説明

制御された粒径を有している層状フィロシリケートを製造する方法および当該方法によって得られた生成物

本発明は、それらの寸法において最大の、大きい径(D100)が、0.05〜15ミクロンである、表面改質ありまたは当該表面改質なしの層状フィロシリケート粒子を製造する方法、ならびにこの方法によって生成され得るフィロシリケート粒子、および多くの分野における用途を有している材料を得るためのプラスチックマトリクスまたはセラミックマトリクスにおける添加剤としてのそれらの使用に関する。上記フィロシリケート粒子は、例えばカオリナイト、モンモリロン石、葉ろう石、ベントナイト、スメクタイト、ヘクトライト、海泡石、サポナイト、ラポナイト、ハロイサイト、バーミキュライト、雲母、緑泥石、イライト型および混合物である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、それらの寸法のうちの最大箇所において、最大粒径(いわゆるD100)が、0.05〜15ミクロンまで包含される、表面改質ありまたは表面改質なしの層状フィロシリケート(例えば、カオリナイト、モンモリロン石、葉ろう石、ベントナイト、スメクタイト、ヘクトライト、海泡石、サポナイト、ラポナイト、ハロイサイト、バーミキュライト、雲母、緑泥石、イライト型および混合物)粒子を製造する方法、ならびにこの方法によって得られ得るフィロシリケート粒子、および多くの分野における用途を有している材料を得るためのプラスチックマトリクスまたはセラミックマトリクスにおける添加剤としてのそれらの使用に関する。
【0002】
〔背景技術〕
層状クレイの使用は、多くの分野における用途において非常によく知られており、クレイは、いわゆるD50(材料の50%が、その値未満の寸法を有している)が3ミクロンを超える粒径を用いる生産加工において典型的に使用されている。
【0003】
最新技術には、乾式処理と湿式処理との両方のフィロシリケートの使用のいくつかの例が含まれている。例えば、特許出願CN101049940およびEP0000129は、それらをより同質かつ純粋にする、フィロシリケートの濃縮のための方法を開示している。
【0004】
特許出願GB1318867、GB1119305、GB1252622および米国特許4118247は、石綿およびフィロシリケートのセルロース繊維の水性懸濁物を加えることによって、製紙するためのセルロースのペースト生成方法を開示している。
【0005】
特許出願ES2242532は、その構造に混ぜ合わされた鉄分を多く有しているカオリナイトのナノ粒子の製造方法を開示している。
【0006】
特許出願GB1214532およびRU2125022は、飲用水および工業用水を調達している、フィロシリケートを使用している綿状沈殿による懸濁物の清浄化のための方法を開示している。
【0007】
特許出願HU63595は、フィロシリケートを加えることによって、肥料の沈降を遅らせることができる方法を開示している。
【0008】
特許出願GB722073およびCN1966553は、約25mmの粒径を有しているフィロシリケートを加えることによって、天然ゴムもしくは合成ゴムおよび他のエラストマーを改良する方法を開示している。
【0009】
特許出願CA1038295は、クレイの懸濁物がエアロゾルの粉塵のための分散抑制剤(anti-dispersant)として使用される方法を開示している。特許出願CA1305641、CA1307369、米国特許4836946および4752409は、クレイを増粘剤として使用している、ゲル−液体の製造方法を開示している。
【0010】
また、特許出願CN101002796およびES2242532に示されているように、製薬の過程のためのクレイの厚さにおけるナノ粒子の使用が非常によく知られている。
【0011】
プラスチックの分野において、最も興味深い領域の1つは、複合材料の物質の開発であり、より詳細には、ナノクレイを使ってプラスチックを強化することに基づくナノ複合材料の開発である。いずれも流延法(Ogata N, Jimenez G, Kawai H, Ogihara T; J Polym Sci Part B: Polym Phys 1997; 35:389-396)用であり、溶解混合法(Sinha Ray S, Yamada K, Okamoto M, Ueda K. Nano Lett 2002; 2:1093-6, M.D. Sanchez-Garcia, E. Gimenez and J.M. Lagaron J. App. Pol. Sci., DOI 10.1002/app)およびインシチュ重合法(Messersmith PB, Giannelis EP. Chem Mater 1993; 5:1064-6, Knani D, Gutman AL, Kohn DH. J Polym Sci. Part A: Polym Chem 1993; 31:1221-32)によって、ナノ複合材料を生成する種々の技術がある。さらに、これらの新しい種類のナノ複合材料およびこの方法の技術が、米国特許5747560、4618528、4528235、4874728、6391449、6486253、6376591、6156835、WO95/14733、WO93/04117、およびより詳細にはWO2007074184A1に開示されている。最近の出願においては、天然物に基づく抗菌薬の特性および/または他の活性物質もしくは生物活性物質の徐放の能力を用いて、生物分解され得るか、または生物分解され得ないナノ複合材料の新しい製造ルートが開示されている。フィロシリケートおよび/または合成層状複水酸化物に基づくこれらのナノ複合材料は、種々の有機改質剤を含む挿入物であり、熱可塑性および/または熱安定性のマトリクスに混ぜ合わされていて、気体遮断の特性および防湿層の特性を改良することができる。上述の資料は、改質したクレイで作られる重合体−クレイのナノ複合材料に関する特許および文献のいくつかの例である。これらの資料は、重合体マトリクス(例えば、オリゴマー、重合体またはこれらの混合物)中に分散された挿入クレイを含み、厚さにおいてのみナノメートル寸法のタクトイド構造である、ナノ複合材料の物質(例えば、剥離されたプレートまたは挿入されたプレート)を開示している。
