説明

凍結防止剤散布車

【課題】一般道路を他の走行車両と同様な走行速度で走行しながら凍結防止剤を均一に散布することのできる凍結防止剤散布車を提案すること。
【解決手段】凍結防止剤散布車1は、凍結防止剤を収容するホッパー5と、車両後方を向く状態に配置されているスパウト13を所定の揺動角度で車幅方向に揺動させることにより、ホッパー5の落下口5aから落下する凍結防止剤を車両後方に向けて所定の角度範囲に亘って散布するスパウト揺動式散布機構6と、ホッパー5の落下口5aの開度を全閉から全開までの間で調整可能なシャッター機構24と、スパウト13から散布される凍結防止剤の散布量を車速に応じて調整するために、シャッター機構24を駆動制御して落下口5aの開度を車速に応じて調整するコントローラー8とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車速に影響されることなく散布対象の路面に対して均一に凍結防止剤を散布することのできる凍結防止剤散布車に関する。
【背景技術】
【0002】
路面などに凍結防止剤を散布する凍結防止剤散布車としては、特許文献1に開示されているように、散布車の後端に水平に取り付けた回転円盤の遠心力により周囲の路面に凍結防止剤を散布するものが知られている。また、凍結防止剤散布車は走行しながら凍結防止剤を散布するので、定量散布の場合には走行速度の増加に伴って単位面積当たりの散布量が減少してしまう。したがって、特許文献2に開示の散布作業車のように、回転する散布羽根による散布量を車速に応じて自動調節することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−161471号公報
【特許文献2】特開2004−329067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1、2に開示の回転円盤式の散布機構は、回転円盤を中心として扇状に凍結防止剤を均一に散布することができるが、散布範囲が狭いので低速走行しながら凍結防止剤を散布する必要がある。このため、一般道路を走行しながら凍結防止剤を散布する場合には交通の流れを阻害し渋滞の原因になるので、走行時間帯が限られるなど、一般道路に凍結防止剤を散布するには適していない。
【0005】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、一般道路を他の走行車両と同様な走行速度で走行しながら凍結防止剤を均一に散布することのできる凍結防止剤散布車を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、走行しながら車両後方に向けて凍結防止剤を散布する凍結防止剤散布車であって、
凍結防止剤を収容するホッパーと、
車両後方を向く状態に配置されているスパウトを所定の揺動角度で車幅方向に揺動させることにより、前記ホッパーの落下口から落下する凍結防止剤を車両後方に向けて所定の角度範囲に亘って散布するスパウト揺動式散布機構と、
前記ホッパーの前記落下口の開度を全閉から全開までの間で調整可能なシャッター機構と、
前記スパウトから散布される凍結防止剤の散布量を車速に応じて調整するために、前記シャッター機構を駆動制御して前記落下口の開度を前記車速に応じて調整するコントローラーとを有していることを特徴としている。
【0007】
本発明の凍結防止剤散布車は、車幅方向に揺動するスパウトによって凍結防止剤を散布する。したがって、スパウトの揺動角度を適切に設定しておけば、散布対象の路面に対してその幅方向の全体に均一に凍結防止剤を散布することができる。また、車速に応じてシャッター機構によるホッパーの落下口の開度が増減するので、走行路面に対する単位面積当たりの散布量が低速走行時および高速走行時のいずれにおいても同一となるようにすることができる。したがって、本発明によれば一般道路に凍結防止剤を散布するのに適した凍結防止剤散布車が得られる。
【0008】
ここで、本発明の凍結防止剤散布車の前記コントローラーは、前記車速が予め定めた散布開始速度に達するまでは、前記落下口を全閉状態に保持すると共に前記スパウトを停止状態に保持することを特徴としている。走行速度が所定の速度に満たない徐行運転状態、例えば、5km/h以下の走行状態では例えば歩行者の歩行速度と略同一であり、このような状態でスパウトを左右に揺動させながら散布動作を行うことは危険である。本発明では徐行運転状態では散布動作が行われないので、作業員などが左右に揺動するスパウトなどに当ってけがをするなどの危険性を回避することができる。
【0009】
