説明

切替バルブ継手

【課題】コンパクトに構成することができる切替バルブ継手を提供する。
【解決手段】切替バルブ継手1は、入口部11、供給口部12、戻り口部13、吐出口部14、及び切替弁15、を有する本体部2と、押さえ部材23を有する継手部3とを備え、押さえ部材23は、第一ホース孔27aに第一ホース19が挿通され、さらに第二ホース孔27bに第二ホース20が挿通された状態にて、本体部2に固定されるときに、第一ホース19の開口端部を供給口部12に押さえ付けて固定すると共に、第二ホース20の開口端部を戻り口部13に押さえ付けて固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水器・アルカリイオン整水器等の水処理器と、水栓と、の接続に用いる切替バルブ継手に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、浄水器・アルカリイオン整水器等の水処理器と、水栓と、の接続に用いる吐水用部材が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載の吐水用部材は、水栓(既設の混合水栓)を通じて供給される原水の入口部と、水処理器に対する原水の供給口部と、水処理器にて水処理を施された原水(処理水)の戻り口部と、処理水が吐出する吐出口部と、を備えている。
吐水用部材による水栓と水処理器との接続は、吐水用部材の入口部が水栓に接続され、供給口部が水処理器の原水インレットポートに接続され、さらに戻り口部が水処理器の処理水アウトレットポートに接続されることにより行われる。
このように水栓と水処理器とが上記吐水用部材を介して接続された状態にて、水栓を通じて上記吐水用部材の入口部に流入した原水は、供給口部から水処理器に供給される。そして、水処理器に供給された原水は、水処理器にて水処理(浄化処理等)を施されて処理水になり、その後に戻り口部から流入する。そして、戻り口部から流入した処理水は、吐出口部から吐出して、使用に供することができる。
【0004】
ここで、上記吐水用部材の供給口部と水処理器の原水インレットポートとが、第一ホースを介して接続され、戻り口部と水処理器の処理水インレットポートとが、第二ホースを介して接続されることとする。
このとき、第一ホースの供給口部への固定は、例えば特許文献2に記載されているように、第一ホースの開口端部内に供給口部を差し込み、さらに第一ホースの開口端部を第一ナットで供給口部に締め付けることにより行われる。
また、第二ホースの戻り口部への固定についても同様に、第二ホースの開口端部内に戻り口部を差し込み、さらに第二ホースの開口端部を第二ナットで戻り口部に締め付けることにより行われる。
このように、第一・第二ホースが、個々に締め付けられて、個々に固定される。
【0005】
しかし、上記のように第一・第二ホースを個々に固定するように構成すると、第一ホースを固定するための作業を行う作業スペース、及び第二ホースを固定するための作業を行う作業スペース、を個々に確保する必要が生じる。このため、上記吐水用部材における供給口部及び戻り口部について、互いに近接して配置することができず、ある程度の間隔を空けて配置することになる。これにより、上記吐水用部材が大型化してしまう点で不利である。
【0006】
また、入口部の連通対象を供給口部又は吐出口部に変更する切替弁をさらに備え、切替弁により、吐出口部から、処理水、又は原水を選択的に吐出させることができる種類の吐水用部材(切替バルブ継手)については、一般的に、切替弁の切り替えを行う操作ハンドル等を備えるので、大型化しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−37703号公報
【特許文献2】特開2006−118588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するべく、コンパクトに構成することができる切替バルブ継手を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の切替バルブ継手は、前記入口部に連通されると共に水処理器に接続可能に構成されており、前記水処理器に接続された状態にて前記入口部に流入した原水が前記水処理器に向けて吐出する供給口部、前記水処理器に接続可能に構成され、前記水処理器に接続された状態にて前記水処理器により水処理を施された前記原水である処理水が流入する戻り口部、前記戻り口部及び前記入口部に連通され、前記入口部に流入した原水、又は前記戻り口部に流入した処理水が吐出可能な吐出口部、及び前記入口部の連通対象を前記供給口部又は前記吐出口部に変更する切替弁、を有する本体部と、前記供給口部と前記水処理器との接続に用いる第一ホースが挿通可能な第一ホース孔、及び前記戻り口部と前記水処理器との接続に用いる第二ホースが挿通可能な第二ホース孔が形成され、前記第一ホース孔に前記第一ホースが挿通され、さらに前記第二ホース孔に前記第二ホースが挿通された状態にて、前記本体部に固定される押さえ部材を有する継手部とを備え、前記押さえ部材は、前記第一ホース孔に前記第一ホースが挿通され、さらに前記第二ホース孔に前記第二ホースが挿通された状態にて、前記本体部に固定されるときに、前記第一ホースの開口端部を前記供給口部に押さえ付けて固定すると共に、前記第二ホースの開口端部を前記戻り口部に押さえ付けて固定する。
