冷陰極放電ランプ、バックライトユニット、および液晶表示装置
【課題】導入線において、ガラス容器封着部と電極との間で継線をすることなく、水銀消耗を可能な限り低減することのできる冷陰極放電ランプを提供すること。
【解決手段】
ソーダガラスからなり、両端が封着された管状のガラス容器26と、ガラス容器26の端部を貫通する導入線22と、導入線22のガラス容器26内側端部に接合された電極20と、ガラス容器26に封入された水銀と、を有する冷陰極放電ランプであって、導入線22は、Ni−Fe合金からなる芯金42に同心円形に銅が被覆されてなるジュメット線部40と銅が被覆されていない非ジュメット線部38とを、芯金42の軸心方向に設けた構成であり、ガラス容器26にジュメット線部40が封着されており、非ジュメット線部38はジュメット線部40からガラス容器26内側へ延出されていて、電極20が非ジュメット線部38に接合されている。
【解決手段】
ソーダガラスからなり、両端が封着された管状のガラス容器26と、ガラス容器26の端部を貫通する導入線22と、導入線22のガラス容器26内側端部に接合された電極20と、ガラス容器26に封入された水銀と、を有する冷陰極放電ランプであって、導入線22は、Ni−Fe合金からなる芯金42に同心円形に銅が被覆されてなるジュメット線部40と銅が被覆されていない非ジュメット線部38とを、芯金42の軸心方向に設けた構成であり、ガラス容器26にジュメット線部40が封着されており、非ジュメット線部38はジュメット線部40からガラス容器26内側へ延出されていて、電極20が非ジュメット線部38に接合されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷陰極放電ランプ等に関し、特に、ガラス容器の材料としてソーダガラスが用いられる冷陰極放電ランプ等に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光ランプの中でも、気密封止された管状ガラス容器の内面に蛍光体層が形成され、両端部に内部電極として冷陰極が設けられてなる冷陰極蛍光ランプは、細径化に適している。このため、薄型化(小型化)が要求されるバックライトユニットの光源として好適に用いられている。ガラス容器を形成するガラス材料として、従来、強度の点で優れているホウ珪酸ガラス(硬質ガラス)が使用されているが、近年、コスト面からソーダガラス(軟質ガラス)を使用したいといった要請がある。
【0003】
この場合に、ガラス容器端部の封着に用いる導入線の素材が問題となる。従来のホウ珪酸ガラスからなるガラス容器の場合、ホウ珪酸ガラスの熱膨張係数に適合する導入線として、タングステン線やコバール線の単線が用いられている。一方、ソーダガラスでガラス容器を形成する場合、封着用として一般的に用いられているジュメット線(Ni−Fe合金からなる芯金に同心円形に銅が被覆されてなる銅層が形成された複合線)を導入線として用いることが考えられる(特許文献1)。
【0004】
ところが、ジュメット線を用いた場合、ガラス容器内に存する銅層部分の銅がガラス容器に封入された水銀と反応して合金を形成して、徒に水銀が消耗してしまい、その結果ランプ寿命が短くなってしまう。前記銅層にNiめっき(Niは、水銀と反応しにくい)の施されたジュメット線もあるが、製造段階において電極の接合(溶接)の際等に、当該めっき層が損傷したり、点灯中におけるスパッタリングを受けて、めっき層が損傷したりして、銅層が露出してしまうことがあり、この場合には、上記と同様、水銀消耗の問題が生じる。
【0005】
これに対処するため、水銀と反応しにくい金属線をジュメット線に溶接等によって継線してなる導入線を用いることが考えられる(特許文献2)。すなわち、ジュメット線部分がガラス容器に封着されることとし、ガラス容器内部には専ら前記金属線が存するようにするのである。
【特許文献1】特開平8−111210号公報
【特許文献2】特開平6−203800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般的にガラス容器内部に存する導入線部分の長さは1mm程度と非常に短い。したがって、ジュメット線とそのように短い金属線とをその軸心同士を一致させて接合(溶接)するのは、非常に困難であり、導入線の歩留まりが低下してしまう。
そこで、本発明は、上記したような継線をすることなく、水銀消耗を可能な限り低減することのできる冷陰極放電ランプを提供することを目的とする。また、本発明は、そのような冷陰極放電ランプを有するバックライトユニット、および当該バックライトユニットを備えた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明に係る冷陰極放電ランプは、ソーダガラスからなり、両端が封着された管状のガラス容器と、前記ガラス容器の端部を貫通する導入線と、前記導入線の前記ガラス容器内側端部に接合された電極と、前記ガラス容器に封入された水銀と、を有する冷陰極放電ランプであって、前記導入線は、Ni−Fe合金からなる芯金に同心円形に銅が被覆されてなるジュメット線部と銅が被覆されていない非ジュメット線部とを、前記芯金の軸心方向に設けた構成であり、前記ガラス容器に前記ジュメット線部が封着されており、前記非ジュメット線部は当該ジュメット線部からガラス容器内側へ延出されていて、前記電極が当該非ジュメット線部に接合されていることを特徴とする。
【0008】
また、前記非ジュメット線部は、その外表面の少なくとも一部にNiめっき被膜を有しており、前記電極が、前記Niめっき被膜の形成部位において前記非ジュメット線部とろう付けにより接合されていることを特徴とする。
また、前記ジュメット線部は最外層としてNi被覆層を有することを特徴とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るバックライトユニットは、光源として、上記の冷陰極放電ランプを有することを特徴とする。
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明に係る液晶表示装置は、液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの背面に配された請求項4に記載のバックライトユニットと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記構成からなる冷陰極放電ランプによれば、導入線に関し、銅の被覆されていない非ジュメット線部が、ガラス容器に封着されるジュメット線部からガラス容器内側へ延出されていて、当該非ジュメット線に電極が接合されているので、ガラス容器に封入された水銀が、銅と反応して合金を形成することを抑制でき、水銀の消耗が可能な限り低減されることとなる。また、一の芯金でガラス容器に封着されているジュメット線部と、電極が接合される非ジュメット線部とが構成されているので、ガラス容器の封着部から電極に至る間での継線が不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[バックライトユニットの構成]
図1は、実施の形態に係るバックライトユニット2の概略構成を示す斜視図である。なお、図1は、バックライトユニット2を、その内部の構造がわかるように、後述する前面パネル8の一部を切り欠いた状態で表している。また、図1を含む全ての図において、各構成要素間の縮尺は統一していない。
【0012】
バックライトユニット2は、直下方式のものであり、扁平な直方体形をした外囲器4を備える。外囲器4は、筐体6と前面パネル8とを有する。
バックライトユニット2は、液晶パネル(不図示)の背面に設けられるものである。筐体6は前記液晶パネル側に開口部を有し、当該開口部を塞ぐように前面パネル8が設けられていて、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように、外囲器4は密閉されている。
【0013】
筐体6は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面には銀またはアルミニウムなどの金属が蒸着されて反射面10が形成されている。なお、筐体6は、樹脂以外の材料、例えば、アルミニウム等の金属材料により形成しても良い。
筐体6には、複数本(本例では、14本)の冷陰極蛍光ランプ12(以下、単に「ランプ12」という場合がある。)が収納されている。ランプ12は直管状をしており、各々がその管軸を筐体6の長手方向(横方向)に向けた姿勢で(管軸が筐体6の長縁と略平行となる姿勢で)配されている。また、14本のランプ12は、筐体6の短手方向(縦方向)に所定間隔を空け、交互に配置されている。なお、「交互に」の意味内容については後述する。
【0014】
前面パネル8は、拡散板14、拡散シート16およびレンズシート18を積層してなり、透光性を有する。
拡散板14及び拡散シート16は、ランプ12から発せられた光を散乱・拡散させるものであり、レンズシート18は、当該シート18の法線方向へ光をそろえるものである。この構成により、ランプ12から発せられた光が前面パネル8の表面(発光面)の全体に亘り均一に前方に照射される。なお、拡散板14を形成する材料としては、PC(ポリカーボネート)樹脂を用いることができる。
[冷陰極蛍光ランプの構成]
次に、冷陰極放電ランプの一例として示す冷陰極蛍光ランプ12について、図2を参照しながら説明する。図2(a)は、冷陰極蛍光ランプ12の概略構成を示す縦断面図である。図2(b)は、後述するガラス容器20において、後述する蛍光体膜32が形成された領域を示す模式図である。図2(c)は、後述する電極34の縦断面図である。
【0015】
ランプ12は、円形の横断面を有する管状をしたガラス容器20を有する。ガラス容器20の両端部は導入線22,24に封着されていて、導入線22,24の各々はガラス容器20の端部を貫通している。すなわち、ガラス容器22,24は導入線22,24で気密封止されている。導入線22,24の詳細については後述する。
ガラス容器20は、ガラス管26と二点鎖線で示すビードガラス28,30とからなる。なお、ガラス管26の両端部は、後述する封着工程において溶融して変形し、当該端部部分でビードガラス28,30と一体化している。ガラス容器20の寸法の一例を挙げれば、外径は3.0[mm]、内径は2.0[mm]、全長は720[mm]である。
【0016】
ガラス容器20は、鉛ガラス、鉛フリーガラス、ソーダライムガラスその他のソーダガラスからなる。ソーダガラスは、酸化ナトリウム(Na2O)を3[mol%]以上20[mol%]以下の範囲で含有するガラス材料である。本例では、鉛フリーガラス(Na2O含有率5〜12[mol%])を用いている。その熱膨張係数は94×10−7[K−1]であり、また軟化点は680℃である。鉛フリーガラスを用いるのは、自然環境保護を考慮しているからである。ただ、鉛フリーガラスといえども、製造過程で不純物として鉛を含んでしまう場合がある。そこで、0.1[Wt%]以下といった不純物レベルで鉛を含有するガラスも鉛フリーガラスと定義することとする。
【0017】
また、ホウ珪酸ガラスではなく、ソーダガラスを用いることで、暗黒始動性が改善できる。すなわち、ソーダガラスは、上記のように酸化ナトリウム(Na2O)に代表されるアルカリ金属酸化物を多く含み、例えば、酸化ナトリウムの場合はナトリウム(Na)成分が時間の経過とともにガラスバルブ内面に溶出する。ナトリウムは電気陰性度が低いため、ガラスバルブ内側端部に溶出したナトリウムが、暗黒始動性の向上に寄与するものと思われるからである。
【0018】
ガラス容器20内には、ガラス容器20の容積[cc]に応じて、水銀が、例えば、0.6[mg/cc]の割で封入され、また、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)等といった複数種の希ガスからなる混合ガス(不図示)が、例えば、60[Torr]の封入圧で封入されている。混合ガスとしては、例えば、アルゴンが5%でネオンが95%(分圧比)のものが用いられる。
【0019】
また、ガラス容器20の内面には蛍光体層32が形成されている。蛍光体層32は、水銀から放射された紫外線を、青色光・緑色光・赤色光にそれぞれ変換する青色蛍光体・緑色蛍光体・赤色蛍光体を含んでいる。蛍光体層32は、例えば、青色蛍光体がユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+] (略号:BAM−B)、緑色蛍光体がセリウム・テルビウム共付活リン酸ランタン[LaPO4:Ce3+,Tb3+] (略号:LAP)及び赤色蛍光体がユーロピウム付活酸化イットリウム[Y2O3:Eu3+](略号:YOX)からなる希土類蛍光体で形成されている。なお、蛍光体層32の厚みは、ガラス容器20の長手方向(管軸方向)において均一ではなく、例えば、後述する第1封止部側から後述する第2封止部側に向かって漸増しており、後述するように、この厚みの不均一がランプ12点灯中の発光特性に影響することとなる。
【0020】
ガラス容器20の端部に支持された(端部を貫通する)導入線22,24のガラス容器20内側端部には、それぞれ、電極34,36がレーザ溶接によって直接接合されている。なお、レーザ溶接に限らず、抵抗溶接やろう付等によって接合しても構わない。電極34、36は、有底筒状をしたいわゆるホロー型電極であり、ニッケル(Ni)で形成されている。また、ニッケルに限らず、ニオブ(Nb)で形成しても構わない。電極34、36として、ホロー型の電極を採用したのは、ランプ点灯中の放電によって生じる電極におけるスパッタリングの抑制に有効であるからである(詳細は、特開2002−289138号公報等を参照。)。ランプ12の点灯中は、有底筒状をした電極34の筒内面と同じく有底筒状をした電極36の筒内面との間で放電が生じることとなる。
【0021】
電極34,36は同じ形状をしており、図1(c)に一例として示す各部の寸法は、電極長L1=5mm、外径p1=1.70mm、肉厚t=0.10mm、(内径p2=1.50mm)である。
次に、導入線22,24の詳細について図3を参照しながら説明する。
図3(a)は、ランプ12の両端部の内、導入線22にガラス容器20が封着された側の端部を示す拡大断面図である(ガラス容器20、蛍光体層32のみを切断)。なお、導入線22,24は同じ構成であり、両端部の封止構造も略同様なので、図3(a)に示す端部部分を代表にして、以下説明する。
【0022】
導入線22は、軟質ガラスの封着部材(封止部材)として用いられているジュメット線を加工したものである。周知の通り、ジュメット線は、Ni−Fe合金(41〜43[Wt%]Ni−Feまたは46〜48[Wt%]Ni−Fe)からなる芯金に同心円形に銅(Cu)が被覆されてなる構成を基本構成とする複合線であり、径方向における熱膨張係数が軟質ガラスの熱膨張係数に適合するよう調整されたものである。ジュメット線に占める銅の割合は17〜28[Wt%]である。
【0023】
