説明

冷却系統の制御方法及び装置

【課題】原子力発電プラントにおいて冷却系統に用いられるポンプを通常運転時より少ない台数で起動させる際に、ポンプの起動トルクを低減でき、且つポンプの過流量を防止することができる冷却系統の制御方法及び制御装置を提供する。
【解決手段】冷却系統100の制御方法であって、ポンプ102の運転台数を検出し、複数のポンプ102が全て停止したことを検出した場合に、流量制御弁104を全閉に制御する弁制御信号を出力する弁全閉制御ステップと、流量制御弁104が全閉にされた状態で、ポンプ102を通常運転台数より少ない台数で起動する第1のポンプ起動ステップと、第1のポンプ起動ステップの後、通常運転時における流量制御弁104の上限開度より小さい値に設定された制限開度以下で流量制御弁104を制御する弁制御信号を出力する第1の弁開制御ステップとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電プラントの補機を冷却する冷却系統の制御方法及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、原子力発電プラントには、補機の冷却を目的とした冷却系統が設けられている。ここでいう補機とは原子炉を除く機器であり、タービンや発電機等が挙げられる。この冷却系統は、補機を直接的または間接的に冷却するものであり、タービン軸受に供給される潤滑油の冷却、発電機に供給される冷却媒体の冷却、あるいはその他の補機の冷却などを行う。例えば、加圧水型原子炉、高温ガス炉または高速増殖炉では、原子炉で発生した熱を除去する一次冷却系と、一次冷却系で回収した熱を用いて蒸気を生成する二次冷却系とが独立して設けられており、上記冷却系統は二次冷却系に属する。
【0003】
図5に示すように、一般に冷却系統150は、閉ループで構成され冷却水が循環する循環ライン151と、冷却水を循環させるポンプ152a、152bと、循環ライン151に設けられ、冷却水と熱交換することによって被冷却対象を冷却する熱交換器155、156とを備える。このような冷却系統150では冷却水の必要流量が大きいため、ポンプ152a、152bは循環ライン151に対して互いに並列に接続されるように複数設けられている。さらに、複数のポンプ152a、152bの吐出側下流には、海水等により冷却水を冷却する冷却水クーラ153と、流量制御弁154とが設けられている。流量制御弁154は、主に、冷却水温度を調整することを目的として開閉制御される。
【0004】
このような冷却系統では、例えばブラックアウト時のように、ポンプへの電源供給が遮断されてしまった場合、非常用電源によってポンプへの電源供給が再開されるようになっている。但し、原子力発電プラントにおいては、一次冷却系への電源供給が優先されるので、補機用の冷却系統へ供給される電力は、ポンプ全台を起動させるために要する電力の全てをまかなえないことが多い。したがって、複数台のポンプのうち、一台または数台のポンプのみ起動させ、通常運転時より少ないポンプ台数で運転していた。
【0005】
しかしながら、通常運転時より少ない台数でポンプを起動させると、ポンプが過流量となることがある。ここで、図6にポンプの性能特性曲線を示す。同図において、aは2台のポンプで並列運転する場合におけるポンプの性能特性曲線で、bは1台のポンプで運転する場合におけるポンプの性能特性曲線で、S1は通常運転時のシステム抵抗で、S2は通常運転時より弁開度が大きい時のシステム抵抗をそれぞれ示す。
図5に示すような冷却系統において、2台のポンプを並列運転する場合の性能特性曲線はaとなり、通常運転時はシステム抵抗がS1となるので、ポンプの運転点はAとなる。このとき、運転点Aにおける流量はQ1であるので、ポンプ1台当たりの流量は、(1/2)・Q1となる。
【0006】
電源喪失後に1台のポンプで運転を再開した時は、図6の曲線bのような性能特性を示す。このとき、システム抵抗はS1であるので、ポンプの運転点はB1となる。運転点B1における流量はQ2である。通常、システム抵抗は流量の二乗に比例して増加するので、1台運転のポンプの流量Q2は、2台並列運転のポンプ1台あたりの流量(1/2)・Q1より大きくなり、過流量となるおそれがある。
これに加えて、従来の制御では、一旦ポンプが全台停止することで冷却水温度が上昇するため、流量制御弁を開き側に制御し、冷却水の循環量を増加させて冷却水温度を低下させるようになっている。流量制御弁が開き側に制御されることでシステム抵抗がS2に低下するので運転点がB2となり、ポンプの過流量を増長させることとなる。
【0007】
ポンプの過流量を防止する技術として、特許文献1には、複数のポンプの並列運転中に1台のポンプがトリップしたら、トリップ信号に応答して他のポンプの回転数を制限するようにした過流量防止回路が記載されている。
