説明

分子イメージング装置及び方法

核イメージングチェイン100が、分子造影剤102、取得システム104、再構成システム106、検出システム108、表示システム110を含む。イメージングチェインのさまざまな要素が、所望の最適化基準に基づき最適化される。イメージングチェイン100の最適化された特性は、造影剤特性、取得特性127、再構成特性143、検出特性159及び表示特性の1つ又は複数を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学における分子イメージングに関する。本発明は核医学イメージングに特定の用途を見出すが、臨床前環境及び他の非医学環境における他のイメージングモダリティにも関連する。
【背景技術】
【0002】
核医学イメージングは、患者の生物システムにおける放射性医薬品の分布を測定する医学診断イメージングの一つである。機能的レベル及び分子レベルの両方における情報を提供するのに、核イメージングは特に有益であり、ガン及び心臓病における診断及び処置、医学及び薬学研究並びに他の臨床及び研究用途に広く使用されている。
【0003】
その幅広い臨床用途の観点から、汎用の核イメージングスキャナは、幅広く利用可能となっている。従来は、これらのスキャナは、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)スキャナといったガンマカメラを含んでいた。より近年では、陽電子放出断層撮影(PET)スキャナといった陽電子デバイスが、臨床的に受け入れられてきている。汎用スキャナは通常、体のさまざまな部分(心臓スキャン及び身体スキャンが2つのありふれた例である)を画像化するよう適合又は構成されることができ、通常、特定のスキャン要件に基づき調整されることができるさまざまな画像取得プロトコル、再構成プロトコル、表示プロトコル及び他のプロトコルを含む。
【0004】
商業的に利用可能なガンマカメラの例は、PhilipsMedicalSystemsにより製造されるSkylight(登録商標)、Forte(登録商標)、Meridian(登録商標)及びCardioMD(登録商標)スキャナを含む。良く知られたPETスキャナの例は、PhilipsMedicalSystemsより入手可能なGemini(登録商標)システムがある。生体構造又は他の補間的な情報を提供するコンピュータ断層撮影(CT)又は磁気共鳴(MR)といったイメージングモダリティと核医学スキャナとの両方を含む更に別のハイブリットスキャナも、開発されている。ハイブリッドスキャナの例は、Gemini(登録商標)ハイブリッドPET/CTシステム及びPrecedence(登録商標)ハイブリッドSPECT/CTシステムである。これらもPhilipsMedicalSystemsより入手可能である。
【0005】
核医学スキャナは、分子イメージング(MI)という新興分野における使用にも非常に適している。一般的に言うと、MIは、体内における分子経路に関する情報を提供する分子造影剤を用いる。特に、疾病過程における重要なターゲットとなる経路に関する情報を提供する。MIは、特定の処置がどのようにうまく機能しているかを表示する能力だけでなく、インビボ(即ち、体内)における病気の発見、診断及び処置の可能性を持っている。
【0006】
MIの開発は、分子及び細胞生物技術における近年の進化、コンビナトリアル薬品デザインの新たな方法及び高スループット検査により支えられている。特に有望なMI技術の例は、放射性標識抗体イメージング、放射性同位元素リンパ管マッピング及び放射性標識レセプタイメージングを含む。
【0007】
一般的に言って、放射性標識抗体イメージングは、腫瘍表面のたんぱく質抗原を標的とする抗体又は抗体断片を持つ放射性薬品を用いる。放射性標識抗体造影剤の例は、インジウム111 capromab pendetide(ProstaScint(登録商標))、テクネチウム Tc‐99 arsutymomab(CEA‐Scan(登録商標))、及びsatumomab pendetide(Onco‐Scint CR/OV(登録商標))を含む。
【0008】
放射性同位元素リンパ管マッピングは、リンパ管経路を通るトレーサの運搬率とその動きとに依存する。これは、次に、トレーサの粒子サイズに依存する。理想的なリンパ管シンチグラフィ剤は、注入箇所からリンパ管系まで比較的速く通過すべきであるが、イメージング手順に一致する時間期間のためリンパ管ノードに留められるべきでもある。テクネチウムTc 99m 硫黄コロイドといった放射性医薬品を用いてリンパ管マッピングが実行されるが、追加的な研究により、追加的な更に一層効率的な造影剤が生み出される可能性もある。
【0009】
放射性標識レセプタイメージングは、異なる腫瘍が特定のレセプタタイプを過剰に発生させるというというアイデアに基づかれる。これらのレセプタタイプにバインドする特定のペプチドが、特定の放射性同位元素で標識化され、画像化されることができる。現在利用可能な造影剤は、pentetreotide(OctreoScan)、テクネチウムTc 99m depreotide(Neotect)及びテクネチウムTc 99m apcitide(Acutect)を含む。
【0010】
もちろん、上述したのは、既存の放射性トレーサ及び核イメージングにおけるその用途の数例に過ぎない。将来的な研究により、核イメージング及び他のモダリティの両方において、MI技術の範囲及び適用可能性が拡張される可能性がある。用途の必要性及びその化学的性質に応じて、分子造影剤を放射性標識化するのにさまざまな他の同位元素が使用されることができる。それは、例えば、Tc‐99m、In‐111、Ga‐68、I‐123、I‐131、Tl‐201、Krm‐81、Y‐90及びRe‐188を含むがこれらに限定されるものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
MI技術及び造影剤は、汎用的な核(又は他のモダリティ)スキャナを用いて開発されることができるが、改善の余地が残されている。通常、放射性医薬品デベロッパは、所望の特異性、動的性能、線量要件、クリアランスといった特性に基づき、特定の病気のための造影剤を開発することになる。デベロッパは通常、造影剤を評価するため、イメージングデバイスとして利用可能なカメラを用いる。斯かる状況において、デベロッパは通常、その造影剤の特定の要件に合致するようイメージングデバイスを修正するための限られた能力しか持たない。例えば、ある造影剤は、病気に対して良好な生物学的相関を持つことができるが、カメラシステムがデザインされないような高速クリアランスも持つ場合がある。もしその造影剤が病気箇所と好適にバインドするが、比較的非特異的な態様である場合、ノイズがもたらされる場合がある。更に別の例としては、その造影剤は、比較的ゆっくり定常状態に到達する場合がある。その結果、活動の相対分布が時間と共に変化してしまう。これらの各例において、有効な造影剤又は用途の識別又は受容が遅延される場合がある。極端な例では、他の有望な造影剤が、完全に見失われる場合がある。
