説明

加湿装置

【課題】温水の消費が少なく小型で大能力を有する加湿装置を提供することを目的とする。
【解決手段】第1加湿流体流路1aと加湿膜4により分離される第1被加湿流体流路2aを有する第1加湿器3aと、第2加湿流体流路1bと加湿膜4により分離される第2被加湿流体流路2bを有する第2加湿器3bとを備え、前記第1被加湿流体流路2aと前記第2被加湿流体流路2bとを連通して、前記第1加湿器3aと前記第2加湿器3bとを一体化して形成したもので、被加湿流体を第1加湿流体で加湿した後、第2加湿流体で加湿することとなり、1台の装置で被加湿流体を複数の加湿流体で加湿することができ加湿能力を大幅に増大することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池および住宅等の加湿に用いられる加湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の加湿装置は、加湿流体として燃料電池の冷却に用いた温水を用いてカソード極に供給する空気を加湿している。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は、特許文献1に記載された従来の加湿装置を示すものである。図10に示すように、燃料電池の冷却水を流す加湿流体流路1と、カソード極に供給する空気を流す被加湿流体流路2とから構成されている。
【特許文献1】特開2001−196075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、燃料電池を冷却した温水を加湿流体として用いているため冷却水回路からの熱回収量を確保した状態で加湿を行うと加湿能力が不足し、他の加湿源を併用する場合は複数の加湿装置を設けなければならず、装置が複雑になり大型化するなどの課題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、温水の消費が少なく小型で大能力を有する加湿装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の加湿装置は、第1加湿流体流路と加湿膜により分離される第1被加湿流体流路を有する第1加湿器と、第2加湿流体流路と加湿膜により分離される第2被加湿流体流路を有する第2加湿器とを備え、前記第1被加湿流体流路と前記第2被加湿流体流路とを連通して、前記第1加湿器と前記第2加湿器とを一体化して形成したものである。
【0007】
これによって、複数の加湿流体を一台の装置で使用することができ、第2加湿流体に用いる温水の消費量を低減することができるので、過大な加湿負荷にも対応が可能な小型で高能力な加湿装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の加湿装置は、複数の加湿流体を加湿源として利用することができ、加湿能力を増大して、装置を小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、第1加湿流体流路と加湿膜により分離される第1被加湿流体流路を有する第1加湿器と、第2加湿流体流路と加湿膜により分離される第2被加湿流体流路を有する第2加湿器とを備え、前記第1被加湿流体流路と前記第2被加湿流体流路とを連通して、前記第1加湿器と前記第2加湿器とを一体化して形成したもので、被加湿流体を第1加湿流体で加湿した後第2加湿流体で加湿することとなり、1台の装置で被加湿流体を複数の加湿流体で加湿することができ加湿能力を大幅に増大することができる。
【0010】
第2の発明は、第1加湿器は、加湿流体流路平板と加湿膜と被加湿流体流路平板とを順に複数枚積層して、前端板と被加湿流体通過穴とを有する中間板とで挟んで構成し、第2
加湿器は、加湿流体流路平板と加湿膜と被加湿流体流路平板とを順に複数枚積層して、前記中間板と後端板とで挟んで構成し、前記第1加湿器と前記第2加湿器とを締結体で締結して形成したもので、第1加湿器の第1被加湿流体流路と第2加湿器の第2被加湿流体流路とを被加湿流体通過穴を有する中間板で連結することができるので、平板状の部材を積層して2つの加湿器を一体化することができる。
【0011】
第3の発明は、前端板は被加湿流体入口を下部に配し、後端板は被加湿流体出口を下部に配し、中間板は被加湿流体通過穴を上部に配する構成としたもので、被加湿流体流路と第1加湿流体流路中で結露した水分が流路中に滞留するのを防止することとなり、流路の圧力損失上昇を防止して安定して高加湿能力を維持することができる。
【0012】
第4の発明は、第1加湿流体として気体を用い、第2加湿流体として液体を用いたもので、被加湿流体を高湿気体で加湿したあと温水で加湿することができるので、温水の消費を抑えて大能力の加湿ができる。
【0013】
