説明

分配ユニット

フレッシュニング液体を分配するための分配ユニットであって、その流体を備えるための体積を画定するリザーバを備え、そのリザーバが、リザーバの下方部に配置され、リザーバに収容されている流体に関して、重力作用により流体供給手段から流体を流れ出すような寸法である流体供給手段と、リザーバの上方空気塊の通気を提供する通気開口部と、を備え、その流体供給手段が複数の流体供給開口部を備え、各流体供給開口部が所定の大きさである分配ユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体、好ましくはフレッシュニング流体を分配するための分配ユニットに関する。具体的には、本発明は流体、蒸気等を分配するための装置に関する。
【0002】
特定の態様では、本発明は清浄化又は消毒流体を、便器若しくは貯水槽、又は水を収容している若しくは水で洗浄される類似容器に分配することに関する。
【背景技術】
【0003】
種々のトイレ用衛生装置が知られている。貯水槽又は便器に配置するための、単純な遅溶解性消毒剤ブロックが入手可能である。また、消毒剤又は清浄化剤を放出充填する(releasing charge)ための装置も提案されている。かかる装置は、流体を備えるための体積を規定するリザーバと、便器等内にユニットを実装するための取付具とを備える。流体の持続的なかつ適度な流出を提供するために、かかる装置は非常に複雑であることが多い。
【0004】
持続的なかつ適度な流出のために、かかる装置は分配用開口部を備え、また流体を吸収及び分配するためのプレートを備える。このプレートは例えば、毛管現象を通して流体を分配用開口部を介して毛管開口部に引く毛管開口部を備える。これらの開口部は例えば、プレートにおける溝の形態であってもよい。毛管開口部が満たされると、その中の流体は持続的に芳香を放出することができ、トイレを流すときはいつも、流体が流された水中に広がるように前記流体とともに水が流れる。流すごとに、水は流体が乾燥するのを防ぐことができる、すなわち開口部が詰まるのを防ぐことができる。毛管開口部を備えるプレートはまた、水及び/又は細片(debris)が開口部に入るのを防ぐことができる。他の既知の装置では、フィルタ又はウィック(wicks)を毛管開口部の代わりに用いる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
とりわけ、好ましくは、所定の期間にわたって制御された量の流体を容器に運ぶことができ、単純かつコスト効率のよい構造である装置に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に関して、請求項1に記載の機構に従って、フレッシュニング流体を分配するための分配ユニットが提供される。
【0007】
所定の大きさの複数の開口部を用いることにより、リザーバ内に収容されている液体の分配量(すなわち、流出量)の制御性及び予測性を高めることができ、その結果、より優れた配液(dosing)が得られることが見出されている。流体供給開口部が1つしかないものと比べて、複数の流体供給開口部は、別のチャネルが詰まったときに利用可能な少なくとも1つのチャネルを有するという利点を有する場合がある。また、例えば、複数の開口部を合わせて1つの開口部により得られる流出量とほぼ同じ流出量を得ることができるよう、各チャネルの直径を比較的小さく調整することができる。予想に反して、比較的小さい開口部は、開口部を詰まらせる恐れのある細片が少ないことを意味する場合が有り、一方比較的大きな開口部は、開口部を詰まらせる恐れがあることも見出されている。
【0008】
各開口部の機構は、所定の大きさ及び構造であり得る。例えば、各開口部又はチャネルの寸法は、所望の分配量に基づいて決定することができる。好ましくは、本発明に係る分配ユニットの各開口部又はチャネルは、実質的に直線状である、及び/又は比較的平滑な壁を有する。
【0009】
