切り壁に本発明を適用した一例である。尚、冷凍車の先頭側(図1の紙面奥側)を前側として以下説明する。
図1に示すように、冷凍車1の庫内2には、この庫内2を前後方向(図1の紙面垂直方向)に2室以上に仕切る1又は複数の中仕切り壁3が設けられている。この中仕切り壁3は、図2に示すように、天井へはね上げて収納することが可能に構成されている。また、庫内2の両側の側壁4には夫々上下2本のラッシングレール5が設けられている。そして、これらラッシングレール5には内側へ突出する多数の係止部6が設けられており、これら係止部6に、中仕切り壁3で仕切られた荷室内に収納された荷物を固定するための荷締具用ベルト7の一端7aが固定される。
【0014】
次に、中仕切り壁3について説明する。
図1〜図5に示すように、中仕切り壁3は、庫内2を仕切るパネル10と、天井8の近傍において前後方向に移動可能に設けられた移動フレーム11と、パネル10を移動フレーム11に着脱可能に装着する2組の装着金具12(装着手段)とを有する。
【0015】
まず、パネル10について説明する。
パネル10は、庫内2において左右(面に平行な方向)に並ぶ2枚の分割パネル10A,10Bに分割されている。2枚の分割パネル10A,10Bの表面の上部の位置には夫々取っ手13が設けられている。尚、図3に示すように、分割パネル10A,10Bを前後方向に移動させる際に、冷凍庫1の天井8の右側に設けられたダクト15(図5参照)を右側の分割パネル10Bが避けることができるように、右側の分割パネル10Bの上端部右側部分には切欠部14が形成されている。
【0016】
図4に示すように、本実施形態の分割パネル10A,10Bは、発泡倍率30倍のポリエチレンの独立発泡体20の両面に、互いに平行なリブを有するポリエチレン製の中空樹脂体21a,21bが貼着され、さらに、ポリエチレン中空樹脂体21a,21bの表面に、ポリエチレン等の合成樹脂の発泡シート22と、PVCターポリン等の合成樹脂シート23とが貼着された構造を有する。このように、発泡シート22及び合成樹脂シート23によって、中空樹脂体21a,21bの表面が覆われているため、表面が柔軟になり、その内部が保護されるとともに、表面に傷がつきにくくなっている。
【0017】
ポリエチレン製の中空樹脂体21a,21bは、平行な2枚の板部材の間にリブ28a,28bが一体的に設けられた構造を有する。一方のポリエチレン中空樹脂体21aのリブ28aは分割パネル10A,10Bの縦方向に延在し、他方のポリエチレン中空樹脂体21bのリブ28bは分割パネル10A,10Bの横方向に延在し、リブ28aとリブ28bは直交している。そのため、分割パネル10A,10Bは縦方向及び横方向に剛性を有する。
【0018】
分割パネル10A,10Bの縁部には、断面蒲鉾状の発泡倍率50倍のウレタンスポンジ24と、このウレタンスポンジ24の表面を覆う伸縮性を有する基布25が設けられている。基布25は、伸縮性を有するニット布26のウレタンスポンジ24側にポリウレタンフィルム27がラミネートされたものである。尚、庫内2の底面9(図1、図2参照)には分割パネル10A,10Bの自重が作用するため、底面9と分割パネル10A,10Bとの間のシール性を確保するためには、分割パネル10A,10Bの下端部にそれほど発泡倍率の高いポリエチレン発泡体を設ける必要はない。例えば、図3に示すように、分割パネル10A,10Bの下端部に、圧縮歪みの小さい発泡倍率10倍のポリエチレン発泡体30が貼り付けられ、さらに、その表面がPVCシート31で覆われた構造でも、十分なシール性を確保できる。
【0019】
次に、移動フレーム11について説明する。
図5〜図8に示すように、庫内2の天井8には、前後方向に延びる2組のレール32が設けられている。そして、2枚の分割パネル10A,10Bに夫々対応する2つの移動フレーム11が、夫々2組のレール32において前後方向に移動可能に設けられている。尚、2つの移動フレーム11は同じ構造を有するため、以下、左側の移動フレーム11について説明する。移動フレーム11は、左右方向に延びるビーム40と、このビーム40の左右両側に夫々設けられた2つのスライダ41を有する。
【0020】
図8に示すように、スライダ41は、上方に開口するコの字形の断面形状を有し、スライダ41はビーム40にスライド可能に外嵌されている。また、ビーム40はスライダ41の内面に設けられたボルト42に係合しており、スライダ41がビーム40から外れて落下しないように構成されている。さらに、図5に示すように、スライダ41をビーム40に固定する為のボルト43も設けられている。つまり、2つのスライダ41を所定の位置にスライド移動させた後にボルト43によりスライダ41をビーム40に固定して、分割パネル10Aの幅に合わせて移動フレーム11の長さを調節することが可能になっている。従って、移動フレーム11の長さを適宜調節することにより、種々のサイズの分割パネル10Aを移動フレーム11に取り付けることが可能である。
