説明

分岐コネクタ

【課題】同一平面上に複数の端子接続部を配置することで、外形の高さを全体として抑え、設置を容易にする分岐コネクタを提供すること。
【解決手段】分岐コネクタ1,1A,1B及び1Cは、複数のケーブル21が配線された回路2が接続されるフード111を複数有するハウジング11の内部に設けられ、各ケーブル21とそれぞれ電気的に接続され、互いに絶縁された複数の分岐端子12,12A,12B,12C及び12Dを備え、分岐端子12乃至12Dは、複数のフード111内にそれぞれ配置され、ケーブル21に接続される複数の端子接続部121と、複数の端子接続部121を互いに連結する端子連結部122と、を有し、複数の分岐端子12乃至12Dにおける複数の端子接続部121は、端子連結部122で囲まれる領域1Fと平行する1つの端子接続部平面2F上に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分岐コネクタに関し、特に複数のケーブルが配線された回路が複数接続される分岐コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、住宅関連等の電気機器内の電源又は信号配線は、供給先が複数ある場合、幹線回路を分岐コネクタで分岐させた別回路(以下、分岐回路とも言う)により、複数の供給先に供給される。
このように分岐コネクタを用いることで、電気回路の設計の自由度、分岐ハーネス作業及び保守作業の簡便性が大幅に向上する。
【0003】
このような分岐コネクタとして、特許文献1及び2には、平面視でT字形状に形成され、幹線回路及び分岐回路を、圧縮、差し込み方式又は半田付などで接続させ、この接続箇所をテープや絶縁体で保護する分岐コネクタが提案されている。
また、特許文献3には、幹線回路及び分岐回路の先端に設けられたソケットが挿入されるフードを有する分岐コネクタが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3353007号公報
【特許文献2】実開平4−47347号公報
【特許文献3】実開昭56−115878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図15は、従来技術の分岐端子の斜視図である。従来技術における2本のケーブルが配線された幹線回路を分岐回路に分岐させる分岐コネクタは、2本のケーブルをそれぞれ分岐させる2つの分岐端子50を備える。この2つの分岐端子50は、分岐コネクタの内部で互いに絶縁され、幹線回路や分岐回路が配線された面(以下、幹線・分岐回路面とも言う)に対して垂直方向Tに配列されていた。
しかしながら、2つの分岐端子50を幹線・分岐回路面に対して垂直方向Tに配列すると、各分岐端子50におけるケーブルに接続される複数の端子接続部51も幹線・分岐回路面に対してそれぞれ垂直方向Tに配列されることとなり、複数の端子接続部51を全て同一平面上に配列した場合に比べ、分岐コネクタの外形が全体として高くなり、分岐コネクタを設置するためのスペースを拡大させる必要があり、分岐コネクタの設置に制約が生ずる場合があった。
【0006】
本発明は、同一平面上に複数の端子接続部を配置することで、外形の高さを全体として抑え、設置を容易にする分岐コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 複数のケーブルが配線された回路が接続されるフードを複数有するハウジングと、前記ハウジングの内部に設けられ、複数の前記フードに接続された前記回路の各前記ケーブルとそれぞれ電気的に接続され、互いに絶縁された複数の分岐端子と、を備え、前記分岐端子は、複数の前記フード内にそれぞれ配置され、前記ケーブルに接続される複数の端子接続部と、複数の前記端子接続部を互いに連結する端子連結部と、を有し、複数の前記分岐端子における複数の前記端子接続部は、前記端子連結部で囲まれる領域と平行する1つの端子接続部平面上に配置される分岐コネクタ。
【0008】
