説明

冷却構造体

【課題】メンテナンスの安全性及び作業性を向上させることのできる冷却構造体の提供。
【解決手段】所定間隙をあけて格納容器1を覆うと共に冷却風の吸気口と排気口とが形成された建屋構造体11と、上記間隙を仕切り、建屋構造体11側の空間に吸気口から吸気された冷却風が下降する第1流路18を形成し、格納容器1側の空間に第1流路18を流通した冷却風が排気口に向かって上昇する第2流路19を形成するバッフル板17と、を有する格納容器冷却構造体10であって、バッフル板17は、複数のパネル17aから構成され、建屋構造体11は、所定高さ毎にパネル17aを1または複数、着脱自在に取り付ける複数のパネル取付部26と、上記所定高さ毎に設けられ外部と第1流路18とを連通させる複数の連絡通路23と、を有するという構成を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、加圧水型原子炉の格納容器(冷却対象物)を冷却する格納容器冷却装置が開示されている。この格納容器冷却装置は、所定間隙をあけて格納容器を覆うと共に冷却風の吸気口と排気口とが形成された建屋構造体と、上記間隙を仕切り、建屋構造体側の空間に吸気口から吸気された冷却風が下降する第1流路を形成し、格納容器側の空間に第1流路を流通した冷却風が排気口に向かって上昇する第2流路を形成するバッフル板(仕切板)と、を有する冷却構造体を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−236572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記格納容器は、定期的なメンテナンス(点検、塗装作業等)が必要とされている。バッフル板は、サポートと称される固定具を設けた格納容器側に取り付けられており、格納容器にアクセスしてメンテナンスする際にはバッフル板を取り外さなければならない。しかし、バッフル側及び建屋側に足場等が無いため、従来では、吸気口等から第1流路に吊り下げたバケット上で作業者がバッフル板の取り外し作業を行っており、安全性、作業性に問題があった。また、バッフル板の撤去時においても、その取り扱いに困難が予測される。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、メンテナンスの安全性及び作業性を向上させることのできる冷却構造体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、所定間隙をあけて冷却対象物を覆うと共に冷却風の吸気口と排気口とが形成された建屋構造体と、上記間隙を仕切り、上記建屋構造体側の空間に上記吸気口から吸気された上記冷却風が下降する第1流路を形成し、上記冷却対象物側の空間に上記第1流路を流通した上記冷却風が上記排気口に向かって上昇する第2流路を形成する仕切板と、を有する冷却構造体であって、上記仕切板は、複数の板体から構成され、上記建屋構造体は、所定高さ毎に上記板体を1または複数、着脱自在に取り付ける複数の仕切板取付部と、上記所定高さ毎に設けられ外部と上記第1流路とを連通させる複数の連絡通路と、を有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、仕切板を建屋構造体側に取り付け可能とする。そして、建屋構造体に複数の連絡通路を設置し、所定高さ毎に第1流路とアクセス可能とする。仕切板は、複数の板体から構成されており、第1流路において所定高さ毎に板体を1または複数取り外すと、その奥側にある冷却対象物に所定高さ毎にアクセス可能となる。
【0007】
また、本発明においては、上記建屋構造体は、上記所定高さ毎に上記第1流路に略水平に突出して所定間隔で設けられた複数の棒体を有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、第1流路に略水平に突出する棒体に板体を掛け渡すことで、所定高さ毎に足場を設置することができる。また、棒体は、第1流路に突出させてもその流路面積の減少が小さく、常設しても冷却風の流れを妨げることは少ない。
【0008】
また、本発明においては、上記棒体は、折り畳み自在に設けられているという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、メンテナンス時以外で棒体を折り畳むことで、冷却風の流れを円滑にさせることができる。