【0012】
造影剤とスキャナ特性との相互作用が、臨床又は研究用途におけるスキャンデータの値にも影響を与える可能性がある。例えば、核カメラで使用されるプロトコルは従来は、技術ベースモデルに基づかれていた。技術ベースモデルでは、ユーザ又はオペレータが、所望の取得、再構成、表示及びその他のプロトコルを個別の状況に基づき選択するものであった。斯かるモデルは、汎用的な使用ではうまくいくことがわかったが、それ自身がユニークな要件を持つ、さまざまな特殊化されたMI造影剤の使用を含む状況では、次善最適となる可能性がある。
【0013】
本発明の側面は、これらの問題その他を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1つの側面によれば、機能的イメージングシステムが、取得システム、再構成システム及び表示システムを含む。上記機能的イメージングシステムは、分子造影剤を伴う使用に対して選択的に最適化可能である。上記機能的イメージングシステムは、更に、所望の分子造影剤を示す外部入力を受信する手段と、上記所望の分子造影剤に基づき、上記取得システムの特性、上記再構成システムの特性及び上記表示システムの特性の少なくとも1つを自動的に調整する手段とを含む。
【0015】
別の側面によれば、分子イメージング方法が、分子造影剤を示すユーザ入力を受信するステップと、取得プロトコルに基づき分子イメージングスキャンデータを取得するステップと、再構成プロトコルに基づき上記スキャンデータを再構成するステップと、表示プロトコルに基づき上記再構成されたスキャンデータを示す情報を表示するステップとを含む。上記取得プロトコル、上記再構成プロトコル及び上記表示プロトコルの少なくとも1つが、上記ユーザ入力に基づかれるコンピュータにより自動的に確立される。
【0016】
本発明の別の側面によれば、ある方法が、分子造影剤の適切な特性を特定するステップと、イメージングシステムの適切な特性を特定するステップと、イメージングチェインの性能を評価するステップと、上記評価の結果に基づき、上記分子造影剤及び前記イメージングシステムの少なくとも1つの特性を調整するステップと、上記調整された特性を含む分子造影剤及びイメージングシステムの少なくとも1つを提供するステップとを含む。
【0017】
別の側面によれば、コンピュータ可読記憶媒体が、分子イメージングにおいて使用するコンピュータ可読のデータ構造を含む。上記データ構造は、少なくとも第1のイメージングシステム識別子と、上記少なくとも第1のイメージングシステム識別子に関連付けられる少なくとも第1のイメージングシステム特性とを含む。上記少なくとも第1のイメージングシステム特性が、特定された分子造影剤を用いて分子イメージング手順における上記第1のイメージングシステムの所望の構成を特定する。
【0018】
本発明の更に別の側面によれば、分子イメージング方法が、リモートに配置されるデータ構造にアクセスするため通信ネットワークを用いるステップと、上記データ構造から所望のイメージングシステム特性を示す情報をダウンロードするステップであって、上記所望のイメージングシステム特性が、特定された分子造影剤に関連付けられるステップとを含む。上記方法は、イメージングシステムの特性を確立するため上記ダウンロードされたデータを用いるステップと、上記確立された特性に基づき上記イメージングシステムを動作させるステップとも含む。
【0019】
別の側面によれば、コンピュータ可読記憶媒体が、コンピュータで実行されるとき、前記コンピュータに、所望の分子造影剤を示す入力を受信するステップと、上記所望の分子造影剤に基づき、少なくとも第1のイメージングシステム特性を特定するステップと、上記イメージングシステム特性を上記イメージングシステムに通信するステップとを含む方法を実行させる命令を含む。
【0020】
別の側面によれば、ユーザインタフェース装置が、少なくとも第1及び第2の分子造影剤の1つを特定するユーザ入力を受信するコンピュータ入力デバイスと、上記特定された分子造影剤を用いて行われる、対象物のイメージング検査から得られる情報を表示するコンピュータ表示デバイスとを含む。上記情報が、表示プロトコルに基づき人間可読な形式で表示され、上記表示プロトコルは、上記ユーザ入力に基づき自動的に確立される。
【0021】
別の側面によれば、造影剤を提供する方法が、注目領域とイメージングモダリティとを規定するステップと、上記注目領域を標的とし、上記規定されたモダリティで可視である分子造影剤を選択するステップと、上記規定されたモダリティのイメージングシステムの最適化を可能にするパラメタのセットを規定するステップと、上記パラメタのセットを上記イメージングシステムに提供するステップとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下の詳細な説明を読み理解すれば、当業者は、本発明の更に追加的な側面を理解されるであろう。
【0023】
本発明は、本発明は、様々な要素及び要素の配列の形式並びに様々なステップ及びステップの配列の形式を取ることができる。図面は、好ましい実施形態を説明するためだけのためにあり、本発明を限定するものとして解釈されるべきものではない。
【0024】
第1の観点からは、分子造影剤102が、一体化された分子造影剤イメージングシステムにおける機械的、電気的、ソフトウェア的及びその他の要素を具備するシステムデザイン要素として考えられるようなソリューションベースのシステムを提供することが望ましい。更に別の観点からは、分子造影剤イメージングシステムのさまざまな要素が、一体化された態様でユーザに与えられる、改善されたワークフローを提供することが望ましい。
【0025】
イメージングチェイン100の一部として分子造影剤102がモデル化される核イメージングシステムのさまざまな部分間の相互作用が、図1A〜図1Dに描かれる。イメージングチェイン100は、分子造影剤102、取得/カメラシステム104、再構成システム106、診断システム108、表示システム110及び他の入力部112を含む。
【0026】
分子造影剤102は、摂取速度114、流出速度116、線量118、動的挙動120、ターゲットサイト122、分布124及びエネルギー126といった特性を持つ。これらの特性は、造影剤の挙動及び有効性に影響を与える。分子造影剤102は、治療的成分を含むこともできる。
【0027】
図1Aを特に参照すると、取得/カメラシステム104は、検査下の人間の患者又は他の対象物における放射性核種崩壊を示すデータを生成するSPECT又はPETといった核イメージングシステムを含む。取得システム104は通常、取得時間128、角度毎の分布時間130、待ち時間132、システムハードウェア及び/又はソフトウェア構成134、コリメータシステム構成136並びにマトリクスサイズ140といったさまざまなプロトコル又は構成オプションを含む。
【0028】