第5の発明は、被加湿流体出口に設けた温湿度検出手段と、第2加湿流体流路をバイパスするバイパス管と、前記バイパス管に設けた流量調整手段と、前記温湿度検出手段の検出値に基づいて前記流量調整弁の動作を制御する制御装置とを有するもので、温湿度検出手段の検出値に基づいて制御装置で流量調整弁の開度を制御することとなり、第2加湿流体流路の加湿流体の流量を調整して第2加湿器の能力を制御できるので、被加湿流体の温湿度を任意の値に制御することができる。
【0014】
第6の発明は、被加湿流体出口に設けた第1液溜めと、前記第1液溜めから第2加湿流体流路に接続する第1戻り管と、前記第1戻り管に設けた第1開閉弁と、第1加湿流体流路出口に設けた第2液溜めと、前記第2液溜めから第2加湿流体流路に接続する第2戻り管と、前記第2戻り管に設けた第2開閉弁とを有するもので、被加湿流体出口に第1液溜めを設け、第1液溜めと第2加湿流体流路とを第1開閉弁を介して第1戻り管で接続し、第1加湿流体流路出口に第2液溜めを設けて、第2液溜めと第2加湿流体流路とを第2開閉弁を介して接続することにより、被加湿流体流路と第1加湿流体流路中で結露した水分を第1液溜めと第2液溜めにためて第2加湿流体流路に送ることとなり、被加湿流体流路と第1加湿流体流路中で結露した余分な水分を第2加湿器で再度加湿に利用することができる。
【0015】
第7の発明は、締結体は弾性部材を有するもので、加湿流体流路平板の厚みが変化した時にも、弾性材であるバネの伸縮により板厚の変化を吸収し締結力を保つこととなり、流体の温度が変化するような運転条件でも漏れを防止して安定した運転ができる。
【0016】
第8の発明は、加湿流体流路平板と加湿膜と被加湿流体流路平板との積層体の端部に防水膜を設けたもので、加湿膜と流路平板との間のシールが破壊した場合、防水膜が加湿器内部の流体が外部に漏れるのを防止することとなり、凍結が生じてシールが破壊する温度環境においても装置を運転することができる。
【0017】
第9の発明は、装置全周に断熱材を設けたもので、加湿器内部の温度低下を抑制して被加湿流体流路と加湿流体流路で結露するのを防止することとなり、流路の圧力損失増大を押さえて安定した高加湿運転を行うことができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものでない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における加湿装置の構成図を示すものである。
【0020】
図1において、第1加湿器3aは加湿膜4で仕切られる第1加湿流体流路1aと第1被加湿流体流路2aとを有し、第2加湿器3bは加湿膜4で仕切られる第2加湿流体流路1bと第2被加湿流体流路2bとを有し、第1被加湿流体流路2aと第2被加湿流体流路2bを連通して第1加湿器3aと第2加湿器3bとを一体にして構成している。
【0021】
以上のように構成された加湿装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0022】
まず、第1加湿器3aにおいて、第1加湿流体流路1aを流れる加湿流体から第1被加湿流体流路2aを流れる被加湿流体に絶対湿度の差に応じて加湿膜4を通して水分を移動して被加湿流体を加湿する。同様に、第2加湿器3bにおいて、第2加湿流体流路1bを流れる加湿流体から第2被加湿流体流路2bを流れる被加湿流体に絶対湿度の差に応じて加湿膜4を通して水分を移動して被加湿流体を加湿する。
【0023】
以上のように、本実施の形態においては、第1被加湿流体流路2aと第2被加湿流体流路2bを連通して第1加湿器3aと第2加湿器3bとを一体に構成することにより2種類の加湿流体を1台の装置で利用することができ、第1加湿器3aと第2加湿器3bで2段加湿により高加湿能力を実現することができる。
【0024】
(実施の形態2)
図2は本発明の第2の実施の形態における加湿装置の構成図で、図3は部品図を示すものである。
【0025】
図2において、第1加湿器3aは加湿流体流路平板1と加湿膜4と被加湿流体流路平板2とを順に複数枚積層して前端板5と被加湿流体通過穴6を有する中間板7とで挟んで構成し、第2加湿器3bは加湿流体流路平板1と加湿膜4と被加湿流体流路平板2とを順に複数枚積層して中間板7と後端板8とで挟んで構成したものであり、第1加湿器3aと第2加湿器3bとを締結体9で締結して一体にして構成している。
【0026】
図3において、加湿流体流路平板1は第1加湿流体流路1aを有する平板状の積層部材であり、中間板7も被加湿流体通過穴6を有する平板状の積層部材である。
【0027】
以上のように構成された加湿装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0028】