導入線22は、少なくとも導入線22の全長分を有するジュメット線の被覆銅層を、一端から、その軸心方向、所定長さ分除去してなるものである。なお、銅層は、例えば、研削加工によって除去することができる。あるいは、アンモニア系等の剥離剤を用いた化学研磨によって除去することとしても構わない。
図3(a)において、導入線22の軸心方向、符号38で示す区間が被覆銅層の除去された非ジュメット線部であり、符号40で示す区間が、被覆銅層が除去されずにそのまま残っているジュメット線部である。
【0024】
すなわち、導入線22のジュメット線部40にガラス容器20を封着する(導入線22のジュメット線部40でガラス容器20を封止する)と共に、導入線22のガラス容器20内に在る部分では、可能な限り銅層を除去することとしたのである。これにより、ソーダガラスからなるガラス容器20の封止性が確保できると共に、銅と水銀とが反応して合金が形成されることによる、水銀の不必要な消耗を可能な限り低減することができることとなる。また、ガラス容器20の封着部から電極に至るごく短い間で継線(水銀と反応しにくい金属線)をする必要もないので、製造上における導入線の歩留まりが問題となることもほとんどない。
【0025】
図3(a)に、ジュメット線部40の拡大横断面を、図3(c)に非ジュメット線部38の拡大横断面をそれぞれ示す。
ジュメット線部40と非ジュメット線部40とは共通の(一本の)Ni−Fe合金からなる芯金42を有する。なお、非ジュメット線部40の芯金42の径は、上記加工精度(研削精度)の関係上、ジュメット線部40の芯金42の径よりも小さくなっている場合がある。研削加工によって、芯金42表層部を全く除去することなく銅層のみを除去することは非常に困難だからである。
【0026】
ジュメット線部40は、導入線22の素材であるジュメット線そのままであり、芯金42に銅(Cu)が被覆されてなる銅層40Aを有する。上記したように、ジュメット線は、この構成が基本となるが、本例では、銅層40Aの表面に形成された亜酸化銅層(Cu2O)40Bを有する、いわゆるオキシダイズ仕上げのジュメット線が用いられている。
非ジュメット線部38は、基本的には、Ni−Fe合金からなる芯金42のみであるが、ビードガラス28を導入線22に溶着する際や、導入線22(非ジュメット線部38)に電極34を接合する際の加熱によって必然的に形成される酸化膜で覆われていても構わない。
【0027】
なお、ジュメット線部40(ジュメット線)は、上記のものに限らず、例えば、下記の種類のものを用いることもできる。
(i)上記構成の亜酸化銅層(Cu2O)の表面に、さらにホウ砂(Na2B4O7)の薄膜を焼き付けた、いわゆるボレート仕上げのもの。
(ii)銅層の表面にNi(ニッケル)めっきを施したもの(Niめっき・ジュメット線)。Niめっき・ジュメット線を用いると、電源ユニットからの給電線の導入線への半田付けがしやすくなるといった利点がある。
【0028】
(iii)Ni−Fe合金からなる芯金に銅層が被覆されてなる基本構成のみの、いわゆるノンボレーション・ジュメット線。
なお、言うまでも無く、上記(i)〜(iii)いずれのジュメット線を用いる場合であっても、最外層から銅層((iii)の例では、銅層のみであるが)部分を除去して非ジュメット線部を形成する。
【0029】
また、ここまで示した例では、ジュメット線から銅層を除去して非ジュメット線部を形成し、導入線を作製しているが、これに限らず、Ni−Fe合金の金属線(芯金)の外周面における、軸心方向、必要な領域に銅(層)を例えばメッキしてジュメット線部を形成し、銅層を形成しない領域を非ジュメット線部として導入線を作製することとしても構わない。
【0030】
ここで、銅層をガラス容器20内にできるだけ存在させず、かつ、ガラス容器20の封着部が非ジュメット線部38に掛からないようにするためには、理想的には、ガラス容器20の内壁面と導入線22との境界が、ちょうどジュメット線部40と非ジュメット線部38との境界に位置することが好ましい。ガラス容器20の内壁面と導入線22との境界位置は、ビードガラス28の導入線22に対する軸心方向の取り付け位置(溶着位置)によって決まる。
【0031】
しかし、当該取り付け位置は、製造上の理由から若干ばらつき、必ずしも上記した理想的な状態にはならない。そこで、ガラス容器20内壁と導入線22との境界が、図3(d)に示す位置から図3(e)に示す位置にある範囲も許容するものとする。なお、図3(d)、図3(e)は、図3(a)におけるA部相当箇所の拡大図である。
ビードガラス28の上記取り付け位置は、約0.8[mm]の幅でばらつくことが経験的にわかっている。図3(d)は、ガラス容器20の内壁面と導入線22との境界位置44が、ジュメット線部40と非ジュメット線部38との境界46よりもジュメット線部40側にずれた状態を示している。当該ずれの大きさQ1は、0.3[mm]である。図3(e)は、これとは反対に、ガラス容器20の内壁面と導入線22との境界位置44が、ジュメット線部40と非ジュメット線部38との境界46よりも非ジュメット線部38側にずれた状態を示している。当該ずれの大きさQ2は、0.5[mm]である。
【0032】
図3(d)に示す状態であっても、導入線がガラス容器内部分の全長に渡って銅層を有している場合よりも、水銀の消耗を抑制することができるため一定の効果を奏する。また、図3(e)に示す場合であっても、導入線22の軸心方向、ガラス容器20が非ジュメット線部38を封着している長さが0.5[mm]と短いため、ガラス容器20と非ジュメット線部38との間における線膨張係数の不整合に起因する封止性の問題はほとんど生じない。
【0033】
また、導入線の形態は、上記のものに限らず、例えば、以下に記す<導入線の変形例1>、<導入線の変形例2>のようにすることもできる。
<導入線の変形例1>
上記実施の形態では、電極を導入線にレーザ溶接によって直接接合することとしたが、これに限らず、接合材としてろう材を用いたレーザ溶接によって接合することとしても構わない。この場合、導入線に対するビードガラスの溶着の際に、当該導入線に加わる熱の影響で芯金表面に酸化膜が生じると接合性に悪影響を及ぼす。したがって、導入線へのビードガラスの溶着に先立って、芯金(非ジュメット線部)表面にNi(ニッケル)めっきを施すことが好ましい。Ni−Fe合金よりもNiの方が、酸化膜が形成されにくいからである。
【0034】
このようにして、製作した冷陰極蛍光ランプの端部部分を図4(a)、図4(b)に示す。なお、図4(b)は、図4(a)におけるB部の拡大断面図である。また、図4(a)、図4(b)において、上記実施の形態(図3)と同様の構成要素には同じ符号を付して、その詳細な説明については省略する。
図4(a)、図4(b)に示すように、変形例1に係る導入線48における非ジュメット線部50では、芯金42の表面にNiめっきが施されて、ニッケル被膜52が形成されている。電極34は、ニッケル被膜52部分でろう材54によって、導入線48と接合されている。ろう材54には、例えば、ニッケルを用いることができる。
【0035】
なお、図示例では、非ジュメット線部50における芯金42の表面全部にニッケル被膜を形成しているが、ニッケル被膜は、必ずしも表面全部に形成する必要はなく、少なくとも電極との接合部位に形成されていれば構わない。
<導入線の変形例2>
導入線に用いるジュメット線としては、ガラス容器の封着性等を考慮した場合、上記オキシダイズ仕上げのものが最適である。しかし、ガラス容器外部での、電源ユニットからの給電線の半田付けを考慮した場合、亜酸化銅ではその接合性が若干劣る。そこで、ジュメット線部に、良好な接合性が得られる金属線を継線して導入線を構成することとしても構わない。当該金属線としては、例えば、Ni(ニッケル)線を用いることができる。
【0036】
図4(c)は、そのようにして構成した変形例2に係る導入線56を示す図である。なお、図4(c)において、上記実施の形態(図3)と同様の構成要素には同じ符号を付して、その詳細な説明については省略する。
図4(c)に示すように、導入線56は、ジュメット線部58のガラス容器26外部側端部に接合してなる金属線60からなる継線部62を有する。金属線60のジュメット線部58との接合は、例えば、抵抗溶接によってなされ、符号62Aで示すのは、その溶接痕である。なお、ジュメット線部58と非ジュメット線部38の合計全長が約3[mm]であり、金属線60の全長が例えば約5[mm]と両接合部材とも、比較的長いため、両者の接合(溶接)は比較的容易に行えるので問題はない。
【0037】
なお、図示例の導入線56では、ガラス容器26の封着部のみをジュメット線部58としたが、これに限らず、ジュメット線部58をさらにガラス容器26側に延長して構成することとしても構わない。
図2に戻り、同図(a)、(b)に示すように、ガラス容器20の第1封止部側の、境界部(蛍光体層32が存在する領域と不存在の領域との境界)64から電極34の根元までの距離b1と、境界部66から電極36の根元までの距離b2とで、b2はb1より長くなっている(b2>b1)。ここでいう、電極の根元とは、導入線22(24)に固着されている電極34(36)の付け根部分の意味である。
【0038】
なお、蛍光体層32以外の電極34,36、導入線22,24といった部材の位置は左右対称に設けられているので、結果として、境界部64(66)から導入線22(24)の外側端部までの距離c1,c2とを比べると、c2はc1より長くなっている(c2>c1)。
また、境界部64から第1封止部側端部までの距離(蛍光体層不存在領域の長さ)a1と、境界部66から第2封止部側端部までの距離a2とを比べると、a2はa1より長くなっている(a2>a1)。
【0039】
これらの寸法は、例えば次の通りである。
a1=8.0mm、a2=10.0mm、b1=5.0mm、b2=7.0mm、c1=14.0mm、c2=16.0mm
上記したようにb1とb2の大きさを異ならせた理由について、以下に説明する。
蛍光ランプのガラス容器の内面には、上記したように蛍光体膜が形成されている。ガラス容器の長手方向において、この蛍光体膜の厚みは不均一となっている。バックライトに用いられる蛍光ランプは、管内径が1.4〜7mm、肉厚が0.2〜0.6mm程度と細いタイプであるため、特に、蛍光体膜の厚みが不均一となりやすい。
【0040】
すなわち、ガラス容器の長手方向において、蛍光体膜の膜厚が一方側が厚く他方側が薄いという関係となっている。係る膜厚の差は点灯時に輝度差として表出し、輝度ムラの原因となり得る。
このため、直下方式のバックライトユニットでは、隣接する蛍光ランプ間で長手方向の向きを交互にした状態で、筐体内に収納することで輝度ムラの抑制を図っている。
【0041】
ここで、「交互に」とは、隣り合うランプ12間で第1封止部と第2封止部とが反対方向になっているという意味である。図1、図2および後掲する図6、図7、図10においては、ランプ12の第1封止部と第2封止部とをそれぞれ四角囲みの数字で「1」、「2」と区別している。
従来のバックライトユニットの製造方法においては、作業者が、ランプの一方にのみ設けられた識別マーク(ロットNo等)を一本一本目視で確認して、長手方向の向きを識別し筐体内に配置している。
【0042】
しかしながら、係る従来の識別用マークを用いる方法では、識別用マークを付するための工程やその設備が必要となりコスト高を招くという問題がある。
また、従来の長手方向の向きを識別する方法は、作業の自動化に適しているとは言い難い。
そこで、直下方式のバックライトユニットの製造方法において、識別マークを付するための工程や設備が不要であり、簡単な方法で蛍光ランプの長手方向の向きを自動的に識別することを可能にするために上記b1とb2の大きさを異ならせることとしたのである。
【0043】
すなわち、冷陰極蛍光ランプ12は、上記したようにb2がb1より大きいため、b2またはb1の一方を対象として所定範囲内に収まっているかをセンサを用いて検出したり、b2及びb1の距離をセンサを用いて検出して両者の差を求めたりすることにより、ランプ12(ガラス容器20)の長手方向の向きを識別することが可能となる。識別マークを付するための工程や設備が不要となり製造コストを抑えることも可能となる。
【0044】
また、蛍光体膜32はガラス容器20の全周に形成されているため、ガラス容器20の周回方向(回転方向)に関わらず、一方向から検出することができ、センシングの設備構成を簡素化できる。
さらに、蛍光体層の不存在領域と存在領域との境界と、電極や導入線といったランプの構成部品との距離を検出に利用するため、ランプが一般的に備える構成部品を向き識別に有効に活用することができる。
【0045】
なお、c1,c2またはa1,a2もそれぞれ距離が異なっているため同様に検出及び識別に利用することが可能である。
[液晶表示装置の構成]
次に、バックライトユニット2を、液晶表示装置の一例として示す液晶テレビに用いた例を示す。
【0046】
図5は、当該液晶テレビ200を、その前面の一部を切り欠いた状態で示す図である。図5に示す液晶テレビ200は、液晶表示パネル202およびバックライトユニット2等を備える。
液晶表示パネル202は、カラーフィルター基板、液晶、TFT基板等からなり、外部からの画像信号に基づき、駆動モジュール(不図示)で駆動されて、カラー画像を形成する。
【0047】
バックライトユニット2の外囲器4は、液晶表示パネル202の背面に設けられ、背面から液晶表示パネル202を照射する。
冷陰極蛍光ランプ12を点灯するためのインバータ204は、液晶テレビ200の筐体206内であって、外囲器4の外に配されている。
[冷陰極蛍光ランプの製造方法]
次に、上記構成を有する冷陰極蛍光ランプ12の製造方法の内、特に蛍光体層の形成や両封止部の形成に関わる工程について詳述する。
【0048】
図6,図7は冷陰極蛍光ランプ12の製造工程を示す図である。
まず、準備した直管状のガラス管68を垂下させてタンク内の蛍光体懸濁液に浸す。ガラス管68内を負圧にすることで、タンク内の蛍光体懸濁液を吸い上げ、ガラス管68内面に蛍光体懸濁液を塗布する[工程A]。この吸い上げは光学的センサ70により液面を検出することで、液面がガラス管の所定高さになるように設定される。このときの液面高さの誤差は、蛍光体懸濁液の粘度や液面の表面張力等の影響を受けるため比較的大きく、±0.5mm程度の誤差が生じる。
【0049】
次に、ガラス管68内に塗布された蛍光体懸濁液を乾燥させた後に、ガラス管68内面にブラシ72を挿入して、ガラス管68端部の不要な蛍光体分を除去する[工程B]。
続いて、ガラス管68を不図示の加熱炉内に移送して焼成を行い、蛍光体膜32を得る。
その後、蛍光体膜32が形成されたガラス管68に、電極36、ビードガラス30を含む電極ユニット74を挿入した後、仮止めを行う[工程C]。仮止めとは、ビードガラス30が位置するガラス管68の外周部分をバーナー76で加熱して、ビードガラス30の外周の一部をガラス管68内周面に固着することをいう。ビードガラス30の外周の一部しか固着しないので、ガラス管68の管軸方向の通気性は維持される。なお、この場合の加熱温度は、ガラス管68外周表面において約700℃である。
