説明

刺繍製品及びその製造方法

【課題】レース地等の基布と、装飾布等の装飾布と、それらを縫合する刺繍パターンとによって構成される刺繍製品の外観を美しくすることで、付加価値の高い刺繍製品を機械刺繍装置によって製造する。
【解決手段】基布1と当該基布1より小さい装飾布2とを準備する準備工程と、基布1の表側及び裏側の少なくとも何れか一方の側の所定位置に、装飾布2を留めて、基布1と装飾布2とを一体化する一体化工程と、一体化工程を経て得られる装飾布2付きの基布1を刺繍対象布として、少なくとも基布1と装飾布2とに亘って、機械刺繍装置Mを使用して刺繍パターン3を形成する刺繍工程とを包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機台幅方向に沿って整列される複数の刺繍針と、前記刺繍針それぞれに対応するシャットルボックスとを備えた機械刺繍装置を使用して、前記刺繍針により刺繍表糸を刺繍対象布の表裏間に渡って案内するとともに、前記刺繍対象布の裏面側に設けられる前記シャットルボックスに収納されたシャットルから刺繍裏糸を送り出して、前記刺繍対象布と前記刺繍表糸との間に挿通させて刺繍表糸を刺繍対象布に留め付け、所定の刺繍パターンを形成する刺繍製品の製造方法に関する。また、そのような製造方法によって製造された刺繍製品に関する。
【背景技術】
【0002】
レース地等の基布に刺繍を施した刺繍製品として、例えば、女性用下着類に使用される衣料用刺繍レースがある(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1の衣料用刺繍レースは、基布の裏側に対して別の生地を重ね合わせ、この状態で刺繍を施すことにより、基布と生地とが縫合されたレース製品としている。
【0003】
【特許文献1】実開平5−10491号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記特許文献1には、機械刺繍装置を使用してレース製品を製造することに関する記載は一切見られない。
また、特許文献1の刺繍製品は、図2に示されるように、基布に対して略同じ大きさの生地を合わせたものとなっている。このため、特許文献1の刺繍製品にあっては、基布及び生地に対して刺繍を施しても、単純に一枚の基布に対して刺繍を施したものとデザイン的に何ら変わらず、装飾性に乏しい。
しかしながら、特に、女性用下着類等の刺繍レース製品にあっては、美しいシルエットを保持するための保形性とともに、布地そのものの装飾性が非常に重要となる。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、レース地等の基布と、装飾布等の装飾布と、それらを縫合する刺繍パターンとによって構成される刺繍製品の外観を美しくすることで、付加価値の高い刺繍製品を機械刺繍装置によって製造することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る刺繍製品の製造方法の特徴構成は、機台幅方向に沿って整列される複数の刺繍針と、前記刺繍針それぞれに対応するシャットルボックスとを備えた機械刺繍装置を使用して、前記刺繍針により刺繍表糸を刺繍対象布の表裏間に渡って案内するとともに、前記刺繍対象布の裏面側に設けられる前記シャットルボックスに収納されたシャットルから刺繍裏糸を送り出して、前記刺繍対象布と前記刺繍表糸との間に挿通させて刺繍表糸を刺繍対象布に留め付け、所定の刺繍パターンを形成する刺繍製品の製造方法であって、基布と当該基布より小さい装飾布とを準備する準備工程と、前記基布の表側及び裏側の少なくとも何れか一方の側の所定位置に、前記装飾布を留めて、前記基布と前記装飾布とを一体化する一体化工程と、前記一体化工程を経て得られる装飾布付きの基布を前記刺繍対象布として、少なくとも前記基布と前記装飾布とに亘って、前記機械刺繍装置を使用して前記刺繍パターンを形成する刺繍工程とを包含することにある。
【0007】
本構成の刺繍製品の製造方法によれば、基布に対して当該基布より小さい装飾布を留めることで、基布と装飾布とを一体化している。このように基布と装飾布とを組み合わせることにより、単独の基布に対して装飾性を向上させることができる。また、基布と装飾布とを一体化したものに対して、少なくとも基布と装飾布とに亘って、機械刺繍装置を使用して刺繍パターンを形成している。このような形態で刺繍を施すことにより、基布に対して装飾布を確実に固定できるとともに、基布と装飾布と刺繍パターンとが一体となった美しい外観の刺繍製品を実現することができる。
【0008】
本発明に係る刺繍製品の製造方法において、前記一体化工程として、前記機械刺繍装置に前記基布をセットする前に、前記基布と前記装飾布とを一体化するセット前一体化工程を実行してもよい。