開口部又はチャネルの大きさ、例えば、開口部又はチャネルの直径及び長さは、所定のパラメータに従って加工でき、およそ所望の分配量を供給することができる。例えば分配ユニットは、約28日間の流出量が約35ミリリットルであるよう配置することができ、少なくとも先行技術の類似装置と比べて、その流出量はその期間中比較的持続的である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の更なる説明において、図面を参照してその実施形態を更に説明する。図面は以下の通りである。
【図1】種々の瓶形状。
【図2】複数のチャネルを備える流体供給手段。
【図3】複数のチャネルを備える別の流体供給手段。
【図4】本発明に係る更なる瓶形状。
【図5】本発明に係る別の形状。
【図6】計算された所望の配液量に対して種々の瓶形状から得られた配液量を示すグラフ。
【図7】分配ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本記載では、同一又は対応する部品は、同一又は対応する参照番号を有する。示される代表的な実施形態は、いかなる方法でも限定的に解釈されるべきではなく、単なる実例として機能する。
【0012】
図面に戻ると、図1Aは矩形リザーバ形状を示し、図1Bは重力方向に対して水平に配向されたシリンダー軸を有する円筒リザーバ形状を示し、図1Cは出願人により「Bala形状」としても表される、本発明に係るリザーバ形状を示す。
【0013】
これら形状の共通点は、典型的には、2Pa.sより高い粘度を有する粘性流体である流体2を収容しているリザーバ1である。リザーバの下方部に配置される(重力方向に見られる)リザーバ1における流体供給手段3の形状に起因して、リザーバ1に収容されている流体2に対応し、流体供給手段3から流体2がゆっくりと分配されることによりリザーバは空になる。一実施形態は、35mLの量が約28日間の所定の期間に空になるような寸法であってもよい。
【0014】
リザーバ内の加圧(underpressure)が増大する(流体2の流出を妨げる)のを防ぐために、通気開口部4を液体表面より上方に備えてもよく、この実施形態では、流体供給手段3と共通のリザーバ1の側壁5に設けられている。通気開口部4は、流体2より上方のリザーバの上方空気塊6と直接連通するよう備えられる。
【0015】
図2A及び2Bのそれぞれにおける側壁5の前側断面図及び横側断面図に示すように、一実施形態では、流体供給手段3は、流体リザーバ1の側壁5に配置された、所定の寸法及び/又は形状の流体供給チャネル20の形態の複数の開口部を備え、リザーバ1は原則として好適なリザーバ1のいずれかの種類であってもよく、又は例えば、図1A〜Cのうち1つに示したもののようなリザーバ1である。定義に縛られるものではないが、「所定の」は、チャネル20が前記開口部又はチャネル20を画定する少なくとも1つの壁を有する本記載の状況では、前記少なくとも1つの壁が予め指定されており、比較的低公差(tolerance)である前記予め指定されている寸法に従って製造され、その公差は、例えば、関連するチャネル20とほぼ同じ大きさを有するプラスチック物品の成型、好ましくは射出成型、及び/又は穿孔において一般的な公差により決定され得ることを意味する。好ましくは、前記少なくとも1つの壁は、実質的に直線状である少なくとも1つの実質的部分を有する。
【0016】
理論に縛られるものではないが、一般的に用いられているフィルタに備えられているチャネルは、本発明とは対照的に、それぞれが所定の大きさ又は構造ではないと思われる。かかるフィルタは、開口部、すなわち、チャネルの大きさ及び構造が多かれ少なかれランダムであり、開口部又はチャネルの大きさ及び形状が互いに非常に大きく異なる、例えば焼結プラスチックを含む。
【0017】
本発明を用いた試験は、所定の大きさの複数の開口部により、既知のフィルタの使用に比べて流出量の制御性及び予測性を高め得ることを示した。理論に縛られるものではないが、開口部の壁の所定の形状は、流出量の予測性を高め得ると思われる。また、試験は、1つの開口部又は複数の開口部が詰まったときも、1つ又は複数の開口部は開いた状態を保ち、このことにより、分配ユニットを欠陥なく長期間使用できるようになることを示した。
【0018】
