説明

出入口装置

【課題】回転ドアと同様に風除効果を維持し、かつ大量通行を可能としながらも、通行者の安全性を向上させた出入口装置を提供することである。
【解決手段】出入口装置100においては、中央演算部(CPU)801および複数の制御部811,812,821,822,831,832,841,842により複数のスライド機構351,352,361,362,371,372,381,382が個々に制御され、当該複数のスライド機構351,352,361,362,371,372,381,382により複数の平面パネル200a,200b,200c,200dが循環移動され、平面パネル200a,200b,200c,200dのいずれか一つに通行者が衝突した場合でも、個々に制御することができ、通行者の安全を確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物から人が出入りするための出入口装置に関し、特に出入口装置が備えるパネルの移動を制御する制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出入口装置の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されている出入口装置は、回転ドア装置と称されるもので、平面形状が長円型に形成されたブースが建物の前面に設けられ、このブース内には、長円リング状の移動空間が形成されている。この移動空間内に配置された複数のパネルが、移動空間に沿って移動する。
【0003】
また、出入口装置の一例が特許文献2に開示されている。特許文献2に開示されている出入口装置は、自動回転スライドドア装置であり、3枚の扉が各扉支持フレームと一体に平行移動しながら通路に沿って周回移動し、出入口で扉が引き戸のように平行移動する。
【特許文献1】特開2002−285754号公報
【特許文献2】特開平11-36734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された回転ドア装置および特許文献2に開示された自動回転スライドドア装置には、建物の内外を通行者が通行しても、建物内に風が吹き込むことを防止できる風除効果があり、多くの通行者を同時に通行させることができるという効果がある。
【0005】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示された回転ドア装置および自動回転スライドドア装置においては、複数のパネルが無端状チェーンを介して1台の駆動装置に連結された構造からなるため、接近してくるパネルに通行者が衝突した場合の衝突エネルギーが大きく、通行者に与える危険性が高いと考えられ、望ましくない。
【0006】
また、1台の駆動装置により駆動されるため、全てのパネルが等速運動で運転され、入口および出口におけるパネルの移動速度が等しくなり、通行者の安全を確実に確保できないという問題点もある。
【0007】
本発明の目的は、回転ドアと同様に風除効果を維持し、かつ大量通行を可能としながらも、通行者の安全性を向上させた出入口装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)
本発明に係る出入口装置は、建物内外に配設された出口通路または入口通路を有する出入口装置において、出口通路または入口通路を循環移動する複数の仕切りパネルと、複数の仕切りパネルのそれぞれに応じた複数の駆動機構と、複数の駆動機構を個々に制御することが可能な制御装置と、を含むものである。
【0009】
本発明に係る出入口装置においては、制御装置により複数の駆動機構が個々に制御され、当該複数の駆動機構の個々の駆動機構により複数の仕切りパネルのそれぞれが移動される。
【0010】
この場合、複数の駆動機構のうち個々の駆動機構により、複数の仕切りパネルのそれぞれの移動が制御される。すなわち、1個の駆動機構により1個の仕切りパネルが移動される。その結果、制御装置が駆動機構に応じて個々設けられているので他の仕切りパネルの移動に関わらず、複数の仕切りパネルを個々、独自に移動させることができる。したがって、従来の回転パネルを用いた出入口装置においては、複数の仕切りパネルの配置が固定されていたため、一の仕切りパネルに他の仕切りパネルの動作が影響されていたが、本件出入口装置においては、一の仕切りパネルにより他の仕切りパネルの動作が影響しない。また、従来の回転パネルにおいては、全ての仕切りパネルの重量に対して一括に駆動させる力が必要となり、駆動力が大きいものとなっていたが、本件出入口装置においては、駆動力を個々の仕切りパネル毎に分割できるため、個々の仕切りパネルに加わる駆動力を小さくすることができる。その結果、通行者が仕切りパネルに衝突した場合でも、安全性を高めることが可能となる。なお、制御装置を複数の駆動機構の個々に応じて設けてもよい。すなわち、主となる制御装置に複数の制御装置を設け、複数の制御装置と複数の駆動機構とを1対1の関係に設けてもよい。
【0011】
(2)
制御装置は、複数の駆動機構のうち一の駆動機構を停止または減速させた場合、他の駆動機構を駆動させるように制御させてもよい。
【0012】
この場合、制御装置は、複数の駆動機構のうち一の駆動機構を停止または減速させた場合、他の駆動機構を駆動させるように制御することができるので、一の仕切りパネルにおいて一の駆動機構を停止または減速させる場合であっても、他の駆動機構を通常の速度で駆動させることができる。その結果、個々の仕切りパネルを独自に移動制御させることができるので、通行人の通行量低下を防止できる。また、一の駆動機構が停止した場合でも、他の駆動機構により他の仕切りパネルが移動されるので、通行者が急に停止した仕切りパネルに衝突することを防止することができる。
【0013】
(3)
制御装置は、複数の駆動機構のうち一の駆動機構を停止または通常の駆動速度に対して減速させた場合、他の駆動機構を通常の駆動よりも低速で駆動させるように制御させてもよい。
【0014】
この場合、制御装置は、複数の駆動機構のうち一の駆動機構を停止または減速させた場合、他の駆動機構を通常の駆動よりも低速で駆動させるように制御することができるので、一の仕切りパネルにおいて一の駆動機構を停止または減速させる場合であっても、他の駆動機構を通常よりも低速で駆動させることができる。その結果、個々の仕切りパネルを独自に移動制御させることができ、通行人の通行量低下を防止することができる。また、一の駆動機構が停止した場合でも、他の駆動機構により他の仕切りパネルが通常の速度よりも低速で移動されるので、通行者が急に停止した仕切りパネルに衝突することを防止することができる。また、一の駆動機構により仕切りパネルの駆動が復帰する際、他の駆動機構を早期に通常の速度まで戻すことが容易となる。