【0009】
また、本発明においては、上記建屋構造体は、上記連絡通路を開閉する開閉扉を有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、連絡通路からの冷却風の流出を防止して、吸気口から排気口に向かう冷却風の流れを円滑にさせることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、所定間隙をあけて冷却対象物を覆うと共に冷却風の吸気口と排気口とが形成された建屋構造体と、上記間隙を仕切り、上記建屋構造体側の空間に上記吸気口から吸気された上記冷却風が下降する第1流路を形成し、上記冷却対象物側の空間に上記第1流路を流通した上記冷却風が上記排気口に向かって上昇する第2流路を形成する仕切板と、を有する冷却構造体であって、上記仕切板は、複数の板体から構成され、上記建屋構造体は、所定高さ毎に上記板体を1または複数、着脱自在に取り付ける複数の仕切板取付部と、上記所定高さ毎に設けられ外部と上記第1流路とを連通させる複数の連絡通路と、を有するという構成を採用することによって、仕切板を建屋構造体側に取り付け可能とする。そして、建屋構造体に複数の連絡通路を設置し、所定高さ毎に第1流路とアクセス可能とする。仕切板は、複数の板体から構成されており、第1流路において所定高さ毎に板体を1または複数取り外すと、その奥側にある冷却対象物に所定高さ毎にアクセス可能となる。
したがって、本発明では、従来のようにバケットを吊り下げることなくメンテナンスを行うことができるため、安全性及び作業性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態における加圧水型原子炉の格納容器冷却構造体の構成を示す断面図である。
【図2】図1における線視A−A断面図である。
【図3】図2における線視B−B断面図である。
【図4】図3における矢視X図である。
【図5】本発明の第2実施形態における格納容器冷却構造体の構成を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態における格納容器冷却構造体の構成を示す図である。
【図7】本発明の第3実施形態における格納容器冷却構造体の構成を示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態における格納容器冷却構造体の構成を示す図である。
【図9】本発明の別実施形態における足場設置用ガセットの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における加圧水型原子炉の格納容器冷却構造体10の構成を示す断面図である。
格納容器(冷却対象物)1は、その頂部に所定の勾配角を有するドーム状屋根部2と、このドーム状屋根部2に連結する筒状の胴部3とを備えている。この格納容器1内には原子炉4、蒸気発生器5等が収納されている。
【0014】
格納容器冷却構造体(冷却構造体)10は、所定間隙をあけて格納容器1の外側を遮蔽壁12で覆う建屋構造体11を有する。建屋構造体11には、その側部に吸気口13が形成され、その頂部に排気口14が形成されている。建屋構造体11は、排気口14の周りを囲むよう設けられた貯水槽15を備える。貯水槽15の底部には格納容器1のドーム状屋根部2の頂部に臨む散水管16が取り付けられている。散水管16から滴下した水は、気化熱により格納容器1から熱を奪い、蒸発して排気口14から外気に排気される。
【0015】
格納容器冷却構造体10は、格納容器1と建屋構造体11との間隙を仕切って2重のアニュラス部を形成し、冷却用通風経路を形成するバッフル板(仕切板)17を有する。バッフル板17は、上記間隙を仕切ることで、建屋構造体11側の空間に吸気口13から吸気された冷却風(空気)が下降する第1流路18を形成し、格納容器1側の空間に第1流路18を流通した冷却風が排気口14に向かって上昇する第2流路19を形成する構成となっている。
【0016】
この構成によれば、高温の格納容器1との間で熱交換して高温となった冷却風が、第2流路19において上昇気流となり、排気口14から外部に順次排気される。そうすると、吸気口13から吸気され第1流路18を下降した冷却風が、第2流路19に自然に流れこむ。したがって、この構成によれば、冷却風が吸気口13から入り排気口14から抜ける、自然通風による格納容器1の冷却が可能となる。