【0050】
次に、反対側からガラス管68に、電極34、ビードガラス28を含む電極ユニット78を挿入した後、ビードガラス28が位置するガラス管68の外周部分をバーナー79で加熱し、ガラス管68を封着して気密封止(第1封止)する[工程D]。この場合の加熱温度は、ガラス管68の外周表面において約1100℃である。また、第1封止における封止位置の設定値から誤差は高々0.5mm程度である。
【0051】
工程Cにおける電極ユニット74の挿入位置及び工程Dにおける電極ユニット78の挿入位置は、封止後のガラス容器20の両端部からそれぞれ延びる蛍光体層不存在領域の長さが、異なるような位置に調整される。第1封止部側の電極ユニット78は、第2封止部側の電極ユニット74と比べて、蛍光体膜32に重なる位置のより奥にまで挿入されることとなる。
【0052】
続いて、ガラス管68の、電極36よりも端部寄りの一部をバーナー80で加熱して、くびれ部分68Aを形成した後、水銀ペレット82をガラス管68に投入する[工程E]。水銀ペレット82は、チタン−タンタル−鉄の焼結体に水銀を含浸させたものである。
続く工程Fでは、ガラス管68内の排気とガラス管68内への希ガスの充填を行う。具体的には、図示しない給排気装置のヘッドをガラス管68の水銀ペレット82側端部に装着し、先ず、ガラス管68内を排気して真空にすると共に、図示しない加熱装置によってガラス管68全体を外周から加熱する。この場合の加熱温度は、ガラス管68の外周表面において約380℃である。これによって、蛍光体膜32に潜入している不純ガスを含めガラス管68内の不純ガスが排出される。加熱を止めた後、所定量の希ガスが充填される。
【0053】
希ガスが充填されると、ガラス管68の水銀ペレット82側端部をバーナー84で加熱して封止する[工程G]。
続いて、図7に示す工程Hでは、水銀ペレット82をガラス管68周囲に配された高周波発振コイル(不図示)によって誘導加熱して水銀を前記焼結体から追い出す(水銀出し工程)。その後、ガラス管68を加熱炉86内で加熱して、追い出した水銀を第1封止部側の電極34の方へ移動させる。
【0054】
次に、ビードガラス30が位置するガラス管68外周部分をバーナー88で加熱して、ガラス管68を封着して気密封止(第2封止)する[工程I]。この場合の加熱温度は、ガラス管68外周において約350℃である。第2封止における封止位置の設定値から誤差は、第1封止と同様に0.5mm程度である。
続いて、ガラス管68の、上記第2封止部分よりも水銀ペレット82側の端部部分を切り離す[工程J]。
[バックライトユニットの製造方法]
次に、バックライトユニットの製造工程において、特にランプの方向の検出に関わる工程について図8を用いて説明する。
【0055】
図8(a)は、ランプフィーダ90を模式的に示す図である。図8(b)は、ランプの方向合わせ工程を示す図である。図8(c)は、ランプの筐体6内への設置工程を示す図である。
ランプフィーダ90は、台座92にランプ12を1本ずつ供給する装置である。
台座92は、ランプ12が設置されるための溝92aを有し、また台座を360度回転させる機構を備えている。
【0056】
溝92a内には、ランプ12設置されており、このランプ12の両端部に対応する位置の上方には、センサ94a,94bが配置されている。このセンサはランプの一方側の端部にだけ配置しても構わない。
センサ94a,94bは例えば光学式センサの一種である画像センサであり、上記a2、a1を検出することによりランプの方向を検出する。
【0057】
センサ94a,94bにより検出されたランプの長手方向の向きに対応して、台座92を回転させることによりランプの向き合わせを行うこととなる。
向き合わせされたランプ12は、導入線22(24)を不図示の把持部材に把持されて、隣接するランプ12間で長手方向の向きが反対になるようにソケット96に嵌め込まれることとなる。
【0058】
図8(c)に示すように、筐体6の反射面10には、ランプ12の取り付け位置に対応する位置に、それぞれ一組のソケット96が配置されている。
ソケット96は、導電性であり、例えば、ステンレス、りん青銅等の板材を折り曲げて形成したものである。そして、各ソケット96は、挟持板96a,96bとそれら挟持板96a,96bを下端縁で連結する連結片96cと、連結片96cから突出した接続板96dとからなる。
【0059】
挟持板96a,96bには、ランプ12の外径に合わせた凹部が設けられている。
接続板96dは、連結片96cから筐体6の外側方向に延びた後、所定高さまで斜めに延び、再び筐体6の外側方向に延びている。接続板96dの自由端部には、導入線の外径に合わせた例えばV字状の凹部が形成されている。
挟持片96a,96bの凹部内にランプ12の端部をはめ込むことにより、挟持板96a,96bの板ばね作用によってランプ12がソケット96に保持される。同時に、ランプ12の導入線22,24を接続板96d自由端部の凹部にはめ込むことで、凹部の板ばね作用により、導入線22,24が接続板96dに物理的に接続されると共に、電気的にも接続される。
【0060】
ここで、長手方向の識別が可能な、蛍光体膜の形成されたガラス容器は、上記のものに限らず、例えば、以下に記す<蛍光体膜の形成されたガラス容器の変形例1>、<蛍光体膜の形成されたガラス容器の変形例2>、<蛍光体膜の形成されたガラス容器の変形例3>のようにすることもできる。
<蛍光体膜の形成されたガラス容器の変形例1>
方向合わせの精度をより向上させるために、ガラス容器20の蛍光体膜32が形成された領域から外れた外周の位置に、長手方向の向きに関する識別用のマークを印刷する構成を取ることが考えられる。以下、変形例1として説明する。
【0061】
図9に、識別用のマークが印刷されたガラス容器20aを示す。図9(b)は、図9(a)のC−C線における断面図である。
ガラス容器20aの端部外周には、識別用の3個のマーク98a,98b,98cが形成されている。
マーク98a,98b,98cは、ガラス容器20aの長手方向における位置が互いに略等しい。
【0062】
なお、マーク98a,98b,98cは、第1封止部側に形成するよりも、より蛍光体層不存在領域の長い第2封止部側の端部外周に形成する方が好ましい。
マーク98a〜98cは例えばスクリーン印刷により形成されたものである。なお、スクリーン印刷に替えて、グラビア印刷やインクジェット印刷を用いてもよい。
このような、識別用のマーク98a〜98cが形成されたガラス容器20aを用いれば、例えば、境界部64からマーク98a〜98cまでの距離を検出することにより、長手方向の向き識別が可能である。
【0063】
また、マーク98a〜98cのそれぞれの中心部(要部)は、ガラス容器20aの横断面を見た場合において、ガラス容器の中心点Oから略120度の等間隔を空けた位置となっている。このように、マーク98a〜98cは、ガラス容器20aの周回方向(回転方向)に関わらず、マークの測定対象部位が見える位置関係にあるため、確実に一方向からセンサを用いてマーク98a〜98cのいずれかを検出することが可能である。
【0064】
なお、マーク98a〜98cとして、文字を印刷しても構わない。その文字の印刷方向はガラス容器20aの長手方向であってもよいし、ガラス容器の周回方向でもよい。また文字として、ロットナンバーを印刷しても構わない。
<蛍光体膜の形成されたガラス容器の変形例2>
また、ガラス容器内周(内面)の蛍光体膜を一部残し、残部分を長手方向の向き識別用マークとして用いてよい。以下、変形例2として説明する。
【0065】
図10に示すように、ガラス容器20bの第2封止部側には、蛍光体膜32とは別に、蛍光体膜33が形成されている。蛍光体膜33は、電極34,36間の放電領域から外れた領域に位置しているため、発光には実質的に寄与しない蛍光体膜である。
本変形例では、例えば、境界66と蛍光体膜33との距離a3を検出に用いることができる。また、識別用マークが蛍光体膜であるため、紫外線の照射による発光を検出に利用でき、簡易な構成のセンサを用いることができる。
【0066】
<蛍光体膜の形成されたガラス容器の変形例3>
ガラス容器に識別用マークを別途付さずとも、元々ランプが備えている構成部材に工夫を施すことで、長手方向の向きの識別を実現できる。以下、変形例3として説明する。
図11は、変形例3に係るガラス容器20の概略構成を示す模式図であり、図11(a)(b)では、ガラス容器20と蛍光体層32を断面で示し、導入線22a,電極34は外観を示している。また、図11(c)では、電極34も形状がわかるよう断面で示している。なお、図11においては、図2と同様の構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0067】
図11(a)の例では、方向識別に用いるための、ビードガラス28に着色が施されている(図中、斜線は着色を示している)。
この場合、境界64とビードガラス28の境界64から遠い側との距離d、境界64とビードガラス28の境界64に近い側との距離eを検出に用いることができる。ビードガラスへの着色は、ガラス容器外周へのマーキングに比べて消えにくく、また色を鮮明にすることができるのでセンサ精度を向上させることができる。
【0068】
図11(b)の例では、円筒形をした電極34中央下部の周回方法にマーク100が付されている。この例では、境界64とリング状をしたマーク100との距離fを検出に用いることができる。マーク100は、ガラス容器20の回転方向に関わらずどの方向からも確認可能であり、センシングの設備構成を簡素化できる。
図11(c)の例では、電極34aは、有底筒状の電極34とは形状が異なり、両端が開口した筒状である。このように、用いることができる電極の形状は有底筒状に限らず、筒状、棒状であっても構わない。
【0069】
電極34aは、開口部分の端部において、導入線22aの頭部をかしめて固定されている。
また、導入線22aの周回方向にマーク102が付されている。この例では、境界64とマーク102との距離gを検出に用いることができる。マーク102も、マーク100と同様にガラス容器20の回転方向に関わらずどの方向からも確認可能である。
[その他の事項]
(1)電極について
上記実施の形態では、電極に、有底筒状をしたホロー型を用いたが、電極の形状はこれに限らず、例えば、短冊板状(板状電極)や円柱状(棒状電極)としても構わない。
【0070】
(2)導入線について
(i)非ジュメット線部は、その外周が、例えばセラミックス等からなる絶縁膜で被覆されてなるものとしても構わない。このようにすることにより、特に電極を上記(1)に記す板状電極や棒状電極とした場合に発生し易い、導入線(非ジュメット線部)へのスパッタリングを抑制することができる。
【0071】
(ii)上記実施の形態では、ジュメット線から銅層を除去して非ジュメット線部が創出された導入線にビードガラスを溶着することとしているが、ジュメット線にビードガラスを溶着して後、当該ジュメット線から銅層を除去して非ジュメット線部を創出することとしても構わない。
(3)ガラス容器の封着について、
上記実施の形態では、ビードガラスを用いてガラス容器を封着することとしたが、これに限らず、例えば、以下のようにしても構わない。すなわち、ガラス管68(図6)の一部を、導入線に直接溶着させる、いわゆるピンチシール法によって封着することとしても構わない。
【0072】
(4)ガラス容器を形成するガラス材料の添加物について
ガラスに遷移金属の酸化物をその種類によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。具体的には、例えば酸化チタン(TiO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収し、組成比率2[mol%]以上ドープすることにより313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化チタンを組成比率5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまうため、組成比率0.05[mol%]以上5.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0073】
また、酸化セリウム(CeO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化セリウムを組成比率0.05[mol%]以上0.5[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。なお、酸化セリウムに加えて酸化スズ(SnO)をドープすることにより、酸化セリウムによるガラスの着色を抑えることができるため、酸化セリウムを組成比率5.0[mol%]以下までドープすることができる。この場合、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]以上ドープすれば313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、この場合においても酸化セリウムを組成比率が5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまう。
【0074】
また、酸化亜鉛(ZnO)の場合は、組成比率2.0[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化亜鉛を組成比率20[mol%]より多くドープした場合、ガラスが失透してしまうおそれがあるため、酸化亜鉛を2.0[mol%]以上20[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0075】
また、酸化鉄(Fe2O3)の場合は、組成比率0.01[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化鉄を組成比率2.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化鉄を組成比率0.01[mol%]以上2.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0076】
また、ガラス中の水分含有量を示す赤外線透過率係数は、0.3以上1.2以下の範囲、特に0.4以上0.8以下の範囲となるように調整することが好ましい。赤外線透過率係数が1.2以下であれば、長尺の冷陰極蛍光ランプのような高電圧印加ランプに適用可能な低い誘電正接を得やすくなり、0.8以下であれば誘電正接が十分に小さくなって、さらに高電圧印加ランプに適用可能となる。
【0077】
なお、赤外線透過率係数(X)は下式で表すことができる。
[数式1]X=(log(a/b))/t
a:3840[cm−1]付近の極小点の透過率[%]