また、本発明の凍結防止剤散布車では、運転室内に散布操作パネルが配置されており、この散布操作パネルには、自動散布モードおよび手動散布モードを選択的に指定するためのボタン、散布のスタートおよびストップを入力設定するためのボタン、凍結防止剤の単位面積当りの散布量を入力設定するためのボタン、ならびに、前記ホッパー内の凍結防止剤が規定量以下になった時に点灯するランプが配列されている。コントローラーは、自動散布モードが指定されている場合には、散布対象面の単位面積当たりの散布量が一定となるように、車速の増加に応じて落下口の開度を増加させる車速同調自動散布制御を行い、手動散布モードが指定されている場合には、落下口の開度を入力設定された開度に固定する定量散布制御を行う。
【0010】
このように、運転室内において散布操作パネル上のボタン操作を行うことにより散布動作、散布量などを制御することができるので、いわゆるワンマン散布作業を容易に行うことができるので便利である。
【0011】
ここで、手動散布モード時の凍結防止剤の散布量の入力設定は、ホッパーの落下口の開度が全閉の場合を0%、全開の場合を100%とした場合のパーセント値により行うことができる。このようにシャッター開度の程度によって散布量を指定すれば、実際の単位面積当たりの散布量の値を入力する場合に比べて、直感的に散布量の多寡を認識できるのでオペレーターにとって便利であり、散布量の設定ミスを防止できる。また、自動散布モードでは、凍結防止剤の散布量を単位面積当りの散布量を入力することにより設定することができる。例えば、自動散布モード時の凍結防止剤の散布量の入力は、単位面積当たりの散布量を、10g/m、20g/m、30g/m、40g/m、50g/m、および60g/mから選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用した凍結防止剤散布車の側面図および背面図である。
【図2】図1の凍結防止剤散布車を背面側から見た場合の斜視図である。
【図3】(a)は凍結防止剤散布装置を車体後方から見た場合の背面図であり、(b)は凍結防止剤散布装置を車体側方から見た場合の側面図である。
【図4】(a)は図1の凍結防止剤散布車のスパウト式散布機構およびシャッター機構を示す説明図であり、(b)はその主要部品を示す分解斜視図である。
【図5】(a)は図1の凍結防止剤散布装置の制御系を示す概略ブロック図であり、(b)は散布操作パネルのパネル面を示す説明図である。
【図6】図1の凍結防止剤散布車の車速同調自動散布動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照して本発明を適用した凍結防止剤散布車の実施の形態を説明する。図1(a)および(b)は本発明の実施の形態に係る凍結防止剤散布車を示す側面図および背面図である。本実施の形態に係る凍結防止剤散布車1は、トラクター2と、このトラクター2に搭載されている凍結防止剤散布装置3を備えている。凍結防止剤散布装置3は、トラクター2の荷台4に搭載されているホッパー5およびスパウト揺動式散布機構6と、トラクター2の運転席7内に設置されている散布機マイコンコントローラー8とを備えている。凍結防止剤は例えば、塩化カルシウム、塩などの粒状剤、フレーク剤である。
【0014】
図2は凍結防止剤散布車1を背面側から見た場合の斜視図である。図1および図2を参照して説明すると、トラクター2の荷台4に搭載されているホッパー5はその上端に凍結防止剤の投入口11が形成され、この投入口11から下方に向けて窄まった筒状のものである。ホッパー5の真下にスパウト揺動式散布機構6が組み込まれている。スパウト揺動式散布機構6は、車体後方に向けて車幅方向に広がっている一定幅の開口部12を備えており、この開口部12内には、車体後方に水平に向く状態でスパウト13が配置されている。開口部12における左右の開口縁にはそれぞれ左右の開閉蓋14L、14Rが開閉可能に取り付けられており、これらを左右に開くとスパウト13が露出する。
【0015】
図3(a)は凍結防止剤散布装置3を車体後方から見た場合の背面図であり、図3(b)は凍結防止剤散布装置3を車体側方から見た場合の側面図である。これらの図においては、凍結防止剤散布装置3における筒状の装置筐体15(図2参照)を取り外した状態で示してある。まず、凍結防止剤散布装置3のスパウト揺動式散布機構6は、スパウト13を車幅方向に揺動するための駆動源としての電動モーター16を備えている。また、ホッパー5の下端部の側方位置には、以下に述べるようにホッパー5の落下口5aの開度を調整するシャッター機構の駆動源としての電動シリンダー17が取り付けられている。この電動シリンダー17にはストロークセンサー18が付設されており、当該ストロークセンサー18による検出ストローク位置に基づきホッパー5の落下口5aの開度を検出できるようになっている。また、ホッパー5の内部における下端側の部位には残量センサー19が配置されており、ホッパー5内の凍結防止剤が残り少なくなったことを検出可能となっている。