理論に縛られるものではないが、比較的長い繊維のような細片がフィルタ、すなわち、そのチャネルにひっかかる傾向があり、一方これらの繊維は複数の開口部を覆い、詰まらせる場合があると思われる。また、フィルタチャネルの大きさは多かれ少なかれランダムな形状を有するため、流体の流出量は各フィルタで異なる恐れがある。これらの理由のために、また他の理由のために、フィルタは、本発明に係る所定の大きさの複数の開口部に比べて、比較的不十分な予測可能流出量を有する。
【0019】
流体供給手段3は例えば、実質的に平行なチャネル20A〜Fを備えもよく、具体的な実施形態では(図2A、B参照)マウスピース21内に配置される。マウスピース21は、リザーバ1の側壁5に配置してもよい。流体供給手段3はリザーバ1の側壁5に配置する必要はないが、例えば、リザーバ1の底部付近の任意の好適な位置に配置することができる。
【0020】
マウスピース21は例えば、成型物品を含んでもよい。マウスピース21は例えば、その側部に切欠セクションを有してもよく、これは使用中、チャネル20A〜Fを形成する。使用中、マウスピース21は壁5の穴22に挿入され、その結果、マウスピース21の切欠セクション/側部チャネル20A〜Fは壁5に覆われる。示すように、マウスピース21は円筒形状であってもよく、より具体的にはプラグを備えてもよく、及び/又は断面図においてマウスピース21はT字型を有してもよく、その結果、側壁5の開口部22に完全に挿入されたとき、マウスピース21は前記側壁5の縁部22Aに隣接する(図2B参照)。
【0021】
流体供給手段3の他の実施形態を、それぞれ図3A及び3Bに正面図及び側面図で示す。図3A及びBは、複数の開口部が側壁5における穴の形状であるチャネル20を備える流体供給手段3を示す。これら穴は例えば、予め成形されていてもよく、又は例えば、製造過程で穿孔、切断、又は針の使用により切り抜いてもよい。当業者は、複数の代替法を認識するであろう。所望により、チャネル20(図2A、B、及び3A、Bに示すような)が、側壁5の厚さより大きな長さlを有することができるように、側壁は、側壁5の表面からリザーバ1の内側まで延在する縁部23を有してもよい。この縁部23はまた、例えば図2A、Bの場合のように、プラグ形状のマウスピース21を支持するのに役立つ場合もある。
【0022】
一実施形態では、チャネルの長さlは約30ミリメートル以下であり、好ましくは約20ミリメートル以下であり、より好ましくは約10ミリメートル以下である。実用的実施形態では、チャネルの長さlは、例えば約5ミリメートル、又は少なくとも10ミリメートル以下である。各チャネル20は、約3ミリメートル以下、好ましくは約1ミリメートル以下、より好ましくは約0.5ミリメートル以下の直径を有してもよい。これらの大きさにより、チャネル20を比較的低コストで、比較的破損のリスクの少ない良好な結果で製造できるようにすることができる。例えば、これら寸法を用いれば、成形型及び/又は流体供給手段3は脆弱になり過ぎず、同時に製造及び/又は組み立て中の成形型内の製品の適合(fitting)の問題を防ぐことができる。またチャネルの大きさが比較的小さい場合、製造中に詰まるリスクが存在し得る。前記好ましい大きさを用いることは、チャネル直径、すなわち長さl及び直径dの再現性について有利であり得、したがってより良好に配液できる。代表的な実施形態では、チャネル20の長さl及び直径dは、それぞれ2.4ミリメートル及び0.35ミリメートルである。
【0023】
各チャネル20の大きさは例えば、成形型の部品の大きさ及び/又は切り抜き用具の大きさにより予め決定されていてもよい。チャネル20の形状間の公差及び偏差は、例えば、本質的にランダムな形状である、すなわち互いに形状及び大きさが本質的に異なる少なくとも既知のフィルタのチャネルに比べて、比較的小さく保つことができる。
【0024】
好ましくは、各チャネル20が、例えば圧力、表面摩擦等の観点で等しく流体に好適であるように、少なくとも2つのチャネル20の大きさ、例えばそれぞれの直径及び長さ、並びに/又は形状は同じである。このように、リザーバ内の流体は、少なくとも本質的に、各チャネル20につき実質的に等しい量分配され得る。本記載では、チャネル20の「直径」は、チャネル20が例えば円形又は角のある断面を有し得る、例えばチャネル20の幅として理解することができる。上で説明したように、流体が「好適に等しい(equal favoring)」とはまた、ほぼ同じ断面表面を有するチャネル、すなわち、同じ流出量を有するが必ずしも同じ形状ではない各チャネルにより達成できる。