【0009】
本構成の刺繍製品の製造方法によれば、機械刺繍装置に基布をセットする前に、基布と装飾布とを一体化するため、基布に対する装飾布の位置決めがやり易く、また、作業者は楽な姿勢でセット前一体化工程を実行することができる。
【0010】
本発明に係る刺繍製品の製造方法において、前記装飾布付きの基布を、前記一体化工程を経た後に前記機械刺繍装置にセットする状態において、前記機台幅方向と当該機台幅方向に直交する方向を基準として、前記セット前一体化工程において前記装飾布を前記基布に対して位置決めするとともに、一体化してもよい。
【0011】
本構成の刺繍製品の製造方法であれば、装飾布付きの基布を、一体化工程を経た後に機械刺繍装置にセットする状態において、機台幅方向と当該機台幅方向に直交する方向を基準とするので、セット前一体化工程において、基布に対する装飾布の位置決めを刺繍パターンに合わせて精度良く行うことができる。本願にあっては、刺繍は機械刺繍装置上で行う。従って、刺繍パターンの基準は機台幅方向とその方向に直交する方向となる。そして、一体化工程を基布を機台にセットする前に行うに、機台にセットした状態を考慮して、これら2方向を基準として一体化工程を実行することで、装飾布の装飾パターンと刺繍パターンを、さらに、基布に装飾パターンがある場合はそのパターンと装飾布の装飾パターンとを良好に合致させることができる。
【0012】
本発明に係る刺繍製品の製造方法において、前記一体化工程として、前記機械刺繍装置に前記基布をセットした状態で、前記基布と前記装飾布とを一体化するセット後一体化工程を実行してもよい。
【0013】
本構成の刺繍製品の製造方法によれば、機械刺繍装置に基布をセットした状態で、基布と装飾布とを一体化するため、一体化が完了すれば直ちに刺繍工程を開始することができる。また、基布のうち装飾布が重ならない部分への刺繍を先に施しておくことができるので、作業者は基布に施された刺繍パターンを目で確認しながら、装飾布を基布に留めることができ、その結果、基布に対する装飾布の位置決め精度がさらに向上する。
【0014】
本発明に係る刺繍製品の製造方法において、前記機械刺繍装置に前記基布をセットする前に、前記基布と第1装飾布とを一体化するセット前一体化工程を実行するとともに、前記セット前一体化工程を経て得られた第1装飾布付き基布を前記機械刺繍装置にセットした状態で、前記第1装飾布とは異なる第2装飾布を前記基布にさらに一体化するセット後一体化工程を実行してもよい。
【0015】
本構成の刺繍製品の製造方法であれば、一体化工程を複数回実行する場合において、セット前一体化工程とセット後一体化工程とを組み合わせることができるので、客先の要求に応じた様々なデザインの刺繍製品を迅速且つ確実に製造することができる。
【0016】
本発明に係る刺繍製品の製造方法において、前記機械刺繍装置に前記基布をセットした状態で、前記セット後一体化工程を実行するに、前記機台幅方向と当該機台幅方向に直交する方向を基準として、前記装飾布を前記基布に対して位置決めするとともに、一体化してもよい。
【0017】
本構成の刺繍製品の製造方法であれば、作業者は基布に施された刺繍パターンを目で確認しながら、装飾布を基布に留めることができるので、基布に対する装飾布の位置決め精度がさらに向上する。
【0018】
本発明に係る刺繍製品の製造方法において、前記機械刺繍装置に前記基布をセットした状態で、前記セット後一体化工程を実行するに、前記基布の前記機台幅方向の両端と、その中間部位で、前記装飾布を前記基布に留めてもよい。
【0019】
本構成の刺繍製品の製造方法であれば、装飾布の両端と中間部位とが基布に留められるので、基布に対する装飾布の位置決め及び一体化が確実となる。そして、刺繍工程の最中に、基布から装飾布が脱離するおそれもない。機械刺繍装置は、機台幅方向が長い(例えば、十数mあるものもある)が、装飾布をその幅に合わせたものとする場合、中間部位が弛む場合も生じる。しかしながら、中間部位を留めることで、装飾布が基布の全幅にわたって弛み無く重なった良好な姿勢とでき、本来の目的に合致した刺繍作業を行える。
【0020】
本発明に係る刺繍製品の製造方法において、前記一体化工程において前記基布に前記装飾布を留めるに、粘着テープ、待ち針、ステープル、及び接着剤からなる群から選択される少なくとも一つを使用してもよい。
【0021】
本構成の刺繍製品の製造方法によれば、簡単、確実、且つ低コストで、基布と装飾布とを一体化することができる。
【0022】
本発明に係る刺繍製品の製造方法において、前記一体化工程は、前記基布に前記装飾布を溶解除去可能な材料で留める工程であり、前記刺繍工程の終了後に、前記溶解除去可能な材料を溶解除去してもよい。
【0023】