【0012】
〔発明の詳細〕
本発明は、最大粒径(いわゆるD100)が15ミクロン未満であるように制御され得る、表面改質ありまたは表面改質なしの層状フィロシリケート(例えば、カオリナイト、モンモリロン石、葉ろう石、ベントナイト、スメクタイト、ヘクトライト、海泡石、サポナイト、ラポナイト、ハロイサイト、バーミキュライト、雲母、緑泥石、イライトおよび混合物)粒子を製造する方法、当該方法によって得られ得る生成物、およびこの生成物の使用に関する。
【0013】
第1の態様において、本発明は、以下の段階を少なくとも包含しているフィロシリケート粒子を製造する方法に関する。
(a)D90が5〜100ミクロンである大きさまで、開始のフィロシリケートの粒径を低下させる段階、および
(b)それらの寸法のいずれにおいてもD100が0.05〜15ミクロンである大きさを有しているように、前の表面改質ありまたは表面改質なしの粒子を制御抽出する段階。
【0014】
例えば、特性に限定されることなく、層状フィロシリケートは、カオリナイト、モンモリロン石、葉ろう石、ベントナイト、スメクタイト、ヘクトライト、海泡石、サポナイト、ラポナイト、ハロイサイト、バーミキュライト、雲母、緑泥石、イライトおよび混合物である。これらの層状フィロシリケートは、表面改質ありまたは表面改質なしの本発明の方法において使用され得る。表面改質が施された場合、表面改質により、より良い分散、プラスチックマトリクスとこれらクレイとの親和化、およびこれらへの新しい機能(例えば、耐火性、抗菌薬、酸化防止剤、酸素吸収材)の追加が可能になる。
【0015】
D90およびD100は、それぞれ、分布の中での粒子の90%または100%が、その値と等しい大きさを有しているか、またはその値より小さな大きさを有していることを意味する。
【0016】
望ましい実施形態において、段階(a)中、開始のフィロシリケートの粒径の低下は、乾式処理によって行われる。望ましくは、乾式処理の低下は、粉砕技術の使用によって、D90が5〜30ミクロンである大きさまで行われる。
【0017】
他の望ましい実施形態において、上述の方法中、段階(a)における低下は、湿式処理によって行われるだろう。望ましくは、湿式処理による低下が、ウォッシュミルによって行われるものとする。
【0018】
他の望ましい実施形態において、上述の方法中、段階(b)の抽出は、乾式処理によって行われる。望ましくは、乾式処理による抽出が、動的分級器の使用によって行われる。
【0019】
他の望ましい実施形態において、上述の方法中、段階(b)の抽出は、湿式処理によって行われる。望ましくは、湿式処理による抽出が、遠心分離機の使用によって行われる。
【0020】
ナノ粒子を製造する方法は、以下の段階を包含している。
【0021】
1.1乾式処理ルート:機械的行為(例えば、粉砕技術を用いること)によって、D90が典型的には30ミクロン未満の粒径まで、粒径を低下させること。
【0022】
1.2湿式処理ルート:例えば、特性に限定されることなく、ウォッシュミルの使用によって、溶液を介して粒径を低下させること。これらの機器の操作は、クレイ泥漿の製造のための原料の混合および希釈に合わせて設計される。クレイの水性懸濁物の生成は、0.1重量%〜99.99重量%、より望ましくは10重量%〜70重量%の固形成分含有量の懸濁物を有するだろう。そして、粘性を低下させるように形成されている有機および/または無機解膠剤が、時折、使用され得る。容器は、ユニットが希釈すること、撹拌するブレードと一致してユニットが回転することを防ぐように、ブレイクウォーター(breakwater)を典型的に有している。装填は、上側部分を通して行われ、取りおろしは、閉鎖弁を通して、下側部分から行われる。中心の撹拌器は、物質とブレードとの衝突によって引き起こされ得る振動または他の動作を防ぐためにシャフトに剛性を与える、2つの円錐状の転がり軸受けを内蔵している溶接鋼の本体をその上部に有している。
【0023】
2.1乾式処理ルート:動的分級器を使った乾式処理、微細な物質および微粉化された物質の分離方法。これらの装置の操作は、それを浮遊状態で維持する気流によって引き込まれた生成物を機器に収納することからなる。分類ケージの回転速度は、初めから終わりまで許容される最大限の粒径を決定するだろう。その結果、粒子の上昇速度は、ケージの回転速度より大きく、粒子はそれを通り抜けることができるだろう。微細な粒子は、新たな選択段階、すなわちサイクロンに移動するだろう。サイクロンは、接線方向の、標準的に長方形の入口が配備されている円錐状の底部とともに垂直円筒で基本的にできている。さらに、われわれは、重力のかわりに遠心力を使うことによって、分離をより効果的にして、粒子の沈降速度が大きく増加する、という事実を強調するべきである。浮遊状態にある粒子とともに装填される気流は、円筒型の容器の中に接線方向に取り入れられる。浮遊状態にある非常に微細な粒子を含む空気は、上部に位置する中央の開口部を通って、抜け出る。従って、サイクロン内における、空気が続く流れのモデルは、二重の渦の流れのモデルであるということが観察される。最初に、浮遊状態にある粒子を含む、粒子分離装置からの空気は、下向きの方向であって、外部の領域を通る渦巻きを作り、そして、らせんを描きながら内部の領域を通って上昇する。塵粒は、慣性によって、機器の周囲に向かって移動し、空気の入口から離れ、円錐状の底部に位置するコレクターに集められる傾向にある(廃棄)。サイクロン内で分解されなかった10ミクロン程度のより微細な粒子とともに装填される空気は、スリーブのフィルターに移動する。