説明

切削装置

【課題】切削屑を良好に吸引する。
【解決手段】スピンドル10では、モータ38が駆動されて、駆動軸44、平ベルト72及びスピンドル軸62が回転されることで、スピンドル軸62下端の切削刃70が切削対象を切削加工する。また、スピンドル軸62の上端が吸引装置74に接続されて、吸引装置74が切削屑をスピンドル軸62内を介してスピンドル軸62の上端から吸引する。このため、切削屑の吸引経路を短くできると共に、切削屑の吸引がスピンドル軸62の周壁に阻害されることを防止でき、切削屑を良好に吸引できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切削対象を切削する切削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
切削装置としては、コレットチャックにツールホルダが同軸的に取り付けられると共に、ツールホルダの先端に刃部が同軸的に取り付けられて、コレットチャック、ツールホルダ及び刃部が一体に回転されることで、刃部が被加工材に穴加工するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この切削装置では、コレットチャック、ツールホルダ及び刃部が中空軸状にされると共に、コレットチャックの軸方向中央に流通孔が貫通されており、被加工材の穴加工による切屑が刃部内、ツールホルダ内及びコレットチャック内を介して流通孔から吸引される。
【0004】
しかしながら、この切削装置では、上述の如く、刃部内及びツールホルダ内のみならずコレットチャック内(駆動軸内)を介して切屑を吸引するため、切屑の吸引経路が長くなる可能性がある。さらに、回転されるコレットチャックの径方向外側へコレットチャック周壁の流通孔から切屑を吸引するため、切屑の吸引がコレットチャックの周壁に阻害される可能性がある。これにより、切屑を良好に吸引できない可能性がある。
【特許文献1】特開平3−66509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、切削屑を良好に吸引できる切削装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の切削装置は、駆動されることで駆動軸が回転される駆動手段と、前記駆動軸と分離して設けられると共に、中空軸状にされ、回転されることで先端において切削対象を切削する切削軸と、前記駆動軸と前記切削軸とを連絡し、前記駆動軸が回転されることで前記切削軸を回転させる連絡手段と、前記切削軸に接続され、前記切削対象の切削による切削屑を前記切削軸内を介して吸引する吸引手段と、を備えている。
【0007】
請求項2に記載の切削装置は、駆動されることで駆動軸が回転される駆動手段と、中空軸状にされ、回転されることで先端において切削対象を切削する切削軸と、前記駆動軸と前記切削軸とを連絡し、前記駆動軸が回転されることで前記切削軸を回転させる連絡手段と、前記切削軸の基端に接続され、前記切削対象の切削による切削屑を前記切削軸内を介して前記切削軸の基端から吸引する吸引手段と、を備えている。
【0008】
請求項3に記載の切削装置は、請求項1又は請求項2に記載の切削装置において、前記連絡手段は、環状にされ、前記駆動軸と前記切削軸とを連絡する連絡部材と、前記駆動軸及び前記切削軸の少なくとも一方に押圧力を付与して前記駆動軸と前記切削軸とを離間させることで前記連絡部材に張力を付与する押圧手段と、を有することを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の切削装置は、請求項3に記載の切削装置において、前記駆動軸と前記連絡部材との連絡位置と前記切削軸と前記連絡部材との連絡位置と前記押圧手段の位置とを前記駆動軸及び前記切削軸の軸方向において一致させた、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の切削装置では、駆動手段の駆動軸と切削軸とを連絡手段が連絡しており、駆動手段が駆動されて、駆動軸が回転されることで、連絡手段が切削軸を回転させて、切削軸が先端において切削対象を切削する。
【0011】
ここで、切削軸が駆動軸と分離して設けられており、切削軸に接続された吸引手段が、切削対象の切削による切削屑を切削軸内を介して吸引する。このため、切削屑の吸引経路を短くすることができ、切削屑を良好に吸引することができる。
【0012】
請求項2に記載の切削装置では、駆動手段の駆動軸と切削軸とを連絡手段が連絡しており、駆動手段が駆動されて、駆動軸が回転されることで、連絡手段が切削軸を回転させて、切削軸が先端において切削対象を切削する。