本構成の刺繍製品の製造方法によれば、簡単、確実、且つ低コストで、基布と装飾布とを一体化することができる。また、刺繍工程の終了後に、溶解除去可能な材料を溶解除去することにより、本来、不要な一体化のための材料を除くことができ、趣の異なるデザインの刺繍製品とすることができる。
【0024】
本発明に係る刺繍製品の製造方法において、前記一体化工程は、前記基布に前記装飾布を縫い付ける工程であってもよい。
【0025】
本構成の刺繍製品の製造方法によれば、簡単、確実、且つ低コストで、基布と装飾布とを一体化することができる。
【0026】
本発明に係る刺繍製品の製造方法において、前記一体化工程は、前記基布に前記装飾布を所定位置に位置決めした状態で、基布又は装飾布の構成材料を溶融させて、前記基布に前記装飾布を留める工程であってもよい。
【0027】
本構成の刺繍製品の製造方法によれば、基布又は装飾布の構成材料を溶融させて、基布に装飾布を留めることができるため、基布と装飾布とを一体化するための専用の材料は不要である。従って、本来不要な一体化のための材料が残るのを避けることができる。
【0028】
本発明に係る刺繍製品の製造方法において、前記機械刺繍装置は前記機台幅方向に延在するプレート部材を備え、前記セット後一体化工程によって前記基布の表側に前記装飾布を一体化する場合において、前記プレート部材により前記装飾布をガイドしてもよい。
【0029】
本構成の刺繍製品の製造方法によれば、機台の表面側で機台幅方向に延在するプレート部材が装飾布をガイドすることにより、装飾布の弛みを防止することができる。また、プレート部材として、例えば、機械刺繍装置の付属品として取り付けられるコード装置のプレートを兼用すれば、新たに部品を追加する必要もない。
【0030】
本発明に係る刺繍製品の製造方法において、前記機械刺繍装置は前記機台幅方向に整列ラインを形成する複数の駆動部材収容部を備え、前記セット後一体化工程によって前記基布の裏側に前記装飾布を一体化する場合において、前記駆動部材収容部により前記装飾布をガイドしてもよい。
【0031】
本構成の刺繍製品の製造方法によれば、機台の裏面側に機械刺繍装置が元来備えている駆動部材収容部(シャットルケース)を利用して装飾布をガイドし、装飾布の弛みを防止することができる。従って、追加のコストをかけることなく、現状の装置構成を利用して、基布に対する装飾布の留め付けを確実に行うことができる。
【0032】
本発明に係る刺繍製品の製造方法において、前記基布は、レース地を含む編地、織布、及び不織布からなる群から選択されてもよい。
【0033】
本構成の刺繍製品の製造方法であれば、様々な素材で種々の刺繍製品を得ることができる。
【0034】
本発明に係る刺繍製品の製造方法において、前記装飾布は、テープ、細幅レース、及び所定形状に成型されたレース地を含む編地、織布、又は不織布からなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。
【0035】
本構成の刺繍製品の製造方法であれば、様々な素材で種々の刺繍製品を得ることができる。
【0036】
本発明に係る刺繍製品の特徴構成は、上記の何れか一つに記載の刺繍製品の製造方法により製造された刺繍製品である。
【0037】
本構成の刺繍製品は、上記の刺繍製品の製造方法によって得られるものであるので、基布と装飾布と刺繍パターンとが一体となった美しい外観を呈する刺繍製品となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態および図面に記載される構成に限定されるものではなく、本発明と均等な構成も含む。
【0039】
[第1実施形態]
図1は、本発明の刺繍製品を製造するための機械刺繍装置Mの要部を示す斜視図である。
機械刺繍装置Mは、機台m1(図2を参照)の幅方向に沿って一段整列される複数の刺繍針m2と、刺繍針m2それぞれに対応するシャットルボックスm4とを備えている。この機械刺繍装置Mによれば、刺繍針m4により刺繍表糸を刺繍対象布の表裏間に渡って案内するとともに、刺繍対象布の裏面側に設けられるシャットルボックスm4に収納されたシャットルb(図7を参照)から刺繍裏糸を送り出して、刺繍対象布と刺繍表糸との間に挿通させて刺繍表糸を刺繍対象布に留め付け、所定の刺繍パターンを形成する。このように、機械刺繍装置Mを使用すると、様々な刺繍製品を製造することができる。
機械刺繍装置Mの種類としては、例えば、カードに記録した柄模様の情報を読み取って糸を制御するジャカード装置付きの刺繍装置や、コンピュータ制御によるサーボモータ仕様の刺繍装置等を採用することができる。
【0040】
本実施形態の機械刺繍装置Mを使用して製造される刺繍製品は、基布となるレース地1に装飾布としての装飾テープ2を留めてレース地1と装飾テープ2とを一体化し、その状態でレース地1及び装飾テープ2の上に刺繍パターン3を形成した刺繍レース10である。
