説明

冷蔵ショーケース及びその組立方法

【課題】冷蔵ショーケースを短期間で組立/出荷する。近年、冷蔵ショーケースの天井部に取り付けられる照明装置に関し、従来からの蛍光灯の他、LED(発光ダイオード)を使用する場合等があり、照明装置の仕様決定後は短期間で冷蔵ショーケースを製造する必要があった。
【解決手段】冷却器が組込まれ前面部に陳列部を有する主ユニット部10と、上記陳列部を照らす照明装置が組み込まれた天井部20を備えた冷蔵ショーケースであって、上記主ユニット部の上端部に、該主ユニット部とは別に組み立てられた上記天井部を組み付けるための板状の係止部材などの係止部40が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵(冷凍を含む)ショーケース及びその組立方法に関し、特に製作期間を短縮し得るようにした冷蔵ショーケース及びその組立方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷蔵ショーケースにおける照明装置の光源として、主に直管型の蛍光ランプが用いられていたが、近年、冷蔵ショーケースの新しい光源として、低消費電力、長寿命、小型であるLED(発光ダイオード)が使用されつつある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−210669号公報(第1頁要約、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような技術においてはLED特有の諸効果が期待できるものの、冷蔵ショーケースの構造や用途によっては、従来どおり蛍光ランプを用いた方がよい場合もあり、照明装置の仕様決定に時間がかかる場合がある。その一方で、仕様決定後、短期間で冷蔵ショーケースを組立/出荷することに対する要求が大きい。照明装置は、冷蔵ショーケースの上部ユニットに最初に組み付けられるため、照明装置の仕様の決定が遅れると、組立完了、出荷までに多くの日数を要してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術の実情に鑑みてなされたものであって、照明装置の仕様決定後、冷蔵ショーケースを短期間で組み立て、出荷することができる冷蔵ショーケース及びその組立方法を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る冷蔵ショーケースは、冷却器が組込まれ前面部に陳列部を有する主ユニット部と、上記陳列部を照らす照明装置が組み込まれた天井部を備えた冷蔵ショーケースであって、上記主ユニット部の上端部に、該主ユニット部とは別に組み立てられた上記天井部を組み付けるための係止部が設けられていることを特徴としている。
【0007】
また、この発明に係る冷蔵ショーケースの組立方法は、冷却器が組込まれ前面部に陳列部を有し、上端部に天井部を固定するための係止部が設けられた主ユニット部の組み立てと、上記陳列部を照らす照明装置が組み込まれた上記天井部の組み立てとを別々に行なった後、上記主ユニット部の上記係止部に上記天井部を組み付けることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
この発明の冷蔵ショーケースにおいては、主ユニット部とは別工程で組み立てられた天井部を主ユニット部の上端部に係止し得るようにしたので、主ユニット部を先に組み立てておき、照明装置を有する天井部を後工程で組み付けることが可能となる。このため、照明装置の仕様決定後、短期間で冷蔵ショーケースを完成させることができる。
【0009】
また、この発明の冷蔵ショーケースの組立方法においては、主ユニット部と、照明装置が組み込まれた天井部とを別工程で組み立てることができるので、照明装置の仕様決定が遅れた場合においても仕様決定後短期間で冷蔵ショーケースを完成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1の冷蔵ショーケースの全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1の冷蔵ショーケースの意匠部品を取り除いたときの天井部と主ユニット部の連結部構造を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図3】図1に示す主ユニット部の構成を示す図であり、(a)は斜視部、(b)は側面図である。