【0017】
続いて、図2〜図4を参照して格納容器冷却構造体10の詳細構造について説明する。
図2は、図1における線視A−A断面図である。図3は、図2における線視B−B断面図である。図4は、図3における矢視X図である。
【0018】
本実施形態の建屋構造体11は、鋼製(スチール)構造を有する。建屋構造体11は、図2及び図3に示すように、放射状に設けられた複数の建屋リブ20と所定高さ毎に設けられた複数の建屋水平リブ21とを有し、複数の区画が形成されている。また、建屋構造体11は、バッフル板17を一体構造とするための複数の流路リブ22を有する。流路リブ22は、建屋リブ20と一体、あるいは別体で放射状に設けられている。
建屋水平リブ21は、メンテナンスを行う作業者の足場としても機能する。また、図3に示す、高さ方向で隣り合う建屋水平リブ21の間には、不図示の階段や梯子等が設けられ、作業者が行き来できる構成となっている。
【0019】
図3に示すように、建屋構造体11には、各建屋水平リブ21に対応して所定高さ毎に連絡通路(マンホール,潜孔)23が設けられている。連絡通路23は、遮蔽壁12を貫通して形成され、外部と第1流路18とを連通させる構成となっている。本実施形態の連絡通路23の径は、作業者が通過できる大きさ(例えば550φ〜600φ)となっている。連絡通路23には開閉扉24が設けられており、メンテナンス時にはこの開閉扉24を開けて、作業者が第1流路18にアクセスする。開閉扉24は、鉄製の蓋体であり、ヒンジ等で開閉自在となっている。
【0020】
連絡通路23を抜けた第1流路18側には、各建屋水平リブ21に対応して所定高さ毎に足場設置用ガセット(棒体)25が設けられている。足場設置用ガセット25は、遮蔽壁12から第1流路18に略水平に突出して、遮蔽壁12の内周面に沿って所定間隔で複数設けられている(図2参照)。なお、足場設置用ガセット25は棒体であり、第1流路18に突出させてもその流路面積の減少が小さく、常設しても冷却風の流れに対する影響は少ない。
作業者は、この足場設置用ガセット25に板体等を掛け渡すことで、第1流路18内において所定高さで作業するための足場を設置する。なお、本実施形態の遮蔽壁12とバッフル板17との間の距離は700mm程度で、バッフル板17と格納容器1との間の距離は200mm程度である。
【0021】
図3及び図4に示すように、バッフル板17は、複数のパネル(板体)17aから構成されている。建屋構造体11は、図3に示すように、各建屋水平リブ21に対応して所定高さ毎に複数のパネル17aを着脱自在に取り付けるパネル取付部(仕切板取付部)26を複数有する。
作業者は、足場が形成された第1流路18内において、図4に示す流路リブ22及び流路水平リブ27が格子状に組み合わされて複数に区画されてなるパネル取付部26と対向する。本実施形態におけるパネル17aの取り付け/取り外しは、平面視略T字形状の流路リブ22のフランジ部28(図2及び図4参照)に対し、ネジ29を螺入/螺入解除することで行う。
【0022】
続いて、上記構成の格納容器冷却構造体10において格納容器1のメンテナンスを行う際の作業者の動作について説明する。
先ず、作業者は、建屋構造体11を上り、所定の高さの区画に設けられた連絡通路23に向かう。そして、作業者は、開閉扉24を開けて第1流路18にアクセスする。
次に、作業者は、足場設置用ガセット25に板体等を掛け渡して、第1流路18内にメンテナンス作業用の足場を形成する。足場を形成したら、作業者は、第1流路18内に進入する。
【0023】
作業者は、足場を利用してパネル取付部26からパネル17aを取り外す。パネル17aを1または複数取り外すと、その奥側(200mm先)に格納容器1が露出するので、作業者は、所望のメンテナンス(点検、、塗装作業等)を行う。
その区画におけるメンテナンスが終了したら、作業者は、パネル取付部26にメンテナンスの際に取り外したパネル17aを取り付け、第1流路18から連絡通路23を通り外部に出る。そして、作業者は、足場を撤去し、開閉扉24を閉めて、次の区画のメンテナンスに向かう。
【0024】
