説明

冷媒濃度検出器

【課題】圧縮機の内部に取り付ける冷媒希釈度センサの小型化及び測定機器の保護。
【解決手段】冷媒希釈度センサ(20)は、発光側の光ファイバ(33)と、光ファイバ(33)からの測定光を発光方向から直角に屈折させる導入側ミラー(28)と、測定光を油貯留部に出射する出射レンズ(30)とを内部に収容し、圧縮機に挿入される発光側ケーシング部(23a)と、出射レンズ(30)と対向して設置され油貯留部を透過した測定光が入射する入射レンズ(31)と、測定光を入射レンズ(31)から光ファイバ(33)の発光方向と平行方向に直角に屈折させる導出側ミラー(29)と、受光側の光ファイバ(35)とを内部に収容し、発光側ケーシング部(23a)と対向に配置されて圧縮機に挿入される受光側ケーシング部(23b)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒濃度検出器に関し、特に、圧縮機に貯留される冷凍機油に含まれる冷媒の濃度を検出する検出器に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ケーシングには、内部に冷媒を圧縮する圧縮機構及び電動機とが収容されていると共に、底部に冷凍機油を溜める油貯留部が形成されている。この油貯留部に貯留された冷凍機油を、油ポンプによって圧縮機構の摺動部に供給し、摺動部の潤滑性を向上させている。
【0003】
ところが、圧縮機構の冷媒が冷凍機油に溶け込むと、冷凍機油の粘度が低くなり、油ポンプから圧縮機構に供給する冷凍機油が減少するため、圧縮機構で冷凍機油不足が発生し、その結果、圧縮機構の摺動部が損傷するという問題があった。
【0004】
このような問題に対して特許文献1では、圧縮機のケーシング内の冷凍機油に対して光を透過させ、冷凍機油に含まれる冷媒の濃度(冷媒希釈度)を測定して圧縮機構での冷凍機油不足を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−60435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示す冷媒希釈度センサは、光ファイバを圧縮機のケーシング内に設置しているため、該ケーシングの内部が圧縮冷媒によって高圧雰囲気に形成されている場合、光ファイバやセンサ部等の測定機器が、高圧冷媒や、高圧の冷凍機油に晒されて損傷し易くなるという問題があった。このような問題に対する解決方法としては、例えば光ファイバの周囲を耐圧性を有する部材(ハウジング等)で覆う等の対策が考えられる。
【0007】
ところが、特許文献1に示す冷媒希釈度センサは、ケーシング内に光ファイバを配線し、該光ファイバの発光面と受光面とを対面させて測定用の光がケーシングの内部空間を透過するようにしている。このため、仮に光ファイバをハウジングに収容した上でケーシング内に設置すると、該ケーシング内でハウジングが占有するスペースが大きくなる。これにより、ケーシングの内部における冷媒希釈度センサの外形寸法が大きくなるという問題があった。
【0008】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、測定機器の損傷を防止しつつ圧縮機のケーシングの内部において冷媒希釈度センサの外形寸法を小さくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、冷凍機油を貯留する油貯留部(14)を有する圧縮機(10)の油貯留部(14)に測定光を透過させて冷凍機油に含まれる冷媒濃度を検出する冷媒濃度検出器であって、上記測定光の発光部(33)と、該発光部(33)からの測定光を上記発光部(33)の発光方向から直角に屈折させる反射レンズ(28)と、該反射レンズ(28)で反射した測定光を上記油貯留部(14)に出射する出射レンズ(30)とを内部に収容し、上記圧縮機(10)に挿入される発光部材(23a)と、上記出射レンズ(30)と対向して設置され上記油貯留部(14)を透過した測定光が入射する入射レンズ(31)と、該入射レンズ(31)から入射した測定光を入射レンズ(31)から上記発光部(33)の発光方向と平行方向に直角に屈折させる反射レンズ(29)と、該反射レンズ(29)で反射した測定光の受光部(35)とを内部に収容し、上記発光部材(23a)と対向して配置されて上記圧縮機(10)に挿入される受光部材(23b)とを備えている。
【0010】
上記第1の発明では、圧縮機(10)で冷媒を圧縮すると、圧縮機(10)の機構部分には冷凍機油が供給される。この供給される冷凍機油には冷媒が溶け込む。発光部材(23a)では、発光部(33)が測定光を発光すると、反射レンズ(28)が測定光を、該測定光の発光方向から直角に反射する。反射した測定光は、出射レンズ(30)を出射して油貯留部(14)を透過して入射レンズ(31)に入射する。入射レンズ(31)に入射した測定光は、反射レンズ(29)を反射して受光部(35)で受光される。
【0011】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記出射レンズ(30)と、入射レンズ(31)との間隔を調整する調整機構(50,70)を備えている。
【0012】
上記第2の発明では、調整機構(50,70)は、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間隔を調整して、該間隔を圧縮機(10)の冷媒種と冷凍機油種との組合せに応じて設定される距離にする。
【0013】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記調整機構(50)は、出射レンズ(30)及び入射レンズ(31)の少なくとも一方が取り付けられ且つ発光部材(23a)及び受光部材(23b)の少なくとも一方の部材(23a,23b)に出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との対向方向に移動自在に設けられた移動台(51)で構成されている。
【0014】
上記第3の発明では、移動台(51)は、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との対向方向に移動する。移動台(51)が移動すると、該移動台(51)に取り付けられた出射レンズ(30)又は入射レンズ(31)が移動して出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間の距離が変わる。これにより、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)の間隔を調整する。
【0015】
第4の発明は、上記第2の発明において、上記調整機構(70)は、上記発光部材(23a)と受光部材(23b)とが出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との対向方向に移動するように上記発光部材(23a)と受光部材(23b)との移動を案内する案内部(71)と、上記発光部材(23a)と受光部材(23b)とを相対移動させる移動部材(72)とを備えている。
【0016】
上記第4の発明では、移動部材(72)が発光部材(23a)と受光部材(23b)とを相対移動させると、案内部(71)に案内されて発光部材(23a)と受光部材(23b)とが対向方向に移動して出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間の距離が変わる。これにより、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)の間隔を調整する。