【図4】図1に示す天井部の構成を示す図であり、(a)は斜視部、(b)は側面図である。
【図5】図1に示す連結部の締結構造による作用を説明する側面図であり、(a)はこの実施の形態1の例、(b)は比較用の参考例である。
【図6】図1の冷蔵ショーケースの組立工程を従来と比較して示すフロー図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る冷蔵ショーケースの組立方法における主ユニット部の保持状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図8】上記実施の形態1の組立方法に用いる天井部組立机を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図9】図8に示された天井部組立机の使用状態を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図10】図9(b)に示された天井部組立机の天井部保持部材を時計方向に90°回動させた連結前の天井部保持状態を説明する側面図である。
【図11】上記実施の形態1の組立方法における天井部と主ユニット部を当接させた状態を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図12】上記実施の形態1の組立方法における天井部と主ユニット部を連結させた状態を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図13】本発明の実施の形態2に係る冷蔵ショーケースの組立方法に用いる天井部組立机を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図14】図13に示された天井部組立机に天井部を保持した状態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図15】図14の天井部をセミ多段タイプに変えた変形例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図16】図14の天井部を長尺タイプに変えた変形例を示す図である。(a)は斜視図であり、上図は表側を示し、下図は裏側を示す。(b)は天井部組立机の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る冷蔵ショーケースについて、先ず図1〜図5を参照して構造部分を説明し、次にその組立方法について、図6〜図12を参照して説明する。先ず、実施の形態1の冷蔵ショーケース1は、図1、図2に示すように、熱交換器11、電源部(電源ボックス)12、ファン13などを備え、前面部に商品の陳列部14を有する主ユニット部10と、陳列部14を照らす照明装置21が組み込まれた天井部20と、主ユニット部10に設備される棚31、スノコ32、手摺33、前面意匠部34等の意匠部品30などからなる。この内、意匠部品30は、塗装色等、客先によって異なるものであり、出荷直前に組み付けられる。
【0012】
なお、図2は、上記棚31、スノコ32、手摺33、前面意匠部34等の意匠部品30を除いた状態の冷蔵ショーケースを示しており、(a)の斜視図、(b)の側面図共に、それぞれ枠で囲った部分についてその拡大図を示している。主ユニット部10と天井部20とは別工程で組み立てられ、天井部20は主ユニット部10の上端部に設けられた係止部40に固定することで連結される。
【0013】
係止部40は、この例では図3に示すように、一端部が主ユニット部10を構成するフレーム部材15の上端部に溶接またはボルトなどの固定手段(図示省略)によって強固に固定され、他端部側が手前側に突出された左右一対の板状の支持部材41からなる。支持部材41には図3(b)に示すように円で囲んで示す固定用の複数(この例では10箇所)の皿穴41aと、前後方向(図3(b)の左右方向)に離間された所定の2箇所に設けられた小突起などからなる位置ガイド部41bが設けられている。
【0014】
一方、天井部20は図4に示すように、照明装置21を構成する蛍光ランプやLED、あるいはそれらを併用したものなど客先の要望等によって決められた光源が下面前端部と中央部近傍に設けられ、左右側面部には天井部側面部材23、下面から奥壁上端部に跨って形成された天井カバー24などを備えている。左右に設けられた天井部側面部材23の外側面間の寸法は、上記係止部40を構成する左右の支持部材41相互の内側の間に挿入し得る長さに形成されている。そして、天井部側面部材23には、前後方向(図4(b)の左右方向)に離間して2箇所に設けられた上記位置ガイド部41bに対応するスリット状の位置合わせ部25と、上記皿穴41aの位置に対応された、円で囲んで示す固定用の複数(10箇所)のねじ穴26が設けられている。なお、照明装置21を構成する点灯回路や冷気の通風路などは図示を省略している。
