説明

制御盤用操作表示装置

【課題】開発や製造にかかる手間及びコストを低減でき、重複した無駄な作業の発生を抑えた制御盤用操作表示装置を提供する。
【解決手段】1台又は複数台のポンプを制御するポンプ制御盤Pへの入力操作が行われ、かつポンプ制御盤Pに関する表示を行う制御盤用操作表示装置10において、ポンプの台数に依らず、操作内容に変更が生じない基本操作が行なわれる基本操作部及びポンプ制御盤に関する表示を行う表示部とを有する基本機能基板12と、ポンプの台数に応じて操作内容に変更が生じる個別操作が行なわれる個別操作部を有し、ポンプの台数に対応して選択される第1個別機能基板86等と、基本機能基板12と第1個別機能基板86等とを接続する接続コード91とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水ポンプの制御盤に入力操作する操作部、及びポンプ類の作動状況等を表示する表示部とを備えた制御盤用操作表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
給水ポンプユニットを制御する制御盤には、制御盤用操作表示装置が設けられ、制御盤用操作表示装置を通して制御盤への操作内容を入力したり、ポンプ類の作動状況を確認するようにしている。例えば、制御盤用操作表示装置は、各種ポンプの運転動作を選択する選択スイッチ、ポンプの作動状況を表示する液晶表示装置、あるいは故障を知らせる故障表示部などを備えて構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
給水ポンプユニットは、使用者の需要に応じてポンプの数が異なったり、操作方法が異なっていたりするため、給水ポンプユニットの仕様に対応した制御盤用操作表示装置が用いられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−307784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来は、給水ポンプユニットの仕様が異なるごとに新たに制御盤用操作表示装置を開発し、それぞれの仕様に合わせた制御盤用操作表示装置を別途製造していたので、手間とコストが大きくかかるとともに、重複した無駄な作業を行なうことがあった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決し、開発や製造にかかる手間及びコストを低減でき、無駄な作業の発生を抑えた制御盤用操作表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決し、目的を達成するため、制御盤用操作表示装置を次のように構成した。すなわち、1台又は複数台のポンプを制御するポンプ制御盤への入力操作が行われ、かつポンプ制御盤に関する表示を行う制御盤用操作表示装置において、ポンプの台数に依らず、操作内容に変更が生じない基本操作が行なわれる基本操作部及びポンプ制御盤に関する表示を行う表示部とを有する基本機能基板と、ポンプの台数に応じて操作内容に変更が生じる個別操作が行なわれる個別操作部を有し、ポンプの台数に対応して選択される個別機能基板と、基本機能基板と個別機能基板とを接続する接続部とを備えている。
【0008】
又、1台又は複数台のポンプを制御するポンプ制御盤への入力操作が行われ、かつポンプ制御盤に関する表示を行う制御盤用操作表示装置において、ポンプの台数に依らず、操作内容に変更が生じない基本操作が行なわれる基本操作部、ポンプ制御盤に関する表示を行う表示部及びポンプの最大台数分の表示器とが設けられるとともに、表裏を貫通する複数の開口部が形成された基本機能基板と、基本機能基板に着脱自在に、かつ、ポンプの台数に応じて選択的に取り付けられるとともに、ポンプの台数に応じて操作内容に変更が生じる個別操作が行なわれる個別操作部の一部が複数の開口部のうちポンプの台数に対応する開口部を介して基本機能基板の前面側に露出して設けられた個別機能基板と、基本機能基板の表面側に取り付けられ、開口部及び表示器の前面側を前記ポンプの台数に応じて閉塞する化粧ラベルと、基本機能基板と個別機能基板とを接続する接続部とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、開発や製造にかかる手間及びコストを低減でき、重複した無駄な作業の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態にかかる制御盤用操作表示装置を示す正面図。