また、特許文献2には、ポンプの下流側に過流量抑制弁を配設し、ポンプの流量が予め定められた限定値を超えたときに過流量抑制弁の開度を制御するようにしたポンプ過流量抑制制御装置が記載されている。
【0008】
一方、ポンプの起動時には、ポンプの過流量のほかに、起動トルクが大きくなるという問題もあった。通常、循環ラインが充水された状態でポンプを起動する際、ポンプの起動トルクが大きくなるため、ポンプを駆動するモータを定格速度まで加速するための始動電流が大きくなる。これに対応してモータを選定すると大容量のモータが必要となってしまう。したがって、起動時は電流値を上げないようにモータにかかるトルクを抑えて運転することが求められている。
そこで、特許文献3には、複数のポンプを並列運転するポンプ設備において、1台目のポンプの吐出止め弁を半開にしてポンプを起動し、時間をおいて2台目のポンプを起動させるようにした構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−223060号公報
【特許文献2】特開昭59−122797号公報
【特許文献3】特開2001−194489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、原子力発電プラントにおいて、ポンプが全台停止後に、通常運転時よりもポンプ運転台数を減少させてポンプを起動させる場合、システム抵抗が低減している点、及びポンプ運転台数が減少している点からポンプの過流量が発生してしまうことがあった。このとき、ポンプの流量が最大可能流量点を超えてしまうと、過流量によってポンプまたはモータが損傷するおそれがある。
そこで、ポンプの過流量を防止するために、特許文献1はポンプの回転数を制御するようにしているが、この方法では正確に冷却水の流量を調整することは困難であり、冷却系統を所望の温度に維持することは難しかった。また、特許文献2は過流量抑制弁を設けた構成となっているが、この構成ではポンプの流量を検出してから過流量抑制弁の開度を制御するまでのタイムラグが発生してしまう。特に、弁が大型になると開閉にも時間を要するため、その間ポンプの過流量状態が続いてしまうことは避けられない。
【0011】
一方、ポンプの起動トルクを低減する方法として、特許文献3ではポンプの吐出止め弁を半開にしてポンプを起動するようにしているが、従来ポンプの吐出止め弁は手作業で開閉されており、例えばブラックアウト時のような非常事態においては、作業員が適切に吐出止め弁を開閉することは困難であった。
また、上記したいずれの従来技術においても、ポンプ起動時における問題点、すなわちポンプ過流量及び起動トルク増大の問題をともに解消できる具体的な制御については何ら開示されておらず、ポンプを通常運転時より少ない台数で起動させる際の好適な運転制御技術が望まれていた。
【0012】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、原子力発電プラントにおいて冷却系統に用いられるポンプを通常運転時より少ない台数で起動させる際に、ポンプの過流量を防止でき、且つポンプの起動トルクを低減することができる冷却系統の制御方法及び制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る冷却系統の制御方法は、原子力発電プラントの補機冷却用の冷却材が循環する循環ラインと、前記循環ラインに対して互いに並列に接続された複数のポンプと、前記複数のポンプの吐出側下流に設けられ前記冷却材の流量を調整する流量制御弁とを備える冷却系統の制御方法であって、前記ポンプの運転台数を検出し、前記複数のポンプが全て停止したことを検出した場合に、前記流量制御弁を全閉に制御する弁制御信号を前記流量制御弁に出力する弁全閉制御ステップと、前記流量制御弁が全閉にされた状態で、前記ポンプを通常運転台数より少ない台数で起動する第1のポンプ起動ステップと、前記第1のポンプ起動ステップの後、通常運転時における前記流量制御弁の上限開度より小さい値に設定された制限開度以下で前記流量制御弁を制御する弁制御信号を前記流量制御弁に出力する第1の弁開制御ステップとを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、冷却系統において複数のポンプが全て停止したことを検出した場合に、弁全閉制御ステップで流量制御弁を全閉に制御した後、第1のポンプ起動ステップでポンプを通常運転台数より少ない台数で起動するようにしたので、ポンプの起動トルクを低減でき、モータの容量を低減することが可能となる。これは、ポンプを駆動するモータに必要とされるトルクはポンプの軸動力によって決定し、ポンプの軸動力はポンプの流量に依存するため、ポンプ起動時に流量制御弁を全閉にしてポンプの流量を少なくすることで、モータのトルクを低減することが可能となる。したがって、小さい始動電流でポンプを起動することができるので、モータの容量を低減することが可能となる。
【0015】