二重矢印142により図示されるように、1つ又は複数の分子造影剤102の特性は、所望の取得システム特性127に影響を与える可能性を持つ。結果的に、イメージングチェイン100が、一体化された態様で動作するよう、そのさまざまなパラメタを最適化することが望ましい。
【0029】
一般的に、取得時間128が短いほど好ましい。しかしながら、造影剤102の動的挙動120に注目する場合、短い取得を系列状に行うことが望ましい場合がある。更に、一般には、造影剤線量118を最小化することが望ましい。摂取速度114、患者の忍耐力及び画像品質といった要素を考慮すると、最適な線量118及び取得時間128は通常、相互に関係している。
【0030】
特にSPECTイメージング又はスキャナ検出器位置が変化されるような他の状況においては、統計量を増加させるため又はさもなければ後続する再構成のためのデータを最適化するため、符号130で描かれる角度の関数として取得時間を変化させることが望ましい場合もある。例えば、心臓かん流イメージングの場合、取得時間の半分を前面180度位置に費やし、残り半分を後面180度位置に費やす代わりに、前面180度取得がしばしば使用される。当業者には知られているように、斯かる構成は、心筋領域におけるカウントを増やすため、解像度と一様性とを取引するものである。
【0031】
造影剤102の導入後の待ち時間132は、関連する別の取得パラメタである。多くの場合、造影剤102が定常状態にあるとき又は定常状態に近いとき、取得が開始される。他の場合、特に、造影剤が比較的長い摂取時間を持つ場合、所望の待ち時間132は、定常条件と体内に残る活動との間のトレードオフとなる場合がある。しかしながら、再構成の間の造影剤の挙動をモデル化することにより、注入後の待ち時間がしばしば減らされることができ、追加的なカウントも得られることができる。造影剤102の導入を容易にするために、所望の造影剤注入又は導入プロトコルも確立されることができる。そのプロトコルはその後、取得と共働した自動的又はユーザ始動による導入のため、注入器又は他の線量用途デバイスに適切なインタフェースを介して送られる。
【0032】
取得システム構成134パラメタは、ハードウェア及びソフトウェアパラメタの両方を含むことができる。例示的なハードウェア構成パラメタは、検出器間の角度又は他の物理的関係(例えば、反対側に位置する、直交する、又は、他の所望の角度的若しくは物理的関係)、検出器の放射状位置、及び所望のスキャン軌道(例えば、円形、楕円、螺旋等)といったカメラ位置パラメタを含む。取得システム104の構成が調整されることができる場合、その調整は、特定のスキャン要件に基づき必要とされる態様で実行されることができる。生体構造の特定の領域(例えば、心臓、胸、又は脳系)又は造影剤102の特性(例えば、エネルギー、カウント率等)で使用するため最適化される専用のスキャナも想定される。ソフトウェア又はファームウェアの場合、さまざまな構成又はモジュールが提供されることができる。
【0033】
コリメータシステム構成136が通常、それに従って選択されるスキャンで使用される1つ又は複数のコリメータを用いて、サンプリングの空間分解能及び感度を最適化するために選択される。注目領域が比較的小さいような例示的な場合において、高分解能コリメータ(例えば、ファン又はコーンコリメータ)が、特定の注目領域を画像化するのに使用されることができる。高感度低分解能のコリメータが、その対象物又は患者の他の位置からデータを得るのに使用されることができる。更に別の例として、分離されたコリメータが使用されることができる。更に別の例は、特定のコリメータの分解能、撮像野、拡大/縮小又は他の特性が、機械的その他の方法で調整されることを可能にする可変又は調整可能なコリメータの使用を含む。
【0034】
更に別の考慮事項は、マトリクスサイズ140である。これは有利には、処理時間と画像分解能との間の関係を最適化するよう選択される。速度が重要な考慮要素である臨床状況及び他の状況において、処理時間を減らすことが特に望ましい場合がある。特に、3次元(3D)再構成技術は、ますます有名になりつつある。一般的には、比較的より強力な又はより高速な再構成コンピュータ、より高速又はより効率的な再構成アルゴリズム等を用いることにより、速度も増加されることができる。
【0035】
ここで図1Bを参照すると、再構成システム106は、検査下の患者又は他の対象物における放射性核種分布を示すボリュメトリックデータを生成するため、取得システム104からのイベントデータを再構成する。反復及び解析技術を含むさまざまな再構成技術が、当業者には良く知られており、用途に特有な要件に基づき選択されることができる。再構成システム106は、再構成プロトコル又は構成オプションといったさまざまな特性143を含むことができる。この中には、カウント最適化144、動的再構成146、加重再構成148、静的又は動的再構成150、先験的制約再構成152、器官特有再構成154、システム反応機能156、及び生理的訂正158が含まれる。
【0036】
核医学イメージングにおける永年の課題は、カウントの利用可能性である。結果として、画像品質は、患者毎に異なるか、又は同じ患者に対する複数のスキャン間でも変化する場合がある。結果的に、比較的広範なカウント統計のより一層均一な画像品質を提供するため、カウント最適化技術144が使用されることができる。1つの適切な技術は、2005年9月26日付け「Iterative Reconstruction with Enhanced Noise Control Filter」というタイトルの米国特許出願シリアル番号60/720431号に記載されるデュアルマッチフィルタを用いる。この出願は、本書においても参照によりその全体が明示的に含まれる。
【0037】
スキャンの間分子造影剤102の濃度が定常状態にない場合、そのデータは、取得の過程において動的に変化する。これは、時間と共に検出器投影角が変化するSPECT又は他の用途における特有の課題である。これらの効果を減らすため、変化するカウント率を説明する動的再構成法146が使用される。
【0038】
投影データの所望の部分に好ましく重み付けをし、こうしてノイズを減らすため、加重再構成技術148も使用されることができる。例えば、特定の角投影で得られる投影が、より有益な情報を含む場合がある。これらの投影が、好ましく重み付けされることができる。
【0039】
先験的制約再構成技術152は、再構成の間、境界条件を構築するため生体構造又は他の知られた情報を用いる。注目領域の位置が知られている場合、体の他の部分からのノイズを最小化するため、器官特有の再構成技術154が使用されることができる。
【0040】
全体のシステム反応機能156は、特に、例えば、同位元素エネルギー特性126、コリメータ構成136、検出器分解能、対象物の位置及びシステム構成134といった要素が原因で、異なる造影剤102毎に変化することができる。画像品質を改善するために、システム反応依存の分解能回復法が通常使用される。減衰及び散乱訂正が適切に適用されることができる。
