説明

刃物

【課題】刀身本体における正確な位置に刃体を容易かつ確実に装着することができる刃物を提供すること。
【解決手段】刀身本体2に刃体3を装着した刃物1。刀身本体2は、刃体保持部21と係合凹部22とを有する。刀身本体2の刃体保持部21には、刃体3が装着されると共に、厚み方向から刃体3を押圧するように付勢された板ばね4が配設されている。板ばね4は、自由状態において厚み方向に湾曲あるいは屈曲した付勢部(弓状部41)と、付勢部の基端において付勢部の凸面411側に屈曲した段状部42と、段状部42よりも基端側において屈曲した係合突片43とを有する。刃体3は、板ばね4の付勢部の凸面411に接触して押圧されることにより板ばね4と刃体保持部21の内側面との間に挟持され、基端312が板ばね4の段状部43に当接した状態で、刃体保持部21に装着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刀身本体に刃体を装着してなる刃物に関する。
【背景技術】
【0002】
顔剃りや毛髪のカット用の剃刀や、医療用、病理用のナイフなどに使用される刃物として、刀身本体に刃体を装着してなる刃物がある。
かかる刃物においては、刀身本体に設けた溝状の刃体保持部に刃体を挿入することにより装着される。
【0003】
ところが、製造の際の寸法誤差や経年変化などが原因で刃体と刀身本体との間に隙間が生じることがある。また刃体は前端の挿脱口から刀身本体に着脱可能に挿脱されるが、刃体の挿脱に起因する磨耗などにより刀身本体の刃体保持部に保持される刃体に緩みが生じることがある。
【0004】
そこで、図12〜図14に示すごとく、刀身本体92の刃体保持部921に弾性体である板ばね94を配設した剃刀9が提案されている(特許文献1、2参照)。これにより、、刃体保持部921に装着された刃体93がこれと当接する板ばね94の付勢力で厚み方向に押圧され、刃体93が安定して保持される。この場合、刃体保持部921における板ばね94の長手方向のずれを阻止するため、板ばね94の基端に設けた係合突片943が刀身本体92に設けた係合凹部922に係合されている。
【0005】
【特許文献1】実公昭45年第11778号公報
【特許文献2】特開2006−255379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、板ばね94によって刃体93を厚み方向に押圧する構造においては、刃体93を刃体保持部921に挿入する際に、刃体93を長手方向における適切な位置に配置することが困難となるおそれがある。すなわち、刃体93を刃体保持部921に挿入する際には、図14に示すごとく、刃体93を刀身本体92の先端側から刃体保持部921へ挿入し、刃体93を刃体保持部921内の板ばね94と摺動させながら、図12に示すごとく、刃体93の長手方向に挿入する。このとき、例えば、刃体93を刃体保持部921に挿入しすぎてしまうことにより、図15に示すごとく、正規の位置(例えば図12に示すような刃体93の先端931と刀身本体92の先端923とが一致する位置)とは異なる位置に刃体93が装着されてしまうことがある。
この場合、剃刀9の使用性が低下してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、刀身本体における正確な位置に刃体を容易かつ確実に装着することができる刃物を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、刀身本体に刃体を装着してなる刃物において、
上記刀身本体は、該刀身本体の長手方向及び厚み方向の双方に直交する方向である高さ方向の一端及び上記刀身本体の先端に開口する溝状の刃体保持部と、上記高さ方向の一端に開口すると共に上記刃体保持部に連結された係合凹部とを有し、
上記刀身本体の上記刃体保持部には、上記刃体がその刃先を開口部から露出させた状態で装着されると共に、厚み方向から上記刃体を上記刃体保持部の一方の内側面に向かって押圧するように付勢された板ばねが配設されており、
上記板ばねは、自由状態において厚み方向に湾曲あるいは屈曲して厚み方向の付勢力が付与される付勢部と、該付勢部の基端において該付勢部の凸面側に屈曲した段状部と、該段状部よりも基端側において厚み方向へ屈曲した係合突片とを有し、
上記刃体は、一方の側面が上記板ばねの上記付勢部の凸面に接触すると共に押圧されることにより、上記板ばねと上記刃体保持部における一方の内側面との間に挟持され、基端が上記板ばねの上記段状部に当接した状態で、上記刃体保持部に装着されていることを特徴とする刃物にある(請求項1)。
