説明

加湿装置

【課題】本発明は加湿装置に関するもので、デザイン性の更なる向上ができるものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、給水手段6の外面部11には、ねじ12が固定可能な複数のねじ固定部13を備え、このねじ固定部13は、ねじ穴部14と、筒部15とから形成し、水タンク部10には、複数のフランジ部16を備え、このフランジ部16には、ねじ固定部13の筒部15が貫通する孔部17を設け、この孔部17にねじ固定部13の筒部15を通し、ねじ穴部14にねじ12を固定する構成とし、ねじ12のねじ頭18は、水タンク部10の孔部17より大きく、水タンク部10のフランジ部16は、ねじ穴部14とねじ12のねじ頭18との間に位置すると共に、ねじ穴部14とねじ12のねじ頭18との間の寸法は、フランジ部16の厚み寸法より大きいことを特徴としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気を加湿することのできる加湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の加湿装置の構成は以下のようになっていた。
【0003】
すなわち、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられた加湿手段と、前記吸気口から前記加湿手段を介し、前記排気口へ空気を送風する送風手段と、前記本体ケースに着脱自在な給水手段とを備え、この給水手段は、前記加湿手段に水を供給する中空形状の水タンク部と、前記本体ケースの一部となる外面部とから構成し、この外面部には、ねじが固定可能なねじ固定部を備え、前記水タンク部には、平板形状の複数のフランジ部を備え、このフランジ部には、孔部を設け、この孔部にねじを通し、前記ねじ固定部とねじとの間に前記フランジ部を固定する構成となっていた。
【0004】
(例えば、これに類似する先行文献は下記特許文献1に記載されている。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−174790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来例における課題は、デザイン性を更に向上することであった。
【0007】
従来の物は、給水手段である加湿手段に水を供給する中空形状の水タンク部と、本体ケースの一部となる外面部とから構成し、この外面部と水タンク部とをねじで固定するものであった。
【0008】
すなわち、水タンク部にそり等の変形が発生すると、この変形した水タンク部と外面部とをねじで固定することになる。ここで、水タンク部は中空形状であり、外面部より剛性が強いので、外面部も変形し、外面部と本体ケースとの合わせ目がずれる場合があった。
【0009】
そこで本発明は、デザイン性の更なる向上を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そしてこの目的を達成するために本発明は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられた加湿手段と、前記吸気口から前記加湿手段を介し、前記排気口へ空気を送風する送風手段と、前記本体ケースに着脱自在な給水手段とを備え、この給水手段は、前記加湿手段に水を供給する中空形状の水タンク部と、前記本体ケースの一部となる外面部とから構成し、この外面部には、ねじが固定可能な複数のねじ固定部を備え、このねじ固定部は、円柱形状のねじ穴を有するねじ穴部と、このねじ穴部の開口周縁に設けた円筒形状の筒部とから形成し、前記水タンク部には、平板形状の複数のフランジ部を備え、このフランジ部には、前記ねじ固定部の前記筒部が貫通する孔部を設け、この孔部に前記外面部の前記ねじ固定部の前記筒部を通し、前記ねじ穴部にねじを固定する構成とし、前記ねじのねじ頭は、前記水タンク部の前記孔部より大きく、前記水タンク部の前記フランジ部は、前記ねじ穴部と前記ねじのねじ頭との間に位置すると共に、前記ねじ穴部と前記ねじのねじ頭との間の寸法は、前記フランジ部の厚み寸法より大きいことを特徴としたものであり、これにより、初期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられた加湿手段と、前記吸気口から前記加湿手段を介し、前記排気口へ空気を送風する送風手段と、前記本体ケースに着脱自在な給水手段とを備え、この給水手段は、前記加湿手段に水を供給する中空形状の水タンク部と、前記本体ケースの一部となる外面部とから構成し、この外面部には、ねじが固定可能な複数のねじ固定部を備え、このねじ固定部は、円柱形状のねじ穴を有するねじ穴部と、このねじ穴部の開口周縁に設けた円筒形状の筒部とから形成し、前記水タンク部には、平板形状の複数のフランジ部を備え、このフランジ部には、前記ねじ固定部の前記筒部が貫通する孔部を設け、この孔部に前記外面部の前記ねじ固定部の前記筒部を通し、前記ねじ穴部にねじを固定する構成とし、前記ねじのねじ頭は、前記水タンク部の前記孔部より大きく、前記水タンク部の前記フランジ部は、前記ねじ穴部と前記ねじのねじ頭との間に位置すると共に、前記ねじ穴部と前記ねじのねじ頭との間の寸法は、前記フランジ部の厚み寸法より大きいことを特徴としたものであり、デザイン性の更なる向上ができるものである。
【0012】
すなわち、外面部には、ねじが固定可能な複数のねじ固定部を備え、このねじ固定部は、円柱形状のねじ穴を有するねじ穴部と、このねじ穴部の開口周縁に設けた円筒形状の筒部とから形成し、前記水タンク部には、平板形状の複数のフランジ部を備え、このフランジ部には、前記ねじ固定部の前記筒部が貫通する孔部を設け、この孔部に前記外面部の前記ねじ固定部の前記筒部を通し、前記ねじ穴部にねじを固定する構成とし、前記ねじのねじ頭は、前記水タンク部の前記孔部より大きく、前記水タンク部の前記フランジ部は、前記ねじ穴部と前記ねじのねじ頭との間に位置すると共に、前記ねじ穴部と前記ねじのねじ頭との間の寸法は、前記フランジ部の厚み寸法より大きい構成となっている。
【0013】
つまり、外面部のねじ固定部と、水タンク部のフランジ部との間に、隙間を備えている為、水タンク部にそり等の変形が発生した場合にも、外面部の変形を抑制でき、これらの結果により、デザイン性の更なる向上ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1の加湿装置の概略図
【図2】同加湿装置の概略断面を示す図
【図3】同加湿装置の加湿手段の概略図
【図4】同加湿装置の給水手段の概略図
【図5】同加湿装置のねじ固定部の概略図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1から図5に示すように、吸気口2と排気口3を有する本体ケース1と、この本体ケース1内に、加湿手段4と、送風手段5と、給水手段6とを備えている。
【0017】
加湿手段4は、天面が開口した略横長箱形状で水を貯水する水槽7と、この水槽7の水に一部が浸漬した円板状の加湿フィルター部8と、この加湿フィルター部8を固定する略円環形状の加湿フィルター枠部9と、この加湿フィルター枠部9を回転させる回転手段24とから形成されている。加湿手段4は、本体ケース1に一方側側面から水平方向へ、着脱自在な構成となっている。
【0018】
送風手段5は、加湿手段4と排気口3との間の風路に設けている。この送風手段5によって本体の吸気口2から吸い込まれた空気は、加湿フィルター部8を介して、排気口3から加湿された空気が室内へ排気される。
【0019】
本実施形態において特徴は、給水手段6の構造である。
【0020】
給水手段6は、本体ケース1に着脱自在で、加湿手段4の水槽7に水を供給する中空形状の水タンク部10と、本体ケース1の一部となる外面部11とから構成している。
【0021】
外面部11は、ねじ12が固定可能な複数のねじ固定部13を備えている。このねじ固定部13は、円柱形状のねじ穴を有するねじ穴部14と、このねじ穴部14の開口周縁に設けた円筒形状の筒部15とから形成している。なお、筒部15の内径とねじ穴部14のねじ穴の内径は同じであり、筒部15の外径は、ねじ穴部14の外径より小さいものである。
【0022】
水タンク部10は、略横長箱形状の水槽7の一方側短手辺部側に位置し、略縦長箱形状で下面に弁部(図示せず)を備えており、この弁部から水タンク部10内の水を水槽7に供給するものである。水タンク部10の外周には、平板形状の複数のフランジ部16を備え、このフランジ部16には、ねじ固定部13の筒部15が貫通する孔部17を設けている。
【0023】
