制御された排泄オストミー器具のためのシール
【課題】使用中にシールを通してまたはシール周りからガスの排出を許容しながら大便の逃げを阻止する信頼し得るシールを達成させる。
【解決手段】小孔シール14が制御された排泄オストミー(人工肛門など用)器具のため記述されている。小孔シール14は疎水性、親水性または吸収性のような液体に敏感な特性を備え得る。小孔シール14は、例えば、微細構造スケールのような、不円滑面を備えている。不円滑面は曲がりくねった溝、突出シール、または直面した開口付きまたは多孔層で構成され得る。液体に敏感な特性および/または不円滑面は糞便物質からのガスの分離を容易にしかつ/または大便を遮断しながらガスの排出を容易にし得る。
【解決手段】小孔シール14が制御された排泄オストミー(人工肛門など用)器具のため記述されている。小孔シール14は疎水性、親水性または吸収性のような液体に敏感な特性を備え得る。小孔シール14は、例えば、微細構造スケールのような、不円滑面を備えている。不円滑面は曲がりくねった溝、突出シール、または直面した開口付きまたは多孔層で構成され得る。液体に敏感な特性および/または不円滑面は糞便物質からのガスの分離を容易にしかつ/または大便を遮断しながらガスの排出を容易にし得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオストミー器具の分野に関し、かつ特に小孔からの流出を制御するために使用され得るそのような器具(いわゆる制御された排泄器具)に関する。本発明の一形態は小孔からの大便の排出を阻止する器具のためのシールに関する。
【背景技術】
【0002】
オストミー(小孔)の創生は腸または泌尿領域の病気または損傷に関する多くの被災者のための療法である。オストミーは患者の身体外へ腹の壁を通して別ルートで送ることである。ひとたび小孔が創生されると、患者は、通常彼または彼女の余生のために、身体上に装着された器具を身体排泄物の捕獲または保持のために使用しなければならない。これは伝統的には接着用パッチまたは締め付けベルトで身体に取り付けられたバッグまたは小袋で行われてきた。しかしながら、そのような小袋を装着することは多くの人口肛門装着者にとって極めて気恥ずかしくかつ見くびられる経験であり得る。小袋は公的および私的な活動中においてかなりの取り換えを要する。
【0003】
制御された排泄器具は人工肛門装着者が普通の或る形態へ戻る可能性を提供する。この器具は液状および/または固形状の大便を道の内側に一時的に貯蔵するために、小孔の口の閉塞に使用される。この器具は人工肛門装着者(オストメート)が小孔からの大便の排出を所望する時に手動で使用を止めかつ/または取り外し得る。制御された排泄器具を従来型のオストミー袋と区別するデザイン上の特徴は小孔口を遮断するための小孔シールの圧力である。
【0004】
米国特許第4,950,223号は膨張可能なオストミープラグの形の制御された排泄器具を記述している。このプラグは膨張可能な栓の形の小孔シールを備えており、この栓は小孔内にフィットする。使用時には、オストメートは外のプラグ上に配置されているベローズポンプを圧縮することにより、小孔をプラグするために栓を膨張させ得る。栓はベローズの逆の動きにより収縮される。
【0005】
膨張可能なプラグは理論としては興味をそそるものではあるが、ある実行不可能さを被る。特に、栓が小孔内で膨張している間はガスの排出が不可能である。ガスは栓が小孔からの排泄物の放出を許容するように潰された時のみに、排出され得る。これはオストメートに対して厳しい制限を課し、何故ならばオストメートは体内への不愉快なガスの蓄積を避けるために極めてしばしば栓を潰さなければならないからである。
【0006】
制御された排泄器具のためのガスの排出には顕著な問題が残されている。使用中に制御された排泄器具にシールを通してまたはシール周りからガスの排出を許容しながら大便の逃げを阻止する信頼し得るシールを達成させることは技術的に困難である。
ガスの排出はオストミー袋の分野で知られている。しかしながら、小袋においては、大便との長期の接触に耐える小孔シールの均等物は存在しない。また、小袋においては、ガスは大便から容易に分離可能であり、その理由は大便が重力により小袋の収集領域内に落ちるからである。小袋のための排気構造は単にたまたまの(事故による)大便との接触に耐えるように設計されており、かつ長期間の大便との接触に晒されると、特に小孔との直接接触には、確実には作用しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,950,223号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
使用中にシールを通してまたはシール周りからガスの排出を許容しながら大便の逃げを阻止する信頼し得るシールを達成させる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
大雑把に言えば、本発明は制御された排泄オストミー(人工肛門など用の)器具のための小孔シールを提供し得る。この小孔シールは糞便物質(例えば、固形、半固形または液状大便の1または2以上)の遮断を提供し、一方では、ガスの効果的な排出を許容するように構成され得る。ガスはシールを通しておよび/またはシールに沿いおよび/またはシール周りを通過し得る。シールはシールを通してのガスの排出を許容するように多孔性であり得る。代わりに、シールは不浸透性であり、その場合にはガスはシールと糞便物質の間の界面でシールの表面に沿う方向に向けられ得る。小孔シールは大便との長期間の接触に耐えるように構成され得る。
【0010】
小孔シールは大便からのガスの分離を容易化し、ガスの効率的な排気を許容しながら大便遮断におけるシール特性を高めるように構成され得る。
【0011】
小孔シールは以下の特徴の1または2以上を備え得る:
【0012】
(a)小孔シールは液体を追い払いおよび/または誘引しおよび/または吸収するように構成され得る。液体に対するこのような性質は小孔シール面におけるガス分離機能を大幅に向上させ得る。液体に対する性質は以下の1または2以上により提供され得る:
(a)(i)小孔シールの少なくとも一部が疎水性であり得る。例えば、小孔シールは疎水性材料を帯びまたは包含し得る。小孔シールは疎水性コーテイングを備え、または材料の表面が疎水性(例えば小孔シールが疎水性であるPTFEを包含)であり得る。
(a)(ii)小孔シールの少なくとも一部が親水性であり得る。例えば、小孔シールは親水性材料を帯びまたは包含し得る。小孔シールは親水性コーテイングを備え、または材料の表面が親水性であり得る。
(a)(iii)小孔シールの少なくとも一部がカーボン、例えば、活性炭素を帯びまたは包含している。
(a)(iv)小孔シールの少なくとも一部が微細ラフ面織物を備え得る。例えば、小孔シールが基質内に埋め込まれた粒子のような、微細ラフコーテイングを帯び得る。
(a)(v)小孔シールの少なくとも一部が液体吸収性であり得る。例えば、小孔シールは液体吸収性コーテイングを帯び得る。液体吸収性は超吸収性であり、例えば、基質内に埋め込まれた超吸収性粒子であり得る。
【0013】
(b)小孔シールは不円滑面構造および/または織物および/または外面的形態を備えるように構成されている。不円滑性は糞便物質の流れの粉砕、および/または液体および固形粒子の捕獲、および/またはガス相の分離流の促進を助け得る。更に、面および面と接触状態の糞便物質の間の界面内の凝集性のあるおよび/または毛管力の面誘導変化を創生することにより、“脱出”通路が形成され、その通路に沿い“泡”が(例えば液体に優先して)界面での凹凸を通して通過し得る。
【0014】
例えば、不円滑さは以下の1または2以上により提供され得る:
(b)(i)曲がりくねった狭い縮小型の細道または溝が小孔シールの表面内に備えられ得る。この細道は面内に形成される隆起および谷により区画され得る。この細道は小孔と接触する面領域から概ね外方および/または離れる方向に延びて、ガスを外側へおよび/または離れる方向へガイドし得る。この細道は概ねガスが小孔から離れる排出方向に(例えば糞便物質の流れの方向と平行に)延び得る。
(b)(ii)小孔シールの表面は突出した隆起および/またはリブの微細構造を区画するように形成されている。この隆起/リブは糞便物質の通過に対して横方向の障害物を提供するように構成され得る。この隆起/リブは、例えば小孔に対向する連続シールの列を形成し得る。この隆起/リブはガスが排出される方向と概ね直角に延び得る。
(b)(iii)小孔シールの表面は非フラットとなるように概ね輪郭付けられ得る。この非フラット構造は微細構造レベル、またはより大きい輪郭を描き得る。
(b)(iv)多孔性および/または開口付き層が小孔シールに対向して、または小孔シールを取り囲んで配置され得る。例えば、層はメッシュまたはネットであり得る。この層は小孔シールに対して不円滑面構造または織物を与え得る。構造体の寸法は概ね約0.01mmないし約10mmの領域内、および好ましくは約0.1mmないし約5mmの領域内にあり得る。
【0015】
(c)形態(a)および(b)内の上記補助的特徴のいずれかは互いに組み合わされ、かつ形態(a)および(b)の上記特徴のいずれかは互いに組み合わされ得る。
【0016】
(d)上記特徴(a)、(b)および(c)は小孔シールのいずれかの面または面部分上に使用され得る。これらの特徴は小孔シールの内側または外側面に適用され得る。これらの特徴は糞便物質に接触し得る小孔シールのどの面にも適用され得る。例えば、これらの特徴は小孔および/または小孔近傍組織に接触する、または対向する面に対して適用され得る。更にまたは代わりに、もし小孔シールが多孔性または中空であれば(例えばもし小孔シールが内側溝または空洞を備えておれば)、小孔シールの内側面は上記特徴のいずれかを備え得る。
【0017】
(e)小孔シールは複数の要素を包含し、これらの要素は共同してガスの排気を許容しながら糞便物質の通過を遮断するシールとして作用し得る。例えば、これらの要素は束および/またはマットとして配置される複数の繊維、フィラメントまたは管を包含し得る。要素の幾らかまたは全ては前述の特徴の1または2以上を備え得る。
本発明は例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
制御された排泄オストミー(人工肛門など用)器具のための小孔シールであって、この小孔シールが液体に敏感な特性を提供し、使用中には小孔シールに接触している糞便物質からのガスの分離を容易にするように構成されている、小孔シール。
(項目2)
液体に敏感な特性は液体の拒絶である、項目1に記載の小孔シール。
(項目3)
小孔シールが疎水性材料を包含または保持している、項目2に記載の小孔シール。
(項目4)
液体に敏感な特性は液体の誘引性である、項目1に記載の小孔シール。
(項目5)
小孔シールが親水性材料を包含または保持している、項目4に記載の小孔シール。
(項目6)
液体に敏感な特性は液体の吸収性である、項目1に記載の小孔シール。
(項目7)
小孔シールが超吸引性材料を包含または保持している、項目6に記載の小孔シール。
(項目8)
小孔シールがカーボンを包含または保持している、項目1に記載の小孔シール。
(項目9)
小孔シールが不円滑面を備えている、項目1に記載の小孔シール。
(項目10)
小孔シールの外側面が液体に敏感な特性を備えている、項目1に記載の小孔シール。
(項目11)
小孔シールが少なくとも部分的に多孔性であり、かつ小孔シールの内側面が液体に敏感な特性を備えている、項目1に記載の小孔シール。
(項目12)
制御された排泄オストミー器具のための小孔シールであって、この小孔シールが不円滑面を包含している、小孔シール。