【0009】
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記刃物は、上記刀身本体の刃体保持部に上記板ばねを配設してなる。これにより、刃体保持部に装着した刃体を、板ばねの付勢部によって厚み方向に押圧している。そのため、寸法誤差や経年変化、摩耗等があっても、刃体と刃体保持部との間の緩みを防ぐことができる。
【0010】
そして、上記板ばねは上記段状部を有し、刃体はその基端を段状部に当接した状態で装着される。それゆえ、この段状部が刃体の位置決め手段となり、刃体保持部における長手方向の刃体の装着位置を正確な位置に決めることができる。その結果、刃体を挿入しすぎて正規の位置からずれた位置に刃体が装着されることを防ぐことができ、使用性に優れた刃物を得ることができる。
【0011】
以上のごとく、本発明によれば、刀身本体における正確な位置に刃体を容易かつ確実に装着することができる刃物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明(請求項1)において、上記刃物は、例えば、顔剃りや毛髪のカット用の剃刀や、医療用、病理用のナイフなどに使用される刃物とすることができる。
なお、本明細書において、上記刃物の長手方向における先端側と反対側を基端側として説明する。
【0013】
また、上記刃物は、上記係合凹部に係合された上記板ばねの上記係合突片を少なくとも上記係合凹部の開口部側から被覆する被覆体を有することが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記板ばねが上記係合凹部から離脱することを防ぐことができる。
【0014】
また、上記被覆体は、上記刀身本体の基端部に固定されたハンドルであることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記ハンドルに被覆体としての機能を持たせることができるため、上記刃物の構成要素を少なくして、製造容易、安価、かつ外観意匠性に優れた刃物を得ることができる。
なお、これ以外にも、例えば、板ばねの係合突片を係合させた係合凹部に、接着剤や充填剤を配置して、これを被覆体とすることもできるし、ベルト、テープのような帯状物を被覆体とすることもできる。
【0015】
また、上記刃体保持部は、上記刀身本体に対して切削加工することによって形成してなるものとすることができる(請求項4)。
この場合には、例えば、板状体を折り曲げ加工することによって刃体保持部を形成する場合等に比べて、刃体保持部の幅を正確に形成しやすい。しかし、かかる場合には、上記刃体保持部の長手方向の寸法を正確にすることが困難なため、刃体を確実に装着できるように必要以上の長さに刃体保持部を形成することとなる。そうすると、仮に本発明を適用しないと、刃体保持部に刃体を装着する際に、刃体を長手方向に挿入しすぎてしまうという不具合が生じやすい。そこで、このような切削加工によって上記刃体保持部を形成した刃物に対して本発明を適用することにより、本発明の効果を一層発揮することができる。
【0016】
また、上記刃物は剃刀であることが好ましい(請求項5)。
この場合には、本発明の効果を充分に発揮することができる。すなわち、剃刀の場合に、刃体が刀身本体に対して基端方向に挿入されすぎた状態で装着されると、その使用性が大きく低下することとなる。すなわち、非常に使い辛い剃刀となってしまうおそれがある。それゆえ、本発明を適用して、刀身本体に対する刃体の装着位置を正確に決めることができる技術が要請されていた。そこで、本発明を剃刀に適用することにより、上記の要請に充分に応えることができる。
【実施例】
【0017】
本発明の実施例にかかる刃物につき、図1〜図11を用いて説明する。
本例の刃物1は、図1、図2に示すごとく、刀身本体2に刃体3を装着してなる。
刀身本体2は、図1、図3、図5に示すごとく、刀身本体2の長手方向及び厚み方向の双方に直交する方向である高さ方向の一端及び刀身本体2の先端に開口する溝状の刃体保持部21と、高さ方向の一端に開口すると共に刃体保持部21に連結された係合凹部22とを有する。
【0018】
刀身本体2の刃体保持部21には、図2に示すごとく、刃体3がその刃先32を開口部(下方開口部212)から露出させた状態で装着されると共に、図1に示すごとく、厚み方向から刃体3を刃体保持部21の一方の内側面213に向かって押圧するように付勢された板ばね4が配設されている。