【0010】
請求項2に記載の切替バルブ継手においては、前記継手部は、中空の筒形状に形成されると共に、一方の開口端部の外周面にテーパ状に先細りするテーパ部が形成され、前記一方の開口端部が前記第一ホースの開口端部内に差し込み可能に構成され、かつ、他方の開口端部が前記供給口部に差し込み可能に構成される第一ブッシュと、中空の筒形状に形成されると共に、一方の開口端部の外周面にテーパ状に先細りするテーパ部が形成され、前記一方の開口端部が前記第二ホースの開口端部内に差し込み可能に構成され、かつ、他方の開口端部が前記戻り口部に差し込み可能に構成される第二ブッシュと、を有し、前記供給口部の内周面には、前記供給口部に差し込まれた状態の前記第一ブッシュが当接する段部が形成され、前記戻り口部の内周面には、前記戻り口部に差し込まれた状態の前記第二ブッシュが当接する段部が形成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、切替バルブ継手をコンパクト化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】切替バルブ継手の一部断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の一部拡大図であり、(a)は第一ホース及び第一ブッシュの拡大図であり、(b)は第二ホース及び第二ブッシュの拡大図である。
【図4】図1の一部拡大図であり、(a)は第一ブッシュの拡大図であり、(b)は第二ブッシュの拡大図である。
【図5】押さえ部材を示す図であり、(a)は図1に示す押さえ部材の拡大図であり、(b)は図5(a)に示す押さえ部材を矢印Bの方向から見た図である。
【図6】カバー部材を示す図であり、(a)は図1に示すカバー部材の拡大図であり、(b)は図5(a)に示す押さえ部材を矢印Cの方向から見た図である。
【図7】供給口部・戻り口部に第一・第二ブッシュを差し込む過程を示す図であり、(a)はカバー部材・押さえ部材に第一・第二ホースを挿通した状態を示し、(b)は供給口部・戻り口部に第一・第二ブッシュを差し込んだ状態を示す。
【図8】押さえ部材を固定用ビスで締め付ける過程を示す図であり、(a)は図7(b)のD−D断面図であり、(b)は固定用ビスを本体部2に形成されるビス穴にねじ込んで、押さえ部材を固定用ビスで締め付けている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る切替バルブ継手の一実施例である切替バルブ継手1について、図面を参照して説明する。
【0014】
切替バルブ継手1は、浄水器・アルカリイオン整水器等の水処理器と、既設の水栓と、の接続に用いる部材である。
水処理器と水栓とが切替バルブ継手1を用いて接続されると、水栓を通じて供給される原水(水道水、温水等)を水処理器に供給でき、これにより水処理器にて水処理(浄化処理等)を施された原水(処理水)を吐出可能になる。
【0015】
図1及び図2に示すように、切替バルブ継手1は、本体部2、及び継手部3を備える。
【0016】
本体部2は、原水/処理水が流入/吐出する各種開口部、原水/処理水が流通する各種流路等が設けられている部材である。
本体部2は、入口部11、供給口部12、戻り口部13、吐出口部14、及び切替弁15を有する。
【0017】
入口部11は、既設の水栓(不図示)に接続可能に構成されており、水栓に接続された状態にて、水栓を通じて供給される原水が切替バルブ継手1内へ流入する部分である。
【0018】
供給口部12は、入口部11に連通されると共に水処理器(不図示)に接続可能に構成されており、水処理器に接続された状態にて、入口部11に流入した原水が水処理器に向けて吐出する部分である。
【0019】
戻り口部13は、水処理器に接続可能に構成されており、水処理器に接続された状態にて、水処理器により水処理を施された原水である処理水が切替バルブ継手1内へ流入する部分である。
【0020】
吐出口部14は、戻り口部13、及び入口部11に連通されており、入口部11に流入した原水、又は戻り口部13に流入した処理水が切替バルブ継手1内から吐出する部分である。