【0025】
一実施形態では、流体供給手段3は、2〜20個のチャネルを有してもよい。チャネル20の数は、意図する分配量及び/又は流体の粘度、分配ユニットの意図する用途等に関連し得る。流体供給手段3の一実施形態は、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のチャネル20を備える。かかる流体供給手段3は、例えば、10〜200ミリリットルの量の流体2を約10〜200日間で空にする場合、より具体的には、約35ミリリットルの量を約28日間で空にする場合に有利であり得る。チャネル20の有利な数(試験には示さない)は6個である。
【0026】
以下の表は、様々な流体供給手段を有する様々な配液システム(dosing system)、すなわち分配ユニットの試験結果を示す。
【0027】
【表1】

【0028】
試験から分かるように、第1の試験した配液システムはフィルタ及び単一チャネルを備えており、第2の配液システムは4個のチャネル20を備えており、第3の配液システムは8個のチャネル20を備えていた。各配液システムについて、500個のサンプルをリザーバが空になるまで、すなわち28日以上の期間試験した。4個のチャネルを備える流体供給手段3の500個のサンプルは、試験期間中にブロックは全く生じず、8個のチャネルを備える流体供給手段3は、500個の試験したサンプルの全てのうちわずか1日だけブロックされた。4個及び8個のチャネル20を備える配液システムは両方、それに加えて4〜8個の他の数のチャネル20を備える配液システムも、許容可能であることを示すことができた。示したように、フィルタを用いる配液システムは、1週間超にわたって10個のブロックを示した。
【0029】
更に、チャネル20を互いに近接して配置した場合、有利な場合がある。このように例えば、マウスピース21を配置することができる、又は少なくとも流体供給手段3を例えばリザーバ1の底部付近の小さな領域上に配置する。それ故、流体供給手段3の前記開口部は互いに近距離Dに配置することができ、距離Dは2個の隣接するチャネル20の縁部間の距離である。例えば、流体供給手段3の2個の隣接するチャネル20間の距離Dは、約3ミリメートル以下であり、好ましくは約1ミリメートル以下であり、又は少なくとも5〜0.20ミリメートルである。
【0030】
更なる実施形態は、2006年9月27日出願の未公開欧州特許出願第06076793.6号から本質的に取られた記載中に記載されており、この出願の全文は本発明に係る分配ユニットと有利に組み合わせることができる。欧州特許出願第06076793.6号に記載されているような分配ユニットに本発明に係る流体供給手段を適用すると、特定の所定の期間流体の流出量の制御性及び予測性が改善され得る。
【0031】
経時的にそれほど変化しない、具体的にはリザーバがほぼ空になったときにもなお許容可能なレベルである、穏やかでかつ安定した流出量の提供が望まれている。さもなければ、分配装置(リザーバ1のみが描かれている)のフレッシュニング力は非常に不均等になり、これは装置が非実用的であることを事実上意味する:ほぼいっぱいのリザーバ1からは過剰量のフレッシュニング液体2が排出され、結局、リザーバがほぼ空の状態では、フレッシュニング液体2の量が不十分で所望のフレッシュニングレベルを提供できない場合がある。
【0032】
しかしながら、克服すべき問題の1つは、分配量(mL/日で表される)の関係であり、それは流体のカラムの高さH、液体の密度p、及び液体の粘度ηと、流体供給手段3のチャネルの長さL及び直径rとの間に存在する。
【0033】
【数1】

【0034】
したがって、リザーバ1が空になるときカラムの高さが減少し、流体2の流出量も減少し、したがって配液量が低下することが分かる。
【0035】
