制御装置、制御方法、及びプログラム
【課題】 TDMAとOFDMAとを組み合わせて用いる場合に、送受信を切り替えるときに生じるデッドタイムへ対処すると、チャネル間干渉が生じることがあった。
【解決手段】 制御装置は、データの送受信をする通信装置の指定を含む第1の割り当てを生成し、第1の割り当てにおいて、同一のサブキャリアの連続する時間スロットで送信と受信とが切り替わる通信装置が存在する場合、当該連続する時間スロットの間にガードタイムを挿入し、第1の割り当てにおける所定の周波数の範囲内に含まれ、データの送信期間の少なくとも一部が重複し、データの送信を開始するタイミングの差が所定値より大きい時間スロットを有する2つのサブキャリアを検出し、検出された2つのサブキャリアにおいて、時間スロットの送信の開始のタイミングの差を所定値以下とするガードタイムを挿入して時間スロットの送信の開始のタイミングを調節する。
【解決手段】 制御装置は、データの送受信をする通信装置の指定を含む第1の割り当てを生成し、第1の割り当てにおいて、同一のサブキャリアの連続する時間スロットで送信と受信とが切り替わる通信装置が存在する場合、当該連続する時間スロットの間にガードタイムを挿入し、第1の割り当てにおける所定の周波数の範囲内に含まれ、データの送信期間の少なくとも一部が重複し、データの送信を開始するタイミングの差が所定値より大きい時間スロットを有する2つのサブキャリアを検出し、検出された2つのサブキャリアにおいて、時間スロットの送信の開始のタイミングの差を所定値以下とするガードタイムを挿入して時間スロットの送信の開始のタイミングを調節する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はTDMA及びOFDMAを組み合わせて用いる通信における、チャネル間の干渉を抑制する制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文字情報や映像、音楽等のマルチメディアデータを伝送する通信システムは、マルチメディアの高品質化、通信機器の増加に伴い、今後も更なる高速性が求められると予想される。高速伝送を行う上で用いられる変復調技術の1つにOFDM(直交周波数分割多重)がある。OFDMは周波数軸上で直交する多数のサブキャリアを用いて多重化する方式である。この直交性により高い周波数利用効率を得る事ができ、また伝搬特性に優れた特性を持つことから、地上波デジタル放送、無線LAN、電力線搬送通信などといった高速伝送が必要とされる通信システムに採用されている。
【0003】
またOFDMを用いた多元接続方式としてOFDMA(直交周波数分割多元接続)がある。OFDMAとは、多数のノードがサブキャリアを共有し、ノード毎に伝送効率の良いサブキャリアを割り当てることで多元接続を実現する技術である。OFDMAはシステム全体で周波数利用効率を向上できる利点があり、高速無線通信規格の1つであるWiMAXで採用されている。
【0004】
OFDMAでは使用帯域内にある全サブキャリアを複数のグループ(以下、チャネル)に分割し、各ノードに割り当てる。このとき隣接するチャネル間でOFDMシンボルの直交性が崩れると、チャネル間干渉が発生し、互いの通信品質に影響を及ぼす。チャネル間干渉は、隣接するチャネル間にガードバンドを設けることで抑制することができる。しかし、ガードバンドを設けることで、信号中に情報を送信しない冗長な帯域を持つことになり、周波数利用効率が低下してしまう。またガードバンドの帯域幅を狭くすれば、チャネル間干渉を抑制するために、急峻なフィルタを送信側に設ける必要が生じる。
【0005】
チャネル間干渉を抑制する従来技術として特許文献1及び特許文献2がある。特許文献1では、1つのOFDMシンボルの長さ(以下、OFDMシンボル長)をノードに関わらず同一とし、且つOFDMシンボルの伝送の開始時間を同期させることでチャネル間干渉を抑制する通信方法について開示されている。また特許文献2では、異なる長さのガードインターバルが必要となるデータを同時に出力する場合、最長のガードインターバルにあわせることでOFDMシンボル長を均一にし、チャネル間干渉を抑制する通信方法について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−023409号公報
【特許文献2】特開2007−221277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
TDMA(時分割多元接続)とOFDMAとを組み合わせて用いる通信システムでは、時間スロットの割当に応じて送信ノードの切り替えが生じる。この際、各ノードが共通なモジュールを用いて送受信動作を行う場合、受信動作の直後に送信動作を行うことができず、データの受信と送信とを切り換えるために必要な時間(以下、デッドタイム)が生じる。例えば、各ノードにおいて、送信におけるIFFT部と、受信におけるFFT部とを共通とする場合に、このようなことが起こる。このため、デッドタイムが生じるような時間スロットの割当がなされた場合は、そのデッドタイムに対応するため、ガードタイムを挿入する必要がある。しかしながら、あるチャネルでデッドタイムへの対応のためにガードタイムを挿入すると、隣接するチャネル間のOFDMシンボルの直交性が崩れることがあるという課題があった。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、デッドタイムへ対処しながら、チャネル間干渉を抑制することができる制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明による制御装置は、 OFDM信号のサブキャリアと時間スロットとの複数の通信装置への割り当てを行う制御装置であって、前記サブキャリアと時間スロットについて、データを送信する通信装置および受信する通信装置の指定を含む第1の割り当てを生成する生成手段と、前記第1の割り当てにおいて、同一のサブキャリアの連続する時間スロットにおいて、送信と受信とが切り替わる前記通信装置が存在する場合、当該サブキャリアの当該連続する時間スロットの間にガードタイムを挿入する挿入手段と、前記第1の割り当てにおいて、所定の周波数の範囲内に含まれ、データの送信期間の少なくとも一部が重複し、データの送信を開始するタイミングの差が所定値より大きい時間スロットを有する2つのサブキャリアを検出する検出手段と、前記検出手段において検出された前記2つのサブキャリアにおいて、前記時間スロットの送信の開始のタイミングの差を前記所定値以下とするガードタイムを挿入して前記時間スロットの送信の開始のタイミングを同期させる同期手段と、ガードタイムを挿入した後の前記サブキャリアと前記時間スロットの第2の割り当てを前記複数の通信装置へ送信する送信手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、TDMAとOFDMAとを組み合わせて用いる場合に、送受信を切り替えるときに生じるデッドタイムへ対処しながら、同時にチャネル間干渉を抑制する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】通信システムの構成例を表す図。
【図2】コントローラノードの機能構成例を示すブロック図。
【図3】OFDM変調部の機能構成例を示すブロック図。
【図4】コントローラノードのOFDM復調部の機能構成例を示すブロック図。
【図5】一次MAPデータの一例。
【図6】MAPデータ生成部が行う処理を説明するフローチャート。
【図7】MAPデータ生成部の処理を説明するためのテーブル図。
【図8】MAPデータの一例。
【図9】一次MAPデータの一例。
【図10】MAPデータの一例。
【図11】ネットワークカメラノードのブロック図。
【図12】ネットワークカメラノードのOFDM復調部の機能構成例を示すブロック図。
【図13】第1のフレーム構成例。
【図14】第2のフレーム構成例。
【図15】OFDMAのチャネル構成を説明する図。
【図16】チャネル間干渉が生じるフレーム構成の例を示す図。
【図17】チャネル間干渉について説明する図。
【図18】本発明の課題を説明するフレーム構成図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
<<実施形態1>>
図1は本実施形態に係る通信システムを示す概略図である。この通信システムは、ネットワークカメラを制御するコントローラノード4(以下、「コントローラ」とする)と、ノード1からノード3の3台のネットワークカメラノードから構成されており、全ノードは通信路5を介して物理的にバスで接続されている。コントローラ4はノード1〜ノード3に対して、通信制御や動作制御などの制御を行う制御装置である。ノード1〜ノード3はコントローラ4の制御に従い、自身が撮影した映像データを随時、コントローラ4に送信する通信装置である。なお、本実施形態においては、1つの制御装置と3つの通信装置とを含むがこれに限られず、1つの制御装置と1つ以上の通信装置が存在する通信システムであってもよい。また、複数の通信装置を含む通信システムで、当該複数の通信装置のうち1つが制御装置としての役割を果たしてもよい。
【0014】
本実施形態における通信システムでは使用する周波数帯域を4つに分割し、それぞれの分割された周波数帯域をチャネル0からチャネル3と呼ぶ。そして、それぞれのチャネルは下記の目的で使用されるものとする。
【0015】
チャネル0:映像データ以外のデータ伝送用チャネル
チャネル1:ノード1が撮影した映像データ伝送用チャネル
チャネル2:ノード2が撮影した映像データ伝送用チャネル
チャネル3:ノード3が撮影した映像データ伝送用チャネル
上記のように、チャネル1からチャネル3は、各ノードからコントローラ4へのデータ送信専用の周波数帯域であり、チャネル0は、各ノードとコントローラ4の間で互いに通信を行う周波数帯域である。このため、チャネル0では、コントローラ4へのデータの送信をするアップストリームと、コントローラからデータの送信をするダウンストリームが混在することとなり、デッドタイムが発生する。なお本実施形態においては、デッドタイムはOFDMシンボル長以下であるものとする。
【0016】
チャネル0〜チャネル3に含まれるサブキャリアは、図15に示すように、各チャネル間も含めて等周波数間隔に配置されている。また、説明を簡単にするため、チャネル0〜チャネル3は、それぞれ隣接するチャネル以外とはチャネル間干渉は生じないものとする。つまり、例えばチャネル1の周波数帯域幅が十分に広い場合などで、チャネル0とチャネル2の間でOFDMシンボルの直交性が崩れたとしても、これらのチャネル間で生じるチャネル間干渉は、互いの通信品質に影響を及ぼさないものとする。チャネル1とチャネル3との関係など、他のチャネルについても同様とする。
【0017】