b:3560[cm−1]付近の極小点の透過率[%]
t:ガラスの厚み
(5)蛍光体層不存在領域の長さの差について
上述したように、ランプ12の製造工程においては、ガラス管の蛍光体懸濁液の液面の検出誤差が最大±0.5mm、第1及び第2封止部の封止時における誤差それぞれ最大で0.5mm程度が見込まれる。
【0078】
また、センサとして200万画素の画像センサを用いれば、1画素を0.1mmに設定することが可能であるため、0.1mm単位での測定精度を実現できる。
これらの事情を考慮すれば、ガラス容器の一端部側と他端部側とで、蛍光体層不存在領域の長さの差が少なくとも2mm以上あれば、確実にセンサを用いて長手方向の向きを識別することができる。
【0079】
(6)保護層について
上記実施の形態においては、ガラス容器の内面に、水銀消耗を防止等を目的とした保護層(保護膜)を有さない蛍光ランプについて説明したが、係る保護層を有する蛍光ランプとすることもできる。
具体的には、ガラス容器の一端部から延びる保護層不存在領域と、他端部から延びる保護層不存在領域を異ならせ、両者の差異をセンサを用いて検出することで、ガラス容器の長手方向の向きを識別可能である。すなわち、ガラス容器の内面に形成された層状の物質であれば、蛍光体層に限らず保護層も利用することができる。
【0080】
(7)ランプ形状
実施の形態では、ランプ形状を直管状とした(図2)。しかしながら、本発明は、「U」字状、「コ」字状、あるいは、「L」字状をしたランプにも適用可能である。
(8)蛍光体
蛍光体層32を構成する蛍光体も上記のものに限らない。以下に記すように、種々の観点から適宜選択し得るものである。
【0081】
(i)紫外線吸収について
例えば、近年、液晶カラーテレビの大型化に伴って、バックライトユニットの開口を塞ぐ拡散板に寸法安定性の良いポリカーボネートが使用されるようになっている。このポリカーボネートは、水銀が発する313(nm)の波長の紫外線により劣化しやすい。このような場合には、波長313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体を利用すると良い。なお、313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体としては、以下のものがある。
【0082】
(a)青色
ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1−x−ySrxEuyMg1−zMnzAl10O17]又は[Ba1−x−ySrxEuyMg2−zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0≦z<0.1なる条件を満たす数であるであることが好ましい。
【0083】
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+]、[BaMgAl10O17:Eu2+] (略号:BAM−B)や、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al16O27:Eu2+]、[(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+](略号:SBAM−B)等がある。
【0084】
(b)緑色
・マンガン不活マグネシウムガレート[MgGa2O4:Mn2+](略号:MGM)
・マンガン付活アルミン酸セリウム・マグネシウム・亜鉛[Ce(Mg,Zn)Al11O19:Mn2+](略号:CMZ)
・テルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl11O19:Tb3+](略号:CAT)
・ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1−x−ySrxEuyMg1−zMnzAl10O17]又は[Ba1−x−ySrxEuyMg2−zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0.1≦z≦0.6なる条件を満たす数であり、zは0.4≦x≦0.5であることが好ましい。
【0085】
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+,Mn2+]、[BaMgAl10O17:Eu2+,Mn2+](略号:BAM−G)や、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al16O27:Eu2+,Mn2+]、[(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+,Mn2+](略号:SBAM−G)等がある。
【0086】
(c)赤色
・ユーロピウム付活リン・バナジン酸イットリウム[Y(P,V)O4:Eu3+](略号:YPV)
・ユーロピウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Eu3+](略号:YVO)
・ユーロピウム付活イットリウムオキシサルファイド[Y2O2S:Eu3+](略号:YOS)
マンガン付活フッ化ゲルマン酸マグネシウム[3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+](略号:MFG)
・ジスプロシウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Dy3+](赤と緑の2成分発光蛍光体であり、略号:YDS)
なお、一種類の発光色に対して、異なる化合物の蛍光体を混合して用いても良い。例えば、青色にBAM−B(313nmを吸収する。)のみ、緑色にLAP(313nmを吸収しない。)とBAM−G(313nmを吸収する。)、赤色にYOX(313nmを吸収しない。)とYVO(313nmを吸収する。)の蛍光体を用いても良い。このような場合は、前述のように波長313(nm)を吸収する蛍光体が、総重量組成比率で50%より大きくなるように調整することで、紫外線がガラス管外に漏れ出ることをほとんど防止できる。したがって、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体層32に含む場合には、上記のバックライトユニットの開口を塞ぐポリカーボネート(PC)からなる拡散板等の紫外線による劣化が抑制され、バックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
【0087】
ここで、「313(nm)の紫外線を吸収する」とは、254(nm)付近の励起波長スペクトル(励起波長スペクトルとは、蛍光体を波長変化させながら励起発光させ、励起波長と発光強度をプロットしたものである。)の強度を100(%)としたときに、313(nm)の励起波長スペクトルの強度が80(%)以上のものと定義する。すなわち、313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体とは、313(nm)の紫外線を吸収して可視光に変換できる蛍光体である。
【0088】
(ii)高色再現について
液晶カラーテレビで代表される液晶表示装置では、近年における高画質化の一環としてなされる高色再現化に伴い、当該液晶表示装置のバックライトユニットの光源として用いられる冷陰極蛍光ランプや外部電極蛍光ランプにおいて、再現可能な色度範囲の拡大化の要請がある。
【0089】
このような要請に対して、例えば、以下の蛍光体を用いることで、実施の形態での蛍光体を用いる場合よりも、色度範囲の拡大を図ることができる。具体的には、CIE1931色度図において、高色再現用の当該蛍光体の色度座標値が、実施の形態で使用した3つの蛍光体の色度座標値を結んでできる三角形を含んで色再現範囲を広げる座標に位置する。
【0090】
(a)青色
・ユーロピウム付活ストロンチウム・クロロアパタイト[Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SCA)、色度座標:x=0.151、y=0.065
上記以外に、ユーロピウム付活ストロンチウム・カルシウム・バリウム・クロロアパタイト[(Sr,Ca,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SBCA)も使用でき、上記波長313(nm)の紫外線も吸収できるSBAM−Bも高色再現用に使用できる。
【0091】
(b)緑色
・BAM−G、色度座標:x=0.139、y=0.574
・CMZ、色度座標:x=0.164、y=0.722
・CAT、色度座標:x=0.267、y=0.663
なお、これらは上述したように、波長313(nm)の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、MGMも高色再現用に使用することもできる。
【0092】
(c)赤色
・YOS、色度座標:x=0.651、y=0.344
・YPV、色度座標:x=0.658、y=0.333
・MFG、色度座標:x=0.711、y=0.287
なお、これらは上述したように、波長313(nm)の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、YVO、YDSも高色再現用に使用することもできる。
【0093】
また、上記で示した色度座標値は各々の蛍光体の粉体のみで測定した代表値であり、測定方法(測定原理)等に起因して、各蛍光体の粉体が示す色度座標値は、上掲した値と若干異なる場合があり得る。参考として上記実施の形態1の各蛍光体の粉体の色度座標値は、YOX(x=0.644、y=0.353)、LAP(x=0.351、y=0.585)、BAM−B(x=0.148、y=0,056)で構成されている。
【0094】
さらに、赤、緑、青の各色を発光させるために用いる蛍光体は各波長につき1種類に限らず、複数種類を組み合わせて用いることとしても良い。
ここで、上記の高色再現用の蛍光体粒子を用いて蛍光体層を形成した場合について説明する。ここでの評価は、CIE1931色度図内においてNTSC規格の3原色の色度座標値を結ぶNTSC三角形(NTSCtriangle)の面積を基準とした、高色再現用の蛍光体を用いた場合の3つの色度座標値を結んできる三角形の面積の比(以下、NTSC比という。)で行なう。
【0095】
例えば、青色としてBAM−B、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例1)NTSC比が92(%)となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例2)NTSC比が100(%)となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYOXを用いると(例3)、NTSC比が95(%)となり、例1及び2に比べて輝度を10(%)向上させることができる。
【0096】
なお、ここでの評価に用いた色度座標値は、ランプ等が組み込まれた液晶表示装置とした状態で測定したものである。
(9)ランプ種類
上記実施の形態では、本発明を冷陰極蛍光ランプに適用した例を用いて説明したが、本発明は、蛍光ランプに限らず、冷陰極紫外線ランプに適用することも可能である。すなわち、上記実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプの構成から蛍光体膜を除去し(蛍光体膜を形成しないこととし)、冷陰極紫外線ランプとして構成したものに適用しても構わない。紫外線ランプは、紫外線を被照射物に照射し、当該被照射物の殺菌等に用いられる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明に係る冷陰極放電ランプは、例えば、液晶ディスプレイ装置に組み込まれるバックライトユニットの光源として好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施の形態に係る直下方式のバックライトユニットの構成を示す概略斜視図である。
【図2】図2(a)は、冷陰極蛍光ランプの概略構成を示す一部切欠図である。図2(b)は、ガラス容器において、蛍光体膜が形成された領域を示す模式図である。図2(c)は、電極の断面図である。
【図3】図3(a)は、上記冷陰極蛍光ランプの一方の端部部分を示す拡大断面図である。図3(b)は、導入線におけるジュメット線部の横断面図であり、図3(c)は、導入線における非ジュメット線部の横断面図である。なお、図3(d)、図3(e)は、図3(a)におけるA部相当箇所の拡大図である。
【図4】図4(a)は、導入線の変形例1を示す図であり、図4(b)は、図4(a)におけるB部に拡大断面図である。図4(c)は、導入線の変形例2を示す図である。
【図5】液晶テレビの概略構成を示す斜視図である。
【図6】冷陰極蛍光ランプの製造工程を示す図である。
【図7】冷陰極蛍光ランプの製造工程を示す図である。
【図8】図8(a)は、ランプフィーダを模式的に示す図、図8(b)は、ランプの向き合わせ工程を示す図、図8(c)は、ランプの筐体内への設置工程を示す図である。
【図9】変形例1に係るガラス容器を示す図であり、図9(a)は、識別用のマークが印刷されたガラス容器を示す図である。図9(b)は、図9(a)のC−C線における断面図である。
【図10】変形例2に係るガラス容器を示す図である。
【図11】変形例3に係るガラス容器の概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0099】
2 バックライトユニット
12 冷陰極蛍光ランプ
20 ガラス容器
22,24,48,56 導入線
34,36 電極
38,50 非ジュメット線部
40,58 ジュメット線部
52 ニッケル被膜
200 液晶テレビ
202 液晶パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷陰極放電ランプ等に関し、特に、ガラス容器の材料としてソーダガラスが用いられる冷陰極放電ランプ等に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光ランプの中でも、気密封止された管状ガラス容器の内面に蛍光体層が形成され、両端部に内部電極として冷陰極が設けられてなる冷陰極蛍光ランプは、細径化に適している。このため、薄型化(小型化)が要求されるバックライトユニットの光源として好適に用いられている。ガラス容器を形成するガラス材料として、従来、強度の点で優れているホウ珪酸ガラス(硬質ガラス)が使用されているが、近年、コスト面からソーダガラス(軟質ガラス)を使用したいといった要請がある。
【0003】