配液量の変動を示す数値は、初期配液量と、図1A、B、及びCのそれぞれの平面図及び底面図に示すように、リザーバ1の100%、10%のそれぞれの充填比で得られる配液量との比である。流体2の組成物が変化しないと仮定すると(本明細書で以下により詳細に述べる)、この値はリザーバ2の形状に依存し、リザーバ1の100%、10%のそれぞれの充填比の体積を画定する体積高さの高さ比として表すことができる。
【0036】
理想的には、配液量を正しいテンポで一定に保つには、高さとは独立に、この値は1であるべきである。したがって、10%の充填体積の場合、箱様体積では充填高さも10%であり、より最適な特徴は、10%の充填体積でもなお例えば25%の充填高さを有することである。実際には、許容可能な値は1〜4の範囲であり、好ましくは1〜3.3である。
【0037】
ここで図1Aに戻ると、矩形形状の場合、カラムの高さは容器内に収容されている流体の量に直線的に依存している。したがって、10%の充填レベルから10%の高さが生じ、配液比10になる。したがって、矩形形状は、装置の使用中の配液比が著しく異なる。
【0038】
図1Bは、特にトイレにおける分配目的に好適である可能性のある代替形状を示す、なぜならこの形状は便器のへりの下に容易に固定され、へりの幅に概して対応する直径を有する寸法であり得るためである(図示せず)。かかる直径は20〜25mmの範囲であってもよく、好ましくは約35mmである。図1Bのリザーバは、重力方向に対して水平に配向されたシリンダー軸を有する円筒形である。この配液比は5.8であり、なぜなら第1の高さH1が34mmであり、10%の充填レベルを表す高さH2が5.9であるためである。この比は、図1Aの矩形形状の比よりもほぼ半数ましであるが、それでもなお計算された理想値とは著しく異なる。
【0039】
最後に図1Cは本発明の態様に係る形状を示し、配液量は1〜4の範囲である。具体的には、図1Cに示されるリザーバ1は、傾斜底壁を有する円錐台(frustroconical)形状で形成される。この形状は一般に、リザーバのより高い部分に空気塊のより大きな部分が生じ、典型的には配液比3.3未満、具体的には10%の充填レベル高さが10.5となる、それに比べて初期充填レベル高さ33.5は、3.2である。したがって、例示した形状ではより一定の配液量を得ることができる。具体的には、傾斜底壁に起因して、比較的高いカラム高さを有する体積の比較的大きな部分が分配される、なぜなら、リザーバの底部の体積は残りの体積と比べて比較的小さいためであり、これは相対的に一定の配液量であることを示す。体積がゼロに近づいたとき、分配サイクルの後半部でのみ、カラムの高さは顕著に縮み、配液量が低下する。
【0040】
図4は、図1Cに例示した円錐台形状の変形である別のセットの実施形態を示す(図4A及び図4B)。図A及びBはそれぞれ、100%の充填状態の上図、10%の充填状態の中図、及びリザーバの主軸に沿った断面図で実施形態を示す下図の3種の図を示す。具体的には、図4では、実施形態は、リザーバの下方部がリザーバのより高い部分の配向より垂直である配向を有するような寸法であることを示す。したがって、有効に、より高い位置にあるより大きな体積8よりも小さな下方体積7が生じ、したがって、より大きな体積8の流体2の流出量では、垂直に配向された下方体積7に沿って比較的一定の高さが有効に提供される。事実上、図4Aでは、これは、所望の流速の観点でなお許容可能な高さのカラムを作製するために、体積のより小さな部分が下向きに配向された階段状形状9を生じさせる。
【0041】
同様にこの下方体積は、図4Bを参照すると、細長いチャネル10により提供され、それは、例えばリザーバの下半分に舌状形状11を提供することによりリザーバ1の下方部分に形成され、舌状形状11の壁はリザーバの側壁と共にチャネル10を提供する。これらの更なる実施形態の配液比は更により有益であり、図4Aの階段状形状では約2.5、図4Bの細長いチャネルでは約2.3と計算される。
【0042】