スリーブのフィルターは、標準的には合成繊維または天然繊維の、スリーブ状の一連の袋からなる。当該袋は、稠度を与えるために支持体に収容されており、2つのプレナムを限定する割出しプレートによって支持されていて、密封ケーシングにすべてが取り囲まれている。浮遊状態の粒子を含む空気は、初期の膨張に続き、それらの方向の急変を被る「不潔なプレナム(dirty plenum)」と呼ばれる仕切った部分に入る。すなわち、より分厚い粒子は漏斗に直に入ることを意味する。粒子の残りを含む空気は、その後スリーブを通り、その後スリーブを通る。粒子はその外側の面に残って、そしていまや清浄な空気は貫通するので、スリーブが事実上の濾過作用が行われている場所である。次いで、これは、一連の粉塵を通って清潔なプレナム(clean plenum)と呼ばれるフィルターの上部領域に移動して、煙突を通って外へ抜け出す。スリーブのフィルターは、空気の方向を変えるための一連のパネル、スリーブ清掃装置および捕らえられた粒子を集めるための漏斗をさらに含んでいる。この方法において、得られた粒径はD90が約10ミクロンである。
【0024】
2.2)湿式処理ルート:湿式処理の分離方法は段階1.1、1.2のいずれかから開始し得るか、または2.1の連続となり得て、それは、遠心分離機、デカンター、振動式スクリーンにおける濾過または圧搾濾過器を利用している湿式処理による、超微細な材料を分離するための方法を含んでいる。本発明の望ましい方法は、遠心分離機の使用である。この方法の操作は、生成物を機器に入れることおよびドラムの高速回転の効果によってそれを遠心力の作用に従わせることを含んでいる。生成物は、極性溶剤、典型的には特性に限定されることなく、水またはアルコールへのクレイの懸濁(クレイ濃度は、98重量%未満、より望ましくは75重量%未満、さらにより望ましくは25重量%未満)によって形成される。懸濁物は、代わりに分散性の物質または解膠する物質(例えば、特性に限定されることなく、炭酸ナトリウムまたは炭酸バリウム、ケイ酸ナトリウム、リンを含む化合物(トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム)およびポリアクリル酸ナトリウム)を有し得る。生成物は、一連の肋材(rib)を通して加速されて、一組のプレートの上昇流路を通して均一に分布される。分離は、遠心力の効果によって一組のプレートで実行される。一組のプレートは、大量の多層構造の円錐状の主要プレートを含んでいる。隣接したプレートによって形成される間のストレート(strait)は、液体を微細な層に分割する。これは、固体が移動しなければならない沈殿の放射状の経路を減らす。微小な固体粒子は、プレートの下側面に対して投入され、周囲に向かって滑る結果、ドラムの周囲に沿って均一に分布しているノズルを通して外部に放出される。より小さな比重の液体は、ドラムの中心の方へ運ばれて、圧力を受けて外部へ抜け出ている浮遊状態の微細な粒子を引き込んでいる内部の管を通って上昇する。この方法によって達成された粒径は、D100が1ミクロン未満である。
【0025】
3)代わりに、段階2.1および段階2.2のナノ粒子の生成物は、表面改質剤および/または活性物質もしくは生物活性物質を用いて改質され得、その後、大きさを維持している湿式処理に残されるか、乾式処理(微粒化、凍結乾燥またはその他)によって乾燥されることによって、開始の生成物の粒径を維持する固体となる。本発明によって望まれる制御された大きさを有する材料の乾式処理は、微粒化乾燥器の使用である;微粒化方法は、乾式処理であり、これによって、微細な滴の中の細かく砕かれた懸濁物は温風と接触状態になり、低含水量の固体を生成する。特性に限定されることなく固形成分含有量が50%であり、適した粘度を有する、槽からのクレイ泥漿は、微粒化システムを利用している乾燥室へ送られる。微細に霧状にされるクレイ泥漿は、高温ガスの流れと接触するように配置され、乾燥される。これらのガスは、ガス燃焼器の使用により、外側からの空気を熱することによって入手される。クレイ泥漿を乾燥するためおよび微粒化された粉塵を入手するために使用されるガス流は、サイクロンに向かって乾燥室(懸濁物に大量の湿気および粉塵を含んでいる)の外へ運ばれ、その後スリーブフィルターに運ばれ、最終的に、煙突を利用して外部に排出される。
【0026】
上述された改質の方法は、下記に挙げられる方法を包含している:
3.1)表1に示される膨張型の前駆物質の使用による、1つの段階またはいくつかの段階における層状構造の前処理。
【0027】
【表1】

【0028】

【0029】
望ましくは、膨張剤はDMSO、アルコール、酢酸塩または水およびそれらの混合物、ならびに、銀、銅、鉄、ニッケルまたはコバルトの金属塩によって形成される群から選択される。それらは、層の基本的な間隔における初期の増加によって微粉を活性化して、クレイの表面の特性を改質する。前駆物質の貫通は、特性に限定されることなく、熱、乱流体制(turbulent regime)ホモジナイザー、超音波、超臨界流体、解膠剤(例えば、アクリル酸塩および/またはリン酸塩)、圧力またはそれらの組み合わせの使用により増進される。洗浄後または水もしくはアルコールなしで制御された大きさを有するこれらの乾燥は、上述の通り行われ得る。本発明の他の望ましい実施形態によれば、挿入の前駆物質の溶解(dissolution)は、前の洗浄および/または乾式処理なしで、改質剤を混ぜ合わせる以下の段階のための開始手段として使用され得る。
【0030】