板ばね4は、図8に示すごとく、自由状態において厚み方向に弓状に湾曲した付勢部としての弓状部41と、該弓状部41の基端において弓状部41の凸面411側に屈曲した段状部42と、該段状部42よりも基端側において厚み方向へ屈曲した係合突片43とを有する。
【0019】
図1に示すごとく、刃体3は、一方の側面が板ばね4の弓状部41の凸面411に接触すると共に押圧されることにより、板ばね4と刃体保持部21における一方の内側面213との間に挟持され、基端312が板ばね4の段状部42に当接した状態で、刃体保持部21に装着されている。
また、図3、図4に示すごとく、係合凹部22に係合された板ばね4の係合突片43を少なくとも係合凹部22の開口部側から被覆する被覆体として、ハンドル5が刀身本体2の基端部26に固定されている。
【0020】
刃体保持部21は、刀身本体2に対して、メタルソー、フライスカッター等を用いて切削加工することによって形成してなる。係合凹部22についても同様に切削加工によって形成する。
なお、本例の刃物1は、顔剃りや毛髪のカット用の剃刀であり、上記刃体3は、刀身本体2に対して着脱可能な替刃である。
【0021】
刀身本体2は、板棒状の金属体に切削加工することにより、刃体保持部21を形成する。刃体保持部21は、図1、図3に示すごとく、刀身本体2の刀身先端231に開口した先端開口部211と、刀身本体2の高さ方向の一端(刀身下端232)に開口した下方開口部212とを有する。本例では、下方開口部212の開口方向を下方として説明する。
刃体保持部21の厚み方向の両側に配される一対の側面部24は、図5に示すごとく、下端へ行くに従って互いに近づく方向に若干傾斜している。これは、刃体保持部21の切削加工の後に、一対の側面部24に曲げ加工を施すことにより、形成したものである。これにより、刃体保持部21に装着した刃体3が下方へ抜けることを防いでいる。
【0022】
図4、図10、図11に示すごとく、刃体2は、刃体保持部21における先端開口部211から、刀身本体2の長手方向に沿って挿入されて、図1、図2に示すごとく、刀身本体2に装着される。
刃体保持部21に保持された刃体3の刃体先端311は、刀身本体2の刀身先端231と、長手方向の略同等の位置に配置される。
図2に示すごとく、刃体3は、刃先32を刃体保持部21の下方開口部212から突出させている。
【0023】
また、図1に示すごとく、刃体保持部21と係合凹部22との間には、両者を連結する溝部25が形成されている。溝部25は、刃体保持部21の基端側に刀身本体2の長手方向に形成されており、その深さ及び厚みは、刃体保持部21よりも小さい。
そして、溝部25を横切るように、係合凹部22が刀身本体2の厚み方向全体にわたって形成されている。すなわち、係合凹部22は、溝部25における厚み方向の両側に形成されている。
【0024】
刃体3は、図3に示すごとく、刃体本体320と、刃体本体320を両面から覆うガイドカバー321とからなる。ガイドカバー321は、下端に波型輪郭部322を有し、該波型輪郭部322の一部から、刃体本体320の刃先32が露出している。
板ばね4は、図8に示すごとく、段状部42と係合突片43との間に、平板状のストレート部44を有する。そして、板ばね4は、図1、図7に示すごとく、ストレート部44の一部を、刀身本体2の溝部25に配置し、係合突片43を係合凹部22に配置し、弓状部41を刃体保持部21に配置するようにして、刀身本体2に装着する。
【0025】
なお、板ばね4は、ばね鋼からなることが好ましいが、弾性変形可能な材料であればよく、例えば、プラスチック等によって構成することもできる。
また、上記弓状部41は、板ばね4の自由状態において厚み方向に湾曲あるいは屈曲して厚み方向の付勢力が付与される付勢部であればよく、例えば、弓状部分が複数連続するような波形状としてもよいし、屈曲部を有する三角形状や台形状としてもよい。
また、段状部42は、例えば、厚み方向に1〜2mm形成することができる。
【0026】
また、図4に示すごとく、刀身本体2の基端部に取り付けられたハンドル5は、刀身本体2の係合凹部22を、その下方及び側方から覆っている。また、ハンドル5は、特に材質が限定されるものではないが、例えば、樹脂成形体によって構成することができる。
【0027】