図5は、更なる変形である幾つかの追加のリザーバ形状を示し、これらは円錐形状から更に逸脱している。具体的には、図5A及び図5Bに示す実施形態は、これらのチャネル12上に位置するより大きな体積8にほとんどが収容されている、流体2の大部分で実質的に一定であるカラム高さを画定する、特別に設計された実質的に垂直なチャネル12を有する。これらの実施形態の配液比は、理想値である1により近く、したがって、ほぼ一定の配液量をもたらす。図5Aに示す実施形態では(52mmの第1の高さH1及び25.25の10%の充填レベルの第2の高さH2を有する)、配液比は2になる。図5Bの実施形態では、第1の高さが50mmであり、第2の高さが41mmであるため配液比は1.2となる。
【0043】
図6は、図1に示した任意の種々の形状の配液量低下のグラフを示す。具体的には、28日の製品寿命中、図1Cの円錐台「Bala」形状が一定な理想形状に近づき比較的最良であり、ここで配液量は、図1Aの矩形形状及び図1Bの円筒形状に対して実質的に全時点で1に最も近い。
【0044】
図7は、流体供給手段3に関して流体2の粘度を適切に調整することにより、配液量を正確に決定し得る、分配装置13の例の概略側断面図を示す。例えば、例示したカバーキャップ14又は幾つかの他の遮蔽装置によって通気開口部4を適切に遮蔽することにより、流した水はリザーバ1の内部の流体2に接触することはできない。通気開口部4及び流体供給手段3は両方とも共通の側壁5に設けられ、したがって、例えばカバーキャップ14の下方開口部16から引き出される引き裂きシール15の使用を通して、流出及び通気開口部の両方を封止しない洗練された方法を提供する。流体供給手段3は、凹部17の形態の保水構造を備え、これは流体2が乾燥することを防ぐために開口部を横断する又は開口部付近に水膜を提供する寸法である。
【0045】
したがって、使用中水を流すことを通じて、水は側壁5の下方部に到達し、具体的には流体供給手段3を湿潤させる。吸着を通して、水は凹部17に保持され、その結果、流体は流体供給チャネル20から滴るとき水分を保つ。この機構は、流体3が乾燥しないことを保証する方法を提供し、結果として、チャネル20を意図せず詰まらせる。一般にこれは不所望であると考えられるが、この詰まりはトイレを使用していないとき(徐々に)放出を停止させ、流した水を用いることによりチャネル18から流体を放出させてチャネル18の詰まりを取り除くために用いることもできる。この実施形態では凹部は保水構造として示されているが、突出構造又は毛管構造のようなリブ等の他の実施形態も可能である。
【0046】
図7ではカバーキャップ14の側面図のみが示されているが、キャップ14は好ましくは一般にリザーバ1の輪郭に一致し、側壁5の大部分を覆い、流した水の一部が入るための小さな下向き開口部を残して、流体供給手段3、具体的にはチャネル20の末端開口部を湿潤させる。容器は好ましくは、有色清浄化流体を収容している視覚的外観を有する。しかしながら、青色の清浄化流体は視覚的に美しくない便器の汚れを引き起こす傾向があることが見出されている。したがって、一方では有色物質を含む容器を提供することが望ましく、他方では前記有色物質により引き起こされる汚れに悩まされないようにすることが望ましい。この問題を克服するために、好ましくはリザーバは透明な有色壁を備え、ここで流体は無色透明である。したがって、ディスペンサ13の視覚的外観は、それが有色流体を収容しているように見えるが、使用中、流体はその中性で透明な性質により汚れをもたらさない。
【0047】
本発明の特定の実施形態を上に記載したが、本発明は記載したもの以外の方法で実施することもできる。具体的には、上の記載は例示を目的とし、限定するものではない。したがって、当業者には、以下に記載する請求項の範囲を逸脱することなく記載した本発明に修正を加え得ることが明らかである。
【0048】