この場合に、ガラス容器端部の封着に用いる導入線の素材が問題となる。従来のホウ珪酸ガラスからなるガラス容器の場合、ホウ珪酸ガラスの熱膨張係数に適合する導入線として、タングステン線やコバール線の単線が用いられている。一方、ソーダガラスでガラス容器を形成する場合、封着用として一般的に用いられているジュメット線(Ni−Fe合金からなる芯金に同心円形に銅が被覆されてなる銅層が形成された複合線)を導入線として用いることが考えられる(特許文献1)。
【0004】
ところが、ジュメット線を用いた場合、ガラス容器内に存する銅層部分の銅がガラス容器に封入された水銀と反応して合金を形成して、徒に水銀が消耗してしまい、その結果ランプ寿命が短くなってしまう。前記銅層にNiめっき(Niは、水銀と反応しにくい)の施されたジュメット線もあるが、製造段階において電極の接合(溶接)の際等に、当該めっき層が損傷したり、点灯中におけるスパッタリングを受けて、めっき層が損傷したりして、銅層が露出してしまうことがあり、この場合には、上記と同様、水銀消耗の問題が生じる。
【0005】
これに対処するため、水銀と反応しにくい金属線をジュメット線に溶接等によって継線してなる導入線を用いることが考えられる(特許文献2)。すなわち、ジュメット線部分がガラス容器に封着されることとし、ガラス容器内部には専ら前記金属線が存するようにするのである。
【特許文献1】特開平8−111210号公報
【特許文献2】特開平6−203800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般的にガラス容器内部に存する導入線部分の長さは1mm程度と非常に短い。したがって、ジュメット線とそのように短い金属線とをその軸心同士を一致させて接合(溶接)するのは、非常に困難であり、導入線の歩留まりが低下してしまう。
そこで、本発明は、上記したような継線をすることなく、水銀消耗を可能な限り低減することのできる冷陰極放電ランプを提供することを目的とする。また、本発明は、そのような冷陰極放電ランプを有するバックライトユニット、および当該バックライトユニットを備えた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明に係る冷陰極放電ランプは、ソーダガラスからなり、両端が封着された管状のガラス容器と、前記ガラス容器の端部を貫通する導入線と、前記導入線の前記ガラス容器内側端部に接合された電極と、前記ガラス容器に封入された水銀と、を有する冷陰極放電ランプであって、前記導入線は、Ni−Fe合金からなる芯金に同心円形に銅が被覆されてなるジュメット線部と銅が被覆されていない非ジュメット線部とを、前記芯金の軸心方向に設けた構成であり、前記ガラス容器に前記ジュメット線部が封着されており、前記非ジュメット線部は当該ジュメット線部からガラス容器内側へ延出されていて、前記電極が当該非ジュメット線部に接合されていることを特徴とする。
【0008】
また、前記非ジュメット線部は、その外表面の少なくとも一部にNiめっき被膜を有しており、前記電極が、前記Niめっき被膜の形成部位において前記非ジュメット線部とろう付けにより接合されていることを特徴とする。
また、前記ジュメット線部は最外層としてNi被覆層を有することを特徴とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るバックライトユニットは、光源として、上記の冷陰極放電ランプを有することを特徴とする。
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明に係る液晶表示装置は、液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの背面に配された請求項4に記載のバックライトユニットと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記構成からなる冷陰極放電ランプによれば、導入線に関し、銅の被覆されていない非ジュメット線部が、ガラス容器に封着されるジュメット線部からガラス容器内側へ延出されていて、当該非ジュメット線に電極が接合されているので、ガラス容器に封入された水銀が、銅と反応して合金を形成することを抑制でき、水銀の消耗が可能な限り低減されることとなる。また、一の芯金でガラス容器に封着されているジュメット線部と、電極が接合される非ジュメット線部とが構成されているので、ガラス容器の封着部から電極に至る間での継線が不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[バックライトユニットの構成]
図1は、実施の形態に係るバックライトユニット2の概略構成を示す斜視図である。なお、図1は、バックライトユニット2を、その内部の構造がわかるように、後述する前面パネル8の一部を切り欠いた状態で表している。また、図1を含む全ての図において、各構成要素間の縮尺は統一していない。
【0012】
バックライトユニット2は、直下方式のものであり、扁平な直方体形をした外囲器4を備える。外囲器4は、筐体6と前面パネル8とを有する。
バックライトユニット2は、液晶パネル(不図示)の背面に設けられるものである。筐体6は前記液晶パネル側に開口部を有し、当該開口部を塞ぐように前面パネル8が設けられていて、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように、外囲器4は密閉されている。
【0013】
筐体6は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面には銀またはアルミニウムなどの金属が蒸着されて反射面10が形成されている。なお、筐体6は、樹脂以外の材料、例えば、アルミニウム等の金属材料により形成しても良い。
筐体6には、複数本(本例では、14本)の冷陰極蛍光ランプ12(以下、単に「ランプ12」という場合がある。)が収納されている。ランプ12は直管状をしており、各々がその管軸を筐体6の長手方向(横方向)に向けた姿勢で(管軸が筐体6の長縁と略平行となる姿勢で)配されている。また、14本のランプ12は、筐体6の短手方向(縦方向)に所定間隔を空け、交互に配置されている。なお、「交互に」の意味内容については後述する。
【0014】
前面パネル8は、拡散板14、拡散シート16およびレンズシート18を積層してなり、透光性を有する。
拡散板14及び拡散シート16は、ランプ12から発せられた光を散乱・拡散させるものであり、レンズシート18は、当該シート18の法線方向へ光をそろえるものである。この構成により、ランプ12から発せられた光が前面パネル8の表面(発光面)の全体に亘り均一に前方に照射される。なお、拡散板14を形成する材料としては、PC(ポリカーボネート)樹脂を用いることができる。
[冷陰極蛍光ランプの構成]
次に、冷陰極放電ランプの一例として示す冷陰極蛍光ランプ12について、図2を参照しながら説明する。図2(a)は、冷陰極蛍光ランプ12の概略構成を示す縦断面図である。図2(b)は、後述するガラス容器20において、後述する蛍光体膜32が形成された領域を示す模式図である。図2(c)は、後述する電極34の縦断面図である。
【0015】
ランプ12は、円形の横断面を有する管状をしたガラス容器20を有する。ガラス容器20の両端部は導入線22,24に封着されていて、導入線22,24の各々はガラス容器20の端部を貫通している。すなわち、ガラス容器22,24は導入線22,24で気密封止されている。導入線22,24の詳細については後述する。
ガラス容器20は、ガラス管26と二点鎖線で示すビードガラス28,30とからなる。なお、ガラス管26の両端部は、後述する封着工程において溶融して変形し、当該端部部分でビードガラス28,30と一体化している。ガラス容器20の寸法の一例を挙げれば、外径は3.0[mm]、内径は2.0[mm]、全長は720[mm]である。
【0016】
ガラス容器20は、鉛ガラス、鉛フリーガラス、ソーダライムガラスその他のソーダガラスからなる。ソーダガラスは、酸化ナトリウム(Na2O)を3[mol%]以上20[mol%]以下の範囲で含有するガラス材料である。本例では、鉛フリーガラス(Na2O含有率5〜12[mol%])を用いている。その熱膨張係数は94×10−7[K−1]であり、また軟化点は680℃である。鉛フリーガラスを用いるのは、自然環境保護を考慮しているからである。ただ、鉛フリーガラスといえども、製造過程で不純物として鉛を含んでしまう場合がある。そこで、0.1[Wt%]以下といった不純物レベルで鉛を含有するガラスも鉛フリーガラスと定義することとする。
【0017】
また、ホウ珪酸ガラスではなく、ソーダガラスを用いることで、暗黒始動性が改善できる。すなわち、ソーダガラスは、上記のように酸化ナトリウム(Na2O)に代表されるアルカリ金属酸化物を多く含み、例えば、酸化ナトリウムの場合はナトリウム(Na)成分が時間の経過とともにガラスバルブ内面に溶出する。ナトリウムは電気陰性度が低いため、ガラスバルブ内側端部に溶出したナトリウムが、暗黒始動性の向上に寄与するものと思われるからである。
【0018】
ガラス容器20内には、ガラス容器20の容積[cc]に応じて、水銀が、例えば、0.6[mg/cc]の割で封入され、また、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)等といった複数種の希ガスからなる混合ガス(不図示)が、例えば、60[Torr]の封入圧で封入されている。混合ガスとしては、例えば、アルゴンが5%でネオンが95%(分圧比)のものが用いられる。
【0019】
また、ガラス容器20の内面には蛍光体層32が形成されている。蛍光体層32は、水銀から放射された紫外線を、青色光・緑色光・赤色光にそれぞれ変換する青色蛍光体・緑色蛍光体・赤色蛍光体を含んでいる。蛍光体層32は、例えば、青色蛍光体がユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+] (略号:BAM−B)、緑色蛍光体がセリウム・テルビウム共付活リン酸ランタン[LaPO4:Ce3+,Tb3+] (略号:LAP)及び赤色蛍光体がユーロピウム付活酸化イットリウム[Y2O3:Eu3+](略号:YOX)からなる希土類蛍光体で形成されている。なお、蛍光体層32の厚みは、ガラス容器20の長手方向(管軸方向)において均一ではなく、例えば、後述する第1封止部側から後述する第2封止部側に向かって漸増しており、後述するように、この厚みの不均一がランプ12点灯中の発光特性に影響することとなる。
【0020】
ガラス容器20の端部に支持された(端部を貫通する)導入線22,24のガラス容器20内側端部には、それぞれ、電極34,36がレーザ溶接によって直接接合されている。なお、レーザ溶接に限らず、抵抗溶接やろう付等によって接合しても構わない。電極34、36は、有底筒状をしたいわゆるホロー型電極であり、ニッケル(Ni)で形成されている。また、ニッケルに限らず、ニオブ(Nb)で形成しても構わない。電極34、36として、ホロー型の電極を採用したのは、ランプ点灯中の放電によって生じる電極におけるスパッタリングの抑制に有効であるからである(詳細は、特開2002−289138号公報等を参照。)。ランプ12の点灯中は、有底筒状をした電極34の筒内面と同じく有底筒状をした電極36の筒内面との間で放電が生じることとなる。
【0021】
電極34,36は同じ形状をしており、図1(c)に一例として示す各部の寸法は、電極長L1=5mm、外径p1=1.70mm、肉厚t=0.10mm、(内径p2=1.50mm)である。
次に、導入線22,24の詳細について図3を参照しながら説明する。
図3(a)は、ランプ12の両端部の内、導入線22にガラス容器20が封着された側の端部を示す拡大断面図である(ガラス容器20、蛍光体層32のみを切断)。なお、導入線22,24は同じ構成であり、両端部の封止構造も略同様なので、図3(a)に示す端部部分を代表にして、以下説明する。
【0022】
導入線22は、軟質ガラスの封着部材(封止部材)として用いられているジュメット線を加工したものである。周知の通り、ジュメット線は、Ni−Fe合金(41〜43[Wt%]Ni−Feまたは46〜48[Wt%]Ni−Fe)からなる芯金に同心円形に銅(Cu)が被覆されてなる構成を基本構成とする複合線であり、径方向における熱膨張係数が軟質ガラスの熱膨張係数に適合するよう調整されたものである。ジュメット線に占める銅の割合は17〜28[Wt%]である。
【0023】
導入線22は、少なくとも導入線22の全長分を有するジュメット線の被覆銅層を、一端から、その軸心方向、所定長さ分除去してなるものである。なお、銅層は、例えば、研削加工によって除去することができる。あるいは、アンモニア系等の剥離剤を用いた化学研磨によって除去することとしても構わない。
図3(a)において、導入線22の軸心方向、符号38で示す区間が被覆銅層の除去された非ジュメット線部であり、符号40で示す区間が、被覆銅層が除去されずにそのまま残っているジュメット線部である。
【0024】
すなわち、導入線22のジュメット線部40にガラス容器20を封着する(導入線22のジュメット線部40でガラス容器20を封止する)と共に、導入線22のガラス容器20内に在る部分では、可能な限り銅層を除去することとしたのである。これにより、ソーダガラスからなるガラス容器20の封止性が確保できると共に、銅と水銀とが反応して合金が形成されることによる、水銀の不必要な消耗を可能な限り低減することができることとなる。また、ガラス容器20の封着部から電極に至るごく短い間で継線(水銀と反応しにくい金属線)をする必要もないので、製造上における導入線の歩留まりが問題となることもほとんどない。
【0025】
図3(a)に、ジュメット線部40の拡大横断面を、図3(c)に非ジュメット線部38の拡大横断面をそれぞれ示す。
ジュメット線部40と非ジュメット線部40とは共通の(一本の)Ni−Fe合金からなる芯金42を有する。なお、非ジュメット線部40の芯金42の径は、上記加工精度(研削精度)の関係上、ジュメット線部40の芯金42の径よりも小さくなっている場合がある。研削加工によって、芯金42表層部を全く除去することなく銅層のみを除去することは非常に困難だからである。
【0026】
ジュメット線部40は、導入線22の素材であるジュメット線そのままであり、芯金42に銅(Cu)が被覆されてなる銅層40Aを有する。上記したように、ジュメット線は、この構成が基本となるが、本例では、銅層40Aの表面に形成された亜酸化銅層(Cu2O)40Bを有する、いわゆるオキシダイズ仕上げのジュメット線が用いられている。
非ジュメット線部38は、基本的には、Ni−Fe合金からなる芯金42のみであるが、ビードガラス28を導入線22に溶着する際や、導入線22(非ジュメット線部38)に電極34を接合する際の加熱によって必然的に形成される酸化膜で覆われていても構わない。
【0027】
なお、ジュメット線部40(ジュメット線)は、上記のものに限らず、例えば、下記の種類のものを用いることもできる。
(i)上記構成の亜酸化銅層(Cu2O)の表面に、さらにホウ砂(Na2B4O7)の薄膜を焼き付けた、いわゆるボレート仕上げのもの。