【0021】
図6、図7に示すように、スライダ41のレール32側の端部は、夫々断面L字状の受け部材44の水平壁部44aに受け止められ、さらに、スライダ41の端部はボルト45により水平壁部44aに固定されている。受け部材44の鉛直壁部44bには、レール32に接する前後2つのローラーベアリング46が夫々回転自在に枢支されている。そのため、移動フレーム11は、その両端に位置するローラーベアリング46を介してレール32上を前後方向に移動可能に構成されている。尚、受け部材44には、ローラーベアリング46がレール32から外れるのを防止する前後2つのストッパー47がボルト及びナットにより固定されている。
【0022】
また、図3、図5及び図7に示すように、分割パネル10Aの上端部の両側部分は、レール32及び受け部材44と干渉しないように部分的に切りかかれている。そこで、この切りかかれた部分においてシール性が低下しないように、移動フレーム11の両端部の上側には、夫々発泡ウレタン等からなる断熱材48が設けられている。さらに、この断熱材48と天井8との間には、シール性をさらに向上させるとともに移動フレーム11が前後に動く際の天井8との間の摩擦を低減することが可能な、合成樹脂製のブラシ49が介装されている。
【0023】
尚、図5に示すように、本実施形態の冷凍車1においては、天井8の右端の位置にダクト15が配設されている。そこで、右側の移動フレーム11がこのダクト15を避けて前後に移動することができるように、右側の移動フレーム11においては、左右両側のスライダ41が受け部材44の下側に固定されており、右側の移動フレーム11は左側の移動フレーム11に対してやや低い位置に設けられている。
【0024】
次に、装着金具12について説明する。ここで、2組の装着金具12は同じ構造を有するため、左側の分割パネル10Aを移動フレーム11に装着するための1組の装着金具12について以下説明する。
図5、図8に示すように、1組の装着金具12は、分割パネル10Aに固定された本体金具50と、このロック本体に係合可能なU字状の係合金具51からなる。本体金具50は、2枚の板部材52と、これら2枚の板部材52の間に配設され、係合金具51に係合する係合位置(図8の実線の位置)と係合解除位置(図8の鎖線の位置)とに亙って板部材52に対して回動可能に設けられた爪部材53と、この爪部材53を係合解除位置に移動させる為の操作部材54とを有する。尚、図8においては、紙面手前側の板部材52しか示されていないが、実際には、紙面奥側に、この板部材52と対向する別の板部材52が設けられている。
【0025】
図8に示すように、本体金具50は、2枚の板部材52が鉛直面と平行な状態で分割パネル10Aの端部(直立状態における上端部)に固定されている。板部材52の後側(図8における右側)の部分には凹部52aが形成されており、この凹部52a内で爪部材53の端部が図8の矢印aの方向に回動するようになっている。一方、U字状の係合金具51は直立状態の分割パネル10Aに平行な状態で移動フレーム11のスライダ41の下面に固定されており、その水平部51aは凹部52aと同じ高さに位置している。そして、分割パネル10Aを直立状態に保持してから、移動フレーム11を前方(矢印bの方向)に移動させて分割パネル10Aの上端部に当接させると、移動フレーム11側の係合金具51の水平部51aが凹部52a内に挿入される。このとき、挿入された水平部51aにより爪部材53が操作されて、爪部材53が係合解除位置(図8の鎖線の位置)から係合位置(図8の実線の位置)に回動して水平部51aに係合し、係合金具51の水平部51aが凹部52a内で前後方向に移動不能に規制される。このように、係合位置にある爪部材53と係合金具51とが係合すると、分割パネル10Aが移動フレーム11から吊り下げられた状態となる。さらに、分割パネル10Aは、係合金具51の水平部51aを中心に移動フレーム11に対して回動可能な状態になり、図2に示すように、分割パネル10Aを回動させて天井8にはね上げることが可能となる。
【0026】
操作部材54は板部材52に対して回動可能に設けられており、この操作部材54には紐55が取り付けられている。そして、操作部材54は、紐55を下方に引っ張ったときにやや下方の位置(図8の鎖線の位置)に移動し、さらに、この操作部材54の下降動作に連動して爪部材53が係合位置から係合解除位置に切り換わるように構成されている。つまり、紐55を介して操作部材54を下方に移動させるだけで、爪部材53と係合金具51との係合状態を解除して、分割パネル10Aを移動フレーム11から取り外すことができるようになっている。