【0041】
基布となるレース地1は、例えば、ラッセルレース地、リバーレース地、刺繍レース地等を採用することができる。装飾布となる装飾テープ2は、例えば、市販されているテープ、細幅に裁断した布片、細幅レース等を採用することができる。刺繍パターン3を形成する糸の種類としては、例えば、綿糸、絹糸、羊毛糸等の天然繊維由来の糸の他、ナイロン糸、ポリエステル糸、レーヨン糸等の合成繊維由来の糸を採用することができる。また、レース地1、装飾テープ2、及び刺繍パターン3を形成する糸は、それぞれ先染めしたものであってもよいし、刺繍レース10が完成してから後染めしてもよい。あるいは、染色を行わないものであっても構わない。
【0042】
次に、刺繍レース10の製造方法について説明する。
図2〜図4は、本発明の第1実施形態であり、刺繍レース10を製造する方法を説明するための模式図である。この実施形態では、基布を機械刺繍装置にセットした状態で、装飾布である装飾テープ2を一体化する。以下、本実施形態の製造方法を工程ごとに分けて説明する。
【0043】
<1>レース地1を機械刺繍装置Mにセットする工程〔図2(a)〕
先ず、機械刺繍装置Mの機台m1にレース地1をセットする。この際、機械刺繍装置Mの機台幅方向にレース地1の幅方向(刺繍進行方向と直交する方向)が一致するようにセットする。
【0044】
<2>レース地1の所定位置に機械刺繍装置Mの刺繍針m2を貫通させる工程〔図2(b)〕
初めに、機械刺繍装置Mを作動させてレース地1に予め定められた刺繍パターン3を形成する。そして、刺繍針m2がレース地1上の所定位置に到達したら、機械刺繍装置Mを一時停止させる。このとき、上記所定位置において、刺繍針m2はレース地1に対して貫通していることが好ましいが、刺繍針m2とレース地1とが離間していても構わない。
なお、上記所定位置がレース地1の端部付近である場合は、レース地1に対して刺繍パターン3を形成することなく、最初から刺繍針m2をレース地1に対して貫通させた状態とすればよい。
【0045】
<3>貫通させた刺繍針m2の上に装飾テープ2を載置する工程〔図2(c)〕
次に、レース地1に対して貫通させた刺繍針m2の上に装飾テープ2を載置する。ここでいう「載置」は、レース地1と装飾テープ2とを重ねた状態で、装飾テープ2の下端を刺繍針m2に合わせて位置させることを意味する。この際、装飾テープ2における載置側の縁部が刺繍針m2より下方に弛んだり、刺繍針m2から浮き上がったりしないように留意する。刺繍針m2が表側に引退して、レース地1とが離間している場合は、刺繍針m2の先端からレース地1へと延びる刺繍表糸(図示せず)の上に装飾テープ2を載置すればよい。このように装飾テープ2を載置することで、装飾テープ2の下端辺が刺繍針m2又は刺繍表糸に沿って一定の高さ位置に揃えられるので、装飾テープ2はレース地1に形成した複数の刺繍パターン3に対してバランスの取れた美しい配置となる。
なお、本実施形態では、レース地1の表側において装飾テープ2を刺繍針m2の上に載置しているが、刺繍針m2がレース地1を貫通している場合は、レース地1の裏側において装飾テープ2を刺繍針m2の上に載置することも可能である。さらに、レース地1の表側及び裏側の両方において装飾テープ2を刺繍針m2の上に載置してもよい。
【0046】
<4>装飾テープ2とレース地1とが重なる重畳部Wへの最初の刺繍パターン3の形成予定領域を避けた位置において、装飾テープ2をレース地1に仮固定(一体化)する工程〔図3(d)〕
次に、刺繍針m2の上に載置した装飾テープ2をレース地1に留めてレース地1と装飾テープ2とを一体化する。本実施形態では、この一体化は、レース地1に対する装飾テープ2の仮固定となる。この仮固定は、装飾テープ2とレース地1とが重なる重畳部Wへの最初の刺繍パターン3の形成予定領域を避けた位置(すなわち、最初の刺繍工程では刺繍糸が存在しない部位)で行なう。これにより、刺繍パターン3は仮固定した部分に緩衝しないので、後述する仮固定の解除を容易に行なうことができる。
上記の仮固定は、装飾テープ2の両端部を待ち針20で固定し、さらに装飾テープ2の中間部分を粘着テープ21で適宜固定することで完了する。なお、待ち針20を使用する代わりに、作業者が手で装飾テープ2の両端部を一時的に押さえ、装飾テープ2の中間部分を粘着テープ21で適宜固定して仮固定を完了してもよい。また、装飾テープ2の中間部分の固定間隔は、装飾テープ2の重量に応じて変更することが好ましく、例えば、0.5〜2.0mの間隔に設定することができる。
【0047】
<5>重畳部Wに最初の刺繍パターン3を形成する工程〔図3(e)〕