【図2】同制御盤用操作表示装置を示す分解断面図。
【図3】同制御盤用操作表示装置の基本機能基板と個別機能基板とを組み付けるアッセンブリ用パネルを示す正面図。
【図4】同制御盤用操作表示装置の基本機能基板を示す正面図。
【図5】同制御盤用操作表示装置の受水槽流入弁操作部を示す正面図。
【図6】同制御盤用操作表示装置の他の運転故障表示部を示す正面図。
【図7】同制御盤用操作表示装置の他の運転故障表示部を示す正面図。
【図8】同制御盤用操作表示装置の運転選択スイッチ部の生基板を示す正面図。
【図9】同運転選択スイッチ部を示す正面図。
【図10】同運転選択スイッチ部の他の例を示す正面図。
【図11】同運転選択スイッチ部の他の例を示す正面図。
【図12】同制御盤用操作表示装置を示す分解断面図。
【図13】同制御盤用操作表示装置のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の一実施形態にかかる制御盤用操作表示装置10(10B)を示す正面図であり、図2は、制御盤用操作表示装置10を分解して示す側面図であり、図3は、基本機能基板12と個別機能基板とを組み付けるアッセンブリ用パネル14を示す正面図であり、図4は、基本機能基板12を示す正面図である。
【0012】
制御盤用操作表示装置10は、図1に示すように、給水ポンプユニットのポンプ制御盤Pに接続されている。給水ポンプユニットは、2台のポンプから構成されており、図1に示す制御盤用操作表示装置10は、ポンプ2台運転用の制御盤用操作表示装置10Bである。
【0013】
制御盤用操作表示装置10Bは、図1及び図2に示すように、基本機能基板12と、アッセンブリ用パネル14と、個別機能基板としての第2個別機能基板88と、第2化粧ラベル38Bと、制御装置102とを備え、それらが一体に取り付けられている。第2個別機能基板88は、ポンプ2台運転用の個別機能基板であり、第2化粧ラベル38Bは、ポンプ2台運転用に形成された化粧ラベル38である。第2化粧ラベル38Bは、アッセンブリ用パネル14の表面に貼り付けられている。
【0014】
制御盤用操作表示装置10Bを具体的に説明する。制御盤用操作表示装置10Bは、図1に示すように、数字を表示する7セグメントLED20と、電源表示リセットスイッチ部22と、表示器としての運転故障表示部24と、液晶表示装置26と、液面表示部28と、受水槽流入弁操作部30と、警報部32と、運転選択スイッチ部34と、メニュー操作部36とを備えている。これらは、制御盤用操作表示装置10の操作部、もしくは表示部として機能する。
【0015】
7セグメントLED20は、図1に示すように、7つのセグメントを有し、各セグメントの明滅で、ポンプの吐き出し揚程等の値を数字で表示する表示装置である。電源表示リセットスイッチ部22は、図1に示すように、電源のオンオフの状態を表示する表示部40と予備を表示する表示部41、及び故障などにより停止になった状態を解除させるリセットスイッチ42を有している。
【0016】
運転故障表示部24は、図1に示すように、ポンプが正常に運転しているときに点灯する表示部44と、故障したときに点灯する表示部45とを備えた表示部である。第2化粧ラベル38Bの運転故障表示部24には、図1に示す第2故障表示面25Bが用いられ、第2故障表示面25Bにより、給水ポンプユニットに設けられたポンプの台数である2台分の表示部44と表示部45が形成されている。
【0017】
液晶表示装置26は、ポンプ運転時およびメニュー操作時に必要な各種情報の数値や画像等各種表示内容を適宜必要に応じて、例えばバックライト付きのビットマップで表示を行う表示装置である。液面表示部28は、図2、及び図6に示すように、満水表示部47と、減水表示部48と、渇水表示部49の各表示部を有し、それぞれの表示部の点灯により水位を報知する。
【0018】
受水槽流入弁操作部30は、図1、及び図5に示すように、受水槽を選択する選択スイッチ50および選択スイッチ50で選択した受水槽を点灯で表示する表示部51及び表示部52を備えている。また受水槽流入弁操作部30は、流入弁の単独と交互と並列のいずれかを選択する弁選択スイッチ54及び弁選択スイッチ54で選択した内容を点灯で表示する表示部55と表示部56と表示部57とを備えている。
【0019】