【0027】
尚、本実施形態の中仕切り壁3においては、分割パネル10A,10Bをはね上げた状態で分割パネル10A,10Bの端部(直立状態における下端部)を天井8に保持する場合にも、前述の装着金具12が用いられている。即ち、図9に示すように、本体金具50が天井8に固定され、一方、係合金具51が分割パネル10A,10Bの下端部に固定されている(図3参照)。そのため、図8に示すように装着金具12を介して分割パネル10A,10Bを移動フレーム11に対して回動させてから、分割パネル10A,10Bの下端部に固定された係合金具51を天井8の本体金具50に係合させて、分割パネル10A,10Bを天井8にはね上げた状態で保持することができる。また、この保持状態から操作部材54に取り付けられた紐55を引っ張ることにより、係合金具51と本体金具50の係合状態を解除して、分割パネル10A,10Bを簡単に下へ降ろすことができる。
【0028】
次に、分割パネル10A,10Bを移動フレーム11に対して着脱する際の、中仕切り壁3の作用について説明する。
まず、分割パネル10A,10Bを移動フレーム11に装着する場合には、図5、図8に示すように、取っ手13を持って分割パネル10A,10Bを直立状態に保持しながら、移動フレーム11を前方(図8の矢印bの方向)に移動させ、移動フレーム11を分割パネル10A,10Bの上端部に当接させる。このとき、移動フレーム11に固定された係合金具51が、分割パネル10A,10Bに設けられた本体金具50に係合して、係合金具51が前後方向に移動不能に規制され、係合金具51により吊り下げられた状態で分割パネル10A,10Bが移動フレーム11に装着される。そして、左右2枚の分割パネル10A,10Bは夫々左右の移動フレーム11とともに前後に移動できるようになる。
【0029】
尚、この状態では、分割パネル10A,10Bは装着金具12を介して移動フレーム11に対して回動自在に装着されている。従って、パネル10を前後方向に移動させる際には、分割パネル10A,10Bを夫々持ち上げて底面9から少し離して、分割パネル10A,10Bと底面9との抵抗が小さくすることができるため、パネル10の移動が容易になる。
【0030】
一方、分割パネル10A,10Bを移動フレーム11から取り外す場合には、操作部材54に取り付けられた紐55を引き、操作部材54を少し下方へ移動させる。すると、この操作部材54の下降動作に連動して本体金具50と係合金具51との係合状態が解除されるため、分割パネル10A,10Bが移動フレーム11から外れ、分割パネル10A,10Bを冷凍庫の外へ運び出すことができる。
【0031】
以上説明した中仕切り壁3によれば次のような効果が得られる。
分割パネル10A,10Bを直立状態に保持してから移動フレーム11をパネル10に当接させて、パネル10と移動フレーム11の位置決めを行ってから、パネル10を移動フレーム11に装着することができる。さらに、パネル10に移動フレーム11を当接させるだけで、装着金具12によりパネル10が移動フレーム11に装着されるため、パネル10の取り付けが非常に容易になる。また、紐55を引っ張ることにより操作部材54を操作するだけで、パネル10を移動フレーム11から取り外すことができ、パネル10の取り外しも容易である。
【0032】
分割パネル10A,10Bは、装着金具12により移動フレーム11に対して回動自在に装着されるため、パネル10を庫内2で移動させる際に分割パネル10A,10Bを内壁から少し離して、分割パネル10A,10Bと底面9との抵抗を小さくすることができるため、パネル10の移動が容易になる。また、パネル10で庫内2を仕切る必要がないときには、分割パネル10A,10Bを天井8へはね上げることも可能になる。
【0033】
パネル10が左右2枚の分割パネル10A,10Bに分割されているため、パネル10を庫内2で前後に移動させたり、あるいは、パネル10を庫内2から取り外したりする作業が容易になる。
さらに、移動フレーム11の長さを調節することができるため、種々のサイズのパネル10を移動フレーム11に取り付けることが可能になる。
【0034】
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]パネル10を前後に移動させたり、あるいは、庫内2から取り外したりする際の、取り扱い性を向上させるために、前記実施形態よりもパネル10の高さを少し低くして、パネル10と天井8との間に所定の隙間が形成されるようにしてもよい。この場合でも、移動フレーム11によりその隙間をある程度塞ぐことができるため、シール性が向上する。さらに、前記実施形態の断熱材48及びブラシ49(図7参照)を移動フレーム11の上側においてその長さ方向に連続的に設けることにより、さらにシール性を向上させることができる。