(項目13)
不円滑面が使用中には小孔シールに接触している糞便物質からのガスの分離を容易にするように構成されている、項目12に記載の小孔シール。
(項目14)
不円滑面が小孔シールの外側面である、項目12に記載の小孔シール。
(項目15)
小孔シールが少なくとも部分的に多孔性であり、かつ不円滑面が小孔シールの内側面である、項目12に記載の小孔シール。
(項目16)
不円滑面が微細構造体を包含している、項目12に記載の小孔シール。
(項目17)
不円滑面が複数の溝を包含している、項目12に記載の小孔シール。
(項目18)
溝が曲がりくねっている、項目17に記載の小孔シール。
(項目19)
溝が小孔から概ね外側へ延びる方向へ導く、項目17に記載の小孔シール。
(項目20)
不円滑面が複数の突出したシールを包含している、項目12に記載の小孔シール。
(項目21)
シールが隆起、フラップ、リブの1または2以上として選択されている、項目20に記載の小孔シール。
(項目22)
シールが小孔からのガス流の方向に対して概ね横に配置されている、項目20に記載の小孔シール。
(項目23)
シールが概ね同芯構造に配置されている、項目20に記載の小孔シール。
(項目24)
不円滑面が非フラット面輪郭のものである、項目12に記載の小孔シール。
(項目25)
小孔シールが直面カバー層を包含し、カバー層が多孔性または開口付きであり、これによりカバー層が不円滑面を提供する、項目12に記載の小孔シール。
(項目26)
直面カバー層がメッシュまたはネット構造を備えている、項目25に記載の小孔シール。
(項目27)
制御された排泄オストミー器具のための小孔シールであって、この小孔シールが複数の要素を包含し、各要素が液体に敏感な特性を備え、使用中には小孔シールに接触している糞便物質からのガスの分離を容易にするように構成されている、小孔シール。
(項目28)
制御された排泄オストミー器具のための小孔シールであって、この小孔シールが複数の要素を包含し、各要素が不円滑面を包含している、小孔シール。
(項目29)
制御された排泄オストミー器具であって、この器具が液体に敏感な特性を提供するように構成された小孔シールを包含し、使用中には小孔シールに接触している糞便物質からのガスの分離を容易にするようにされている、器具。
(項目30)
制御された排泄オストミー器具であって、この器具が不円滑面を有する小孔シールを包含している、器具。
本発明の更なる特徴および利点は以下の添付された詳細な記述により明らかにされるであろう。或る特定な特徴が上および添付請求項内に記述されているが、出願人はここに記述されおよび/または図面中に図解されたいかなる新規な特徴またはアイデアのために、強調がそれらの上に置かれているかどうかに拘わらず、保護を求めるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の好ましい非限定的実施例が、例として、添付請求の範囲および図面に関連して記述される。
【図1】制御された排泄オストミー(人工肛門など用)器具の小孔シールの第1例を示している概略断面図である。
【図2】制御された排泄オストミー器具の小孔シールの第2例を示している概略断面図である。
【図3】制御された排泄オストミー器具の小孔シールの第3例を示している概略断面図である。
【図4】制御された排泄オストミー器具の小孔シールの第4例を示している概略断面図である。
【図5】コーテイングを有する小孔シールの詳細な概略断面図である。
【図6】粒子を有する小孔シールの更なる例の詳細な概略断面図である。
【図7】曲がりくねった溝を有する小孔シールの更なる例の概略下側斜視図である。
【図8】突出シールを有する小孔シールの更なる例の概略下側斜視図である。
【図9】図8の小孔シールの異なるシール構造を示している概略断面図である。
【図10】円滑でない輪郭を有する小孔シールの更なる例の概略断面図である。
【図11】穿孔層を有する小孔シールの更なる例の概略断面図である。
【図12】多孔性小孔シールの更なる例の概略断面図である。
【図13】多要素を包含した小孔シールの更なる例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1ないし4において、制御された排泄オストミー(人工肛門など用)器具(取付け具)10は人の小孔12からの排出を制御するために図示されている。器具10は小孔12の口をブロックまたは閉塞するための小孔シール14を包含し、それは小孔12の領域内に糞(便)物質を実質的に保持するためであり得る。器具10は更に器具に小孔近傍部皮膚18およびハウジング20を取り付けるための接着ウエハー16を包含し得る。
【0020】
小孔シール14は多様な異なる形態を取ることができ、かつ各種の異なる例が図1ないし4内に図示されている。図1において、小孔シール14は小孔近傍部皮膚18に接触し、かつシールを形成して糞便物質の逃げを阻止し得る。図2において、小孔シール14は小孔12の外側組織に接触し、かつシールを形成して糞便物質の逃げを阻止し得る。図1および2の構造は非侵入型と呼ばれ、それは小孔シール14が小孔12内に入らないからである。図3において、小孔シール14はプラグの形を備え、これは小孔12の内側面に接触し、かつシールし得る。小孔シール14は膜(例えば支持部を取り囲む)の形を備えまたは小孔シール14は自己保持型3次元プラグシールであり得る。
【0021】
上記の可能性の2または3以上も図4内に図示されているように組み合わせることができ、そこでは小孔シール14は小孔12の内面、また小孔12の外側面、およびまた小孔近傍部皮膚18に接触し、かつシールし得る。図3および4の構造は侵入型またはプラグと呼ばれ、それは小孔シール14が小孔12に入り得るからである。
【0022】