【0041】
生理的訂正158も適用されることができる。例えば、呼吸及び心臓ゲート訂正並びに非剛体(non-rigid)画像レジストレーション技術がある。更に別の例は、注目領域の特定を助ける生体構造ランドマークの使用を含む。これは、MIでは特に重要である可能性がある。なぜなら、任意の生体構造情報の場合、病気特有の造影剤は通常、限られたものを提供するからである。しかしながら、通常、心臓、肝臓及び腎臓といったいくつかの重要な器官は、ボリュメトリックデータで見ることができる。注目領域の位置決めに役立つだけでなく、その情報は、その器官における活動によりもたらされるノイズを減少させるのに使用されることができる。検出/診断システム108は、定量化160、動的パラメタ162、対象物ベースの分割164、対象物ベースのポスト処理166、対象物ベースの検索168及び正常/異常インデックス情報170といった機能を含むことができる。
【0042】
次に図1Cを参照すると、検出/診断システム108は、診断インデックス、コンピュータ支援検出(CAD)、コンピュータ支援診断(CADx)、治療計画、又は、医師若しくは他のユーザがスキャンの結果を解釈するか、若しくは処置の過程を計画するのに役立つ他の機能を含むことができる。典型的な検出/診断システム特性159は、定量化情報160、動的パラメタ162、対象物ベースの分割164、対象物ベースのポスト処理166、対象物ベースの検索168、正常/異常インデックス情報170及び治療計画171といった診断プロトコル又は構成オプションを含む。
【0043】
従来は、核イメージング技術は、特定のイメージングプロトコルにおいていくつかの種類の定量的情報を提供してきた。特定の患者に対するスキャンデータの有益性、並びにスキャン同士、患者同士及び医師同士での診断結果の一様性は、多くの場合注目するパラメタを示す定量的データ160を提供することにより改善されることができる。理解されるように、定量的データの本質及び存在だけでなく、注目パラメタが、特定の分子造影剤102、スキャンにおける注目領域等に強く関連付けられる。
【0044】
特定の状況において、単一画像(定常)情報は、診断又は処置に関する限られた情報のみを与えることができる。結果的に、動的パラメタ162も提供されることができる。通常、注目領域における造影剤摂取処理は、数学的モデル(即ち、摂取に関する生理的モデリング)により記述されることができる。普通使用されるモデルは、第1のオーダ、第2のオーダ又は第3のオーダのコンパートメントモデルを含む。注入特性と共に系列状の動的画像を用いることにより、関連する動的パラメタ162が得られ、適切な態様で表示されることができる。
【0045】
1つ又は複数の対象物ベースの分割164、ポスト処理166及び検索168も、所与の分子造影剤102と共に与えられるか、又は最適化されることができる。分割164は通常、周囲の生体構造から注目領域を分割又は分離するため生体構造情報(例えば、CTスキャンデータ)を用いる。再構成及びポスト処理を改善するため、分割されたデータが使用されることができる。対象物ベースのポスト処理166は通常、より特有なポスト処理及び訂正を提供するため、ランドマーク情報、分割された領域情報等を用いる。検索機能168は通常、注目の関連領域又は箇所をユーザに提示するべく特定するため、生理的及びその他の情報を用いる。
【0046】
スキャンからの情報が、放射線治療計画(RTP)又は他の治療計画システムに提供されることもできる。1つの斯かる実現において、治療計画システムの要件に合致するよう、スキャン出力がフォーマット化又は処理される。その後医師又は他のユーザは、治療計画を実行するためスキャン結果が利用可能であることについて通知を受けることができる。この通知は、例えば、スキャンが完了したことを関連ユーザ又は病院のHIS/RISシステムに通知することにより行われる。スキャンデータ自身が送信されることもできる。別の実現では、治療計画機能のいくつか又はすべてがスキャナに組み込まれることができ、治療計画が自動的又は半自動的に開始される。
【0047】
検出又は診断における更なる支援のため、CAD又はCADx機能といった正常/異常インデックス情報170も提供されることができる。ここでも、正確な機能は、特定の分子造影剤102及び他の用途特有な要件に依存する。
【0048】
次に図1Dを参照すると、表示システム110が通常、表示システムプロトコル又は構成オプション171の所望のセットに基づき、モニタ又はディスプレイ、フィルム、印刷物等に人間が読める形式でイメージング情報を表示する。理解されるように、表示される形式だけでなく、表示される情報は、分子造影剤102、注目領域、病気状態及び他の用途特有な要件の機能として変化する。表示システム110は好ましくは、特定の分子造影剤102での使用及び/又は用途に対して最適化され、その目的は、関連情報が、最小のユーザ介入で、トレーサ及び/又は対象物特有の表示形式172において与えられることである。例えば、画像データが、1つ又は複数の画像スライス、分割された注目領域の3次元レンダリング表示、機能的パラメタマップ、診断的注釈等として与えられることができる。通常汎用的なイメージングパッケージと共に与えられる追加機能も与えられることができ、その結果、ユーザがそう望むなら画像を更に操作することができる。
【0049】
図2を参照すると、インジウムIn‐111 capromab pendetide(ProstaScint)といった例示的分子造影剤と共に汎用的なSPECTシステム200に対する最適化が、以下1つの実施形態において説明されることになる。理解されるように、ProstaScintは、腫瘍学用途における前立腺のイメージングに好適な放射性標識抗体造影剤である。
【0050】
ProstaScintの比較的長い半減期及び前立腺領域における比較的低い摂取の観点から、線量が重要な要素になり、結果として、比較的長いイメージング時間を生じさせる。従って、画像品質へのインパクトを最小化しつつ、取得時間128を減らすことが望ましい。ProstaScintはサイト特有であることが知られているので、角時間分布138は、生体構造に関する考慮に基づき調整されることができる。前立腺は比較的小さく、体における規定された領域であるので、前立腺領域において比較的高空間分解能を提供するコリメータ136も使用されることができる。利用可能なカウントを増やすため、周囲の領域で比較的低い空間分解能を提供するコリメータが使用されることができる。
【0051】
再構成パラメタについて考えると、ProstaScintは比較的低いカウント率であり、従って、デュアルマッチングフィルタといったカウント最適化技術144の使用のための特定の候補である。角加重再構成148が適用されることができる。例えば、側面的に得られるものに対して患者の前方及び後方から取得される投影に好ましく重み付けをすることにより行われる。また、前立腺の比較的好適に規定された領域の表示において、ProstaScintイメージングは、1つ又は複数の先験的制約再構成152又は器官特有再構成154に対する良い候補であり、及びシステム反応機能156の最適化に対するよい候補である。