【0017】
第5の発明は、上記第1〜第4の何れか1つの発明において、冷凍機油を透過させた測定光の該冷凍機油の種類に応じた基準波長での透過率と、上記冷凍機油の種類に応じた測定波長での透過率とに基づいて透過率比を算出し、該透過率比を異なる冷媒濃度の冷凍機油ごとに求めて構成される冷媒濃度と透過率比との相関線データを有する記憶部(41)と、上記油貯留部(14)を透過させた測定光の基準波長での透過率と測定波長での透過率とに基づいて透過率比を算出し、該透過率比と上記相関線データとに基づいて圧縮機(10)の冷凍機油の油不足を検出する油不足検出部(43)とを備えている。
【0018】
上記第5の発明では、まず、測定光を所定の冷媒濃度に構成された冷凍機油に透過する。次に、透過した測定光の基準波長の透過率と測定波長での透過率とに基づいて透過率比を算出する。尚、基準波長及び測定波長は、冷凍機油の種類に応じて設定される波長である。そして、様々な冷媒濃度に構成された冷凍機油ごとに透過率比を求めて、冷媒濃度と透過率比の相関線データを記憶部(41)に事前に記憶しておく。
【0019】
油不足検出部(43)は、油貯留部(14)を透過させた測定光の基準波長の透過率と測定波長の透過率とに基づいて透過率比を算出する。そして、油不足検出部(43)は、算出した透過率比を記憶部(41)の相関線データに照らし合わせて油貯留部(14)における冷凍機油の不足を検出する。
【0020】
第6の発明は、上記第1〜5の発明において、上記発光部材(23a)及び受光部材(23b)の少なくとも一方の部材(23a,23b)には、該部材(23a,23b)を介して出射レンズ(30)又は入射レンズ(31)を加熱する曇り止めヒータ(36)を備えている。
【0021】
上記第6の発明では、曇り止めヒータ(36)は発光部(33)及び受光部(35)の少なくとも一方の部材(23a,23b)を加熱する。部材(23a,23b)が加熱されると、該部材(23a,23b)を介して出射レンズ(30)又は入射レンズ(31)が暖まることでレンズが曇り難くなる。
【0022】
第7の発明は、上記第1〜第6の発明の何れか1つにおいて、上記発光部材(23a)、及び受光部材(23b)には、上記発光部材(23a)から測定光が出射する面(21e)と、受光部材(23b)へ測定光が入射する面(21e)とからなる対向面(21e,21e)が形成され、上記対向面(21e,21e)が形成する辺のうち少なくとも何れか一つには、面取り部(21d)が形成されている。
【0023】
上記第7の発明では、発光部材(23a)と受光部材(23b)は、互いに対向して設置されている。そして、発光部材(23a)から測定光が出射する面(21e)と、受光部材(23b)へ測定光が入射する面(21e)とは互いが対向面(21e,21e)を形成している。そして、各対向面(21e,21e)は、面端部が発光部材(23a)、又は受光部材(23b)の辺を形成している。この辺のうち、少なくとも何れか一つの辺に面取り部(21d)を形成している。面取り部(21d)は、油貯留部(14)を流れる冷凍機油を発光部材(23a)と受光部材(23b)との間に案内する。これにより、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間で冷凍機油が淀まない。冷媒濃度検出器は、案内された冷凍機油に含まれる冷媒濃度を検出する。
【発明の効果】
【0024】
上記第1の発明によれば、発光部(33)、反射レンズ(28)及び出射レンズ(30)を内部に収容する発光部材(23a)と、入射レンズ(31)、反射レンズ(29)及び受光部(35)を内部に収容する受光部材(23b)とを設けたため、発光部材(23a)及び受光部材(23b)の内部と圧縮機(10)の圧力空間とを仕切ることができる。これにより、高圧雰囲気に形成された圧縮機(10)内で発光部(33)、出射レンズ(30)、反射レンズ(28,29)、入射レンズ(31)及び受光部(35)を保護することができる。
【0025】
また、反射レンズ(28,29)を設けたため、測定光を屈折させて出射レンズ(30)から出射させることができる一方、入射レンズ(31)から入射してきた測定光を屈折させることができる。つまり、従来の光ファイバは、積極的に折曲げて使用することができないため、発光面と受光面とを対向させた場合に光ファイバの全長が長くなるのに比べて、本発明では、測定光をレンズで折り返すことで、冷媒濃度検出器の全長が長くなるのを抑えることができ、この結果、冷媒濃度検出器を小型化することができる。
【0026】
これらの結果、圧縮機(10)内部において、冷媒濃度検出器を小型化させると共に、出射レンズ(30)、反射レンズ(28,29)及び入射レンズ(31)等の測定機器の損傷を防止することができる。
【0027】
上記第2の発明によれば、調整機構(50,70)を設けたため、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間隔を調整することができる。ここで、冷媒濃度測定の際には、圧縮機(10)に使用される冷媒及び冷凍機油の組合せを変えると、測定光の透過率を求めるのに最適な基準波長及び測定波長は異なった波長になる。したがって、測定光の透過率を求める基準波長及び測定波長によっては、測定光を充分な透過距離を有する油貯留部に透過させなければならない場合がある。この場合、従来の冷媒濃度検出器では、測定光を透過させる距離を変えることができなかったため、冷媒及び冷凍機油の異なる組合せに充分に対応することができなかった。しかしながら、本発明では、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間隔を圧縮機(10)に使用される冷媒及び冷凍機油の種類の組合せに応じた間隔に調整することができる。この結果、冷媒及び冷凍機油の異なる組合せに対応することができる。
【0028】
上記第3の発明によれば、調整機構(50)を移動台(51)で構成したため、移動台(51)を出射レンズ(30)と入射レンズ(31)の対向方向に移動させることで、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間隔を調整することができる。これにより、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間隔を、圧縮機(10)に使用される冷媒及び冷凍機油の組合せに応じた間隔に容易に調整することができる。この結果、冷媒及び冷凍機油の異なる組合せに対応することができる。
【0029】
上記第4の発明によれば、調整機構(70)を案内部(71)と移動部材(72)で構成したため、移動部材(72)で発光部材(23a)と受光部材(23b)とを相対移動させ案内部(71)で発光部材(23a)と受光部材(23b)とを出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との対向方向に案内して移動させることができる。これにより、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間隔を、圧縮機(10)に使用される冷媒及び冷凍機油の組合せに応じた間隔に容易に調整することができる。この結果、冷媒及び冷凍機油の異なる組合せに対応することができる。
【0030】
上記第5の発明によれば、記憶部(41)と油不足検出部(43)とを設けたため、記憶部(41)の相関線データと、油貯留部(14)を透過させた測定光の透過率比とを照らし合わせることで圧縮機(10)の冷凍機油の不足を検出することができる。これにより、別途、冷凍機油の不足を検知する検知装置等を設けることなく、冷凍機油不足を検出することができる。