以下に、上記の通信システムを前提として本実施形態を説明する。ただし本実施形態はこの通信システムに限定されず、TDMAとOFDMAとを組み合わせて用いる全ての通信システムに適用できる。
【0018】
(コントローラノードの構成)
図2は図1のコントローラ4の機能構成の一例を示すブロック図である。以下、各ブロックについて説明する。OFDM変調部6は、入力されるデータ列に対しOFDM変調を施し、チャネル0でデータを搬送するように周波数変換を施してドライバ7へ出力する。ドライバ7は、入力されたOFDM信号を通信路5へ出力する。
【0019】
図3にOFDM変調部6の構成例を示す。OFDM変調部6は、例えば、符号化部301、シンボルマップ部302、直列並列変換部303、IFFT部304、GI付加部305、波形整形部306、DA変換部307、周波数変換部308を含む。なお、ここでIFFTは逆フーリエ変換、GIはガードインターバル(またはサイクリック・プレフィックス)を表し、DA変換とはデジタル信号をアナログ信号へ変換することを指す。
【0020】
符号化部301は入力されるデータ列に対し、誤り訂正符号化処理やインタリーブ処理等を施し、シンボルマップ部302へ出力する。シンボルマップ部302は入力されるデータ列にデジタル変調を施し、例えば同相成分と直交成分とからなる平面上のシンボルへ入力データをマップする。マップされたデータは直列並列変換部303において直列データから並列データへ変換され、IFFT部304へ出力される。IFFT部304は入力された並列データに対してIFFT処理を施し、IFFT処理後の時間領域のデータをGI付加部305へ出力する。GI付加部305は入力されたデータにガードインターバルを付加して波形整形部306へ出力する。波形整形部306は、入力されたデータに対してフィルタ処理等を施して波形を整形しDA変換部307へ出力する。DA変換部307は入力されたデータをデジタル信号からアナログ信号へ変換し周波数変換部308へ出力する。周波数変換部308は、チャネル0用クロック17からのクロック信号100を用いて、入力されたアナログ信号に直交変調処理を施す。この処理により入力されたアナログ信号はベースバンド信号からチャネル0の周波数帯域の信号へ変換される。そして周波数変換部308は、生成したOFDM信号をドライバ7へ出力する。
【0021】
レシーバ8は、他ノードからの信号を受信し、チャネル0用フィルタ9、チャネル1用フィルタ10、チャネル2用フィルタ11、チャネル3用フィルタ12に出力する。チャネル0用フィルタ9は入力された信号に対し、チャネル0の周波数帯域外の信号を遮断し、チャネル0の周波数帯域内の信号成分をOFDM復調部13へ出力する。同様に、チャネル1用フィルタ10、チャネル2用フィルタ11、及びチャネル3用フィルタ12は、信号から、それぞれに対応するチャネルの周波数帯域の成分を抽出してOFDM復調部14〜16へ出力する。OFDM復調部13〜16は入力されるOFDM信号に対して、それぞれに対応した周波数変換とOFDM復調を施してデータ列を復元してデータ処理部25へ出力する。
【0022】
図4にOFDM復調部13〜16の構成例を示す。OFDM復調部13〜16は、例えば、周波数変換部401、AD変換部402、波形整形部403、GI除去部404、FFT部405、並列直列変換部406、デマップ部407、復号化部408を含む。以下、各ブロックについて説明する。
【0023】
周波数変換部401は、入力されたOFDM信号の中心周波数を変換し、変換後の信号をAD変換部402へ出力する。ここでOFDM復調部13の周波数変換部401は、チャネル0用クロック17からのクロック信号100を用いて周波数変換を実行する。同様に、OFDM復調部14の周波数変換部401はチャネル1用クロック18からのクロック信号101を用いて周波数変換を実行する。また、OFDM復調部15の周波数変換部401はチャネル2用クロック19からのクロック信号102を用いて周波数変換を実行する。OFDM復調部16の周波数変換部401は、チャネル3用クロック20からのクロック信号103を用いて周波数変換を実行する。この処理によりOFDM復調部13〜16のそれぞれの周波数変換部401は、チャネル0〜チャネル3で搬送されるOFDM信号をそれぞれベースバンド信号に変換する。
【0024】
AD変換部402は入力されたベースバンド信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換し波形整形部403へ出力する。波形整形部403は、入力された信号に対し、ダウンサンプリング処理やフィルタ処理を施して波形を整形し、波形整形後の信号をGI除去部404へ出力する。GI除去部404は、後述する送受信制御部27からの有効シンボル抽出指示を含む制御信号を受信し、データ列から有効シンボルを抽出してFFT部405へ出力する。なお、GI除去部404は、有効シンボル抽出指示に基づいて後述するガードタイムをも除去する。FFT部405は、入力された有効シンボルに対してFFT処理を施し、並列直列変換部406へ出力する。並列直列変換部406は、入力された信号を並列から直列に変換し、デマップ部407へ出力する。デマップ部407は、入力されたデータ列に対してデジタル復調を施し、例えば信号の同相成分と直交成分とからデータ列を抽出し、復号化部408に出力する。復号化部408は入力されたデータ列に対し、誤り復号化処理やデインタリーブ処理を施し、データ処理部25へ出力する。
【0025】
図2に戻り、一次MAPデータ生成部21は、例えばノード1〜ノード3からの帯域要求に応じて一次MAPデータを生成し、MAPデータ生成部22へ出力する。一次MAPデータとは、フレーム構成(時間スロット構成)の第1の割り当てを特定するテーブルであり、データを送信または受信するノード、送信タイミング、及び使用するチャネルが指定される。ただし、一次MAPデータに含まれるテーブルは、デッドタイムの発生についてはまだ考慮されておらず、理想的に送受信ができる場合の理想的なフレーム構成が指定された仮のテーブルである。
【0026】
図5に一次MAPデータの例を示す。一次MAPデータでは、チャネル毎に、送信を行うカウント値、送信を行うノード、受信を行うノード、データ種別が指定される。カウント値は、後述するカウンタ26が出力するカウント値に対応する。一次MAPデータでは、例えば『チャネル0において、カウント値0の時にコントローラ4が全ノード(ノード1〜3)へ同期データを送信する』という動作が指定されている。このテーブルに使用されるNは、GIを含むOFDMシンボル長(単位はカウント数)を示す。またMは1フレーム、1チャネルに含むことができるOFDMシンボルの最大個数を示す。すなわちM×Nカウントが1フレームの長さとなる。なお図5のテーブルの例では、カウント値0〜M×N−1の間、チャネル1〜チャネル3の映像データは途切れることなく連続的に伝送されているものとする。
【0027】
MAPデータ生成部22は一次MAPデータ生成部21から入力される一次MAPデータから、連続した時間スロットにおいて、送信から受信または受信から送信に切り替わるノードが存在する箇所を検出する。そして一次MAPデータにガードタイム情報を付加した第2の割り当てを特定するテーブル(以下、MAPデータ)を作成する。MAPデータの作成の動作についての詳細は後述する。MAPデータ生成部22は、後述する送受信制御部27からの出力指示108に応じて、生成したMAPデータをOFDM変調部6や送受信制御部27へ出力する。
【0028】
コントロールデータ生成部23は、ノード1〜ノード3を制御するためのデータ(以下、コントロールデータ)を生成する。コントロールデータとは例えば、ノード1〜ノード3の撮像装置のズームやパン、チルト動作を指示する命令である。なお、コントロールデータ生成部23は、後述する送受信制御部27からの出力指示109に応じて生成したコントロールデータをOFDM変調部6へ出力する。同期データ生成部24は、コントローラ4とノード1〜ノード3との間で同期を取るために規定されたデータ列である同期データを生成する。なお同期データ生成部24は、後述する送受信制御部27からの出力指示110に応じて、生成した同期データをOFDM変調部6へ出力する。データ処理部25は、入力されたデータ列の処理を行う。例えば映像データのデコード処理や、帯域要求の判断、ACK判定を行う。カウンタ26は、内部クロック(不図示)をカウントし、そのカウント値を送受信制御部27へ出力する。またフレームの先頭でカウント値をリセットする。
【0029】
送受信制御部27は、MAPデータ生成部22から入力されるMAPデータを解析し、MAPデータに記述されたフレーム構成に基づいて、カウンタからのカウント値を基準にして各ブロックの動作制御を行う。具体的には、MAPデータ生成部22、コントロールデータ生成部23、同期データ生成部24への出力指示108〜110や、OFDM復調部13〜16のGI除去部404へ有効シンボル抽出指示104〜107を出力する。
【0030】
以上のようにコントローラ4はMAPデータの生成を行い、MAPデータに記述されたフレーム構成で送受信がされるようにする。またコントローラ4は、生成したMAPデータをノード1〜ノード3へ送信する。
【0031】
(ネットワークカメラノードの構成)
続いて、ノード1の構成について説明する。図11は、ノード1の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、コントローラ4と同様の動作をするブロックについては、図2と同様の番号を使用し、説明を省略する。
【0032】
OFDM変調部6及び40は、入力されるデータ列に対しOFDM変調と、それぞれチャネル0及びチャネル1でデータを送信するように周波数変換を施してドライバ7へ出力する。OFDM変調部6及び40の構成は、コントローラ4のOFDM変調部6と同様である。ただし、OFDM変調部40の周波数変換部308は、チャネル1用クロック18からのクロック信号101を用いて周波数変換処理を実行する。この処理により、入力されたデータ列からチャネル1の周波数帯域のOFDM信号が出力される。ドライバ7、レシーバ8、チャネル0用フィルタ9はコントローラ4と同様であるため、説明については省略する。
【0033】
OFDM復調部41は、入力されたOFDMシンボルに対して周波数変換及びOFDM復調を施し、デマルチプレクサ42へ出力する。図12は、OFDM復調部41の構成ブロック図である。OFDM復調部41は、図4の構成に加えて、AD変換部402からの出力を入力とする同期部409を備える。同期部409は、コントローラ4から1フレーム毎に送信される同期データを検出してフレーム同期を確立する。
【0034】
デマルチプレクサ42は、入力されたデータ列に対してデータ種別を判定し、MAPデータは送受信制御部27へ、MAPデータ以外はデータ処理部45へ出力する。映像データ生成部43は、撮影した映像のエンコード処理等を施して映像データを生成する。なお映像データ生成部43は、後述する送受信制御部46からの出力指示112に応じて、生成した映像データをOFDM変調部40へ出力する。