【0015】
天井部20と主ユニット部10を連結する際は、例えば、天井部側面部材23に設けられた位置合わせ部25と支持部材41に設けられた位置ガイド部41bを合わせるようにして、主ユニット部10に対する天井部20の位置決めを行った後、図示していない皿ねじによって固定する。なお、位置決め方法としては、このようにスリット状の位置合わせ部25と小突起などの位置ガイド部41bによる係合手法に限定されるものではなく、例えば目盛や位置合わせの目標線を設け、あるいはボスと穴の組合せによる2箇所以上の嵌合部を設け所定位置で互いに嵌合させて位置決めするようにしてもよい。
【0016】
なお、上記実施の形態1のねじ固定箇所には、図5(a)に示すように、天井部20の荷重をP、天井部20の重心位置をA、ねじ締結部の重心位置をB、AとBの距離をe、としたときに、天井部20の荷重Pに伴うモーメント荷重(偏芯荷重)P×eが加わる。図5(b)は、支持部材41を用いず、天井部側面部材23の左端部を直接ユニット部10を構成するフレーム部材15の上端部に固定した比較用の参考例である。この場合、ねじ締結部の重心位置Cと天井部20の重心位置Aとの距離e1が大きくなり、モーメント荷重(偏芯荷重)P×e1が大きくなるので、天井部側面部材23の強度を増したり、締結部に径の大きい強固なねじが多数必要となる。
【0017】
次に、上記実施の形態1の冷蔵ショーケース1の組立方法について図6〜図12を参照して説明する。この発明の冷蔵ショーケース1は上記のように、主ユニット部10を天井部20と分離したことで、組立工程の概要としては図6(a)に示すように主ユニット部10と天井部20を別工程で組み立てた後、両者をドッキングさせる。従来は、図6(b)の参考例のように天井部の照明装置を蛍光灯にするか、LEDにするか等の仕様が決まってからしか組み立てに着手できなかったので、完成/出荷までに長時間を要したのに対し、完成/出荷までの期間を短縮することができるという特長を有する。
【0018】
(1)主ユニット部組立/設置
まず、主ユニット部10を組み立てる。主ユニット部10は、天井部10の組み立てに合わせて組み立てておいても、予め組み立てて倉庫に保管し、天井部20との連結の際に取り出すようにしてもよい。天井部20との連結の際には、例えば図7に示すように、主ユニット部10を主ユニット部保持机51(例えばコンベア)上に背面を下にし、寝かせた状態で設置しておく。ここで、主ユニット部保持机51には、載置した主ユニット部10を上下動させる昇降機構51aが取り付けられている。
【0019】
(2)天井部組立
次に、照明装置等を有する天井部20を組み立てる。天井部20は、図8に示す天井部組立机52を用い、水平にした天井部保持部材52a上で組み立てられる。なお、天井部組立机52は、図示省略している回転機構により天井部20を保持したまま天井部保持部材52aを軸Oのまわりに矢印Dのように90°回動させ、天井部保持部材52aを鉛直状態と水平状態の間で変化させることができる。天井部20を組み立てるときは図9のように天井部保持部材52aを水平状態にして作業を行う。なお、天井部保持部材52aには例えばマグネット、吸着パッド等、図示しない天井部保持手段を備えており、任意に天井部20を保持/着脱できるようになっている。また、天井部組立机52には、車輪52bが備え付けられており、天井部20を保持したまま、移動できるようになっている。
【0020】
(3)主ユニット部と天井部の当接
次に、天井部20を図9の状態から図10のように時計方向に90°反転させた状態で、天井部20を保持したまま天井部保持机52ごと、図11のように主ユニット部保持机51上の主ユニット部10に近づける。天井部20を主ユニット部10に近づける際、天井部20の天井カバー24が横に張り出しており、主ユニット部10側の支持部材41と、天井部20の天井カバー24とが干渉するため、一対の支持部材41をそれぞれ外側に広げて、天井部20を一対の支持部材41の間に入れるように主ユニット部10に向けて挿入、当接させる。なお、天井カバー24は、スーパー等の店舗で複数の冷蔵ショーケース同士を連結する際、天井カバー24同士がつきあたるよう設置するため、そもそも天井部側面部材23より少し外側にはみ出すよう、大きめにしてある。