また、本発明では、通常運転台数より少ない台数のポンプを起動した後、第1の弁開制御ステップで、通常運転時における流量制御弁の上限開度より小さい値に設定された制限開度以下で流量制御弁を制御するようにしたので、冷却系統のシステム抵抗が増加し、ポンプの流量が制限され、ポンプが過流量となることを防止できる。このとき、制限開度は、冷却水温度が補機の冷却に必要な温度以上に維持されるような冷却水流量を確保できる開度となっている。
さらに、本発明によれば、ポンプの運転台数を検出して、この検出信号に応じて流量制御弁を制御するようにしたので、作業員を介することなく冷却系統を自動で制御でき、ブラックアウト時のような非常事態においても確実に対応可能となる。
【0016】
上記冷却系統の制御方法において、前記流量制御弁が前記制限開度以下で制御されている状態で、前記通常運転台数のポンプを起動する第2のポンプ起動ステップと、前記通常運転台数のポンプが起動したことを検出した場合に、前記流量制御弁を前記上限開度以下で制御する弁制御信号を前記流量制御弁に出力する第2の弁開制御ステップとをさらに備えることが好ましい。
このように、通常運転台数のポンプが起動したことを検出した場合に、第2の弁開制御ステップで、流量制御弁を通常運転時の上限開度以下で制御するようにしたので、通常運転台数のポンプが起動したら円滑に通常運転に戻ることができる。
【0017】
上記冷却系統の制御方法において、前記冷却系統は、前記複数のポンプの吐出側下流に設けられ前記冷却材を冷却する冷却材クーラと、前記冷却材クーラ及び前記流量制御弁をバイパスするバイパスラインと、前記冷却材のバイパス流量を調整するバイパス弁とをさらに備え、前記第1の弁開制御ステップでは、前記流量制御弁及び前記バイパス弁をそれぞれ、前記流量制御弁の上限開度より小さい値に設定された制限開度以下で制御する弁制御信号を前記流量制御弁及び前記バイパス弁にそれぞれ出力することが好ましい。
このように、第1の弁開制御ステップで、流量制御弁及びバイパス弁をそれぞれ、流量制御弁の上限開度より小さい値に設定された制限開度以下で制御するようにしたので、ポンプの過流量を防止できる。
【0018】
この場合、前記冷却水の温度のしきい値が予め設定されており、前記第1の弁開制御ステップでは、前記冷却水の温度を検出し、検出温度が前記しきい値以上である場合には、前記流量制御弁を前記制限開度に制御する弁制御信号を前記流量制御弁に出力し、前記検出温度が前記しきい値未満である場合には、前記流量制御弁を閉に制御する弁制御信号を前記流量制御弁に出力することが好ましい。
このように、第1の弁開制御ステップでは、予め設定された冷却水の温度のしきい値に基づいて流量制御弁を開閉制御するようにしたので、簡単な制御で冷却水温度を適切に制御することが可能となる。
また、前記弁制御信号は、前記流量制御弁の開度及び前記バイパス弁を互いに連動して制御する信号であってもよい。
【0019】
本発明に係る冷却系統の制御装置は、原子力発電プラントの補機冷却用の冷却材が循環する循環ラインと、前記循環ラインに対して互いに並列に接続された複数のポンプと、前記複数のポンプの吐出側下流に設けられ前記冷却材の流量を調整する流量制御弁とを備える冷却系統の制御装置であって、前記ポンプの起動を制御するポンプ制御手段と、前記ポンプの運転台数を検出する運転台数検出手段と、前記流量制御弁を開閉制御する弁開閉制御手段とを備え、前記ポンプ制御手段は、前記複数のポンプが全て停止した場合に、通常運転台数より少ない台数の前記ポンプを起動させるようにし、前記弁開閉制御手段は、前記運転台数検出手段によって前記複数のポンプが全て停止したことを検出した場合に、前記流量制御弁を全閉にする弁制御信号を出力し、通常運転台数より少ない台数の前記ポンプが運転していることを検出した場合に、通常運転時における前記流量制御弁の設定開度より小さい値に設定された制限開度に前記流量調整弁を制御する弁制御信号を出力することを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、ポンプ制御手段によって、複数のポンプが全て停止した場合に、通常運転台数より少ない台数の前記ポンプを起動させるようにしたので、ブラックアウト時等のように電源喪失した場合であっても、非常用電源等によりポンプを自動で起動でき、冷却系統の機能を維持して発電プラントの安全性を確保することができる。
また、運転台数検出手段でポンプの運転台数を検出し、弁開閉制御手段によって、ポンプの運転台数に基づいて流量制御弁を制御するようにしたので、作業員を介することなく冷却系統を自動で制御でき、ブラックアウト時のような非常事態においても確実に対応可能となる。
【0021】
さらに、弁開閉制御手段は、複数のポンプが全て停止したことを検出した場合に、ポンプを通常運転台数より少ない台数で起動する前に、流量制御弁を全閉に制御するようにしたので、ポンプの起動トルクを低減でき、モータの容量を低減することが可能となる。