更に受水槽流入弁操作部30は、流入弁の開と閉と自動のいずれかを選択する開閉選択スイッチ59及び開閉選択スイッチ59で選択した内容を点灯で表示する表示部60と表示部61と表示部62と、開状態の受水槽を点灯で表示する表示部63と表示部64とを備えている。警報部32は、異常発生を知らせる警報器であり、警報器の印を点灯で表示する表示部66とスイッチ67とを備えている。
【0020】
メニュー操作部36は、図1に示すように、メニューを呼び出すスイッチ92と、表示項目を変更させる上方キースイッチ94及び下方キースイッチ95と、内容項目を決定する決定キースイッチ96、及び戻るキースイッチ98とを備えて構成されている。
【0021】
以上述べた各機能は、制御盤用操作表示装置10の基本操作部にかかる基本機能である。各基本機能を実行させる部品類は、図2、及び図4に示す基本機能基板12上に実装してあり、基本機能基板12ごとアッセンブリ用パネル14に取り付けられている。
【0022】
基本機能基板12は、図4に示すように、各表示部40、41等に対応した位置に発光素子40c、41c等が設けてあり、各リセットスイッチ42や選択スイッチ50等に対応した位置にスイッチ素子42d、50d等がそれぞれ設けられている。なお、各表示部40、41等に対応した各発光素子40c、41c等、及び各リセットスイッチ42や選択スイッチ50等に対応した各スイッチ素子42d、50d等には、それぞれ対応した表示部やスイッチ等に付した符号と同一の符号の数字を用い、各数字の末尾にアルファベットを付して表示し、表示部40等に対応した各発光素子40c等、及び各リセットスイッチ42等に対応した各スイッチ素子42d等の個々の説明は省略する。
【0023】
アッセンブリ用パネル14は、例えば合成樹脂材等からなる板状部材であり、図3に示すように、各表示部40、41等に対応した位置に通孔40a、41a等が設けられている。又、アッセンブリ用パネル14には、リセットスイッチ42や選択スイッチ50等に対応した位置に弾性変形可能なレバー部42bやレバー部50b等がそれぞれ設けられている。なお、各通孔40a等や各レバー部42b等には、それぞれ対応した表示部やスイッチ等に付した符号と同一の符号の数字を用い、各数字の末尾にアルファベットを付して表示し、表示部40等に対応した各通孔40a等、及び各リセットスイッチ42等に対応した各レバー部42b等の個々の説明は省略する。
【0024】
したがって、アッセンブリ用パネル14の表面に第2化粧ラベル38Bを貼り付け、かつアッセンブリ用パネル14に基本機能基板12を取り付けると、基本機能基板12に設けられた発光素子40c等がそれぞれに対応する通孔40a等に一致し、又、基本機能基板12に設けられたスイッチ素子42d等がレバー部42b等に一致し、更にそれぞれが第2化粧ラベル38Bの印刷内容に対応し、表示部40等やリセットスイッチ42等が制御盤用操作表示装置10に形成される。
【0025】
更に、運転故障表示部24について説明する。運転故障表示部24を形成する発光素子44c及び発光素子45cは、基本機能基板12に最大ポンプ台数の3台分が図4に示すように予め形成されている。発光素子44c及び発光素子45cは、制御装置102(図1、図13参照)の制御により、適宜必要な発光素子44c等が点灯し、給水ポンプユニットに設けられていないポンプに関する発光素子44cは制御により点灯しないように制御している。
【0026】
仮に給水ポンプユニットのポンプが1台のときは、ポンプ1台用の第1化粧ラベル38Aがアッセンブリ用パネル14に貼り付けられる。第1化粧ラベル38Aの運転故障表示部24には、図6に示す第1故障表示面25Aが用いられる。又、給水ポンプユニットのポンプが3台のときは、ポンプ3台用の第3化粧ラベル38Cがアッセンブリ用パネル14に貼り付けられる。第3化粧ラベル38Cの運転故障表示部24には、図7に示す第3故障表示面25Cが用いられる。これにより、それぞれの台数に対応した運転故障表示部24が形成される。更に、給水ポンプユニットのポンプが3台以上の場合には、複数の制御盤用操作表示装置10C等を用いることで対応が可能である。
【0027】
次に、制御盤用操作表示装置10の個別機能について説明する。個別操作部としては、例えばアッセンブリ用パネル14の取付部35に取り付けられる運転選択スイッチ部34がある。運転選択スイッチ部34は、ポンプの運転動作と運転させるポンプを選択する運転選択スイッチであり、運転選択スイッチ部34が有する運転選択機能は、給水ポンプユニットが有するポンプの数により異なり、それ故個別機能となっている。
