説明

分散型電子エンジン制御システム、およびガスタービンエンジンの制御方法

【課題】 分散型の電子エンジン制御システムを提供する。
【解決手段】 分散型電子エンジン制御システムが、機体モジュールと、電子エンジン制御モジュールと、エンジン入出力モジュールと、を含む。これらのモジュールは互いに離間した位置に配置される。これらのモジュールの各々は、それぞれ配置される位置のドッキングステーションに脱着式に取り付けられる。シリアル・コミュニケーションバスが、これらのモジュールを互いに相互接続する。第1のエンジン制御装置が、エンジン入出力モジュールに接続されるとともに、エンジンコンポーネントと相互に作用して第1のデータを供給するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機ガスタービンエンジン等の乗物用の動力装置の電子エンジン制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに航空機向けの数多くの分散型の制御構成が構想され提案されてきた。しかしながら、信頼性への懸念や苛酷な環境から電子機器を守る必要性により、業界標準として現代の連合型の構成(federated architecture)がもたらされた。一般に、大型の軍用および商用エンジンは集中的な位置に収容された電子制御器(EEC)すなわち全デジタル電子式制御装置(FADEC)によって制御される。商業的な要求により、ファンケースの比較的害の少ない環境に取り付けられた単一の電子制御へと進化してきた。ファンケースに取り付けることにより、1フィートあたり5ポンドにも達する長い配線用ハーネスを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
初期設定により、集中型のEECがエンジンおよび機体の全ての接続を含んでいた。こうした連合型の構成では、EECが種々のセンサから入力を受信し、燃料システムなどの対応するアクチュエータやサブシステムへとコマンドを発行する。適正な動作を確認するように電子フィードバックがEECへと戻される。EECが、例えばアクチュエータもしくはサブシステムの内部ループ制御を行う。結果として、現在のEECは非常に大型で重く、特定用途向けの再設計が非常に高価となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
分散型電子エンジン制御システムが、機体モジュールと、電子エンジン制御モジュールと、エンジン入出力モジュールと、を含む。これらのモジュールは互いに離間した位置に配置される。これらのモジュールの各々は、それぞれ配置される位置のドッキングステーションに脱着式に取り付けられる。シリアル・コミュニケーションバスが、これらのモジュールを互いに相互接続する。第1のエンジン制御装置が、エンジン入出力モジュールに接続されるとともに、エンジンコンポーネントと相互に作用して第1のデータを供給するように構成される。
【0005】
エンジン入出力モジュールは、第1のデータを使用し、それに応答して第2のデータを発生させる内部ループ制御論理を含む。電子エンジン制御モジュールは、第2のデータを使用する外部ループ制御論理を含み、これに応答して第3のデータを発生させる。機体モジュールは、電力の供給を受けて、その電力を電子エンジン制御モジュールおよびエンジン入出力モジュールに分配する。第1、第2、および第3のデータは、シリアル・コミュニケーションバスに供給される。
【0006】
ガスタービンエンジンの制御方法が、センサおよび/またはエフェクタからのデータをエンジン入出力モジュールで受信するステップを含む。第1のデータが内部ループ制御論理により処理されて、第2のデータを発生させる。第1および第2のデータは、シリアル・コミュニケーションバスを通して送信(broadcast)される。シリアル・コミュニケーションバスからの第2のデータが、エンジン入出力モジュールから離間して位置する電子エンジン制御モジュールにより受信される。第2のデータが電子エンジン制御モジュール内の外部ループ制御論理により処理されて、指令信号に対応する第3のデータを発生させる。指令信号は、シリアル・コミュニケーションバスを通して送信される。シリアル・コミュニケーションバスからの指令信号は、エンジン入出力モジュールに受信されるとともに、その指令信号に基づいてエンジン制御装置に命令を与えるように用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】航空機の概略図。
【図2】図1に示す航空機の分散型電子エンジン制御システムにわたり使用されるライン交換可能モジュールの概略図。
【図3】一例の分散型電子エンジン制御システムの概略図。
【図4】エンジン入出力モジュールと連通したエンジンセンサ/アクチュエータの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は機体12を含む航空機10の概略図である。1基以上のガスタービンエンジン14が機体12上に支持されている。図示の例では、エンジン14は、コア18を取り囲むファンケース16を含むタイプである。コア18は、圧縮部と、燃焼部と、タービン部と、を含む。コア18の外側のファンは、コア18によって駆動されるとともにファンケース16内に収容されている。