【0031】
上記第6の発明によれば、曇り止めヒータ(36)を設けたため、部材(23a,23b)を介して少なくとも出射レンズ(30)及び入射レンズ(31)の一方を加熱することができる。これにより、出射レンズ(30)又は入射レンズ(31)の曇り止めを防止することができる。
【0032】
上記第7の発明によれば、発光部材(23a)、又は受光部材(23b)に面取り部(21d)を形成したため、冷凍機油を発光部材(23a)と受光部材(23b)との間に案内することができる。これにより、測定光が通過する出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間において冷凍機油が淀むのを確実に防止することができる。この結果、冷凍機油に含まれる冷媒濃度の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施形態1に係る冷媒希釈度センサを示す模式図である。
【図2】実施形態1に係る冷媒希釈度センサを示す拡大した断面図である。
【図3】(A)は実施形態2に係る冷媒希釈度センサの第1レンズ間状態を示す拡大した模式図であり、(B)は実施形態2に係る冷媒希釈度センサの第2レンズ間状態を示す拡大した模式図である。
【図4】実施形態2に係るレンズ移動台を示す拡大した断面図である。
【図5】(A)は実施形態3に係る冷媒希釈度センサの第1レンズ間状態を示す拡大した断面図であり、(B)は実施形態3に係る冷媒希釈度センサの第2レンズ間状態を示す拡大した断面図である。
【図6】実施形態4に係る冷媒希釈度センサを模式的に表す図である。
【図7】実施形態4に係る冷媒希釈度センサをオイルピックアップ側から視た模式図である。
【図8】(A)は、その他の実施形態に係る冷媒希釈度センサの第1状態を模式的に表す図であり、(B)は、その他の実施形態に係る冷媒希釈度センサの第2状態を模式的に表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0035】
〈発明の実施形態1〉
本発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態1では、本発明に係る冷媒濃度検出器が冷媒希釈度センサ(20)を構成している。冷媒希釈度センサ(20)は、空調装置(図示なし)の圧縮機(10)に対して取り付けられるものである。
【0036】
上記空調装置は、居室内の空気調和を行うものであって、冷媒回路を備えている。この冷媒回路は、冷媒が循環する回路内に圧縮機(10)、室外熱交換器(図示なし)、膨張弁(図示なし)及び室内熱交換器(図示なし)を有して構成され、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われている。
【0037】
上記圧縮機(10)は、冷媒回路を循環する冷媒を圧縮するためのものである。この圧縮機(10)は、圧縮機ケーシング(11)と、圧縮機構(12)と、オイルピックアップ(13)と、油貯留部(14)とを有している。
【0038】
上記圧縮機ケーシング(11)は、内部が中空の略円筒形状に形成されている。圧縮機ケーシング(11)の内部空間は高圧雰囲気に形成され、上部側に圧縮機構(12)とオイルピックアップ(13)とが収容され、底部側に油貯留部(14)が形成されている。上記圧縮機構(12)は、冷媒を圧縮する圧縮部と該圧縮部を回転駆動させるクランク軸(15)とで構成されている。
【0039】
上記油貯留部(14)は、圧縮機構(12)に供給される冷凍機油を貯留するためのものである。油貯留部(14)は、圧縮機ケーシング(11)の底部に形成されている。油貯留部(14)は、貯留される冷凍機油量に応じて液面高さが異なる。本実施形態1では、図1に示すように、油貯留部(14)に貯留される冷凍機油量が多い状態(液面高さが高い状態)を第1油状態(図1に実線で示す状態)とし、貯留される冷凍機油量が少ない状態(液面高さが低い状態)を第2油状態(図1に破線で示す状態)とする。
【0040】
上記オイルピックアップ(13)は、油貯留部(14)に貯留された冷凍機油を圧縮機構(12)に供給するためのものである。このオイルピックアップ(13)は、内部に油が流れる流路を有する連通管であって、油流路(13a)を備えている。オイルピックアップ(13)は、クランク軸(15)の下端に連結され、クランク軸(15)と一体となって回転するように構成されている。そして、オイルピックアップ(13)の油流路(13a)は、入口側の端部が油貯留部(14)の内部に接続され、出口側の端部が圧縮機構(12)の下部に形成される給油連通口に接続されている。つまり、油貯留部(14)に貯留された冷凍機油は、オイルピックアップ(13)の油流路(13a)を通過して圧縮機構(12)に供給される。油流路(13a)では、高圧雰囲気に形成された圧縮機ケーシング(11)の内圧と、圧縮機構(12)の内圧との差圧によって冷凍機油を油貯留部(14)から圧縮機構(12)へ引っ張っている。圧縮機構(12)へ供給された冷凍機油は、潤滑油として圧縮機構(12)の圧縮部の摺動部分等に送られる。
【0041】
上記冷媒希釈度センサ(20)は、図1及び図2に示すように、冷凍機油に含まれる冷媒の濃度を検出するためのものである。本実施形態1に係る冷媒希釈度センサ(20)は、圧縮機(10)の圧縮機ケーシング(11)の油貯留部(14)に貯留される冷凍機油に含まれる冷媒の濃度を検出する。この冷媒希釈度センサ(20)は、センサケーシング(21)と、発光器(32)と、受光器(34)と、コントローラ(40)とを備えている。
【0042】
上記センサケーシング(21)は、横長の円筒状に形成されている。そして、センサケーシング(21)は、圧縮機ケーシング(11)のやや底部寄りの油貯留部(14)に対応する位置に、圧縮機ケーシング(11)の内部に差し込まれた状態で取り付けられている。尚、本実施形態1では、センサケーシング(21)の長手方向に沿う面を後述する側面(21c)とし、圧縮機ケーシング(11)の内部に面する端面を前端面(21a)とし、圧縮機ケーシング(11)の外部に面する端面を後端面(21b)とする。つまり、センサケーシング(21)は、前端面(21a)が圧縮機ケーシング(11)の内部においてオイルピックアップ(13)の入口側の端部の近傍に面するように配置され、後端面(21b)が圧縮機ケーシング(11)の外部に面するように配置されている。
【0043】
また、センサケーシング(21)には、前端面(21a)に該センサケーシング(21)の内部側に凹んだ矩形状の凹部(22)が形成されている。上記凹部(22)は、後述する測定光を通過させるためのものである。凹部(22)の内側の上面には、後述する光導入路(24)の出口端(24b)である開口が形成され、下面には、後述する光導出路(25)の入口端(25a)である開口が形成されている。
【0044】
センサケーシング(21)は、発光側ケーシング部(23a)と、受光側ケーシング部(23b)と、電熱ヒータ(36)を備えている。尚、発光側ケーシング部(23a)は、本発明に係る発光部材を構成する一方、受光側ケーシング部(23b)は、本発明に係る受光部材を構成している。
【0045】
上記発光側ケーシング部(23a)は、センサケーシング(21)の上部側を構成し、その内部に光導入路(24)と、発光側接続片(26)と、導入側ミラー(28)と、出射レンズ(30)とを内部に収容している。
【0046】