【0015】
(4)
所定の空間を設けて出口通路および入口通路が併設されることにより出口通路および入口通路の間に形成された待機領域をさらに含み、駆動機構は、入口通路の方向に沿って設けられる第1駆動機構と、入口通路の出口から待機領域を遮り出口通路の入口側に向かって設けられる第2駆動機構と、出口通路の方向に沿って設けられる第3駆動機構と、出口通路の出口から待機領域を遮り入口通路の入口側に向かって設けられる第4駆動機構と、を含み、制御装置は、第1駆動機構、第2駆動機構、第3駆動機構、第4駆動機構が矩形状の各辺に沿って配設された状態において、第2駆動機構および第4駆動機構に対して仕切りパネルが待機領域を遮る場合に所定の時間停止させてもよい。
【0016】
この場合、制御装置は、第2駆動機構および第4駆動機構に対して仕切りパネルが待機領域を遮る場合に所定の時間停止させることができるので、第2駆動機構および第4駆動機構の駆動を、それぞれ第1駆動機構および第3駆動機構の駆動に左右されることなく、自由に制御することができる。その結果、第2駆動機構および第4駆動機構の駆動を低速または駆動させるタイミングを遅延させることにより、通行者が第2駆動機構および第4駆動機構によりスライド移動される仕切りパネルに衝突する可能性を低減し、安全性を高めることが可能となる。
【0017】
(5)
制御装置は、第2駆動機構および第4駆動機構に対して仕切りパネルを待機領域から出口通路の入口側または入口通路の入口側に移動させる場合、第1駆動機構および第3駆動機構に対して駆動させる速度よりも低速で駆動させてもよい。
【0018】
この場合、第2駆動機構および第4駆動機構に対して仕切りパネルを待機領域から出口通路の入口側または入口通路の入口側にスライド移動させる場合、第1駆動機構および第3駆動機構に対して駆動させる速度よりも低速で駆動させることができるので、第2駆動機構および第4駆動機構の駆動を低速または駆動させるタイミングを遅延させることにより、通行者が第2駆動機構および第4駆動機構によりスライド移動される仕切りパネルに衝突する可能性を低減し、安全性を高めることが可能となる。
【0019】
(6)
制御装置は、第1駆動機構および第3駆動機構により移動される仕切りパネルが出口通路の出口側近傍および入口通路の出口側近傍に移動された場合、第2駆動機構および第4駆動機構に対して仕切りパネルを待機領域から出口通路の入口側または入口通路の入口側に移動させるように制御してもよい。
【0020】
この場合、制御装置は、第1駆動機構および第3駆動機構により移動される仕切りパネルが出口通路の出口側近傍および入口通路の出口側近傍に移動された場合に、第2駆動機構および第4駆動機構に対して仕切りパネルを待機領域から出口通路の入口側または入口通路の入口側に移動させるように制御させることができるので、出入口装置において風除効果を維持しつつ、多くの通行量を維持することができる。
【0021】
(7)
制御装置は、複数の駆動機構のうち一の駆動機構を停止または低速で駆動させた場合、他の駆動機構により複数の仕切りパネルを待機領域に移動させるように制御してもよい。
【0022】
この場合、一の駆動機構を停止または低速で駆動させた場合、他の駆動機構により複数の仕切りパネルを待機領域に移動させることができるので、通行者が2枚の仕切りパネルの間に閉じ込められることを防止することができる。また、仕切りパネル自体に開閉機構等を設ける必要がないため、コスト低減を図ることができる。
【0023】
(8)
第1駆動機構は、独立に駆動可能な2個の駆動機構を有し、第2駆動機構は、独立に駆動可能な2個の駆動機構を有し、第3駆動機構は、独立に駆動可能な2個の駆動機構を有し、第4駆動機構は、独立に駆動可能な2個の駆動機構を有し、制御装置は、第1駆動機構の2個の駆動機構、第2駆動機構の2個の駆動機構、第3駆動機構の2個の駆動機構および第4駆動機構の2個の駆動機構を個々に制御可能な制御部を有してもよい。
【0024】
この場合、第1駆動機構、第2駆動機構、第3駆動機構および第4駆動機構は、それぞれ2個の駆動機構を有するので、第1駆動機構の一の駆動機構により仕切りパネルが移動され、連続して他の駆動機構により仕切りパネルが移動される。また、一の駆動機構により仕切りパネルが移動されている間に、他の駆動装置が初期位置まで戻ることができる。その結果、第1駆動機構、第2駆動機構、第3駆動機構および第4駆動機構において、駆動機構を戻す時間を削減することができ、連続的に仕切りパネルを移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。本発明における出入口装置は、建物内への入口通路のみ、建物外への出口通路のみ、または建物内への入口通路および出口通路を一体として含む構造のいずれにも適用することができる。なお、以下の実施の形態においては、建物内への入口通路および出口通路を一体として含む構造の一例を挙げて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る一実施の形態に係る出入口装置100の一例を示す模式的斜視図であり、図2は図1の出入口装置100の平面模式図である。
【0026】
図1および図2に示すように、出入口装置100は、建物の屋内と屋外とを遮蔽する仕切り壁900の間において建物の屋内と屋外とを連通するように配設される。図1および図2に示す出入口装置100では、建物の屋外から屋内に通行可能なブース300と、建物の屋内から屋外に連通可能なブース400とが並行に形成されている。また、ブース300,400の間にブース950が配設される。これらのブース300,400,950は、内部が空洞とされた概略直方体状からなる。すなわち、当該空洞を通行者が通行可能なように形成される。
【0027】
また、ブース300には、建物の屋外側に開口部300aが配設され、建物の屋内側に開口部300bが配設される。同様に、ブース400には、建物の屋内側に開口部400aが配設され、建物の屋外側に開口部400bが配設される。
【0028】
出入口装置100では、図1に示すように、ブース300内に設けられたスライド機構361,362、ブース400内に設けられたスライド機構381,382、ブース300およびブース400間のブース950の一端側に設けられたスライド機構351,352、ブース300およびブース400間のブース950の他端側に設けられたスライド機構371,372により、複数の各平面パネル200a〜200dがブース300の開口部300a側から開口部300b側へ、ブース300側からブース400側へ、ブース400の開口部400a側から開口部400b側へ、ブース400側からブース300側の順序で循環移動される。
