説明

分別収集用ごみ容器

【目的】 仕切り板の取り付け位置がずれないようにする。各収集部の広さが変化しないようにする。
【構成】 蓋29を設けて形成した蓋体23をごみ容器本体3の上に載置し、蓋体23とごみ容器本体3とを蓋体係止具18で固定して分別収集用ごみ容器を形成する。この分別収集用ごみ容器において、仕切り板1の上端に複数の固定枠2を上下回動自在に取り付ける。ごみ容器本体3内に仕切り板1を着脱自在に挿入すると共に水平状態に回動した各固定枠2をごみ容器本体3の開口縁4に係合する。ごみ容器本体3内に仕切り板1で分割された収集部5を複数個形成する。各固定枠2を水平状態に回動して各固定枠2をごみ容器本体3の開口縁4に係合することによって、仕切り板1の取り付け位置を容易に決めることができると共に仕切り板1をごみ容器本体3に固定することができる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、再生できるごみと再生できないごみとを別々に収集する等の所謂分別収集をすることができるごみ容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、空き罐等の再生できるごみと生ごみ等の再生できないごみとを同じごみ容器に捨てることがおこなわれており、それらのごみを回収後、再生できるごみと再生できないごみとに再び分別するようにしていた。しかしながら一旦一緒に捨てられた両者のごみを分別するのは非常に手間のかかるものであった。そこでごみ容器内を仕切り板で分割して二つの収集部を形成し、再生できるごみと再生できないごみとをそれぞれ別の収集部に捨てることによって、ごみを捨てる時点で分別するようにすることが提案されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし上記従来例では一方の収集部に多くのごみが捨てられた場合、仕切り板が他方の収集部側に移動してしまうことがあり、仕切り板の取り付け位置がずれて各収集部の広さが変化してしまう恐れがあった。
本考案は上記の点に鑑みてなされたものであり、仕切り板の取り付け位置のずれを防止して各収集部の広さが変化しないようにし、加えて各収集部にゴミ袋を容易に設けることができる分別収集用ごみ容器を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案に係る分別収集用ごみ容器は、蓋29を設けて形成した蓋体23をごみ容器本体3の上に載置し、蓋体23とごみ容器本体3とを蓋体係止具18で固定して形成される分別収集用ごみ容器において、仕切り板1の上端に複数の固定枠2を上下回動自在に取り付け、ごみ容器本体3内に仕切り板1を着脱自在に挿入すると共に水平状態に回動した各固定枠2をごみ容器本体3の開口縁4に係合し、ごみ容器本体3内に仕切り板1で分割された収集部5を複数個形成して成ることを特徴とするものである。
【0005】
【作用】
仕切り板1の上端に複数の固定枠2を上下回動自在に取り付け、ごみ容器本体3内に仕切り板1を着脱自在に挿入すると共に水平状態に回動した各固定枠2をごみ容器本体3の開口縁4に係合し、ごみ容器本体3内に仕切り板1で分割された収集部5を複数個形成したので、各固定枠2を水平状態に回動してごみ容器本体3の開口縁4の内周と同形状の外周に形成すると共に各固定枠2をごみ容器本体3の開口縁4に係合することによって、仕切り板1の取り付け位置を容易に決めることができると共に仕切り板1をごみ容器本体3に固定することができる。
また収集部5内にゴミ袋6を配設すると共に固定枠2とごみ容器本体の開口縁4との間にゴミ袋6の上端を挟持させることができ、ゴミ袋6がずれ落ちたりすることがないようにすることができると共にゴミ袋6の上端が外部から見えないようにすることができる。
【0006】
【実施例】
以下本考案を実施例によって詳述する。
図2にはポリプロピレン樹脂等で形成される仕切り板1が示してあり、仕切り板1は、側面に多数の長孔7aが設けてあると共に下端に切欠部7bを形成してあり、外周には全長に亘って横方向に突出するフランジ8a、8b、8cを設け、前後のフランジ8aの上端に上方に突出する突出片9、9をそれぞれ延設し、上側のフランジ8bの上面略中央に前後の突出片9、9間の全長に亘って垂直片10を形成すると共に垂直片10の両側それぞれにおいて、フランジ8bの上面に一対の取付片11を設けることによって形成してある。また前後のフランジ8aと突出片9、9とのそれぞれの接合部分には凹部12が凹設してあると共にそれぞれの取付片11には前後に開口する円形の取付孔13が穿設してある。さらに仕切り板1の上部には両側に大き目に開口する四角形の運搬口14が設けてあり、この運搬口14に指を差し込むことによって仕切り板1を運んだり取り扱ったりしやすくしてある。