さらにまた、弁開閉制御手段は、通常運転台数より少ない台数のポンプを起動した後、通常運転時における流量制御弁の上限開度より小さい値に設定された制限開度以下で流量制御弁を制御するようにしたので、冷却系統のシステム抵抗が増加し、ポンプの流量が制限され、ポンプが過流量となることを防止できる。
【0022】
上記冷却系統の制御装置において、前記弁開閉制御手段は、前記運転台数検出手段によって前記通常運転台数のポンプが起動したことを検出した場合に、前記流量制御弁を前記上限開度以下で制御する弁制御信号を出力することが好ましい。
このように、運転台数検出手段で通常運転台数のポンプが起動したことを検出した場合に、弁開閉制御手段によって流量制御弁を通常運転時の上限開度以下で制御するようにしたので、通常運転台数のポンプが起動したら円滑に通常運転に戻ることができる。
【0023】
上記冷却系統の制御装置は、前記複数のポンプの吐出側下流に設けられ前記冷却材を冷却する冷却材クーラと、前記冷却材クーラ及び前記流量制御弁をバイパスするバイパスラインと、前記バイパスラインに設けられ、前記冷却材のバイパス流量を調整するバイパス弁とをさらに備え、前記弁開閉制御手段は、前記運転台数検出手段によって前記通常運転台数より少ない台数の前記ポンプが運転していることを検出した場合に、前記流量制御弁及び前記バイパス弁をそれぞれ、前記流量制御弁の上限開度より小さい値に設定された制限開度以下で制御する弁制御信号を出力することが好ましい。
【0024】
このように、バイパス弁が設けられたバイパスラインを備える構成としたので、冷却材クーラを通らないバイパスラインに流す冷却材流量を調整することによって、ポンプの回転数を変えずに冷却材の温度を調整することができる。また、弁開閉制御手段によって、流量制御弁及びバイパス弁をそれぞれ、流量制御弁の上限開度より小さい値に設定された制限開度以下で制御するようにしたので、ポンプの過流量を防止できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明では、複数のポンプが全て停止したことを検出した場合に、流量制御弁を全閉に制御した後、ポンプを通常運転台数より少ない台数で起動するようにしたので、ポンプの起動トルクを低減でき、モータの容量を低減することが可能となる。
また、通常運転台数より少ない台数のポンプを起動した後、通常運転時における流量制御弁の上限開度より小さい値に設定された制限開度以下で流量制御弁を制御するようにしたので、冷却系統のシステム抵抗が増加し、ポンプの流量が制限され、ポンプが過流量となることを防止できる。
さらに、ポンプの運転台数を検出して、この検出信号に応じて流量制御弁を制御するようにしたので、作業員を介することなく冷却系統を自動で制御でき、ブラックアウト時のような非常事態においても確実に対応可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係る冷却系統及びその制御装置の機器構成を示す構成図である。
【図2】(a)は通常運転時における流量制御弁及びバイパス弁の弁開度信号と弁開度の関係を示す図で、(b)は制限運転時における流量制御弁及びバイパス弁の弁開度信号と弁開度の関係を示す図である。
【図3】冷却系統の制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る冷却系統の制御方法を示すフローチャートである。
【図5】従来の冷却系統の機器構成を示す構成図である。
【図6】ポンプの性能特性曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0028】
図1は、本発明の実施形態に係る冷却系統及びその制御装置の機器構成を示す構成図である。
図1を参照して、まず最初に、本発明の実施形態が適用される冷却系統について説明する。この冷却系統100は、原子力発電プラントの補機を冷却するために設けられ、主に、閉ループで構成され冷却水が循環する循環ライン101と、循環ライン101に対して互いに並列に接続された複数のポンプ102a、102b、102cと、循環ライン101に設けられた冷却水クーラ103、流量制御弁104、温度検出センサ108及び各種補機冷却用熱交換器とを備える。ここで、原子力発電プラントの補機とは、タービンや発電機等の原子炉以外の機器である。
【0029】
ポンプ102(102a、102b、102c)は、循環ライン101で冷却水を循環させる目的で設けられ、吐出側と吸入側が同方向に配置されるようにして、循環ライン101に対して互いに並列となるように複数接続されている。このポンプ102は、通常運転時には、全てのポンプ102a、102b、102cに系統電源から電源が供給されるが、ブラックアウト時等の電源喪失時においては、通常運転台数よりも少ない台数のポンプ102cに、非常用電源から電源が供給されるようになっている。なお、図1では3台のポンプ102a、102b、102cを並列に設けた場合を示したが、ポンプ台数は限定されるものではない。