3.2)追加的に、または必要に応じて、塩基水溶液中でまたは極性溶剤を用いて、無機物質、有機物質もしくは混成物質を層状構造に挿入させることが可能である。同じ意味で、挿入される化合物は、特性に限定されることなく、1)PVOH、EVOHおよび同じファミリーの誘導体、および/または、2)化学的に入手されたか、または微生物もしくは植物の遺伝子組み換えによって入手された天然タンパク質または合成タンパク質およびペプチド、ならびに、化学的に入手されたか、または微生物もしくは植物の遺伝子組み換えによって入手された天然の多糖または合成の多糖等の、生重合体、3)ポリ酢酸(polyacetic acid)、ポリ乳グリコール(polylactic-glycolic)、ポリカプロラクトン、アジピン酸および誘導体、ならびにポリヒドロキシアルカノエート、望ましくはポリヒドロキシ酪酸およびその吉草酸塩との共重合体等の、生物分解可能なポリエステル、4)ヒドロキシアパタイトおよび有機塩のリン酸塩等の、生体材料、および/または、5)天然の酸化防止剤または合成の酸化防止剤(望ましくは、非限定的にレスベラトロルまたはフラボノイド等のポリフェノール、非限定的にユージノールの抽出物またはローズマリーの抽出物等の植物の抽出物、およびビタミン、望ましくはトコフェロールおよびトコトリエノールまたはアスコルビン酸/ビタミンC)、によって形成される群から選択される。さらに第四アンモニウム塩、望ましくは、単量体の目録および材料とプラスチック生成物の製造における使用が法により許可された他の開始の材料の目録に含まれる食品と接触する用途を許可された塩、例えば、特性に限定されることなく、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、1個のカルボキシル基を持つ脂肪族系酸(C6−C22)、そのアンモニウム塩およびそのナトリウム塩を含むポリエチレングリコールのエステル、パーフルオロオクタン酸およびそのアンモニウム塩、N−メタクリロイルオキシエチル −N,N−ジメチル‐N‐カルボキシメチルアンモニウムの塩化物共重合体、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシプロピル−3−(ドデシルオキシ)塩化メチルアンモニウムおよびキトサンおよびその誘導体、銀、鉄、銅、ニッケルおよび/またはその有機塩または無機塩、ならびに抗菌性、抗酸化作用または酸素隔離特性および/またはそれらの組み合わせの特性を有する他の粒子またはナノ粒子、もまた挿入され得る。
【0031】
挿入されている無機材料が、銀、または銀、銅、鉄、コバルト、ニッケルもしくは抗菌性および/または酸素隔離力を有する他の金属の有機塩および/または無機塩等の金属に基づくとき、挿入金属中心の酸化状態を全体的または部分的に変化させるために、物理的または化学的処理が、続いて適用され得る。これらの処理は、特性に限定されることなく、高温(250〜1200℃)での再燃成、紫外線、赤外線、マイクロ波放射ならびにエタノールおよび/または水素化ホウ素ナトリウムおよび/または化学的還元剤による化学的還元を含んでいる。これらの処理の何れかを終了することに関して、物質のおおよそ強力な抗菌性および/または酸素隔離力と比較しながら、金属中心の酸化度は全体的または部分的に変更され得る。(銀、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、コバルトまたは使用された他の金属)
EVOHまたはそのファミリーの任意の物質とともに挿入される有機質の、モルエチレン含量が、望ましくは48%未満、より望ましくは29%未満のときに、それらは水媒、またはアルコール型およびアルコールと水、より望ましくは水とイソプロパノールとの混合物(50%より大きい水量で比例する)である特定の溶媒における飽和へ運ばれる。
【0032】
他方では、可塑剤とともにか、または可塑剤なしで、架橋剤とともにか、または架橋剤なしで、ならびに乳化剤、界面活性剤またはナノ添加剤の他の型とともにか、または乳化剤、界面活性剤またはナノ添加剤の他の型なしで生重合体は、合成の多糖(植物または動物)または天然の多糖(植物または動物)(例えば、セルロースおよび派生物)、カラギーナンおよび派生物、アルギン酸塩、デキストラン、アラビアゴム、望ましくはキトサンならびにその天然の派生物および合成の派生物の何れか、より望ましくはキトサン塩、さらに望ましくはキトサンアセテート、植物および動物から抽出されたタンパク質(例えば、穀物のタンパク質(ゼイン)、グルテン派生物、グルテンまたはそのグリアジン、グルテニンの分留、より望ましくはゼラチン、カゼイン、大豆タンパクおよびその派生物)、化学方法によって入手されたか、または微生物もしくは植物の遺伝子組み換えによって入手された天然のエラスチン型ポリペプチドおよび合成のエラスチン型ポリペプチド、脂質(例えば、カルナウバろう、カンデリラろう、セラックニス、脂肪酸、モノグリセリド、および/または上記すべての組み合わせ)によって形成される群のものである。
【0033】
キトサンについては、脱アセチル化度は、望ましくは80%より大きい、より望ましくは87%より大きいだろう。前駆物質の貫通は、熱、乱流体制のホモジナイザー、超音波、圧力またはそれらの組み合わせの使用により増進される。
【0034】
より後の段階か、または前駆物質を用いた前処理がされて、洗浄され得た、および/または乾燥され得た、および/または水媒体に維持された微粉の改質の代替において、低分子量の物質は、それらが制御された形(活性の可能性または生物活性の可能性とともに化合物を生じさせる)に挿入されるか、または放出されるように、活性の特性または生物活性の特性を使って加えられるだろう。活性物質は、エタノール、エチレン、植物性揮発油の種類(望ましくは、チモール、カルバクロール、リナロールおよび混合物)、縮小された大きさの抗菌性ペプチド(望ましくは、バクテリオシン)、天然または遺伝子組み換えによって入手されたもの(望ましくは、ナイシン、エンテロシン、ラクチシンおよびリゾチーム)、天然の酸化防止剤または合成の酸化防止剤(望ましくは、ポリフェノール、例えば、限定されることなく、レスベラトロル、フラボノイド)、植物の抽出物(例えば、限定されることなく、ユージノールの抽出物またはローズマリーの抽出物)およびビタミン(望ましくはトコフェロールおよびトコトリエノールまたはアスコルビン酸/ビタミンC)、薬、生物的に利用できるカルシウム化合物の酵素、魚油、体に良い細菌、共生、前生物的(消化できない繊維)、有機金属塩および無機金属塩(銀、銅、鉄、ニッケルまたはコバルト)またはそれらの混合物となるだろう。これらの成分は、固定されているまま、および/または制御された形(ナノ添加剤の制御)の生成物へ向かってナノ複合材料から続いて放出されるままにできること、およびそれらの活性の役割または生物活性の役割を果たすことができると予想される。追加される容量は、一般に溶解の80容量%未満、望ましくは溶解の12容量%未満、より望ましくは溶解の8容量%未満である。前駆物質の貫通は、熱、乱流体制のホモジナイザー、超音波、圧力またはそれらの組み合わせにより増進される。