【0021】
なお、主ユニット部10と天井部20を当接させる際、図11(b)の枠内の拡大図に示すように、天井部20はその天井部パネル27が主ユニット部パネル16の少し上に来るようにする。これは、支持部材41を広げる際、その付け根部分は広がりきらず、天井部20の天井カバー24と支持部材41が干渉するため、天井部20を少し上にしておくことで、天井部20を主ユニット部10に容易に当接させるものである。主ユニット部10と天井部20を当接させた状態で、天井部側面部材23の位置合わせ部25に、支持部材41の位置ガイド部41bを挿入、位置決めする。ここで、連結の際に主ユニット部10に設けられた電源部12から照明装置へ接続する配線を天井部10に引き出すようにする。
【0022】
(4)主ユニット部と天井部の連結
次に、図11の状態から図12に示すように、主ユニット部保持机51の昇降機構51aによって主ユニット部10を矢印Eのように少し上昇させ、天井部パネル27と主ユニット部パネル16の位置を合わせるようにする。位置合わせの後、支持部材41の皿穴41aから図示していない皿ねじを天井部側面部材23のねじ穴26に螺入し、適宜のねじ締め工具で締結して主ユニット部10と天井部20を連結する。次に、先に引き出した配線部を照明装置のコネクタ部に結合する(何れも図示省略)。以上で天井部20と主ユニット部10の連結完了となる。
【0023】
(5)意匠部品取り付け
上記操作によって天井部20を主ユニット部10に固定した後、主ユニット部10を引き起こし、棚31、スノコ32、手摺33、前面意匠部34等の意匠部品30を取り付け、冷蔵ショーケースの組み立てが完了する。
【0024】
なお、連結に際し、皿ねじにより固定するとしたが、リベットや溶接等により固定するようにしてもよい。要は、冷蔵ショーケースは、スーパー等の店舗にて横に並べて数台連結するため、隣り合う冷蔵ショーケースにおける側面部の出っ張りは許されず、側面部からのねじ頭等のはみだしがない構造となれば、どのような手段で連結固定してもよい。また、天井部20と主ユニット部10の連結の際、図示していない冷却風のダクトの接続が同時に連動して行われるようにしても良いし、別作業で行うようにしても良い。
【0025】
上記のように構成された実施の形態1の冷蔵ショーケースにおいては、天井部20と主ユニット部10を分離したことで、従来は、天井部の照明装置を蛍光灯にするか、LEDにするか等の仕様が決まってからしか組み立てに着手できなかったが、図6(a)に示すように、天井部20の製作を後工程とし、まず、主ユニット部10を組み立ててから天井部20と連結することにより、照明装置の仕様決定〜組立完成、出荷までの期間を短縮することができる。このため、生産ラインの効率も改善される。
【0026】
また、係止部40として、主ユニット部10のフレーム部材15に固着させた一対の板状の支持部材41を突出させ、天井部側面部材23を支持部材41と複数箇所でねじ締結して連結するようにしたことにより、天井部20の自重に伴うモーメント荷重がキャンセルされ、モーメント荷重が大きく加わることなく安定して主ユニット部10と天井部20を連結できる。
【0027】
また、この実施の形態1の冷蔵ショーケースの組立方法においては、主ユニット部10と、照明装置が組み込まれた天井部20とを別工程で組み立て、その後、両者を合体させるようにしたので、照明装置の仕様決定が遅れた場合においても短期間で冷蔵ショーケース1を組み立て、完成させることができる。
【0028】
また、天井部20と主ユニット部10とを横倒した状態で接続させているため、立てた状態とは異なり、容易に電源部12からの配線を天井部20に引き出すことができる。これにより配線部を分割することなく、1線とできるため、連結用のコネクタが不要であり、配線部のコストも低減できる。
【0029】
さらに、天井部組立机52に90°反転機能を設けていることにより、天井部20の組み立てと主ユニット部10と天井部20の連結を一連の作業の中で行うことができ、連結の際に、天井部20の置き換えをしなくてもよいので、工数を削減できる。また、連結に際し、主ユニット部保持机51に昇降機構51aを設けておくことで、天井部20と主ユニット部10を容易に位置合わせし連結することができる。
【0030】
実施の形態2.