【0052】
検出システム108に話を移すと、ProstaScintイメージングは、定量化160によく適している。同様に、表示システム110は、前立腺の領域に関連する画像を表示するよう最適化されることができる。
【0053】
前述の例はProstaScintに焦点を当てたが、他の造影剤又は造影剤のクラス(上述されたものを含むがそれらに限定されない)に特有な、及び他の注目領域に特有な最適化も与えられることができる。本技術は、デュアル又はマルチプル放射性同位元素イメージングにも適用されることができる。
【0054】
前述の議論から理解されるように、所与の分子造影剤102を用いて最適又は所望の結果を得ることは、イメージングチェイン100の性能に影響を与えることができるさまざまなプロトコル及び他のパラメタに関係する。特に、ユーザの焦点がその実現に関する技術の詳細ではなく検査の結果であるような臨床及び研究用途においては、さまざまなプロトコルを選択することは、難しく、時間を消費するものであり、間違いの元である。従って、1つの実現において、特定の分子造影剤102に関連するプロトコル又は特性のいくつか又はすべてが、特定の造影剤又は造影剤のクラスで動作するようデザインされる専用のシステムを提供するために、そのイメージングシステムのデザインに組み込まれる。
【0055】
他の状況において、汎用又は専用の核イメージングシステムを提供することが望ましい場合がある。そのイメージングシステムに対して分子造影剤102特有の最適化が、所与のスキャン要件に基づきユーザにより容易に適用されることができる。図3を参照すると、斯かるイメージングシステム300は、オペレータインタフェース302を含む。このオペレータインタフェースは通常、モニタ又は他のディスプレイと、キーボード及びマウスといった入力デバイスとを持つコンピュータ又はコンピュータワークステーションを含む。コンピュータは、所望の機能を実行するため、コンピュータ可読記憶媒体(例えば、コンピュータに含まれるか適切なネットワークを介してアクセスされる揮発性又は不揮発性メモリ)に格納される命令を実行するプロセッサを含む。人間ユーザとの直接的な対話は有利には、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を介して提供される。
【0056】
ユーザインタフェース302は、手動、半自動、自動的その他の方法かに関係無く、ユーザが所望する態様でデータの転送を容易にする他の入力及び出力デバイスも含むことができる。非限定的な例は、光学的(例えば、バーコード又はスノーボール(snowball))、磁気的(例えば磁気カードリーダ)、無線周波数(例えば、無線周波数識別子(RFID)又はニアフィールド通信(NFC))、音声又は他のスキャナ又はリーダを含む。更に他のインタフェースは、病院情報システム/放射線情報システム(HIS/RIS)、医用デジタル通信(DICOM)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットといったネットワーク又は他の通信インタフェースと、有線又は無線通信デバイスとを含む。理解されるように、斯かるインタフェースは通常、ユーザが所望のスキャンプロトコルを設定し、スキャンを開始及び終了し、結果のスキャンデータを表示及び/又は操作し、その他スキャナへ及び/又はスキャナから所望のデータと相互作用するか又は通信することを可能にする。
【0057】
汎用的なイメージングシステムとして構成されるとき、オペレータインタフェース302は好ましくは、ユーザが、例えば、従来の放射線医薬品を用いて従来のスキャナとしてそのシステムを動作させること、又は所望の注目領域を画像化することを可能にする。オペレータインタフェースは、ユーザが、特定のスキャンに使用される造影剤(imaging agent)304を特定することも可能にする。
【0058】
1つ又は複数の分子造影剤304、304、...304に対する所望の取得システム127、再構成システム143、検出システム159及び表示システム171の1つ又は複数の特性が、イメージングシステム302に関連付けられるコンピュータ可読メモリに格納される。特定の分子造影剤304が、オペレータインタフェース302を介してオペレータにより選択されるとき、イメージングシステムのさまざまな部分に対して関連する特性が自動的に確立される。1つの実現において、さまざまなプロトコルがユーザ介入なしに自動的に確立される。処理は、1つのサブシステムから次のサブシステムへと自動的に進行することができる。別の実現では、ユーザは、1つ又は複数のプロトコルを表示又は修正する機会を与えられることができる。コリメータ136又は他の構成がユーザにより実行される場合、ユーザは、必要なようにシステムを構成するよう指示を受ける。イメージングシステム302が、注入器を含むか又は注入器のインタフェースとなる場合、選択された造影剤に基づき、所望の注入プロトコルが自動的に確立されることもできる。
【0059】
さまざまな特性がさまざまな態様で格納され選択されることができる。1つの実現において、その特性は、選択された分子造影剤304に基づきアクセスされるデータベースに格納される。1つの実現において、データベースは、イメージングシステム300のディスクその他のメモリに格納される。他の実現では、データベースは、イメージングシステムから離れて格納され、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、病院情報システム/放射線情報システム(HIS/RIS)、インターネット、又は他の適切な通信ネットワークを介してアクセスされる。別の実現では、オペレータインタフェース302は、コンピュータ可読メモリに含まれ、特定の造影剤又は斯かる造影剤のクラスに関する1つ又は複数の分子イメージングアプリケーションソフトウェアパッケージを含む。ユーザは、特定のスキャンに関連するアプリケーションソフトウェアパッケージを選択する。
【0060】
図6を参照すると、複数のイメージングシステム604、604、...604のそれぞれに対する、及び1つ又は複数の分子造影剤602、602、...602に対する所望のイメージングシステム特性606、606、...606が、コンピュータ可読データベースに格納される。イメージングシステム604は、異なるイメージングシステムベンダにより提供されるイメージングシステム、又は所与のベンダにより与えられる、イメージングシステム604の異なるモデル若しくはバージョン、又はその両方の組み合わせとすることができる。イメージングシステム特性606は、各システムモデル及び/又はベンダに対して異なるものとすることができる。リモートでの実現に特によく適したデータベースが、所望の情報をダウンロードするのに必要とされるとき時々アクセスされる。動作時においては、図4を参照すると、分子造影剤の選択は、ステップ402でユーザから受信される。上述されたように、ユーザは、さまざまな方法で、造影剤を選択することができる。例えば、斯かる造影剤のリストから所望の造影剤を選択することによって、造影剤若しくは造影剤のクラスに対して事前に構成された1つ又は複数のアプリケーションソフトウェアパッケージを選択することによって、又は患者の医師により記述された造影剤及び/若しくはイメージングプロトコルに関連付けられる患者デモグラフィック情報を入力若しくは選択することによって、選択される。