【0035】
湿式処理を伴うナノクレイの生成における前の段階のいずれかにおいて、解膠剤(例えば、特性に限定されることなく、ポリリン酸塩および/またはアクリル酸塩)の使用は、方法を容易にすると予期され得る。
【0036】
最終的に、生成物は、液体処理または乾式処理において得られるだろう。もし乾燥の段階があれば、上述のとおり、粉末は制御された粒径を有して得られるだろう。そうでなければ、それは液体処理の段階4において直に追加されるだろう。
【0037】
4)任意のプラスチック処理方法(例えば、溶解および溶剤の蒸発、現場重合および溶解混合)、またはセラミック処理方法(一般的に粉砕、乾燥、典型的に微粒化、加圧成形または押し出し成形、釉薬のかかった生成物の場合はつや出し加工および焼成を伴うセラミック生成物の製造において典型的に使用される粉末の生成)による、プラスチックマトリクスまたはセラミックマトリクスへの段階2(乾式処理または湿式処理)の生成物および段階3(乾式処理または湿式処理)の生成物の混和。
【0038】
マイクロメートル未満またはナノメートル水準(500ナノメートル未満まで)に達し得る本発明の方法によって得られた粒子の立体の大きさにおける制御のため、その使用は、制御された粒径が必要とされており、15ミクロンまで、望ましくは3ミクロンまで、より望ましくは1ミクロンまでであるそれらの用途において有利である。例えば、繊細なコーティングまたはナノメートルのコーティングならびにプラスチックおよび他の材料のナノ補強。
【0039】
他の態様として、本発明は、上述の方法によって得られ得る生成物に関する。
【0040】
他の態様として、本発明は、ナノ複合材料の材料を得るためのプラスチックマトリクスまたはセラミックマトリクスにおける添加剤としての上記の生成物の使用に関する。
【0041】
本発明の方法によって得られたフィロシリケート粒子は、それらを含むマトリクス材料の物理的特性を向上させる目的を有している。従って、これらの材料は、より卓越した耐熱性または機械抵抗、気体遮断能力および防湿能力、発泡体での核形成能力、電磁放射線阻止能力、挿入能力等の特性、活性物質(抗菌薬、酸化防止剤、酸素吸収材)および生物活性物質(体に良い細菌、前生物的、酸化防止剤、栄養補給食品および薬の放出)の制御放出、光学的性質への最小限の衝撃、衝撃への柔軟性または耐性、および耐火性を得る。これらの天然のナノクレイおよび/または合成のナノクレイが、有機型の材料または有機/無機の合成物、または段階4に記載されている活性物質または生物活性物質を用いて、挿入され得るか、または挿入され得ないという事実に起因している。
【0042】
本発明の方法によって得られたフィロシリケートは、多くの分野における用途(例えば、繊細なコーティング)で使われる材料、望ましくはプラスチック、バイオプラスチックおよびセラミックの材料の特性の向上における使用のため、および包装、自動車、織物、生物医学的、製薬の応用、化粧品、建設、日焼け止め、紫外線可視の応用、制御放出および核形成剤としての発泡の用途における材料を強化するために設計されている。
【0043】
明細書および請求項中の、用語「〜を備えている」およびそれらの変形は、他の技術的特性、添加剤、要素または段階を除外する目的はない。当業者にとって、本発明の他の目的、利点および特性は、明細書および本発明の演習から部分的に集められるだろう。以下の実施例および図面は、例証の目的で与えられており、本発明を制限することを目標としていない。
【0044】
〔図面の詳細〕
図1は、レーザー粒径分析装置(商業用の型、マルバーマスターサイザー2000)によって得られるナノパーティキュレーションの処理前のカオリナイトクレイの粒度分析を示している。グラフは、我々に粒径の分布を示している。
【0045】
図2は、レーザー粒径分析装置(商業用の型、マルバーマスターサイザー2000)によって得られるナノパーティキュレーションの処理前のモンモリロン石クレイの粒度分析を示している。グラフは、我々に粒径の分布を示している。
【0046】
図3は、レーザー粒径分析装置(商業用の型、マルバーマスターサイザー2000)によって得られるナノパーティキュレーションの処理前のバーミキュライトクレイの粒度分析を示している。グラフは、我々に粒径の分布を示している。
【0047】
図4は、レーザー粒径分析装置(商業用の型、マルバーマスターサイザー2000)によって入手されるナノパーティキュレーションの処理後のカオリナイトクレイの粒度分析を示している。グラフは、我々に粒径の分布を示している。
【0048】
図5は、レーザー粒径分析装置(商業用の型、マルバーマスターサイザー2000)によって得られるナノパーティキュレーションの処理後のモンモリロン石クレイの粒度分析を示している。グラフは、我々に粒径の分布を示している。
【0049】
図6は、レーザー粒径分析装置(商業用の型、マルバーマスターサイザー2000)によって得られるナノパーティキュレーションの処理前のバーミキュライトクレイの粒度分析を示している。グラフは、我々に粒径の分布を示している。
【0050】
図7は、乾式処理の分級器の概要を示している。