次に、装飾テープ2がレース地1に仮固定された状態で、機械刺繍装置Mの作動を再開させて重畳部Wに最初の刺繍パターン3を形成する。この刺繍パターン3は、装飾テープ2及びレース地1の両方を貫くように形成される。従って、重畳部Wへの最初の刺繍パターン3の形成が完了すると、装飾テープ2はレース地1に縫合された状態となり、これにより本固定がなされる。ここで、本固定後の刺繍テープ2は、レース地1に対して高さ位置が揃えられた状態がそのまま維持されているため、整然とした美しい外観を呈するものとなっている。
【0048】
<6>レース地1に対する装飾テープ2の仮固定を解除する工程〔図3(f)〕
重畳部Wへの最初の刺繍パターン3の形成を完了後、機械刺繍装置Mを一旦停止させ、装飾テープ2の両端部を留めていた待ち針20、及び装飾テープ2の中間部分に貼り付けていた粘着テープ21を夫々取り外して仮固定を解除する。
ただし、この仮固定の解除工程は、レース地1への全ての刺繍パターン3の形成後に、まとめて実行することも可能である。
【0049】
<7>後続の刺繍パターンを形成する工程〔図4(g)〕
次に、機械刺繍装置Mの作動を再開させて後続の刺繍パターン3を形成する。ここでの刺繍パターン3の形成は、レース地1に対する装飾テープ2の本固定が完了しているため、残りのレース地1又は重畳部Wに対して、通常の形式で行なうことができる。
【0050】
以上の<1>〜<7>の工程を経て、本発明の刺繍レース10が完成する。
このようにして製造した刺繍レース10は、レース地1に対する装飾テープ2の位置決めが適切に行われ、刺繍パターン3を施したときの結合状態も良好なものとなる。よって、外観及び品質が優れた製品となる。本発明の刺繍製品の製造方法によって製造した刺繍レースの例として、チュールネットにテープを留めて一体化し、その状態で刺繍パターンを形成した刺繍レースを図8に示し、チュールネットに細幅レースを留めて一体化し、その状態で刺繍パターンを形成した刺繍レースを図9に示す。
【0051】
[第2実施形態]
図5は、本発明の第2実施形態であり、刺繍レース10を製造する方法を説明するための模式図である。
【0052】
上記第1実施形態では、レース地1に対して貫通させた刺繍針m2の上に装飾テープ2を載置している。すなわち、機械刺繍装置Mにレース地1をセットした状態で、レース地1に対する装飾テープ2の位置決めを行うとともに、レース地1と装飾テープ2とを一体化する「セット後一体化工程」を実行している。
【0053】
これに対し、第2実施形態では、機械刺繍装置Mにレース地1をセットする前に、レース地1に対する装飾テープ2の位置決めを行うとともに、レース地1と装飾テープ2とを一体化する「セット前一体化工程」を実行する。以下、具体的に説明する。
【0054】
<1>レース地1を機械刺繍装置Mにセットする前に、レース地1と装飾テープ2とを一体化するセット前一体化工程〔図5(a)〕
先ず、図5(a)に示すように、レース地1の所定位置に装飾テープ2を重ね合わせ、装飾テープ2の両端部を待ち針20で仮固定し、さらに装飾テープ2の中間部分を粘着テープ21で適宜仮固定する。これにより、レース地1と装飾テープ2とが一体化される。
【0055】
上記所定位置は、装飾テープ2付きのレース地1を、一体化工程を経た後に機械刺繍装置Mにセットする状態において、機台幅方向と当該機台幅方向に直交する方向を基準として決定することができる。この場合、例えば、上記2方向に一体化のための基準線を引いておき、この基準線を基準に装飾テープ2を一体化する。また、待ち針20及び粘着テープ21による仮固定の位置は、上記第1実施形態と同様に、装飾テープ2とレース地1とが重なる重畳部Wへの最初の刺繍パターン3の形成予定領域を避けた位置(すなわち、最初の刺繍工程では刺繍糸が存在しない部位)で行なう。
【0056】
<2>装飾テープ2付きのレース地1を機械刺繍装置Mの機台m1にセットする工程〔図5(b)〕
次に、図5(b)に示すように、セット前一体化工程を経て得られた装飾テープ2付きのレース地1を機械刺繍装置Mの機台m1にセットする。この際、機械刺繍装置Mの機台幅方向にレース地1の幅方向(刺繍進行方向と直交する方向)が一致するようにセットするとともに、刺繍パターン3が設計どおりに形成されるように機台幅方向に直交する方向についても位置調整を行う。
【0057】
<3>刺繍パターン3を形成する工程〔図5(c)〕
次に、図5(c)に示すように、機械刺繍装置Mを作動させてレース地1及び重畳部Wに刺繍パターン3を形成する。その後、適当な時期に機械刺繍装置Mを一旦停止し、装飾テープ2の両端部を留めていた待ち針20、及び装飾テープ2の中間部分に貼り付けていた粘着テープ21を夫々取り外して仮固定を解除してから、機械刺繍装置Mの作動を再開させて後続の刺繍パターン3を形成する。
【0058】