【0029】
ここで、各スライド機構がブース300、またはブース400において複数設けられているが、一のスライド機構を用いて平面パネル200aを一端側から他端側へ移動させた直後に、他のスライド機構を用いて他の平面パネル200bを移動させることができ、他のスライド機構を用いて他の平面パネル200bを移動させている間に一のスライド機構を初期位置まで戻すことができる。すなわち、平面パネルを連続的に移動させることを実現するため、複数のスライド機構を備えている。
【0030】
そして、図2に示すように、ブース300の開口部(入口通路の入口側)300aから進入した通行者が、開口部300b(入口通路の出口側)に向かって移動することによって建物外から建物内へ入ることができる。一方、ブース400の開口部(出口通路の入口側)400aから進入した通行者が、開口部(出口通路の出口側)400bに向かって移動することによって建物内から建物外へ出ることができる。
【0031】
次に、図3は出入口装置100における制御構造の一例を示すブロック図である。
【0032】
図3に示すように、出入口装置100は、制御装置800、複数のスライド機構、複数のエンコーダ回路を含む。以下、具体的に説明する。
【0033】
制御装置800は、中央制御部(以下、CPU(中央演算処理装置)と呼ぶ)801、制御部811、制御部812、制御部821、制御部822、制御部831、制御部832、制御部841、制御部842、制御部890a、制御部890b、制御部890c、制御部890dを含む。CPU801は、制御部811、812、821、822、831、832、841、842、890a、890b、890c、890dの上位に配設される。なお、CPU801のみならず、制御部811、812、821、822、831、832、841、842、890a、890b、890c、890dの個々においても演算処理装置が組み込まれている。なお、本実施の形態においては、個々に制御部811、812、821、822、831、832、841、842、890a、890b、890c、890dを設けることとしているが、主の制御装置800のCPU801において並列処理させるように構築してもよい。
【0034】
制御部811は、スライド機構351を制御可能に配設され、エンコーダ回路611からの信号を受信可能に配設される。制御部812は、スライド機構352を制御可能に配設され、エンコーダ回路612からの信号を受信可能に配設される。制御部821は、スライド機構361を制御可能に配設され、エンコーダ回路621からの信号を受信可能に配設される。制御部822は、スライド機構362を制御可能に配設され、エンコーダ回路622からの信号を受信可能に配設される。制御部831は、スライド機構371を制御可能に配設され、エンコーダ回路631からの信号を受信可能に配設される。制御部832は、スライド機構372を制御可能に配設され、エンコーダ回路632からの信号を受信可能に配設される。制御部841は、スライド機構381を制御可能に配設され、エンコーダ回路641からの信号を受信可能に配設される。制御部842は、スライド機構382を制御可能に配設され、エンコーダ回路642からの信号を受信可能に配設される。それにより各制御部は、エンコーダ回路611,612,621,622,631,632,641,642からの信号を受信し、スライド機構351,352,361,362,371,372,381,382の位置を把握することが可能となる。なお、図3においては、各スライド機構と各エンコーダ回路とを接続して表示しているが、これに限定されず、別個独立に配置してもよい。図3においては、説明の便宜上接続させて示している。
【0035】
制御部890aは、駆動部390aを制御可能に配設され、制御部890bは、駆動部390bを制御可能に配設され、制御部890cは、駆動部390cを制御可能に配設され、制御部890dは、駆動部390dを制御可能に配設される。
【0036】
また、複数の非接触型センサ350aは、CPU801に検出信号を送信可能に配設される。それにより、CPU801は、固設された複数の非接触型センサ350aからの検出信号を受け取り通行者または障害物があるか否かの判定を行うことができる。また、接触型センサ350bは、CPU801に検出信号を送信可能に配設される。それにより、CPU801は、個々の平板パネル200a〜200dに個々に設けられた接触型センサ350bからの検出信号を受け取り、平面パネル200a〜200dに接触する障害物または通行者による接触の有無の判定を行うことができる。
【0037】
以上の構成により、制御部811、812、821、822、831、832、841、842は、スライド機構351,352,361,362,371,372,381,382に対して駆動速度を上昇させる信号、駆動速度を低下させる信号、駆動速度を維持させる信号、駆動を停止させる信号等を送信する。例えば、通常の駆動速度が400mm/secであると仮定した場合、駆動速度を上昇させる信号により駆動速度が480mm/secまで上昇され、駆動速度を低下させる信号により駆動速度が320mm/secまで低下され、駆動を停止させる信号により駆動速度が0mm/secまで低下される。それにより、スライド機構351,352,361,362,371,372,381,382は、所定の速度で平面パネル200a〜200dを移動させることができる。
【0038】
以下、図4〜図7を用いて出入口装置100の基本的動作について説明する。図4〜図7は、出入口装置100の基本的動作を説明するための模式的説明図である。図4〜図7においては、通行者の進行方向に沿った方向をY方向と規定し、平面パネル200a〜200dが建物の開口部を開閉する方向をX方向と規定する。また、本実施の形態においては、説明のために、例えばX方向の距離が2600mmであり、Y方向の距離が4300mmである。
【0039】
図4に示すように、初期状態においては、平面パネル200aがブース300の入口側の開口部300aに位置し、平面パネル200bがブース300の出口側の開口部300bに位置し、平面パネル200cがブース400の入口側の開口部400aに位置し、平面パネル200dがブース400の出口側の開口部400bに位置する。
【0040】