従って、上述の本実施形態によれば、所定間隙をあけて格納容器1を覆うと共に冷却風の吸気口13と排気口14とが形成された建屋構造体11と、上記間隙を仕切り、建屋構造体11側の空間に吸気口13から吸気された冷却風が下降する第1流路18を形成し、格納容器1側の空間に第1流路18を流通した冷却風が排気口14に向かって上昇する第2流路19を形成するバッフル板17と、を有する格納容器冷却構造体10であって、バッフル板17は、複数のパネル17aから構成され、建屋構造体11は、所定高さ毎にパネル17aを1または複数、着脱自在に取り付ける複数のパネル取付部26と、上記所定高さ毎に設けられ外部と第1流路18とを連通させる複数の連絡通路23と、を有するという構成を採用することによって、バッフル板17を建屋構造体11側に取り付け可能とする。そして、建屋構造体11に複数の連絡通路23を設置し、所定高さ毎に第1流路18とアクセス可能とする。バッフル板17は、複数のパネル17aから構成されており、第1流路18においてパネル17aを1または複数取り外すと、その奥側にある格納容器1に所定高さ毎にアクセス可能となる。
したがって、本実施形態では、従来のようにバケットを吊り下げることなくメンテナンスを行うことができるため、安全性及び作業性を高めることができる。
【0025】
また、本実施形態においては、建屋構造体11は、所定高さ毎に第1流路18に略水平に突出して所定間隔で設けられた複数の棒体である足場設置用ガセット25を有するという構成を採用することによって、第1流路18に略水平に突出する足場設置用ガセット25に板体を掛け渡すことで、所定高さ毎に足場を設置することができる。また、足場設置用ガセット25は棒体であるので、第1流路18に突出させてもその流路面積の減少が小さく、常設しても冷却風の流れを妨げることは少ない。
また、本実施形態においては、建屋構造体11は、連絡通路23を開閉する開閉扉を有するという構成を採用することによって、連絡通路23からの冷却風の流出を防止して、吸気口13から排気口14に向かう冷却風の流れを円滑にさせることができる。
【0026】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図5及び図6は、本発明の第2実施形態における格納容器冷却構造体10の構成を示す図である。なお、図5は、上述した第1実施形態の図2に対応する部位の図である。また、図6は、上述した第1実施形態の図3に対応する部位の図である。
【0027】
第2実施形態の建屋構造体11は、鋼製/コンクリート構造を有する。建屋構造体11は、図5及び図6に示すように、放射状に設けられた複数の建屋リブ20と所定高さ毎に設けられた複数の建屋水平リブ21とを有し、複数の区画が形成されており、その区画にコンクリート30が充填されている。
【0028】
図6に示すように、建屋構造体11には、所定高さ毎に連絡通路(マンホール,潜孔)23が設けられている。連絡通路23は、コンクリート30を貫通して形成され、外部と第1流路18とを連通させる構成となっている。また、連絡通路23の外部側及び第1流路18側にはそれぞれ開閉扉24が設けられており、メンテナンス時にはこの開閉扉24を開けて、作業者が第1流路18にアクセスする。なお、コンクリート30の外側には、不図示の階段や梯子等が設けられ、高さ方向で隣り合う連絡通路23との間において作業者が行き来できる構成となっている。
【0029】
この第2実施形態によれば、建屋構造体11に複数の連絡通路23を設置し、所定高さ毎に第1流路18とアクセス可能となるため、第1流路18においてパネル17aを1または複数取り外すことで、その奥側にある格納容器1に所定高さ毎にアクセス可能となる。したがって、第2実施形態では、従来のようにバケットを吊り下げることなくメンテナンスを行うことができるため、安全性及び作業性を高めることができる。
【0030】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図7及び図8は、本発明の第3実施形態における格納容器冷却構造体10の構成を示す図である。なお、図7は、上述した第1実施形態の図2に対応する部位の図である。また、図8は、上述した第1実施形態の図3に対応する部位の図である。
【0031】
第3実施形態の建屋構造体11は、RC(鉄筋コンクリート)構造を有する。建屋構造体11は、図7に示すように、円筒内径側の型枠(遮蔽壁12)及び円筒外径側の型枠31の間に鉄筋コンクリート33が設けられている。鉄製の型枠12,31には、複数のスタッドボルト32が打ち込まれ、型枠12,31と鉄筋コンクリート33とが密着して一体構造となっている。
【0032】