本例の刃物1を組み立てるに当たっては、まず、図6、図7に示すごとく、刀身本体2に板ばね4を下方開口部212側から装着する。この状態においては、板ばね4は、弓状部41の凸面411を刃体保持部21の一方の内側面213に当接させ、弓状部41の先端412を、刃体保持部21の他方の内側面214に当接させている。
次いで、図4に示すごとく、ハンドル5を刀身本体2の基端部に装着する。すなわち、刀身本体2の基端部を、ハンドル5の嵌入保持部51に嵌入させる。
【0028】
次いで、図10、図11、図1に示すごとく、刃体3を刃体保持部21に保持させる。
まず、図10に示すごとく、板ばね4を装着した刀身本体2に対して、刃体保持部21の先端開口部211から、刀身本体2の長手方向に沿って、刃体3を挿入する。
図11に示すごとく、刃体3の挿入を続けると、刃体3の基端312が板ばね4の弓状部41の凸面411に接触すると共に、弓状部41をその付勢方向とは逆の方向に向かって変形させる。
【0029】
さらに刃体3の挿入を続けると、図1に示すごとく、刃体3の基端312が板ばね4の段状部42に当接し、これ以上挿入できなくなる。このとき、刃体3の先端311は、刀身本体2の刀身先端部231と略一致している。
また、この状態において、刃体3は、板ばね4の弓状部41の付勢力によって刃体保持部21の一方の内側面213に押し付けられ、板ばね4と刃体保持部21の内側面213との間に保持されることとなる。
【0030】
また、刃体3は、適宜交換することのできる替刃とすることができる。すなわち、刃物1を所定期間あるいは所定回数使用した後、刃体3のみを交換する。この場合、使用済みの刃体3を、刀身本体2の刃体保持部21から、先端開口部211側へスライドさせて外す。そして、新品の刃体3を、先端開口部211から刃体保持部21にスライドさせて挿入する。このときの挿入も、やはり、刃体3の基端312が板ばね4の段状部42に当接するまで行うことにより、刀身本体2に対する刃体3の正確な位置決めができる。
【0031】
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記刃物1は、刀身本体2の刃体保持部21に板ばね4を配設してなる。これにより、刃体保持部21に装着した刃体3を、板ばね4の付勢部である弓状部41によって厚み方向に押圧している。そのため、寸法誤差や経年変化、摩耗等があっても、刃体3と刃体保持部21との間の緩みを防ぐことができる。
【0032】
そして、板ばね4は上記段状部42を有し、図1に示すごとく、刃体3はその基端312を段状部42に当接した状態で装着される。それゆえ、この段状部42が刃体3の位置決め手段となり、図2に示すごとく、刃体保持部21における長手方向の刃体3の装着位置を正確な位置に決めることができる。その結果、刃体3を挿入しすぎて正規の位置からずれた位置に刃体3が装着されること(図15参照)を防ぐことができ、使用性に優れた刃物1を得ることができる。
なお、本例においては、刃体31の刃体先端311と刀身本体2の刀身先端231とが一致するような刃体3の位置を、刃体保持部21における刃体3の正規の装着位置としたが、必ずしもこれに限られるものではない。
【0033】
また、刃物1は、係合凹部22に係合された板ばね4の係合突片43を少なくとも係合凹部22の開口部側から被覆する被覆体としてハンドル5を有するため、板ばね4が係合凹部22から離脱することを防ぐことができる。
また、ハンドル5に被覆体としての機能を持たせることにより、刃物1の構成要素を少なくして、製造容易、安価、かつ外観意匠性に優れた刃物1を得ることができる。
なお、これ以外にも、例えば、板ばね4の係合突片43を係合させた係合凹部22に、接着剤や充填剤を配置して、これを被覆体とすることもできるし、ベルト、テープのような帯状物を被覆体とすることもできる。
【0034】
また、刃体保持部21は、刀身本体2に対して切削加工することによって形成してなるため、例えば、板状体を折り曲げ加工することによって刃体保持部21を形成する場合等に比べて、刃体保持部21の幅を正確に形成しやすい。しかし、かかる場合には、刃体保持部21の長手方向の寸法を正確にすることが困難なため、刃体3を確実に装着できるように必要以上の長さに刃体保持部21を形成することとなる。そうすると、仮に本発明を適用しないと、刃体保持部21に刃体3を装着する際に、刃体3を長手方向に挿入しすぎてしまうという不具合が生じやすい(図15参照)。そこで、このような切削加工によって刃体保持部21を形成した刃物1に対して本発明を適用することにより、本発明の効果を一層発揮することができる。