そして、図5に示すように、スライド機構351,352,371,372は、ブース300およびブース400の出口側を短時間で開放させるため、平面パネル200bおよび平面パネル200dを通常の速度(例えば400mm/sec)よりも速い速度(例えば480mm/sec)で移動させる。また、スライド機構361,362,381,382は、ブース300,400内を移動する平面パネル200aおよび平面パネル200cを通常の速度(例えば400mm/sec)で移動させる。
【0041】
続いて、所定の時間経過後、図6に示すように、平面パネル200a〜200dが移動される。図6に示すように、所定の時間経過後においては、平面パネル200aがスライド機構361によりブース300内をY方向に移動され、平面パネル200bがスライド機構371によりブース950の一端側に移動される。平面パネル200cがスライド機構381によりブース400内を−Y方向に移動され、平面パネル200dがスライド機構351によりブース950の他端側に移動される。ここで、平面パネル200b,200dは、ブース950の一端および他端において停止した状態となる。
【0042】
さらに所定の時間経過後、図7に示すように、平面パネル200aがブース300の約1/2の距離(4300mmのうちの2100mm)を走行した場合、スライド機構371により平面パネル200bが通常の速度よりも低速(160mm/sec)でブース400の入口側の開口部400aにスライド移動される。同様に、平面パネル200cがブース400の約1/2の距離(4300mmのうちの2100mm)を走行した場合、スライド機構351により平面パネル200dが通常の速度よりも低速(160mm/sec)でブース300の入口側の開口部300aにスライド移動される。
【0043】
その結果、図4に示す平面パネル200aの位置に平面パネル200bが配置され、平面パネル200aの位置に平面パネル200dが配置され、平面パネル200bの位置に平面パネル200aが配置され、平面パネル200cの位置に平面パネル200bが配置され、平面パネル200dの位置に平面パネル200cが配置される。以下、この動作が繰り返し行われる。
【0044】
続いて、制御装置800におけるCPU801の動作について図を用いて説明する。図8〜図10は、CPU801の動作を示すフローチャートである。
【0045】
まず、図8に示すように、CPU801は、初期設定を開始する(ステップS1)。次いで、CPU801は、開口部300a(入口通路の入口側)の平板パネルが、平板パネル200aおよび200cのいずれか、平板パネル200bおよび200dのいずれかを判断する(ステップS2)。すなわち、本実施の形態においては、連続的に平面パネル200a〜200dを移動させるため、平面パネル200a,200cは、スライド機構351、361、371、381により移動させ、平面パネル200b,200dは、スライド機構352、362、372、382により移動させるからである。
【0046】
ここで、CPU801が、開口部300a(入口通路の入口側)の平板パネルが、平板パネル200aおよび200cのいずれかであると判定した場合には、制御部811,821,831,841を介してスライド機構351、361、371、381のモータを正回転させ(ステップS3−1)、制御部812,822,832,842を介してスライド機構352、362、372、382のモータを逆回転させる(ステップS3−2)。
【0047】
一方、CPU801が、開口部300a(入口通路の入口側)の平板パネルが、平板パネル200bおよび200dのいずれかであると判定した場合には、
制御部811,821,831,841を介してスライド機構351、361、371、381のモータを逆回転させ(ステップS4−1)、制御部812,822,832,842を介してスライド機構352、362、372、382のモータを正回転させる(ステップS4−2)。
【0048】
続いて、CPU801は、制御部890a〜890bに対して指示を行い、駆動部390a〜390dのモータを正回転させる(ステップS5)。以上によりCPU801は、初期設定を終了させる(ステップS6)。
【0049】
次にCPU801は、平面パネルの残りの駆動設定を開始する(ステップS11)。
【0050】
次いで、CPU801は、複数の非接触型センサ350aからの信号受信がONになっているか否かを判定する(ステップS12)。そして、CPU801が複数の非接触型センサ350aからの信号受信がONになっている場合には、平面パネル200a〜200dを一循環駆動させる(ステップS13)。一方、複数の非接触型センサ350aからの信号受信がOFFの場合には、設定を終了させる(ステップS14)。
【0051】
以下、平面パネル200a,200cを移動させる場合について説明する。図9に示すように、まず、制御部811および制御部831の制御を開始する(ステップS21)。次に、制御部811および制御部831はスライド機構351,371に対して高速駆動を開始させる(ステップS22)。続いて、制御部811および制御部831は、エンコーダ回路611およびエンコーダ回路631からのエンコーダ数N−αが零か否かを判定する(ステップS23)。ここで、エンコーダ数Nは、ブース300,ブース400からブース950までの移動距離を移動した場合の値であり、エンコーダ数αは、現時点における移動距離を示す値である。制御部811および制御部831は、エンコーダ数N−αが零でないと判定した場合には、ステップS23の処理を再度繰り返す。
【0052】
一方、制御部811および制御部831は、エンコーダ数N−αが零であると判定した場合には、スライド機構351,371の駆動を停止させる(ステップS24)。続いて、制御部811および制御部831は、駆動指令があるか否かを判定する(ステップS25)。すなわち、この駆動指令は、他の平面パネル200b,200dがブース300またはブース400を半分以上移動したか否かにより発せられる。
【0053】
制御部811および制御部831は、駆動指令があると判定した場合、スライド機構351,371に低速駆動を指示する(ステップS26)。続いて、制御部811および制御部831は、エンコーダ回路611,631からの信号がエンコーダ数2Nか否かを判定する(ステップS27)。ここで、エンコーダ数2Nとは、ブース400の出口側からブース950を通ってブース300の入口側まで移動する場合の移動距離を示す値である。
【0054】