【0009】
航空機10は、図2に概略的に示すライン交換可能ユニット48を利用する分散型電子エンジン制御システム19(図3)を含む。図2を参照すると、ライン交換可能ユニット48は、機体12、ファンケース16もしくはコア18などの構造体50上に支持されたドッキングステーション52を含む。コンピュータモジュール56は、固定機構すなわちロッキング特徴部54により、ドッキングステーション52に脱着可能に取り付けられている。ロッキング特徴部54は、取り外しや交換を容易にしながらも優れたコネクタ整合性を確保する。ドッキングステーション52とコンピュータモジュール56との間の接続部58により、コンピュータモジュール56を1つ以上の電源および/または通信回線60に相互に連結させる。モジュール56は、より小型の本体で機能性を向上させるシステムオンチップなどの高性能のチップ実装技術を内蔵する。例えばモジュール56内に高温CMOS処理を含むことにより、300°Cの環境でも耐久可能な電子回路を提供する。コアに搭載されるコンピュータモジュール56は、より強固な電子機器が苛酷な環境に対応できるようにするために能動冷却を必要とする場合がある。
【0010】
ライン交換可能ユニット48は、図1に示す、機体、ファンケースおよびコアの電子機器取り付け位置20,22,24で用いられる。様々なモジュールが航空機10全体にわたって配置され、分散型の電子エンジン制御システム19(図3)を提供する。この分散型の構成は、重量をできるだけ小さくし、エンジン組立て時間を少なくし、配線および連結部の数量を抑え、電子エンジン制御システムの総合的な信頼性を高めるように構成される。
【0011】
一例の分散型電子エンジン制御システム19を図3に示す。機体モジュール26が機体もしくはファンケースの電子機器取り付け位置20,22に取り付けられる。機体モジュール26は、機体電力38Aおよび永久磁石交流発電機(permanent magnet alternator :PMA)電力38Bの供給を受けてこれを調整し、その電力を、配電ライン38A〜38Fを介して、電子制御器(EEC)モジュール28、第1および第2のエンジン入出力(エンジンI/O)モジュール30A,30B、および予測検知ヘルスモニタリング(prognostics and health monitoring:PHM)モジュール32へと分配する。2つのエンジン入出力モジュールを図示したが、航空機応用例によりこれより多くても少なくてもよい。
【0012】
機体モジュール26はEECモジュール28機能を機体取り付け位置20およびそれに関連する機体電子機器と接続する。このインターフェースは、航空機電力供給網からの出力調整、エンジン制御、機体サブシステム(パイロット、操縦系統、配電)およびエンジンサブシステム間の調整、およびPMA電力の制御を処理する。また機体モジュール26は、例えばエンジン逆スラスト装置を作動させる論理を含む。機体モジュール26は、第1および第2のチャンネル・シリアルバス40,42を介して、EEC、エンジン入出力モジュール、およびPWMモジュール28,30A,30B,32にバス型に接続され、冗長性を確保する。
【0013】
EECモジュール28は、高速シリアルバス40,42を介してモジュール26,30A,30B,32などのその他のライン交換可能ユニットに接続される。Motorola 8540のようなプロセッサはギガヘルツ速度で作動し、センサデータの実時間処理を可能とする大量のデータを処理することができる。モジュール26,28,30A,30B,32間の通信、および、その他のコンポーネントとの通信は、セルラー式/WIFI機能を有する市販の最新式の標準シリアルバスノードによってサポートされる。例えば、ファイアワイア(IEEE−1394)もしくは同様の高速シリアルバスにより、多くの分散型コンセプトに関連した待ち時間の問題を排除するための適切な帯域幅の利用可能性が確保される。通信用バス40,42を通じてモジュール26,28,30A,30B,32間でデータが送受信(すなわち、ブロードキャスト)される。一例では、コミュニケーションバスはシリアルメッセージに基づいており(serial message−based)、データは待ち時間すなわちジッターなしに既知の時間で送受信される。シリアルメッセージに基づくコミュニケーションバス規格の例は、ASDXイーサネット、Flexray、およびTTP/Cなどのタイム・トリガ型のプロトコルである。
【0014】
EEC、および第1、第2のエンジン入出力モジュール28,30A,30Bは、クロスチャンネルリンク44A〜44Dに供給する信号を発生させるとともに、これらは第1、第2のシリアル・チャンネルバス40,42の双方からのデータを含む。クロスチャンネル44A〜44Dは、バス40,42からの第1および第2のチャンネルデータの両方を伝え、それらのチャンネルのデータの信頼性を判定するように、これらのチャンネルはプロセッサ(図示せず)によって互いに比較される。
【0015】