【0016】
図4(a)はスパウト揺動式散布機構6を構成している主要部品を示す説明図であり、図4(b)はその分解斜視図である。スパウト揺動式散布機構6は、そのケース6aの内部に、上下方向に垂直に延びる回転シャフト21を備えており、この回転シャフト21が不図示の歯車式伝達機構を介して電動モーター16によって回転駆動されるようになっている。回転シャフト21の上下方向の途中位置にはスパウト取付け部22が取り付けられており、このスパウト取付け部22に、車体後方に向けて水平に延びる姿勢で、スパウト13の後端が固定されている。
【0017】
スパウト取付け部22の上側には漏斗状の受皿23が取り付けられており、回転シャフト21は受皿23を同軸状態で貫通して上方に突出している。受皿23はホッパー5の下端の落下口の真下に位置していると共にスパウト13の後端開口に連通しており、ホッパー5の落下口から落下した凍結防止剤がスパウト13に供給されるようになっている。
【0018】
受皿23の上側位置、すなわち、受皿23の上端開口に連通しているホッパー5の落下口5aには、この落下口の開度を全閉から全開までの間で調整可能なシャッター機構24が取り付けられている。シャッター機構24は、シャッターディスク25、シャッタープレート26および前述の電動シリンダー17を備えている。シャッターディスク25とシャッタープレート26は下側からこの順序で同軸状に積層されている。回転シャフト21は回転自在の状態で、これらシャッターディスク25、シャッタープレート26の中心部分を貫通して上方に延びている。上側のシャッタープレート26は回転しないように固定されており、ここには、等角度間隔で3個の貫通穴26aが形成されている。下側のシャッターディスク25にも同様に等角度間隔で3個の貫通穴25aが形成されている。
【0019】
下側のシャッターディスク25は、前述した電動シリンダー17によってその中心回りに回転可能である。したがって、シャッターディスク25とシャッタープレート26の貫通穴25a、26aが一致している状態がホッパーの落下口5aの全開状態であり、これらが完全にオフセットした状態が全閉状態である。これらの重なり量を調整することにより、落下口5aを全開状態から全閉状態までの間で調整することができる。
【0020】
回転シャフト21の上端側の軸端部21aは、シャッタープレート26よりも上方に延びて、ホッパー5の内部に突入している。この軸端部21aには撹拌翼27が固定されている。回転シャフト21を回転駆動してスパウト13が揺動する場合には、撹拌翼27も一緒に回動し、ホッパー5内に投入されている凍結防止剤が撹拌される。これにより、ホッパー5内において凍結防止剤が固まって落下せずに残ってしまうことを防止できる。
【0021】
図5(a)は凍結防止剤散布装置3の制御系を示す概略ブロック図であり、図5(b)は散布機マイコンコントローラー8に配置されている散布操作パネルのパネル面を示す説明図である。制御系はトラクター2の運転席7に搭載されている散布機マイコンコントローラー8を中心に構成されており、この筐体表面には各種の操作ボタンが配列された散布操作パネル31が配置されている。散布機マイコンコントローラー8は、散布モードを自動散布モードおよび手動散布モードのいずれかに設定するモード設定部8a、シャッター機構24およびスパウト揺動式散布機構6の駆動を制御する駆動制御部8b、散布量などの各種設定情報を記憶保持するメモリ8cなどの回路部分を備えている。
【0022】
散布機マイコンコントローラー8には、コントロールケーブルアセンブリ32を介して中継端子ボックス33が接続されている。中継端子ボックス33は、センサーケーブルアセンブリ34を介してストロークセンサー18に接続されており、残量ケーブルアセンブリ35を介して残量センサー19に接続されており、スパウト揺動用の電動モーター16にも接続されている。また、散布機マイコンコントローラー8には、シャッターケーブルアセンブリ36、リレーボックス37およびモーターケーブルアセンブリ38を介してシャッター開閉用の電動シリンダー17に接続されている。さらに、散布用マイコンコントローラー8には、パルスケーブルアセンブリ39を介して車速パルスユニット40から車速を表すパルス信号が入力されるようになっている。
【0023】
なお、バッテリー41から電動モーター16に駆動電力が供給される。また、その他の各部分に対してもバッテリー41から中継端子ボックス33を介して駆動電力が供給される。
【0024】