【0035】
また、刃物1は剃刀であり、本発明の効果を充分に発揮することができる。すなわち、剃刀の場合に、刃体3が刀身本体2に対して基端方向に挿入されすぎた状態(図15参照)で装着されると、その使用性が大きく低下することとなる。すなわち、非常に使い辛い剃刀となってしまうおそれがある。それゆえ、本発明を適用して、刀身本体2に対する刃体3の装着位置を正確に決めることができる技術が要請されていた。そこで、本発明を剃刀に適用することにより、上記の要請に充分に応えることができる。
【0036】
以上のごとく、本例によれば、刀身本体における正確な位置に刃体を容易かつ確実に装着することができる刃物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施例1における、刃物の底面図。
【図2】実施例1における、刃物の側面図。
【図3】実施例1における、刃物の展開図。
【図4】実施例1における、刃体を刀身本体に挿入する途中の状態を示す刃物の断面図。
【図5】実施例1における、刀身本体を先端側から見た正面図。
【図6】実施例1における、板ばねを装着した刀身本体の断面図。
【図7】実施例1における、板ばねを装着した刀身本体の底面図。
【図8】実施例1における、板ばねの側面図。
【図9】実施例1における、板ばねの平面図。
【図10】実施例1における、刃体を刀身本体に挿入し始めた状態を示す刃物の底面図。
【図11】実施例1における、刃体を刀身本体に挿入する途中の状態を示す刃物の底面図。
【図12】従来例における、剃刀の底面図。
【図13】従来例における、板ばねの側面図。
【図14】従来例における、刃体を刀身本体に挿入する途中の状態を示す剃刀の底面図。
【図15】従来例における、刃体が刀身本体に対して長手方向にずれた状態で装着された剃刀の側面図。
【符号の説明】
【0038】
1 刃物
2 刀身本体
21 刃体保持部
22 係合凹部
3 刃体
4 板ばね
41 弓状部(付勢部)
411 凸面
42 段状部
43 係合突片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刀身本体に刃体を装着してなる刃物において、
上記刀身本体は、該刀身本体の長手方向及び厚み方向の双方に直交する方向である高さ方向の一端及び上記刀身本体の先端に開口する溝状の刃体保持部と、上記高さ方向の一端に開口すると共に上記刃体保持部に連結された係合凹部とを有し、
上記刀身本体の上記刃体保持部には、上記刃体がその刃先を開口部から露出させた状態で装着されると共に、厚み方向から上記刃体を上記刃体保持部の一方の内側面に向かって押圧するように付勢された板ばねが配設されており、
上記板ばねは、自由状態において厚み方向に湾曲あるいは屈曲して厚み方向の付勢力が付与される付勢部と、該付勢部の基端において該付勢部の凸面側に屈曲した段状部と、該段状部よりも基端側において厚み方向へ屈曲した係合突片とを有し、
上記刃体は、一方の側面が上記板ばねの上記付勢部の凸面に接触すると共に押圧されることにより、上記板ばねと上記刃体保持部における一方の内側面との間に挟持され、基端が上記板ばねの上記段状部に当接した状態で、上記刃体保持部に装着されていることを特徴とする刃物。
【請求項2】
請求項1において、上記係合凹部に係合された上記板ばねの上記係合突片を少なくとも上記係合凹部の開口部側から被覆する被覆体を有することを特徴とする刃物。
【請求項3】
請求項2において、上記被覆体は、上記刀身本体の基端部に固定されたハンドルであることを特徴とする刃物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、上記刃体保持部は、上記刀身本体に対して切削加工することによって形成してなることを特徴とする刃物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項において、上記刃物は剃刀であることを特徴とする刃物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−279293(P2009−279293A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136263(P2008−136263)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(000112473)フェザー安全剃刀株式会社 (17)