【0007】
図3にはポリプロピレン樹脂等で形成される固定枠2が示してあり、固定枠2は、上下に開口し、先部が湾曲する枠本体2aの内周の全長に亘ってリブ片15を設けると共に枠本体2aの後部の外面には連結片16を突設して形成してある。連結片16の前後面には断面円形の軸部17が突設してあり、上記仕切り板1の取付孔13に差し込める大きさに形成してある。
【0008】
そして上記仕切り板1の上部両側に設けた一対の取付片11、11のそれぞれに固定枠2の連結片16を挿入すると共に取付片11の取付孔13に連結片16の軸部17を差し込むことによって、軸部17が取付孔13内で回転自在に納められ、仕切り板1の上部両側にそれぞれ固定枠2を上下回動自在に取り付けることができる。この二つの固定枠2は水平状態に回動させた時に後述のごみ容器本体3の開口縁4の内周に合致する外周を形成するようになっている。
【0009】
ごみ容器本体3は上面が長方形状に開口するポリプロピレン樹脂等で形成される容器であって、その開口縁4は外方に突出する水平部4aと水平部の外側端部から垂直上方に突出する垂直部4bから形成してある。ごみ容器本体3の長手方向と平行な水平部4aの中央部には内方に突出する突起33が設けてあると共にごみ容器本体3の内部側面下部には内方に突出するリブ部34が設けてある。またごみ容器本体3の両方の短手側面には蓋体係止具18が設けてある。蓋体係止具18は断面略コ字形に形成してあると共に、その上片の先端には係止片22が前後方向の全長に亘って設けてあり、またその下片の前後面のごみ容器本体3側端部には円形の回転軸19が突設してある。ごみ容器本体3の両方の短手側面には水平部4aの直下において一対の受け片20が設けてあり、受け片20には前後に開口する受け孔が形成してある。そして蓋体係止具18をごみ容器本体3側に開口させて回転軸19を受け片20の受け孔に差し込んで回転軸19を受け孔内で回動自在に納めることによって、ごみ容器本体3の短手側面に蓋体係止具18を上下回動自在に取り付けることができる。
【0010】
蓋体23はポリプロピレン樹脂等で形成されるものあって、図5に示すように平面部23aの上面に突部23bを設けると共に平面部23aの外周には下方に突出する外周片23cが突設してある。平面部23aの短手側上面には前後方向に長い係止凹部24が形成してあり、また外周片23cの内周は上記ごみ容器本体3の垂直部4bの外周を覆うことができる大きさに形成されている。突部23bには上下に開口する投入口25が左右に二箇所設けてあると共に投入口25の開口縁には外周突部25aが形成してある。またそれぞれの投入口25の前方の突部23bには前面と上面に開口する開閉凹部26が凹設してあると共にそれぞれの投入口25の後方の突部23bには上方に突出する蓋取付部27が形成してある。蓋取付部27の投入口25側には上面に開口する蓋取付凹所28が凹設してあると共に蓋取付凹所28の両側面は取付穴を設けてある。この蓋取付部27には蓋29が取り付けてある。蓋29の外周には下方に突出する外部片30が設けてあり、外部片30を含めた蓋29の大きさは上記外周突起25aを含めた投入口25の全体を覆うことができる大きさに形成してある。また蓋29の裏面の先端には弾性片32が蓋29の幅方向の全長に亘って設けてある。さらに蓋29の後側には結合片31が突設してあり、結合片31の両側面には連結部33が形成してある。そして蓋29の結合片31を蓋取付部27の蓋取付凹部28内に挿入すると共に連結部33を蓋取付凹部28内に枢着することによって、蓋29が蓋取付部27に回動自在に取り付けることができ、蓋29を上下に回動させることによって投入口25の開閉を行うことができるものである。蓋29を閉めた時には蓋29の裏面の先端に設けた弾性片32が投入口25の外周突部25aの前部よりも前方に弾性的に係止されるようになっている。
【0011】
そして図4に示すように各固定枠2を上方に回動させた状態で仕切り板1をごみ容器本体3内の幅方向の中央に垂直に差し込むと共に図8に示すように仕切り板1の凹部12をごみ容器本体3の水平部4aに設けた突起33に被挿し、各固定枠2を下方に回動させて水平状態にし、この水平状態の固定枠2の外周をごみ容器本体3の開口縁4の内周の全長に亘って係合することによって、仕切り板1をごみ容器本体3内に脱着自在に固定することができ、この仕切り板1でごみ容器本体3内を分割したことによってごみ容器本体3内の左右に収集部5を形成することができる。次にごみ容器本体3の垂直部4bを蓋体23の外周片23cで覆うようにしてごみ容器本体3の上に蓋体23を載せると共にごみ容器本体3に設けた蓋体係止具18を上方に回動させて係止片22を蓋体23の係止凹部24に係止して蓋体23の側面を蓋体係止具18の上片と下片とで挟持することによって、ごみ容器本体3の上に蓋体23を取り付けることができる。このようにして図6、図7に示すような分別収集用ごみ容器が形成され、蓋29を上方に回動させて投入口25を露出させ、この投入口25より収集部5内にごみを捨てることができるものである。
