説明

利用機関が提供する商品又はサービスを受けるための代行装置。

【課題】 個人が利用機関のサービスを受けるに際しての住所や氏名等の事前記載を必要とせず、本人専用カードの入力によって利用機関のサービスを受けることができ、高齢者や身障者等に対して極めて便利で役に立つ自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法を提供する。
【解決手段】 利用機関のサービスを受ける個人(本人)は予め利用機関から支給される本人専用カードにすべての個人情報が入力され、この本人専用カードを利用機関の専用機器に入力することにより、個人情報が伝達され、必要のサービスを受ける事が出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自らが利用機関に対し煩雑の手続をすることなく、予め作成されて個人情報が入力されている本人専用カードを利用機関側に設けてなる専用機器に入力するだけで利用機関からの必要なサービスを受けることができる自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の様々な社会活動、ビジネス活動において、例えば、銀行郵便局等における預金,貯金,借入,手形,小切手等の取引、デパート,スーパー等における配送付購入の取引,市町村役場,税務署,社会保険事務所,病院,診療所等における届出,申請,申告等の手続において、その利用又は手続のつど、当該利用者に要求される「住所,氏名の署名」又は「住所,氏名の記名押印」という行為や処理が不可欠とされている。
しかし、その文字量,筆記負担,処理回数等において、健常者ばかりか子女,高齢者,身障者,腱鞘炎患者等に対して、相当に煩雑な労力負担を強いている実情にあり、また、成年後見人の代書等による詐欺,横領,窃盗等の犯罪が発生している現状にあり、今や「住所,氏名の署名」又は「住所,氏名の記名押印」は、生活やビジネスにおいて必要悪の雑務になっている。
【0003】
以上の問題点を解決する方法として、例えば、「特許文献1」等が挙げられるが、個人情報を記録した本人専用カードとこの入力操作によって本人を特定して表示する専用機器とを有する公知技術は存在していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−276186号(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のように、個人が利用機関を利用する場合は煩雑の手続が必要であり、高齢者や身障者等はその手続が困難な場合が多い。
また、この煩雑化を是正する手段の1つとして「特許文献1」の「特開2005−276186号」があるが、この技術は個人カードから個人情報を読み取ってその読み取り情報が正しい個人のものであることを確認するものであり、個人カードに形成されている内容や、この内容の確認や利用機関の必要とする個人情報を表示出力及び確定するものでなく、前記の煩雑さを十分に解決するものではない。
【0006】
本発明は、以上の事情に鑑みて発明されたものであり、個人はその個人情報が予め入力してある特定の本人専用カードを利用機関側に設置してある専用機器に入力することにより、利用機関側からの必要なサービスを受けることができ、煩雑さ等から開放される自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、個人情報を電磁的に収納した本人専用カードと、このカードの入力部を有すると共に前記カード内に前記個人情報取り込み部,カードリーダ,情報記録部,印字機構部及び出力部を形成すると共に表面に前記個人情報を表示するディスプレイ部を設けてなる専用機器とからなる自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法であって、前記本人専用カードを保有する個人が前記専用機器に前記カードを挿入すると共に必要とする個人情報を選択指示することにより、前記専用機器の前記ディスプレイ部に必要な個人情報が表示されて、個人が必要とする利用機関からのサービスを受けることができることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、前記個人情報が、個人の自筆の住所,自筆の氏名,電話番号,Eメール,自筆のサイン,指紋,筆跡,利用部の印影,整理マーク,写真であり、前記専用機器を備える利用機関が、預金,貯金,借入,手形,小切手等の取引を行う銀行及び郵便局や、配達付購入の取引を行うデパートやスーパー及びコンビニや、届出や申請及び申告等の手続を行う市町村役場や税務署や社会保険事務所や病院や診療所や行政書士や便利屋及び代行屋であることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明は、前記本人専用カードが長方形又は丸形又は楕円形のものからなることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明は、前記専用機器が、前記利用機関の窓口に設置されるもの、又はATMやCDに組み込みされることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明は、前記ディスプレイ部には本人の指紋読み取り部が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1及び2の自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法によれば、利用機関に手続をする個人は予め利用機関から支給された本人専用カードを利用機関側に設置している専用機器に入力することにより、利用機関側が必要とする個人情報(住所,氏名,筆跡,利用部の印影等)が専用機器のディスプレイ部上に表示され、この確定によって本人は何等の煩雑の手続を必要としないで利用機関側からのサービスを受けることができる大きな効果が上げられる。なお、利用機関としては銀行を始めデパート,スーパーや市町村役場等のあらゆる機関が適用対象とされ、個人は従来極めて煩雑であった手続から開放される。
【0013】
また、本発明の請求項3の自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法によれば、本人専用カードは長方形,丸形,楕円等のいずれの形態のものでもよく、他のカードとの区別も出来、便利に使用される。
【0014】
また、本発明の請求項4の自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法によれば、専用機器としては利用機関に備えるもののみでなく、ATMやCDへの組み込み又は合体を図ることができ、便利性の一層の向上を図ることができる。
【0015】
また、本発明の請求項5の自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法によれば、秘守性が高く本人確認が正確にでき、指紋については専用機器側に指紋読み取り部が設けられ、個人確認の精度の向上と秘密の保持性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の本人専用カードの内容を示す平面図であり、(a)は表紙、(b)は内蔵する個人情報の種類であり、(c)はこのカードの種々の形状を示す平面図である。
【図2】本発明の専用機器の概要構成を示すものであり、(a)は表面のディスプレイ部の構造であり、(b)は内部の構成要素とその作用を示すブロック図。
【図3】本発明の自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法の作用を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法100の実施の形態を図面を参照して詳述する。
【実施例】
【0018】
図1(a),(b)は個人情報を収納した本人専用カードの一例を示すものである。
図1に示すように、本人専用カード1は個人情報を内部に電磁的,電子的に形成するものであり、本人が利用する利用機関から支給されるものである。個人に支給されるために前記利用機関が収集した個人情報がこの本人専用カード1に入力される。その内部に入力される個人情報としては各種のものがあるが、図1(b)に示すように、自筆の住所,自筆の氏名,自筆のサイン,電話番号,Eメール,利用部の印影が必須の情報であり、その他整理マークや写真等が挙げられる。勿論、これ以外でも個人を特定する必要のある情報が入力されることは勿論である。この情報は例えば磁気膜やICにより入力,記録される。これ等の情報は後に説明する専用機器2への入力により選択的に出力表示され印字されることが可能になる。
また、この本人専用カード1の表面には図1(a)に示すように本人名称(氏名)4や利用機関名5や利用機関発行の個人記号番号6が表示される。
【0019】
この本人専用カード1は通常一般に使用されている四角形状(図1(c)(イ))のものや図1(c)(ロ)や図1(c)(ハ)に示すように丸型や楕円型のものも採用されるが、勿論これ等に限定するものではない。
【0020】
図2は専用機器2の構造の一例を示すものであり、図2(a)はその表面に形成されているもので、タッチパネル7やディスプレイ部8や確定ボタン9や予備機能ボタン10や指紋読み取り部17が設けられると共に本人専用カード1を挿入するためのカード挿入口11が設けられている。
【0021】
タッチパネル7は図1(b)に示した個人情報の内の必要なものをタッチ動作により押圧選択指示するものであり、ディスプレイ部8には指示された情報の内容が表示される。
また、指紋読み取り部17は本人確認のために個人の指紋を確認するためのものである。また、確定ボタン9はディスプレイ部8に表示された個人情報の正否を確認して確定するものである。
また、予備機能ボタン10は、縦,横の大きさの変更やその他の任意の機能を追加するためのものである。
【0022】
図2(b)に示すように入力部12には挿入されたカードの情報やタッチパネル7による選択情報や指紋読み取り部17による情報が入力される。
この入力部12は個人情報読み取り部13に連結され、入力した情報の機器内での読み取りが行われ、情報記録部14により記録される。
記録された情報は、出力部15を介してディスプレイ部8に表示されると共に、印字機構部16を介して専用機器2内のプリンタに送られて印字表示される。
【0023】
図3は自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法100の作用を説明するためのフローチャートである。
ステップ1000は本人専用カード1や指紋情報やタッチパネル7から指示情報の入力ステップであり、これ等の情報がステップ1001で取り込まれ、ステップ1002でその情報が記録される。記録された情報はステップ1003で出力部15を介して出力されてステップ1004でディスプレイ部8に表示されてステップ1005で確定する。一方、ステップ1006でこの記録情報が印字機構部16を介して印字され、ステップ1007で専用機器2の内部に付設するプリンタを介して印刷表示される。以上のステップを介して個人は利用機関からの必要なサービスを受けることができる。
【0024】
本発明の内容は前記のものに限定するものではなく、同一技術的範疇のものが適用されることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法は個人情報を必要とするすべての利用機関に対して適用されると共に将来はATMやCDに組み込んだ付属装置としても適用されるためその利用範囲は極めて広い。
【符号の説明】
【0026】
1 本人専用カード
2 専用機器
3 個人情報
4 本人の名称(氏名)
5 利用機関
6 利用機関発行の個人記録番号
7 タッチパネル
8 ディスプレイ部
9 確定ボタン
10 予備機能ボタン
11 カード挿入口
12 入口部
13 個人情報取り込み部
14 情報記録部
15 出力部
16 印字機構部
17 指紋読み取り部
100 自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法