小孔シール14は小孔シール14を小孔12/皮膚18に対して加圧するために何らかの好適な支持部(図示されていない)により支持され得る。例えば、支持部は膨張可能であり、またはそれは弾性的、例えば、圧縮可能な泡状であり得る。小孔シール14は糞便物質(例えば、固形状、半固形状、または液状大便の少なくとも一つ)の通過を実質的に阻止するが、一方、ガスの分離および排出を容易にするように構成され得る。小孔シール14は多孔性(または多孔性部分を包含している)とされ、それを通してガスの排出を許容し、一方、糞便物質の通過を阻止し得る。その場合、1個または2以上の排気ポート(示されていない)がハウジング20内に配置されて小孔シール14の後部との連通を可能とし得る。代わりに、小孔シール14は不浸透性(または不浸透性部分を包含)とされることができ、その場合はガスは直面物質(例えば、糞便物質、または小孔12の組織、または小孔近傍部皮膚18)上の小孔シール14間の界面に沿い流れ得る。1または2以上の排気ポート(示されていない)がハウジング内に配置されて小孔シール14の横周辺と連通し得る。
【0023】
小孔シール14は糞便物質(例えば、固形状、半固形状または液状大便の少なくとも一つ)からのガスの分離を容易にするように構成され得る。
【0024】
図5において、小孔シール14は(例えば、コーテイング30として)以下の特性の1または2以上を有する材料を包含し得る。
(a)材料は疎水性であり得る。例えば、小孔シール14はPTFEのような疎水性のコーテイングを包含し、または保持し得る。
(b)材料は親水性であり得る。
(c)材料はカーボンであり得る。
(d)材料は粗い面の織物、例えば、微細ラフ面織物を備え得る。図6において、材料は基質34内に埋め込まれた粒子32の微細ラフコーテイングであり得る。
(e)材料は液体吸収材であり得る。例えば、材料は超吸収材であり得る。図6と同様な方法で、材料は基質内に埋め込まれた超吸収材の粒子を備え得る。
【0025】
上記特徴は小孔シール14に液体、または液状大便の1または2以上の要素の誘引、追い払いまたは吸収を起こさせ得る。液体に対するそのような性質は小孔シール14の表面におけるガスの分離機能を向上させ得る。上述のように、ガス分離の向上は小孔シール14でのガスの排気を容易化し得る。
【0026】
上述のいずれかの特徴に加えて、または代わりに、小孔シール14は不円滑面構造および/または織物および/または外面的形態を有するように構成され得る。そのような不円滑性は、例えば、以下の1または2以上により備えられ得る。
(a)図7において、小孔シール14の表面は狭い縮小型細道または溝40を備え得る。この細道/溝40は、例えば、深さが約0.05mmないし5mmおよび/または幅が0.05mmないし10mmであり得る。細道/溝40は曲がりくねっている。細道/溝40は小孔12から概ね外側へ延び得る。細道/溝40はガスを小孔12から外へ導き、細道/溝40の曲がりくねった性質は糞便物質の流れを阻止し得る。
(b)図8において、小孔シール14の表面は小孔12/小孔近傍部組織18に対する連続シール形成のための突出シール42を備え得る。シール42は糞便物質の通過に対する横向き障害または抵抗を提供するように構成され得る。シール42はガスの放出方向に対して概ね直交するように延び得る。シール42は同芯構造を備え得る。図9において、シール42は隆起42a、フラップ42bおよび/またはリブ42cの1または2以上の形を備え得る。
(c)図10において、小孔シール14の表面は非フラットとなるように輪郭が形成され得る。輪郭は、例えば、微細構造スケールであり得る。輪郭は、例えば、小孔シール14の表面上に、例えば基質内に埋め込まれた繊維または粒子のような輪郭形成要素により提供され得る。
(d)図11において、多孔性および/または穿孔層44が小孔シール14に対して配置されている。例えば、層44はメッシュまたはネットであり得る。層44は小孔12に面した小孔シール14の表面上にあり、またはそれは小孔シール14を取り囲み、例えば小孔シール14の周りに巻かれていてもよい。層44は小孔シール14に対して不円滑表面構造を与え得る。構造の寸法は、例えば、約0.01mmないし約10mmの領域にわたり得る。一つの形態において、構造の寸法は約0.1mmないし約0.5mmの領域にわたり得る。
【0027】
前述の例により図示されている不円滑さは糞便物質の流れを粉砕しおよび/または液体および/または固形状大便の捕獲を助け、および/またはガス状態(ガス)の流れの分離を助け得る。更に、表面および糞便物質の間の界面内に凝集性のあるかつ/または毛細管力の誘起された面を創生することにより、“脱出用”通路が形成され、それに沿ってガスの泡が界面の毛細管を通過する。
【0028】
上記においては、各種の特徴が小孔シール14の外面、例えば、小孔12に面した面に適用されたものとして示されている。しかしながら、1または2以上の特徴は糞便物質に接触する小孔シール14の外面または内面のいずれかに提供され得る。例えば、図12においては、小孔シール14の少なくとも一部が多孔性でありかつ開口50を包含し得る。開口50の内面は多くの前述の特徴の一つを備え得る。例えば、内面14は前述のコーテイング30と同様なコーテイング52を備えかつ/または内面は不円滑表面構造54を備え得る。
【0029】
代わりの形態において、小孔シール14は多数の要素を包含し得る。例えば、図13において、要素は繊維、フィラメントまたは管60を包含し得る。この要素はメッシュまたはウエブとして、単独にまたは束として配置され得る。要素は互いに織られまたは不織であり得る。上述と同様な方法で、要素の内側および/または外側面は糞便物質と小孔シール14との間の界面でのガスの分離を助けるために前述の特徴のどれかを備え得る。
【産業上の利用可能性】
【0030】
前述の記述は単に本発明の好ましい形態を描写するものである。多くの修正、改良および均等物は本発明の範囲および/または精神の範囲内で使用され得る。
【技術分野】
【0001】
本発明はオストミー器具の分野に関し、かつ特に小孔からの流出を制御するために使用され得るそのような器具(いわゆる制御された排泄器具)に関する。本発明の一形態は小孔からの大便の排出を阻止する器具のためのシールに関する。
【背景技術】
【0002】
オストミー(小孔)の創生は腸または泌尿領域の病気または損傷に関する多くの被災者のための療法である。オストミーは患者の身体外へ腹の壁を通して別ルートで送ることである。ひとたび小孔が創生されると、患者は、通常彼または彼女の余生のために、身体上に装着された器具を身体排泄物の捕獲または保持のために使用しなければならない。これは伝統的には接着用パッチまたは締め付けベルトで身体に取り付けられたバッグまたは小袋で行われてきた。しかしながら、そのような小袋を装着することは多くの人口肛門装着者にとって極めて気恥ずかしくかつ見くびられる経験であり得る。小袋は公的および私的な活動中においてかなりの取り換えを要する。
【0003】
制御された排泄器具は人工肛門装着者が普通の或る形態へ戻る可能性を提供する。この器具は液状および/または固形状の大便を道の内側に一時的に貯蔵するために、小孔の口の閉塞に使用される。この器具は人工肛門装着者(オストメート)が小孔からの大便の排出を所望する時に手動で使用を止めかつ/または取り外し得る。制御された排泄器具を従来型のオストミー袋と区別するデザイン上の特徴は小孔口を遮断するための小孔シールの圧力である。
【0004】
米国特許第4,950,223号は膨張可能なオストミープラグの形の制御された排泄器具を記述している。このプラグは膨張可能な栓の形の小孔シールを備えており、この栓は小孔内にフィットする。使用時には、オストメートは外のプラグ上に配置されているベローズポンプを圧縮することにより、小孔をプラグするために栓を膨張させ得る。栓はベローズの逆の動きにより収縮される。
【0005】
膨張可能なプラグは理論としては興味をそそるものではあるが、ある実行不可能さを被る。特に、栓が小孔内で膨張している間はガスの排出が不可能である。ガスは栓が小孔からの排泄物の放出を許容するように潰された時のみに、排出され得る。これはオストメートに対して厳しい制限を課し、何故ならばオストメートは体内への不愉快なガスの蓄積を避けるために極めてしばしば栓を潰さなければならないからである。
【0006】
制御された排泄器具のためのガスの排出には顕著な問題が残されている。使用中に制御された排泄器具にシールを通してまたはシール周りからガスの排出を許容しながら大便の逃げを阻止する信頼し得るシールを達成させることは技術的に困難である。
ガスの排出はオストミー袋の分野で知られている。しかしながら、小袋においては、大便との長期の接触に耐える小孔シールの均等物は存在しない。また、小袋においては、ガスは大便から容易に分離可能であり、その理由は大便が重力により小袋の収集領域内に落ちるからである。小袋のための排気構造は単にたまたまの(事故による)大便との接触に耐えるように設計されており、かつ長期間の大便との接触に晒されると、特に小孔との直接接触には、確実には作用しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,950,223号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
使用中にシールを通してまたはシール周りからガスの排出を許容しながら大便の逃げを阻止する信頼し得るシールを達成させる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
大雑把に言えば、本発明は制御された排泄オストミー(人工肛門など用の)器具のための小孔シールを提供し得る。この小孔シールは糞便物質(例えば、固形、半固形または液状大便の1または2以上)の遮断を提供し、一方では、ガスの効果的な排出を許容するように構成され得る。ガスはシールを通しておよび/またはシールに沿いおよび/またはシール周りを通過し得る。シールはシールを通してのガスの排出を許容するように多孔性であり得る。代わりに、シールは不浸透性であり、その場合にはガスはシールと糞便物質の間の界面でシールの表面に沿う方向に向けられ得る。小孔シールは大便との長期間の接触に耐えるように構成され得る。
【0010】
小孔シールは大便からのガスの分離を容易化し、ガスの効率的な排気を許容しながら大便遮断におけるシール特性を高めるように構成され得る。
【0011】
小孔シールは以下の特徴の1または2以上を備え得る:
【0012】
(a)小孔シールは液体を追い払いおよび/または誘引しおよび/または吸収するように構成され得る。液体に対するこのような性質は小孔シール面におけるガス分離機能を大幅に向上させ得る。液体に対する性質は以下の1または2以上により提供され得る:
(a)(i)小孔シールの少なくとも一部が疎水性であり得る。例えば、小孔シールは疎水性材料を帯びまたは包含し得る。小孔シールは疎水性コーテイングを備え、または材料の表面が疎水性(例えば小孔シールが疎水性であるPTFEを包含)であり得る。
(a)(ii)小孔シールの少なくとも一部が親水性であり得る。例えば、小孔シールは親水性材料を帯びまたは包含し得る。小孔シールは親水性コーテイングを備え、または材料の表面が親水性であり得る。
(a)(iii)小孔シールの少なくとも一部がカーボン、例えば、活性炭素を帯びまたは包含している。
(a)(iv)小孔シールの少なくとも一部が微細ラフ面織物を備え得る。例えば、小孔シールが基質内に埋め込まれた粒子のような、微細ラフコーテイングを帯び得る。
(a)(v)小孔シールの少なくとも一部が液体吸収性であり得る。例えば、小孔シールは液体吸収性コーテイングを帯び得る。液体吸収性は超吸収性であり、例えば、基質内に埋め込まれた超吸収性粒子であり得る。
【0013】