【0028】
アッセンブリ用パネル14及び基本機能基板12には、図3、及び図4に示すように、後述する運転選択スイッチ82を通す、開口部としての孔83a、83がそれぞれ5箇所に形成されている。
【0029】
図1に示す制御盤用操作表示装置10Bは、上述したように給水ポンプユニットが2台のポンプで構成されている場合に用いられるものであるので、運転選択スイッチ部34には、第2個別機能基板88が設けられ、動作選択スイッチ82Aとポンプ選択スイッチ82Bの2つのスイッチからなる運転選択スイッチ82を設けられている。
【0030】
第2個別機能基板88は、図8に示す生基板80に、図12に示す運転選択スイッチ82を取り付けて形成されている。生基板80は、図8に示すように、運転選択スイッチ82を取り付けるためのパターン84を5箇所に備えた基板である。運転選択スイッチ82は、図2や図12に示すようにスイッチ本体85と、つまみ87から構成されている。スイッチ本体85は、生基板80のいずれのパターン84にも取付可能で、スイッチ本体85の軸89につまみ87が嵌め合わされて、つまみ87で操作される。
【0031】
第2個別機能基板88は、生基板80にスイッチ本体85を、図8に示す生基板80の左右両側のパターン84の一つ内側に設けられた2つのパターン84のそれぞれに取り付けて形成されている。かかる第2個別機能基板88が、図2に示すようにアッセンブリ用パネル14に取り付けられる。
【0032】
制御盤用操作表示装置10Bの運転選択スイッチ部34には、第2化粧ラベル38Bの第2スイッチ表示面37Bが用いられている。第2スイッチ表示面37Bは、図1及び図10に示すように、向かって左側に運転状態を選択する表示内容が、同右側には、ポンプを選択する選択内容が表示されている。
【0033】
したがって制御盤用操作表示装置10Bには、図1及び図10に示すように、ポンプの運転動作を選択する動作選択スイッチ82Aと、運転させるポンプを選択するポンプ選択スイッチ82Bの2つのスイッチからなる運転選択スイッチ82が設けられる。図1及び図10には、運転選択スイッチ82としてつまみ87を示す。
【0034】
なお、給水ポンプユニットが2台のポンプで構成されている制御盤用操作表示装置10Bの場合、2台のポンプの双方を選択する選択肢を盛り込むために、第2個別機能基板88にポンプの動作を選択する動作選択スイッチ82Aとポンプを選択するポンプ選択スイッチ82Bを設けたが、2つのスイッチをともにそれぞれのポンプの動作を選択する動作選択スイッチ82Aとしてもよい。
【0035】
一方図9に、給水ポンプユニットが1台のポンプで構成されているときに用いられる制御盤用操作表示装置10Aの運転選択スイッチ部34を示す。この場合、アッセンブリ用パネル14には、第1化粧ラベル38Aが貼り付けられ、第1個別機能基板86が取り付けられている。第1化粧ラベル38Aは、運転選択スイッチ部34に第1スイッチ表示面37Aが用いられ、第1個別機能基板86は、生基板80の中央のパターン84に運転選択スイッチ82が1つ設けられている。したがって、給水ポンプユニットが1台のポンプで構成されている制御盤用操作表示装置10Aの運転選択スイッチ部34には、運転選択スイッチ82が1つ設けられる。
【0036】
又、図11に、給水ポンプユニットが3台のポンプで構成されているときに用いられる制御盤用操作表示装置10Cの運転選択スイッチ部34を示す。この場合、アッセンブリ用パネル14には、第3化粧ラベル38Cが貼り付けられ、第3個別機能基板90が取り付けられている。第3化粧ラベル38Cは、運転選択スイッチ部34に第3スイッチ表示面37Cが用いられ、第3個別機能基板90は、生基板80の左右両端と中央の3つのパターン84に運転選択スイッチ82が3つ設けられている。したがって、給水ポンプユニットが3台のポンプで構成されている制御盤用操作表示装置10Cの運転選択スイッチ部34には、3つの運転選択スイッチ82が均等に設けられる。
【0037】
アッセンブリ用パネル14に取り付けられた第2個別機能基板88は、基本機能基板12と、図2に示すように接続部としての接続コード91で接続される。図12に、接続コード91で第2個別機能基板88と基本機能基板12とを接続した状態を示す。接続コード91は、第1個別機能基板86、第2個別機能基板88、第3個別機能基板90のいずれとも接続可能で、仕様に応じてアッセンブリ用パネル14に取り付けられたそれらと基本機能基板12とを接続させる。