【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人情報を電磁的に収納した本人専用カードと、このカードの入力部を有すると共に前記カード内に前記個人情報取り込み部,カードリーダ,情報記録部,印字機構部及び出力部を形成すると共に表面に前記個人情報を表示するディスプレイ部を設けてなる専用機器とからなる自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法であって、前記本人専用カードを保有する個人が前記専用機器に前記カードを挿入すると共に必要とする個人情報を選択指示することにより、前記専用機器の前記ディスプレイ部に必要な個人情報が表示されて、個人が必要とする利用機関からのサービスを受けることができることを特徴とする自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法。
【請求項2】
前記個人情報が、個人の自筆の住所,自筆の氏名,電話番号,Eメール,自筆のサイン,指紋,筆跡,利用部の印影,整理マーク,写真であり、前記専用機器を備える利用機関が、預金,貯金,借入,手形,小切手等の取引を行う銀行及び郵便局や、配達付購入の取引を行うデパートやスーパー及びコンビニや、届出や申請及び申告等の手続を行う市町村役場や税務署や社会保険事務所や病院や診療所や行政書士や便利屋及び代行屋であることを特徴とする請求項1に記載の自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法。
【請求項3】
前記本人専用カードが長方形又は丸形又は楕円形のものからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法。
【請求項4】
前記専用機器が、前記利用機関の窓口に設置されるもの、又はATMやCDに組み込みされることを特徴とする請求項1に記載の自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法。
【請求項5】
前記ディスプレイ部には本人の指紋読み取り部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の自動的個人情報伝達装置及びこの装置の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−123442(P2012−123442A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271160(P2010−271160)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(593190098)有限会社ピー・エム・シーサービス (8)
【出願人】(510320966)
【Fターム(参考)】