(b)小孔シールは不円滑面構造および/または織物および/または外面的形態を備えるように構成されている。不円滑性は糞便物質の流れの粉砕、および/または液体および固形粒子の捕獲、および/またはガス相の分離流の促進を助け得る。更に、面および面と接触状態の糞便物質の間の界面内の凝集性のあるおよび/または毛管力の面誘導変化を創生することにより、“脱出”通路が形成され、その通路に沿い“泡”が(例えば液体に優先して)界面での凹凸を通して通過し得る。
【0014】
例えば、不円滑さは以下の1または2以上により提供され得る:
(b)(i)曲がりくねった狭い縮小型の細道または溝が小孔シールの表面内に備えられ得る。この細道は面内に形成される隆起および谷により区画され得る。この細道は小孔と接触する面領域から概ね外方および/または離れる方向に延びて、ガスを外側へおよび/または離れる方向へガイドし得る。この細道は概ねガスが小孔から離れる排出方向に(例えば糞便物質の流れの方向と平行に)延び得る。
(b)(ii)小孔シールの表面は突出した隆起および/またはリブの微細構造を区画するように形成されている。この隆起/リブは糞便物質の通過に対して横方向の障害物を提供するように構成され得る。この隆起/リブは、例えば小孔に対向する連続シールの列を形成し得る。この隆起/リブはガスが排出される方向と概ね直角に延び得る。
(b)(iii)小孔シールの表面は非フラットとなるように概ね輪郭付けられ得る。この非フラット構造は微細構造レベル、またはより大きい輪郭を描き得る。
(b)(iv)多孔性および/または開口付き層が小孔シールに対向して、または小孔シールを取り囲んで配置され得る。例えば、層はメッシュまたはネットであり得る。この層は小孔シールに対して不円滑面構造または織物を与え得る。構造体の寸法は概ね約0.01mmないし約10mmの領域内、および好ましくは約0.1mmないし約5mmの領域内にあり得る。
【0015】
(c)形態(a)および(b)内の上記補助的特徴のいずれかは互いに組み合わされ、かつ形態(a)および(b)の上記特徴のいずれかは互いに組み合わされ得る。
【0016】
(d)上記特徴(a)、(b)および(c)は小孔シールのいずれかの面または面部分上に使用され得る。これらの特徴は小孔シールの内側または外側面に適用され得る。これらの特徴は糞便物質に接触し得る小孔シールのどの面にも適用され得る。例えば、これらの特徴は小孔および/または小孔近傍組織に接触する、または対向する面に対して適用され得る。更にまたは代わりに、もし小孔シールが多孔性または中空であれば(例えばもし小孔シールが内側溝または空洞を備えておれば)、小孔シールの内側面は上記特徴のいずれかを備え得る。
【0017】
(e)小孔シールは複数の要素を包含し、これらの要素は共同してガスの排気を許容しながら糞便物質の通過を遮断するシールとして作用し得る。例えば、これらの要素は束および/またはマットとして配置される複数の繊維、フィラメントまたは管を包含し得る。要素の幾らかまたは全ては前述の特徴の1または2以上を備え得る。
本発明は例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
制御された排泄オストミー(人工肛門など用)器具のための小孔シールであって、この小孔シールが液体に敏感な特性を提供し、使用中には小孔シールに接触している糞便物質からのガスの分離を容易にするように構成されている、小孔シール。
(項目2)
液体に敏感な特性は液体の拒絶である、項目1に記載の小孔シール。
(項目3)
小孔シールが疎水性材料を包含または保持している、項目2に記載の小孔シール。
(項目4)
液体に敏感な特性は液体の誘引性である、項目1に記載の小孔シール。
(項目5)
小孔シールが親水性材料を包含または保持している、項目4に記載の小孔シール。
(項目6)
液体に敏感な特性は液体の吸収性である、項目1に記載の小孔シール。
(項目7)
小孔シールが超吸引性材料を包含または保持している、項目6に記載の小孔シール。
(項目8)
小孔シールがカーボンを包含または保持している、項目1に記載の小孔シール。
(項目9)
小孔シールが不円滑面を備えている、項目1に記載の小孔シール。
(項目10)
小孔シールの外側面が液体に敏感な特性を備えている、項目1に記載の小孔シール。
(項目11)
小孔シールが少なくとも部分的に多孔性であり、かつ小孔シールの内側面が液体に敏感な特性を備えている、項目1に記載の小孔シール。
(項目12)
制御された排泄オストミー器具のための小孔シールであって、この小孔シールが不円滑面を包含している、小孔シール。
(項目13)
不円滑面が使用中には小孔シールに接触している糞便物質からのガスの分離を容易にするように構成されている、項目12に記載の小孔シール。
(項目14)
不円滑面が小孔シールの外側面である、項目12に記載の小孔シール。
(項目15)
小孔シールが少なくとも部分的に多孔性であり、かつ不円滑面が小孔シールの内側面である、項目12に記載の小孔シール。
(項目16)
不円滑面が微細構造体を包含している、項目12に記載の小孔シール。
(項目17)
不円滑面が複数の溝を包含している、項目12に記載の小孔シール。
(項目18)
溝が曲がりくねっている、項目17に記載の小孔シール。
(項目19)
溝が小孔から概ね外側へ延びる方向へ導く、項目17に記載の小孔シール。
(項目20)
不円滑面が複数の突出したシールを包含している、項目12に記載の小孔シール。
(項目21)
シールが隆起、フラップ、リブの1または2以上として選択されている、項目20に記載の小孔シール。
(項目22)
シールが小孔からのガス流の方向に対して概ね横に配置されている、項目20に記載の小孔シール。
(項目23)
シールが概ね同芯構造に配置されている、項目20に記載の小孔シール。
(項目24)
不円滑面が非フラット面輪郭のものである、項目12に記載の小孔シール。
(項目25)