(1)の分岐コネクタは、複数のケーブルが配線された回路が接続されるフードを複数有するハウジングの内部に設けられ、各ケーブルとそれぞれ電気的に接続され、互いに絶縁された複数の分岐端子を備える。
この分岐端子は、複数のフード内にそれぞれ配置され、ケーブルに接続される複数の端子接続部と、複数の端子接続部を互いに連結する端子連結部と、を有し、複数の分岐端子における複数の端子接続部は、端子連結部で囲まれる領域と平行する1つの端子接続部平面上に配置される。
【0009】
これにより、回路のケーブルに接続される複数の端子接続部を1つの端子接続部平面上に配置できる。
したがって、同一平面上に複数の端子接続部を配置することで、外形の高さを全体として抑え、設置を容易にする分岐コネクタを提供できる。
【0010】
(2) 複数のうち少なくとも2つの前記分岐端子は、前記領域の中心を前記端子接続部平面に正射影した基準中心を通る第1基準線を基準として互いに線対称となる少なくとも一対の第2基準線を有し、複数の前記端子接続部の少なくとも一部は、前記少なくとも一対の第2基準線それぞれに平行に延出すると共に、所定距離だけ離間して形成され、前記基準中心を中心とした回転方向において同じ側に配置され、2つの前記分岐端子の一方は、他方に対して前記第1基準線を軸として180°回転して配置される(1)に記載の分岐コネクタ。
【0011】
(2)の分岐コネクタは、分岐端子が、端子連結部で囲まれる領域の中心を端子接続部平面に正射影した基準中心を通る第1基準線を基準として互いに線対称となる少なくとも一対の第2基準線を有する。
複数の端子接続部の少なくとも一部は、少なくとも一対の第2基準線それぞれに平行に延出すると共に、所定距離だけ離間して形成され、基準中心を中心とした回転方向において同じ側に配置される。
そして、2つの分岐端子の一方は、他方に対して第1基準線を軸として180°回転して配置される。
【0012】
これにより、2つの分岐端子の一方の一対の第2基準線それぞれに平行に延出する端子接続部は、180°回転して配置されることで、1つの端子接続部平面上において、他方の一対の第2基準線それぞれに平行に延出する端子接続部と、互いに第2基準線から所定距離だけ離間した位置に並列して配置される。
すなわち、同一形状の分岐端子の一方を、他方に対して反転させて配置するだけで、回路のケーブルに接続される複数の端子接続部を1つの端子接続部平面上に配置できる。
よって、異なる形状の分岐端子を製造することなく、1種類の形状の分岐端子を製造するだけで、複数の端子接続部を1つの端子接続部平面上に配置できる。
したがって、同一平面上に複数の端子接続部を配置することで、外形の高さを全体として抑え、設置を容易にし、製造コストを抑えた分岐コネクタを提供できる。
【0013】
(3) 前記分岐端子は、前記基準中心から放射状に延出し、前記第1基準線と重なる少なくとも一本の第3基準線を有し、複数の前記端子接続部の一部は、前記第3基準線に平行に延出すると共に、所定距離だけ離間して形成される(2)に記載の分岐コネクタ。
【0014】
(3)の分岐コネクタは、分岐端子が、基準中心から放射状に延出し、第1基準線と重なる少なくとも一本の第3基準線を有する。
複数の端子接続部の一部は、第3基準線に平行に延出すると共に、所定距離だけ離間して形成される。
【0015】
これにより、2つの分岐端子の一方の第3基準線に平行に延出する端子接続部は、回転して配置されることで、1つの端子接続部平面上において、他方の第3基準線に平行に延出する端子接続部と、互いに第3基準線から所定距離だけ離間した位置に並列して配置される。
したがって、複数の端子接続部の数量が奇数の場合であっても、上記(2)の分岐コネクタと同様の作用効果を奏する。
【0016】
(4) 前記ハウジングは、前記基準中心を中心とする貫通孔が形成される(2)又は(3)のいずれかに記載の分岐コネクタ。
これにより、分岐コネクタの中央近傍に貫通孔を設けたので、この貫通孔にネジ等を挿通し、分岐コネクタをネジ止め等できる。
したがって、回路を配線するスペースと略同じスペースがあれば、分岐コネクタを容易に取り付けることができる。
【0017】