【0013】
ここで、切削軸内の基端に接続された吸引手段が、切削対象の切削による切削屑を切削軸内を介して切削軸の基端から吸引する。このため、切屑の吸引が切削軸の周壁に阻害されることを抑制でき、切削屑を良好に吸引することができる。
【0014】
請求項3に記載の切削装置では、環状にされた連絡部材が駆動軸と切削軸とを連絡する。
【0015】
ここで、押圧手段が、駆動軸及び切削軸の少なくとも一方に押圧力を付与して、駆動軸と切削軸とを離間させることで、連絡部材に張力が付与される。このため、連絡部材の張力の調整を容易に行うことができる。
【0016】
請求項4に記載の切削装置では、駆動軸と連絡部材との連絡位置と切削軸と連絡部材との連絡位置と押圧手段の位置とが、駆動軸及び切削軸の軸方向において一致されている。このため、駆動軸及び切削軸に連絡部材から作用する張力を駆動軸及び切削軸の軸方向において均一化することができ、駆動軸と切削軸とが偏磨耗することを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1には、本発明の実施の形態に係る切削装置としてのスピンドル10が右方から見た断面図(図3の1−1線断面図)にて示されている。さらに、図2には、スピンドル10が前方から見た断面図(図3の2−2線断面図)にて示されており、図3には、スピンドル10が上方から見た平面図にて示されている。なお、図面では、スピンドル10の前方を矢印FRで示し、スピンドル10の右方を矢印RHで示し、スピンドル10の上方を矢印UPで示す。
【0018】
本実施の形態に係るスピンドル10は、設置部材としての矩形板状の設置台12(固定ベース)を備えている。
【0019】
設置台12の前側部分には、モータ部14が設けられている。
【0020】
設置台12上の前側部分には、右端及び左端において、直方体形柱状の固定柱16が固定されており、固定柱16は、前後方向に沿って配置されている。固定柱16の左右方向内側面には、調整手段のスライド手段を構成する断面矩形状のスライド溝18が形成されており、スライド溝18は、固定柱16の前後方向全体に亘り、前後方向に沿って配置されている。
【0021】
設置台12上には、前端において、係止手段としての直方体形柱状の係止柱20が固定されており、係止柱20は、左右方向に沿って配置されると共に、左右両端部に固定柱16の前端が当接されている。
【0022】
設置台12上の前側部分には、支持手段としての略円筒状の支持筒22(移動ベース)が設けられており、支持筒22内には、上部において、略円板状の貫通板24が一体に設けられている。支持筒22の周壁には、後端部の下側部分において、略矩形状の支持孔26が貫通形成されており、支持孔26は、支持筒22の下端から開放されている。
【0023】
支持筒22の外周には、下部において、スライド手段を構成する外形矩形板状のスライド板28が一体に設けられており、スライド板28は、前端及び後端がそれぞれ支持筒22の前端及び後端と前後方向位置を一致されると共に、右端及び左端がそれぞれ支持筒22の右端及び左端から左右方向外側へ突出されている。スライド板28の後端部には、左右方向中央部において、スライド孔30が貫通形成されており、スライド孔30は、支持筒22の支持孔26に連通されると共に、スライド板28の後端から開放されている。
【0024】
設置台12上には、支持筒22の後側において、調整手段を構成する移動手段としての直方体形柱状の移動柱32が設けられており、移動柱32は、左右方向に沿って配置されている。移動柱32の左右両端面は、固定柱16に当接されており、移動柱32の前面は、スライド板28の後端に当接されている。移動柱32の左右方向中央部には、矩形状の移動孔34が貫通形成されており、移動孔34は、支持筒22の支持孔26及びスライド板28のスライド孔30に連通されると共に、後側に開放されている。移動柱32の左右両端面は、スライド手段を構成する断面矩形状のスライド突起36が一体に設けられており、スライド突起36は、前後方向に沿って配置されている。
【0025】
スライド板28の左右両端及び移動柱32の一対のスライド突起36は、それぞれ一対の固定柱16のスライド溝18に嵌合されており、スライド板28の左右両端及び一対のスライド突起36がそれぞれ一対のスライド溝18に沿ってスライドされることで、支持筒22(スライド板28)及び移動柱32が前後方向にスライド可能にされている。また、支持筒22及びスライド板28が係止柱20に当接されることで、支持筒22(スライド板28)及び移動柱32の前方へのスライドが係止可能にされている。
【0026】