【0061】
ある典型的なワークフローにおいて、特定の造影剤及び/又は所望のスキャンプロトコル(例えば、心臓、全身又は他のスキャン)を受信するため既に指定された(prescribed)患者(又は系列状の患者)がユーザ又はオペレータに提示される。1つの例示的な実現において、適当な患者デモグラフィック、造影剤及び/又はプロトコル情報が、特定の患者に随伴する旅行者(traveler)で実行される。斯かる状況において、ユーザ入力は、所望の情報を取得するため、(直接的なユーザ介入その他無しに自動的に)その旅行者をスキャンすることにより与えられることができる。別の例では、患者デモグラフィック情報を手動で入力し、スキャンされる患者のリストから特定の患者を選択することにより、又は、適切なスキャナ又はリーダを介して(自動的その他により)受信されることにより、ユーザ入力が与えられることができる。デモグラフィック情報はその後、HIS/RISシステム又は他の外部データベースから受信される対応する分子造影剤、スキャン及び/又は他のプロトコル情報とマッチされることができる。ユーザは、データベースのいくつか又はすべてを設ける(populate)ことも、ユーザの好み又はユーザ要件に基づき、アプリケーションソフトウェアの特性のいくつか又はすべてを選択することもできる点に留意されたい。
【0062】
ステップ404において、関連するイメージングシステム特性及びプロトコルが、ユーザにより選択される造影剤に基づき自動的に確立される。上述されたように、ユーザは、必要なようにコリメータ136又は他の設定を構成するよう指示を受けることもできる。
【0063】
ステップ406において、その特定された取得プロトコルに基づき、スキャンデータを得るため取得システム104が使用される。
【0064】
ステップ408において、再構成システム106が、その特定された取得プロトコルに基づき、スキャンデータを再構成する。
【0065】
ステップ410において、検出システム108が、所望の診断情報プロトコルに基づき、所望の診断情報を提供する。
【0066】
ステップ412において、表示システム110が、所望の表示プロトコルに基づき、所望の人間可読出力情報を生成する。
【0067】
さまざまな特性及びプロトコルは、スキャンの前に確立される必要はない点に留意されたい。従って、例えば、これらの特性及びプロトコルがイメージング処理の間実行又はその他作動されるとき、関連システム要素に与えられることができる。追加又は異なるシステム要素及び特性が与えられることもできる。
【0068】
図5を参照すると、分子イメージングチェインを最適化する方法が記載される。
【0069】
ステップ502では、適切な分子造影剤特性が特定される。
【0070】
ステップ504では、適切なイメージングシステム特性が特定される。
【0071】
ステップ506では、例えば1つ又は複数のシミュレーション又は試験スキャンを用いて、選択された特性のセットに対して、イメージングチェインの性能が評価される。
【0072】
ステップ508では、分子造影剤及び/又はイメージングシステムの特性が調整される。
【0073】
ステップ510に示されるように、所望の性能が得られるまで、評価ステップ及び調整ステップが繰り返される。その場合、所望の分子造影剤及びイメージングシステム特性が特定される。
【0074】
ステップ512では、その特定された特性を持つ分子造影剤が与えられることができる。所望のイメージングチェイン特性を与えるべくそれぞれ最適化される関連造影剤の族も提供されることができる点に留意されたい。
【0075】
ステップ514では、その特定された特性を持つ核イメージングシステムが与えられることができる。上述されたように、その最適化された核イメージングシステムは、さまざまな方法で与えられることができる。例えば、専用の核イメージングシステムが与えられることができ、汎用のイメージングシステムが、選択された分子造影剤に対する特性を示すデータベース又は他の情報を具備することができる。また、イメージングシステムが、そのイメージングシステムと共に動作する1つ又は複数のソフトウェアアプリケーションパッケージを具備することもできる。
【0076】
上述されたように、斯かる技術の特定の利点は、イメージングチェインの性能が、一体化された態様で評価されることができる点であり、イメージングチェインのさまざまな要素がそれに従ってデザインされることができる点にある。分子造影剤及びイメージングシステム特性が別々に開発される従来の技術と比べて、より効率的な結果が得られることができる。
【0077】
前述の議論は、核イメージングに主に焦点を当ててきたが、磁気共鳴(MR)、コンピュータ断層撮影(CT)、超音波(US)及び適切な分子造影剤及びマーカと共に使用されることができる他のモダリティにも適用可能である。分子造影剤及びイメージングシステムの特有の実現は、モダリティに基づき変化するが、にも関わらず、分子造影剤イメージングシステムのさまざまな要素を最適化することが望ましいことに変わりはない。MRでは、例えば、適用されるパルスシーケンス、傾斜コイル、無線周波数(RF)送信及び受信コイル、再構成パラメタといったものの1つ又は複数の特性を最適化することが望ましい。CTでは、例えば、X線電圧、適用される線量、スキャン軌跡、コリメーション、ゲーティング技術又は他のパラメタの1つ又は複数を最適化することが望ましい。もちろん、アプリケーション特有の要件及びモダリティ特有の要件に基づく、更に他のプロトコル及びパラメタ最適化が、当業者には理解されるであろう。
【0078】
上記詳細な説明を読み理解すれば、第三者は、修正及び変形を思い付くことになろう。本発明は、添付の請求項及びそれらと均等な範囲内である限り、斯かる修正及び変更をすべて含むものとして解釈されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1A】核医学イメージングチェインを表す図である。
【図1B】核医学イメージングチェインを表す図である。
【図1C】核医学イメージングチェインを表す図である。
【図1D】核医学イメージングチェインを表す図である。
【図2】例示的な分子造影剤の最適化を表す図である。
【図3】核医学イメージングシステムを表す図である。
【図4】分子イメージング方法を表す図である。