(ii)銅層の表面にNi(ニッケル)めっきを施したもの(Niめっき・ジュメット線)。Niめっき・ジュメット線を用いると、電源ユニットからの給電線の導入線への半田付けがしやすくなるといった利点がある。
【0028】
(iii)Ni−Fe合金からなる芯金に銅層が被覆されてなる基本構成のみの、いわゆるノンボレーション・ジュメット線。
なお、言うまでも無く、上記(i)〜(iii)いずれのジュメット線を用いる場合であっても、最外層から銅層((iii)の例では、銅層のみであるが)部分を除去して非ジュメット線部を形成する。
【0029】
また、ここまで示した例では、ジュメット線から銅層を除去して非ジュメット線部を形成し、導入線を作製しているが、これに限らず、Ni−Fe合金の金属線(芯金)の外周面における、軸心方向、必要な領域に銅(層)を例えばメッキしてジュメット線部を形成し、銅層を形成しない領域を非ジュメット線部として導入線を作製することとしても構わない。
【0030】
ここで、銅層をガラス容器20内にできるだけ存在させず、かつ、ガラス容器20の封着部が非ジュメット線部38に掛からないようにするためには、理想的には、ガラス容器20の内壁面と導入線22との境界が、ちょうどジュメット線部40と非ジュメット線部38との境界に位置することが好ましい。ガラス容器20の内壁面と導入線22との境界位置は、ビードガラス28の導入線22に対する軸心方向の取り付け位置(溶着位置)によって決まる。
【0031】
しかし、当該取り付け位置は、製造上の理由から若干ばらつき、必ずしも上記した理想的な状態にはならない。そこで、ガラス容器20内壁と導入線22との境界が、図3(d)に示す位置から図3(e)に示す位置にある範囲も許容するものとする。なお、図3(d)、図3(e)は、図3(a)におけるA部相当箇所の拡大図である。
ビードガラス28の上記取り付け位置は、約0.8[mm]の幅でばらつくことが経験的にわかっている。図3(d)は、ガラス容器20の内壁面と導入線22との境界位置44が、ジュメット線部40と非ジュメット線部38との境界46よりもジュメット線部40側にずれた状態を示している。当該ずれの大きさQ1は、0.3[mm]である。図3(e)は、これとは反対に、ガラス容器20の内壁面と導入線22との境界位置44が、ジュメット線部40と非ジュメット線部38との境界46よりも非ジュメット線部38側にずれた状態を示している。当該ずれの大きさQ2は、0.5[mm]である。
【0032】
図3(d)に示す状態であっても、導入線がガラス容器内部分の全長に渡って銅層を有している場合よりも、水銀の消耗を抑制することができるため一定の効果を奏する。また、図3(e)に示す場合であっても、導入線22の軸心方向、ガラス容器20が非ジュメット線部38を封着している長さが0.5[mm]と短いため、ガラス容器20と非ジュメット線部38との間における線膨張係数の不整合に起因する封止性の問題はほとんど生じない。
【0033】
また、導入線の形態は、上記のものに限らず、例えば、以下に記す<導入線の変形例1>、<導入線の変形例2>のようにすることもできる。
<導入線の変形例1>
上記実施の形態では、電極を導入線にレーザ溶接によって直接接合することとしたが、これに限らず、接合材としてろう材を用いたレーザ溶接によって接合することとしても構わない。この場合、導入線に対するビードガラスの溶着の際に、当該導入線に加わる熱の影響で芯金表面に酸化膜が生じると接合性に悪影響を及ぼす。したがって、導入線へのビードガラスの溶着に先立って、芯金(非ジュメット線部)表面にNi(ニッケル)めっきを施すことが好ましい。Ni−Fe合金よりもNiの方が、酸化膜が形成されにくいからである。
【0034】
このようにして、製作した冷陰極蛍光ランプの端部部分を図4(a)、図4(b)に示す。なお、図4(b)は、図4(a)におけるB部の拡大断面図である。また、図4(a)、図4(b)において、上記実施の形態(図3)と同様の構成要素には同じ符号を付して、その詳細な説明については省略する。
図4(a)、図4(b)に示すように、変形例1に係る導入線48における非ジュメット線部50では、芯金42の表面にNiめっきが施されて、ニッケル被膜52が形成されている。電極34は、ニッケル被膜52部分でろう材54によって、導入線48と接合されている。ろう材54には、例えば、ニッケルを用いることができる。
【0035】
なお、図示例では、非ジュメット線部50における芯金42の表面全部にニッケル被膜を形成しているが、ニッケル被膜は、必ずしも表面全部に形成する必要はなく、少なくとも電極との接合部位に形成されていれば構わない。
<導入線の変形例2>
導入線に用いるジュメット線としては、ガラス容器の封着性等を考慮した場合、上記オキシダイズ仕上げのものが最適である。しかし、ガラス容器外部での、電源ユニットからの給電線の半田付けを考慮した場合、亜酸化銅ではその接合性が若干劣る。そこで、ジュメット線部に、良好な接合性が得られる金属線を継線して導入線を構成することとしても構わない。当該金属線としては、例えば、Ni(ニッケル)線を用いることができる。
【0036】
図4(c)は、そのようにして構成した変形例2に係る導入線56を示す図である。なお、図4(c)において、上記実施の形態(図3)と同様の構成要素には同じ符号を付して、その詳細な説明については省略する。
図4(c)に示すように、導入線56は、ジュメット線部58のガラス容器26外部側端部に接合してなる金属線60からなる継線部62を有する。金属線60のジュメット線部58との接合は、例えば、抵抗溶接によってなされ、符号62Aで示すのは、その溶接痕である。なお、ジュメット線部58と非ジュメット線部38の合計全長が約3[mm]であり、金属線60の全長が例えば約5[mm]と両接合部材とも、比較的長いため、両者の接合(溶接)は比較的容易に行えるので問題はない。
【0037】
なお、図示例の導入線56では、ガラス容器26の封着部のみをジュメット線部58としたが、これに限らず、ジュメット線部58をさらにガラス容器26側に延長して構成することとしても構わない。
図2に戻り、同図(a)、(b)に示すように、ガラス容器20の第1封止部側の、境界部(蛍光体層32が存在する領域と不存在の領域との境界)64から電極34の根元までの距離b1と、境界部66から電極36の根元までの距離b2とで、b2はb1より長くなっている(b2>b1)。ここでいう、電極の根元とは、導入線22(24)に固着されている電極34(36)の付け根部分の意味である。
【0038】
なお、蛍光体層32以外の電極34,36、導入線22,24といった部材の位置は左右対称に設けられているので、結果として、境界部64(66)から導入線22(24)の外側端部までの距離c1,c2とを比べると、c2はc1より長くなっている(c2>c1)。
また、境界部64から第1封止部側端部までの距離(蛍光体層不存在領域の長さ)a1と、境界部66から第2封止部側端部までの距離a2とを比べると、a2はa1より長くなっている(a2>a1)。
【0039】
これらの寸法は、例えば次の通りである。
a1=8.0mm、a2=10.0mm、b1=5.0mm、b2=7.0mm、c1=14.0mm、c2=16.0mm
上記したようにb1とb2の大きさを異ならせた理由について、以下に説明する。
蛍光ランプのガラス容器の内面には、上記したように蛍光体膜が形成されている。ガラス容器の長手方向において、この蛍光体膜の厚みは不均一となっている。バックライトに用いられる蛍光ランプは、管内径が1.4〜7mm、肉厚が0.2〜0.6mm程度と細いタイプであるため、特に、蛍光体膜の厚みが不均一となりやすい。
【0040】
すなわち、ガラス容器の長手方向において、蛍光体膜の膜厚が一方側が厚く他方側が薄いという関係となっている。係る膜厚の差は点灯時に輝度差として表出し、輝度ムラの原因となり得る。
このため、直下方式のバックライトユニットでは、隣接する蛍光ランプ間で長手方向の向きを交互にした状態で、筐体内に収納することで輝度ムラの抑制を図っている。
【0041】
ここで、「交互に」とは、隣り合うランプ12間で第1封止部と第2封止部とが反対方向になっているという意味である。図1、図2および後掲する図6、図7、図10においては、ランプ12の第1封止部と第2封止部とをそれぞれ四角囲みの数字で「1」、「2」と区別している。
従来のバックライトユニットの製造方法においては、作業者が、ランプの一方にのみ設けられた識別マーク(ロットNo等)を一本一本目視で確認して、長手方向の向きを識別し筐体内に配置している。
【0042】
しかしながら、係る従来の識別用マークを用いる方法では、識別用マークを付するための工程やその設備が必要となりコスト高を招くという問題がある。
また、従来の長手方向の向きを識別する方法は、作業の自動化に適しているとは言い難い。
そこで、直下方式のバックライトユニットの製造方法において、識別マークを付するための工程や設備が不要であり、簡単な方法で蛍光ランプの長手方向の向きを自動的に識別することを可能にするために上記b1とb2の大きさを異ならせることとしたのである。
【0043】
すなわち、冷陰極蛍光ランプ12は、上記したようにb2がb1より大きいため、b2またはb1の一方を対象として所定範囲内に収まっているかをセンサを用いて検出したり、b2及びb1の距離をセンサを用いて検出して両者の差を求めたりすることにより、ランプ12(ガラス容器20)の長手方向の向きを識別することが可能となる。識別マークを付するための工程や設備が不要となり製造コストを抑えることも可能となる。
【0044】
また、蛍光体膜32はガラス容器20の全周に形成されているため、ガラス容器20の周回方向(回転方向)に関わらず、一方向から検出することができ、センシングの設備構成を簡素化できる。
さらに、蛍光体層の不存在領域と存在領域との境界と、電極や導入線といったランプの構成部品との距離を検出に利用するため、ランプが一般的に備える構成部品を向き識別に有効に活用することができる。
【0045】
なお、c1,c2またはa1,a2もそれぞれ距離が異なっているため同様に検出及び識別に利用することが可能である。
[液晶表示装置の構成]
次に、バックライトユニット2を、液晶表示装置の一例として示す液晶テレビに用いた例を示す。
【0046】
図5は、当該液晶テレビ200を、その前面の一部を切り欠いた状態で示す図である。図5に示す液晶テレビ200は、液晶表示パネル202およびバックライトユニット2等を備える。
液晶表示パネル202は、カラーフィルター基板、液晶、TFT基板等からなり、外部からの画像信号に基づき、駆動モジュール(不図示)で駆動されて、カラー画像を形成する。
【0047】
バックライトユニット2の外囲器4は、液晶表示パネル202の背面に設けられ、背面から液晶表示パネル202を照射する。
冷陰極蛍光ランプ12を点灯するためのインバータ204は、液晶テレビ200の筐体206内であって、外囲器4の外に配されている。
[冷陰極蛍光ランプの製造方法]
次に、上記構成を有する冷陰極蛍光ランプ12の製造方法の内、特に蛍光体層の形成や両封止部の形成に関わる工程について詳述する。
【0048】
図6,図7は冷陰極蛍光ランプ12の製造工程を示す図である。
まず、準備した直管状のガラス管68を垂下させてタンク内の蛍光体懸濁液に浸す。ガラス管68内を負圧にすることで、タンク内の蛍光体懸濁液を吸い上げ、ガラス管68内面に蛍光体懸濁液を塗布する[工程A]。この吸い上げは光学的センサ70により液面を検出することで、液面がガラス管の所定高さになるように設定される。このときの液面高さの誤差は、蛍光体懸濁液の粘度や液面の表面張力等の影響を受けるため比較的大きく、±0.5mm程度の誤差が生じる。
【0049】
次に、ガラス管68内に塗布された蛍光体懸濁液を乾燥させた後に、ガラス管68内面にブラシ72を挿入して、ガラス管68端部の不要な蛍光体分を除去する[工程B]。
続いて、ガラス管68を不図示の加熱炉内に移送して焼成を行い、蛍光体膜32を得る。
その後、蛍光体膜32が形成されたガラス管68に、電極36、ビードガラス30を含む電極ユニット74を挿入した後、仮止めを行う[工程C]。仮止めとは、ビードガラス30が位置するガラス管68の外周部分をバーナー76で加熱して、ビードガラス30の外周の一部をガラス管68内周面に固着することをいう。ビードガラス30の外周の一部しか固着しないので、ガラス管68の管軸方向の通気性は維持される。なお、この場合の加熱温度は、ガラス管68外周表面において約700℃である。
【0050】
次に、反対側からガラス管68に、電極34、ビードガラス28を含む電極ユニット78を挿入した後、ビードガラス28が位置するガラス管68の外周部分をバーナー79で加熱し、ガラス管68を封着して気密封止(第1封止)する[工程D]。この場合の加熱温度は、ガラス管68の外周表面において約1100℃である。また、第1封止における封止位置の設定値から誤差は高々0.5mm程度である。
【0051】
工程Cにおける電極ユニット74の挿入位置及び工程Dにおける電極ユニット78の挿入位置は、封止後のガラス容器20の両端部からそれぞれ延びる蛍光体層不存在領域の長さが、異なるような位置に調整される。第1封止部側の電極ユニット78は、第2封止部側の電極ユニット74と比べて、蛍光体膜32に重なる位置のより奥にまで挿入されることとなる。
【0052】
続いて、ガラス管68の、電極36よりも端部寄りの一部をバーナー80で加熱して、くびれ部分68Aを形成した後、水銀ペレット82をガラス管68に投入する[工程E]。水銀ペレット82は、チタン−タンタル−鉄の焼結体に水銀を含浸させたものである。
続く工程Fでは、ガラス管68内の排気とガラス管68内への希ガスの充填を行う。具体的には、図示しない給排気装置のヘッドをガラス管68の水銀ペレット82側端部に装着し、先ず、ガラス管68内を排気して真空にすると共に、図示しない加熱装置によってガラス管68全体を外周から加熱する。この場合の加熱温度は、ガラス管68の外周表面において約380℃である。これによって、蛍光体膜32に潜入している不純ガスを含めガラス管68内の不純ガスが排出される。加熱を止めた後、所定量の希ガスが充填される。
【0053】
希ガスが充填されると、ガラス管68の水銀ペレット82側端部をバーナー84で加熱して封止する[工程G]。
続いて、図7に示す工程Hでは、水銀ペレット82をガラス管68周囲に配された高周波発振コイル(不図示)によって誘導加熱して水銀を前記焼結体から追い出す(水銀出し工程)。その後、ガラス管68を加熱炉86内で加熱して、追い出した水銀を第1封止部側の電極34の方へ移動させる。
【0054】
次に、ビードガラス30が位置するガラス管68外周部分をバーナー88で加熱して、ガラス管68を封着して気密封止(第2封止)する[工程I]。この場合の加熱温度は、ガラス管68外周において約350℃である。第2封止における封止位置の設定値から誤差は、第1封止と同様に0.5mm程度である。
続いて、ガラス管68の、上記第2封止部分よりも水銀ペレット82側の端部部分を切り離す[工程J]。