一方、図5(b)に示すように、散布操作パネル31のパネル面には、電源のオンオフスイッチ42、自動散布モードによる散布動作のスタートおよびストップを指示入力するためのスタートボタン43、ストップボタン44が配列されている。また、手動散布モードを選択するための手動モード選択ボタン45、手動散布動作のスタートおよびストップを指示入力するための散布ボタン46が配列されている。さらに、散布量を表示するための表示部47、並びに、散布量を増減させるための散布量増加ボタン48および散布量減少ボタン49が配列されている。さらには、ホッパー5内の凍結防止剤が残り少なくなったことが検出されると点灯するランプ50が配列されている。
【0025】
散布機マイコンコントローラー8においては、散布モードが自動散布モードに設定されている。オンオフスイッチ42をオンしてスタートボタン43を押すと、自動散布モードによる散布動作制御が開始され、ストップボタン44を押すと自動散布モードによる散布動作が終了する。自動散布モードが設定されている場合には、シャッター機構24の電動シリンダー17を駆動してシャッター開度を調整すると共に電動モーター16を駆動してスパウト13を一定の揺動速度で揺動させる。これにより、スパウト13の先端の散布口13aから凍結防止剤が路面に散布される。また、車速にかかわりなく、設定された単位面積当たりの散布量で凍結防止剤を散布できるように、シャッター開度(開閉量)が調整される。シャッター開度は、ストロークセンサー18の検出信号に基づきフィードバック制御される。
【0026】
これに対して、手動モード選択ボタン45が押されると散布モードが自動散布モードから手動散布モードに切り換わり、散布ボタン46を押すと手動散布モードによる散布動作制御が開始される。手動散布モードによる散布動作中において、再度、散布ボタン46が押されると散布動作が終了する。また、手動散布モードにおいてストップボタン44が押されると散布モードが自動散布モードに戻るようになっている。手動散布モードの場合には、散布量増加ボタン48、散布量減少ボタン49によって設定入力されてメモリ8cに記憶保持されているシャッター開度となるように、シャッター機構24の開度が設定され、この状態でスパウト揺動式散布機構6を駆動して散布動作を行う。この場合には、車速の如何に拘わらず設定された一定の散布量で凍結防止剤が散布される。
【0027】
このように、散布機マイコンコントローラー8は、自動散布モードが指定されている場合には、散布対象面の単位面積当たりの散布量が一定となるように、車速の増加に応じて落下口5aの開度を増加させる車速同調自動散布制御を行い、手動散布モードが指定されている場合には、落下口5aの開度を入力設定された開度に固定する定量散布制御を行う。また、本例では、以下に述べるように、自動散布モード時は、徐行運転状態(例えば、5km/h以下の車速)の場合には散布動作を行わないようにしている。
【0028】
図6は凍結防止剤散布装置3の自動散布動作の一例を示すフローチャートである。自動散布モードが設定されている場合に、散布のスタートボタン43がオンされると(ステップST1)、散布機マイコンコントローラー8は車速のモニターを開始する。車速が5km/h以上になったことを検出すると(ステップST2)、電動モーター16を駆動してスパウト13の揺動を開始させ(ステップST3)、次に電動シリンダー17を作動させ、ストロークセンサー18の検出出力をモニターしながら、車速に応じたシャッター開度となるようにシャッタープレート26を回転させる。これにより、車速に応じた量の凍結防止剤がホッパー5からスパウト13に落下し、スパウト13によって車体後方に向けて散布される(ステップST4、ST5、ST6)。
【0029】
例えば、自動散布モードにおいては車速に応じてシャッターの開閉量が設定されており、この対応関係が散布機マイコンコントローラー8のメモリ8cに設定されている。散布量の設定は、予め設定されている値の範囲内で、散布操作パネル31の散布量増加ボタン48、散布量減少ボタン49を操作することにより設定できる。例えば、自動散布モード時の凍結防止剤の散布量の入力は、単位面積当たりの散布量を、10g/m、20g/m、30g/m、40g/m、50g/m、および60g/mから選択することができる。これらのボタン48、49の操作により散布量を30g/mと設定した場合には次のようになる。
0〜5km/hでシャッター全閉
5〜40km/hで散布量30g/m(車速に応じてシャッター開閉量を自動調整)
40km/h以上でシャッター全開
【0030】
上記の対応関係に基づき、車速が5〜40km/hの範囲内の場合には、図6における矢印aのループに沿った散布制御が行われ、車速が40km/hを超える場合には矢印bのループに沿った散布制御が行われる。散布が終了して車速が5km/h未満の徐行状態になると(ステップST11)、シャッター全閉状態に戻り(ステップST12)、スパウト13の揺動も停止する(ステップST13)。