制御部811および制御部831は、エンコーダ数2Nであると判定した場合、スライド機構351,371の駆動を停止させる(ステップS28)。一方、制御部811および制御部831が、エンコーダ数2Nでないと判定した場合、接触型センサ350bがONであるか否かを判定する(ステップS29)。すなわち、平面パネル200aに障害物が接触していないか否かを判定する。制御部811および制御部831は、接触型センサ350bがOFFであると判定した場合、ステップS27の処理に戻り、処理を繰り返す。
【0055】
一方、制御部811および制御部831は、接触型センサ350bがONであると判定した場合、スライド機構351,371に対して高速逆駆動を実施させる(ステップS30)。そして、制御部811および制御部831は、エンコーダ数N−αが零か否かを判定する(ステップS31)。ここで、制御部811および制御部831がエンコーダ数N−αが零であると判定した場合、ステップS24の処理に戻り、ステップS24〜S31の処理を再度繰り返す。一方、エンコーダ数N−αが零でないと判定した場合には、ステップS31の処理を繰り返し行う。すなわち、接触型センサ350bが障害物または通行者を検出したことにより平面パネル200aをブース300およびブース400の入口側を開くように動作させている。
【0056】
次に、制御部812および制御部832は、スライド機構352,372の制御を開始する(ステップS41)。制御部812および制御部832は、スライド機構352,372に高速逆駆動を開始させる(ステップS42)。制御部812および制御部832は、エンコーダ回路612,632からの受信がエンコーダ数2Nか否かを判定する(ステップS43)。制御部812および制御部832は、エンコーダ数2Nであると判定した場合、スライド機構352,372の駆動を停止させる(ステップS44)。一方、制御部812および制御部832は、エンコーダ数2Nでないと判定した場合、ステップS43の処理を繰り返し実施する。このステップS41からステップS44までの処理をステップS21からステップS31の処理と同時に行うことにより、スライド機構352,372を初期位置の方向に移動させることができる。
【0057】
また、制御部822および制御部842の制御を開始する(ステップS51)。ここで、平面パネル200bおよび平面パネル200dを移動させる場合について説明する。制御部822および制御部842はスライド機構362,382に対して高速駆動を開始させる(ステップS52)。続いて、制御部811および制御部831は、エンコーダ回路622およびエンコーダ回路642からのエンコーダ数M−αが零か否かを判定する(ステップS53)。ここで、エンコーダ数Mは、ブース300,ブース400の入口側から出口側までの移動距離の半分を移動した場合の値であり、エンコーダ数αは、現時点における移動距離を示す値である。制御部822および制御部842は、エンコーダ数M−αが零でないと判定した場合には、接触型センサ350bがONか否かを判定する(ステップS54)。ここで、接触型センサ350bがONであると判定された場合には、判定されたスライド機構362またはスライド機構382を停止させる(ステップS55)。一方、接触型センサ350bがONでないと判定された場合には、ステップS52に戻り処理を繰り返す。
【0058】
一方、制御部822および制御部842は、エンコーダ数M−αが零であると判定した場合には、制御部811または制御部831に駆動指令を与える(ステップS56)。続いて、制御部822および制御部842は、スライド機構362,382に高速駆動を指示する(ステップS57)。続いて、制御部822および制御部842は、エンコーダ回路622,642からの信号がエンコーダ数2Mか否かを判定する(ステップS58)。ここで、エンコーダ数2Mとは、ブース300またはブース400の入口側から出口側まで移動する場合の移動距離を示す値である。
【0059】
制御部822および制御部842は、エンコーダ数2Mであると判定した場合、スライド機構362,382の駆動を停止させる(ステップS61)。一方、制御部822および制御部842が、エンコーダ数2Mでないと判定した場合、接触型センサ350bがONであるか否かを判定する(ステップS59)。すなわち、平面パネル200bに障害物が接触していないか否かを判定する。制御部822および制御部842は、接触型センサ350bがONであると判定した場合、スライド機構362,382を停止させる(ステップS60)。そして、制御部822および制御部842は、ステップS59の処理に戻り、処理を繰り返す。
【0060】
一方、制御部822および制御部842は、接触型センサ350bがONでないと判定した場合、ステップS57の処理に戻り、処理を繰り返す。すなわち、接触型センサ350bが障害物または通行者を検出した場合、平面パネル200b,200dの移動を停止させる。
【0061】
次に、制御部821および制御部841は、スライド機構361,381の制御を開始する(ステップS71)。制御部821および制御部841は、スライド機構361,381に高速逆駆動を開始させる(ステップS72)。制御部821および制御部841は、エンコーダ回路621,641からの受信がエンコーダ数2Mか否かを判定する(ステップS73)。制御部821および制御部841は、エンコーダ数2Mであると判定した場合、スライド機構361,381の駆動を停止させる(ステップS74)。一方、制御部821および制御部841は、エンコーダ数2Mでないと判定した場合、ステップS73の処理を繰り返し実施する。このステップS71からステップS74までの処理をステップS51からステップS61の処理と同時に行うことにより、スライド機構361,381を初期位置の方向に移動させることができる。
【0062】
続いて、制御部890a〜制御部890dは、駆動部390a〜390dの制御を開始する(ステップS101)。駆動部390a〜390dには、個別にリミットスイッチ(図示せず)が設けられている。制御部890a〜制御部890dは、各リミットスイッチからの信号がONか否かを判定する(ステップS102)。ここで、制御部890a〜制御部890dは、各リミットスイッチからの信号に基づいて平面パネル200a〜200dの受け取りを判定する。各リミットスイッチがONであると判定した場合には、制御部890a〜制御部890dは、駆動部390a〜390dに回転駆動を指示する(ステップS103)。それにより、平面パネル200a〜200dに設けられた移動用の台車の車輪が回転される。続いて、制御部890a〜制御部890dは、リミットスイッチがONか否かを判定する(ステップS104)。制御部890a〜制御部890dがリミットスイッチがONであると判定した場合には、ステップS103の処理に戻り処理を繰り返す。一方、制御部890a〜制御部890dがリミットスイッチがONでないと判定した場合には、駆動部390a〜390dに逆回転駆動を指示(ステップS105)し、ステップS102の処理を繰り返す。