【0035】
ノードデータ生成部44は、例えばコントローラ4に対する確認応答信号(ACK信号)や、自身に関する情報(撮像装置の回転角や位置に関する情報や故障判断等)、帯域要求等のデータ(以下、ノードデータ)を生成する。なおノードデータ生成部44は、後述する送受信制御部46からの出力指示113に応じて、生成したノードデータをOFDM変調部40へ出力する。データ処理部45は、コントローラ4から受信したデータ列に応じた処理を行う。例えば命令解析や、受信エラー判定を行う。
【0036】
カウンタ26は、内部クロック(不図示)をカウントし、そのカウント値を送受信制御部46へ出力する。またフレームの先頭でカウント値をリセットする。ここで内部クロックは、コントローラ4の内部クロックと同期しているか、周波数誤差は十分小さいものとする。またカウント値のリセットは、例えば同期部409のフレーム同期の検出に応じて行う。
【0037】
送受信制御部46は、デマルチプレクサ42から入力されるMAPデータを解析し、そのMAPデータに記述されているフレーム構成にしたがって、カウンタ26からのカウント値を基準にして、各ブロックの動作を制御する。具体的にはノードデータ生成部44、映像データ生成部43への出力指示112、113や、OFDM復調部41のGI除去部404へのタイミング指示111を出力する。
【0038】
以上のように、ノード1はコントローラ4からMAPデータを受信し、そのMAPデータに記述されたフレーム構成にしたがって送受信動作を行う。ノード2及びノード3の構成は上記したノード1の構成と同様である。差異は周波数変換に使用するクロック周波数のみである。ノード2の場合、図11のチャネル1用クロック18はチャネル2用クロック19に、ノード3の場合、図11のチャネル1用クロック18はチャネル3用クロック20に置き換わる。これによりノード2の映像データはチャネル2を、ノード3の映像データはチャネル3を用いてコントローラに送信される。
【0039】
(MAPデータ生成処理)
図6のフローチャートを用いて、コントローラ4のMAPデータ生成部22におけるMAPデータの生成処理の詳細について説明する。なお、図6のフローチャートにおいて、Tとはガードタイムを挿入すべき箇所を検出するための変数である。まず、MAPデータ生成部22が内部に保持する更新テーブルに一次MAPデータをコピーする(S1)。そして、更新テーブルの中から一番小さなカウント値を検索し、その値をTに代入する(S2)。続いて、Tが、送信に使える最大のカウント値以下であるか、すなわち(M−1)×N以下であるか否かを判定する(S3)。Tが(M−1)×N以下である場合(S3でYes)はS4に処理を進め、(M−1)×Nを超えている場合(S3でNo)は処理を終了する。
【0040】
S4では、MAPデータ生成部22が更新テーブル内のカウント値Tを有するチャネルに干渉チャネルが存在するか否かを判定する。ここで干渉チャネルとは、カウント値Tから始まるOFDMシンボルを送信した場合に、チャネル間干渉が生じうる隣接するチャネルである。隣接チャネル間でシンボルの受信タイミングが直交性を担保できない程度にずれている場合、干渉チャネルが存在することとなる。一般に、OFDM信号では、1つのOFDMシンボル内でのみ直交性が担保されており、複数のシンボルに跨ってFFT処理を実行すると直交性が崩れて隣接するチャネルへの干渉が発生する。このため、受信器においてFFT処理を実行する時間区間の中において、隣接チャネルの2つのシンボル間の継ぎ目があるとチャネル間干渉を受けることとなる。すなわち、このような場合に、干渉チャネルが存在することとなる。
【0041】
干渉チャネルが存在するか否かの判定は、変数Tと、隣接チャネルにおけるカウント値とを比較することにより実行することができる。具体的には、まず、カウント値がTのチャネルの隣接チャネルにおいて、Tより後のカウント値の中から最小のカウント値を抽出する。抽出された値をUとすると、UとTとの差分がOFDMシンボル長であるN未満の場合、干渉チャネルが存在することとなる。すなわち、データの送信期間の少なくとも一部が重複する2つのサブキャリアにおける2つの時間スロットにおいて、送信の開始タイミングがずれているか否かを判定し、ずれていれば、干渉チャネルが存在すると判定する。そして、判定の結果、干渉チャネルが存在しない場合(S4でNo)は処理をS7に進め、干渉チャネルが存在する場合(S4でYes)は処理をS5に進める。
【0042】
S5では、まず上述のUを抽出する。そして、干渉チャネルが存在するチャネルについて、カウント値Tにおいて時間長U−Tのガードタイムを挿入する(S6)。すなわち、隣接チャネルの送信タイミングと一致するように、更新テーブル上で干渉チャネルが存在するチャネルの送信タイミングを調節し、チャネル間干渉が起こらないようにする。そして、ガードタイムを反映させたテーブルを作成し、そのテーブルを更新テーブルに上書きする。その後、処理をS9へ進める。
【0043】
なお、上述の説明では、隣接チャネル間でOFDMシンボルが送信されるタイミングが一致しているか否かで干渉チャネルがあるか否かを判定するが、これに限られない。例えば、送信タイミングのずれが、ガードインターバルでチャネル間干渉を吸収できる程度のずれである場合、送信タイミングが不一致であっても干渉チャネルとならないと判定してもよい。この場合、送信タイミングの差がガードインターバルでチャネル間干渉を吸収できる範囲であるか否か、すなわち、当該差が所定値以下であるか否かを判定する。そして、送信タイミングの差が所定値より大きいと判定された場合は、S5及びS6においても、ガードタイムを挿入することにより、送信タイミングの差が所定値以下となるように送信タイミングを調節する。なお、この場合でも、挿入するガードタイムの長さについては、上述のU−Tにより計算してもよい。
【0044】
MAPデータ生成部22は、S7において更新テーブル内のカウント値Tの前後の時間スロットにおいて、送信と受信とが切り替わるノードが存在するか否か、すなわち、デッドタイムの発生が予定されるノードが存在するか否かを判定する。そして、デッドタイムの発生が予定される場合はS8へ、予定されなければS9へ処理を進める。S8では、デッドタイムの発生が予定され、ガードタイムの挿入を必要とするチャネルについて、カウント値Tに時間長α(単位はカウント数)のガードタイムを挿入する。そして、ガードタイムを挿入したテーブルを作成し、そのテーブルを更新テーブルに上書きする。その後、処理をS9へ進める。ここでαは、受信動作から送信動作への切り換え、又は送信動作から受信動作への切り換えに必要となるデッドタイム以上の十分な時間である。
【0045】
MAPデータ生成部22は、S9において、更新テーブル内でTより大きいカウント値が存在するか否かを判定する。そのようなカウント値が存在する場合はS10へ処理を進め、存在しない場合は処理を終了する。S10では、Tの次に小さいカウント値を新たなTとして、S3へ処理を戻す。
【0046】
図6のフローチャートに示した処理を、図5の一次MAPデータに適用した場合を例として用いて具体的に説明する。ここで図5の一次MAPデータでは、チャネル0のカウント値3N及び4Nにおいて、コントローラ4が送信から受信へ、及び受信から送信への切り替えが予定されており、デッドタイムが発生すると考えられる。
【0047】
MAPデータ生成部22は、図5に示す一次MAPデータを受信すると、まず当該一次MAPデータを更新テーブルにコピーする(S1)。そして、MAPデータ生成部22は、更新テーブル中で一番小さなカウント値を検索し、最小のカウント値「0」をTに代入する(S2)。ここで、Tは0であり(M−1)×N以下であるため(S3でYes)、続いて干渉チャネルが存在するか否かを判定する(S4)。カウント値「0」においては、全てのチャネルにおいて送信タイミングが合っているため、直交性が崩れて受信されるチャネルはない。このため、干渉チャネルが存在しないと判定し(S4でNo)、処理をS7へ進める。S7では、カウント値「0」では、その前に信号の送受信をしたノードが存在しないため、受信動作の直後に送信動作に切り替わるノードも存在しない(S7でNo)。このため、処理をS9へ進め、カウント値「0」より大きいカウント値が更新テーブル中に存在するか否かを判定する。カウント値「0」より大きいカウント値が更新テーブル内に存在するため、Tより大きいカウント値の中で最小の値であるNをTに代入し(S10)、処理をS3へ戻す。T=N、2Nの時は、上記と同様の処理が繰り返される。
【0048】
カウント値3Nでは、受信から送信に切り替わるノードが存在するため、MAPデータ生成部22は、デッドタイムの発生が予定されることを検知する(S7でYes)。このため、デッドタイムが発生すると考えられるチャネル0について、カウント値3Nにおいて時間長αのガードタイムを挿入する(S8)。そして、それを反映してテーブルを作成し、更新テーブルに上書きする。この時点における更新テーブルを図7に示す。チャネル0においては、カウント値3Nにおいてガードタイムαが挿入されるため、カウント値4N以降もガードタイムα分だけ時間シフトする。続いて、S9に移り、カウント値3Nより大きいカウント値が存在するため(S9でYes)、次に小さいカウント値として、3N+αをTに代入して(S10)、処理をS3へ戻す。
【0049】
カウント値3N+αは(M−1)×N以下であるため(S3でYes)、干渉チャネルが存在するか否かを判定する(S4)。カウント値3N+αでは、チャネル0に対してチャネル1が干渉チャネルとなるため(S4でYes)、S5に進む。S5では、まず、干渉チャネルにおけるカウント値のうち、カウント値3N+αより後のカウント値の最小値Uを抽出する。この場合、干渉チャネル(すなわちチャネル1)において、3N+αより後のカウント値で最小の値は4Nであるため、Uは4Nとなる。そして、U−Tを算出し、その長さのガードタイムを挿入する。この場合、4N−(3N+α)=N−αの長さのガードタイムを挿入する(S6)。この結果、トータルで長さNのガードタイムが挿入されることとなり、チャネル0における次のカウント値はU、すなわち4Nと一致する。そして、これを反映したテーブルを作成し、更新テーブルに上書きする。
【0050】
全てのフローが終了した後の更新テーブルを図8に示す。図8の中で、Gはガードタイムの挿入数である。またDはガードタイムの挿入により、1フレーム区間外となる時間区間である。このDの時間区間分のテーブルを削除したものがMAPデータとなる。MAPデータ生成部22は、Dの情報を一次MAPデータ生成部21にフィードバックし、一次MAPデータ生成部21はこの情報を用いて次回の一次MAPデータを生成してもよい。
【0051】