このようにして得られた刺繍レース10は、上記第1実施形態と同様に、レース地1に対する装飾テープ2の位置決めが適切に行われ、刺繍パターン3を施したときの結合状態も良好なものとなる。よって、外観及び品質が優れた製品となる。
【0059】
ところで、この第2実施形態で得られた刺繍レース10、すなわち、装飾テープ2(これを第1装飾布とする)付きのレース地1に対して、さらに別の装飾テープや細幅レース等の装飾布(これを第2装飾布とする)を留め付けて一体化することもできる。この場合、装飾テープ2付きのレース地1に対して第2実施形態の刺繍レースの製造方法を繰り返してもよいし、第1実施形態の刺繍レースの製造方法を新たに実行してもよい。また、これらの刺繍レースの製造方法を任意に組合わせて複数回以上実行することも可能である。
【0060】
[第3実施形態]
レース地1に対する装飾テープ2の仮固定(一体化)は、上記第1実施形態及び第2実施形態とは異なる方法で行うこともできる。図6は、第3実施形態によるレース地1に対する装飾テープ2の仮固定を説明するための機械刺繍装置Mの要部斜視図である。この図は、レース地1の表側から見たものである。
【0061】
本実施形態においては、機台m1(図2参照)表側の幅方向に延在するプレート部材m3を機械刺繍装置Mに設けている。このプレート部材m3には、刺繍針m2が往復動作を行なう際に挿通する孔部aが刺繍針2に対応する位置に形成されている。仮固定を行なう前に、プレート部材m3の孔部aに刺繍針m2を貫通させておく。
次に、プレート部材m3とレース地1との間に装飾テープ2を挿入する(図6(a))。このとき、必要に応じて、装飾テープm2の両端部を待ち針で留めておく。そうすると、装飾テープ2の下端辺が刺繍針m2に沿って一定の高さ位置に揃えられる。また、プレート部材m3が装飾テープ2を長手方向に沿ってガイドするので、装飾テープ2が弛んでしまうこともない。その結果、装飾テープ2はレース地1に形成した複数の刺繍パターン3に対してバランスの取れた美しい配置で仮固定される(図6(b))。
特に、幅広の装飾テープ2を仮固定する場合、本実施形態のプレート部材m3を用いれば、装飾テープ2の途中に弛みが生じず、確実にレース地1に対して仮固定することができるため有効である。
【0062】
なお、プレート部材m3を、例えば、透明なアクリル板で構成すれば、レース地1に対して装飾テープ2を仮固定している状態が目視により確認することができるので、装飾テープ2の微調整が容易となる。
またプレート部材m3として、例えば、機械刺繍装置Mの付属品として取り付けられるコード装置のプレートを兼用することもできる。この場合、新たに部品を追加する必要がないため、設備コストを低減することができる。
【0063】
[第4実施形態]
図7は、第4実施形態によるレース地1に対する装飾テープ2の仮固定(一体化)を説明するための機械刺繍装置Mの要部斜視図である。この図は、レース地1の裏側から見たものである。
【0064】
本実施形態は、機械刺繍装置Mが元来備えているシャットルケース(駆動部材収容部)m4を利用して、装飾テープ2をレース地1に対して仮固定するものである。装飾テープ2は、レース地1の裏側に固定される。
【0065】
シャットルケースm4は、機台m1(図2参照)裏側の幅方向に整列ライン(図7では、図面視でシャットルケースm4が右下から左上に並ぶことで形成されるライン)を形成し、レース地1を挟んで刺繍針m2と対向する位置に複数配置されている。シャットルケースm4の内部には、刺繍針m2の往復運動と連動して刺繍針m2の往復動作方向と直交する方向に動作するシャットル(駆動部材)bが収容されている。シャットルケースm4は、通常、レース地1に密着しているので、シャットルケースm4を手動で必要分だけレース地1から引き離して、シャットルケース4とレース地1との間に隙間を形成する。そして、この隙間に装飾テープ2を挿入する(図7(a))。このとき、必要に応じて、装飾テープ2の両端部を下方に引っ張って、装飾テープ2の下端辺が刺繍針m2に当接する位置まで挿入されているかを確認する。そして、装飾テープ2の下端辺が刺繍針m2の上で所定の高さ位置に揃えられた状態となっているのを確認してから、シャットルケースm4を再びレース地1に密着させる。そうすると、シャットルケースm4が装飾テープ2を長手方向に沿ってガイドするので、装飾テープ2が弛んでしまうことはない。その結果、装飾テープ2はレース地1に既に形成した複数の刺繍パターン3に対してバランスの取れた美しい配置で仮固定(一体化)される。そしてこの状態から、装飾テープ2及びレース地1に対して刺繍パターン3の形成を行なう(図7(b))。
【0066】
本実施形態によれば、機械刺繍装置Mが元来備えているシャットルケースm4を利用して、装飾テープ2をレース地1に対して仮固定することができるので、追加のコストをかけることなく、現状の装置構成を利用して、レース地1に対する装飾テープ2の留め付けを確実に行うことができる。