【0063】
以上のように、図8から図10において示した処理は、説明の便宜上、複数の制御部を平行して説明しているが、個々の制御部がそれぞれ個別の処理を行う。
【0064】
続いて、平面パネルに障害物が接触した場合に取り得る手法の具体的一例について図面を用いて説明する。
【0065】
まず、図11に示すように、平面パネル200aがブース300の入口側の開口部300aからスライド機構361により通常の速度(例えば400mm/sec)で移動され、平面パネル200bがブース300の出口側の開口部300bからスライド機構372により通常の速度(例えば400mm/sec)よりも速い速度(例えば480mm/sec)で移動され、平面パネル200cがブース400の入口側の開口部400aからスライド機構381により通常の速度(例えば400mm/sec)で移動され、平面パネル200dがブース400の出口側の開口部400bからスライド機構352により通常の速度(例えば400mm/sec)よりも速い速度(例えば480mm/sec)で移動されている場合において、図12に示すように、平面パネル200aに固設された接触型センサ350bによりCPU801に障害物が存在する旨の信号が与えられた場合、CPU801は、制御部821からスライド機構361に対して平面パネル200aの動作を停止させる。そして、制御部832および制御部812にスライド機構352,372に対して平面パネル200bおよび平面パネル200dの駆動速度を上昇させ、かつ平面パネル200bおよび平面パネル200dをブース950の一端側および他端側で停止させる。それにより、ブース300およびブース400の入口側または出口側のいずれか一方から通行者が出られるように制御することができる。また制御部841からスライド機構381に対して平面パネル200cを通常の速度で(−Y方向に)移動させることができる。
【0066】
この場合、平面パネル200aの前後を通行している通行者が、ブース300内に閉じ込められることを防止することができる。また、ブース400内を通行している通行者が平面パネル200cに衝突することを防止でき、さらにブース400内に閉じ込められることを防止することができる。
【0067】
また、図13に示すように、平面パネル200aがブース300の入口側の開口部300aからスライド機構361により通常の速度(例えば400mm/sec)で移動され、平面パネル200bがブース950の他端側で停止しており、平面パネル200cがブース400の入口側の開口部400aからスライド機構381により通常の速度(例えば400mm/sec)で移動され、平面パネル200dがブース950の一端側で停止している場合において、図14に示すように、平面パネル200aに固設された接触型センサ350bによりCPU801に障害物が存在する旨の信号が与えられた場合、CPU801は、制御部821からスライド機構361に対して平面パネル200aの動作を停止させる。そして、制御部832および制御部812にスライド機構352,372に対して平面パネル200bおよび平面パネル200dの停止を維持させ、制御部841からスライド機構381に対して平面パネル200cを通常の速度で(−Y方向に)移動させることができる。
【0068】
この場合、平面パネル200aの前後を通行している通行者が、ブース300内に閉じ込められることを防止することができる。また、ブース400内を通行している通行者が平面パネル200cに衝突することを防止でき、さらにブース400内に閉じ込められることを防止することができる。
【0069】
さらに、図15に示すように、平面パネル200aがブース300の出口側の開口部300b近傍までスライド機構361により通常の速度(例えば400mm/sec)で移動され、平面パネル200bがブース950の他端側からスライド機構372により通常の速度(例えば400mm/sec)よりも遅い速度(例えば320mm/sec)で移動され、平面パネル200cがブース400の出口側の開口部400bまでスライド機構381により通常の速度(例えば400mm/sec)で移動され、平面パネル200dがブース950の一端側からスライド機構352により通常の速度(例えば400mm/sec)よりも遅い速度(例えば320mm/sec)で移動されている場合において、図16に示すように、平面パネル200aに固設された接触型センサ350bによりCPU801に障害物が存在する旨の信号が与えられた場合、CPU801は、制御部821からスライド機構361に対して平面パネル200aの動作を停止させる。そして、制御部832および制御部812にスライド機構352,372に対して平面パネル200bおよび平面パネル200dの移動を停止させ、制御部841からスライド機構381に対して平面パネル200cを通常の速度で(−Y方向に)移動させることができる。
【0070】
この場合、平面パネル200aの前後を通行している通行者が、ブース300内に閉じ込められることを防止することができる。また、ブース400内を通行している通行者が平面パネル200cに衝突することを防止でき、さらにブース400内に閉じ込められることを防止することができる。
【0071】
さらに、図17に示すように、平面パネル200aがブース300の入口側の開口部300a近傍からスライド機構361により通常の速度(例えば400mm/sec)で移動され、平面パネル200bがブース950の他端側からスライド機構372により通常の速度(例えば400mm/sec)よりも遅い速度(例えば320mm/sec)で移動され、平面パネル200cがブース400の入口側の開口部400aからスライド機構381により通常の速度(例えば400mm/sec)で移動され、平面パネル200dがブース950の一端側からスライド機構352により通常の速度(例えば400mm/sec)よりも遅い速度(例えば320mm/sec)で移動されている場合において、図18に示すように、平面パネル200aに固設された接触型センサ350bによりCPU801に障害物が存在する旨の信号が与えられた場合、CPU801は、制御部821からスライド機構361に対して平面パネル200aの動作を停止させる。そして、制御部832および制御部812にスライド機構352,372に対して逆駆動させて平面パネル200bおよび平面パネル200dをそれぞれ逆方向に移動させ、制御部841からスライド機構381に対して平面パネル200cを通常の速度で(−Y方向に)移動させることができる。