一次MAPデータが図9に示すテーブルであった場合、生成されるMAPデータは図10となる。図9のテーブルでは、チャネル1は、カウント値6Nまで無信号であり、それ以降は映像データが連続的に伝送される。このテーブルの例の場合、チャネル0において、カウント値3Nでデッドタイムの発生が予想されるため、ガードタイムαが挿入される(図6のS7でYes、S8)。しかし、カウント値3N+αでは、チャネル1が無信号状態であることから、チャネル0においてチャネル間干渉が発生せず(S4でNo)、S6におけるガードタイムの挿入は行われない。その後、チャネル0においては、カウント値4N+αで再度デッドタイムの発生が予想されるため、ガードタイムαが挿入される。しかしながら、これについても、カウント値4N+2αでの送信において、チャネル0には干渉チャネルが存在しないため(S4でNo)、S6でのガードタイムの挿入は行われない。そして、カウント値5N+2αにおいては、カウント値6Nから開始されるチャネル1の信号送信によって、干渉チャネルが存在することとなるため(S4でYes)、ガードタイムの挿入が行われることとなる。この場合、Uは6Nであるから、6N−(5N+2α)=N−2αの長さのガードタイムが挿入される。
【0052】
ここで、図16、図17及び図18を用いてチャネル間干渉について説明する。図16はチャネル間干渉が生じるフレーム構成例である。図16(A)の例では、チャネル0とチャネル1のOFDMシンボルの伝送開始時刻がずれている。この場合に、例えばチャネル1で伝送された信号を受信するノードが、OFDMシンボルを復調するために期間t0からt1の時間信号を取り出してFFT処理を実行する。すると、当該時間区間(以下「FFT窓」という)において、チャネル0では、2つのOFDMシンボルの境界が含まれるため周波数領域における直交性が崩れる。そして、その結果、チャネル1へのチャネル間干渉が出現する。また、チャネル1とチャネル0におけるOFDMシンボル長が異なる図16(B)の場合も、図16(A)と同様に、FFT窓(t0からt1)においてチャネル0でシンボルの境界が含まれることとなるため、チャネル間干渉が生じる。
【0053】
図17(A)は、チャネル間干渉が発生する場合の信号スペクトルを示したものである。図のように、チャネル0では、シンボル間の境界を含むFFT窓でFFT処理を実行したため、直交性が崩れ、さらにシンボルの不連続性によりサイドローブが発生する。このため、チャネル0のサイドローブがチャネル1のメインローブと干渉し、チャネル1の通信品質を劣化させる。これに対し、図17(B)に示すように、隣接するチャネル間にガードバンドを設けることによりチャネル間干渉を抑制することができるが、ガードバンドという冗長な帯域を持つこととなり周波数利用効率が劣化する。
【0054】
図18(A)に図示するように、シンボル長を各チャネルで等しくし、時間同期を確保したフレーム構成にすることで、ガードバンドを設けることなくチャネル間干渉を抑制することができる。しかし送受信切換時のデッドタイムへの対応のためにデッドタイムが発生するチャネルにおいて任意のガードタイム(GT)を挿入すると、図18(B)に示すようにOFDMシンボル間の直交性が崩れ、チャネル間干渉が生じる。
【0055】
これに対し、本実施形態では、MAPデータ生成部22が、入力された一次MAPデータに基づいて、デッドタイムとチャネル間干渉を考慮してガードタイムを挿入したMAPデータを生成する。これにより、デッドタイムへの対応のためのガードタイムを確保しながら、チャネル間の直交性が崩れることを防ぎ、チャネル間干渉の発生を抑制することができる。
【0056】
(フレーム構成)
本実施形態におけるMAPデータ生成処理を実行した場合の、送信信号のフレーム構成を図13及び図14に示す。図13は図8のMAPデータを用いたフレーム構成であり、図14は図10のMAPデータを用いたフレーム構成である。
【0057】
図13のフレームでは、上述のようにチャネル1〜チャネル3の映像データは、カウント値0〜M×N−1(フレーム終端)まで連続的に伝送されている。このような場合、チャネル0に挿入されるガードタイムは、OFDMシンボル長と同一の長さに設定される。つまり、ガードタイムを挿入するチャネルに干渉チャネル(この場合はチャネル0)が存在する場合は、挿入するガードタイムの時間長をOFDMシンボル長と同一に設定される。このようなフレーム構成により、OFDMシンボル間の直交性を保つことができるため、チャネル間干渉を抑制することができる。
【0058】
一方、図14のフレームは、図13と異なり、チャネル1の映像データはカウント値6Nまでは無信号期間となる。つまりカウント値0〜5Nまでの送信タイミングでは、チャネル0に干渉チャネルが存在しないため、どのような長さ(ただしOFDMシンボル長以内)のガードタイムを挿入しても通信上問題となるチャネル間干渉は生じない。よって挿入するガードタイムの時間長はαに設定される。またカウント値5N+2α〜6Nの間にガードタイムが挿入される。このガードタイムは、デッドタイムへの対処のためではなく、チャネル0においてチャネル間干渉が発生しないように、隣接チャネルとの間でOFDMシンボルの伝送開始時間を同期させるためのものである。このようなフレーム構成により、全チャネルにおいてチャネル間干渉を抑制することができ、かつ、干渉チャネルが存在しないチャネルはガードタイムの長さを必要十分な長さに短くでき、伝送効率をあげることが可能となる。
【0059】
以上のように、本実施形態では、干渉の起こりうる隣接チャネルの有無に応じてガードタイムを適応的に挿入することで、チャネル間干渉を抑制することができる。その結果、隣接チャネルへの干渉を抑制するための高性能なフィルタを送信側に設ける必要がなくなるため、回路規模を削減することができる。また、チャネル間干渉を抑制するための冗長な帯域を設ける必要がないため、周波数利用効率を向上させることが可能となる。また干渉チャネルが存在しない期間は、挿入するガードタイムの時間長を短くできるため、使用するチャネルの周波数利用効率を向上させることができる。
【0060】
なお、本実施形態では説明の便宜上、チャネル0のみにデッドタイムが生じることとしたがこれに限られず、どのチャネルにデッドタイムが発生しても、同様の処理を実行することができる。また本実施形態では、発生するデッドタイムはOFDMシンボル長以下と規定したが、OFDMシンボル長以上であってもよい。その場合、干渉チャネルがある時に挿入されるガードタイムの長さは、デッドタイムを補償できる時間以上で、かつOFDMシンボル長の整数倍以下の時間長に設定される。
【0061】
また本実施形態では、チャネル0とチャネル2の間でOFDMシンボルの直交性が崩れても通信品質に影響を及ぼす干渉は生じないものと仮定したが、これに限られない。例えば、チャネル0とチャネル2との間など、所定の周波数の範囲内にある2つのチャネルにおいてチャネル間干渉が発生する場合についても同様に適用できる。この場合、チャネル0の干渉チャネルはチャネル1のみでなくチャネル2も含まれ、これらの所定の周波数の範囲内にあるチャネルについて、同時にデータを送信する場合は、データの送信タイミングが同期するようにガードタイムが適宜挿入される。
【0062】
さらに、本実施形態ではチャネル0からチャネル3の4つのチャネルに分割する場合について説明したが、サブキャリア単位でチャネルを割り当ててもよい。この場合、所定の周波数の範囲内にある2つのサブキャリアにおいて、チャネル間干渉が生じるか否かを判定し、チャネル間干渉が生じる場合はガードタイムを挿入してシンボルの送信タイミングを同期させる。
【0063】
また本実施形態では、受信動作から送信動作への切り換えに挿入するガードタイムの時間長をαと規定したが、これに限らず、例えばノード毎にデッドタイムの時間長が異なる等の理由により、挿入するガードタイムの時間長は1種類以上となっても良い。
【0064】
<<その他の実施形態>>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【技術分野】
【0001】
本発明はTDMA及びOFDMAを組み合わせて用いる通信における、チャネル間の干渉を抑制する制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文字情報や映像、音楽等のマルチメディアデータを伝送する通信システムは、マルチメディアの高品質化、通信機器の増加に伴い、今後も更なる高速性が求められると予想される。高速伝送を行う上で用いられる変復調技術の1つにOFDM(直交周波数分割多重)がある。OFDMは周波数軸上で直交する多数のサブキャリアを用いて多重化する方式である。この直交性により高い周波数利用効率を得る事ができ、また伝搬特性に優れた特性を持つことから、地上波デジタル放送、無線LAN、電力線搬送通信などといった高速伝送が必要とされる通信システムに採用されている。
【0003】
またOFDMを用いた多元接続方式としてOFDMA(直交周波数分割多元接続)がある。OFDMAとは、多数のノードがサブキャリアを共有し、ノード毎に伝送効率の良いサブキャリアを割り当てることで多元接続を実現する技術である。OFDMAはシステム全体で周波数利用効率を向上できる利点があり、高速無線通信規格の1つであるWiMAXで採用されている。
【0004】
OFDMAでは使用帯域内にある全サブキャリアを複数のグループ(以下、チャネル)に分割し、各ノードに割り当てる。このとき隣接するチャネル間でOFDMシンボルの直交性が崩れると、チャネル間干渉が発生し、互いの通信品質に影響を及ぼす。チャネル間干渉は、隣接するチャネル間にガードバンドを設けることで抑制することができる。しかし、ガードバンドを設けることで、信号中に情報を送信しない冗長な帯域を持つことになり、周波数利用効率が低下してしまう。またガードバンドの帯域幅を狭くすれば、チャネル間干渉を抑制するために、急峻なフィルタを送信側に設ける必要が生じる。
【0005】
チャネル間干渉を抑制する従来技術として特許文献1及び特許文献2がある。特許文献1では、1つのOFDMシンボルの長さ(以下、OFDMシンボル長)をノードに関わらず同一とし、且つOFDMシンボルの伝送の開始時間を同期させることでチャネル間干渉を抑制する通信方法について開示されている。また特許文献2では、異なる長さのガードインターバルが必要となるデータを同時に出力する場合、最長のガードインターバルにあわせることでOFDMシンボル長を均一にし、チャネル間干渉を抑制する通信方法について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−023409号公報
【特許文献2】特開2007−221277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