図8に示すように、建屋構造体11には、所定高さ毎に連絡通路(マンホール,潜孔)23が設けられている。連絡通路23は、鉄筋コンクリート33を貫通して形成され、外部と第1流路18とを連通させる構成となっている。なお、連絡通路23は、鉄筋コンクリート33においてその鉄筋を避けて形成される。また、鉄筋コンクリート33は、格子状となった開口補強筋により連絡通路23を補強する構成となっている。
連絡通路23の外部側及び第1流路18側にはそれぞれ開閉扉24が設けられており、メンテナンス時にはこの開閉扉24を開けて、作業者が第1流路18にアクセスする。なお、型枠31の外側には、不図示の階段や梯子等が設けられ、高さ方向で隣り合う連絡通路23との間において作業者が行き来できる構成となっている。
【0033】
この第3実施形態によれば、建屋構造体11に複数の連絡通路23を設置し、所定高さ毎に第1流路18とアクセス可能となるため、第1流路18においてパネル17aを1または複数取り外すことで、その奥側にある格納容器1に所定高さ毎にアクセス可能となる。したがって、第3実施形態では、従来のようにバケットを吊り下げることなくメンテナンスを行うことができるため、安全性及び作業性を高めることができる。
【0034】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0035】
例えば、上記実施形態では、足場設置用ガセット25は、第1流路18に突出した状態で常設されると説明したが、図9に示すように、足場設置用ガセット25を折り畳み自在に設けても良い。図9において、足場設置用ガセット25の基端部には、ヒンジ34が設けられ、第1流路18に水平に突出する位置と第1流路18に沿う位置とに回動自在な構成となっている。符号35は、支持部材であり、足場設置用ガセット25を支持する位置と第1流路18に沿う位置とに移動自在な構成となっている。この構成によれば、メンテナンス時以外で足場設置用ガセット25を折り畳むことができ、第1流路18における冷却風の流れをより円滑にすることができる。
【0036】
また、例えば、上記実施形態では、原子炉の格納容器を冷却対象物として説明したが、本発明は、この構成に限定されるものではなく、例えば、原子炉の圧力容器を冷却対象物とする構成であっても良い。
【符号の説明】
【0037】
1…格納容器(冷却対象物)、10…格納容器冷却構造体(冷却構造体)、11…建屋構造体、13…吸気口、14…排気口、17…バッフル板(仕切板)、17a…パネル(板体)、18…第1流路、19…第2流路、23…連絡通路、24…開閉扉、25…足場設置用ガセット(棒体)、26…パネル取付部(仕切板取付部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隙をあけて冷却対象物を覆うと共に冷却風の吸気口と排気口とが形成された建屋構造体と、前記間隙を仕切り、前記建屋構造体側の空間に前記吸気口から吸気された前記冷却風が下降する第1流路を形成し、前記冷却対象物側の空間に前記第1流路を流通した前記冷却風が前記排気口に向かって上昇する第2流路を形成する仕切板と、を有する冷却構造体であって、
前記仕切板は、複数の板体から構成され、
前記建屋構造体は、
所定高さ毎に前記板体を1または複数、着脱自在に取り付ける複数の仕切板取付部と、
前記所定高さ毎に設けられ外部と前記第1流路とを連通させる複数の連絡通路と、を有することを特徴とする冷却構造体。
【請求項2】
前記建屋構造体は、前記所定高さ毎に前記第1流路に略水平に突出して所定間隔で設けられた複数の棒体を有することを特徴とする請求項1に記載の冷却構造体。
【請求項3】
前記棒体は、折り畳み自在に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の冷却構造体。
【請求項4】
前記建屋構造体は、前記連絡通路を開閉する開閉扉を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷却構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−220840(P2011−220840A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90488(P2010−90488)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】