【0067】
[別実施形態]
(1)本発明の刺繍レース10においては、刺繍パターン3によってレース地1に縫合する装飾テープ2の数を変更することができる。例えば、レース地1の表側のみに装飾テープ2を複数本縫合したり、裏側のみに装飾テープ2を複数本縫合したり、あるいは表側及び裏側に同時に1本以上縫合することも可能である。また、レース地1を2本の装飾テープで表側及び裏側から挟み込むような形態で縫合することも可能である。さらに、複数の装飾テープ2を重ね合せた状態で縫合することも可能である。
【0068】
(2)上記の実施形態では、レース地1に装飾布として細長の装飾テープ2を取り付けた刺繍レース10の例を説明したが、装飾布として任意の形状ものをレース地1に縫合することも可能である。例えば、円形、三角形、星型、雲形等の装飾布を、本発明の方法によってレース地1に縫合する。
【0069】
(3)上記の実施形態では、レース地1と装飾テープ2との一体化工程(仮固定)において、基布1に装飾テープ2を留める際に粘着テープ及び待ち針を使用したが、他の手法で一体化工程を実行することも可能である。以下、その例について幾つか説明する。
例えば、仮固定手段として、ステープル、接着剤等を使用することもできる。これらの仮固定手段は、上記の実施形態で使用した粘着テープや待ち針と任意に組み合わせて使用可能である。
レース地1と装飾テープ2との一体化工程を、レース地1に装飾テープ2を溶解除去可能な材料で留めることで実行してもよい。溶解除去可能な材料の例としては、水溶性糸や水溶性糊が挙げられる。刺繍工程の終了後に、溶解除去可能な材料を溶解除去すれば、趣の異なるデザインの刺繍製品とすることができる。
レース地1と装飾テープ2との一体化工程を、レース地1に装飾テープ2を縫い付けることで実行してもよい。
レース地1と装飾テープ2との一体化工程を、レース地1に装飾テープ2を所定位置に位置決めした状態で、レース地1又は装飾テープ2の構成材料を溶融させて(例えば、スポット的に熱溶融させて両者を融着させて)、レース地1に装飾テープ2を留めるようにしてもよい。
これらの一体化工程は、簡単、確実、且つ低コストで、基布と装飾布とを一体化することができる。
【0070】
(4)上記の実施形態では、基布としてレース地1、装飾布として装飾テープ2を夫々採用したが、基布は、レース地を含む編地、織布、及び不織布からなる群から選択することができる。また、上記基布に水溶性シートを重ね合わせたものを「基布」として用いてもよい。
装飾布は、テープ、細幅レース、及び所定形状に成型されたレース地を含む編地、織布、又は不織布からなる群から選択される少なくとも一つとすることができる。
このように、本発明の刺繍製品の製造方法によれば、様々な素材で種々の刺繍製品を得ることができる。
また、本発明の刺繍製品の製造方法により製造された刺繍製品は、基布と装飾布と刺繍パターンとが一体となった美しい外観を呈する刺繍製品となる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の刺繍製品を製造するための機械刺繍装置の要部を示す斜視図
【図2】本発明の第1実施形態による刺繍レースの製造方法を説明するための模式図
【図3】本発明の第1実施形態による刺繍レースの製造方法を説明するための模式図
【図4】本発明の第1実施形態による刺繍レースの製造方法を説明するための模式図
【図5】本発明の第2実施形態による刺繍レースの製造方法を説明するための模式図
【図6】本発明の第3実施形態によるレース地に対する装飾テープの仮固定を説明するための機械刺繍装置の要部斜視図
【図7】本発明の第4実施形態によるレース地に対する装飾テープの仮固定を説明するための機械刺繍装置の要部斜視図
【図8】本発明の刺繍製品の製造方法によって製造した刺繍レースの例
【図9】本発明の刺繍製品の製造方法によって製造した刺繍レースの例
【符号の説明】
【0072】
1 レース地(基布)
2 装飾テープ(装飾布)
3 刺繍パターン
10 刺繍レース(刺繍製品)
20 待ち針
21 粘着テープ
M 機械刺繍装置
b シャットル
m1 機台
m2 刺繍針
m3 プレート部材
m4 シャットルケース(駆動部材収容部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機台幅方向に沿って整列される複数の刺繍針と、前記刺繍針それぞれに対応するシャットルボックスとを備えた機械刺繍装置を使用して、前記刺繍針により刺繍表糸を刺繍対象布の表裏間に渡って案内するとともに、前記刺繍対象布の裏面側に設けられる前記シャットルボックスに収納されたシャットルから刺繍裏糸を送り出して、前記刺繍対象布と前記刺繍表糸との間に挿通させて刺繍表糸を刺繍対象布に留め付け、所定の刺繍パターンを形成する刺繍製品の製造方法であって、