TDMA(時分割多元接続)とOFDMAとを組み合わせて用いる通信システムでは、時間スロットの割当に応じて送信ノードの切り替えが生じる。この際、各ノードが共通なモジュールを用いて送受信動作を行う場合、受信動作の直後に送信動作を行うことができず、データの受信と送信とを切り換えるために必要な時間(以下、デッドタイム)が生じる。例えば、各ノードにおいて、送信におけるIFFT部と、受信におけるFFT部とを共通とする場合に、このようなことが起こる。このため、デッドタイムが生じるような時間スロットの割当がなされた場合は、そのデッドタイムに対応するため、ガードタイムを挿入する必要がある。しかしながら、あるチャネルでデッドタイムへの対応のためにガードタイムを挿入すると、隣接するチャネル間のOFDMシンボルの直交性が崩れることがあるという課題があった。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、デッドタイムへ対処しながら、チャネル間干渉を抑制することができる制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明による制御装置は、 OFDM信号のサブキャリアと時間スロットとの複数の通信装置への割り当てを行う制御装置であって、前記サブキャリアと時間スロットについて、データを送信する通信装置および受信する通信装置の指定を含む第1の割り当てを生成する生成手段と、前記第1の割り当てにおいて、同一のサブキャリアの連続する時間スロットにおいて、送信と受信とが切り替わる前記通信装置が存在する場合、当該サブキャリアの当該連続する時間スロットの間にガードタイムを挿入する挿入手段と、前記第1の割り当てにおいて、所定の周波数の範囲内に含まれ、データの送信期間の少なくとも一部が重複し、データの送信を開始するタイミングの差が所定値より大きい時間スロットを有する2つのサブキャリアを検出する検出手段と、前記検出手段において検出された前記2つのサブキャリアにおいて、前記時間スロットの送信の開始のタイミングの差を前記所定値以下とするガードタイムを挿入して前記時間スロットの送信の開始のタイミングを同期させる同期手段と、ガードタイムを挿入した後の前記サブキャリアと前記時間スロットの第2の割り当てを前記複数の通信装置へ送信する送信手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、TDMAとOFDMAとを組み合わせて用いる場合に、送受信を切り替えるときに生じるデッドタイムへ対処しながら、同時にチャネル間干渉を抑制する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】通信システムの構成例を表す図。
【図2】コントローラノードの機能構成例を示すブロック図。
【図3】OFDM変調部の機能構成例を示すブロック図。
【図4】コントローラノードのOFDM復調部の機能構成例を示すブロック図。
【図5】一次MAPデータの一例。
【図6】MAPデータ生成部が行う処理を説明するフローチャート。
【図7】MAPデータ生成部の処理を説明するためのテーブル図。
【図8】MAPデータの一例。
【図9】一次MAPデータの一例。
【図10】MAPデータの一例。
【図11】ネットワークカメラノードのブロック図。
【図12】ネットワークカメラノードのOFDM復調部の機能構成例を示すブロック図。
【図13】第1のフレーム構成例。
【図14】第2のフレーム構成例。
【図15】OFDMAのチャネル構成を説明する図。
【図16】チャネル間干渉が生じるフレーム構成の例を示す図。
【図17】チャネル間干渉について説明する図。
【図18】本発明の課題を説明するフレーム構成図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
<<実施形態1>>
図1は本実施形態に係る通信システムを示す概略図である。この通信システムは、ネットワークカメラを制御するコントローラノード4(以下、「コントローラ」とする)と、ノード1からノード3の3台のネットワークカメラノードから構成されており、全ノードは通信路5を介して物理的にバスで接続されている。コントローラ4はノード1〜ノード3に対して、通信制御や動作制御などの制御を行う制御装置である。ノード1〜ノード3はコントローラ4の制御に従い、自身が撮影した映像データを随時、コントローラ4に送信する通信装置である。なお、本実施形態においては、1つの制御装置と3つの通信装置とを含むがこれに限られず、1つの制御装置と1つ以上の通信装置が存在する通信システムであってもよい。また、複数の通信装置を含む通信システムで、当該複数の通信装置のうち1つが制御装置としての役割を果たしてもよい。
【0014】
本実施形態における通信システムでは使用する周波数帯域を4つに分割し、それぞれの分割された周波数帯域をチャネル0からチャネル3と呼ぶ。そして、それぞれのチャネルは下記の目的で使用されるものとする。
【0015】
チャネル0:映像データ以外のデータ伝送用チャネル
チャネル1:ノード1が撮影した映像データ伝送用チャネル
チャネル2:ノード2が撮影した映像データ伝送用チャネル
チャネル3:ノード3が撮影した映像データ伝送用チャネル
上記のように、チャネル1からチャネル3は、各ノードからコントローラ4へのデータ送信専用の周波数帯域であり、チャネル0は、各ノードとコントローラ4の間で互いに通信を行う周波数帯域である。このため、チャネル0では、コントローラ4へのデータの送信をするアップストリームと、コントローラからデータの送信をするダウンストリームが混在することとなり、デッドタイムが発生する。なお本実施形態においては、デッドタイムはOFDMシンボル長以下であるものとする。
【0016】
チャネル0〜チャネル3に含まれるサブキャリアは、図15に示すように、各チャネル間も含めて等周波数間隔に配置されている。また、説明を簡単にするため、チャネル0〜チャネル3は、それぞれ隣接するチャネル以外とはチャネル間干渉は生じないものとする。つまり、例えばチャネル1の周波数帯域幅が十分に広い場合などで、チャネル0とチャネル2の間でOFDMシンボルの直交性が崩れたとしても、これらのチャネル間で生じるチャネル間干渉は、互いの通信品質に影響を及ぼさないものとする。チャネル1とチャネル3との関係など、他のチャネルについても同様とする。
【0017】
以下に、上記の通信システムを前提として本実施形態を説明する。ただし本実施形態はこの通信システムに限定されず、TDMAとOFDMAとを組み合わせて用いる全ての通信システムに適用できる。
【0018】
(コントローラノードの構成)
図2は図1のコントローラ4の機能構成の一例を示すブロック図である。以下、各ブロックについて説明する。OFDM変調部6は、入力されるデータ列に対しOFDM変調を施し、チャネル0でデータを搬送するように周波数変換を施してドライバ7へ出力する。ドライバ7は、入力されたOFDM信号を通信路5へ出力する。
【0019】
図3にOFDM変調部6の構成例を示す。OFDM変調部6は、例えば、符号化部301、シンボルマップ部302、直列並列変換部303、IFFT部304、GI付加部305、波形整形部306、DA変換部307、周波数変換部308を含む。なお、ここでIFFTは逆フーリエ変換、GIはガードインターバル(またはサイクリック・プレフィックス)を表し、DA変換とはデジタル信号をアナログ信号へ変換することを指す。
【0020】
符号化部301は入力されるデータ列に対し、誤り訂正符号化処理やインタリーブ処理等を施し、シンボルマップ部302へ出力する。シンボルマップ部302は入力されるデータ列にデジタル変調を施し、例えば同相成分と直交成分とからなる平面上のシンボルへ入力データをマップする。マップされたデータは直列並列変換部303において直列データから並列データへ変換され、IFFT部304へ出力される。IFFT部304は入力された並列データに対してIFFT処理を施し、IFFT処理後の時間領域のデータをGI付加部305へ出力する。GI付加部305は入力されたデータにガードインターバルを付加して波形整形部306へ出力する。波形整形部306は、入力されたデータに対してフィルタ処理等を施して波形を整形しDA変換部307へ出力する。DA変換部307は入力されたデータをデジタル信号からアナログ信号へ変換し周波数変換部308へ出力する。周波数変換部308は、チャネル0用クロック17からのクロック信号100を用いて、入力されたアナログ信号に直交変調処理を施す。この処理により入力されたアナログ信号はベースバンド信号からチャネル0の周波数帯域の信号へ変換される。そして周波数変換部308は、生成したOFDM信号をドライバ7へ出力する。
【0021】
レシーバ8は、他ノードからの信号を受信し、チャネル0用フィルタ9、チャネル1用フィルタ10、チャネル2用フィルタ11、チャネル3用フィルタ12に出力する。チャネル0用フィルタ9は入力された信号に対し、チャネル0の周波数帯域外の信号を遮断し、チャネル0の周波数帯域内の信号成分をOFDM復調部13へ出力する。同様に、チャネル1用フィルタ10、チャネル2用フィルタ11、及びチャネル3用フィルタ12は、信号から、それぞれに対応するチャネルの周波数帯域の成分を抽出してOFDM復調部14〜16へ出力する。OFDM復調部13〜16は入力されるOFDM信号に対して、それぞれに対応した周波数変換とOFDM復調を施してデータ列を復元してデータ処理部25へ出力する。
【0022】
図4にOFDM復調部13〜16の構成例を示す。OFDM復調部13〜16は、例えば、周波数変換部401、AD変換部402、波形整形部403、GI除去部404、FFT部405、並列直列変換部406、デマップ部407、復号化部408を含む。以下、各ブロックについて説明する。
【0023】
周波数変換部401は、入力されたOFDM信号の中心周波数を変換し、変換後の信号をAD変換部402へ出力する。ここでOFDM復調部13の周波数変換部401は、チャネル0用クロック17からのクロック信号100を用いて周波数変換を実行する。同様に、OFDM復調部14の周波数変換部401はチャネル1用クロック18からのクロック信号101を用いて周波数変換を実行する。また、OFDM復調部15の周波数変換部401はチャネル2用クロック19からのクロック信号102を用いて周波数変換を実行する。OFDM復調部16の周波数変換部401は、チャネル3用クロック20からのクロック信号103を用いて周波数変換を実行する。この処理によりOFDM復調部13〜16のそれぞれの周波数変換部401は、チャネル0〜チャネル3で搬送されるOFDM信号をそれぞれベースバンド信号に変換する。
【0024】