支持筒22には、駆動手段としての略円柱状のモータ38が支持されており、モータ38の下部には、円環板状の支持板40が一体に設けられている。支持板40は、支持筒22の上側に配置された状態で、支持筒22に固定されており、これにより、モータ38が、支持筒22内に嵌合された状態で、支持筒22に固定されている。モータ38の上端には、所定数の配管42が接続されており、配管42内は、モータ38の内部に連通されている。配管42は、送風装置(図示省略)に接続されており、送風装置から空気(冷却用空気)が配管42を介してモータ38内へ送風されてモータ38外へ排出されることで、当該空気によってモータ38が冷却される。また、当該空気は、所謂エアーパージ機能を有しており、モータ38外からモータ38内へ異物が流入することが当該空気によって抑制される。
【0027】
モータ38には、略円軸状の駆動軸44が設けられており、駆動軸44は、上下方向に平行に配置されると共に、モータ38から下側へ突出されている。駆動軸44は、モータ38内に回転可能に支持されており、駆動軸44は、モータ38が駆動されることで、回転可能にされている。
【0028】
駆動軸44の下端部以外の部分は、出力軸46にされており、出力軸46は、支持筒22内の貫通板24に、略嵌合された状態で、貫通されている。出力軸46の下端には、中心軸に沿って把持孔(図示省略)が収縮可能に設けられており、出力軸46の下端外周には、ナット48(コレットナット方式)が螺合されている。
【0029】
駆動軸44の下端部は、連絡手段を構成する駆動部としての駆動プーリ50にされており、駆動プーリ50の上端部が出力軸46下端の把持孔に挿入されて、出力軸46の下端外周にナット48が締結されることで、当該把持孔が収縮されて、出力軸46の下端に駆動プーリ50の上端部が所謂コレット方式によって把持固定されている。これにより、駆動プーリ50が出力軸46と一体に回転可能にされている。
【0030】
設置台12上には、移動柱32の後側における右端部及び左端部において、略直方体形柱状の係合柱52が固定されており、係合柱52と移動柱32との間には、調整手段を構成する押圧手段(付勢手段)としての略矩形柱状の圧縮コイルスプリング54が架け渡されている。圧縮コイルスプリング54は、前後方向に沿って配置されており、圧縮コイルスプリング54は、移動柱32、支持筒22(スライド板28)及びモータ38を前方へ付勢(押圧)している。
【0031】
設置台12の後側部分には、スピンドル部56が設けられている。
【0032】
設置台12の後側部分には、固定手段としての略円柱状の支持柱58が設けられており、支持柱58は、設置台12に貫通されている。支持柱58の上端には、外形略矩形板状の固定板60が一体に設けられており、固定板60が、設置台12の上側に配置された状態で、設置台12に固定されることで、支持柱58が設置台12に固定されている。
【0033】
支持柱58内には、切削軸(加工軸)としての円軸状のスピンドル軸62が回転自在に支持されており、スピンドル軸62は、上下方向に平行に配置されると共に、支持柱58から上下方向両側へ突出されている。
【0034】
スピンドル軸62の下端部以外の部分は、受動軸64にされている。受動軸64には、支持柱58の上側において、連絡手段を構成する受動部としての受動プーリ66が固定されており、受動プーリ66は、受動軸64と一体に回転可能にされている。受動軸64の下端には、中心軸に沿って把持孔(図示省略)が収縮可能に設けられており、出力軸46の下端外周には、ナット68(コレットナット方式)が螺合されている。
【0035】
スピンドル軸62の下端部は、切削部としての切削刃70にされており、切削刃70の上端部が受動軸64下端の把持孔に挿入されて、受動軸64の下端外周にナット68が締結されることで、当該把持孔が収縮されて、受動軸64の下端に切削刃70の上端部が所謂コレット方式によって把持固定されている。これにより、切削刃70が受動軸64と一体に回転可能にされている。
【0036】
駆動軸44の駆動プーリ50とスピンドル軸62の受動プーリ66との間には、支持筒22の支持孔26、スライド板28のスライド孔30及び移動柱32の移動孔34を介して、連絡手段を構成する連絡部材としての無端帯状(環状)の平ベルト72(ベルト)が掛け回されており、上述の如く圧縮コイルスプリング54がモータ38(駆動プーリ50)を前方へ付勢することで、平ベルト72に張力(テンション)が付与されて、平ベルト72の緩みが防止されている。平ベルト72は、モータ38が駆動されて駆動軸44(出力軸46及び駆動プーリ50)が回転されることで、回転されて、スピンドル軸62(受動プーリ66、受動軸64及び切削刃70)を回転させる。これにより、切削刃70が例えば樹脂製(ガラスエポキシ樹脂製等)の基板等である切削対象(図示省略)に当接されることで、切削刃70が切削対象を切削加工(穴あけ加工、溝堀加工、カッティング加工等)可能にされている。