EECモジュール28は、上位(higher level)のエンジン制御法則を含む。図示の例では、エンジンコンポーネントと相互作用して第1のデータを供給するエンジンセンサ/エフェクタ34A〜34Dなどのエンジン制御装置と、EECモジュール28とは直接接続されていない。代わりにEECモジュール28は、エンジン入出力モジュール30A,30Bで実行される下位レベル(lower level)の処理すなわち内部ループの制御論理(inner loop control logic)に基づいて、上位レベルの処理すなわち外部ループの制御論理(outer loop control logic)を実行する。エンジン入出力モジュール30A,30Bは、エンジンセンサ/エフェクタ34B,34Cから直接伝達される第1のデータに基づいて第2のデータを発生させるように、下位レベル、内部ループの制御を実行する。例えば、エンジン入出力モジュールは、オーバースピード処理を実行し、可変静翼アクチュエータを制御し、燃料絞り弁を制御する。エンジン14の圧力センサ、温度センサ、位置センサ、およびその他のセンサは、機体モジュール26およびエンジンモジュール30A,30Bに直接接続される。
【0016】
EECモジュールはシリアルバス40,42から第2のデータを受信して、例えば指令信号に対応する第3のデータを発生する。指令信号がシリアル40,42を通してブロードキャストされるとともに、この信号は、センサおよび/またはエフェクタ34B,34Cに信号を送信するエンジン入出力モジュール30A,30Bによって受信される。センサおよび/またはエフェクタ34Aは、機体モジュール26と直接通信するとともに、その他のエンジンコンポーネントと相互作用して第4のデータを供給するように構成される。第4のデータはシリアルバス40,42を通してブロードキャストされる。
【0017】
現行の連合型の構成では、EECが、種々のセンサからの入力を受信して、燃料系統などの適当なアクチュエータもしくはサブシステムにコマンドを発行する。適正な動作を確認するために電子フィードバックがEECに戻される。この従来の構成では、EECがアクチュエータの内部ループの制御を行う。これに対し、一例の分散型電子エンジン制御システム19では、種々のセンサからの入力をエンジン入出力モジュール30A,30Bが受信して、例えば図4に示す静翼アクチュエータ(SVA)34Bに静翼64の位置指令信号46を発行する。SVA34Bは、駆動部位における高性能分散型の電子機器62により、シリアルバス40,42上の利用可能なセンサ情報を用いて位置決めされる。エンジン入出力モジュール30A,30Bは、高性能アクチュエータから返信される状態を伝える信号を受信する。アクチュエータループは、高性能アクチュエータ電子機器62によりEECモジュール28の外側で閉じられている。同様のアクチュエータ電子機器が、制御しているアクチュエータの状態の指標を伝えることができる。
【0018】
エンジン入出力モジュール30A,30Bの電源は、一体型フィルタ(integrated filter)を特徴とする。その設計は、他の電源に障害を生じさせることなく安全な運転を保障するように他の電源から分離されている。センサモジュール34A〜34Dは、各自、エンジン入出力モジュールからの高効率の局所電源を享受する。モジュールはデジタル信号処理ハードウェアを介して信号処理および局所的な組込み試験を行う。一例では、モジュール通信およびプロトコルは、ローカルメモリおよびトランスデューサ電子データシートの要件を含むように高性能センサのIEEE1451の規定に従う。従来のセンサおよびエフェクタを用いてもよい。
【0019】
エンジン入出力モジュール30A,30Bは、EECモジュール28と、エンジン14の周辺に配置された高性能コンポーネント、センサおよびアクチュエータとを間接的に接続する。2つのエンジン入出力モジュール30A,30Bを示すが、さらに多くのもしくはさらに少ないモジュールを用いてもよい。エンジン入出力モジュール30A,30Bは、例えばコアに搭載されており、信号処理ソフトウェアおよびエンジンオーバースピード処理を実行する。エンジン入出力モジュール30A,30Bは、センサーアナログ信号を受信し、EECモジュール28にデジタル信号を送信する。エンジンインターフェイスは、例えばRFコンポーネントとも連動する。
【0020】
予測検知ヘルスマネジメント(PHM)モジュール32は、データ整理アルゴリズムを実行し、種々のシステムおよびコンポーネントの状態を判定もしくは予測するように後で参照するためのデータを保存する。PHMモジュール32は任意選択的であり、顧客の要求に応じて、複数の分散型電子エンジン制御システムの一部として含めなくてもよい。またPHMモジュール32は、整備員用のダウンロード・デバイスに対する高速リンクを提供しうる。またPHMモジュール32とダウンロード・デバイスとの間の無線接続性を提供しうる。
【0021】