[バックライトユニットの製造方法]
次に、バックライトユニットの製造工程において、特にランプの方向の検出に関わる工程について図8を用いて説明する。
【0055】
図8(a)は、ランプフィーダ90を模式的に示す図である。図8(b)は、ランプの方向合わせ工程を示す図である。図8(c)は、ランプの筐体6内への設置工程を示す図である。
ランプフィーダ90は、台座92にランプ12を1本ずつ供給する装置である。
台座92は、ランプ12が設置されるための溝92aを有し、また台座を360度回転させる機構を備えている。
【0056】
溝92a内には、ランプ12設置されており、このランプ12の両端部に対応する位置の上方には、センサ94a,94bが配置されている。このセンサはランプの一方側の端部にだけ配置しても構わない。
センサ94a,94bは例えば光学式センサの一種である画像センサであり、上記a2、a1を検出することによりランプの方向を検出する。
【0057】
センサ94a,94bにより検出されたランプの長手方向の向きに対応して、台座92を回転させることによりランプの向き合わせを行うこととなる。
向き合わせされたランプ12は、導入線22(24)を不図示の把持部材に把持されて、隣接するランプ12間で長手方向の向きが反対になるようにソケット96に嵌め込まれることとなる。
【0058】
図8(c)に示すように、筐体6の反射面10には、ランプ12の取り付け位置に対応する位置に、それぞれ一組のソケット96が配置されている。
ソケット96は、導電性であり、例えば、ステンレス、りん青銅等の板材を折り曲げて形成したものである。そして、各ソケット96は、挟持板96a,96bとそれら挟持板96a,96bを下端縁で連結する連結片96cと、連結片96cから突出した接続板96dとからなる。
【0059】
挟持板96a,96bには、ランプ12の外径に合わせた凹部が設けられている。
接続板96dは、連結片96cから筐体6の外側方向に延びた後、所定高さまで斜めに延び、再び筐体6の外側方向に延びている。接続板96dの自由端部には、導入線の外径に合わせた例えばV字状の凹部が形成されている。
挟持片96a,96bの凹部内にランプ12の端部をはめ込むことにより、挟持板96a,96bの板ばね作用によってランプ12がソケット96に保持される。同時に、ランプ12の導入線22,24を接続板96d自由端部の凹部にはめ込むことで、凹部の板ばね作用により、導入線22,24が接続板96dに物理的に接続されると共に、電気的にも接続される。
【0060】
ここで、長手方向の識別が可能な、蛍光体膜の形成されたガラス容器は、上記のものに限らず、例えば、以下に記す<蛍光体膜の形成されたガラス容器の変形例1>、<蛍光体膜の形成されたガラス容器の変形例2>、<蛍光体膜の形成されたガラス容器の変形例3>のようにすることもできる。
<蛍光体膜の形成されたガラス容器の変形例1>
方向合わせの精度をより向上させるために、ガラス容器20の蛍光体膜32が形成された領域から外れた外周の位置に、長手方向の向きに関する識別用のマークを印刷する構成を取ることが考えられる。以下、変形例1として説明する。
【0061】
図9に、識別用のマークが印刷されたガラス容器20aを示す。図9(b)は、図9(a)のC−C線における断面図である。
ガラス容器20aの端部外周には、識別用の3個のマーク98a,98b,98cが形成されている。
マーク98a,98b,98cは、ガラス容器20aの長手方向における位置が互いに略等しい。
【0062】
なお、マーク98a,98b,98cは、第1封止部側に形成するよりも、より蛍光体層不存在領域の長い第2封止部側の端部外周に形成する方が好ましい。
マーク98a〜98cは例えばスクリーン印刷により形成されたものである。なお、スクリーン印刷に替えて、グラビア印刷やインクジェット印刷を用いてもよい。
このような、識別用のマーク98a〜98cが形成されたガラス容器20aを用いれば、例えば、境界部64からマーク98a〜98cまでの距離を検出することにより、長手方向の向き識別が可能である。
【0063】
また、マーク98a〜98cのそれぞれの中心部(要部)は、ガラス容器20aの横断面を見た場合において、ガラス容器の中心点Oから略120度の等間隔を空けた位置となっている。このように、マーク98a〜98cは、ガラス容器20aの周回方向(回転方向)に関わらず、マークの測定対象部位が見える位置関係にあるため、確実に一方向からセンサを用いてマーク98a〜98cのいずれかを検出することが可能である。
【0064】
なお、マーク98a〜98cとして、文字を印刷しても構わない。その文字の印刷方向はガラス容器20aの長手方向であってもよいし、ガラス容器の周回方向でもよい。また文字として、ロットナンバーを印刷しても構わない。
<蛍光体膜の形成されたガラス容器の変形例2>
また、ガラス容器内周(内面)の蛍光体膜を一部残し、残部分を長手方向の向き識別用マークとして用いてよい。以下、変形例2として説明する。
【0065】
図10に示すように、ガラス容器20bの第2封止部側には、蛍光体膜32とは別に、蛍光体膜33が形成されている。蛍光体膜33は、電極34,36間の放電領域から外れた領域に位置しているため、発光には実質的に寄与しない蛍光体膜である。
本変形例では、例えば、境界66と蛍光体膜33との距離a3を検出に用いることができる。また、識別用マークが蛍光体膜であるため、紫外線の照射による発光を検出に利用でき、簡易な構成のセンサを用いることができる。
【0066】
<蛍光体膜の形成されたガラス容器の変形例3>
ガラス容器に識別用マークを別途付さずとも、元々ランプが備えている構成部材に工夫を施すことで、長手方向の向きの識別を実現できる。以下、変形例3として説明する。
図11は、変形例3に係るガラス容器20の概略構成を示す模式図であり、図11(a)(b)では、ガラス容器20と蛍光体層32を断面で示し、導入線22a,電極34は外観を示している。また、図11(c)では、電極34も形状がわかるよう断面で示している。なお、図11においては、図2と同様の構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0067】
図11(a)の例では、方向識別に用いるための、ビードガラス28に着色が施されている(図中、斜線は着色を示している)。
この場合、境界64とビードガラス28の境界64から遠い側との距離d、境界64とビードガラス28の境界64に近い側との距離eを検出に用いることができる。ビードガラスへの着色は、ガラス容器外周へのマーキングに比べて消えにくく、また色を鮮明にすることができるのでセンサ精度を向上させることができる。
【0068】
図11(b)の例では、円筒形をした電極34中央下部の周回方法にマーク100が付されている。この例では、境界64とリング状をしたマーク100との距離fを検出に用いることができる。マーク100は、ガラス容器20の回転方向に関わらずどの方向からも確認可能であり、センシングの設備構成を簡素化できる。
図11(c)の例では、電極34aは、有底筒状の電極34とは形状が異なり、両端が開口した筒状である。このように、用いることができる電極の形状は有底筒状に限らず、筒状、棒状であっても構わない。
【0069】
電極34aは、開口部分の端部において、導入線22aの頭部をかしめて固定されている。
また、導入線22aの周回方向にマーク102が付されている。この例では、境界64とマーク102との距離gを検出に用いることができる。マーク102も、マーク100と同様にガラス容器20の回転方向に関わらずどの方向からも確認可能である。
[その他の事項]
(1)電極について
上記実施の形態では、電極に、有底筒状をしたホロー型を用いたが、電極の形状はこれに限らず、例えば、短冊板状(板状電極)や円柱状(棒状電極)としても構わない。
【0070】
(2)導入線について
(i)非ジュメット線部は、その外周が、例えばセラミックス等からなる絶縁膜で被覆されてなるものとしても構わない。このようにすることにより、特に電極を上記(1)に記す板状電極や棒状電極とした場合に発生し易い、導入線(非ジュメット線部)へのスパッタリングを抑制することができる。
【0071】
(ii)上記実施の形態では、ジュメット線から銅層を除去して非ジュメット線部が創出された導入線にビードガラスを溶着することとしているが、ジュメット線にビードガラスを溶着して後、当該ジュメット線から銅層を除去して非ジュメット線部を創出することとしても構わない。
(3)ガラス容器の封着について、
上記実施の形態では、ビードガラスを用いてガラス容器を封着することとしたが、これに限らず、例えば、以下のようにしても構わない。すなわち、ガラス管68(図6)の一部を、導入線に直接溶着させる、いわゆるピンチシール法によって封着することとしても構わない。
【0072】
(4)ガラス容器を形成するガラス材料の添加物について
ガラスに遷移金属の酸化物をその種類によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。具体的には、例えば酸化チタン(TiO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収し、組成比率2[mol%]以上ドープすることにより313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化チタンを組成比率5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまうため、組成比率0.05[mol%]以上5.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0073】
また、酸化セリウム(CeO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化セリウムを組成比率0.05[mol%]以上0.5[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。なお、酸化セリウムに加えて酸化スズ(SnO)をドープすることにより、酸化セリウムによるガラスの着色を抑えることができるため、酸化セリウムを組成比率5.0[mol%]以下までドープすることができる。この場合、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]以上ドープすれば313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、この場合においても酸化セリウムを組成比率が5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまう。
【0074】
また、酸化亜鉛(ZnO)の場合は、組成比率2.0[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化亜鉛を組成比率20[mol%]より多くドープした場合、ガラスが失透してしまうおそれがあるため、酸化亜鉛を2.0[mol%]以上20[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0075】
また、酸化鉄(Fe2O3)の場合は、組成比率0.01[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化鉄を組成比率2.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化鉄を組成比率0.01[mol%]以上2.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0076】
また、ガラス中の水分含有量を示す赤外線透過率係数は、0.3以上1.2以下の範囲、特に0.4以上0.8以下の範囲となるように調整することが好ましい。赤外線透過率係数が1.2以下であれば、長尺の冷陰極蛍光ランプのような高電圧印加ランプに適用可能な低い誘電正接を得やすくなり、0.8以下であれば誘電正接が十分に小さくなって、さらに高電圧印加ランプに適用可能となる。
【0077】
なお、赤外線透過率係数(X)は下式で表すことができる。
[数式1]X=(log(a/b))/t
a:3840[cm−1]付近の極小点の透過率[%]
b:3560[cm−1]付近の極小点の透過率[%]
t:ガラスの厚み
(5)蛍光体層不存在領域の長さの差について
上述したように、ランプ12の製造工程においては、ガラス管の蛍光体懸濁液の液面の検出誤差が最大±0.5mm、第1及び第2封止部の封止時における誤差それぞれ最大で0.5mm程度が見込まれる。
【0078】
また、センサとして200万画素の画像センサを用いれば、1画素を0.1mmに設定することが可能であるため、0.1mm単位での測定精度を実現できる。
これらの事情を考慮すれば、ガラス容器の一端部側と他端部側とで、蛍光体層不存在領域の長さの差が少なくとも2mm以上あれば、確実にセンサを用いて長手方向の向きを識別することができる。
【0079】
(6)保護層について
上記実施の形態においては、ガラス容器の内面に、水銀消耗を防止等を目的とした保護層(保護膜)を有さない蛍光ランプについて説明したが、係る保護層を有する蛍光ランプとすることもできる。
具体的には、ガラス容器の一端部から延びる保護層不存在領域と、他端部から延びる保護層不存在領域を異ならせ、両者の差異をセンサを用いて検出することで、ガラス容器の長手方向の向きを識別可能である。すなわち、ガラス容器の内面に形成された層状の物質であれば、蛍光体層に限らず保護層も利用することができる。
【0080】
(7)ランプ形状
実施の形態では、ランプ形状を直管状とした(図2)。しかしながら、本発明は、「U」字状、「コ」字状、あるいは、「L」字状をしたランプにも適用可能である。
(8)蛍光体
蛍光体層32を構成する蛍光体も上記のものに限らない。以下に記すように、種々の観点から適宜選択し得るものである。
【0081】
(i)紫外線吸収について
例えば、近年、液晶カラーテレビの大型化に伴って、バックライトユニットの開口を塞ぐ拡散板に寸法安定性の良いポリカーボネートが使用されるようになっている。このポリカーボネートは、水銀が発する313(nm)の波長の紫外線により劣化しやすい。このような場合には、波長313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体を利用すると良い。なお、313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体としては、以下のものがある。
【0082】
(a)青色
ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1−x−ySrxEuyMg1−zMnzAl10O17]又は[Ba1−x−ySrxEuyMg2−zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0≦z<0.1なる条件を満たす数であるであることが好ましい。