【0037】
駆動プーリ50の平ベルト72掛回部分(円柱状部分)の径は、受動プーリ66の平ベルト72掛回部分(円柱状部分)の径に対し、2倍にされており、駆動軸44の回転数に対し、スピンドル軸62の回転数が、2倍にされる。このため、例えば、駆動軸44の回転数が20000回/分である場合には、スピンドル軸62の回転数が40000回/分になる。
【0038】
駆動プーリ50の平ベルト72掛回部分の上下方向中央、受動プーリ66の平ベルト72掛回部分の上下方向中央、及び、圧縮コイルスプリング54の上下方向中央(中心軸)は、上下方向位置が一致されており、平ベルト72の張力は、駆動プーリ50及び受動プーリ66に上下方向において均一に作用する。平ベルト72は、内部にグラスファイバコード(図示省略)が設けられて、軽量かつ高強度にされており、平ベルト72は、疲労による伸びを抑制されて、駆動プーリ50及び受動プーリ66への平ベルト72の新たな張り直し等のメンテナンスが抑制(少なく)される。
【0039】
スピンドル軸62(受動軸64及び切削刃70)は、中空軸にされており、スピンドル軸62内は、スピンドル軸62の下端(切削刃70の下端)及びスピンドル軸62の上端(受動軸64の上端)から開放されている。スピンドル軸62の上端は、接続手段としてのロータリジョイント(図示省略)を介して、吸引手段としての吸引装置74に回転可能に接続されており、吸引装置74がスピンドル軸62の下端からスピンドル軸62内及びスピンドル軸62の上端を介して空気を吸引可能にされている。これにより、吸引装置74が切削対象の切削加工による切削屑(切削粉や切削塵等)をスピンドル軸62の下端からスピンドル軸62内及びスピンドル軸62の上端を介して吸引可能にされると共に、スピンドル軸62及び支持柱58を冷却可能にされている。
【0040】
スピンドル軸62内(受動軸64内及び切削刃70内)の周面は、研磨処理や金属メッキ処理(例えばクロムメッキ処理)等が施されて、低摩擦化処理されており、スピンドル軸62内の周面の摩擦抵抗は、低くされている。
【0041】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0042】
以上の構成のスピンドル10では、モータ38が駆動されて、駆動軸44(出力軸46及び駆動プーリ50)が高速回転されることで、平ベルト72が高速回転されて、スピンドル軸62(受動プーリ66、受動軸64及び切削刃70)が高速回転される。これにより、切削刃70が切削対象に当接されることで、切削刃70が切削対象を切削加工する。
【0043】
また、スピンドル軸62の上端(受動軸64の上端)がロータリジョイントを介して吸引装置74に接続されており、吸引装置74が切削対象の切削加工による切削屑をスピンドル軸62の下端(切削刃70の下端)からスピンドル軸62内及びスピンドル軸62の上端を介して吸引する。
【0044】
このように、スピンドル軸62が駆動軸44から分離されると共に、吸引装置74がスピンドル軸62の上端に接続されて、吸引装置74が切削屑をスピンドル軸62内を介してスピンドル軸62の上端から吸引する。このため、切削屑の吸引経路をスピンドル軸62内のみにできて短くすることができると共に、切削屑の吸引がスピンドル軸62の周壁に阻害されることを防止できる。これにより、切削屑の吸引経路が細く吸引装置74による空気吸引力(発生負圧)が低い場合でも、切削屑を良好に吸引する(切削屑の詰りを良好に抑制する)ことができる。
【0045】
さらに、スピンドル軸62内の周面が低摩擦化処理されている。このため、切削屑を一層良好に吸引することができる。また、切削屑の吸引経路がスピンドル軸62内のみにされて短くされているため、切削屑の吸引経路の周面に低摩擦化処理を容易に行うことができる。
【0046】
また、圧縮コイルスプリング54が、移動柱32及び支持筒22(スライド板28)を介してモータ38を付勢して、駆動軸44の駆動プーリ50をスピンドル軸62の受動プーリ66から前後方向において離間させることで、平ベルト72に張力が付与される。このため、圧縮コイルスプリング54が、平ベルト72の張力調整機能を有して、平ベルト72に常に略一定の張力を付与することができ、平ベルト72に付与する張力を調整する作業を容易にする(当該作業工数を低減する)ことができる。これにより、平ベルト72の伸び等により平ベルト72の張力が低下した状態で平ベルト72が回転されることを抑制でき、駆動プーリ50や受動プーリ66の磨耗による発熱や故障を抑制することができると共に、平ベルト72の発熱を抑制できて平ベルト72の寿命を長くすることができる。