PHMモジュール32は、ヘルスマネジメント処理、データ整理アルゴリズム、および1つ以上のエンジンコンポーネントに関する予測情報および状態情報に対応する第5のデータを含むデータ保存を管理する。PHMモジュール32は、第5のデータを例えば地上処理局(ground processing stations)に提供するための高速ダウンロード機能および無線相互接続性を含む。こうした機能性はモジュラー式であり、飛行時に不可欠なものではないが、エンジン状態の指標を測定するためのエンジン制御エフェクタの利用を最大限に活かし、エンジン状態に関する特定のセンサを追加する必要性を最小限に抑える。
【0022】
実施例について説明してきたが、ある特定の変形例が特許請求の範囲に含まれることは当業者にとって理解できるであろう。このため本発明の真の範囲および意義を画定するために付記の特許請求の範囲を検討すべきである。
【符号の説明】
【0023】
19…分散型電子エンジン制御システム
26…機体モジュール
28…電子制御器
30a,b…エンジン入出力モジュール
40…第1のシリアル・チャンネルバス
42…第2のシリアル・チャンネルバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離間した位置に配置されるとともに、各位置のドッキングステーションに脱着式に取り付けられた、機体モジュールと、電子エンジン制御モジュールと、エンジン入出力モジュールと、
前記各モジュールを互いに相互接続するシリアル・コミュニケーションバスと、
前記エンジン入出力モジュールに接続されるとともに、エンジンコンポーネントと相互に作用して第1のデータを提供するように構成された第1のエンジン制御装置と、
を備え、
前記エンジン入出力モジュールは、前記第1のデータを使用し、それに応答して第2のデータを発生させる内部ループ制御論理を含み、前記電子エンジン制御モジュールは、前記第2のデータを使用し、それに応答して第3のデータを発生させる外部ループ制御論理を含み、前記機体モジュールは、電力の供給を受けて、この電力を前記電子エンジン制御モジュールおよび前記エンジン入出力モジュールに分配し、前記第1、第2、および第3のデータは、前記シリアル・コミュニケーションバスに供給されることを特徴とする分散型電子エンジン制御システム。
【請求項2】
前記エンジンコンポーネントと、前記エンジン制御装置と、を含んだエンジンを備え、このエンジンが、コアを取り囲むファンケースと、前記コアに取り付けられた前記エンジン入出力モジュールと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の分散型電子エンジン制御システム。
【請求項3】
前記電子エンジン制御モジュールが、前記コアおよび前記ファンケースのうちいずれか一方に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の分散型電子エンジン制御システム。
【請求項4】
前記機体モジュールが、前記ファンケースおよび機体のうちいずれか一方に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の分散型電子エンジン制御システム。
【請求項5】
前記モジュールが、ライン交換可能ユニットであり、前記ライン交換可能ユニットの各々が、前記ドッキングステーションと、前記複数のモジュールのうちの一つと、そのモジュールを各ドッキングステーションに相互に接続する電気接続部と、前記モジュールを各ドッキングステーションに脱着可能に固定するラッチ特徴部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の分散型電子エンジン制御システム。
【請求項6】
前記シリアル・コミュニケーションバスは、シリアルメッセージに基づいており、前記データが、前記シリアル・コミュニケーションバスにより既知の時間で送受信されることを特徴とする請求項1に記載の分散型電子エンジン制御システム。
【請求項7】
前記第1のエンジン制御装置が、センサおよびアクチュエータのうちいずれか一つを含み、前記センサは、前記エンジンコンポーネントに関する情報を検知するように構成され、前記アクチュエータは、前記エンジンコンポーネントを複数の位置間で駆動させるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の分散型電子エンジン制御システム。
【請求項8】
前記第1のエンジン制御装置が、可変静翼アクチュエータ、燃料絞り弁、温度センサ、圧力センサ、および位置センサのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項7に記載の分散型電子エンジン制御システム。
【請求項9】
前記内部ループ制御論理は、前記第2のデータを発生させるように前記第1のデータを整形し、前記第2のデータを発生させるように前記第1のデータをフィルタリングし、前記第1のエンジン制御装置に供給される前記第2のデータに対応する指令を発生させるように前記第1のデータを受信することのうち、少なくとも一つを実行するようにプログラムされていることを特徴とする請求項1に記載の分散型電子エンジン制御システム。
【請求項10】
前記外部ループ制御論理が、エンジン制御法則を含み、前記第3のデータが、前記エンジン入出力モジュールに供給される指令信号に対応することを特徴とする請求項1に記載の分散型電子エンジン制御システム。
【請求項11】