【0030】
冷却水クーラ103は、冷却水を海水等の冷却媒体と熱交換して冷却するもので、ポンプ102の吐出側下流の循環ライン101に設けられる。具体的には、複数のポンプ102a、102b、102cは、複数に分岐された循環ライン101に設けられ、これらの分岐された循環ライン101の合流点より下流側に冷却水クーラ103が設けられる。なお、この冷却水クーラ103は、並列または直列に複数台設けられていてもよい。
【0031】
流量制御弁104は、ポンプ102の吐出側下流の循環ライン101に設けられ、循環ライン101を流れる冷却水の流量を調整する。図1では、流量制御弁104が冷却水クーラ103の下流側に設けられた場合を示しているが、流量制御弁104は冷却水クーラ103の上流側に設けられていてもよい。
温度検出センサ108は、循環ライン101に設けられ、循環ライン101の冷却水温度を検出する。なお、温度検出センサ108は、流量制御弁104の下流側に設けた場合を示したが、循環ライン101の冷却水温度を検出可能な位置であればいずれの位置であってもよい。ただし、補機冷却用熱交換器の上流側であることが好ましい。
【0032】
補機冷却用熱交換器は、循環ライン101に一または複数設けられ、補機を間接的または直接的に冷却する。図1には一例として、潤滑油熱交換器111と、冷却媒体熱交換器113と、その他の補機冷却用熱交換器115とを示している。潤滑油熱交換器111は、タービンの軸受用潤滑油を冷却水と熱交換することによって潤滑油を冷却する。冷却媒体熱交換器113は、発電機冷却用の冷却媒体を冷却水と熱交換することによって冷却媒体を冷却する。その他の補機冷却用熱交換器115は、その他の補機を冷却水で冷却するもので、他の熱交換器を概念的に示している。これらの熱交換器の上流側あるいは下流側には、各熱交換器へ流入する冷却水流量を調整する流量調整弁112が設けられている。
【0033】
また、本実施形態において、冷却系統100は、循環ライン101に並列に接続され、冷却水クーラ103及び流量調整弁104をバイパスするバイパスライン105が設けられていてもよい。このバイパスライン105には、冷却水のバイパス量を調整するバイパス弁106が設けられている。
このように、バイパス弁106が設けられたバイパスライン105を備えることで、冷却水クーラ103を通らないバイパスライン105に流す冷却水流量を調整することによって、ポンプ102の回転数を変えずに冷却水の温度を調整することができる。
【0034】
次に、本実施形態に係る冷却系統の制御装置の構成を説明する。なお、ここではバイパスライン105及びバイパス弁106を備える場合につき説明する。
冷却系統の制御装置1は、主に、ポンプ制御手段2と、運転台数検出手段3と、弁制御手段4とを備える。
【0035】
ポンプ制御手段2は、少なくとも非常用電源に接続されたポンプ102の起動を制御する。具体的には、ポンプ制御手段2は、全てのポンプ102a、102b、102cが停止したことを検出した場合に、非常用電源に接続されたポンプ102を起動させる制御回路を有している。なお、ポンプ制御手段2は、運転台数検出手段3及び弁制御手段4とは分離して、ポンプ102側に設けられていてもよい。また、ポンプ制御手段2は、全てのポンプ102a、102b、102cの起動及び停止を制御可能であってもよい。
運転台数検出手段3は、ポンプ102の運転台数を検出する。具体的には、運転台数検出手段3は、全てのポンプ102a、102b、102cの運転状態信号が入力され、これらの運転状態信号に基づいて現在のポンプの運転台数を算出し、この算出した結果を弁制御手段4に出力する。
【0036】
弁制御手段4は、基本的な動作として、温度検出センサ108で検出した温度が入力され、この検出温度に基づいて流量制御弁104及びバイパス弁106の開度を指示する弁開度信号を算出する。この弁開度信号は、通常運転時には制限がかけられずに弁制御信号として流量制御弁104及びバイパス弁106にそれぞれ出力される。
図2(a)に示すように、通常運転時には、流量制御弁104及びバイパス弁106の上限開度を全開とする弁開度信号が出力され、これらの弁が全開以下で制御されるようにする。さらに、流量制御弁104及びバイパス弁106は連動して制御されることが好ましく、例えば、これらの弁がON/OFF制御される構造の場合、流量制御弁104が閉のときはバイパス弁106を全開とし、流量制御弁104が全開のときはバイパス弁106が閉とする。このように、流量制御弁104及びバイパス弁106の弁開度が、互いに連動して制御されることによって、循環ライン101を流れる冷却水流量を一定に維持できる。なお、通常運転の識別は、運転台数検出手段3から入力される運転台数に基づいて行われる。すなわち、運転台数が、予め設定された通常運転台数である場合には、通常運転時と判断する。