まず、低湿度の被加湿流体が第1加湿器3aの被加湿流体流路平板2を流れるときに加湿流体流路平板1を流れる高湿の第1加湿流体から加湿膜4を通して水分が被加湿流体流路平板2に移動することにより、被加湿流体の湿度を上昇して加湿する。次に、第1加湿器3aの被加湿流体は中間板7の被加湿流体通過穴6を通過して第2加湿器3bの被加湿流体流路平板2に流れ、加湿流体流路平板1を流れる高湿の第2加湿流体から加湿膜4を通して水分を吸収してさらに湿度をあげる。
【0029】
以上のように、本実施の形態においては、前端板5と中間板7と後端板8の間に加湿流体流路平板1と加湿膜4と被加湿流体流路平板2からなる平板状の部材を積層して締結体9で締結して第1加湿器3aと第2加湿器3bを一体に構成することにより、1台の装置で2つの加湿流体から加湿することができるので、小型で高能力を有する装置を実現することができる。
【0030】
(実施の形態3)
図2は本発明の第3の実施の形態の加湿装置の構成図を示すものである。
【0031】
図2において、第1加湿器3aの前端板5の下部に被加湿流体入口10を設け、中間板7の上部に被加湿流体通過穴6を設け、第2加湿器3bの後端板8の下部に被加湿流体出口11を設けて第1加湿器3aと第2加湿器3bとを一体にして構成している。
【0032】
以上のように構成された加湿装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0033】
まず、低湿度の被加湿流体は前端板5の下部の被加湿流体入口10から第1加湿器3aに流入し被加湿流路平板2内を上昇して流れる間に第1加湿流体に加湿され湿度を上げて、中間板7の被加湿流体通過穴6から第1加湿器3aを出て第2加湿器3bに流入する。次に第2加湿器3b内の被加湿流路平板2内を下降して流れる間に第2加湿流体に加湿されさらに湿度を上げて後端板8の下部の被加湿流体出口11から加湿装置3の外に流出する。
【0034】
以上のように、本実施の形態においては、被加湿流体流路は下方の被加湿流体入口11から入り第1加湿器3a内を上昇し上方の被加湿流体通過穴7を通過して第2加湿器3b内を下降して被加湿流体出口12から流出する構成としたことにより、液たまり部のない流路構成となり、被加湿流体流路内部で結露した水分は重力作用により下方に移動して被加湿流体入口11と被加湿流体出口12から外部に排出される。被加湿流路は結露水で閉塞されることがないので、圧力損失も大幅に増大することもなく安定して高加湿能力を出すことができる。
【0035】
(実施の形態4)
図4は本発明の第4の実施の形態の加湿装置の構成図を示すものである。
【0036】
図4において、第1加湿器3aは被加湿流体に空気を用い加湿流体として燃料電池12のカソード排気を用い、第2加湿器3bは被加湿流体に第1加湿器3aから出た空気を用い加湿流体として燃料電池12を冷却して放熱器13で回収熱を放熱する温水を用い、第1加湿器3aと第2加湿器3bとは被加湿流体流路を連通して一体に構成している。
【0037】
以上のように構成された加湿装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0038】
まず、低湿度の空気は第1加湿器3aに入り、燃料電池12内のカソード極で反応して発生した水分を多量に含む高湿度の排気空気により加湿されて第2加湿器3bに入る。さらに第2加湿器3bでは燃料電池12を冷却した後の温水でさらに高湿度に加湿されて燃料電池12のカソード極に送られて発電反応に供される。
【0039】
以上のように、本実施の形態においては、一体に構成された加湿装置3の第1加湿器3aの加湿源としてカソード極で使用された高湿度の排気空気を用い第2加湿器3bの加湿源として燃料電池12を冷却した後の温水を用いることにより、高湿度の空気と温水の2段階で加湿することができるので、温水の消費を押さえることにより放熱器13で多くの熱量を回収することでき、燃料電池12のような小型で高能力を必要とするシステムにも適用することができる。
【0040】
(実施の形態5)
図5は本発明の第5の実施の形態の加湿装置の構成図を示すものである。
【0041】
図5において、温湿度検出手段14は第2加湿器3bの被加湿流体出口11に設け、流量調整手段16を第2加湿流体流路1bをバイパスするバイパス管15に設けて、温湿度検出手段14の検出値に応じて流量調整弁16を制御する制御装置17を設けたものであ
る。
【0042】
以上のように構成された加湿装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0043】
まず、被加湿流体は第1加湿器3aで加湿されて出たあと、第2加湿器3bでさらに加湿されて湿度を上げるが、所定の湿度条件を満たすために、被加湿流体出口12に設けた温湿度検出手段14により、温湿度状態を検出し、検出値を制御装置17におくり、制御装置17は流量調整手段16を制御して第2加湿流体流路1bを流れる流量を制御し第2加湿器3bの加温能力を調整することにより被加湿流体を所定の温湿度にすることができる。