【0012】
この分別収集用ごみ容器では、固定枠2をごみ容器本体3の開口縁4に係合することによって仕切り板1の取り付け位置を容易に決めることができると共に仕切り板1をごみ容器本体3に着脱自在に固定することができるものである。また仕切り板1の凹部12をごみ容器本体3の水平部4aに設けた突起33に被挿したので、ごみ容器本体3内に仕切り板1をより強固に固定することができ、例えば空き瓶等の重いごみが仕切り板1にあたっても仕切り板1がずれないようにすることができるものである。さらにごみ容器本体3内を仕切り板1で分割して収集部5を形成したので、それぞれの収集部5内に別々の種類のごみを捨てることができ、ごみの分別収集が容易に行えるものである。
【0013】
また図9に示すようにごみ容器本体3の各収集部5内にゴミ袋6を配設してごみを収集後、ゴミ袋6ごと回収できるようにしてもよい。ゴミ袋6の取付方法は、まずゴミ袋6を収集部5内に配設し、ゴミ袋6の上端を固定枠2の下方から固定枠2内に挿入すると共にゴミ袋6の上端を固定枠2を巻き込むようにして固定枠2の外側に出し、固定枠2とゴミ容器本体3の開口縁4との間でゴミ袋6の上端を挟んでおこなうものである。そしてこのようにしてゴミ袋6を取り付けることによって、ゴミ袋6がずれ落ちたりすることがないようにすることができると共にゴミ袋6の上端が外部から見えないようにすることができ、分別収集用ごみ容器の外観を損なわないようにすることができるものである。
【0014】
【考案の効果】
上記のように本考案は、仕切り板の上端に複数の固定枠を上下回動自在に取り付け、ごみ容器本体内に仕切り板を着脱自在に挿入すると共に水平状態に回動した各固定枠をごみ容器本体の開口縁に係合し、ごみ容器本体内に仕切り板で分割された収集部を複数個形成したので、各固定枠を水平状態に回動してごみ容器本体の開口縁の内周と同形状の外周に形成すると共に各固定枠をごみ容器本体の開口縁に係合することによって、仕切り板の取り付け位置を容易に決めることができると共に仕切り板をごみ容器本体に着脱自在に固定することができ、仕切り板の取り付け位置のずれを防止して各収集部の広さが変化しないようにすることができるものである。また収集部内にゴミ袋を配設すると共に固定枠とごみ容器本体の開口縁との間にゴミ袋の上端を挟持させることができ、ゴミ袋がずれ落ちたりすることがないようにすることができると共にゴミ袋の上端が外部から見えないようにすることができ、各収集部にゴミ袋を容易に設けることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す分解斜視図である。
【図2】同上の仕切り板の側面図である。
【図3】同上の固定枠の平面図である。
【図4】同上の仕切り板の取り付け時の斜視図である。
【図5】同上の蓋体の拡大図である。
【図6】同上の完成後の斜視図である。
【図7】同上の完成後の一部破断した側面図である。
【図8】同上の仕切り板の凹部とごみ容器本体の突起との係合部分の拡大断面図である。
【図9】同上のゴミ袋を設けた状態の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 仕切り板
2 固定枠
3 ごみ容器本体
4 開口縁
5 収集部
18 蓋体係止具
23 蓋体
29 蓋

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 蓋を設けて形成した蓋体をごみ容器本体の上に載置し、蓋体とごみ容器本体とを蓋体係止具で固定して形成される分別収集用ごみ容器において、仕切り板の上端に複数の固定枠を上下回動自在に取り付け、ごみ容器本体内に仕切り板を着脱自在に挿入すると共に水平状態に回動した各固定枠をごみ容器本体の開口縁に係合し、ごみ容器本体内に仕切り板で分割された収集部を複数個形成して成ることを特徴とする分別収集用ごみ容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】実開平6−83602
【公開日】平成6年(1994)11月29日
【考案の名称】分別収集用ごみ容器
【国際特許分類】
【出願番号】実願平5−25049
【出願日】平成5年(1993)5月14日
【出願人】(000010054)岐阜プラスチック工業株式会社 (108)