【0038】
更に基本機能基板12には、図13に示すように、上述した電源表示リセットスイッチ部22や受水槽流入弁操作部30や警報部32やメニュー操作部36等の入力部101の他、操作表示ポンプ制御用マイコン(マイクロコンピュータ)である制御装置102と、不揮発性メモリ(EEPROM)104と、設定用のディップスイッチ106と、汎用プロトコルであるModbus−RTUによってシリアル通信可能な通信ポート110やその他の通信プロトコルによってシリアル通信可能な通信ポート112を備え、それぞれにRJ−45コネクタ114、116を有している。
【0039】
このように構成した本実施形態にかかる制御盤用操作表示装置10の作用、及び効果について説明する。基本機能基板12は、上述したように第1個別機能基板86等の個別機能を除く基本機能にかかわる各部品を実装している。そして基本機能基板12をアッセンブリ用パネル14に取り付け、適宜複数個の基本基台15(図2参照。)を予め製造する。
【0040】
又、給水ポンプユニットの個別機能を実行する第1個別機能基板86と第2個別機能基板88と第3個別機能基板90のそれぞれについて、予め適当な数を製造する。
【0041】
そして、例えば2台のポンプを備えた仕様の給水ポンプユニットの注文があったとする。すると、まず最初に、アッセンブリ用パネル14に基本機能基板12を取り付けた基本基台15を用意し、その基本基台15に、仕様に適合した第2個別機能基板88をねじで、図2に示すように取り付ける。そして、第2個別機能基板88と基本機能基板12とを接続コード91で接続させる。次に、図12に示すようにアッセンブリ用パネル14の表面に、2台のポンプ用の第2化粧ラベル38Bを貼り付ける。
【0042】
これにより、制御盤用操作表示装置10Bには、基本的な制御機能が基本機能基板12により、そして仕様に適合した2台の運転選択スイッチ82が第2個別機能基板88により、又第2化粧ラベル38Bにより仕様に適合した表示部とが備えられる。したがって、2台のポンプの仕様に対応した制御盤用操作表示装置10Bを簡易に、少ない手間とコストで製造することができる。
【0043】
そして、例えばポンプが1台の仕様の給水ポンプユニットの注文があったときは、基本機能基板12は変わらず、基本基台15に第1個別機能基板86を取り付け、第1化粧ラベル38Aを基本基台15に貼り付ける。これにより、給水ポンプユニットが1台のポンプで構成されている場合の制御盤用操作表示装置10Aが構成される。
【0044】
更に、同様にポンプが3台の場合では、基本基台15に第3個別機能基板90を取り付け、第3化粧ラベル38Cを基本基台15に貼り付ける。これにより、給水ポンプユニットが3台のポンプで構成されている場合の制御盤用操作表示装置10Cが構成される。
【0045】
したがって、本実施形態にかかる制御盤用操作表示装置10は、ポンプユニットの仕様が異なるごとに異なる開発、製造を行う必要がなく、量産可能な基本基台15に、個別機能を有する個別機能基板を取り付けることにより、開発や製造にかかる手間及びコストを低減でき、重複した無駄な作業の発生を抑えることができる。
【0046】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば給水ポンプユニットのポンプの数は、3台までに限るものでない。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、給水ポンプユニットの制御盤用操作表示装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
10…制御盤用操作表示装置、12…基本機能基板、14…アッセンブリ用パネル、15…基本基台、20…7セグメントLED、22…電源表示リセットスイッチ部、24…運転故障表示部、26…液晶表示装置、28…液面表示部、30…受水槽流入弁操作部、32…警報部、34…運転選択スイッチ部、36…メニュー操作部、38…化粧ラベル、40、41、…表示部、42…リセットスイッチ、47…満水表示部、48…減水表示部、49…渇水表示部、50…選択スイッチ、54…弁選択スイッチ、59…開閉選択スイッチ、60、61…表示部、67…スイッチ、80…生基板、82…運転選択スイッチ、83…孔、86…第1個別機能基板、88…第2個別機能基板、90…第3個別機能基板、91…接続コード、92…スイッチ、94…上下キースイッチ、96…決定キースイッチ、98…キースイッチ、102…操作表示ポンプ制御用マイコン、104…不揮発性メモリ、106…ディップスイッチ、110、112…通信ポート、114、116…コネクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1台又は複数台のポンプを制御するポンプ制御盤への入力操作が行われ、かつ前記ポンプ制御盤に関する表示を行う制御盤用操作表示装置において、