【0035】
2]パネルは、前記実施形態のように2以上の複数枚の分割パネルに分割されていてもよいが、分割されていない1枚のパネルであってもよい。また、パネルとしては、従来から知られている種々の構造のものを採用することができる。例えば、合成樹脂発泡体のみで構成された簡単な構造のパネルであってもよいし、あるいは、加圧エアが注入されたエアーボードであってもよい。
【0036】
3]前記実施形態は、庫内を前後に仕切る中仕切り壁に本発明を適用した一例であるが、庫内を左右に仕切る中仕切り壁にも本発明を適用できる。この場合には、庫内2において、移動フレーム11は左右方向に移動可能に設けられ、この移動フレーム11に、前記実施形態の装着金具12等の装着手段によりパネル10が着脱可能に装着される。
【0037】
4]パネル10を移動フレーム11に装着する装着手段としては、前記実施形態の装着金具12のように、移動フレーム11をパネル10に当接させると同時にパネル10を移動フレーム11に装着する構成のものに限定されず、移動フレーム11がパネル10に当接している状態でパネル10を移動フレーム11に着脱可能に装着できるものであれば、種々の構造のものを採用できる。
【0038】
5]前記実施形態は、本発明を冷凍車の中仕切り壁に適用したときの一例であるが、冷蔵車の中仕切り壁に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係る冷凍車(中仕切り壁設置状態)を後方から見た図である。
【図2】冷凍車(中仕切り壁はね上げ状態)を後方から見た図である。
【図3】パネルの正面図である。
【図4】パネルの一部切欠拡大図である。
【図5】中仕切り壁上部の正面図である。
【図6】図5のVI-VI線断面図である。
【図7】図5の移動フレームの端部付近の拡大図である。
【図8】図5のVIII-VIII線断面図である。
【図9】分割パネルが天井に保持された状態における部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 冷凍車
2 庫内
3 中仕切り壁
10 パネル
10A,10B 分割パネル
11 移動フレーム
12 装着金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍車又は冷蔵車の庫内を仕切るパネルと、庫内において所定方向に移動可能に設けられた移動フレームと、前記パネルの端部を前記移動フレームに着脱可能に装着する装着手段とを備え、
前記移動フレームが前記パネルの端部の片面に当接した状態で、前記装着手段により前記パネルが前記移動フレームに着脱可能に装着されることを特徴とする冷凍車又は冷蔵車庫内の中仕切り壁。
【請求項2】
前記移動フレームが前記所定方向に移動して前記パネルの端部の片面に当接したときに、同時に、前記装着手段により前記パネルが前記移動フレームに装着されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷凍車又は冷蔵車庫内の中仕切り壁。
【請求項3】
前記パネルは、前記装着手段により前記移動フレームに対して回動自在に装着されることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷凍車又は冷蔵車庫内の中仕切り壁。
【請求項4】
前記パネルは、庫内においてその面に平行な方向に並ぶ複数の分割パネルに分割され、これら複数の分割パネルが前記装着手段により夫々前記移動フレームに着脱可能に装着されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の冷凍車又は冷蔵車庫内の中仕切り壁。
【請求項5】
前記移動フレームは、長さ調節可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の冷凍車又は冷蔵車庫内の中仕切り壁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−17413(P2006−17413A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197489(P2004−197489)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000117135)芦森工業株式会社 (447)
【Fターム(参考)】