(5) 前記ハウジングは、平面視でT字形状、十字形状、矢印形状又はY字形状に形成される請求項(1)から(4)のいずれかに記載の分岐コネクタ。
これにより、回路の分岐方向や取り付ける位置に適した分岐コネクタを提供できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、同一平面上に複数の端子接続部を配置することで、外形の高さを全体として抑え、設置を容易にする分岐コネクタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る分岐コネクタ及び回路の斜視図である。
【図2】前記実施形態に係る分岐コネクタの上面図である。
【図3】図2中AA切断面における分岐コネクタの断面図である。
【図4】ハウジングの内部に設けられた分岐端子とシール部材とを説明する図である。
【図5】前記実施形態に係るハウジングの内部に配置された状態の2つの分岐端子の斜視図である。
【図6】前記実施形態に係るハウジングの内部に配置された状態の2つの分岐端子の正面図である。
【図7】前記実施形態に係る分岐端子の平面図である。
【図8】前記実施形態の応用例に係る分岐端子の平面図である。
【図9】本実施形態の第1変形例に係る分岐コネクタの平面図である。
【図10】前記第1変形例に係る分岐端子の平面図である。
【図11】本実施形態の第2変形例に係る分岐コネクタの平面図である。
【図12】前記第2変形例に係る分岐端子の平面図である。
【図13】本実施形態の第3変形例に係る分岐コネクタの平面図である。
【図14】前記第3変形例に係る分岐端子の平面図である。
【図15】従来技術の分岐端子の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る分岐コネクタ1及び回路2の斜視図である。
図2は、前記実施形態に係る分岐コネクタ1の上面図である。
分岐コネクタ1は、2配線の幹線回路と幹線回路からT字に分岐させた2配線の別回路(分岐回路)を接続する分岐コネクタである。
具体的には、分岐コネクタ1は、2本のケーブル21が配線された回路2のソケット22が挿入され接続されるフード111を複数有するハウジング11を備える。本実施形態では、一例としてハウジング11は、T字形状に形成されている。また、詳細な位置は後述するがハウジング11には、その中央近傍に、分岐コネクタ1を電気機器等(図示無し)にビス等で固定するための貫通孔112が形成されている。
【0022】
なお、本実施形態では、ハウジング11をT字形状に形成したが、本発明ではこれに限らず、十字形状、矢印形状又はY字形状等に形成できる。また、本実施形態では、ハウジング11のフード111の箇所数は3つであるが、本発明ではこれに限らず、3つ以上の任意の箇所数とすることができる。
【0023】
図3は、図2中AA切断面における分岐コネクタ1の断面図である。
図4は、ハウジング11の内部に設けられた分岐端子12とシール部材13とを説明する図である。
分岐コネクタ1は、ハウジング11の内部に設けられた2つの分岐端子12と、各フード111にそれぞれ設けられた複数のシール部材13と、を備える。
2つの分岐端子12は、複数のフード111に接続される回路2の各ケーブル21(図1参照)とそれぞれ電気的に接続される。2つの分岐端子12は、熱可塑性樹脂により一体形成されたハウジング11の内部に配置され、互いに反転し、絶縁された状態で、固定されている。熱可塑性樹脂には、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂が含まれる。
【0024】
なお、本実施形態では、2つの分岐端子12をハウジング11の内部で熱可塑性樹脂により一体形成しているが、これに限らず、2つの分岐端子12を互いに絶縁できれば、複数の部品を組み立てて分岐コネクタを製造してもよい。
【0025】
シール部材13は、ゴム部材で形成され、フード111に挿入される回路2のソケット22(図1参照)の先端と当接し、水密性を確保する。
分岐コネクタ1は、シール部材13を備えることで、防水分岐コネクタとして機能し、例えば、風雨に曝される屋外の配線に用いることもできる。