以上の構成において、水タンク部10のフランジ部16の孔部17に、外面部11のねじ固定部13の筒部15を通し、ねじ固定部13のねじ穴部14にねじ12を固定し、水タンク部10に外面部11を装着するものである。ここで、ねじ12のねじ頭18は、水タンク部10の孔部17より大きく、水タンク部10のフランジ部16は、外面部11とねじ12のねじ頭18との間に位置すると共に、ねじ固定部13のねじ穴部14とねじ12のねじ頭18との間の寸法は、フランジ部16の厚み寸法より大きいものである。
【0024】
つまり、外面部11のねじ固定部13と、水タンク部10のフランジ部16との間に、隙間を備えている為、水タンク部10にそり等の変形が発生した場合にも、外面部11の変形を抑制でき、これらの結果により、デザイン性の更なる向上ができるものである。なお、水タンク部10と外面部11の材質は樹脂であり、水タンク部10はブロー成型で作られ、外面部11は射出成型で作られている。すなわち、水タンク部10の寸法精度は、外面部11の寸法精度より精度が低く、そり等の変形が起りやすいものである。
【0025】
また、外面部11は、水平断面形状が略L字形状で、側面部19と背面部20とから形成している。
【0026】
本体ケース1に給水手段6を装着すると、側面部19は、縦長平板形状で、本体ケース1における一方側側面、つまり右側面の一部となる。背面部20は、縦長平板形状で、本体ケース1における一方側側面に隣接した側面、つまり背面の一部となる。
【0027】
側面部19には、本体ケース1における内方へ背面部20と平行に伸びた縦長四角平板形状の第1の枠部21を設けている。この第1の枠部21は、本体ケース1に給水手段6を装着すると、側面部19より本体ケース1における内方に位置するので、本体ケース1外側には、露出しない構成である。
【0028】
複数のねじ固定部13は、背面部20と第1の枠部21とに備えている。複数のねじ固定部13は、背面部20の内方面、または第1の枠部21の内方面から垂直方向へ伸びたコの字形状の連結部22と、この連結部22の先端に位置する円柱形状のねじ穴を有するねじ穴部14と、このねじ穴部14のねじ穴の開口周縁に設けた円筒形状の筒部15とから形成している。
【0029】
このように、第1の枠部21の内方面、つまり背面部20に対向した面に設けたねじ固定部13は、ねじ穴部14のねじ穴の軸方向が側面部19に対して垂直方向へ伸びている。すなわち、ねじ穴部14のねじ穴の軸方向と、第1の枠部21の面とは、平行に位置するものである。
【0030】
同様に、側面部19に対して垂直方向へ伸び、背面部20の内方面、つまり第1の枠部21に対向した面に設けたねじ固定部13は、ねじ穴部14のねじ穴の軸方向が側面部19に対して垂直方向へ伸びている。すなわち、ねじ穴部14のねじ穴の軸方向と、背面部20の面とは、平行に位置するものである。
【0031】
すなわち、側面部19と第1の枠部21、および側面部19と背面部20は、水平断面形状が、L字形状となり、剛性が向上するので、水タンク部10にそり等の変形が発生した場合にも、側面部19面の変形を抑制できる。
【0032】
更に、ねじ固定部13のねじ穴部14ねじ穴の軸方向は、第1の枠部21および背面部20の面とは、平行に位置するものである。ここで、水タンク部10は、略縦長箱形状であるため、上下方向のそりが発生し易いが、水タンク部10における上下方向のそりが発生した場合に、第1の枠部21および背面部20には、それぞれの面方向に力が働くので、第1の枠部21および背面部20での変形を抑制できる。
【0033】
また、側面部19には、本体ケース1における内方へ伸びると共に、第1の枠部21と背面部20と連結する第2の枠部23を備えたものである。すなわち、この第2の枠部23と、第1の枠部21と、背面部20とからなるコの字形状を形成し、これらりより、更に、外面部11の剛性が向上するので、水タンク部10にそり等の変形が発生した場合にも、外面部11の変形を抑制できる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように本発明は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられた加湿手段と、前記吸気口から前記加湿手段を介し、前記排気口へ空気を送風する送風手段と、前記本体ケースに着脱自在な給水手段とを備え、この給水手段は、前記加湿手段に水を供給する中空形状の水タンク部と、前記本体ケースの一部となる外面部とから構成し、この外面部には、ねじが固定可能な複数のねじ固定部を備え、このねじ固定部は、円柱形状のねじ穴を有するねじ穴部と、このねじ穴部の開口周縁に設けた円筒形状の筒部とから形成し、前記水タンク部には、平板形状の複数のフランジ部を備え、このフランジ部には、前記ねじ固定部の前記筒部が貫通する孔部を設け、この孔部に前記外面部の前記ねじ固定部の前記筒部を通し、前記ねじ穴部にねじを固定する構成とし、前記ねじのねじ頭は、前記水タンク部の前記孔部より大きく、前記水タンク部の前記フランジ部は、前記ねじ穴部と前記ねじのねじ頭との間に位置すると共に、前記ねじ穴部と前記ねじのねじ頭との間の寸法は、前記フランジ部の厚み寸法より大きいことを特徴としたものであり、デザイン性の更なる向上ができるものである。
【0035】
すなわち、外面部には、ねじが固定可能な複数のねじ固定部を備え、このねじ固定部は、円柱形状のねじ穴を有するねじ穴部と、このねじ穴部の開口周縁に設けた円筒形状の筒部とから形成し、前記水タンク部には、平板形状の複数のフランジ部を備え、このフランジ部には、前記ねじ固定部の前記筒部が貫通する孔部を設け、この孔部に前記外面部の前記ねじ固定部の前記筒部を通し、前記ねじ穴部にねじを固定する構成とし、前記ねじのねじ頭は、前記水タンク部の前記孔部より大きく、前記水タンク部の前記フランジ部は、前記ねじ穴部と前記ねじのねじ頭との間に位置すると共に、前記ねじ穴部と前記ねじのねじ頭との間の寸法は、前記フランジ部の厚み寸法より大きい構成となっている。
【0036】
つまり、外面部のねじ固定部と、水タンク部のフランジ部との間に、隙間を備えている為、水タンク部にそり等の変形が発生した場合にも、外面部の変形を抑制でき、これらの結果により、デザイン性の更なる向上ができるものである。
【0037】
従って、家庭用や事務所用などの、加湿装置として活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0038】
1 本体ケース
2 吸気口
3 排気口
4 加湿手段
5 送風手段
6 給水手段
7 水槽
8 加湿フィルター部
9 加湿フィルター枠部
10 水タンク部
11 外面部
12 ねじ
13 ねじ固定部
14 ねじ穴部
15 筒部
16 フランジ部
17 孔部
18 ねじ頭
19 側面部
20 背面部
21 第1の枠部
22 連結部
23 第2の枠部
24 回転手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられた加湿手段と、前記吸気口から前記加湿手段を介し、前記排気口へ空気を送風する送風手段と、前記本体ケースに着脱自在な給水手段とを備え、この給水手段は、前記加湿手段に水を供給する中空形状の水タンク部と、前記本体ケースの一部となる外面部とから構成し、この外面部には、ねじが固定可能な複数のねじ固定部を備え、このねじ固定部は、円柱形状のねじ穴を有するねじ穴部と、このねじ穴部の開口周縁に設けた円筒形状の筒部とから形成し、前記水タンク部には、平板形状の複数のフランジ部を備え、このフランジ部には、前記ねじ固定部の前記筒部が貫通する孔部を設け、この孔部に前記外面部の前記ねじ固定部の前記筒部を通し、前記ねじ穴部にねじを固定する構成とし、前記ねじのねじ頭は、前記水タンク部の前記孔部より大きく、前記水タンク部の前記フランジ部は、前記ねじ穴部と前記ねじのねじ頭との間に位置すると共に、前記ねじ穴部と前記ねじのねじ頭との間の寸法は、前記フランジ部の厚み寸法より大きいことを特徴とする加湿装置。
【請求項2】
前記外面部は、水平断面形状が略L字形状で、側面部と背面部とからなり、前記側面部には、前記本体ケースにおける内方へ前記背面部と平行に伸びた平板形状の第1の枠部を設け、前記ねじ固定部は、前記背面部と前記第1の枠部とに備えた構成とした請求項1に記載の加湿装置。
【請求項3】
前記側面部には、前記本体ケースにおける内方へ伸びると共に、前記第1の枠部と前記背面部と連結する第2の枠部を備えた構成とした請求項2に記載の加湿装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−83369(P2013−83369A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221638(P2011−221638)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】