【0083】
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+]、[BaMgAl10O17:Eu2+] (略号:BAM−B)や、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al16O27:Eu2+]、[(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+](略号:SBAM−B)等がある。
【0084】
(b)緑色
・マンガン不活マグネシウムガレート[MgGa2O4:Mn2+](略号:MGM)
・マンガン付活アルミン酸セリウム・マグネシウム・亜鉛[Ce(Mg,Zn)Al11O19:Mn2+](略号:CMZ)
・テルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl11O19:Tb3+](略号:CAT)
・ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1−x−ySrxEuyMg1−zMnzAl10O17]又は[Ba1−x−ySrxEuyMg2−zMnzAl16O27]
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0.1≦z≦0.6なる条件を満たす数であり、zは0.4≦x≦0.5であることが好ましい。
【0085】
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al16O27:Eu2+,Mn2+]、[BaMgAl10O17:Eu2+,Mn2+](略号:BAM−G)や、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al16O27:Eu2+,Mn2+]、[(Ba,Sr)MgAl10O17:Eu2+,Mn2+](略号:SBAM−G)等がある。
【0086】
(c)赤色
・ユーロピウム付活リン・バナジン酸イットリウム[Y(P,V)O4:Eu3+](略号:YPV)
・ユーロピウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Eu3+](略号:YVO)
・ユーロピウム付活イットリウムオキシサルファイド[Y2O2S:Eu3+](略号:YOS)
マンガン付活フッ化ゲルマン酸マグネシウム[3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+](略号:MFG)
・ジスプロシウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Dy3+](赤と緑の2成分発光蛍光体であり、略号:YDS)
なお、一種類の発光色に対して、異なる化合物の蛍光体を混合して用いても良い。例えば、青色にBAM−B(313nmを吸収する。)のみ、緑色にLAP(313nmを吸収しない。)とBAM−G(313nmを吸収する。)、赤色にYOX(313nmを吸収しない。)とYVO(313nmを吸収する。)の蛍光体を用いても良い。このような場合は、前述のように波長313(nm)を吸収する蛍光体が、総重量組成比率で50%より大きくなるように調整することで、紫外線がガラス管外に漏れ出ることをほとんど防止できる。したがって、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体層32に含む場合には、上記のバックライトユニットの開口を塞ぐポリカーボネート(PC)からなる拡散板等の紫外線による劣化が抑制され、バックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
【0087】
ここで、「313(nm)の紫外線を吸収する」とは、254(nm)付近の励起波長スペクトル(励起波長スペクトルとは、蛍光体を波長変化させながら励起発光させ、励起波長と発光強度をプロットしたものである。)の強度を100(%)としたときに、313(nm)の励起波長スペクトルの強度が80(%)以上のものと定義する。すなわち、313(nm)の紫外線を吸収する蛍光体とは、313(nm)の紫外線を吸収して可視光に変換できる蛍光体である。
【0088】
(ii)高色再現について
液晶カラーテレビで代表される液晶表示装置では、近年における高画質化の一環としてなされる高色再現化に伴い、当該液晶表示装置のバックライトユニットの光源として用いられる冷陰極蛍光ランプや外部電極蛍光ランプにおいて、再現可能な色度範囲の拡大化の要請がある。
【0089】
このような要請に対して、例えば、以下の蛍光体を用いることで、実施の形態での蛍光体を用いる場合よりも、色度範囲の拡大を図ることができる。具体的には、CIE1931色度図において、高色再現用の当該蛍光体の色度座標値が、実施の形態で使用した3つの蛍光体の色度座標値を結んでできる三角形を含んで色再現範囲を広げる座標に位置する。
【0090】
(a)青色
・ユーロピウム付活ストロンチウム・クロロアパタイト[Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SCA)、色度座標:x=0.151、y=0.065
上記以外に、ユーロピウム付活ストロンチウム・カルシウム・バリウム・クロロアパタイト[(Sr,Ca,Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+](略号:SBCA)も使用でき、上記波長313(nm)の紫外線も吸収できるSBAM−Bも高色再現用に使用できる。
【0091】
(b)緑色
・BAM−G、色度座標:x=0.139、y=0.574
・CMZ、色度座標:x=0.164、y=0.722
・CAT、色度座標:x=0.267、y=0.663
なお、これらは上述したように、波長313(nm)の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、MGMも高色再現用に使用することもできる。
【0092】
(c)赤色
・YOS、色度座標:x=0.651、y=0.344
・YPV、色度座標:x=0.658、y=0.333
・MFG、色度座標:x=0.711、y=0.287
なお、これらは上述したように、波長313(nm)の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、YVO、YDSも高色再現用に使用することもできる。
【0093】
また、上記で示した色度座標値は各々の蛍光体の粉体のみで測定した代表値であり、測定方法(測定原理)等に起因して、各蛍光体の粉体が示す色度座標値は、上掲した値と若干異なる場合があり得る。参考として上記実施の形態1の各蛍光体の粉体の色度座標値は、YOX(x=0.644、y=0.353)、LAP(x=0.351、y=0.585)、BAM−B(x=0.148、y=0,056)で構成されている。
【0094】
さらに、赤、緑、青の各色を発光させるために用いる蛍光体は各波長につき1種類に限らず、複数種類を組み合わせて用いることとしても良い。
ここで、上記の高色再現用の蛍光体粒子を用いて蛍光体層を形成した場合について説明する。ここでの評価は、CIE1931色度図内においてNTSC規格の3原色の色度座標値を結ぶNTSC三角形(NTSCtriangle)の面積を基準とした、高色再現用の蛍光体を用いた場合の3つの色度座標値を結んできる三角形の面積の比(以下、NTSC比という。)で行なう。
【0095】
例えば、青色としてBAM−B、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例1)NTSC比が92(%)となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例2)NTSC比が100(%)となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYOXを用いると(例3)、NTSC比が95(%)となり、例1及び2に比べて輝度を10(%)向上させることができる。
【0096】
なお、ここでの評価に用いた色度座標値は、ランプ等が組み込まれた液晶表示装置とした状態で測定したものである。
(9)ランプ種類
上記実施の形態では、本発明を冷陰極蛍光ランプに適用した例を用いて説明したが、本発明は、蛍光ランプに限らず、冷陰極紫外線ランプに適用することも可能である。すなわち、上記実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプの構成から蛍光体膜を除去し(蛍光体膜を形成しないこととし)、冷陰極紫外線ランプとして構成したものに適用しても構わない。紫外線ランプは、紫外線を被照射物に照射し、当該被照射物の殺菌等に用いられる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明に係る冷陰極放電ランプは、例えば、液晶ディスプレイ装置に組み込まれるバックライトユニットの光源として好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施の形態に係る直下方式のバックライトユニットの構成を示す概略斜視図である。
【図2】図2(a)は、冷陰極蛍光ランプの概略構成を示す一部切欠図である。図2(b)は、ガラス容器において、蛍光体膜が形成された領域を示す模式図である。図2(c)は、電極の断面図である。
【図3】図3(a)は、上記冷陰極蛍光ランプの一方の端部部分を示す拡大断面図である。図3(b)は、導入線におけるジュメット線部の横断面図であり、図3(c)は、導入線における非ジュメット線部の横断面図である。なお、図3(d)、図3(e)は、図3(a)におけるA部相当箇所の拡大図である。
【図4】図4(a)は、導入線の変形例1を示す図であり、図4(b)は、図4(a)におけるB部に拡大断面図である。図4(c)は、導入線の変形例2を示す図である。
【図5】液晶テレビの概略構成を示す斜視図である。
【図6】冷陰極蛍光ランプの製造工程を示す図である。
【図7】冷陰極蛍光ランプの製造工程を示す図である。
【図8】図8(a)は、ランプフィーダを模式的に示す図、図8(b)は、ランプの向き合わせ工程を示す図、図8(c)は、ランプの筐体内への設置工程を示す図である。
【図9】変形例1に係るガラス容器を示す図であり、図9(a)は、識別用のマークが印刷されたガラス容器を示す図である。図9(b)は、図9(a)のC−C線における断面図である。
【図10】変形例2に係るガラス容器を示す図である。
【図11】変形例3に係るガラス容器の概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0099】
2 バックライトユニット
12 冷陰極蛍光ランプ
20 ガラス容器
22,24,48,56 導入線
34,36 電極
38,50 非ジュメット線部
40,58 ジュメット線部
52 ニッケル被膜
200 液晶テレビ
202 液晶パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーダガラスからなり、両端が封着された管状のガラス容器と、
前記ガラス容器の端部を貫通する導入線と、
前記導入線の前記ガラス容器内側端部に接合された電極と、
前記ガラス容器に封入された水銀と、
を有する冷陰極放電ランプであって、
前記導入線は、Ni−Fe合金からなる芯金に同心円形に銅が被覆されてなるジュメット線部と銅が被覆されていない非ジュメット線部とを、前記芯金の軸心方向に設けた構成であり、
前記ガラス容器に前記ジュメット線部が封着されており、前記非ジュメット線部は当該ジュメット線部からガラス容器内側へ延出されていて、前記電極が当該非ジュメット線部に接合されていることを特徴とする冷陰極放電ランプ。
【請求項2】
前記非ジュメット線部は、その外表面の少なくとも一部にNiめっき被膜を有しており、
前記電極が、前記Niめっき被膜の形成部位において前記非ジュメット線部とろう付けにより接合されていることを特徴とする請求項1記載の冷陰極放電ランプ。
【請求項3】
前記ジュメット線部は最外層としてNi被覆層を有することを特徴とする請求項1記載の冷陰極放電ランプ。
【請求項4】
光源として、請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷陰極放電ランプを有することを特徴とするバックライトユニット。
【請求項5】
液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの背面に配された請求項4に記載のバックライトユニットと、
を備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項1】
ソーダガラスからなり、両端が封着された管状のガラス容器と、
前記ガラス容器の端部を貫通する導入線と、
前記導入線の前記ガラス容器内側端部に接合された電極と、
前記ガラス容器に封入された水銀と、
を有する冷陰極放電ランプであって、
前記導入線は、Ni−Fe合金からなる芯金に同心円形に銅が被覆されてなるジュメット線部と銅が被覆されていない非ジュメット線部とを、前記芯金の軸心方向に設けた構成であり、
前記ガラス容器に前記ジュメット線部が封着されており、前記非ジュメット線部は当該ジュメット線部からガラス容器内側へ延出されていて、前記電極が当該非ジュメット線部に接合されていることを特徴とする冷陰極放電ランプ。
【請求項2】
前記非ジュメット線部は、その外表面の少なくとも一部にNiめっき被膜を有しており、
前記電極が、前記Niめっき被膜の形成部位において前記非ジュメット線部とろう付けにより接合されていることを特徴とする請求項1記載の冷陰極放電ランプ。
【請求項3】
前記ジュメット線部は最外層としてNi被覆層を有することを特徴とする請求項1記載の冷陰極放電ランプ。
【請求項4】
光源として、請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷陰極放電ランプを有することを特徴とするバックライトユニット。
【請求項5】
液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの背面に配された請求項4に記載のバックライトユニットと、
を備えることを特徴とする液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−166053(P2008−166053A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−352466(P2006−352466)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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