【0026】
図5乃至7を参照して、分岐端子12について、詳細に説明する。
図5は、前記実施形態に係るハウジング11の内部に配置された状態の2つの分岐端子12の斜視図である。
分岐端子12は、複数のフード111(図4参照)内にそれぞれ配置され、回路2のソケット22を介してケーブル21(図1参照)に接続される複数の端子接続部121と、複数の端子接続部121を互いに連結する端子連結部122と、を有する。
【0027】
図6は、前記実施形態に係るハウジング11の内部に配置された状態の2つの分岐端子12の正面図である。
2つの分岐端子12における複数の端子接続部121は、端子連結部122とで囲まれる領域1Fと平行する1つの端子接続部平面2F上に配置される。
分岐端子12は、領域1Fの中心Cを端子接続部平面2Fに正射影した基準中心C’を有する。
【0028】
図7は、前記実施形態に係る分岐端子12の平面図である。
分岐端子12は、基準中心C’から放射状に延出し、基準中心C’を通る第1基準線1Lを基準として互いに線対称となる一対の第2基準線2Lを有する。
なお、本実施形態において、一対の第2基準線2Lは、基準中心C’から放射状に延出しているが、本発明はこれに限らず、一対の第2基準線2Lは、第1基準線1Lを基準として互いに線対称である限り、例えば、領域1Fを端子接続部平面2Fに正射影した領域における第1基準線1L上の任意の点を連結部中心とし、この連結部中心から放射状に延出することもできる。
【0029】
複数の端子接続部121の少なくとも一部(本実施形態では、3つの内2つ)は、一対の第2基準線2Lそれぞれに平行に延出すると共に、所定距離Dだけ離間して形成され、基準中心C’を中心とした回転方向Rにおいて同じ側に配置される。
【0030】
さらに、分岐端子12は、基準中心C’から放射状に延出し、第1基準線1Lと重なる一本の第3基準線3Lを有する。
複数の端子接続部121の一部(本実施形態では、3つの内1つ)は、第3基準線3Lに平行に延出すると共に、所定距離Dだけ離間して形成される。
【0031】
端子連結部122は、平面視で、領域1Fの中心C(図6参照)を中心とする円形状に形成される。ハウジング11の貫通孔112(図3参照)は、端子連結部122の内側であり、領域1Fの中心C及び基準中心C’を通る軸を中心とする円柱形状に形成される。
本実施形態の端子連結部122は、円形状に形成されているが、本発明はこれに限らず、複数の端子接続部121を連結でき、端子連結部で囲まれる領域に貫通孔を形成できる形状であれば、例えば、C字形状や四角形状とすることができる。
【0032】
次に、2つの分岐端子12がハウジング11の内部に配置された状態について説明する。
2つの分岐端子12は、一方を他方に対して第1基準線1Lを軸として180°回転して配置される。これにより、図6に示すように、2つの分岐端子12の6つの端子接続部121は、1つの端子接続部平面2F上に配置される。
【0033】
なお、本実施形態の分岐端子12は、一対の第2基準線2Lそれぞれに平行に延出する2つの端子接続部121と、第3基準線3Lに平行に延出する1つの端子接続部121とを備えるが、本発明はこれに限られない。
【0034】
図8を参照して、本実施形態の応用例に係る分岐端子12Dについて説明する。
図8は、前記実施形態の応用例に係る分岐端子12Dの平面図である。
分岐端子12Dは、基準中心C’から放射状に延出し、第1基準線1Lを基準として互いに線対称となる二対の第2基準線2Lそれぞれに平行に延出する4つの端子接続部121を備える。一方、分岐端子12Dは、第3基準線3L及び第3基準線3L(図7参照)に平行に延出する端子接続部を備えていない。
【0035】
次に、図9から図14を参照して、本実施形態の変形例について説明する。
図9は、本実施形態の第1変形例に係る分岐コネクタ1Aの平面図である。
図10は、前記第1変形例に係る分岐端子12Aの平面図である。
分岐コネクタ1Aのハウジング11Aは、平面視で十字形状に形成される。