吐出口部14はスパウト(不図示)に接続されており、入口部11に流入した原水、又は戻り口部13に流入した処理水を前記スパウトから吐出可能としている。
【0021】
切替弁15は、入口部11、供給口部12、及び吐出口部14の間に設けられており、入口部11の連通対象を供給口部12又は吐出口部14に変更する。
入口部11は、切替弁15を介して供給口部12又は吐出口部14に連通可能とされており、切替弁15を切り替えることにより、入口部11の連通対象を供給口部12又は吐出口部14に変更可能に構成されている。
なお、切替弁15には操作ハンドル16が接続されており、操作ハンドル16が適宜回動されることにより、切替弁15の切り替えが行われる。
【0022】
切替バルブ継手1による水栓と水処理器との接続は、入口部11が水栓に接続され、供給口部12が水処理器の原水インレットポートに接続され、さらに戻り口部13が水処理器の処理水アウトレットポートに接続されることにより行われる。
このように水栓と水処理器とが切替バルブ継手1を介して接続された状態にて、切替弁15により入口部11の連通対象を供給口部12とするとき、水栓→入口部11→供給口部12→水処理器→戻り口部13→吐出口部14、の順に接続された状態になる。これにより、水栓を通じて入口部11に供給される原水が、水処理器を経由して処理水となった後に吐出口部14を通じてスパウトから吐出し、処理水が使用に供される。
また、この状態から、切替弁15により入口部11の連通対象を吐出口部14に切り替えるとき、水栓→入口部11→吐出口部14、の順に接続された状態になる。これにより、水栓を通じて入口部11に供給される原水が、水処理器を経由せずに吐出口部14を通じてスパウトから吐出し、原水が使用に供される。
【0023】
なお、入口部11にはナット17が外嵌されており、ナット17と水栓の吐水口部とを係合させた状態にてナット17を締め付けることにより入口部11と水栓とが接続される。
【0024】
また、吐出口部14と前記スパウトとの接続はジョイント18を介して行われており、前述のように吐出口部14から吐出した原水又は処理水は、その後スパウトを通じて流れ、スパウトから流出した後、使用に供される。
【0025】
供給口部12と水処理器の原水インレットポートとは、第一ホース19を介して接続される。そして、供給口部12と水処理器の原水インレットポートとの接続は、第一ホース19の一方の開口端部が供給口部12に固定され、第一ホース19の他方の開口端部が水処理器の原水インレットポートに固定されることにより行われる。
また、戻り口部13と水処理器の処理水アウトレットポートとは、第二ホース20を介して接続される。そして、戻り口部13と水処理器の処理水アウトレットポートとの接続は、第二ホース20の一方の開口端部が戻り口部13に固定され、第二ホース20の他方の開口端部が水処理器の処理水アウトレットポートに固定されることにより行われる。
継手部3は、供給口部12・戻り口部13に、第一・第二ホース19・20の一方の開口端部を、それぞれ固定する際に用いる部材である。
【0026】
継手部3は、第一・第二ブッシュ21・22と、押さえ部材23と、カバー部材24と、押さえ部材23及びカバー部材24を本体部2に固定する固定用ビス25・25と、を有する。
第一・第二ホース19・20の供給口部12・戻り口部13への固定は、固定用ビス25・25を本体部2に螺挿することで、カバー部材24を介して押さえ部材23を本体部2に締め付けて固定することにより行われる。
このとき、締め付けられた状態の押さえ部材23が、第一・第二ホース19・20の一方の開口端部を供給口部12・戻り口部13にそれぞれ同時に押さえ付けて、第一・第二ホース19・20の一方の開口端部を供給口部12・戻り口部13に、それぞれ固定する。
【0027】
第一・第二ホース19・20の一方の開口端部には、中空の円筒形状に形成される第一・第二ブッシュ21・22が、それぞれ固定されている(図1参照)。
【0028】
第一・第二ブッシュ21・22の一方の開口端部は、第一・第二ホース19・20の一方の開口端部内にそれぞれ差し込まれており、第一・第二ブッシュ21・22の他方の開口端部は、第一・第二ホース19・20の一方の開口端部内からそれぞれ突出している(図3参照)。
【0029】
第一・第二ブッシュ21・22の一方の開口端部の外周面には、テーパ状に先細りするテーパ部21a・22aがそれぞれ形成されている。そして、第一・第二ブッシュ21・22の一方の開口端部(テーパ部21a・22a)が差し込まれている第一・第二ホース19・20の開口端部は、テーパ部21a・22aに沿って拡径して、先太りする形状にそれぞれ弾性変形している(図3及び図4参照)。
【0030】