【図5】分子イメージングチェインをデザインする方法を表す図である。
【図6】複数のイメージングシステムに対するイメージングシステム特性を含むコンピュータデータベースを表す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得システム、再構成システム及び表示システムを有する機能的イメージングシステムであって、前記機能的イメージングシステムが、分子造影剤を伴う使用に対して選択的に最適化可能であり、更に、
所望の分子造影剤を示す外部入力を受信する手段と、
前記所望の分子造影剤に基づき、前記取得システムの特性、前記再構成システムの特性及び前記表示システムの特性の少なくとも1つを自動的に調整する手段とを含む、機能的イメージングシステム。
【請求項2】
病気検出システムを更に含み、前記自動調整手段が、前記病気検出システムの特性を自動的に調整する手段を含む、請求項1に記載の機能的イメージングシステム。
【請求項3】
前記特性が、定量化情報、動的パラメタ、対象物ベースの分割、正常/異常インデックス及び治療計画の少なくとも1つを含む、請求項2に記載の機能的イメージングシステム。
【請求項4】
前記機能的イメージングシステムが、汎用な核イメージングシステムである、請求項1に記載の機能的イメージングシステム。
【請求項5】
前記自動調整手段が、少なくとも第1の分子造影剤に対する前記イメージングシステムの特性を含むデータベースを含む、請求項1に記載の機能的イメージングシステム。
【請求項6】
前記イメージングシステムの特性が、再構成プロトコルを含む、請求項5に記載の機能的イメージングシステム。
【請求項7】
前記自動調整手段が、前記所望の分子造影剤に基づき前記ユーザにより選択されるアプリケーションソフトウェアパッケージを含む、請求項1に記載の機能的イメージングシステム。
【請求項8】
前記分子造影剤が、放射線標識抗体造影剤、リンパシンチグラフィ造影剤及び放射線標識レセプタ造影剤の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の機能的イメージングシステム。
【請求項9】
前記造影剤が、インジウムを含む、請求項8に記載の機能的イメージングシステム。
【請求項10】
前記自動調整手段が、取得プロトコルを調整する、請求項1に記載の機能的イメージングシステム。
【請求項11】
前記自動調整手段が、表示プロトコルを調整する、請求項1に記載の機能的イメージングシステム。
【請求項12】
前記自動調整手段が、再構成プロトコルを調整する、請求項1に記載の機能的イメージングシステム。
【請求項13】
分子造影剤を示すユーザ入力を受信するステップと、
取得プロトコルに基づき分子イメージングスキャンデータを取得するステップと、
再構成プロトコルに基づき前記スキャンデータを再構成するステップと、
表示プロトコルに基づき前記再構成されたスキャンデータを示す情報を表示するステップとを有し、
前記取得プロトコル、前記再構成プロトコル及び前記表示プロトコルの少なくとも1つが、前記ユーザ入力に基づかれるコンピュータにより自動的に確立される、分子イメージング方法。
【請求項14】
前記取得プロトコル、前記再構成プロトコル及び前記表示プロトコルが、コンピュータにより自動的に確立される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記確立されたプロトコルを確定するよう前記ユーザに要求するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
所望のプロトコルを示す情報をデータベースから取得するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記ユーザ入力が、患者デモグラフィック情報を含み、前記方法は、前記患者デモグラフィック情報と分子造影剤とを関連付けるステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記取得プロトコルが、前記分子造影剤の選択に基づきコンピュータにより自動的に確立され、前記取得プロトコルは、取得時間を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記分子イメージングスキャンデータが、核イメージングスキャンデータであり、前記再構成プロトコルは、前記分子造影剤の選択に基づきコンピュータにより自動的に確立され、前記再構成プロトコルが、カウント最適化を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記表示プロトコルが、前記分子造影剤の選択に基づきコンピュータにより自動的に確立され、前記表示プロトコルは、器官特有の表示設定を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記分子造影剤が、腫瘍造影剤である、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記分子造影剤が、前立腺を標的とするものである、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
前記分子造影剤が、インジウムを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
分子造影剤の適切な特性を特定するステップと、
イメージングシステムの適切な特性を特定するステップと、
イメージングチェインの性能を評価するステップと、
前記評価の結果に基づき、前記分子造影剤及び前記イメージングシステムの少なくとも1つの適切な特性を調整するステップと、
前記調整された特性を含む分子造影剤及びイメージングシステムの少なくとも1つを提供するステップとを有する、方法。
【請求項25】
前記提供するステップが、イメージングシステムからアクセス可能なコンピュータメモリに前記調整された特性を格納するステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記コンピュータメモリが、前記イメージングシステムから離れて配置され、コンピュータネットワークを介して前記イメージングシステムからアクセス可能である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記調整された特性が、データベースに格納される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記データベースが、複数のイメージングシステムのそれぞれに対する適切な特性を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
適切な分子造影剤の特性が、摂取速度、用量、及びターゲットサイトを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記適切なイメージングシステムの特性が、取得特性、再構成特性、及び表示特性を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