分岐コネクタ1Aの分岐端子12Aは、基準中心C’から放射状に延出する一対の第2基準線2L及び2本の第3基準線3Lにより十字形状が形成され、これらの基準線からそれぞれ所定距離Dだけ離間して端子接続部121が形成される。
【0036】
図11は、本実施形態の第2変形例に係る分岐コネクタ1Bの平面図である。
図12は、前記第2変形例に係る分岐端子12Bの平面図である。
分岐コネクタ1Bのハウジング11Bは、平面視で矢印形状に形成される。
分岐コネクタ1Bの分岐端子12Bは、基準中心C’から放射状に延出する一対の第2基準線2L及び1本の第3基準線3Lにより矢印形状が形成され、これらの基準線からそれぞれ所定距離Dだけ離間して端子接続部121が形成される。
【0037】
図13は、本実施形態の第3変形例に係る分岐コネクタ1Cの平面図である。
図14は、前記第3変形例に係る分岐端子12Cの平面図である。
分岐コネクタ1Cのハウジング11Cは、平面視でY字形状に形成される。
分岐コネクタ1Cの分岐端子12Cは、基準中心C’から放射状に延出する一対の第2基準線2L及び1本の第3基準線3LによりY字形状が形成され、これらの基準線からそれぞれ所定距離Dだけ離間して端子接続部121が形成される。
【0038】
本実施形態によれば、以下のような作用効果がある。
分岐コネクタ1,1A,1B及び1C(以下、分岐コネクタ1等とも言う)は、複数のケーブル21が配線された回路2が接続されるフード111を複数有するハウジング11の内部に設けられ、各ケーブル21とそれぞれ電気的に接続され、互いに絶縁された複数の分岐端子12,12A,12B,12C及び12D(以下、分岐端子12等とも言う)を備える。
この分岐端子12等は、複数のフード111内にそれぞれ配置され、ケーブル21に接続される複数の端子接続部121と、複数の端子接続部121を互いに連結する端子連結部122と、を有し、複数の分岐端子12等における複数の端子接続部121は、端子連結部122で囲まれる領域1Fと平行する1つの端子接続部平面2F上に配置される。
【0039】
これにより、回路のケーブルに接続される複数の端子接続部121を1つの端子接続部平面2F上に配置できる。
したがって、同一平面上に複数の端子接続部を配置することで、外形の高さを全体として抑え、設置を容易にする分岐コネクタを提供できる。
【0040】
また、分岐コネクタ1等は、分岐端子12等が、端子連結部122で囲まれる領域1Fの中心Cを端子接続部平面2Fに正射影した基準中心C’を通る第1基準線1Lを基準として互いに線対称となる少なくとも一対の第2基準線2Lを有する。
複数の端子接続部121の少なくとも一部は、少なくとも一対の第2基準線2Lそれぞれに平行に延出すると共に、所定距離Dだけ離間して形成され、基準中心C’を中心とした回転方向Rにおいて同じ側に配置される。
そして、2つの分岐端子12等の一方は、他方に対して第1基準線1Lを軸として180°回転して配置される。
【0041】
これにより、2つの分岐端子12等の一方の一対の第2基準線2Lそれぞれに平行に延出する端子接続部121は、180°回転して配置されることで、1つの端子接続部平面2F上において、他方の一対の第2基準線2Lそれぞれに平行に延出する端子接続部121と、互いに第2基準線2Lから所定距離Dだけ離間した位置に並列して配置される。
【0042】
また、分岐コネクタ1等は、分岐端子12,12A,12B及び12Cが、基準中心C’から放射状に延出し、第1基準線1Lと重なる少なくとも一本の第3基準線3Lを有する。
複数の端子接続部121の一部は、第3基準線3Lに平行に延出すると共に、所定距離Dだけ離間して形成される。
【0043】
これにより、2つの分岐端子12,12A,12B及び12Cの一方の第3基準線3Lに平行に延出する端子接続部121は、回転して配置されることで、1つの端子接続部平面2F上において、他方の第3基準線3Lに平行に延出する端子接続部121と、互いに第3基準線3Lから所定距離Dだけ離間した位置に並列して配置される。
【0044】
すなわち、同一形状の分岐端子の一方を、他方に対して反転させて配置するだけで、回路のケーブルに接続される複数の端子接続部を1つの端子接続部平面上に配置できる。