上記光導入路(24)は、発光側ケーシング部(23a)に形成されて内部を測定光が通過する光通路に構成されている。光導入路(24)は、入口端(24a)が、センサケーシング(21)の後端面(21b)の上部側寄りに形成され、出口端(24b)が、センサケーシング(21)の凹部(22)の内側上面に形成されている。つまり、光導入路(24)は、センサケーシング(21)の後端面(21b)から前端面(21a)に向かって直線状に延びて、前端面(21a)の手前で垂直下方向に向かって直角に屈曲して凹部(22)の内側上面まで延びている。
【0047】
光導入路(24)には、入口端(24a)に発光側接続片(26)が設置され、屈曲する位置に導入側ミラー(28)が設置され、出口端(24b)に出射レンズ(30)が設置されている。
【0048】
上記発光側接続片(26)は、発光器(32)に接続される発光側の光ファイバ(33)をセンサケーシング(21)に接続する接続部材である。具体的に、発光側接続片(26)は、外形寸法が光導入路(24)に嵌り込むように形成された略円筒状に形成され、光導入路(24)の入口端(24a)からセンサケーシング(21)の内部側に向かって嵌め込まれている。発光側接続片(26)は、内部を光が通過する接続通路(26a)を備えている。
【0049】
上記接続通路(26a)は、一端が発光側の光ファイバ(33)に接続され、他端が光導入路(24)内に接続されている。つまり、発光器(32)から発光された測定光は、発光側の光ファイバ(33)を通過して発光側接続片(26)の接続通路(26a)を介して光導入路(24)に入射する。尚、上記発光側の光ファイバ(33)は、本発明に係る発光部を構成している。
【0050】
尚、発光器(32)は、赤外線を発光する発光モジュールである。この発光器(32)は、例えばLEDやレーザダイオード等で構成してもよい。
【0051】
上記導入側ミラー(28)は、光を反射させる反射部材(反射ミラー)に形成され、本発明に係る反射レンズを構成している。導入側ミラー(28)は、光導入路(24)の屈曲する位置で、且つ光導入路(24)の入口端(24a)から入射する測定光を垂直下側方向に直角に屈折させる向きに設置されている。つまり、導入側ミラー(28)は、光導入路(24)の入口端(24a)から入射される測定光を、後述する出射レンズ(30)に向かって反射するよう構成されている。
【0052】
上記出射レンズ(30)は、光を通過させる透明な平板状に形成されたガラスである。出射レンズ(30)は、圧縮機ケーシング(11)内の高圧冷媒や高圧冷凍機油に対する耐圧性を有する厚みに形成され、光導入路(24)の出口端(24b)に水平となる向きに設置されている。出射レンズ(30)は、その裏面側が光導入路(24)の内部に面する一方、表面側が圧縮機ケーシング(11)の内部空間に面している。
【0053】
上記受光側ケーシング部(23b)は、センサケーシング(21)の下部側を構成し、その内部に光導出路(25)と、入射レンズ(31)と、導出側ミラー(29)と、受光側接続片(27)とを内部に収容している。受光側ケーシング部(23b)は、圧縮機ケーシング(11)内で発光側ケーシング部(23a)に対向する位置に配置されている。
【0054】
上記光導出路(25)は、受光側ケーシング部(23b)に形成されて内部を測定光が通過する光通路に構成されている。光導出路(25)は、入口端(25a)が、センサケーシング(21)の後端面(21b)の下部側寄りに形成され、出口端(25b)が、センサケーシング(21)の凹部(22)の内側下面に形成されている。つまり、光導出路(25)は、センサケーシング(21)の凹部(22)の内側下面から垂直下方向に延びて、センサケーシング(21)の後端面(21b)側の水平方向に向かって直角に屈曲してセンサケーシング(21)の後端面(21b)まで直線状に延びている。
【0055】
光導出路(25)には、入口端(25a)に入射レンズ(31)が設置され、屈曲する位置に導出側ミラー(29)が設置され、出口端(25b)に受光側接続片(27)が設置されている。
【0056】
上記入射レンズ(31)は、光を通過させる透明な平板状に形成されたガラスである。入射レンズ(31)は、圧縮機ケーシング(11)内の高圧冷媒や高圧冷凍機油に対する耐圧性を有する厚みに形成され、上記出射レンズ(30)と対向させて水平に設置されている。入射レンズ(31)は、その裏側面が光導出路(25)の内部に面する一方、表面側が圧縮機ケーシング(11)の内部空間に面している。
【0057】
上記導出側ミラー(29)は、光を反射させる反射部材(反射ミラー)に形成され、本発明に係る反射レンズを構成している。導出側ミラー(29)は、光導出路(25)の屈曲する位置で、且つ入射レンズ(31)から入射する測定光をセンサケーシング(21)の後端面(21b)側の水平方向に直角に屈折させる向きに設置されている。つまり、導出側ミラー(29)は、入射レンズ(31)から入射した測定光を後述する受光側接続片(27)に向かって反射するよう構成されている。
【0058】
上記受光側接続片(27)は、受光器(34)に接続される受光側の光ファイバ(35)をセンサケーシング(21)に接続する接続部材である。具体的に、受光側接続片(27)は、外形寸法が光導出路(25)に嵌り込むように形成された略円筒状に形成され、光導出路(25)の出口端(25b)からセンサケーシング(21)の内部側に向かって嵌め込まれている。受光側接続片(27)は、内部を光が通過する接続通路(27a)を備えている。
【0059】
上記接続通路(27a)は、一端が受光側の光ファイバ(35)に接続され、他端が光導出路(25)内に接続されている。つまり、入射レンズ(31)から入射して導出側ミラー(29)を反射した測定光は、光導出路(25)を通過して受光側接続片(27)の接続通路(27a)から受光側の光ファイバ(35)を介して受光器(34)に受光する。尚、上記受光側の光ファイバ(35)は、本発明に係る受光部を構成している
尚、受光器(34)は、赤外線を受ける受光モジュールである。この受光器(34)は、例えばフォトトランジスタ等で構成してもよい。
【0060】
上記電熱ヒータ(36)は、出射レンズ(30)及び入射レンズ(31)を加熱してガラス面が曇るのを防止するものであって、本発明に係る曇り止めヒータを構成している。電熱ヒータ(36)は、電気エネルギーを熱エネルギーに変換するヒータに構成され、センサケーシング(21)の内部の中央寄りに取り付けられている。つまり、電熱ヒータ(36)は、センサケーシング(21)を介して出射レンズ(30)及び入射レンズ(31)を加熱している。
【0061】
上記コントローラ(40)は、記憶部(41)と、演算部(42)と、油不足検出部(43)とで構成され、発光器(32)及び受光器(34)に接続されている。
【0062】
上記記憶部(41)は、冷媒希釈度センサ(20)で測定された測定データと比較するための予め測定された相関線データを記憶するためのものである。具体的に、記憶部(41)には、相関線データが記憶されている。相関線データは、冷凍機油を透過させた測定光の基準波長での透過率及び測定波長での透過率に基づいて透過率比を算出し、この透過率比を様々な冷媒濃度に調整された冷凍機油について求めることで導き出される冷媒濃度と透過率比との関係を示す相関線である。尚、上記基準波長及び測定波長は、測定対象となる冷凍機油の種類に応じて設定される個別的な波長である。つまり、冷凍機油ごとに測定に最適な基準波長及び測定波長が存在している。
【0063】
上記演算部(42)は、受光器(34)から送られる測定データに基づいて冷凍機油の冷媒濃度を算出するためのものである。具体的に、演算部(42)は、油貯留部(14)を透過した測定光の基準波長での透過率と測定波長での透過率とに基づいて透過率比を算出する。そして、算出された透過率比を、上記記憶部(41)の相関線データに照らし合わせて冷凍機油に含まれる冷媒の濃度を求める。