AD変換部402は入力されたベースバンド信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換し波形整形部403へ出力する。波形整形部403は、入力された信号に対し、ダウンサンプリング処理やフィルタ処理を施して波形を整形し、波形整形後の信号をGI除去部404へ出力する。GI除去部404は、後述する送受信制御部27からの有効シンボル抽出指示を含む制御信号を受信し、データ列から有効シンボルを抽出してFFT部405へ出力する。なお、GI除去部404は、有効シンボル抽出指示に基づいて後述するガードタイムをも除去する。FFT部405は、入力された有効シンボルに対してFFT処理を施し、並列直列変換部406へ出力する。並列直列変換部406は、入力された信号を並列から直列に変換し、デマップ部407へ出力する。デマップ部407は、入力されたデータ列に対してデジタル復調を施し、例えば信号の同相成分と直交成分とからデータ列を抽出し、復号化部408に出力する。復号化部408は入力されたデータ列に対し、誤り復号化処理やデインタリーブ処理を施し、データ処理部25へ出力する。
【0025】
図2に戻り、一次MAPデータ生成部21は、例えばノード1〜ノード3からの帯域要求に応じて一次MAPデータを生成し、MAPデータ生成部22へ出力する。一次MAPデータとは、フレーム構成(時間スロット構成)の第1の割り当てを特定するテーブルであり、データを送信または受信するノード、送信タイミング、及び使用するチャネルが指定される。ただし、一次MAPデータに含まれるテーブルは、デッドタイムの発生についてはまだ考慮されておらず、理想的に送受信ができる場合の理想的なフレーム構成が指定された仮のテーブルである。
【0026】
図5に一次MAPデータの例を示す。一次MAPデータでは、チャネル毎に、送信を行うカウント値、送信を行うノード、受信を行うノード、データ種別が指定される。カウント値は、後述するカウンタ26が出力するカウント値に対応する。一次MAPデータでは、例えば『チャネル0において、カウント値0の時にコントローラ4が全ノード(ノード1〜3)へ同期データを送信する』という動作が指定されている。このテーブルに使用されるNは、GIを含むOFDMシンボル長(単位はカウント数)を示す。またMは1フレーム、1チャネルに含むことができるOFDMシンボルの最大個数を示す。すなわちM×Nカウントが1フレームの長さとなる。なお図5のテーブルの例では、カウント値0〜M×N−1の間、チャネル1〜チャネル3の映像データは途切れることなく連続的に伝送されているものとする。
【0027】
MAPデータ生成部22は一次MAPデータ生成部21から入力される一次MAPデータから、連続した時間スロットにおいて、送信から受信または受信から送信に切り替わるノードが存在する箇所を検出する。そして一次MAPデータにガードタイム情報を付加した第2の割り当てを特定するテーブル(以下、MAPデータ)を作成する。MAPデータの作成の動作についての詳細は後述する。MAPデータ生成部22は、後述する送受信制御部27からの出力指示108に応じて、生成したMAPデータをOFDM変調部6や送受信制御部27へ出力する。
【0028】
コントロールデータ生成部23は、ノード1〜ノード3を制御するためのデータ(以下、コントロールデータ)を生成する。コントロールデータとは例えば、ノード1〜ノード3の撮像装置のズームやパン、チルト動作を指示する命令である。なお、コントロールデータ生成部23は、後述する送受信制御部27からの出力指示109に応じて生成したコントロールデータをOFDM変調部6へ出力する。同期データ生成部24は、コントローラ4とノード1〜ノード3との間で同期を取るために規定されたデータ列である同期データを生成する。なお同期データ生成部24は、後述する送受信制御部27からの出力指示110に応じて、生成した同期データをOFDM変調部6へ出力する。データ処理部25は、入力されたデータ列の処理を行う。例えば映像データのデコード処理や、帯域要求の判断、ACK判定を行う。カウンタ26は、内部クロック(不図示)をカウントし、そのカウント値を送受信制御部27へ出力する。またフレームの先頭でカウント値をリセットする。
【0029】
送受信制御部27は、MAPデータ生成部22から入力されるMAPデータを解析し、MAPデータに記述されたフレーム構成に基づいて、カウンタからのカウント値を基準にして各ブロックの動作制御を行う。具体的には、MAPデータ生成部22、コントロールデータ生成部23、同期データ生成部24への出力指示108〜110や、OFDM復調部13〜16のGI除去部404へ有効シンボル抽出指示104〜107を出力する。
【0030】
以上のようにコントローラ4はMAPデータの生成を行い、MAPデータに記述されたフレーム構成で送受信がされるようにする。またコントローラ4は、生成したMAPデータをノード1〜ノード3へ送信する。
【0031】
(ネットワークカメラノードの構成)
続いて、ノード1の構成について説明する。図11は、ノード1の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、コントローラ4と同様の動作をするブロックについては、図2と同様の番号を使用し、説明を省略する。
【0032】
OFDM変調部6及び40は、入力されるデータ列に対しOFDM変調と、それぞれチャネル0及びチャネル1でデータを送信するように周波数変換を施してドライバ7へ出力する。OFDM変調部6及び40の構成は、コントローラ4のOFDM変調部6と同様である。ただし、OFDM変調部40の周波数変換部308は、チャネル1用クロック18からのクロック信号101を用いて周波数変換処理を実行する。この処理により、入力されたデータ列からチャネル1の周波数帯域のOFDM信号が出力される。ドライバ7、レシーバ8、チャネル0用フィルタ9はコントローラ4と同様であるため、説明については省略する。
【0033】
OFDM復調部41は、入力されたOFDMシンボルに対して周波数変換及びOFDM復調を施し、デマルチプレクサ42へ出力する。図12は、OFDM復調部41の構成ブロック図である。OFDM復調部41は、図4の構成に加えて、AD変換部402からの出力を入力とする同期部409を備える。同期部409は、コントローラ4から1フレーム毎に送信される同期データを検出してフレーム同期を確立する。
【0034】
デマルチプレクサ42は、入力されたデータ列に対してデータ種別を判定し、MAPデータは送受信制御部27へ、MAPデータ以外はデータ処理部45へ出力する。映像データ生成部43は、撮影した映像のエンコード処理等を施して映像データを生成する。なお映像データ生成部43は、後述する送受信制御部46からの出力指示112に応じて、生成した映像データをOFDM変調部40へ出力する。
【0035】
ノードデータ生成部44は、例えばコントローラ4に対する確認応答信号(ACK信号)や、自身に関する情報(撮像装置の回転角や位置に関する情報や故障判断等)、帯域要求等のデータ(以下、ノードデータ)を生成する。なおノードデータ生成部44は、後述する送受信制御部46からの出力指示113に応じて、生成したノードデータをOFDM変調部40へ出力する。データ処理部45は、コントローラ4から受信したデータ列に応じた処理を行う。例えば命令解析や、受信エラー判定を行う。
【0036】
カウンタ26は、内部クロック(不図示)をカウントし、そのカウント値を送受信制御部46へ出力する。またフレームの先頭でカウント値をリセットする。ここで内部クロックは、コントローラ4の内部クロックと同期しているか、周波数誤差は十分小さいものとする。またカウント値のリセットは、例えば同期部409のフレーム同期の検出に応じて行う。
【0037】
送受信制御部46は、デマルチプレクサ42から入力されるMAPデータを解析し、そのMAPデータに記述されているフレーム構成にしたがって、カウンタ26からのカウント値を基準にして、各ブロックの動作を制御する。具体的にはノードデータ生成部44、映像データ生成部43への出力指示112、113や、OFDM復調部41のGI除去部404へのタイミング指示111を出力する。
【0038】
以上のように、ノード1はコントローラ4からMAPデータを受信し、そのMAPデータに記述されたフレーム構成にしたがって送受信動作を行う。ノード2及びノード3の構成は上記したノード1の構成と同様である。差異は周波数変換に使用するクロック周波数のみである。ノード2の場合、図11のチャネル1用クロック18はチャネル2用クロック19に、ノード3の場合、図11のチャネル1用クロック18はチャネル3用クロック20に置き換わる。これによりノード2の映像データはチャネル2を、ノード3の映像データはチャネル3を用いてコントローラに送信される。
【0039】
(MAPデータ生成処理)
図6のフローチャートを用いて、コントローラ4のMAPデータ生成部22におけるMAPデータの生成処理の詳細について説明する。なお、図6のフローチャートにおいて、Tとはガードタイムを挿入すべき箇所を検出するための変数である。まず、MAPデータ生成部22が内部に保持する更新テーブルに一次MAPデータをコピーする(S1)。そして、更新テーブルの中から一番小さなカウント値を検索し、その値をTに代入する(S2)。続いて、Tが、送信に使える最大のカウント値以下であるか、すなわち(M−1)×N以下であるか否かを判定する(S3)。Tが(M−1)×N以下である場合(S3でYes)はS4に処理を進め、(M−1)×Nを超えている場合(S3でNo)は処理を終了する。
【0040】
S4では、MAPデータ生成部22が更新テーブル内のカウント値Tを有するチャネルに干渉チャネルが存在するか否かを判定する。ここで干渉チャネルとは、カウント値Tから始まるOFDMシンボルを送信した場合に、チャネル間干渉が生じうる隣接するチャネルである。隣接チャネル間でシンボルの受信タイミングが直交性を担保できない程度にずれている場合、干渉チャネルが存在することとなる。一般に、OFDM信号では、1つのOFDMシンボル内でのみ直交性が担保されており、複数のシンボルに跨ってFFT処理を実行すると直交性が崩れて隣接するチャネルへの干渉が発生する。このため、受信器においてFFT処理を実行する時間区間の中において、隣接チャネルの2つのシンボル間の継ぎ目があるとチャネル間干渉を受けることとなる。すなわち、このような場合に、干渉チャネルが存在することとなる。
【0041】
干渉チャネルが存在するか否かの判定は、変数Tと、隣接チャネルにおけるカウント値とを比較することにより実行することができる。具体的には、まず、カウント値がTのチャネルの隣接チャネルにおいて、Tより後のカウント値の中から最小のカウント値を抽出する。抽出された値をUとすると、UとTとの差分がOFDMシンボル長であるN未満の場合、干渉チャネルが存在することとなる。すなわち、データの送信期間の少なくとも一部が重複する2つのサブキャリアにおける2つの時間スロットにおいて、送信の開始タイミングがずれているか否かを判定し、ずれていれば、干渉チャネルが存在すると判定する。そして、判定の結果、干渉チャネルが存在しない場合(S4でNo)は処理をS7に進め、干渉チャネルが存在する場合(S4でYes)は処理をS5に進める。