【0051】
図8は、湿式処理の分級器の概要を示している。
【0052】
図9は、粒径が維持されると見られる乾燥器によって入手される粒度分析の分析を示している。
【0053】
図10は、プラスチックの押し出し成形およびその後の層の製造(溶解からの圧縮による)によって、32%モルのエチレンを含んでいるエチレンおよびビニールアルコールの共重合体(EVOH)の型のプラスチックにおける、2つの粒径(1つは高く、もう1つは低い)を有するカオリナイトの混和の光学的性質の結果を示している。
【0054】
〔実施例〕
以下、本発明は、発明者らによって行われる、本発明の方法の特異性および効果を示す試験を用いて説明される。
【0055】
(実施例1)我々は、採石場からのカオリナイト型クレイから始める。それを漏斗へ堆積させて、アルキメデスポンプを使用する。その大きさを縮小するために粉砕する金づちの機械的行為を受けさせる。ここから、および動的分級器システムを使用すること(換言すると、サイクロンおよび分級器の使用)により、図1に示されているような粒度の分布を得る。これらの粒子は、多くの分野における用途のために前々から使用され得る。
【0056】
我々は、サイクロンおよび水から、カオリナイト型クレイの1〜3部分の懸濁物をそれぞれから生成する。水中にクレイの望ましい分散を得るために、それらをウォッシュミルに導入する。30分後に、槽へポンプでくみ上げる。供給される流れを制御するための周波数変動器(frequency variator)を備えているねじポンプを使用して、機器へクレイ泥漿(クレイと水の懸濁物)を導入する。遠心分離機に直径0.8mmのノズルを取り付けて、遠心分離機が浄化できる流れより多い流れを導入している状態で、1500L/時間の固相の流れを得る。液相として、それらの寸法の最大が1ミクロンである大きさのカオリナイトのクレイのナノ粒子を含む水の懸濁物を得る(図4)。
【0057】
この懸濁物は非常に高い含水量を有しており、生成物を凝縮するために遠心分離機を再び使用する。しかし、下位の流れのポンプをここで取り入れる結果、遠心分離機は十分に清浄して、固相として凝縮されたクレイのナノ粒子を得ながら、液相として水を得る。
【0058】
代わりに、凝縮されたクレイのナノ粒子を使用すること、または乾式処理を使用して、前の段階からのナノ粒子の生成物を乾燥させることが可能である。凝縮されたクレイのナノ粒子は、約400℃の入口温度、60mmH2Oの低気圧、120℃の排出温度および約18バールの給水ポンプ圧力の乾燥室へとポンプでくみ上げられ、0.5%未満の湿度であり、入口の粒度分布と等しいか、または入口の粒度分布よりわずかに少ない粒度分布を有する乾燥したナノクレイを得る(図9)。
【0059】
この乾燥した生成物または前の段階からの凝縮された懸濁物を、任意のプラスチック処理方法(例えば、溶解および溶剤の蒸発、現場重合および溶解混合)、またはセラミック処理方法(一般的に粉砕、乾燥、典型的に微粒化、加圧成形または押し出し成形、釉薬のかかった生成物の場合はつや出し加工および焼成を伴うセラミック生成物の製造において典型的に使用される粉末の生成)を使用して、プラスチックまたはセラミックのマトリクスへ混ぜ合わす。
【0060】
具体例として、図10は、液体処理における2つのクレイ(異なる粒径)の混和の後、粉砕処理(写真中の造粒を得る)および薄膜(圧縮による172ミクロンの薄膜)を得るための粉砕処理後のモールディング(熱いプレート式圧搾機の鋳造物からの圧縮による)が続く、EVOH32(32%モルのエチレンを含んでいるエチレンおよびビニールアルコールの共重合体)を使用する押し出し成形処理への追加(additivation)によって、より小さな粒径を有している生成物の光学的性質(換言すると、透明性)が増加すること、を示している。
【0061】
(実施例2)我々は、採石場からのモンモリロン石型クレイから始める。それを漏斗へ堆積させて、アルキメデスポンプを使用する。その大きさを縮小するために粉砕する金づちの機械的行為を受けさせる。ここから、および動的分級器システムを使用すること(換言すると、サイクロンおよび分級器の使用)により、図2に示されるような粒度の分布を得る。これらの粒子は、多くの分野における用途のために前々から使用され得る。
【0062】
我々は、サイクロンおよび水から、モンモリロン石型クレイの1〜3部分の懸濁物をそれぞれから生成する。水中にクレイの望ましい分散を得るために、それらをウォッシュミルに導入する。30分後に、槽へポンプでくみ上げる。我々は、供給される流れを制御するための周波数変動器(frequency variator)を備えているねじポンプを使用して、機器へクレイ泥漿(クレイと水の懸濁物)を導入する。遠心分離機に直径0.8mmのノズルを取り付けて、遠心分離機が浄化できる流れより多い流れを導入している状態で、1500L/時間の固相の流れを得る。液相として、それらの寸法の最大が1ミクロンである大きさのモンモリロン石のクレイのナノ粒子を含む水の懸濁物を得る(図4)。
【0063】
この懸濁物は非常に高い含水量を有しており、我々は、生成物を凝縮するために遠心分離機を再び使用する。しかし、下位の流れのポンプをここで取り入れる結果、遠心分離機は十分に清浄して、固相として凝縮されたクレイのナノ粒子を得ながら、液相として水を得る。
【0064】
代わりに、凝縮されたクレイのナノ粒子を使用すること、または乾式処理を使用して、前の段階からのナノ粒子の生成物を乾燥させることが可能である。凝縮されたクレイのナノ粒子は、約400℃の入口温度、60mmH2Oの低気圧、120℃の排出温度および約18バールの給水ポンプの圧力の乾燥室へとポンプでくみ上げられ、0.5%未満の湿度であり、入口の粒度分布と等しいか、または入口の粒度分布よりわずかに少ない粒度分布を有する乾燥したナノクレイを得る。
【0065】