【0064】
上記油不足検出部(43)は、演算部(42)での冷凍機油の冷媒濃度の算出結果から油貯留部(14)の冷凍機油の不足を検出するものである。具体的に、油不足検出部(43)は、演算部(42)で連続的に検出される透過率比が連続的にほぼ同じ透過率比であれば、測定光は油貯留部(14)の冷凍機油を透過しているため、油貯留部(14)には冷凍機油が存在していると判断する。ところが、油不足検出部(43)は、演算部(42)で連続的に検出される透過率比が、一部で急激に高い(若しくは低い)などの異常な透過率比を検出すると、測定光は油貯留部(14)を透過しているが冷凍機油を透過していないため、油貯留部(14)には冷凍機油がないと判断する。
【0065】
−運転動作−
空調装置の運転中には、冷媒回路で冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。冷房運転時には、室外熱交換器が凝縮器となり、室内熱交換器が蒸発器となる。そして、冷媒回路では、圧縮機(10)で圧縮された冷媒は、室外熱交換器で空気へ放熱して凝縮し、室内熱交換器で空気から吸熱して蒸発して再び圧縮機(10)で圧縮される。この場合、室内熱交換器では、冷媒が空気から吸熱して蒸発し、空気の冷却が行われる。一方、暖房運転時には、室外熱交換器が蒸発器となり、室内熱交換器が凝縮器となる。そして、冷媒回路では、圧縮機(10)で圧縮された冷媒は、室内熱交換器で空気へ放熱して凝縮し、室外熱交換器で空気から吸熱して蒸発して再び圧縮機(10)で圧縮される。この場合、室内熱交換器では、冷媒が空気へ放熱して凝縮し、空気の加熱が行われる。
【0066】
〈冷媒濃度検出方法〉
次に、圧縮機(10)内の冷凍機油に含まれる冷凍機油の濃度を検出する冷媒濃度検出方法について説明する。冷媒濃度の測定は、空調装置の運転中に行ってもよいし、空調装置を停止させた状態で行ってもよい。尚、油貯留部(14)では、貯留された測定対象となる冷凍機油の貯留量は第1油状態となっている。
【0067】
冷媒濃度の測定は、まず、発光器(32)が測定光を発光する。測定光は、発光側の光ファイバ(33)を通過して発光側接続片(26)の接続通路(26a)を介して光導入路(24)内に導入される。そして、導入側ミラー(28)は、測定光を出射レンズ(30)に向けて反射する。つまり、光導入路(24)内に導入された測定光は、導入側ミラー(28)で直角に屈折されて出射レンズ(30)からセンサケーシング(21)の外部へ出射される。出射された測定光は、油貯留部(14)に貯留された冷凍機油を透過して入射レンズ(31)より光導出路(25)に入射する。
【0068】
そして、導出側ミラー(29)は、測定光を受光側接続片(27)に向けて反射する。つまり、入射レンズ(31)から光導出路(25)内に導入された測定光は、導出側ミラー(29)で直角に屈折されて光導出路(25)を直線に進み受光側接続片(27)の接続通路(27a)を通過してセンサケーシング(21)の外部へ送られる。そして、受光側の光ファイバ(35)を通過して受光器(34)に受光される。受光器(34)では、受光された測定光の測定データをコントローラ(40)に送信する。
【0069】
コントローラ(40)では、演算部(42)が、受光器(34)から送られた測定データに基づいて透過率比を算出し、該透過率比を記憶部(41)に記憶された相関線データと照らし合わせて冷凍機油に含まれる冷媒の濃度を求める。
【0070】
具体的に、演算部(42)は、測定光の基準波長での透過率及び測定波長での透過率から透過率比を算出する。次に、演算部(42)は、算出した透過率比を、記憶部(41)に記憶された相関線データにおける透過率比に対応する冷媒の濃度を求めて、この求められた冷媒濃度を測定対象の冷凍機油に含まれる冷媒の濃度とする。尚、この冷媒濃度測定は、複数回行われる。そして、コントローラ(40)は、検出された冷媒濃度に基づいて空調装置を制御するようにしてもよい。
【0071】
〈油不足検出方法〉
次に、圧縮機(10)内の油貯留部(14)の冷凍機油の不足を検出する油不足検出方法について説明する。冷凍機油不足の検出は、空調装置の運転中に行ってもよいし、空調装置を停止させた状態で行ってもよい。尚、油貯留部(14)では、貯留された測定対象となる冷凍機油の貯留量は初めは第1油状態となっている。
【0072】
油不足の検出は、冷媒濃度の測定と同様に、演算部(42)が冷媒の濃度の測定を所定の時間間隔で複数回に亘って行う。尚、複数回の測定を行っても、油貯留部(14)の冷凍機油の貯留量が第1油状態であれば、通常、各測定において冷媒濃度は、ほぼ同等程度の冷媒濃度が検出される。ここで、油貯留部(14)の冷凍機油の貯留量が第2油状態まで減少した場合について以下説明する。
【0073】
まず、発光器(32)が測定光を発光する。測定光は、発光側の光ファイバ(33)を通過して発光側接続片(26)の接続通路(26a)を介して光導入路(24)内に導入される。そして、導入側ミラー(28)は、測定光を出射レンズ(30)に向けて反射する。光導入路(24)内に導入された測定光は、導入側ミラー(28)で直角に屈折されて出射レンズ(30)からセンサケーシング(21)の外部へ出射される。出射された測定光は、油貯留部(14)を通過する。このとき、油貯留部(14)の冷凍機油量は減少した状態(第2油状態)となっている。このため、油貯留部(14)を通過する測定光は、冷凍機油を透過せず、入射レンズ(31)より光導出路(25)に入射される。
【0074】
そして、導出側ミラー(29)は、測定光を受光側接続片(27)に向けて反射する。出射レンズ(30)から光導出路(25)内に導入された測定光は、導出側ミラー(29)で直角に屈折されて光導出路(25)を直線に進み受光側接続片(27)の接続通路(27a)を通過してセンサケーシング(21)の外部へ送られる。そして、受光側の光ファイバ(35)を通過して受光器(34)に受光される。受光器(34)では、受光された測定光の測定データをコントローラ(40)に送信する。
【0075】
コントローラ(40)では、演算部(42)が、受光器(34)から送られた測定データに基づいて透過率比を算出し、該透過率比を記憶部(41)に記憶された相関線データと照らし合わせて冷凍機油に含まれる冷媒の濃度を求める。
【0076】
具体的に、演算部(42)は、まず、測定光の基準波長での透過率及び測定波長での透過率から透過率比を算出する。次に、演算部(42)は、算出した透過率比を、記憶部(41)に記憶された相関線データにおける透過率比に対応する冷媒の濃度を求めて、この求められた冷媒濃度を測定対象の冷凍機油に含まれる冷媒の濃度とする。
【0077】
油貯留部(14)の冷凍機油が第2油状態まで減少している場合、求められた冷媒濃度と透過率比の関係は、それまでの測定での冷媒濃度と透過率比の関係と大きくに異なったものになる。このような場合、油不足検出部(43)は、油貯留部(14)に冷凍機油が貯留していない状態(第2油状態)であると判断する。コントローラ(40)は、油不足検出部(43)の検出結果に基づいて、例えば空調装置の発停制御等を行うようにしてもよい。
【0078】
−実施形態1の効果−
実施形態1によれば、発光器(32)、導入側ミラー(28)及び出射レンズ(30)を内部に収容する発光側ケーシング部(23a)と、入射レンズ(31)、導出側ミラー(29)及び受光器(34)を内部に収容する受光側ケーシング部(23b)とを設けたため、発光側ケーシング部(23a)及び受光側ケーシング部(23b)の内部と圧縮機ケーシング(11)の圧力空間とを仕切ることができる。これにより、高圧雰囲気に形成された圧縮機ケーシング(11)内において、発光器(32)、出射レンズ(30)、導出側ミラー(29)、導入側ミラー(28)、受光器(34)及び入射レンズ(31)を保護することができる。