【0044】
以上のように、本実施の形態においては、バイパス管15の流量調整手段16を温湿度検出手段14の出力に応じて制御装置17で制御することにより、被加湿流体を任意の温湿度に正確に制御することができる。
【0045】
(実施の形態6)
図6は本発明の第6の実施の形態の加湿装置の構成図を示すものである。
【0046】
図6において、第1液溜め18aを第2加湿器3bの被加湿流体出口11に設け、第1液溜め18aと第2加湿流体流路1bとを第1開閉弁19aをかいして第1戻り管20aで接続し、第2液溜め18bを第1加湿器3aの第1加湿流体流路1aの出口側に設け、第2液溜め18bと第2加湿流体流路1bとを第2開閉弁19bをかいして第2戻り管20bで接続したものである。
【0047】
以上のように構成された加湿装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0048】
まず、第2加湿器3bの被加湿流体流路内部で結露した水分は被加湿流体出口12から出て第1液溜め18aに溜め、第1加湿器3aの第1加湿流体流路1aで結露した水分は第2液溜め18bに溜める。加湿運転停止時に被加湿流体流路と第1加湿流体流路1aを加圧して第1開閉弁19aと第2開閉弁19bを開放することにより第1液溜め18aと第2液溜め18bにたまった水分は第1戻り管20aと第2戻り管20bから第2加湿流体流路1bに送りだされ、再運転時に第1加湿器3aの加湿水分として利用される。
【0049】
以上のように、本実施の形態においては、第1液溜め18aと第2液溜め18bを設けて結露水分を第2加湿流体流路1bに送りこむことにより、水分消費を少なくして効率的な加湿運転を行うことができる。
【0050】
(実施の形態7)
図7は本発明の第7の実施の形態の加湿装置の構成図を示すものである。
【0051】
図7において、第1加湿器3aと第2加湿器3bと一体に締結する締結体9にバネ21を設けたものである。
【0052】
以上のように構成された加湿装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0053】
まず、加湿流体に高温の流体を用いた場合、熱膨張により構成部材の厚さが厚くなり加湿装置3の厚みも増大し、一方低温の加湿流体を用いた場合は熱収縮で構成部材の厚さが薄くなり加湿装置3の厚みも薄くなる。加湿装置3の厚みに応じて締結体9の長さも変化してシール部から漏れが発生することになるが、締結体9にバネ21を装着したことにより寸法変化をバネ21の収縮で吸収することができるので締結力を適切な値に保ちシール
性能を維持して漏れを防止することができる。
【0054】
以上のように、本実施の形態においては、締結体9にバネ21を装着したことにより、加湿装置3の厚みが変化してもバネ21の収縮で厚みの変化を吸収して締結力を適切な値に保ってシール部の漏れを防止することができるので、過酷な温度環境条件においても運転が可能になり信頼性の高い装置を実現することができる。
【0055】
(実施の形態8)
図8は本発明の第8の実施の形態の加湿装置の構成図を示すものである。
【0056】
図8において防水膜22は前端版5と中間板7と後端板8とで挟んだ加湿流体流路平板1と加湿膜4と被加湿流体流路平板2の積層体23の端部にコーキング剤を塗布して設けたものである。
【0057】
以上のように構成された加湿装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0058】
まず、加湿膜4と加湿流体流路平板1または被加湿流体流路平板2との間のシールが壊れた場合は加湿装置3の内部の流体が、加湿装置3の外部に排出されるが、前端版5と中間板7と後端板8の積層体23の端部に防水膜22を設けたことにより、加湿装置3のシール部から漏れた流体を防水膜22により外部に流出するのを防止することができる。
【0059】
以上のように、本実施の形態においては、防水膜22を設けることにより加湿流体および被加湿流体が外部に流れ出るのを防止することができるので、加湿装置3を実装する機械を水で濡らして故障を生じさせることもなく信頼性の高い装置を実現できる。
【0060】
(実施の形態9)
図9は本発明の第9の実施の形態の除湿乾燥装置の構成図を示すものである。
【0061】
図9において、加湿装置3の全周を断熱材24で覆ったものである。
【0062】
以上のように構成された加湿装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0063】
まず、加湿装置3に用いる第1加湿流体に高湿度の空気などを用いた場合、寒冷地のように雰囲気が低温になった場合は第1加湿流体流路1a内部で結露を生じ流路を閉塞して性能を低下させる場合があるが、加湿装置3の全周を断熱材24で覆ったことにより、第1加湿流体流路1a内部の温度低下を防ぎ温度を露点以上に保つことにより結露を防止することができる。