【0037】
弁制御手段4は、通常運転時以外においては、運転台数検出手段3によって複数のポンプ102a、102b、102cが全て停止したことを検出した場合に、検出温度に関わらず、流量制御弁104を全閉に制御する弁制御信号を出力する。このとき、バイパス弁106も同時に全閉に制御する弁制御信号を出力する。
【0038】
また、弁制御手段4は、通常運転時以外においては、運転台数検出手段3によって、通常運転台数より少ない台数のポンプ102が起動していることを検出した場合に、通常運転時における流量制御弁104の上限開度より小さい値に設定された制限開度以下で流量制御弁104及びバイパス弁106を制御する弁制御信号をそれぞれ出力する。なお、制限開度は、冷却水温度が補機の冷却に必要な温度以上に維持されるような冷却水流量を確保できる開度となっている。
図2(b)に示すように、通常運転台数より少ない台数のポンプ102cで運転している場合(以下、制限運転と称する)、まず、温度検出センサ108の検出温度に基づいて流量制御弁104及びバイパス弁106の開度を指示する弁開度信号を算出する。次いで、この弁開度信号に対して、弁開度が制限開度以下となるような制限比率を乗じて弁制御信号を算出し、この弁制御信号をそれぞれの弁に出力する。これにより、検出温度に基づく弁開度信号に対して、弁開度が制限開度以下に制限されて制御される。なお、制限運転時においても、図2(a)と同様に、流量制御弁104及びバイパス弁106は連動して制御されることが好ましい。
【0039】
次に、図3を参照して、制御装置の具体例について詳細に説明する。なお、ここでは図1に示す冷却系統の構成を有する場合を例示して説明する。
同図において、ポンプ制御手段2は、上記したようにポンプ102の起動を制御する。
運転台数検出手段3は、各ポンプ102a、102b、102cの運転状態信号が入力され、この運転状態信号に基づいて、ポンプが全て停止していることを示す信号(ポンプ全台停止信号)a、ポンプが1台のみ運転していることを示す信号(ポンプ1台運転信号)b、あるいはポンプが2台以上運転していることを示す信号(ポンプ複数台運転信号)cのいずれかの運転台数信号を出力する。
【0040】
弁制御手段4は、弁開度信号算出部41と、第1信号切替器42と、第2信号切替器43と、乗算器44と、乗算器45とを有する。
弁開度信号算出部41は、冷却水の温度のしきい値が予め入力されており、このしきい値と、温度検出センサ108から入力される冷却水の検出温度とを比較して、検出温度がしきい値よりも低い場合には、流量制御弁104を開にし、バイパス弁106を閉にする弁開度信号を出力する。
【0041】
第1信号切替器42は、運転台数検出手段3で検出された運転台数信号のうち、ポンプ全台停止信号a及びポンプ1台運転信号bが入力されるようになっており、これらの信号に基づいて、ポンプが全台停止していると判断される場合若しくはポンプが1台だけ運転していると判断される場合には上限開度比率V1を出力し、これら以外の場合には制限開度比率V2を出力する。ここで、上限開度比率V1は、検出温度に基づき設定される弁開度に上限開度を設定するための比率であり、通常1である。また、制限開度比率V2は、検出温度に基づき設定される弁開度に制限開度を設定するための比率であり、通常1以下の数値である。
【0042】
第2信号切替器43は、運転台数検出手段3で検出された運転台数信号のうち、ポンプ全台停止信号aが入力されるようになっており、この信号に基づいて、ポンプが全台停止していると判断される場合には、比率0を出力し、ポンプが全台停止していないと判断される場合には、第1信号切替器42で出力された比率を出力する。
乗算器44は、弁開度信号算出部41で出力された流量制御弁104の弁開度信号と、第2信号切替器43で出力された上限開度比率V1若しくは制限開度比率V2が入力され、弁開度信号に対して上限開度比率V1若しくは制限開度比率V2を乗じることで算出される弁制御信号を流量制御弁104に出力する。
【0043】
乗算器45は、弁開度信号算出部41で出力されたバイパス弁106の弁開度信号と、第2信号切替器43で出力された上限開度比率V1若しくは制限開度信号V2が入力され、弁開度信号と上限開度比率V1若しくは制限開度比率V2から算出される弁制御信号をバイパス弁106に出力する。
上記した構成を有する制御装置1では、運転台数検出手段3からの運転台数信号によってポンプ102が複数台運転していると判断される場合、第1信号切替器42では上限開度比率V1を出力し、第2信号切替器43では第1信号切替器42の出力信号である上限開度比率V1を出力する。したがって、弁開度信号算出部41で出力された弁開度信号に上限開度比率V1を乗じることで算出される弁制御信号が流量制御弁104及びバイパス弁106にそれぞれ入力され、これらの弁は通常運転時の上限開度以下で制御される。