分子イメージングにおいて使用するコンピュータ可読のデータ構造を含む、コンピュータ可読記憶媒体であって、前記データ構造が、
少なくとも第1のイメージングシステム識別子と、
前記少なくとも第1のイメージングシステム識別子に関連付けられる少なくとも第1のイメージングシステム特性とを有し、前記少なくとも第1のイメージングシステム特性が、特定された分子造影剤を用いる分子イメージング手順における前記第1のイメージングシステムの所望の構成を特定する、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項32】
前記データ構造が、少なくとも第1の分子造影剤識別子、複数のイメージングシステム識別子及び前記各システム識別子に関連付けられる少なくとも第1のイメージングシステム特性を含む、請求項31に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項33】
前記少なくとも第1のイメージングシステム特性が、取得システム特性を含む、請求項31に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項34】
前記データ構造が、複数のイメージングシステム識別子を含み、前記イメージングシステム識別子は、異なるベンダにより製造されるイメージングシステム及び単一ベンダにより製造されるイメージングシステムモデルの少なくとも1つを特定する、請求項31に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項35】
リモートに配置されるデータ構造にアクセスするため通信ネットワークを用いるステップと、
前記データ構造から所望のイメージングシステム特性を示す情報をダウンロードするステップであって、前記所望のイメージングシステム特性が、特定された分子造影剤に関連付けられる、ステップと、
イメージングシステムの特性を確立するため前記ダウンロードされたデータを用いるステップと、
前記確立された特性に基づき前記イメージングシステムを動作させるステップとを有する、分子イメージング方法。
【請求項36】
イメージングシステムタイプを特定するステップと、前記特定されたイメージングシステムタイプに特有な情報をダウンロードするステップとを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
患者を特定するステップと、前記特定された患者に特有な情報をダウンロードするステップとを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
コンピュータで実行されるとき、前記コンピュータに、
所望の分子造影剤を示す入力を受信するステップと、
前記所望の分子造影剤に基づき、少なくとも第1のイメージングシステム特性を特定するステップと、
前記イメージングシステムの特性を前記イメージングシステムに通信するステップとを有する方法を実行させる命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項39】
前記入力が、患者デモグラフィック情報を含み、前記方法は、前記所望の分子造影剤を決定するため前記デモグラフィック情報を用いるステップを含む、請求項38に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項40】
前記特定するステップが、前記イメージングシステム特性をデータベースから取得するステップを含む、請求項38に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項41】
少なくとも第1及び第2の分子造影剤の1つを特定するユーザ入力を受信するコンピュータ入力デバイスと、
前記特定された分子造影剤を用いて行われる、対象物のイメージング検査から得られる情報を表示するコンピュータ表示デバイスとを有し、前記情報が、表示プロトコルに基づき人間可読な形式で表示され、前記表示プロトコルは、前記ユーザ入力に基づき自動的に確立される、ユーザインタフェース装置。
【請求項42】
前記第1の表示プロトコルが、画像スライス、3次元レンダリング表示、機能的パラメタマップ又は診断注記の1つ又は複数を含むフォーマットで前記情報の表示を特定する、請求項41に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項43】
前記コンピュータ入力デバイスが、スキャナ、電子通信インタフェース及びキーボードの少なくとも1つを含む、請求項42に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項44】
前記ユーザ入力が、患者デモグラフィック情報を含む、請求項41に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項45】
前記ユーザインタフェースが、イメージングシステムに動作可能に接続され、前記ユーザ入力は、前記イメージングシステムの取得、再構成及び検出特性の少なくとも1つを自動的に確立するのに使用される、請求項41に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項46】
前記表示プロトコルが、少なくとも第1及び第2の表示プロトコルから自動的に選択される、請求項41に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項47】
前記ユーザインタフェース装置が、グラフィカルユーザインタフェースを含む、請求項41に記載のユーザインタフェース装置。
【請求項48】
造影剤を提供する方法において、
注目領域とイメージングモダリティとを規定するステップと、
前記注目領域を標的とし、前記規定されたモダリティで可視である分子造影剤を選択するステップと、
前記規定されたモダリティのイメージングシステムの最適化を可能にするパラメタのセットを規定するステップと、
前記パラメタのセットを前記イメージングシステムに提供するステップとを有する、方法。
【請求項49】
前記パラメタのセットが、取得、再構成及び表示パラメタの少なくとも1つを含む、請求項48に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−540269(P2009−540269A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513387(P2009−513387)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/069599
【国際公開番号】WO2007/143403
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】