前記内部ループ制御論理が、エンジンオーバースピード処理に対応することを特徴とする請求項9に記載の分散型電子エンジン制御システム。
【請求項12】
前記機体モジュールが、前記電力および永久磁石交流発電機インターフェースの出力調整論理を含むことを特徴とする請求項1に記載の分散型電子エンジン制御システム。
【請求項13】
前記機体モジュールが、逆スラスト装置制御論理を含むことを特徴とする請求項1に記載の分散型電子エンジン制御システム。
【請求項14】
前記機体制御モジュールに接続されるとともに、別のエンジンコンポーネントと相互に作用して第4のデータを提供するように配置された第2のエンジン制御装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の分散型電子エンジン制御システム。
【請求項15】
前記モジュールの各位置から離間された別の位置に配置された予測検知ヘルスモニタリングモジュールを備え、前記予測検知ヘルスモニタリングモジュールは、対応する位置のドッキングステーションに脱着可能に固定されるとともに、前記シリアル・コミュニケーションバスと相互に接続され、該予測検知ヘルスモニタリングモジュールは、データ整理アルゴリズムと、エンジンコンポーネントに関する予測情報および状態情報に対応するデータ保存と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の分散型電子エンジン制御システム。
【請求項16】
ダウンロード・デバイスを備え、前記予測検知ヘルスモニタリングモジュールが、前記ダウンロード・デバイスと通信して、前記データ保存から第5のデータを供給するように構成されることを特徴とする請求項15に記載の分散型電子エンジン制御システム。
【請求項17】
a)エンジンセンサおよびエンジンエフェクタのうち少なくとも一つから第1のデータをエンジン入出力モジュールで受信し、
b)前記エンジン入出力モジュールにある内部ループ制御論理を用いて前記第1のデータを処理して、第2のデータを発生させ、
c)前記第1および第2のデータを、シリアル・コミュニケーションバスを通して送信し、
d)前記エンジン入出力モジュールから離間して配置されるとともに外部ループ制御論理を含んだ電子エンジン制御モジュールで、前記シリアル・コミュニケーションバスからの前記第2のデータを受信し、
e)前記外部ループ制御論理を用いて前記第2のデータを処理して、指令信号に対応する第3のデータを発生させ、
f)前記指令信号を、前記シリアル・コミュニケーションバスを通して送信し、
g)前記シリアル・コミュニケーションバスからの前記指令信号を前記エンジン入出力モジュールで受信し、前記指令信号に基づいてエンジン制御装置に命令を与えることを備えたガスタービンエンジンの制御方法。
【請求項18】
前記ガスタービンエンジンがコアを取り囲むファンケースを含むとともに、前記エンジン入出力モジュールが前記コアに脱着可能に取り付けられており、前記電子エンジン制御モジュールが前記ファンケースに脱着可能に取り付けられていることを特徴とする請求項17に記載のガスタービンエンジンの制御方法。
【請求項19】
h)前記電子エンジン制御モジュールおよび前記エンジン入出力モジュールから離間して配置された予測検知モニタリングモジュールにより、前記コミュニケーションバスから受信した前記データに基づいてエンジンコンポーネントの状態を監視するステップを備えることを特徴とする請求項17に記載のガスタービンエンジンの制御方法。
【請求項20】
互いに独立しているとともに、互いが離間した位置に配置された、機体モジュールと、電子エンジン制御モジュールと、エンジン入出力モジュールと、
前記各モジュールを互いに相互接続するコミュニケーションバスと、
前記エンジン入出力モジュールに接続されるとともに、エンジンコンポーネントと相互に作用して第1のデータを提供するように配置された第1のエンジン制御装置と、
を備え、
前記エンジン入出力モジュールが、前記第1のデータを使用し、それに応答して第2のデータを発生させる内部ループ制御論理を含み、前記電子エンジン制御モジュールが、前記第2のデータを使用し、それに応答して第3のデータを発生させる外部ループ制御論理を含み、前記機体モジュールが、出力調整を行い、前記第1、第2、および第3のデータが、前記コミュニケーションバスに供給されることを特徴とする分散型電子エンジン制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−254296(P2010−254296A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95584(P2010−95584)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(500107762)ハミルトン・サンドストランド・コーポレイション (165)
【氏名又は名称原語表記】HAMILTON SUNDSTRAND CORPORATION
【住所又は居所原語表記】One Hamilton Road, Windsor Locks, CT 06096−1010, U.S.A.