【0072】
この場合、平面パネル200aの前後を通行している通行者が、ブース300内に閉じ込められることを防止することができる。また、ブース400内を通行している通行者が平面パネル200cに衝突することを防止でき、さらにブース400内に閉じ込められることを防止することができる。
【0073】
さらに、図19に示すように、平面パネル200aがブース300の出口側の開口部300b近傍までスライド機構361により通常の速度(例えば400mm/sec)で移動され、平面パネル200bがブース950の他端側からスライド機構372により通常の速度(例えば400mm/sec)よりも遅い速度(例えば320mm/sec)で移動され、平面パネル200cがブース400の出口側の開口部400bまでスライド機構381により通常の速度(例えば400mm/sec)で移動され、平面パネル200dがブース950の一端側からスライド機構352により通常の速度(例えば400mm/sec)よりも遅い速度(例えば320mm/sec)で移動されている場合において、図20に示すように、平面パネル200dに固設された接触型センサ350bによりCPU801に障害物が存在する旨の信号が与えられた場合、CPU801は、制御部812からスライド機構352に対して平面パネル200dの動作を停止させる。そして、制御部821および制御部841にスライド機構361、381に対して平面パネル200a,200cを通常の速度で移動させることができる。また、制御部832にスライド機構372に対して平面パネル200bの移動を停止させることができる。
【0074】
この場合、平面パネル200dに衝突した通行者は、平面パネル200dの停止によりさらに挟まれることを防止することができ、さらに平面パネル200aの後を通行している通行者が、ブース300内に閉じ込められることを防止することができる。また、ブース400内を通行している通行者が平面パネル200cに衝突することを防止でき、さらにブース400内に閉じ込められることを防止することができる。
【0075】
さらに図21に示すように、平面パネル200aがブース300の出口側の開口部300b近傍までスライド機構361により通常の速度(例えば400mm/sec)で移動され、平面パネル200bがブース950の他端側からスライド機構372により通常の速度(例えば400mm/sec)よりも遅い速度(例えば320mm/sec)で移動され、平面パネル200cがブース400の出口側の開口部400bまでスライド機構381により通常の速度(例えば400mm/sec)で移動され、平面パネル200dがブース950の一端側からスライド機構352により通常の速度(例えば400mm/sec)よりも遅い速度(例えば320mm/sec)で移動されている場合において、図22に示すように、平面パネル200dに固設された接触型センサ350bによりCPU801に障害物が存在する旨の信号が与えられた場合、CPU801は、制御部812からスライド機構352に対して逆駆動の信号を与え、平面パネル200dを逆方向(−X方向)に移動させる。そして、制御部821および制御部841にスライド機構361、381に対して平面パネル200a,200cを通常の速度で移動させることができる。また、制御部832にスライド機構372に対して逆駆動の信号を与え、平面パネル200bの移動を逆方向(X方向)に移動させることができる。
【0076】
この場合、平面パネル200dに衝突した通行者は、平面パネル200dが逆方向(−Xの方向)に移動することにより通行者の安全を確保することができ、さらに平面パネル200aの後を通行している通行者が、ブース300内に閉じ込められることを防止することができる。また、ブース400内を通行している通行者が平面パネル200cに衝突することを防止でき、さらにブース400内に閉じ込められることを防止することができる。
【0077】
以上のように、複数のスライド機構351,352,361,362,371,372,381,382により、複数の平面パネル200a〜200dが移動される。すなわち、1個のスライド機構により1個の平面パネルが移動される。その結果、複数のスライド機構に対して1対1の関係で設けられた複数の制御部811,812,821,822,831,832,841,842により他の平面パネルの移動に関わらず、複数の平面パネルを個々、独自に移動させることができる。したがって、出入口装置100においては、一の平面パネルにより他の平面パネルの動作が影響しない。また、出入口装置100においては、駆動力を個々の平面パネル毎に分割できるため、個々の平面パネルに加わる駆動力を小さくすることができる。その結果、通行者が平面パネルに衝突した場合でも、安全性を高めることが可能となる。
【0078】
また、制御部811,812,821,822,831,832,841,842は、複数のスライド機構351,352,361,362,371,372,381,382のうち一のスライド機構を停止または減速させた場合、他のスライド機構を駆動させるように制御することができるので、一の平面パネルにおいて一のスライド機構を停止または減速させる場合であっても、他のスライド機構を通常の速度で、または通常よりも低速で駆動させることができる。
【0079】
また、スライド機構351,352,371,372を低速に駆動させる、または駆動させるタイミングを遅延させることにより、通行者がスライド移動される平面パネルに衝突する可能性を低減し、安全性を高めることが可能となる。
【0080】
また、一のスライド機構を停止または低速で駆動させた場合、他のスライド機構により複数の平面パネルをブース950に移動させることができるので、通行者が2枚の平面パネルの間に閉じ込められることを防止することができる。
【0081】
上記一実施の形態においては、出入口装置100は、出入口装置に相当し、ブース300は入口通路に相当し、ブース400は出口通路に相当し、平面パネル200a〜200dが仕切りパネルに相当し、スライド機構351,352,361,362,371,372,381,382が駆動機構に相当し、制御部811,812,821,822,831,832,841,842が制御装置に相当し、ブース950の一端側および他端側が待機領域に相当し、スライド機構351,352が第4駆動機構に相当し、スライド機構361,362が第1駆動機構に相当し、スライド機構371,372が第2駆動機構に相当し、スライド機構381,382が第3駆動機構に相当する。