【0042】
S5では、まず上述のUを抽出する。そして、干渉チャネルが存在するチャネルについて、カウント値Tにおいて時間長U−Tのガードタイムを挿入する(S6)。すなわち、隣接チャネルの送信タイミングと一致するように、更新テーブル上で干渉チャネルが存在するチャネルの送信タイミングを調節し、チャネル間干渉が起こらないようにする。そして、ガードタイムを反映させたテーブルを作成し、そのテーブルを更新テーブルに上書きする。その後、処理をS9へ進める。
【0043】
なお、上述の説明では、隣接チャネル間でOFDMシンボルが送信されるタイミングが一致しているか否かで干渉チャネルがあるか否かを判定するが、これに限られない。例えば、送信タイミングのずれが、ガードインターバルでチャネル間干渉を吸収できる程度のずれである場合、送信タイミングが不一致であっても干渉チャネルとならないと判定してもよい。この場合、送信タイミングの差がガードインターバルでチャネル間干渉を吸収できる範囲であるか否か、すなわち、当該差が所定値以下であるか否かを判定する。そして、送信タイミングの差が所定値より大きいと判定された場合は、S5及びS6においても、ガードタイムを挿入することにより、送信タイミングの差が所定値以下となるように送信タイミングを調節する。なお、この場合でも、挿入するガードタイムの長さについては、上述のU−Tにより計算してもよい。
【0044】
MAPデータ生成部22は、S7において更新テーブル内のカウント値Tの前後の時間スロットにおいて、送信と受信とが切り替わるノードが存在するか否か、すなわち、デッドタイムの発生が予定されるノードが存在するか否かを判定する。そして、デッドタイムの発生が予定される場合はS8へ、予定されなければS9へ処理を進める。S8では、デッドタイムの発生が予定され、ガードタイムの挿入を必要とするチャネルについて、カウント値Tに時間長α(単位はカウント数)のガードタイムを挿入する。そして、ガードタイムを挿入したテーブルを作成し、そのテーブルを更新テーブルに上書きする。その後、処理をS9へ進める。ここでαは、受信動作から送信動作への切り換え、又は送信動作から受信動作への切り換えに必要となるデッドタイム以上の十分な時間である。
【0045】
MAPデータ生成部22は、S9において、更新テーブル内でTより大きいカウント値が存在するか否かを判定する。そのようなカウント値が存在する場合はS10へ処理を進め、存在しない場合は処理を終了する。S10では、Tの次に小さいカウント値を新たなTとして、S3へ処理を戻す。
【0046】
図6のフローチャートに示した処理を、図5の一次MAPデータに適用した場合を例として用いて具体的に説明する。ここで図5の一次MAPデータでは、チャネル0のカウント値3N及び4Nにおいて、コントローラ4が送信から受信へ、及び受信から送信への切り替えが予定されており、デッドタイムが発生すると考えられる。
【0047】
MAPデータ生成部22は、図5に示す一次MAPデータを受信すると、まず当該一次MAPデータを更新テーブルにコピーする(S1)。そして、MAPデータ生成部22は、更新テーブル中で一番小さなカウント値を検索し、最小のカウント値「0」をTに代入する(S2)。ここで、Tは0であり(M−1)×N以下であるため(S3でYes)、続いて干渉チャネルが存在するか否かを判定する(S4)。カウント値「0」においては、全てのチャネルにおいて送信タイミングが合っているため、直交性が崩れて受信されるチャネルはない。このため、干渉チャネルが存在しないと判定し(S4でNo)、処理をS7へ進める。S7では、カウント値「0」では、その前に信号の送受信をしたノードが存在しないため、受信動作の直後に送信動作に切り替わるノードも存在しない(S7でNo)。このため、処理をS9へ進め、カウント値「0」より大きいカウント値が更新テーブル中に存在するか否かを判定する。カウント値「0」より大きいカウント値が更新テーブル内に存在するため、Tより大きいカウント値の中で最小の値であるNをTに代入し(S10)、処理をS3へ戻す。T=N、2Nの時は、上記と同様の処理が繰り返される。
【0048】
カウント値3Nでは、受信から送信に切り替わるノードが存在するため、MAPデータ生成部22は、デッドタイムの発生が予定されることを検知する(S7でYes)。このため、デッドタイムが発生すると考えられるチャネル0について、カウント値3Nにおいて時間長αのガードタイムを挿入する(S8)。そして、それを反映してテーブルを作成し、更新テーブルに上書きする。この時点における更新テーブルを図7に示す。チャネル0においては、カウント値3Nにおいてガードタイムαが挿入されるため、カウント値4N以降もガードタイムα分だけ時間シフトする。続いて、S9に移り、カウント値3Nより大きいカウント値が存在するため(S9でYes)、次に小さいカウント値として、3N+αをTに代入して(S10)、処理をS3へ戻す。
【0049】
カウント値3N+αは(M−1)×N以下であるため(S3でYes)、干渉チャネルが存在するか否かを判定する(S4)。カウント値3N+αでは、チャネル0に対してチャネル1が干渉チャネルとなるため(S4でYes)、S5に進む。S5では、まず、干渉チャネルにおけるカウント値のうち、カウント値3N+αより後のカウント値の最小値Uを抽出する。この場合、干渉チャネル(すなわちチャネル1)において、3N+αより後のカウント値で最小の値は4Nであるため、Uは4Nとなる。そして、U−Tを算出し、その長さのガードタイムを挿入する。この場合、4N−(3N+α)=N−αの長さのガードタイムを挿入する(S6)。この結果、トータルで長さNのガードタイムが挿入されることとなり、チャネル0における次のカウント値はU、すなわち4Nと一致する。そして、これを反映したテーブルを作成し、更新テーブルに上書きする。
【0050】
全てのフローが終了した後の更新テーブルを図8に示す。図8の中で、Gはガードタイムの挿入数である。またDはガードタイムの挿入により、1フレーム区間外となる時間区間である。このDの時間区間分のテーブルを削除したものがMAPデータとなる。MAPデータ生成部22は、Dの情報を一次MAPデータ生成部21にフィードバックし、一次MAPデータ生成部21はこの情報を用いて次回の一次MAPデータを生成してもよい。
【0051】
一次MAPデータが図9に示すテーブルであった場合、生成されるMAPデータは図10となる。図9のテーブルでは、チャネル1は、カウント値6Nまで無信号であり、それ以降は映像データが連続的に伝送される。このテーブルの例の場合、チャネル0において、カウント値3Nでデッドタイムの発生が予想されるため、ガードタイムαが挿入される(図6のS7でYes、S8)。しかし、カウント値3N+αでは、チャネル1が無信号状態であることから、チャネル0においてチャネル間干渉が発生せず(S4でNo)、S6におけるガードタイムの挿入は行われない。その後、チャネル0においては、カウント値4N+αで再度デッドタイムの発生が予想されるため、ガードタイムαが挿入される。しかしながら、これについても、カウント値4N+2αでの送信において、チャネル0には干渉チャネルが存在しないため(S4でNo)、S6でのガードタイムの挿入は行われない。そして、カウント値5N+2αにおいては、カウント値6Nから開始されるチャネル1の信号送信によって、干渉チャネルが存在することとなるため(S4でYes)、ガードタイムの挿入が行われることとなる。この場合、Uは6Nであるから、6N−(5N+2α)=N−2αの長さのガードタイムが挿入される。
【0052】
ここで、図16、図17及び図18を用いてチャネル間干渉について説明する。図16はチャネル間干渉が生じるフレーム構成例である。図16(A)の例では、チャネル0とチャネル1のOFDMシンボルの伝送開始時刻がずれている。この場合に、例えばチャネル1で伝送された信号を受信するノードが、OFDMシンボルを復調するために期間t0からt1の時間信号を取り出してFFT処理を実行する。すると、当該時間区間(以下「FFT窓」という)において、チャネル0では、2つのOFDMシンボルの境界が含まれるため周波数領域における直交性が崩れる。そして、その結果、チャネル1へのチャネル間干渉が出現する。また、チャネル1とチャネル0におけるOFDMシンボル長が異なる図16(B)の場合も、図16(A)と同様に、FFT窓(t0からt1)においてチャネル0でシンボルの境界が含まれることとなるため、チャネル間干渉が生じる。
【0053】
図17(A)は、チャネル間干渉が発生する場合の信号スペクトルを示したものである。図のように、チャネル0では、シンボル間の境界を含むFFT窓でFFT処理を実行したため、直交性が崩れ、さらにシンボルの不連続性によりサイドローブが発生する。このため、チャネル0のサイドローブがチャネル1のメインローブと干渉し、チャネル1の通信品質を劣化させる。これに対し、図17(B)に示すように、隣接するチャネル間にガードバンドを設けることによりチャネル間干渉を抑制することができるが、ガードバンドという冗長な帯域を持つこととなり周波数利用効率が劣化する。
【0054】
図18(A)に図示するように、シンボル長を各チャネルで等しくし、時間同期を確保したフレーム構成にすることで、ガードバンドを設けることなくチャネル間干渉を抑制することができる。しかし送受信切換時のデッドタイムへの対応のためにデッドタイムが発生するチャネルにおいて任意のガードタイム(GT)を挿入すると、図18(B)に示すようにOFDMシンボル間の直交性が崩れ、チャネル間干渉が生じる。
【0055】
これに対し、本実施形態では、MAPデータ生成部22が、入力された一次MAPデータに基づいて、デッドタイムとチャネル間干渉を考慮してガードタイムを挿入したMAPデータを生成する。これにより、デッドタイムへの対応のためのガードタイムを確保しながら、チャネル間の直交性が崩れることを防ぎ、チャネル間干渉の発生を抑制することができる。
【0056】
(フレーム構成)
本実施形態におけるMAPデータ生成処理を実行した場合の、送信信号のフレーム構成を図13及び図14に示す。図13は図8のMAPデータを用いたフレーム構成であり、図14は図10のMAPデータを用いたフレーム構成である。
【0057】
図13のフレームでは、上述のようにチャネル1〜チャネル3の映像データは、カウント値0〜M×N−1(フレーム終端)まで連続的に伝送されている。このような場合、チャネル0に挿入されるガードタイムは、OFDMシンボル長と同一の長さに設定される。つまり、ガードタイムを挿入するチャネルに干渉チャネル(この場合はチャネル0)が存在する場合は、挿入するガードタイムの時間長をOFDMシンボル長と同一に設定される。このようなフレーム構成により、OFDMシンボル間の直交性を保つことができるため、チャネル間干渉を抑制することができる。
【0058】