この乾燥した生成物または前の段階からの凝縮された懸濁物を、任意のプラスチック処理方法(例えば、溶解および溶剤の蒸発、現場重合および溶解混合)か、またはセラミック処理方法(一般的に粉砕、乾燥、典型的に微粒化、加圧成形または押し出し成形、釉薬のかかった生成物の場合はつや出し加工および焼成を伴うセラミック生成物の製造において典型的に使用される粉末の生成)を使用して、プラスチックまたはセラミックのマトリクスへ混ぜ合わす。
【0066】
(実施例3)我々は、バーミキュライト型クレイから始める。バーミキュライトは、それが脱水状態のため、中間層の空間にほとんど水を有していない。我々は、60℃に調節されていて、水が満たされている反応装置へバーミキュライトを堆積させる。ultraturraxを使って、その温度で20時間撹拌した後、水和したバーミキュライトを得る(図3)。45ミクロンメッシュの開口スクリーンを用いてクレイ泥漿から鉄を選別して取り除き、その寸法より大きい粒子およびバーミキュライトが有している可能性のある鉄を含む凝集物を除去する。
【0067】
我々は、供給される流れを制御するために、周波数変動器(frequency variator)を備えているねじポンプを使用して、機器へクレイ泥漿(クレイと水の懸濁物)を導入する。遠心分離機が液相に関して清浄にするそれより多い流れを取り入れながら、550L/時間の固相の流れを入手している遠心分離機に直径0.5mmのノズルを取り付ける。それらの寸法で最大の1ミクロンの大きさのバーミキュライトのクレイのナノ粒子を含む水の懸濁物を得る(図6)。
【0068】
この懸濁物は非常に高い含水量を有しており、生成物を凝縮するために遠心分離機を再び使用する。しかし、下位の流れのポンプをここで取り入れる結果、遠心分離機は十分に清浄して、固相として凝縮されたクレイのナノ粒子を得ながら、液相として水を得る。
【0069】
代わりに、凝縮されたクレイのナノ粒子を使用すること、または乾式処理を使用して、前の段階からのナノ粒子の生成物を乾燥させることが可能である。凝縮されたクレイのナノ粒子は、約400℃の入口温度、60mmH2Oの低気圧、120℃の排出温度および約18バールの給水ポンプの圧力の乾燥室へとポンプでくみ上げられ、0.5%未満の湿度であり、入口の粒度分布と等しいか、または入口の粒度分布よりわずかに少ない粒度分布を有する乾燥したナノクレイを得る。
【0070】
この乾燥した生成物または前の段階からの凝縮された懸濁物を、任意のプラスチック処理方法(例えば、溶解および溶剤の蒸発、現場重合および溶解混合)、またはセラミック処理方法(一般的に粉砕、乾燥、典型的に微粒化、加圧成形または押し出し成形、釉薬のかかった生成物の場合はつや出し加工および焼成を伴うセラミック生成物の製造において典型的に使用される粉末の生成)を使用して、プラスチックまたはセラミックのマトリクスへ混ぜ合わす。
【0071】
(実施例4)我々は、採石場からのモンモリロン石型クレイから始める。それを漏斗へ堆積させて、アルキメデスポンプを使用する。その大きさを縮小するために粉砕する金づちの機械的行為を受けさせる。実施例2で記載されている分級方法によって、1ミクロンのD100を得るまで、制御された粒径を分級する。後で臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムを用いて改質を行う。本実施例は、20%のアンモニウム塩を使用するモンモリロン石の改質を説明する。その容量が4000リットルであり、60℃に調節されていて、アンフォラ型形態の撹拌器およびホモジナイザーを有している反応装置へモンモリロン石を堆積させる。第1の段階において、我々は320kgのモンモリロン石を導入する。溶液を撹拌下におき、90分間、均質化をおこなった。撹拌器を有する槽に、60℃の温度の浸透化水(osmotized water)を導入し、アンモニウム塩を加えて、溶液が完全に透明になる(換言すると、この塩が完全に溶解する)まで撹拌下にそれをおいた。次に、反応装置へアンモニウム塩溶液および水を追加する。撹拌下で、60℃の温度で24時間、全てを混ぜる。この期間の後、改質したクレイとともに反応装置を取り外す。存在し得る強磁性の不純物を取り除くために、全体の溶液を、鉄の除去ユニットに通す。過度の塩を取り除くために、クレイに一連の洗浄を受けさせる。
【0072】
アンモニウム塩により改質されたクレイの粒子は、約190℃の入口温度、約108℃の出口温度の乾燥室へとポンプでくみ上げられ、0.5%未満の湿度であり、入口の粒度分布と等しいか、または入口の粒度分布よりわずかに少ない粒度分布を有する乾燥したナノクレイの粒子を得る。
【0073】
この乾燥した生成物を、任意のプラスチック処理方法(例えば、溶解および溶剤の蒸発、現場重合および溶解混合)、またはセラミック処理方法(一般的に粉砕、乾燥、典型的に微粒化、加圧成形または押し出し成形、釉薬のかかった生成物の場合はつや出し加工および焼成を伴うセラミック生成物の製造において典型的に使用される粉末の生成)を使用して、プラスチックまたはセラミックのマトリクスへ混ぜ合わす。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】レーザー粒径分析装置(商業用の型、マルバーマスターサイザー2000)によって得られるナノパーティキュレーションの処理前のカオリナイトクレイの粒度分析の図である。グラフは、粒径の分布を示している。
【図2】レーザー粒径分析装置(商業用の型、マルバーマスターサイザー2000)によって得られるナノパーティキュレーションの処理前のモンモリロン石クレイの粒度分析の図である。グラフは、粒径の分布を示している。
【図3】レーザー粒径分析装置(商業用の型、マルバーマスターサイザー2000)によって得られるナノパーティキュレーションの処理前のバーミキュライトクレイの粒度分析の図である。グラフは、粒径の分布を示している。