次に、図13〜図15を参照して本発明の実施の形態2に係る冷蔵ショーケースの組立方法を説明する。なお、実施の形態2における冷蔵ショーケース1の構造は実施の形態1と同様であり、組立方法及び組立装置である天井部組立机52A及び主ユニット部保持机(図示せず)のみ異なる。以下、本実施の形態2の冷蔵ショーケース1の組立方法について説明する。
【0031】
(1)主ユニット部組立/設置
まず、主ユニット部10を組み立てる。主ユニット部10は、天井部20の組み立てに合わせて組み立てておいても、予め組み立てて倉庫に入れておき、天井部20との連結の際に取り出すようにしてもよい。天井部20との連結の際には、図示していない例えば実施の形態1と同様のコンベアで、昇降機構51aを省いた主ユニット部保持机の上に、実施の形態1と同様に背面を下にし、寝かせた状態で設置しておく。
【0032】
(2)天井部組立
次に、照明装置等を有する天井部20を組み立てる。この場合、天井部20は図13に示す天井部組立机52Aを用いる。天井部組立机52Aは、実施の形態1と同様の90°反転機構、及び車輪52bを備えていることに加えて、図13(b)に示すように、軸Oのまわりに回動される回動体52c上に、ガイド部52dを介して、天井部保持部材52fを備え、天井部保持部材52fは、シリンダ部52cによって矢印F方向に上下移動される。組み立ての際は、天井部保持部材52fを水平状態にする。また、マグネット、吸着パッド等、図示しない天井部保持機能も備えており、図14に示すように天井部20を矢印F方向の任意の位置で保持/着脱できるようになっている。
【0033】
(3)主ユニット部と天井部の当接
次に、組み立てが終わった天井部20を天井部組立机52Aに保持した状態で90°回動させて図14の姿勢とし、コンベア上の図示していない主ユニット部10に近づける。近づける際、実施の形態1同様に、支持部材41を少し外側に広げて、天井カバー24に当たらないように、天井部20と主ユニット部10を当接させる。この際、実施の形態1と同様、天井部20はその天井部パネル27が主ユニット部パネル16の少し上に来るようにし、当接させる(図11参照)。当接させた状態で、天井部側面部材23の位置合わせ部25に、係止部40を構成する支持部材41の位置ガイド部41bを挿入、位置決めする。ここで、連結の際に主ユニット部に設けられた電源部12からの配線を天井部に引き出すようにする。
【0034】
(4)主ユニット部と天井部の連結
次に、図14に示すように、天井部組立机52Aのシリンダ部52eを駆動させ、天井部20を矢印Fの方向に下降させ、天井部パネル27と主ユニット部パネル16の位置を合わせるようにする。なお、主ユニット部10と天井部20の位置関係は、移動対象が天井部20である他は図12と同様であるので、主ユニット部10は図示していない。位置合わせの後、実施の形態1と同様に支持部材41の皿穴41aと天井部側面部材23のねじ部26を図示していない皿ねじで結合する。次に、先に引き出した配線部を照明装置のコネクタ部に結合する。以上で天井部と主ユニット部の連結完了となる。
【0035】
(5)意匠部品取り付け
しかる後、棚31、スノコ32、手摺33、前面意匠部34等の意匠部品30を取り付けることで、冷蔵ショーケースの組み立てが完了、出荷される。
【0036】
上記のように構成された実施の形態2によれば、主ユニット部10と、照明装置が組み込まれた天井部20とを別工程で組み立てることができるので、照明装置の仕様決定が遅れた場合においても主ユニット部のみ先に製作しておき、天井部は照明装置の仕様を決定してから後工程にて組み立て可能であり、仕様決定〜組み立て完成/出荷までの期間を短縮することができるなど、実施の形態1と同様の効果が得られる。また、主ユニット部10と天井部20の合体の際に必要な昇降機構を、主ユニット部10よりも軽量な天井部20側を保持する天井部組立机52Aに設けたので、簡素なものとすることができる。
【0037】
ここで、上記の実施の形態では、冷蔵ショーケースとしては、いわゆる多段型とよばれる照明ユニットが張り出した大型タイプのもので説明したが、図15の変形例に示すようなセミ多段型の天井部20Aもしくは他のタイプのものでも、本方法により容易に天井部と主ユニット部を設け、これらを連結させることで組み立てが可能である。
【0038】