よって、異なる形状の分岐端子を製造することなく、1種類の形状の分岐端子を製造するだけで、複数の端子接続部を1つの端子接続部平面上に配置できる。
したがって、同一平面上に複数の端子接続部を配置することで、外形の高さを全体として抑え、設置を容易にし、製造コストを抑えた分岐コネクタを提供できる。
【0045】
また、分岐コネクタ1等の中央近傍に貫通孔112を設けたので、この貫通孔112にネジ等を挿通し、分岐コネクタ1等をネジ止め等できる。
したがって、回路を配線するスペースと略同じスペースがあれば、分岐コネクタを容易に取り付けることができる。
また、回路の分岐方向や取り付ける位置に適した分岐コネクタを提供できる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0047】
例えば、本実施形態において、分岐コネクタ1は、回路2の2本のケーブル21が接続される2つの分岐端子12のみ備えるが、本発明ではこれに限らず、例えば、ケーブルが3本以上の回路が接続される場合、2つの分岐端子12に加え、他の分岐端子を端子接続部平面2F上に配置することもできる。
【符号の説明】
【0048】
1,1A,1B,1C 分岐コネクタ
11 ハウジング
111 フード
12,12A,12B,12C,12D 分岐端子
121 端子接続部
122 端子連結部
2 回路
21 ケーブル
1F 領域
2F 端子接続部平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のケーブルが配線された回路が接続されるフードを複数有するハウジングと、
前記ハウジングの内部に設けられ、複数の前記フードに接続された前記回路の各前記ケーブルとそれぞれ電気的に接続され、互いに絶縁された複数の分岐端子と、を備え、
前記分岐端子は、
複数の前記フード内にそれぞれ配置され、前記ケーブルに接続される複数の端子接続部と、
複数の前記端子接続部を互いに連結する端子連結部と、を有し、
複数の前記分岐端子における複数の前記端子接続部は、前記端子連結部で囲まれる領域と平行する1つの端子接続部平面上に配置される分岐コネクタ。
【請求項2】
複数のうち少なくとも2つの前記分岐端子は、前記領域の中心を前記端子接続部平面に正射影した基準中心を通る第1基準線を基準として互いに線対称となる少なくとも一対の第2基準線を有し、
複数の前記端子接続部の少なくとも一部は、前記少なくとも一対の第2基準線それぞれに平行に延出すると共に、所定距離だけ離間して形成され、前記基準中心を中心とした回転方向において同じ側に配置され、
2つの前記分岐端子の一方は、他方に対して前記第1基準線を軸として180°回転して配置される請求項1に記載の分岐コネクタ。
【請求項3】
前記分岐端子は、前記基準中心から放射状に延出し、前記第1基準線と重なる少なくとも一本の第3基準線を有し、
複数の前記端子接続部の一部は、前記第3基準線に平行に延出すると共に、所定距離だけ離間して形成される請求項2に記載の分岐コネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記基準中心を中心とする貫通孔が形成される請求項2又は3のいずれかに記載の分岐コネクタ。
【請求項5】
前記ハウジングは、平面視でT字形状、十字形状、矢印形状又はY字形状に形成される請求項1から4のいずれかに記載の分岐コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−45631(P2013−45631A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182703(P2011−182703)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り JAPAN SHOP 2011(第40回店舗総合見本市)、株式会社日本経済新聞社主催、平成23年3月8日開催
【出願人】(591236301)住鉱テック株式会社 (5)