具体的には、分配ユニットの一実施形態は、空気塊の大部分がリザーバの上方部に提供され、リザーバの100%、10%のそれぞれの充填比の体積を画定する体積高さの高さ比が1〜4.0の範囲であるようにリザーバが形成されるよう配置することができる。他の実施形態は、以下のように配置することができる。リザーバは傾斜底壁を有する円錐台形状として形成することができ;リザーバの下方部はリザーバのより高い部分の配向より垂直な配向を有するような寸法であってもよく;リザーバの下方部は流体供給手段と体積のより高い部分との間にチャネルを提供するような寸法であってもよく;流体供給手段は流体の乾燥を防ぐために開口部を横断する、又は開口部付近に水膜を提供するような寸法である保水構造を備えてもよく;保水構造は流体供給手段が設けられている壁における凹部として提供されてもよく;通気開口部はカバーキャップにより遮蔽されてもよく、流体供給手段と共通のリザーバの側壁に設けられ、通気開口部はリザーバの上方空気塊の直接通気を提供し、カバーキャップには流した水を流体供給手段に近づけるための、及び落下している流した水から通気開口部を遮蔽するための下向き開口部が設けられ;リザーバは透明な有色壁を備えてもよく、ここで流体は無色透明である。
【0049】
他の実施形態では、装置は、例えば殺虫、防虫、殺ダニ、防臭、芳香、又は抗アレルギー性蒸気等の蒸気として流体が遠位端から分配されるものであってもよい。液体は、エマナチオンパッド又はエマナチオン装置を目的としてもよい。
【0050】
特定の態様では、実施形態はまた空隙に蒸気を分配することに関してもよい。蒸気として芳香剤、殺虫剤等を分配するために利用可能な装置がたくさんあるにもかかわらず、それらは全て欠点を有しており、上述の実施形態はこの目的のための単純で信頼できる装置を提供することができる。
【0051】
装置からの供給速度は、以下の変数のうち1つ以上により決定することができる:流体の粘度、流体供給手段の大きさ及び設計、具体的には、各流体供給チャネル20の少なくとも1つの直径d及びチャネル長さl;チャネル20の数;及び流体のカラム高さ。有利なことに、これらの変数は相互依存的方式で予め決められている場合がある。例えば比較的高粘度の流体は、比較的大きな直径を有するチャネル20と組み合わせて選択することができる。
【0052】
特定の実施形態では、流体の粘度は20PA・s以下、好ましくは10PA・s以下、より好ましくは約6PA・sであってもよい。かかる粘度は、具体的には、例えば約28日間等の所定の期間、比較的一定速度で分配するために、有利な流動及び分配特性を提供することが見出された。分配ユニットのカラム高さは、例えば200ミリメートル以下、好ましくは100ミリメート以下、より好ましくは50ミリメート以下であり得る。かかるカラム高さは、具体的には、例えば約28日間等の所定の期間、比較的一定速度で分配するために、有利な分配特性を提供することが見出された。また、かかるカラム高さは、例えば便器のへりの下に分配ユニットをぶら下げるため、リザーバ1の実用的体積を提供することができる。
【0053】
流体は、例えば清浄化剤、消毒剤、防臭剤、芳香剤、殺虫剤、殺ダニ剤、又は抗アレルギー剤を含んでもよい。分配ユニットの特定の実施形態は、油分配ユニット、又は工場用の流体ディスペンサ等として適用することもできる。分配ユニットは、例えば浴槽及び/若しくはシャワー付近、並びに/又は靴の上、並びに/又はクローゼット若しくは客室において例えば衣類用に配置してもよい。
【0054】
一実施形態では、分配ユニットは、流体供給手段3からの流体の持続的供給を遮断するための要素と共に配置される。例えば、かかる遮断要素は、リザーバ1及び/又はチャネル20を移動させる手段を含んでもよく、その結果、流体及びチャネル20は分離され、流体はチャネル20に流れ込まない。より具体的には、この遮断要素は、リザーバ1を回転させるための回転要素を含んでもよく、その結果、流体の頂上部がチャネル20の下方で終わる。遮断要素はまた、チャネル20をブロックするためのブロック要素を含んでもよい。また、マウスピース21が回転するよう配置されてもよく、その結果チャネル20の末端はブロックされ、流体が流れ込む又は流れ出すことを防ぐ。別の代表的な実施形態では、通気開口部4は遮断要素によりブロックされ、その結果、すなわちリザーバ内の加圧により、流体がチャネル20から流れだすのを防ぐ。
【0055】
本発明の特定の実施形態を上に記載したが、本発明は記載したもの以外の方法で実施することもできる。具体的には、上の記載は例示を目的とし、限定するものではない。したがって、当業者には、以下に記載する請求項の範囲を逸脱することなく記載した本発明に修正を加え得ることが明らかである。
【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図2A】