前記ポンプの台数に依らず、操作内容に変更が生じない基本操作が行なわれる基本操作部及び前記ポンプ制御盤に関する表示を行う表示部とを有する基本機能基板と、
前記ポンプの台数に応じて操作内容に変更が生じる個別操作が行なわれる個別操作部を有し、前記ポンプの台数に対応して選択される個別機能基板と、
前記基本機能基板と前記個別機能基板とを接続する接続部とを備えていることを特徴とする制御盤用操作表示装置。
【請求項2】
前記基本機能基板には、数値を表示する7セグメントLED、電源の表示及びリセットを操作する電源表示リセットスイッチ部、運転の故障を表示する運転故障表示部、ポンプ運転時およびメニュー操作時に必要な各種情報を表示する液晶表示装置、水位を表示する液面表示部、受水槽の選択及び流入弁の操作を行う受水槽流入弁操作部、警報を行う警報部、メニューを選択決定するメニュー操作部が設けられ、
前記個別機能基板には、前記ポンプの台数に対応した、該ポンプの運転内容を入力する運転選択スイッチ部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の制御盤用操作表示装置。
【請求項3】
汎用プロトコルであるModbus−RTUによってシリアル通信可能な通信ポート及び前記Modbus−RTU以外の通信プロトコルによってシリアル通信可能な通信ポートと、前記操作部と前記表示部を制御するマイクロコンピュータからなる制御装置と、電源にかかわらず記憶内容を保持する不揮発性メモリと、設定用のディップスイッチと、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の制御盤用操作表示装置。
【請求項4】
前記ポンプの最大台数分の表示器と、
前記基本機能基板の表面側に取り付けられ、前記表示器の前面側を前記ポンプの台数に応じて閉塞する化粧ラベルとを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御盤用操作表示装置。
【請求項5】
前記基本機能基板は、前記基本操作部及び前記表示器を前面側に搭載するとともに、表裏を貫通する開口部を有し、
前記個別操作部が前記開口部を介して前記基本機能基板の前面側に露出していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御盤用操作表示装置。
【請求項6】
1台又は複数台のポンプを制御するポンプ制御盤への入力操作が行われ、かつ前記ポンプ制御盤に関する表示を行う制御盤用操作表示装置において、
前記ポンプの台数に依らず、操作内容に変更が生じない基本操作が行なわれる基本操作部、前記ポンプ制御盤に関する表示を行う表示部及び前記ポンプの最大台数分の表示器とが設けられるとともに、表裏を貫通する複数の開口部が形成された基本機能基板と、
前記基本機能基板に着脱自在に、かつ、ポンプの台数に応じて選択的に取り付けられるとともに、前記ポンプの台数に応じて操作内容に変更が生じる個別操作が行なわれる個別操作部の一部が前記複数の開口部のうち前記ポンプの台数に対応する開口部を介して前記基本機能基板の前面側に露出して設けられた個別機能基板と、
前記基本機能基板の表面側に取り付けられ、前記開口部及び前記表示器の前面側を前記ポンプの台数に応じて閉塞する化粧ラベルと、
前記基本機能基板と前記個別機能基板とを接続する接続部とを備えていることを特徴とする制御盤用操作表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−53549(P2013−53549A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191849(P2011−191849)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(502002407)川本電産株式会社 (8)
【Fターム(参考)】