また、上記実施の形態では、天井部組立机として、1台で支える場合について説明したが、2台以上にて支えるようにしても良い。即ち、冷蔵ショーケースの横幅には、多くのバリエーションがあるため、図16(a)に示すように、横幅が大きい天井部20Bの場合は、それに合わせて天井部組立机20(20A)を複数台用い、あるいは例えば天井部保持手段(マグネット)52h、天井部保持手段(爪)52i、天井部保持部上下動機構52gなどが具備された同一形状の2台の天井部組立机52Bを両端に設置して支えるようにしてもよい。また、奥行きのバリエーションには、天井部保持部上下動機構52gを用いて、天井部組立机の天井部保持部材52aの長さ、すなわち、天井部保持手段(爪)52iの位置を調整することで対応するようにしてもよい。
【0039】
なお、上記実施の形態では、係止部40が一対の板状の係止部材41からなる場合について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。要するに、天井部20を後付けできるものであれば良い。また、「冷蔵」の意味する範囲に「冷凍」が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0040】
1 冷蔵ショーケース、 10 主ユニット部、 11 熱交換器、 12 電源部、 13 ファン、 14 陳列部、 15 フレーム部材、 16 主ユニット部パネル、 20、20A、20B 天井部、 21 照明装置、 23 天井部側面部材、 24 天井カバー、 25 位置合わせ部、 26 ねじ穴、 27 天井部パネル、 30 意匠部品、 40 係止部、 41 支持部材、 41a 皿穴、 41b 位置ガイド部、 51 主ユニット部保持机、 51a 昇降機構、 52、52A、52B 天井部組立机、 52a 天井部保持部材、 52b 車輪、 52c 回動体、 52d ガイド部、 52e シリンダ部、 52f 天井部保持部材、 52g 天井部保持部上下動機構、 52h 天井部保持手段(マグネット)、 52i 天井部保持手段(爪)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却器が組込まれ前面部に陳列部を有する主ユニット部と、上記陳列部を照らす照明装置が組み込まれた天井部を備えた冷蔵ショーケースであって、上記主ユニット部の上端部に、該主ユニット部とは別に組み立てられた上記天井部を組み付けるための係止部が設けられていることを特徴とする冷蔵ショーケース。
【請求項2】
上記係止部は、一端部が上記主ユニット部を構成するフレーム部材の上端部に固定され、他端部側が手前側に突出された左右一対の板状の支持部材を用いたものであることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵ショーケース。
【請求項3】
上記天井部の左右の端面を構成する天井部側面部材に締結用の複数のねじ穴が設けられ、上記支持部材における上記ねじ穴に対応する位置にそれぞれ皿穴が設けられてなることを特徴とする請求項2に記載の冷蔵ショーケース。
【請求項4】
冷却器が組込まれ前面部に陳列部を有し、上端部に天井部を固定するための係止部が設けられた主ユニット部の組み立てと、上記陳列部を照らす照明装置が組み込まれた上記天井部の組み立てとを別々に行なった後、上記主ユニット部の上記係止部に上記天井部を組み付けることを特徴とする冷蔵ショーケースの組立方法。
【請求項5】
上記天井部を組み立てる際に、天井部保持部材を略水平から鉛直に回動し得る回動機能と移動用の車輪を備えた組立机を用いることを特徴とする請求項4に記載の冷蔵ショーケースの組立方法。
【請求項6】
上記主ユニット部に上記天井部を組み付ける際に、上記主ユニット部を背面部が底部になるように横倒しにした状態とする一方、上記組立机上で組み立てられた上記天井部を横倒し方向に回動させ、上記主ユニット部の係止部に連結させることを特徴とする請求項5に記載の冷蔵ショーケースの組立方法。
【請求項7】
上記天井部と上記主ユニット部を連結させる際に、上記天井部を上記主ユニット部の係止部に対向させ、上記主ユニット部及び上記天井部の何れか一方を昇降させることにより、相互の位置合わせをすることを特徴とする請求項6に記載の冷蔵ショーケースの組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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