【0082】
本発明は、上記の好ましい一実施の形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に係る一実施の形態に係る出入口装置の一例を示す模式的斜視図
【図2】図1の出入口装置の平面模式図
【図3】出入口装置における制御構造の一例を示すブロック図
【図4】出入口装置の基本的動作を説明するための模式的説明図
【図5】出入口装置の基本的動作を説明するための模式的説明図
【図6】出入口装置の基本的動作を説明するための模式的説明図
【図7】出入口装置の基本的動作を説明するための模式的説明図
【図8】CPUの動作を示すフローチャート
【図9】CPUの動作を示すフローチャート
【図10】CPUの動作を示すフローチャート
【図11】平面パネルに障害物が接触した場合に取り得る手法の具体的一例を示す図
【図12】平面パネルに障害物が接触した場合に取り得る手法の具体的一例を示す図
【図13】平面パネルに障害物が接触した場合に取り得る手法の具体的一例を示す図
【図14】平面パネルに障害物が接触した場合に取り得る手法の具体的一例を示す図
【図15】平面パネルに障害物が接触した場合に取り得る手法の具体的一例を示す図
【図16】平面パネルに障害物が接触した場合に取り得る手法の具体的一例を示す図
【図17】平面パネルに障害物が接触した場合に取り得る手法の具体的一例を示す図
【図18】平面パネルに障害物が接触した場合に取り得る手法の具体的一例を示す図
【図19】平面パネルに障害物が接触した場合に取り得る手法の具体的一例を示す図
【図20】平面パネルに障害物が接触した場合に取り得る手法の具体的一例を示す図
【図21】平面パネルに障害物が接触した場合に取り得る手法の具体的一例を示す図
【図22】平面パネルに障害物が接触した場合に取り得る手法の具体的一例を示す図
【符号の説明】
【0084】
100 出入口装置
200a〜200d 平面パネル
300 ブース
350b 接触型センサ
351,352,361,362,371,372,381,382 スライド機構
400 ブース
811,812,821,822,831,832,841,842 制御部
950 ブース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内外に配設された出口通路または入口通路を有する出入口装置において、
前記出口通路または前記入口通路を循環移動する複数の仕切りパネルと、
前記複数の仕切りパネルに応じて設けられた複数の駆動機構と、
前記複数の駆動機構を個々に制御することが可能な制御装置と、を含むことを特徴とする出入口装置。
【請求項2】
前記制御装置は、複数の前記駆動機構のうち一の前記駆動機構を停止または減速させた場合、他の前記駆動機構を駆動させるように制御することを特徴とする請求項1記載の出入口装置。
【請求項3】
前記制御装置は、複数の前記駆動機構のうち一の前記駆動機構を停止または通常の駆動速度に対して減速させた場合、他の前記駆動機構を通常の駆動よりも低速で駆動させるように制御することを特徴とする請求項1記載の出入口装置。
【請求項4】
所定の空間を設けて前記出口通路および前記入口通路が併設されることにより前記出口通路および前記入口通路の間に形成された前記仕切りパネルの待機領域をさらに含み、
前記駆動機構は、
前記入口通路の方向に沿って設けられる第1駆動機構と、
前記入口通路の出口から前記待機領域を遮り前記出口通路の入口側に向かって設けられる第2駆動機構と、
前記出口通路の方向に沿って設けられる第3駆動機構と、
前記出口通路の出口から前記待機領域を遮り前記入口通路の入口側に向かって設けられる第4駆動機構と、を含み、
前記制御装置は、
前記第1駆動機構、前記第2駆動機構、前記第3駆動機構、前記第4駆動機構が矩形状の各辺に沿って配設された状態において、前記第2駆動機構および前記第4駆動機構に対して仕切りパネルが前記待機領域を遮る場合に所定の時間前記待機領域に停止させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の出入口装置。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記第2駆動機構および前記第4駆動機構に対して仕切りパネルを前記待機領域から前記出口通路または前記入口通路の入口側に移動させる場合、前記第1駆動機構および前記第3駆動機構に対して駆動させる速度よりも低速で駆動させるように制御することを特徴とする請求項4に記載の出入口装置。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記第1駆動機構および前記第3駆動機構により移動される仕切りパネルが前記出口通路の出口側近傍および前記入口通路の出口側近傍に移動された場合、前記第2駆動機構および前記第4駆動機構に対して仕切りパネルを前記待機領域から前記出口通路の入口側または前記入口通路の入口側に移動させるように制御することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の出入口装置。
【請求項7】
前記制御装置は、
前記複数の駆動機構のうち一の駆動機構を停止または低速で駆動させた場合、他の駆動機構により複数の仕切りパネルを前記待機領域に移動させるように制御することを特徴とする請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載の出入口装置。
【請求項8】
前記第1駆動機構は、独立に駆動可能な2個の駆動機構を有し、前記第2駆動機構は、独立に駆動可能な2個の駆動機構を有し、前記第3駆動機構は、独立に駆動可能な2個の駆動機構を有し、前記第4駆動機構は、独立に駆動可能な2個の駆動機構を有し、
前記制御装置は、
前記第1駆動機構の前記2個の駆動機構、前記第2駆動機構の前記2個の駆動機構、前記第3駆動機構の前記2個の駆動機構および前記第4駆動機構の前記2個の駆動機構を個々に制御可能な制御部を有することを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の出入口装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−248480(P2008−248480A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−87369(P2007−87369)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】