【0079】
また、導入側ミラー(28)及び導出側ミラー(29)を設けたため、測定光を屈折させて出射レンズ(30)から出射させることができる一方、入射レンズ(31)から入射してきた測定光を屈折させることができる。つまり、従来の光ファイバは、積極的に折曲げて使用することができないため、発光面と受光面とを対向させた場合に光ファイバの全長が長くなるのに比べて、本発明では、測定光を2つのミラー(28,29)で折り返すことで、センサケーシング(21)の全長が長くなるのを抑えることができ、この結果、冷媒希釈度センサ(20)を小型化することができる。
【0080】
これらの結果、圧縮機ケーシング(11)の内部において、冷媒希釈度センサ(20)を小型化させると共に、出射レンズ(30)、導入側ミラー(28)、導出側ミラー(29)及び入射レンズ(31)等の測定機器の損傷を防止することができる。
【0081】
また、コントローラ(40)が、記憶部(41)と油不足検出部(43)とを設けたため、記憶部(41)の相関線データと、油貯留部(14)を透過させた測定光の透過率比とを照らし合わせることで圧縮機(10)の冷凍機油の不足を検出することができる。これにより、別途、冷凍機油の不足を検知する検知装置等を設けることなく、冷凍機油不足を検出することができる。
【0082】
そして、電熱ヒータ(36)を設けたため、センサケーシング(21)を介して出射レンズ(30)及び入射レンズ(31)を加熱することができる。これにより、出射レンズ(30)及び入射レンズ(31)の曇り止めを防止することができる。
【0083】
〈発明の実施形態2〉
本実施形態2に係る冷媒希釈度センサ(20)では、上記実施形態1に係る冷媒希釈度センサ(20)に代えて、図3(A,B)に示すように、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)の間隔を調整する調整機構(50)を設けるようにしたものである。
【0084】
具体的に、上記調整機構(50)は、出射レンズ(30)及び入射レンズ(31)を移動させるレンズ移動台(51,51)と、可動ビス(53a)とを備え、センサケーシング(21)に形成された取付凹部(45,45a)に対して取り付けられている。
【0085】
上記実施形態2に係るセンサケーシング(21)は、凹部(22)の内側上面(発光側ケーシング部(23a))に上側方向に凹んだ取付部(45)が形成され、且つ内側下面(受光側ケーシング部(23b))に下側方向に凹んだ取付部(45)が形成されている。上記各取付部(45,45)は、平面視で略四角形状の断面に形成され、その内側の底面には、4箇所の隅角部に可動ビス(53a,53a)を嵌合させるビス嵌合部(45a,45a)が形成されている。
【0086】
上記各レンズ移動台(51)は、図3(A,B)及び図4に示すように、本体部(51e)が略立方体状に形成され、その前端面(51a)が圧縮機ケーシング(11)の内部空間に面する方向を向いて取付部(45)に取り付けられている。尚、レンズ移動台(51)は、本発明に係る移動台を構成するものである。
【0087】
レンズ移動台(51)は、その後端面(51b)から前端面(51a)に亘って測定光が通過する光通路(51c)が形成され、前端面(51a)にレンズ移動台(51)の内部側(後端側)に凹んだ取付凹部(51d)が形成されている。取付凹部(51d)の底面には開口が形成され、上記光通路(51c)と繋がっている。この取付凹部(51d)には、出射レンズ(30)又は入射レンズ(31)が嵌め込まれる。レンズ移動台(51)の後端面(51b)側には、外側方向に膨出した膨出部(52)がレンズ移動台(51)の本体部(51e)の外周部に亘って形成されている。そして、レンズ移動台(51)が上記取付部(45)の内側に収容された状態で、取付部(45)の内壁とレンズ移動台(51)の本体部(51e)の外周部との間には、Oリング(54,54)が設けられている。このOリング(54,54)によって、取付部(45)の内側を圧縮機ケーシング(11)の内部空間から仕切っている。
【0088】
上記膨出部(52)は、その外周面が上記取付部(45)の内面に接している。そして、膨出部(52)には、上記取付部(45)の4つのビス嵌合部(45a,45a)に対応する位置に、それぞれ前端側から後端側に向けて4つの可動ビス(53a)が貫通している。この可動ビス(53a)は、その基端側にフランジ(53b)が形成されている。可動ビス(53a)は、膨出部(52)に取り付けられると、その終端が膨出部(52)の後端面を突き抜ける。そして、突き抜けた可動ビス(53a)の終端は、上記取付部(45)のビス嵌合部(45a)に嵌合されることになる。つまり、調整機構(50)は、可動ビス(53a)を回転させることでレンズ移動台(51)を取付部(45)の内側で上下方向に移動させるよう構成されている(図3(A)と図3(B)とに示す状態)。
【0089】
−調整動作−
本実施形態2に係る冷媒希釈度センサ(20)では、冷媒回路を循環させる冷媒と、圧縮機(10)の潤滑油として用いられる冷凍機油との組合せに応じて出射レンズ(30)と入射レンズ(31)の間隔が調整される。この冷媒希釈度センサ(20)では、図3(A)に示す出射レンズ(30)と入射レンズ(31)の間隔を近づけた状態(第1レンズ間状態)と、図3(B)に示す出射レンズ(30)と入射レンズ(31)の間隔を離した状態(第2レンズ間状態)とに切り換え可能に構成されている。
【0090】
具体的に、第1レンズ間状態では、図3(A)に示すように、2つのレンズ移動台(51,51)のそれぞれに取り付けられる可動ビス(53a,53a)を非締結方向に回転させる。可動ビス(53a,53a)を非締結方向へ回転させると、両レンズ移動台(51,51)が互いに近づく対向方向に向かって移動する。
【0091】
第2レンズ間状態では、図3(B)に示すように、2つのレンズ移動台(51)のそれぞれに取り付けられる可動ビス(53a,53a)を締結方向に回転させる。可動ビス(53a,53a)を締結方向へ回転させると、両レンズ移動台(51,51)が互いに遠ざかる対向方向に向かって移動する。
【0092】
このようにして、冷凍機油と冷媒との組合せに応じて最適となる出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間隔に調整した冷媒希釈度センサ(20)でもって実施形態1で説明した冷媒濃度検出や冷凍機油不足検出を行うようにする。
【0093】
−実施形態2の効果−
本実施形態2によれば、調整機構(50)をレンズ移動台(51,51)で構成したため、2つのレンズ移動台(51,51)を出射レンズ(30)と入射レンズ(31)の対向方向に移動させることで、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間隔を調整することができる。これにより、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間隔を、冷媒回路に使用される冷媒及び冷凍機油の組合せに応じた間隔に容易に調整することができる。この結果、冷媒及び冷凍機油の異なる組合せに充分に対応することができる。その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
【0094】
〈発明の実施形態3〉