図1及び図3に示すように、第一・第二ホース19・20の開口端部内からそれぞれ突出している第一・第二ブッシュ21・22の他方の開口端部は、供給口部12・戻り口部13にそれぞれ差し込み可能に構成されている。
第一ブッシュ21が供給口部12にそれぞれ差し込まれた状態のとき、供給口部12と第一ホース19とが係合した状態になり、供給口部12に供給された原水が第一ブッシュ21内を通じて第一ホース19内へ吐出可能になる。また、第二ブッシュ22が戻り口部13に差し込まれた状態のとき、戻り口部13と第二ホース20とが係合した状態になり、水処理機から第二ホース20内に供給された処理水が第二ブッシュ22内を通じて戻り口部13へ流入可能になる。
なお、供給口部12・戻り口部13の内周面は、開口側(第一・第二ブッシュ21・22が差し込まれる側)の方が奥側よりも大径となる段付き形状に形成されている。これにより、供給口部12・戻り口部13に第一・第二ブッシュ21・22がそれぞれ差し込まれると、供給口部12・戻り口部13の内周面における段付き形状を形成する段部12a・13aに、第一・第二ブッシュ21・22がそれぞれ当接して係止するように構成されている(図7(a)及び図7(b)参照)。
また、第一・第二ブッシュ21・22の他方の開口端部の外周面には、リング状のパッキン26・26がそれぞれ外嵌されている(図3参照)。
【0031】
押さえ部材23は、円盤状の底部27、及び底部27の外周縁から略直角に立ち上がる円筒状の側部28を有する(図5参照)。
底部27には、第一・第二ホース19・20が挿通する第一・第二ホース孔27a・27b、及び固定用ビス25・25が挿通するビス孔27c・27cがそれぞれ形成されている。
押さえ部材23に形成される第一・第二ホース孔27a・27bは、本体部2における供給口部12・戻り口部13が存在する位置にそれぞれ対応して配置されている。
第一・第二ホース孔27a・27bの内径は第一・第二ホース19・20の外径と同程度の大きさに設定されており、第一・第二ホース孔27a・27bに第一・第二ホース19・20がそれぞれ挿通可能に構成されている。
また、第一・第二ホース孔27a・27bの内径は第一・第二ホース19・20の一方の開口端部、つまりテーパ部21a・22aに沿って先太りする部分の最大外径よりも小さく設定されている。これにより、第一・第二ホース孔27a・27bに第一・第二ホース19・20がそれぞれ挿通されると共に、第一・第二ホース19・20の一方の開口端部内に第一・第二ブッシュ21・22が差し込まれた状態で、押さえ部材23を本体部2に締め付けることで、押さえ部材23と第一・第二ブッシュ21・22とで第一・第二ホース19・20の一方の開口端部を挟持すると共に、第一・第二ホース孔27a・27bに第一・第二ホース19・20の一方の開口端部(先太りする部分)がそれぞれつかえるように構成されている。
【0032】
カバー部材24は、本体部2に固定された状態の押さえ部材23を覆うものであり、円盤状の底部29、及び底部29の外周縁から略直角に立ち上がる円筒状の側部30を有する(図6参照)。
底部29には、第一・第二ホース19・20が挿通する第一・第二ホース孔29a・29b、及び固定用ビス25・25が挿通するビス孔29c・29cがそれぞれ形成されている。
カバー部材24は、側部30の端部が本体部2における供給口部12及び戻り口部13の外周部2aに外嵌可能に構成されている(図7(a)及び図7(b)参照)。また、カバー部材24は、押さえ部材23よりも一回り大きく、側部30の内周面で囲まれる空間内に押さえ部材23が収容可能に構成されている。
カバー部材24は、押さえ部材23と共に固定用ビス25・25で本体部2に固定される。このとき、側部30の端部が外周部2aに外嵌され、カバー部材24と本体部2との間に押さえ部材23が収容された状態になる(図1及び図2参照)。
【0033】
継手部3を用いた、第一・第二ホース19・20の供給口部12・戻り口部13への固定は、押さえ部材23を本体部2に固定用ビス25・25で締め付けて固定することにより行われる。詳細には、第一・第二ホース19・20が、カバー部材24の第一・第二ホース孔29a・29b、及び押さえ部材23の第一・第二ホース孔27a・27bにそれぞれ挿通され(図7(a)参照)、さらに第一・第二ブッシュ21・22が供給口部12・戻り口部13にそれぞれ差し込まれた状態で(図7(b)参照)、固定用ビス25・25が、カバー部材24のビス孔29c・29c、及び押さえ部材23のビス孔27c・27cに挿通されて、さらに本体部2に形成されるビス穴2b・2bにそれぞれねじ込まれることにより行われる(図8(a)及び図8(b)参照)。