【0064】
以上のように、本実施の形態においては、加湿装置3の全周を断熱材24で覆うことにより、加湿装置3内部の結露を防止して結露水の流路閉塞を防止して高加湿能力を維持し安定した運転を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上のように、本発明にかかる加湿装置は、1台の装置で複数の加湿流体を加湿源として利用することができ、小型で大能力を有する装置を実現できるので、食品加工など産業用加湿プロセス機器の用途にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態1における加湿装置の概略構成図
【図2】(a)本発明の実施の形態2および形態3における加湿装置の左側面図(b)同加湿装置の側断面図(c)同加湿装置の右側面図
【図3】(a)本発明の実施の形態2における加湿装置を構成する加湿流体流路平板の正面図(b)図3(a)のA−A断面図(c)図3(a)のB−B断面図(d)同中間板の正面図(e)同中間板の側面図
【図4】本発明の実施の形態4における加湿装置の概略構成図
【図5】本発明の実施の形態5における加湿装置の概略構成図
【図6】本発明の実施の形態6における加湿装置の概略構成図
【図7】本発明の実施の形態7における加湿装置の側面図
【図8】本発明の実施の形態8における側面図
【図9】本発明の実施の形態9における側面図
【図10】従来の加湿装置の概略構成図
【符号の説明】
【0067】
1 加湿流体流路平板
1a 第1加湿流体流路
1b 第2加湿流体流路
2 被加湿流体流路平板
2a 第1被加湿流体流路
2b 第2被加湿流体流路
3a 第1加湿器
3b 第2加湿器
4 加湿膜
5 前端板
6 被加湿流体通過穴
7 中間板
8 後端板
9 締結体
10 被加湿流体入口
11 被加湿流体出口
14 温湿度検出手段
15 バイパス管
16 流量調整手段
17 制御装置
18a 第1液溜め
18b 第2液溜め
19a 第1開閉弁
19b 第2開閉弁
20a 第1戻り管
20b 第2戻り管
21 バネ(弾性材)
22 防水膜
23 積層体
24 断熱材




【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1加湿流体流路と加湿膜により分離される第1被加湿流体流路を有する第1加湿器と、第2加湿流体流路と加湿膜により分離される第2被加湿流体流路を有する第2加湿器とを備え、前記第1被加湿流体流路と前記第2被加湿流体流路とを連通して、前記第1加湿器と前記第2加湿器とを一体化して形成した加湿装置。
【請求項2】
第1加湿器は、加湿流体流路平板と加湿膜と被加湿流体流路平板とを順に複数枚積層して、前端板と被加湿流体通過穴とを有する中間板とで挟んで構成し、第2加湿器は、加湿流体流路平板と加湿膜と被加湿流体流路平板とを順に複数枚積層して、前記中間板と後端板とで挟んで構成し、前記第1加湿器と前記第2加湿器とを締結体で締結して形成した請求項1項記載の加湿装置。
【請求項3】
前端板は被加湿流体入口を下部に配し、後端板は被加湿流体出口を下部に配し、中間板は被加湿流体通過穴を上部に配する構成とした請求項2記載の加湿装置。
【請求項4】
第1加湿流体として気体を用い、第2加湿流体として液体を用いた請求項1〜3のいずれか1項に記載の加湿装置。
【請求項5】
被加湿流体出口に設けた温湿度検出手段と、第2加湿流体流路をバイパスするバイパス管と、前記バイパス管に設けた流量調整手段と、前記温湿度検出手段の検出値に基づいて前記流量調整弁の動作を制御する制御装置とを有する請求項3記載の加湿装置。
【請求項6】
被加湿流体出口に設けた第1液溜めと、前記第1液溜めから第2加湿流体流路に接続する第1戻り管と、前記第1戻り管に設けた第1開閉弁と、第1加湿流体流路出口に設けた第2液溜めと、前記第2液溜めから第2加湿流体流路に接続する第2戻り管と、前記第2戻り管に設けた第2開閉弁とを有する請求項3または5記載の加湿装置。
【請求項7】
締結体は弾性部材を有する請求項2、3、5、6のいずれか1項に記載の加湿装置。
【請求項8】
加湿流体流路平板と加湿膜と被加湿流体流路平板との積層体の端部に防水膜を設けた請求項2、3、5〜7のいずれか1項に記載の加湿装値。
【請求項9】
装置全周に断熱材を設けた請求項1〜8のいずれか1項に記載の加湿装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−79896(P2006−79896A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−261055(P2004−261055)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】