本実施形態3に係る冷媒希釈度センサ(20)では、上記実施形態1に示す冷媒希釈度センサ(20)に加えて、図5(A,B)に示すように、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)の間隔を調整する調整機構(70)を設けるようにしたものである。
【0095】
具体的に、調整機構(70)は、ガイド部(71)と、楔部材(72)とを備えている。また、本実施形態3に係るセンサケーシング(21)は、上下方向に分割され、上側が発光側ケーシング部(23a)に構成される一方、下側が受光側ケーシング部(23b)に構成されている。
【0096】
具体的に、センサケーシング(21)は、前端面(21a)からセンサケーシング(21)の内部側に凹む凹部(22)の底部からセンサケーシング(21)の後端面(21b)に向かって直線状に延びる線を中心として上下方向に2つに分割され、上側が発光側ケーシング部(23a)に形成され、下側が受光側ケーシング部(23b)に形成されている。両センサケーシング(23a,23b)の間には、凹部(22)の底部からセンサケーシング(21)の後端面(21b)に亘って移動通路(78)が形成され、移動通路(78)には、その途中からセンサケーシング(21)の後端面(21b)までに、拡径するテーパ部(79)が形成されている。
【0097】
上記ガイド部(71)は、発光側ケーシング部(23a)と受光側ケーシング部(23b)との互いの対向方向への移動を案内するためのものであって、本発明に係る案内部を構成するものである。ガイド部(71)は、ガイド片(71a)と、ガイド嵌合部(71b)とで構成されている。
【0098】
上記ガイド片(71a)は、略直方体に形成された突起片に形成され、移動通路(78)の凹部(22)寄りの位置に設けられている。ガイド片(71a)は、基端側が受光側ケーシング部(23b)に形成され、終端側が発光側ケーシング部(23a)に向かって延びている。上記ガイド嵌合部(71b)は、発光側ケーシング部(23a)のガイド片(71a)に対応する位置に該発光側ケーシング部(23a)の内部側に凹んで形成される。
【0099】
上記楔部材(72)は、発光側ケーシング部(23a)と受光側ケーシング部(23b)とを相対的に移動させるものであって、本発明に係る移動部材を構成している。楔部材(72)は、基端から先端に亘って先細るテーパ状に形成され、移動通路(78)に取り付けられている。
【0100】
上記楔部材(72)を凹部(22)側に移動させると、移動通路(78)の凹部(22)側が細くなっているため、楔部材(72)が両ケーシング部(23a,23b)を押し広げて上下方向に移動させて互いを離間させる。つまり、移動通路(78)内の楔部材(72)の位置によってガイド片(71a)のガイド嵌合部(71b)内における上下方向の位置づけがなされ、これにより、両ケーシング部(23a,23b)の間隔を第1レンズ間状態(図5(A))と、第2レンズ間状態(図5(B))との2つの状態に切り換え可能に構成されている。
【0101】
そして、楔部材(72)が第1レンズ間状態に位置づけられると、ガイド片(71a)は、ガイド嵌合部(71b)の奥側まで挿入された状態で固定されるため、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)の間隔が狭くなる。一方、楔部材(72)が第2レンズ間状態に位置づけられると、ガイド片(71a)は、ガイド嵌合部(71b)の途中まで挿入された状態で固定されるため、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間隔が広くなる。
【0102】
−調整動作−
本実施形態3に係る冷媒希釈度センサ(20)では、冷媒回路を循環させる冷媒と、圧縮機(10)の潤滑油として用いられる冷凍機油の組合せに応じて出射レンズ(30)と入射レンズ(31)の間隔が調整される。この冷媒希釈度センサ(20)では、図5(A)に示すように、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)の間隔を近づけた状態(第1レンズ間状態)と、図5(B)に示すように、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間隔を離した状態(第2レンズ間状態)とに切り換え可能に構成されている。
【0103】
具体的に、第2レンズ間状態では、図5(B)に示すように、楔部材(72)を移動通路(78)内のセンサケーシング(21)の凹部(22)側に移動させる。楔部材(72)が移動通路(78)を移動すると、楔部材(72)の先端が移動通路(78)のテーパ部(79)の先端側を徐々に押し広げる。こうすると、両ケーシング部(23a,23b)が、ガイド片(71a)の移動に沿って互いに離れる方向に移動する。
【0104】
第1レンズ間状態では、図5(A)に示すように、楔部材(72)を移動通路(78)内のセンサケーシング(21)の後端面(21b)側に移動させる。楔部材(72)が移動通路(78)を移動すると、楔部材(72)の先端がテーパ部(79)の先端から外れる。こうすると、両ケーシング部(23a,23b)が、ガイド片(71a)の移動に沿って違いに近づく方向に移動する。
【0105】
−実施形態3の効果−
本実施形態3によれば、調整機構(70)をガイド部(71)と楔部材(72)で構成したため、楔部材(72)を移動させて両ケーシング部(23a,23b)をガイド部(71)に沿って上下方向に移動させることができる。これにより、出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間隔を、冷媒回路に使用される冷媒及び冷凍機油種の組合せに応じた間隔に容易に調整することができる。この結果、冷媒及び冷凍機油の異なる組合せに対応することができる。その他の構成、作用及び効果は実施形態1と同様である。
【0106】
〈発明の実施形態4〉
次に、本発明の実施形態4について図面に基づいて説明する。図6に示すように、本実施形態4に係る冷媒希釈度センサ(20)では、上記実施形態1のセンサケーシング(21)に面取り部(21d)を形成したものである。
【0107】
具体的には、図7に示すように、面取り部(21d)は、センサケーシング(21)において、凹部(22)を挟んで対向するそれぞれの面(対向面(21e,21e))と、長手方向に沿って延びる側面(21c,21c)とで形成される辺に形成されている。つまり、面取り部(21d)は、発光側ケーシング部(23a)と受光側ケーシング部(23b)のそれぞれに形成されている。発光側ケーシング部(23a)の対向面(21e)には、測定光を出射させる出射レンズ(30)が設けられている。一方、受光側ケーシング部(23b)の対向面(21e)には、測定光を入射させる入射レンズ(31)が設けられている。面取り部(21d)は、センサケーシング(21)の前端面(21a)から凹部(22)の底面までの間において形成されている。
【0108】
尚、本実施形態4に係る面取り部(21d)は、前端面(21a,21a)と対向面(21e,21e)とで形成される辺に形成するようにしてもよい。
【0109】
圧縮機構(12)のクランク軸(15)が回転すると、それに伴ってオイルピックアップ(13)も回転する。これにより、油貯留部(14)に貯留された冷凍機油はオイルピックアップ(13)の回転方向に流れることになる。したがって、油貯留部(14)の冷凍機油は、センサケーシング(21)の凹部(22)に対して図7の矢印方向(左から右)に流れることになる。面取り部(21d)を形成することよって、冷凍機油が面取り部(21d)に案内されて凹部(22)内に流れ込み易くなる。
【0110】