【0031】
なお、手動散布モードにおいては車速に拘わりなく予め設定された散布量で散布が行われる。散布量の設定は散布操作パネル31の散布量増加ボタン48、散布量減少ボタン49を操作することによって設定できる。この場合、散布量の入力は、シャター開度の全開を100%、全閉を0%とした場合のパーセント値によって行われる。例えば、ボタン48、49を操作して数値「50」が入力された場合にはシャッター開度50%(半開き)に対応する散布量が設定されたことになる。このようにシャッター開度の値を入力することにより、散布量を直感的に理解できるので設定を誤ることを防止あるいは抑制できる。
【符号の説明】
【0032】
1 凍結防止剤散布車
2 トラクター
3 凍結防止剤散布装置
4 荷台
5 ホッパー
5a 落下口
6 スパウト揺動式散布機構
6a ケース
7 運転室
8 コントローラー
8a モード設定部
8b 駆動制御部
8c メモリ
11 投入口
12 開口部
13 スパウト
13a 散布口
14L、14R 開閉蓋
15 装置筐体
16 電動モーター
17 電動シリンダー
18 ストロークセンサー
19 残量センサー
21 回転シャフト
21a 軸端部
22 スパウト取付け部
23 受皿
24 シャッター機構
25 シャッターディスク
25a 貫通穴
26 シャッタープレート
26a 貫通穴
27 撹拌翼
31 散布操作パネル
32 コントロールケーブルアセンブリ
33 中継端子ボックス
34 センサーケーブルアセンブリ
35 残量ケーブルアセンブリ
36 シャッターケーブルアセンブリ
37 リレーボックス
38 モーターケーブルアセンブリ
39 パルスケーブルアセンブリ
40 車速パルスユニット
41 バッテリー
42 オンオフスイッチ
43 スタートボタン
44 ストップボタン
45 手動モード選択ボタン
46 散布ボタン
47 表示部
48 散布量増加ボタン
49 散布量減少ボタン
50 ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行しながら車両後方に向けて凍結防止剤を散布する凍結防止剤散布車であって、
凍結防止剤を収容するホッパーと、
車両後方を向く状態に配置されているスパウトを所定の揺動角度で車幅方向に揺動させることにより、前記ホッパーの落下口から落下する凍結防止剤を車両後方に向けて所定の角度範囲に亘って散布するスパウト揺動式散布機構と、
前記ホッパーの前記落下口の開度を全閉から全開までの間で調整可能なシャッター機構と、
前記スパウトから散布される凍結防止剤の散布量を車速に応じて調整するために、前記シャッター機構を駆動制御して前記落下口の開度を前記車速に応じて調整するコントローラーとを有していることを特徴とする凍結防止剤散布車。
【請求項2】
請求項1において、
前記コントローラーは、前記車速が予め定めた散布開始速度に達するまでは、前記落下口を全閉状態に保持すると共に前記スパウトを停止状態に保持することを特徴とする凍結防止剤散布車。
【請求項3】
請求項2において、
運転室内に配置した散布操作パネルを有し、
当該散布操作パネルには、自動散布モードおよび手動散布モードを選択的に指定するためのボタン、散布のスタートおよびストップを入力設定するためのボタン、凍結防止剤の単位面積当りの散布量を入力設定するためのボタン、ならびに、前記ホッパー内の凍結防止剤が規定量以下になった時に点灯するランプが配列されており、
前記コントローラーは、前記自動散布モードが指定されている場合には、散布対象面の単位面積当たりの散布量が一定となるように、前記車速の増加に応じて前記落下口の開度を増加させる車速同調自動散布制御を行い、前記手動散布モードが指定されている場合には、前記落下口の開度を入力設定された開度に固定する定量散布制御を行うことを特徴とする凍結防止剤散布車。
【請求項4】
請求項3において、
前記手動散布モード時の凍結防止剤の散布量の入力設定は、前記落下口の開度が全閉の場合を0%、全開の場合を100%とした場合のパーセント値により行い、
前記自動散布モード時の凍結防止剤の散布量の入力は、単位面積当たりの散布量を予め定めた量から選択することを特徴とする凍結防止剤散布車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−180645(P2012−180645A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42482(P2011−42482)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000148380)株式会社前田製作所 (14)