【図4】レーザー粒径分析装置(商業用の型、マルバーマスターサイザー2000)によって得られるナノパーティキュレーションの処理後のカオリナイトクレイの粒度分析の図である。グラフは、粒径の分布を示している。
【図5】レーザー粒径分析装置(商業用の型、マルバーマスターサイザー2000)によって得られるナノパーティキュレーションの処理後のモンモリロン石クレイの粒度分析の図である。グラフは、粒径の分布を示している。
【図6】レーザー粒径分析装置(商業用の型、マルバーマスターサイザー2000)によって得られるナノパーティキュレーションの処理前のバーミキュライトクレイの粒度分析の図である。グラフは、粒径の分布を示している。
【図7】乾式処理の分級器の概要の図である。
【図8】湿式処理の分級器の概要の図である。
【図9】粒径が維持されると見られる乾燥器によって入手される粒度分析の図である。
【図10】プラスチックの押し出し成形およびその後の層の製造(溶解からの圧縮による)によって、32%モルのエチレンを含んでいるエチレンおよびビニールアルコールの共重合体(EVOH)の型のプラスチックにおける、2つの粒径(1つは高く、もう1つは低い)を有するカオリナイトの混和の光学的性質の結果の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御された粒径を有しているフィロシリケート粒子を得る方法であって、
以下の段階:
(a)D90が5〜100ミクロンである大きさまで開始のフィロシリケートの粒径を低下させる段階;および
(b)D100が0.05〜15ミクロンである大きさを有している上記粒子を制御抽出する段階
を少なくとも包含している、方法。
【請求項2】
段階(a)の上記開始のフィロシリケートが、カオリナイト、モンモリロン石、葉ろう石、ベントナイト、スメクタイト、ヘクトライト、海泡石、サポナイト、ラポナイト、ハロイサイト、バーミキュライト、雲母、緑泥石、イライトまたはそれらの混合物から選択される層状フィロシリケートである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
表面改質剤および/または活性物質もしくは生物活性物質を用いてフィロシリケートの表面を改質する段階をさらに包含しており、当該段階が膨張剤型の前駆物質を用いた上記フィロシリケートの前処理を含んでいる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
上記膨張剤型の前駆物質は、DMSO、アルコール、酢酸塩、水およびそれらの混合物、または銀、銅、鉄、ニッケルまたはコバルトの金属塩から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
塩基水溶液中または極性溶剤を使用した、無機物質、有機物質または混成物質の挿入の段階をさらに包含している、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
段階(a)の上記フィロシリケートの粒径の低下は、D90が5〜30ミクロンである大きさまで行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
段階(a)の粒径の低下が乾式処理によって行われる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
粒径の上記低下が粉砕によって行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
段階(a)の粒径の低下が湿式処理によって行われる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
粒径の上記低下がウォッシュミルの使用によって行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
段階(b)の抽出が乾式処理によって行われる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
乾式処理による上記抽出が動的分級器の使用によって行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
段階(b)の抽出が湿式処理によって行われる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
湿式処理による上記抽出が遠心分離機の使用によって行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
乾燥の段階もまた行われる、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法によって得られ得る生成物。
【請求項17】
プラスチックマトリクスまたはセラミックマトリクスへ混ぜ合わせるための添加剤としての、請求項16に記載の生成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−519625(P2013−519625A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553358(P2012−553358)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【国際出願番号】PCT/ES2010/070630
【国際公開番号】WO2011/101508
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(512213217)ナノバイオマターズ インダストリーズ ソシエダッド リミターダ (1)
【氏名又は名称原語表記】NANOBIOMATTERS INDUSTRIES,S.L.
【住所又は居所原語表記】C/Louis Pasteur,11,Nave 6,E−46980 Paterna(Valencia)
【Fターム(参考)】