上記本実施形態4によれば、発光側ケーシング部(23a)と受光側ケーシング部(23b)に面取り部(21d)を形成したため、冷凍機油を凹部(22)に案内することができる。これにより、測定光が通過する出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との間(つまり、凹部(22)内)において冷凍機油が淀むのを確実に防止することができる。この結果、冷凍機油に含まれる冷媒濃度の検出精度を向上させることができる。その他の構成・作用効果については実施形態1と同様である。尚、本実施形態4は、実施形態2及び3に対しても適用することができる。
【0111】
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態1〜4について、以下のような構成としてもよい。
【0112】
本実施形態1〜4では、図8に示すように、センサケーシング(21)にフランジ(21f)を形成し、スペーサ部材(81)をフランジ(21f)と圧縮機ケーシング(11)との間に挟むことで冷媒希釈度センサ(20)の測定位置を変更可能にしてもよい。このとき、センサケーシング(21)は、圧縮機ケーシング(11)のやや底部寄りの油貯留部(14)に対応する位置で圧縮機ケーシング(11)の内部に差し込まれ、且つ圧縮機ケーシング(11)の挿入方向及び非挿入方向に移動可能な状態で取り付けられている。
【0113】
具体的には、図8(A)では、スペーサ部材(81)を設けることで油貯留部(14)における圧縮機ケーシング(11)の内側面寄りに存在する冷凍機油を検出対象とすることができる(第1状態)。
【0114】
また、図8(B)では、スペーサ部材(81)を取り外すことで油貯留部(14)における圧縮機ケーシング(11)の中央部寄り(オイルピックアップ(13)の周辺)の冷凍機油を検出対象とすることができる(第2状態)。
【0115】
本形態によれば、第1状態と第2状態とで、油貯留部(14)の異なる位置に存在する冷凍機油を検出対象とすることができる。これにより、油貯留部(14)の冷凍機油に含まれる冷媒濃度の検出精度を向上させることができる。
【0116】
尚、スペーサ部材(81)の厚み・個数等については、使用される圧縮機の構造等によってそれぞれに適する構成に変更することができる。
【0117】
また、本実施形態1〜4では、冷媒希釈度センサ(20)を居室内の空気調和を行う空調装置に用いられる圧縮機(10)に対して取り付けたが、本実施形態1〜4に係る冷媒希釈度センサ(20)は、例えば海上輸送やトラック輸送等に使用される輸送用冷凍機の圧縮機に対しても適用することができる。
【0118】
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0119】
以上説明したように、本発明は、圧縮機に貯留される冷凍機油の冷媒濃度検出器について有用である。
【符号の説明】
【0120】
10 圧縮機
14 油貯留部
21 センサケーシング
21d 面取り部
21e 対向面
23a 発光側ケーシング部
23b 受光側ケーシング部
28 導入側ミラー
29 導出側ミラー
30 出射レンズ
31 入射レンズ
33 (発光側)光ファイバ
35 (受光側)光ファイバ
36 電熱ヒータ
41 記憶部
43 油不足検出部
50 調整機構
51 レンズ移動台
70 調整機構
71 ガイド部
72 楔部材
81 スペーサ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍機油を貯留する油貯留部(14)を有する圧縮機(10)の油貯留部(14)に測定光を透過させて冷凍機油に含まれる冷媒濃度を検出する冷媒濃度検出器であって、
上記測定光の発光部(33)と、該発光部(33)からの測定光を上記発光部(33)の発光方向から直角に屈折させる反射レンズ(28)と、該反射レンズ(28)で反射した測定光を上記油貯留部(14)に出射する出射レンズ(30)とを内部に収容し、上記圧縮機(10)に挿入される発光部材(23a)と、
上記出射レンズ(30)と対向して設置され上記油貯留部(14)を透過した測定光が入射する入射レンズ(31)と、該入射レンズ(31)から入射した測定光を入射レンズ(31)から上記発光部(33)の発光方向と平行方向に直角に屈折させる反射レンズ(29)と、該反射レンズ(29)で反射した測定光の受光部(35)とを内部に収容し、上記発光部材(23a)と対向して配置されて上記圧縮機(10)に挿入される受光部材(23b)とを備えている
ことを特徴とする冷媒濃度検出器。
【請求項2】
請求項1において、
上記出射レンズ(30)と、入射レンズ(31)との間隔を調整する調整機構(50,70)を備えている
ことを特徴とする冷媒濃度検出器。
【請求項3】
請求項2において、
上記調整機構(50)は、出射レンズ(30)及び入射レンズ(31)の少なくとも一方が取り付けられ且つ発光部材(23a)及び受光部材(23b)の少なくとも一方の部材(23a,23b)に出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との対向方向に移動自在に設けられた移動台(51)で構成されている
ことを特徴とする冷媒濃度検出器。
【請求項4】
請求項2において、
上記調整機構(70)は、上記発光部材(23a)と受光部材(23b)とが出射レンズ(30)と入射レンズ(31)との対向方向に移動するように上記発光部材(23a)と受光部材(23b)との移動を案内する案内部(71)と、
上記発光部材(23a)と受光部材(23b)とを相対移動させる移動部材(72)とを備えている
ことを特徴とする冷媒濃度検出器。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1つにおいて、
冷凍機油を透過させた測定光の該冷凍機油の種類に応じた基準波長での透過率と、上記冷凍機油の種類に応じた測定波長での透過率とに基づいて透過率比を算出し、該透過率比を異なる冷媒濃度の冷凍機油ごとに求めて構成される冷媒濃度と透過率比との相関線データを有する記憶部(41)と、
上記油貯留部(14)を透過させた測定光の基準波長での透過率と測定波長での透過率とに基づいて透過率比を算出し、該透過率比と上記相関線データとに基づいて圧縮機(10)の冷凍機油の油不足を検出する油不足検出部(43)とを備えている
ことを特徴とする冷媒濃度検出器。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1つにおいて、
上記発光部材(23a)及び受光部材(23b)の少なくとも一方の部材(23a,23b)には、該部材(23a,23b)を介して出射レンズ(30)又は入射レンズ(31)を加熱する曇り止めヒータ(36)を備えている
ことを特徴とする冷媒濃度検出器。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1つにおいて、
上記発光部材(23a)、及び受光部材(23b)には、上記発光部材(23a)から測定光が出射する面(21e)と、測定光が受光部材(23b)へ入射する面(21e)とからなる対向面(21e,21e)が形成され、
上記対向面(21e,21e)が形成する辺のうち少なくとも何れか一つには、面取り部(21d)が形成されている
ことを特徴とする冷媒濃度検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−27390(P2011−27390A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292199(P2009−292199)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)