【0044】
また、運転台数検出手段3からの運転台数信号によってポンプが全台停止していると判断される場合、第1信号切替器42では制限開度比率V2を出力し、第2信号切替器43では比率0を出力する。したがって、弁開度信号算出部41で出力された弁開度信号に比率0を乗じることで算出される弁制御信号が流量制御弁104及びバイパス弁106にそれぞれ入力され、これらの弁は全閉に制御される。
さらに、運転台数検出手段3からの運転台数信号によってポンプが1台のみ運転していると判断される場合、第1信号切替器42では制限開度比率V2を出力し、第2信号切替器43では第1信号切替器42の出力信号である制限開度比率V2を出力する。したがって、弁開度信号算出部41で出力された弁開度信号に制限開度比率V2が乗じられた弁制御信号が流量制御弁104及びバイパス弁106にそれぞれ入力され、これらの弁は、検出温度に基づいて制限開度以下で制御される。
【0045】
また、上記制御装置1において、運転台数検出手段3から出力されたポンプ全台停止信号bがポンプ制御手段2に入力されるようにし、この信号に基づいて、ポンプが全台停止していると判断される場合に、ポンプ102cを非常電源によって起動させるようにしてもよい。
【0046】
ここで、図4を参照して、本実施形態に係る冷却系統の制御方法を説明する。
まず最初に、ステップS1では、運転台数検出手段3によって、ポンプの運転台数を検出し、ステップS2では、複数のポンプ102が全て停止したことを検出した場合に、流量制御弁104を全閉に制御する弁制御信号を出力する。
ステップS3では、流量制御弁104が全閉にされた状態で、ポンプ102を通常運転台数より少ない台数で起動する。
【0047】
ステップS3で第1のポンプを起動した後、ステップS4で、通常運転時における流量制御弁104の上限開度より小さい値に設定された制限開度以下で流量制御弁104を制御する弁制御信号を出力する。
ステップS5では、流量制御弁104が制限開度以下に制御されている状態で、通常運転台数のポンプ102を起動する。
そして、通常運転台数のポンプ102が起動したことを検出した場合に、ステップS6で、流量制御弁104を上限開度以下で制御する弁制御信号を流量制御弁104に出力する。
【0048】
以上説明したように、本実施形態では、複数のポンプ102が全て停止したことを検出した場合に、流量制御弁104を全閉に制御した後、ポンプ102を通常運転台数より少ない台数で起動するようにしたので、ポンプ102の起動トルクを低減でき、モータの容量を低減することが可能となる。
また、通常運転台数より少ない台数のポンプ102を起動した後、通常運転時における流量制御弁104の上限開度より小さい値に設定された制限開度以下で流量制御弁104を制御するようにしたので、冷却系統のシステム抵抗が増加し、ポンプ102の流量が制限され、ポンプ102が過流量となることを防止できる。
さらに、ポンプ102の運転台数を検出して、この検出信号に応じて流量制御弁104を制御するようにしたので、作業員を介することなく冷却系統を自動で制御でき、ブラックアウト時のような非常事態においても確実に対応可能となる。
【0049】
なお、本実施形態が適用される原子力発電プラントは、加圧水型原子炉や沸騰水型原子炉等のようにどのようなタイプの原子炉を有するプラントにも適用できる。
また、本実施形態では、ポンプ102a、102b、102cがブラックアウト等の電源喪失時に全台停止した場合について主に説明したが、これに限定されるものではなく、ポンプを全台停止した後に、通常運転時より少ない台数で再起動し、その後時間をおいて通常運転台数でポンプを運転する場合に全て適用できる。
また、本実施形態では、冷却系統を循環する冷却材として冷却水を用いて説明したが、冷却材として水以外の他の流体を用いてもよい。
さらに、本実施形態では、主に流量制御弁104及びバイパス弁106がON/OFF制御される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、これらの弁が比例制御弁であってもよい。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはいうまでもない。
【符号の説明】
【0050】
1 制御装置
2 ポンプ制御手段
3 運転台数検出手段
4 弁制御手段
41 弁開度信号算出部
42 第1信号切替器
43 第2信号切替器
44、45 乗算器
100 冷却系統
101 循環ライン
102、102a、102b、102c ポンプ
103 冷却水クーラ
104 流量制御弁
105 バイパスライン
106 バイパス弁
108 温度検出センサ
111 潤滑油熱交換器
113 冷却媒体熱交換器