基布と当該基布より小さい装飾布とを準備する準備工程と、
前記基布の表側及び裏側の少なくとも何れか一方の側の所定位置に、前記装飾布を留めて、前記基布と前記装飾布とを一体化する一体化工程と、
前記一体化工程を経て得られる装飾布付きの基布を前記刺繍対象布として、少なくとも前記基布と前記装飾布とに亘って、前記機械刺繍装置を使用して前記刺繍パターンを形成する刺繍工程と
を包含する刺繍製品の製造方法。
【請求項2】
前記一体化工程として、前記機械刺繍装置に前記基布をセットする前に、前記基布と前記装飾布とを一体化するセット前一体化工程を実行する請求項1に記載の刺繍製品の製造方法。
【請求項3】
前記装飾布付きの基布を、前記一体化工程を経た後に前記機械刺繍装置にセットする状態において、前記機台幅方向と当該機台幅方向に直交する方向を基準として、前記セット前一体化工程において前記装飾布を前記基布に対して位置決めするとともに、一体化する請求項2に記載の刺繍製品の製造方法。
【請求項4】
前記一体化工程として、前記機械刺繍装置に前記基布をセットした状態で、前記基布と前記装飾布とを一体化するセット後一体化工程を実行する請求項1に記載の刺繍製品の製造方法。
【請求項5】
前記機械刺繍装置に前記基布をセットする前に、前記基布と第1装飾布とを一体化するセット前一体化工程を実行するとともに、
前記セット前一体化工程を経て得られた第1装飾布付き基布を前記機械刺繍装置にセットした状態で、前記第1装飾布とは異なる第2装飾布を前記基布にさらに一体化するセット後一体化工程を実行する請求項1に記載の刺繍製品の製造方法。
【請求項6】
前記機械刺繍装置に前記基布をセットした状態で、前記セット後一体化工程を実行するに、
前記機台幅方向と当該機台幅方向に直交する方向を基準として、前記装飾布を前記基布に対して位置決めするとともに、一体化する請求項4又は5に記載の刺繍製品の製造方法。
【請求項7】
前記機械刺繍装置に前記基布をセットした状態で、前記セット後一体化工程を実行するに、
前記基布の前記機台幅方向の両端と、その中間部位で、前記装飾布を前記基布に留める請求項4〜6の何れか一項に記載の刺繍製品の製造方法。
【請求項8】
前記一体化工程において前記基布に前記装飾布を留めるに、粘着テープ、待ち針、ステープル、及び接着剤からなる群から選択される少なくとも一つを使用する請求項1〜7の何れか一項に記載の刺繍製品の製造方法。
【請求項9】
前記一体化工程は、前記基布に前記装飾布を溶解除去可能な材料で留める工程であり、
前記刺繍工程の終了後に、前記溶解除去可能な材料を溶解除去する請求項1〜7の何れか一項に記載の刺繍製品の製造方法。
【請求項10】
前記一体化工程は、前記基布に前記装飾布を縫い付ける工程である請求項1〜7の何れか一項に記載の刺繍製品の製造方法。
【請求項11】
前記一体化工程は、前記基布に前記装飾布を所定位置に位置決めした状態で、基布又は装飾布の構成材料を溶融させて、前記基布に前記装飾布を留める工程である請求項1〜7の何れか一項に記載の刺繍製品の製造方法。
【請求項12】
前記機械刺繍装置は前記機台幅方向に延在するプレート部材を備え、前記セット後一体化工程によって前記基布の表側に前記装飾布を一体化する場合において、前記プレート部材により前記装飾布をガイドする請求項4又は5に記載の刺繍製品の製造方法。
【請求項13】
前記機械刺繍装置は前記機台幅方向に整列ラインを形成する複数の駆動部材収容部を備え、前記セット後一体化工程によって前記基布の裏側に前記装飾布を一体化する場合において、前記駆動部材収容部により前記装飾布をガイドする請求項4又は5に記載の刺繍製品の製造方法。
【請求項14】
前記基布は、レース地を含む編地、織布、及び不織布からなる群から選択される請求項1〜13のいずれか一項に記載の刺繍製品の製造方法。
【請求項15】
前記装飾布は、テープ、細幅レース、及び所定形状に成型されたレース地を含む編地、織布、又は不織布からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1〜14のいずれか一項に記載の刺繍製品の製造方法。
【請求項16】
請求項1〜15の何れか一項に記載の刺繍製品の製造方法により製造された刺繍製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−167549(P2009−167549A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−5233(P2008−5233)
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【出願人】(504074271)宮城レース株式会社 (6)
【Fターム(参考)】