【図2B】

【図3A】

【図3B】

【図4A】

【図4B】

【図5A】

【図5B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレッシュニング流体を分配するための分配ユニットであって
フレッシュニング流体を備えるための体積を画定するリザーバを備え、
前記リザーバが、
前記リザーバの下方部に配置され、前記リザーバに収容されている前記流体に関して、重力作用により流体供給手段から流体を流れ出すような寸法である流体供給手段と、
前記リザーバの上方空気塊の通気を提供する通気開口部と、
を備え、
前記流体供給手段が複数の流体供給開口部を備え、各流体供給開口部が所定の大きさである、分配ユニット。
【請求項2】
前記開口部が、好ましくは互いに実質的に平行に配置されたチャネルを備える、請求項1に記載の分配ユニット。
【請求項3】
前記開口部が実質的に同じ大きさ及び/又は形状である、請求項1又は2に記載の分配ユニット。
【請求項4】
前記チャネルの長さが20ミリメート以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分配ユニット。
【請求項5】
前記流体供給手段が3〜10個の開口部、好ましくは3〜10個の開口部を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の分配ユニット。
【請求項6】
各開口部が1ミリメートル未満の直径を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の分配ユニット。
【請求項7】
前記開口部が前記リザーバの底部付近に配置される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の分配ユニット。
【請求項8】
前記流体供給手段が、前記複数の開口部を備えるマウスピースを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の分配ユニット。
【請求項9】
前記マウスピースが前記リザーバの壁に配置され、前記マウスピースが前記壁により閉じられる側部チャネルを備える、請求項8に記載の分配ユニット。
【請求項10】
前記分配ユニットがトイレ用衛生装置を含み、取付具が前記ユニットを便器等に取り付けるのに好適な取付具である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の分配ユニット。
【請求項11】
前記通気開口部がカバーキャップにより遮蔽され、前記流体供給開口部と共通の前記リザーバの側壁に設けられ、前記通気開口部が前記リザーバの前記上方空気塊の直接通気を提供し、前記カバーキャップには、流した水を前記流体供給手段に近づけるための、及び落下している流した水から前記通気開口部を遮蔽するための下向き開口部が設けられている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の分配ユニット。
【請求項12】
前記空気塊の大部分が前記リザーバの上方部に提供され、前記リザーバの100%、10%のそれぞれの充填比の体積を画定する体積高さの高さ比として定義される配液比が1〜4.0の範囲であるように前記リザーバが形成される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の分配ユニット。

【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−515603(P2011−515603A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501734(P2011−501734)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【国際出願番号】PCT/NL2009/050141
【国際公開番号】WO2009/120074
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】