説明

加水燃料を使用する貝殻カルシューム製造方法

【課題】高配合の加水燃料を使用して海産物残渣である貝殼を焼成して高品質のカルシュームを製造するシステムを提供する。
【解決手段】回転式円形炉の一端に加水燃焼装置を設置して、装置を焼く700℃前後に予熱後、加水燃料を噴霧することにより、加水燃料は高圧・高熱の水蒸気微爆発を起こす。この高圧水蒸気ガスを炉内に噴射することにより、貝殻は焼成され高品質の貝殻カルシュームとすることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は加水燃料(油1に対し水2〜5倍の水溶液)を燃焼することによる貝殼カルシュームの製造方法。
【背景技術】
【0002】
従来乾燥に必要な熱量は、重油、灯油、を燃焼する事により発生する熱量により熱風を直熱方式又は伝熱方式により乾燥していた。
乾燥温度は500℃〜1100℃程度が一般的であり、高純度の炭酸カルシュームを得るためには貝殻を焼成→[水和(消石灰)→反応(CO導入)→乾燥→粉砕]の二次工程が必要であった。

(2)焼成・乾燥工程に重油、灯油の燃焼、又は電熱を使用していため生産コストに占める燃費の割合が大きく、化石燃料の場合は排ガスにすす・ダイオキシン等有害物質が発生これらの排ガスを環境基準以下にする対策設備(バグフィルター)等の設備が必要である。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
加水燃料を使用することにより、燃費の低減と排ガスのクリーン化及び従来の工程で必要であった二次工程を省略する。
【問題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は鋭意研究・実験の結果、上記課題を下記構成の発明により解決した。
(1)加水燃料を燃料として使用することにより、発生する高温の水性ガスにより貝殻を乾燥させるため高純度の貝殻カルシュームの製造が可能であり、焼成後40時間程度で粉末(約50μ)するため従来の二次工程を省略することが可能であ。
(2)加水燃料(油1にたいし水2〜5倍)を採用することにより、製造コストの軽減が図れる。
(3)乾燥炉は回転式円形炉を採用し、投入する貝殻はあらかじめ1/2程度に荒粉砕して自動的に炉内に投入・引き出しが可能な装置を設備する事により継続的に燃焼することが可能である。
(4)回転炉を採用することにより投入した貝殻は炉の回転に伴い移動するため、まんべんなく加熱乾燥する事ができ、製品に偏りを生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
油1:水2〜5に混合した加水燃料を700℃〜900℃に加熱された燃焼装置内に噴射すると加水燃料中の水は常温から急速に700℃〜800℃に加熱されて水蒸気爆発を起こす。
このとき燃焼装置の出口が狭められているため、水蒸気爆発のエネルギーは燃焼装置の中に封じ込れ、ガス状のHOに水蒸気爆発のエネルギーが集まり燃料中の水はHO→2H+Oに分解する。
(2)次に、2H+O+油+空気に分解したガスは700℃〜800℃の高温のまま貝殻を封入した回転炉内に噴射される。
貝殻に付着する有機物は高温ガスにより炭化・焼却され貝殻は分解されたOにより酸化分解して白色の炭酸カルシュームCaCOを経て酸化カルシュームCaCO,となり水酸化濃度(PH)は13〜14となる。
(3)加水燃料ガス2H+Oは自己完結型のガスで燃焼用空気は必要としない。
空気が必要なのは油だけになり、加水燃焼の必要空気量は油專焼時の1/5〜1/6程度となる。
空気量がすくないと言うことは窒素量も少ないこと事になり、水和燃料のNOX量も同じ燃焼温度で比較すれば1/5〜1/6となる。SOXは油の相対比率と言うことから同様となる。
(4)2H+O→+HOの生成エネルギー(結合エネルギー)は12,160kcal/kgで、重油エネルギー10,000kcal/kgに比べて熱量は高い。
O→2H+Oの分解エネルギーが水蒸気爆発で賄われれば12,160kcal/kgが熱量としてそのまま取り出せる訳で水和燃料(油1:水2〜5)の熱量は重油專焼の時よりも高くなる筈である。
(5)(1)〜(4)で説明したように重油・灯油專焼時よりも加水燃料をした法が燃費は軽減できる。

(6)加水燃料を燃焼した場合カーボンの焼き付きがなく、油は完全に燃焼する。
このことは焼成した貝殻カルシュームにNOX、SOX及びすす等の有害物質が付着せず純度の高いカルシュームを製造する事が可能であり従来行われていた二次工程を省略できる。

(7)貝殻の燃焼方法は約1/50の傾斜をもって設置した円筒型の回転炉床に貝殻殻を約20cm程度に拡げ、炉内に加水燃料を燃焼させた高温の水蒸気ガスを噴射する。燃焼物は炉体の回転と傾斜により入り口の低温帯から出口側の高温帯に自動的に移動しながら焼成する。。
低温帯の温度は約600℃〜700℃、高温帯は800℃〜900℃を目安とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば前記のとおり、貝殻を燃焼してカルシュームを製造するのに燃料として加水燃料を使用することにより、製品の高品質化と燃費の節減・排気ガスのクリーン化を図ることが可能である。併せて従来の製法から二次工程を省略出来るため製造コストを低減することが出来る。
なお、環境対策としての海産物残渣のリサイクルにも貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図−1】 貝殻燃焼システム
【符号の説明】
▲1▼ 貝殼投入設備
▲2▼ 搬送コンベアー
▲3▼ 荒破砕装置
▲4▼ 定量供給設備
▲5▼ 投入ホッパー
▲6▼ 回転式円形炉
▲7▼ 加水燃焼装置+バーナー
▲8▼ 製品搬出受け口+水冷コンベアー
▲9▼ 製品ホッパー
▲10▼ 製粉+梱包設備
▲11▼ 煙道
▲12▼ サイクロン
▲13▼ 煙突
▲14▼ 加水燃料自動製造装置
▲15▼ オイルタンク
▲16▼ 水タンク
▲17▼ 原材料高圧洗浄設備
▲18▼ 原材料搬入
【図−1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホタテ、カキ、ウニ等の貝殻を、加水燃料を燃焼させることにより加熱乾燥させ純度の高い貝殻カルシュームを製造する方法。
【請求項2】
1に使用する燃料は油1に対し2〜5倍の水を混合した加水燃料を約800℃で貝殻を燃焼させ貝殻カルシュームを製造する方法
【請求項3】
加水燃料の燃焼に燃焼装置(特申20701780001)を使用することにより加水燃料の燃焼を可能し貝殻カルシュームを製造する方法。
【請求項4】
貝殻を乾燥させるのに回転式円形炉を使用し貝殼カルシュームを製造する方法。