小孔シールが直面カバー層を包含し、カバー層が多孔性または開口付きであり、これによりカバー層が不円滑面を提供する、項目12に記載の小孔シール。
(項目26)
直面カバー層がメッシュまたはネット構造を備えている、項目25に記載の小孔シール。
(項目27)
制御された排泄オストミー器具のための小孔シールであって、この小孔シールが複数の要素を包含し、各要素が液体に敏感な特性を備え、使用中には小孔シールに接触している糞便物質からのガスの分離を容易にするように構成されている、小孔シール。
(項目28)
制御された排泄オストミー器具のための小孔シールであって、この小孔シールが複数の要素を包含し、各要素が不円滑面を包含している、小孔シール。
(項目29)
制御された排泄オストミー器具であって、この器具が液体に敏感な特性を提供するように構成された小孔シールを包含し、使用中には小孔シールに接触している糞便物質からのガスの分離を容易にするようにされている、器具。
(項目30)
制御された排泄オストミー器具であって、この器具が不円滑面を有する小孔シールを包含している、器具。
本発明の更なる特徴および利点は以下の添付された詳細な記述により明らかにされるであろう。或る特定な特徴が上および添付請求項内に記述されているが、出願人はここに記述されおよび/または図面中に図解されたいかなる新規な特徴またはアイデアのために、強調がそれらの上に置かれているかどうかに拘わらず、保護を求めるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の好ましい非限定的実施例が、例として、添付請求の範囲および図面に関連して記述される。
【図1】制御された排泄オストミー(人工肛門など用)器具の小孔シールの第1例を示している概略断面図である。
【図2】制御された排泄オストミー器具の小孔シールの第2例を示している概略断面図である。
【図3】制御された排泄オストミー器具の小孔シールの第3例を示している概略断面図である。
【図4】制御された排泄オストミー器具の小孔シールの第4例を示している概略断面図である。
【図5】コーテイングを有する小孔シールの詳細な概略断面図である。
【図6】粒子を有する小孔シールの更なる例の詳細な概略断面図である。
【図7】曲がりくねった溝を有する小孔シールの更なる例の概略下側斜視図である。
【図8】突出シールを有する小孔シールの更なる例の概略下側斜視図である。
【図9】図8の小孔シールの異なるシール構造を示している概略断面図である。
【図10】円滑でない輪郭を有する小孔シールの更なる例の概略断面図である。
【図11】穿孔層を有する小孔シールの更なる例の概略断面図である。
【図12】多孔性小孔シールの更なる例の概略断面図である。
【図13】多要素を包含した小孔シールの更なる例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1ないし4において、制御された排泄オストミー(人工肛門など用)器具(取付け具)10は人の小孔12からの排出を制御するために図示されている。器具10は小孔12の口をブロックまたは閉塞するための小孔シール14を包含し、それは小孔12の領域内に糞(便)物質を実質的に保持するためであり得る。器具10は更に器具に小孔近傍部皮膚18およびハウジング20を取り付けるための接着ウエハー16を包含し得る。
【0020】
小孔シール14は多様な異なる形態を取ることができ、かつ各種の異なる例が図1ないし4内に図示されている。図1において、小孔シール14は小孔近傍部皮膚18に接触し、かつシールを形成して糞便物質の逃げを阻止し得る。図2において、小孔シール14は小孔12の外側組織に接触し、かつシールを形成して糞便物質の逃げを阻止し得る。図1および2の構造は非侵入型と呼ばれ、それは小孔シール14が小孔12内に入らないからである。図3において、小孔シール14はプラグの形を備え、これは小孔12の内側面に接触し、かつシールし得る。小孔シール14は膜(例えば支持部を取り囲む)の形を備えまたは小孔シール14は自己保持型3次元プラグシールであり得る。
【0021】
上記の可能性の2または3以上も図4内に図示されているように組み合わせることができ、そこでは小孔シール14は小孔12の内面、また小孔12の外側面、およびまた小孔近傍部皮膚18に接触し、かつシールし得る。図3および4の構造は侵入型またはプラグと呼ばれ、それは小孔シール14が小孔12に入り得るからである。
【0022】
小孔シール14は小孔シール14を小孔12/皮膚18に対して加圧するために何らかの好適な支持部(図示されていない)により支持され得る。例えば、支持部は膨張可能であり、またはそれは弾性的、例えば、圧縮可能な泡状であり得る。小孔シール14は糞便物質(例えば、固形状、半固形状、または液状大便の少なくとも一つ)の通過を実質的に阻止するが、一方、ガスの分離および排出を容易にするように構成され得る。小孔シール14は多孔性(または多孔性部分を包含している)とされ、それを通してガスの排出を許容し、一方、糞便物質の通過を阻止し得る。その場合、1個または2以上の排気ポート(示されていない)がハウジング20内に配置されて小孔シール14の後部との連通を可能とし得る。代わりに、小孔シール14は不浸透性(または不浸透性部分を包含)とされることができ、その場合はガスは直面物質(例えば、糞便物質、または小孔12の組織、または小孔近傍部皮膚18)上の小孔シール14間の界面に沿い流れ得る。1または2以上の排気ポート(示されていない)がハウジング内に配置されて小孔シール14の横周辺と連通し得る。
【0023】
小孔シール14は糞便物質(例えば、固形状、半固形状または液状大便の少なくとも一つ)からのガスの分離を容易にするように構成され得る。
【0024】
図5において、小孔シール14は(例えば、コーテイング30として)以下の特性の1または2以上を有する材料を包含し得る。