一方、図14のフレームは、図13と異なり、チャネル1の映像データはカウント値6Nまでは無信号期間となる。つまりカウント値0〜5Nまでの送信タイミングでは、チャネル0に干渉チャネルが存在しないため、どのような長さ(ただしOFDMシンボル長以内)のガードタイムを挿入しても通信上問題となるチャネル間干渉は生じない。よって挿入するガードタイムの時間長はαに設定される。またカウント値5N+2α〜6Nの間にガードタイムが挿入される。このガードタイムは、デッドタイムへの対処のためではなく、チャネル0においてチャネル間干渉が発生しないように、隣接チャネルとの間でOFDMシンボルの伝送開始時間を同期させるためのものである。このようなフレーム構成により、全チャネルにおいてチャネル間干渉を抑制することができ、かつ、干渉チャネルが存在しないチャネルはガードタイムの長さを必要十分な長さに短くでき、伝送効率をあげることが可能となる。
【0059】
以上のように、本実施形態では、干渉の起こりうる隣接チャネルの有無に応じてガードタイムを適応的に挿入することで、チャネル間干渉を抑制することができる。その結果、隣接チャネルへの干渉を抑制するための高性能なフィルタを送信側に設ける必要がなくなるため、回路規模を削減することができる。また、チャネル間干渉を抑制するための冗長な帯域を設ける必要がないため、周波数利用効率を向上させることが可能となる。また干渉チャネルが存在しない期間は、挿入するガードタイムの時間長を短くできるため、使用するチャネルの周波数利用効率を向上させることができる。
【0060】
なお、本実施形態では説明の便宜上、チャネル0のみにデッドタイムが生じることとしたがこれに限られず、どのチャネルにデッドタイムが発生しても、同様の処理を実行することができる。また本実施形態では、発生するデッドタイムはOFDMシンボル長以下と規定したが、OFDMシンボル長以上であってもよい。その場合、干渉チャネルがある時に挿入されるガードタイムの長さは、デッドタイムを補償できる時間以上で、かつOFDMシンボル長の整数倍以下の時間長に設定される。
【0061】
また本実施形態では、チャネル0とチャネル2の間でOFDMシンボルの直交性が崩れても通信品質に影響を及ぼす干渉は生じないものと仮定したが、これに限られない。例えば、チャネル0とチャネル2との間など、所定の周波数の範囲内にある2つのチャネルにおいてチャネル間干渉が発生する場合についても同様に適用できる。この場合、チャネル0の干渉チャネルはチャネル1のみでなくチャネル2も含まれ、これらの所定の周波数の範囲内にあるチャネルについて、同時にデータを送信する場合は、データの送信タイミングが同期するようにガードタイムが適宜挿入される。
【0062】
さらに、本実施形態ではチャネル0からチャネル3の4つのチャネルに分割する場合について説明したが、サブキャリア単位でチャネルを割り当ててもよい。この場合、所定の周波数の範囲内にある2つのサブキャリアにおいて、チャネル間干渉が生じるか否かを判定し、チャネル間干渉が生じる場合はガードタイムを挿入してシンボルの送信タイミングを同期させる。
【0063】
また本実施形態では、受信動作から送信動作への切り換えに挿入するガードタイムの時間長をαと規定したが、これに限らず、例えばノード毎にデッドタイムの時間長が異なる等の理由により、挿入するガードタイムの時間長は1種類以上となっても良い。
【0064】
<<その他の実施形態>>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
OFDM信号のサブキャリアと時間スロットとの複数の通信装置への割り当てを行う制御装置であって、
前記サブキャリアと時間スロットについて、データを送信する通信装置および受信する通信装置の指定を含む第1の割り当てを生成する生成手段と、
前記第1の割り当てにおいて、同一のサブキャリアの連続する時間スロットにおいて、送信と受信とが切り替わる前記通信装置が存在する場合、当該サブキャリアの当該連続する時間スロットの間にガードタイムを挿入する挿入手段と、
前記第1の割り当てにおいて、所定の周波数の範囲内に含まれ、データの送信期間の少なくとも一部が重複し、データの送信を開始するタイミングの差が所定値より大きい時間スロットを有する2つのサブキャリアを検出する検出手段と、
前記検出手段において検出された前記2つのサブキャリアにおいて、前記時間スロットの送信の開始のタイミングの差を前記所定値以下とするガードタイムを挿入して前記時間スロットの送信の開始のタイミングを調節する調節手段と、
ガードタイムを挿入した後の前記サブキャリアと前記時間スロットとの第2の割り当てを前記複数の通信装置へ送信する送信手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記所定値は0であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記所定値はOFDMシンボルのガードインターバルの長さであることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記時間スロットの時間長は、1つのOFDMシンボルの時間長に等しいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記複数の通信装置のいずれか1つに含まれることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
OFDM信号のサブキャリアと時間スロットとの複数の通信装置への割り当てを行う制御装置における制御方法であって、
前記サブキャリアと時間スロットについて、データを送信する通信装置および受信する通信装置の指定を含む第1の割り当てを生成する生成工程と、
前記第1の割り当てにおいて、同一のサブキャリアの連続する時間スロットにおいて、送信と受信とが切り替わる前記通信装置が存在する場合、当該サブキャリアの当該連続する時間スロットの間にガードタイムを挿入する挿入工程と、
前記第1の割り当てにおける所定の周波数の範囲内に含まれる2つのサブキャリアであって、データの送信期間の少なくとも一部が重複し、データの送信を開始するタイミングの差が所定値より大きい時間スロットを有する当該2つのサブキャリアを検出する検出工程と、
前記検出工程において検出された前記2つのサブキャリアにおいて、前記時間スロットの送信の開始のタイミングの差を前記所定値以下とするガードタイムを挿入して前記時間スロットの送信の開始のタイミングを調節する調節工程と、
ガードタイムを挿入した後の前記サブキャリアと前記時間スロットとの第2の割り当てを前記複数の通信装置へ送信する送信工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項7】
コンピュータを請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置が備える各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
OFDM信号のサブキャリアと時間スロットとの複数の通信装置への割り当てを行う制御装置であって、
前記サブキャリアと時間スロットについて、データを送信する通信装置および受信する通信装置の指定を含む第1の割り当てを生成する生成手段と、
前記第1の割り当てにおいて、同一のサブキャリアの連続する時間スロットにおいて、送信と受信とが切り替わる前記通信装置が存在する場合、当該サブキャリアの当該連続する時間スロットの間にガードタイムを挿入する挿入手段と、
前記第1の割り当てにおいて、所定の周波数の範囲内に含まれ、データの送信期間の少なくとも一部が重複し、データの送信を開始するタイミングの差が所定値より大きい時間スロットを有する2つのサブキャリアを検出する検出手段と、
前記検出手段において検出された前記2つのサブキャリアにおいて、前記時間スロットの送信の開始のタイミングの差を前記所定値以下とするガードタイムを挿入して前記時間スロットの送信の開始のタイミングを調節する調節手段と、
ガードタイムを挿入した後の前記サブキャリアと前記時間スロットとの第2の割り当てを前記複数の通信装置へ送信する送信手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記所定値は0であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記所定値はOFDMシンボルのガードインターバルの長さであることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記時間スロットの時間長は、1つのOFDMシンボルの時間長に等しいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記複数の通信装置のいずれか1つに含まれることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
OFDM信号のサブキャリアと時間スロットとの複数の通信装置への割り当てを行う制御装置における制御方法であって、
前記サブキャリアと時間スロットについて、データを送信する通信装置および受信する通信装置の指定を含む第1の割り当てを生成する生成工程と、
前記第1の割り当てにおいて、同一のサブキャリアの連続する時間スロットにおいて、送信と受信とが切り替わる前記通信装置が存在する場合、当該サブキャリアの当該連続する時間スロットの間にガードタイムを挿入する挿入工程と、
前記第1の割り当てにおける所定の周波数の範囲内に含まれる2つのサブキャリアであって、データの送信期間の少なくとも一部が重複し、データの送信を開始するタイミングの差が所定値より大きい時間スロットを有する当該2つのサブキャリアを検出する検出工程と、
前記検出工程において検出された前記2つのサブキャリアにおいて、前記時間スロットの送信の開始のタイミングの差を前記所定値以下とするガードタイムを挿入して前記時間スロットの送信の開始のタイミングを調節する調節工程と、
ガードタイムを挿入した後の前記サブキャリアと前記時間スロットとの第2の割り当てを前記複数の通信装置へ送信する送信工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項7】
コンピュータを請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置が備える各手段として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−26751(P2013−26751A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158449(P2011−158449)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]