このとき、押さえ部材23が固定用ビス25・25でカバー部材24を介して締め付けられて、押さえ部材23の第一・第二ホース孔27a・27bに第一・第二ホース19・20の一方の開口端部(先太りする部分)がそれぞれつかえた状態になる。つまり、押さえ部材23が、固定用ビス25・25にて締め付けられることにより、押さえ部材23が、第一ホース19の一方の開口端部及び第一ブッシュ21を供給口部12(段部12a)に、第二ホース20及の一方の開口端部び第二ブッシュ22を戻り口部13(段部13a)に、それぞれ同時に押さえ付けて、第一ホース19の一方の開口端部を供給口部12に、第一ホース19の一方の開口端部を戻り口部13に、それぞれ固定する(図1参照)。これにより、第一・第二ホース19・20の一方の開口端部が供給口部12・戻り口部13に、それぞれ係合した状態が保持される。
このように、押さえ部材23が本体部2に固定用ビス25・25で締め付けられて固定されることにより、締め付けられた押さえ部材23が第一・第二ホース19・20を供給口部12・戻り口部13にそれぞれ同時に押さえ付けて、第一・第二ホース19・20を供給口部12・戻り口部13にそれぞれ同時に固定する。従って、第一ホース19を固定するための作業を行う作業スペース、及び第二ホース20を固定するための作業を行う作業スペース、を個々に確保する必要がない。これにより、供給口部12及び戻り口部13について、互いに近接して配置することができるので、後付け部材である切替バルブ継手1をコンパクト化することが可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 切替バルブ継手
2 本体部
3 継手部
11 入口部
12 供給口部
13 戻り口部
12a・13a 段部
14 吐出口部
15 切替弁
16 操作ハンドル
19 第一ホース
20 第二ホース
21 第一ブッシュ
22 第二ブッシュ
23 押さえ部材
27a 第一ホース孔
27b 第二ホース孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水栓に接続可能に構成され、前記水栓に接続された状態にて前記水栓を通じて供給される原水が流入する入口部、
前記入口部に連通されると共に水処理器に接続可能に構成されており、前記水処理器に接続された状態にて前記入口部に流入した原水が前記水処理器に向けて吐出する供給口部、
前記水処理器に接続可能に構成され、前記水処理器に接続された状態にて前記水処理器により水処理を施された前記原水である処理水が流入する戻り口部、
前記戻り口部及び前記入口部に連通され、前記入口部に流入した原水、又は前記戻り口部に流入した処理水が吐出可能な吐出口部、
及び、前記入口部の連通対象を前記供給口部又は前記吐出口部に変更する切替弁、
を有する本体部と、
前記供給口部と前記水処理器との接続に用いる第一ホースが挿通可能な第一ホース孔、及び前記戻り口部と前記水処理器との接続に用いる第二ホースが挿通可能な第二ホース孔が形成され、前記第一ホース孔に前記第一ホースが挿通され、さらに前記第二ホース孔に前記第二ホースが挿通された状態にて、前記本体部に固定される押さえ部材を有する継手部とを備え、
前記押さえ部材は、前記第一ホース孔に前記第一ホースが挿通され、さらに前記第二ホース孔に前記第二ホースが挿通された状態にて、前記本体部に固定されるときに、前記第一ホースの開口端部を前記供給口部に押さえ付けて固定すると共に、前記第二ホースの開口端部を前記戻り口部に押さえ付けて固定する、
切替バルブ継手。
【請求項2】
前記継手部は、
中空の筒形状に形成されると共に、一方の開口端部の外周面にテーパ状に先細りするテーパ部が形成され、前記一方の開口端部が前記第一ホースの開口端部内に差し込み可能に構成され、かつ、他方の開口端部が前記供給口部に差し込み可能に構成される第一ブッシュと、
中空の筒形状に形成されると共に、一方の開口端部の外周面にテーパ状に先細りするテーパ部が形成され、前記一方の開口端部が前記第二ホースの開口端部内に差し込み可能に構成され、かつ、他方の開口端部が前記戻り口部に差し込み可能に構成される第二ブッシュと、
を有し、
前記供給口部の内周面には、前記供給口部に差し込まれた状態の前記第一ブッシュが当接する段部が形成され、
前記戻り口部の内周面には、前記戻り口部に差し込まれた状態の前記第二ブッシュが当接する段部が形成される請求項1に記載の切替バルブ継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−26842(P2011−26842A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173699(P2009−173699)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】