(a)材料は疎水性であり得る。例えば、小孔シール14はPTFEのような疎水性のコーテイングを包含し、または保持し得る。
(b)材料は親水性であり得る。
(c)材料はカーボンであり得る。
(d)材料は粗い面の織物、例えば、微細ラフ面織物を備え得る。図6において、材料は基質34内に埋め込まれた粒子32の微細ラフコーテイングであり得る。
(e)材料は液体吸収材であり得る。例えば、材料は超吸収材であり得る。図6と同様な方法で、材料は基質内に埋め込まれた超吸収材の粒子を備え得る。
【0025】
上記特徴は小孔シール14に液体、または液状大便の1または2以上の要素の誘引、追い払いまたは吸収を起こさせ得る。液体に対するそのような性質は小孔シール14の表面におけるガスの分離機能を向上させ得る。上述のように、ガス分離の向上は小孔シール14でのガスの排気を容易化し得る。
【0026】
上述のいずれかの特徴に加えて、または代わりに、小孔シール14は不円滑面構造および/または織物および/または外面的形態を有するように構成され得る。そのような不円滑性は、例えば、以下の1または2以上により備えられ得る。
(a)図7において、小孔シール14の表面は狭い縮小型細道または溝40を備え得る。この細道/溝40は、例えば、深さが約0.05mmないし5mmおよび/または幅が0.05mmないし10mmであり得る。細道/溝40は曲がりくねっている。細道/溝40は小孔12から概ね外側へ延び得る。細道/溝40はガスを小孔12から外へ導き、細道/溝40の曲がりくねった性質は糞便物質の流れを阻止し得る。
(b)図8において、小孔シール14の表面は小孔12/小孔近傍部組織18に対する連続シール形成のための突出シール42を備え得る。シール42は糞便物質の通過に対する横向き障害または抵抗を提供するように構成され得る。シール42はガスの放出方向に対して概ね直交するように延び得る。シール42は同芯構造を備え得る。図9において、シール42は隆起42a、フラップ42bおよび/またはリブ42cの1または2以上の形を備え得る。
(c)図10において、小孔シール14の表面は非フラットとなるように輪郭が形成され得る。輪郭は、例えば、微細構造スケールであり得る。輪郭は、例えば、小孔シール14の表面上に、例えば基質内に埋め込まれた繊維または粒子のような輪郭形成要素により提供され得る。
(d)図11において、多孔性および/または穿孔層44が小孔シール14に対して配置されている。例えば、層44はメッシュまたはネットであり得る。層44は小孔12に面した小孔シール14の表面上にあり、またはそれは小孔シール14を取り囲み、例えば小孔シール14の周りに巻かれていてもよい。層44は小孔シール14に対して不円滑表面構造を与え得る。構造の寸法は、例えば、約0.01mmないし約10mmの領域にわたり得る。一つの形態において、構造の寸法は約0.1mmないし約0.5mmの領域にわたり得る。
【0027】
前述の例により図示されている不円滑さは糞便物質の流れを粉砕しおよび/または液体および/または固形状大便の捕獲を助け、および/またはガス状態(ガス)の流れの分離を助け得る。更に、表面および糞便物質の間の界面内に凝集性のあるかつ/または毛細管力の誘起された面を創生することにより、“脱出用”通路が形成され、それに沿ってガスの泡が界面の毛細管を通過する。
【0028】
上記においては、各種の特徴が小孔シール14の外面、例えば、小孔12に面した面に適用されたものとして示されている。しかしながら、1または2以上の特徴は糞便物質に接触する小孔シール14の外面または内面のいずれかに提供され得る。例えば、図12においては、小孔シール14の少なくとも一部が多孔性でありかつ開口50を包含し得る。開口50の内面は多くの前述の特徴の一つを備え得る。例えば、内面14は前述のコーテイング30と同様なコーテイング52を備えかつ/または内面は不円滑表面構造54を備え得る。
【0029】
代わりの形態において、小孔シール14は多数の要素を包含し得る。例えば、図13において、要素は繊維、フィラメントまたは管60を包含し得る。この要素はメッシュまたはウエブとして、単独にまたは束として配置され得る。要素は互いに織られまたは不織であり得る。上述と同様な方法で、要素の内側および/または外側面は糞便物質と小孔シール14との間の界面でのガスの分離を助けるために前述の特徴のどれかを備え得る。
【産業上の利用可能性】
【0030】
前述の記述は単に本発明の好ましい形態を描写するものである。多くの修正、改良および均等物は本発明の範囲および/または精神の範囲内で使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。
【請求項1】
明細書中に記載の発明。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−139939(P2011−139939A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−94515(P2011−94515)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【分割の表示】特願2005−268285(P2005−268285)の分割
【原出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94515(P2011−94515)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【分割の表示】特願2005−268285(P2005−268285)の分割
【原出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】
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