115 その他補機冷却用熱交換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子力発電プラントの補機冷却用の冷却材が循環する循環ラインと、前記循環ラインに対して互いに並列に接続された複数のポンプと、前記複数のポンプの吐出側下流に設けられ前記冷却材の流量を調整する流量制御弁とを備える冷却系統の制御方法であって、
前記ポンプの運転台数を検出し、前記複数のポンプが全て停止したことを検出した場合に、前記流量制御弁を全閉に制御する弁制御信号を前記流量制御弁に出力する弁全閉制御ステップと、
前記流量制御弁が全閉にされた状態で、前記ポンプを通常運転台数より少ない台数で起動する第1のポンプ起動ステップと、
前記第1のポンプ起動ステップの後、通常運転時における前記流量制御弁の上限開度より小さい値に設定された制限開度以下で前記流量制御弁を制御する弁制御信号を前記流量制御弁に出力する第1の弁開制御ステップとを備えることを特徴とする冷却系統の制御方法。
【請求項2】
前記流量制御弁が前記制限開度以下に制御されている状態で、前記通常運転台数のポンプを起動する第2のポンプ起動ステップと、
前記通常運転台数のポンプが起動したことを検出した場合に、前記流量制御弁を前記上限開度以下で制御する弁制御信号を前記流量制御弁に出力する第2の弁開制御ステップとをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の冷却系統の制御方法。
【請求項3】
前記冷却水の温度のしきい値が予め設定されており、
前記第1の弁開制御ステップでは、前記冷却水の温度を検出し、検出温度が前記しきい値以上である場合には、前記流量制御弁を前記制限開度に制御する弁制御信号を前記流量制御弁に出力し、前記検出温度が前記しきい値未満である場合には、前記流量制御弁を閉に制御する弁制御信号を前記流量制御弁に出力することを特徴とする請求項1に記載の冷却系統の制御方法。
【請求項4】
前記冷却系統は、前記複数のポンプの吐出側下流に設けられ前記冷却材を冷却する冷却材クーラと、前記冷却材クーラ及び前記流量制御弁をバイパスするバイパスラインと、前記冷却材のバイパス流量を調整するバイパス弁とをさらに備え、
前記第1の弁開制御ステップでは、前記流量制御弁及び前記バイパス弁をそれぞれ、前記流量制御弁の上限開度より小さい値に設定された制限開度以下で制御する弁制御信号を前記流量制御弁及び前記バイパス弁にそれぞれ出力することを特徴とする請求項1に記載の冷却系統の制御方法。
【請求項5】
前記弁制御信号は、前記流量制御弁の開度及び前記バイパス弁を互いに連動して制御する信号であることを特徴とする請求項4に記載の冷却系統の制御方法。
【請求項6】
原子力発電プラントの補機冷却用の冷却材が循環する循環ラインと、前記循環ラインに対して互いに並列に接続された複数のポンプと、前記複数のポンプの吐出側下流に設けられ前記冷却材の流量を調整する流量制御弁とを備える冷却系統の制御装置であって、
前記ポンプの起動を制御するポンプ制御手段と、
前記ポンプの運転台数を検出する運転台数検出手段と、
前記流量制御弁を開閉制御する弁開閉制御手段とを備え、
前記ポンプ制御手段は、前記複数のポンプが全て停止した場合に、通常運転台数より少ない台数の前記ポンプを起動させるようにし、
前記弁開閉制御手段は、前記運転台数検出手段によって前記複数のポンプが全て停止したことを検出した場合に、前記流量制御弁を全閉にする弁制御信号を出力し、通常運転台数より少ない台数の前記ポンプが運転していることを検出した場合に、通常運転時における前記流量制御弁の設定開度より小さい値に設定された制限開度に前記流量調整弁を制御する弁制御信号を出力することを特徴とする二次冷却系の制御装置。
【請求項7】
前記弁開閉制御手段は、前記運転台数検出手段によって前記通常運転台数のポンプが起動したことを検出した場合に、前記流量制御弁を前記上限開度以下で制御する弁制御信号を出力することを特徴とする請求項6に記載の二次冷却系の制御装置。
【請求項8】
前記複数のポンプの吐出側下流に設けられ前記冷却材を冷却する冷却材クーラと、
前記冷却材クーラ及び前記流量制御弁をバイパスするバイパスラインと、
前記バイパスラインに設けられ、前記冷却材のバイパス流量を調整するバイパス弁とをさらに備え、
前記弁開閉制御手段は、前記運転台数検出手段によって前記通常運転台数より少ない台数の前記ポンプが運転していることを検出した場合に、前記流量制御弁及び前記バイパス弁をそれぞれ、前記流量制御弁の上限開度より小さい値に設定された制限開度以下で制御する弁制御信号を出力することを特徴とする請求項6に記載の冷却系統の制御装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−104720(P2013−104720A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247400(P2011−247400)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)