【0047】
さらに、駆動プーリ50の平ベルト72掛回部分の上下方向中央、受動プーリ66の平ベルト72掛回部分の上下方向中央、及び、圧縮コイルスプリング54の上下方向中央の上下方向位置が一致されて、平ベルト72の張力が駆動プーリ50及び受動プーリ66に上下方向において均一に作用する。このため、平ベルト72と駆動プーリ50及び受動プーリ66とが相対的に傾いて平ベルト72の張力が駆動プーリ50及び受動プーリ66に上下方向において不均一に作用することによる駆動プーリ50及び受動プーリ66の偏磨耗及び破損を抑制することができる。
【0048】
また、駆動プーリ50の平ベルト72掛回部分の径と受動プーリ66の平ベルト72掛回部分の径との比を調整することで、駆動軸44の回転数とスピンドル軸62の回転数との比を調整することができる。このため、駆動軸44の回転数が低い場合でも、スピンドル軸62の回転数を高くすることができ、モータ38のコストを低減することができる。
【0049】
なお、本実施の形態では、駆動軸44に駆動プーリ50を設けると共に、スピンドル軸62に受動プーリ66を設けて、駆動プーリ50と受動プーリ66とを平ベルト72によって連絡した構成としたが、駆動軸44に駆動スプロケット(駆動部)を設けると共に、スピンドル軸62に受動スプロケット(受動部)を設けて、駆動スプロケットと受動スプロケットとを環状のチェーン(連絡部材)によって連絡した構成としてもよい。さらに、駆動軸44に駆動ギヤ(駆動部)を設けると共に、スピンドル軸62に受動ギヤ(受動部)を設けて、駆動ギヤと受動ギヤとを直接噛合又はギヤ機構を介して連絡した構成としてもよい。
【0050】
また、本実施の形態では、圧縮コイルスプリング54が移動可能にされた駆動軸44を付勢して駆動軸44の駆動プーリ50とスピンドル軸62の受動プーリ66とを離間させる構成としたが、圧縮コイルスプリング54が移動可能にされた駆動軸44及びスピンドル軸62の少なくとも一方を付勢して駆動軸44の駆動プーリ50とスピンドル軸62の受動プーリ66とを離間させる構成であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態に係るスピンドルを示す右方から見た断面図(図3の1−1線断面図)である。
【図2】本発明の実施の形態に係るスピンドルを示す前方から見た断面図(図3の2−2線断面図)である。
【図3】本発明の実施の形態に係るスピンドルを示す上方から見た平面図である。
【符号の説明】
【0052】
10 スピンドル(切削装置)
38 モータ(駆動手段)
44 駆動軸
50 駆動プーリ(連絡手段)
54 圧縮コイルスプリング(押圧手段)
62 スピンドル軸(切削軸)
66 受動プーリ(連絡手段)
72 平ベルト(連絡手段、連絡部材)
74 吸引装置(吸引手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動されることで駆動軸が回転される駆動手段と、
前記駆動軸と分離して設けられると共に、中空軸状にされ、回転されることで先端において切削対象を切削する切削軸と、
前記駆動軸と前記切削軸とを連絡し、前記駆動軸が回転されることで前記切削軸を回転させる連絡手段と、
前記切削軸に接続され、前記切削対象の切削による切削屑を前記切削軸内を介して吸引する吸引手段と、
を備えた切削装置。
【請求項2】
駆動されることで駆動軸が回転される駆動手段と、
中空軸状にされ、回転されることで先端において切削対象を切削する切削軸と、
前記駆動軸と前記切削軸とを連絡し、前記駆動軸が回転されることで前記切削軸を回転させる連絡手段と、
前記切削軸の基端に接続され、前記切削対象の切削による切削屑を前記切削軸内を介して前記切削軸の基端から吸引する吸引手段と、
を備えた切削装置。
【請求項3】
前記連絡手段は、
環状にされ、前記駆動軸と前記切削軸とを連絡する連絡部材と、
前記駆動軸及び前記切削軸の少なくとも一方に押圧力を付与して前記駆動軸と前記切削軸とを離間させることで前記連絡部材に張力を付与する押圧手段と、
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の切削装置。
【請求項4】
前記駆動軸と前記連絡部材との連絡位置と前記切削軸と前記連絡部材との連絡位置と前記押圧手段の位置とを前記駆動軸及び前記切削軸の軸方向において一致させた、ことを特徴とする請求項3記載の切削装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate