説明

加熱素子を有する化粧料繰出装置

本発明は、可撓性プリント回路、及び任意選択的に可撓性ヒーターの技術を備える流動性化粧品並びに流動性皮膚科製品のための改良された加熱一体型アプリケータに関する。本発明は、使用するのにより安全であり、従来技術よりも一層信頼性のある電子機器を有し、使用し携帯するのにより便利であり、正確に投与することができ、製作し組み立てるのにより簡単でより安価であり、処理製品及び化粧品を正確に塗布するための特別のアプリケータチップを提供する。本発明は、皮膚、毛髪、及び爪を処理するための製品を含む、あらゆるタイプの化粧品及び皮膚科処理製品を塗布するために有用である。適切な皮膚処理製品は、皮膚のより深い層において有効なものを含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品が化粧品アプリケータから繰り出される際、及び/又は製品が表面に塗布される際に製品の一部を加熱する液体製品繰出器に関する。一般に、本発明による装置は、製品性能を改善し、消費者の経験を高め、方式の選択を拡張し、同時に先行技術の加熱アプリケータの欠点を克服するための機会を作り出す。
【背景技術】
【0002】
製品アプリケータは、ターゲット表面に多量の製品を送出するように設計される。消費材については、大まかに、二つのタイプのアプリケータがある。製品容器/製品リザーバから分離可能であるアプリケータがあり、また製品リザーバと一体化しているアプリケータがある。「分離可能なアプリケータ(separable applicator)」は、ターゲット表面に製品を塗布する時に製品リザーバからの連結を断つものである。使用の際、分離可能なアプリケータには、ターゲット表面に移送するために製品リザーバから製品が装填される。対照的に、製品リザーバと一体化しているアプリケータ(本明細書においては「一体型アプリケータ(integral applicator)」という)は、製品リザーバから分離することができない。一体型アプリケータは、リザーバ部分及びアプリケータ部分を有するように考えることができる。このタイプの装置は、製品を、リザーバからアプリケータ部分の内側を通して出口構造体の外に、アプリケータ部分の外側表面上へ流すことによって製品を繰り出し、そこから製品をターゲット表面まで移送することができる。
【0003】
いずれのアプリケータのタイプも、繰り出し及び塗布の前に、及び/又は繰り出し及び塗布中に製品の温度を上昇させるように加熱素子と連結されることが知られている。しかし、これらの二つのタイプのアプリケータは、異なる強さ及び弱さ、異なる設計及び使用の問題、そのそれぞれの内部に加熱手段を組み込むことに関連する異なる問題を有する。したがって、加熱された一体型アプリケータは、今簡単に議論するように、加熱された分離可能なアプリケータとは異なる問題を有する。
【0004】
加熱手段は、二つの方法のうちの一つの方法をもって分離可能なアプリケータに付加することができる。第1の場合には、加熱手段はリザーバに結合される。このことの欠点には、リザーバ内の製品のすべて、又は、少なくとも使用されることになるよりも多くの料の製品を繰り返される温度サイクルに曝し、恐らく製品を損なうことがある。また、熱は、リザーバからターゲット表面まで製品を移送するために要する時間中に失われる。また、一般に、より多くの製品が加熱されるので塗布温度まで製品の温度を上昇させるためにより長い持間を要することになる。第2の場合には、加熱手段はアプリケータに結合される。このことの欠点には、アプリケータ内に単独で電子回路及び加熱手段を収容するという要求がある。このことは、洗練され、小さな財布又はポケットに容易に収容するように設計される傾向がある化粧品及びパーソナルケアアプリケータにおける重大な問題である。パーソナルケア分野では、多くの場合、その傾向はアプリケータをより小さく、より便利に、より嵩張らなくすることである。したがって、アプリケータに加熱構成素子を付加するとアプリケータをより大きくする必要がある場合には、このことは明白な欠点となる。
【0005】
対照的に、加熱手段を組み込むために、一体型アプリケータは、全く、又は分離可能なアプリケータと同じ程度まで大きくする必要がない。加熱された分離可能なアプリケータの欠点のうちのいくつかは、一体型アプリケータを備える繰出容器をもって克服される。なぜならば、熱はアプリケータ部分に発生することができ、一方、電子機器は容器/リザーバ部分の中に収容することができるからである。このように、繰り出される製品のみが加熱され、アプリケータを大きくする必要は全くない。容器部分は、電気回路の配置のために十分な空間を形成し、この回路の比較的にわずかがアプリケータ部分内に収容される。したがって、加熱手段を備える一体型アプリケータは、加熱手段を有さない一体型アプリケータよりも少しも大きくない場合がある。繰り出し前に、又は繰り出し時に製品を加熱する一体型アプリケータが知られている。具体的には、化粧品及びパーソナルケアの分野におけるこの種の装置がある。次に述べることにより、このタイプの知られている装置の欠点が明らかになるであろう。
【0006】
米国特許第4,291,685号は、「顔又は身体の他の部分に熱、並びに薬物、軟膏、化粧品等を適用するための」ハンドヘルドの化粧品アプリケータを開示している。このアプリケータは、管状ハンドルの中空の内部で摺動可能であるプランジャから成る繰出手段を備える。プランジャは、ハンドルのスロット内で摺動するアクチュエータに抗してユーザの親指の動作によって移動される。プランジャの欠点は、繰り出される製品の量及び製品が繰り出される速度を制御することが困難であることである。したがって、製品を加熱すると投与から投与にかけて一様でない場合がある。また、プランジャは、リザーバの内側に空間を設けている。さらに、上記’685の装置は、周囲温度において、又は加熱された後に流動可能な製品には適切でない。製品を収容するいかなる手段も開示されていないので、液体は、上記’685の装置から出口オリフィスの外に漏れることになる。また、摺動プランジャ機構は、流動性液体を投与する有効な手段ではない。なぜならば、投与される量は制御するのに困難であるからである。明らかに、上記’685の装置は、周囲温度でたやすく流動可能であり、又は過熱後に流動可能である液体製品について使用すべきでない。
【0007】
上記’685の装置では、加熱手段は、電気的な抵抗素子、加減抵抗器に接続される電気コード、及び電源に接続するためのプラグを含む。したがって、この装置は、通常の家庭用電流、及び抵抗素子に送出される電流を調整するための加減抵抗器を頼りにしている。
【0008】
先行技術の電気システムの欠点には次に述べることがある。すなわち、電気コードは劣化し、かつ扱いにくい傾向があり、プラグ接続方式の電源コードは移動性及びバッテリの安全性を提供せず、使用される電圧はバッテリの電圧よりもはるかに高く、内部回路はプレハブのプリント回路基板に比べてハウジングの中に組み立てるためには困難でコストのかかる配線の長い径路から成り、装置はユーザにより付勢されるオン・オフスイッチを有し、このことはこの装置が意図せずにオンのままにしておかれる場合があることを意味する。
【0009】
そのうえ、上記’685の先行技術の装置は、長時間にわたって皮膚に接触することが意図される。したがって、消費者が可変の加減抵抗器によって温度を制御できる必要がある。加減抵抗器の制御は、「前記加減抵抗器を制御するための前記ハンドルの外周の周りで回転可能な移動ができるように取り付けられるスリーブ」の形をとっている。加減抵抗器を含むという必要は、先行装置の潜在的な欠点である。加減抵抗器の設計は、複雑であり、装置に嵩張った各電子機器、及びこれらに関連するコストを追加する。加減抵抗器は、化粧品アプリケータについて不適切な外観を生じる。加減抵抗器は、使用中に偶然に移動することがある。加減抵抗器は、装置にサイズ、嵩、及びコストを追加する。
【0010】
さらに、この装置は、身体に接触すると振動マッサージ効果を提供する。マッサージ効果を実現するために、繰り出される製品が塗布前に蓄積される振動塗布面は、平坦で拡張している。拡張した塗布面の欠点は、製品が拡張した表面の上に広げられるので製品の塗布が正確でないことである。この種の表面は、製品の制限された投与を必要とする任意の比較的小さな領域、例えば目領域に製品を塗布するためには不適切である。さらに、比較的大きな塗布面及びマッサージ振動が皮膚の中へ粗雑に製品に作用する。対照的に、皮膚をメーキャップしケアするためのさまざまなパーソナルケア製品は、粗雑な方法で塗布されるべきではない。これらは、正確にかつ注意して塗布され、各特定領域に向けられるべきである。明らかに、上記’685の先行技術の装置は、標的化されたパーソナルケアアプリケータとして使用するのに適切でなく、他のマッサージ装置は、同様な欠点を免れないであろう。
【0011】
そのうえ、平坦な塗布面は、滑らかな又はきめのない(textureless)ものであり、かつ比較的硬質である。より柔軟な表面は、マッサージ振動を減衰することによって上記’685の装置を効きめのない、又は少なくともより効果の少ないものにするであろう。テクスチャード加工された(textured)振動面は、皮膚に炎症を起こさせることがある。これらの理由のために、この先行技術の装置には、発泡の、又はフロック加工された塗布面は設けられるべきではない。フロック加工され又は発泡されたチップを有さないことは、先行技術の欠点である。なぜならば、フロック加工され又は発泡されたチップは、柔軟で贅沢な製品の塗布をもたらすからである。
【0012】
このことのすべてが本発明と対照的である。本発明の場合には、空間を取るプランジャはなく、電気コードは全く、又はほとんどなく、装置が意図せずにオンのままにしておかれることは一層ありそうになく、たとえあったとしても、装置はバッテリが消耗するまで比較的に小さな電圧で持続するのみであり、したがって装置はより安全であり、加減抵抗器の必要は全くなく、アプリケータ表面は標的領域に正確に投与するために適切であり、アプリケータ表面にはテクスチャード加工又はフロック加工することができ、或いは別様に任意の種類の触感を設けることができ、アプリケータは漏れを伴うことなく流動性製品に適する。先行技術の各装置が上記’685の装置の一つ又は複数の特性を共有するかぎり、これらの装置もまた本発明より劣ったものである。
【0013】
皮膚にワックス材料又は熱可塑性材料を塗布するための多数の装置がある。例としては、米国特許第5,395,175号、米国特許第,556,468号、及び米国特許第5,831,245号に開示されているものがある。一般に、このタイプの装置では、皮膚に塗布されることになる製品は、室温で実質的に固体である。流動性を実現するために、製品は、それが未だリザーバの中にある間に加熱しなければならない。リザーバ全体を加熱することは、容器の中味全体を繰り返される温度サイクルに曝すという欠点を有する。したがって、この種類のアプリケータは、温度サイクルによって実質的に影響されない製品、すなわちいくつかのワックスにのみ適することが明らかである。対照的に、多くの化粧品及び皮膚科製品は、温度サイクルに曝されると不安定である。あまりにも多すぎる熱を加えることによって、又はあまりにもたびたび加熱されることによって構造的に又は化学的に変化される製品の場合、これらの先行技術の装置は、全く不適切である。したがって、リザーバの一部までも加熱し、又は使用されることになるよりも多くの製品を加熱する先行技術の装置は、多くの化粧品用途に不適切である。
【0014】
リザーバを加熱し、又は使用されるよりも多くの製品を加熱する装置の他の欠点には、消費される電力がある。これらの装置は本発明よりも一層大きな質量の製品の温度を上昇させようと意図するので、はるかに多くの電力を、これらの装置は消費しなければならない。このことは、バッテリをしばしば取り替える必要がある場合には高価であり、不便である。この問題を認めるとき、これらの先行技術の装置の多くは、リザーバの内部に熱を保持するために熱絶縁を行う。もちろん、このことは複雑さ及びコストを追加する。いくつかの先行技術の装置では、電源はアプリケータから分離され、アプリケータは、製品を加熱するために電源に再接続される必要がある。このような装置は、自蔵式化粧品アプリケータの便利さ及び携帯性を提供するものではない。
【0015】
このことのすべてが本発明と対照的である。本発明の場合には、リザーバに残っている製品は実質的に加熱されず、将来の使用のために良好な状態のままであり、比較的に少ない電力しか消費されず、熱絶縁は全く要求されず、及び、電源がアプリケータと一体化しており、その結果、連続的な加熱及び便利な携帯性が実現される。
【0016】
米国特許第4,465,073号は、特に顔のワックス脱毛用の器具を開示している。器具の外側ケーシングのチップのところに配置される外側開口を有するノズルは、ユーザの皮膚の近くで保持されることが意図される。ダクトに隣接するヒーターは、ダクト内で係合されるワックスを融かす。器具内でワックスのブロックを受け入れるためのプランジャ(「キャリジ(carriage)」)は、外側の親指操作ボタンにより、ダクトに向かって手で押されることが意図される。この装置は、加熱手段が装置のアプリケータ部分に結合されているので、リザーバ内のワックスが直接加熱されないという利点を有する。しかし、上記の米国特許第4,291,685号のように、この装置は、製品を前進させるためのアクチェータ(又は「キャリジ」)に抗して、ユーザの親指の動作を頼りにしている。この欠点は、繰り出される製品の量、及び製品が繰り出される速度を制御することが困難であることである。したがって、製品の加熱が投与から投与にかけて一様でない場合がある。また、キャリジ機構は、やはり、たやすく流動可能な液体製品に不適切である。また、プランジャは、リザーバの内側で空間を取る。加熱手段は、サーミスタ、電気コード、及び電源に接続するためのプラグを含む。このように、この装置は、通常の家庭用電流を頼りにしている。先行技術の電気システムの欠点には次に述べることがある。すなわち、電気コードは劣化し、かつ扱いにくい傾向があり、プラグ接続方式の電源コードは移動性及びバッテリの安全性を提供せず、使用される電圧はバッテリの電圧よりもはるかに高く、内部回路はハウジングの中に組み立てるために比較的に困難で高価な配線の長い径路から成り、使用していない場合に装置をオンのままにしておくことが容易である。
【0017】
このことのすべてが本発明と対照的である。本発明の場合には、空間を取るプランジャはなく、電気コードは全く、又はほとんどなく、内部回路はハウジングの中に組み立てるために比較的に容易で安価であるプレハブの可撓性プリント回路から成り、装置は意図せずにオンのままにしておかれることは一層ありそうでなく、たとえあったとしても、装置はバッテリが消耗するまで比較的に小さな電圧で持続するのみであり、したがって装置はより安全であり、比較的小さな電力しか消費されず、アプリケータは漏れを伴うことなく流動性製品に適する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の主要な目的は、流動性化粧品及び流動性皮膚科製品のための改良された加熱一体型アプリケータを提供することである。
【0019】
本発明の他の目的は、使用するためにより安全であり、先行技術よりも一層信頼性のある電子機器を有する一体型加熱アプリケータを提供することである。
【0020】
本発明の他の目的は、使用するためにより便利であり、携帯性があり、より嵩張らない一体型加熱アプリケータを提供することである。
【0021】
本発明の他の目的は、製造し組み立てるためにより簡単である一体型加熱アプリケータを提供することである。
【0022】
本発明の他の目的は、洗練され、化粧品及びパーソナルケア産業に適する小さなプロフィールを有する一体型加熱アプリケータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前に述べたこと及びそれ以上のことのすべては、製品リザーバと一体化している化粧品アプリケータを用いて実現され、このアプリケータは、繰出用の化粧品及び皮膚科製品を収容するリザーバを画定する長尺本体を有する。リザーバから出口構造体まで延在する流路が存在し、この出口構造体で、製品は、ユーザの身体まで移送することができるように繰出装置から放出される。製品をリザーバから流路の中へ、及び出口構造体の外に流動させるための手段が存在する。これらの手段は、ユーザによって制御可能である。低電圧バッテリ電源に接続できるコンパクトな省スペース電子加熱手段が、出口構造体に、又は出口構造体に直接に隣接して配置される。この加熱手段は、製品がまさにアプリケータを出て行こうとしている時にのみ加熱されるが、リザーバ内の製品は実質的に加熱されないように設置される。アプリケータは可撓性ヒーターの技術(flexible heater technology)を組み込むことが好ましいが、本発明の完全な利益は、コンパクトでありクロージャの除去及び再取付けによりオン・オフされる、モジュール式のプリント電子回路サブアセンブリを使用することによってのみ実現される。また、クロージャは、製品の流れを制御するようにアプリケータオリフィスを開閉する。低電圧電気エネルギーを伝達することができる電気的接続は、加熱素子、電源、及びオン・オフ手段が電気的に接触するように設けられる。本発明は、皮膚、毛髪、及び爪を処理するための製品を含め、あらゆるタイプの化粧品及び皮膚科処理製品を塗布するために有用である。適切な皮膚処理製品には、皮膚の表面で有効なもの、及び皮膚のより深い層において有効なものが含まれる。本発明のこれらの及び他の態様を、本明細書において議論することになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明によるアプリケータの平面図である。
【図2】図1の線AAによる断面図である。
【図3】本発明によるアプリケータの遠位部分の断面図であり、また、クロージャの一部も見える図である。
【図4】一部が切り開かれた、回路ハウジング、プリント回路、スイッチアセンブリ、及び電源ハウジングのサブアセンブリの透視図である。
【図5】本体、回路ハウジング、及び電源ハウジングの間の接続についての一つの実施形態を示す図である。
【図6】スイッチアセンブリの分解図である。
【図7a】プリント回路サブアセンブリ及びプリント回路ハウジングと協同してオン位置にあるスイッチアセンブリの断面図である。
【図7b】プリント回路サブアセンブリ及びプリント回路ハウジングと協同してオフ位置にあるスイッチアセンブリの断面図である。
【図8】プリント回路サブアセンブリの透視図である。
【図9】充填手順の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書を通して、用語「備える(comprise)」、「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「有する(have)」、「有する(has)」、「有している(having)」等は、各対象物を集めたものが、具体的に列挙したそれらの各対象物に限定されないことを一貫して意味することになる。
【0026】
本明細書を通して、「たやすく流動可能な(readily flowable)」とは、可能な場合には製品がその自重に応じて流動可能であることを意味する。
【0027】
本明細書を通して、「効果的に製品を加熱すること(effectively heating a product)」とは、アプリケータ内に収容された加熱素子が、それだけで、製品又はユーザに充分に意図された利益又は効果を与えるのに十分であり、二次的な加熱素子は必要としないことを意味する。意図された効果の例には、開始温度から標的温度の範囲内に製品の一部の温度を変えることがある。
【0028】
本明細書を通して、「製品を活性化する(activate a product)」等とは、製品の一部を加熱することが、加熱される直前には示さなかった挙動を示すように製品の一部を変えることを意味する。また、「製品を活性化する」とは、加熱されない製品の一つ又は複数の性質を変えること(増進すること、又は低減すること)も意味する。
【0029】
本明細書を通して、「化粧品(cosmetic)」とは、外観を変える美しさが、これを塗布する表面に利益をもたらし、又はこれを塗布する対象に利益をもたらす上述のもののような任意の局所製剤を意味する。「化粧品」には、皮膚科用製剤、医薬製剤、及び機能性食品製剤を含むものである。
【0030】
図1及び図2は、本発明によるアプリケータの主要な特徴についての目で見える概要を与えるものである。要素(10)は長尺の本体であり、(20)はアプリケータチップであり、(30)は電流源ハウジングであり、(40)はプリント回路ハウジングであり、(50)はスイッチアセンブリであり、(60)は、抵抗加熱素子を含むプリント回路サブアセンブリであり、(70)はクロージャである。
【0031】
本体(10)は、基本的に円筒形として図1及び図2に示され、第1の端部又は基端(11)のところで開口され、これにより回路ハウジング(40)を収容することができる。本体の第2の端部又は末端(12)は、アプリケータチップ(20)を受け入れるように開口される。本体の形状は、円筒形であることに限定されないが、事実上任意の所望の形状であってもよい。本体壁(13)は、一つ又は複数の可撓性部分(14)を除いて硬質であることが好ましい。本体壁の可撓性部分は、例えば生ゴムやエラストマーであってもよく、ユーザの一つ又は複数の指によって押されるに十分な大きさである。図2は、本体の対向する側部に配置される二つの可撓性部分を示す。一つ又は複数の可撓性部分を押す動作により、リザーバ(15)から外へ出口オリフィス(23)に向かって製品が流れるように促される。リザーバは、本体の内側にあり、これは局所製品を収容する。任意選択的に、本体の内側は、一つのリザーバよりも多くのものに分割することができ、各リザーバは局所製品、好ましくはすべてが同じではない局所製品を収容する。この場合には、各リザーバについて、押されると一つの特定のリザーバから製品を流動させる可撓性壁部分があるであろう。本体の硬質部は単一であり、二重射出成形工程をもって可撓性部分と共に成形されることが好ましい。本体の硬質部はプラスチックであることが好ましい。本体の外面は、任意の知られている従来の方法で装飾するのに適している。
【0032】
本体の第1の端部(11)は、回路ハウジング(40)を把持し、それとともに液密シールを形成するように構成される。このことは、本体の第1の端部の近くにスナップ嵌め構成を設けることによって実現することができ、それによって、スナップ嵌め構成は、回路ハウジングの相補的な機能構成に係合することができる。同様に、本体の第2の端部(12)は、アプリケータチップ(20)を把持し、それとともに液密シールを形成するように構成される。このことは、本体の第2の端部の近くにスナップ嵌め構成を設けることによって実現することができ、それによって、スナップ嵌め構成は、アプリケータチップの相補的な機能構成に係合することができる。液密嵌合を実現する他の手段は当業界でよく知られている。
【0033】
図3を参照すると、アプリケータチップ(20)は、本体(10)の末端(12)と共に液密シールを形成するように設計される第1の端部又は基端(22)を有する。このことは、アプリケータチップの基端の近くにスナップ嵌め構成を設けることによって実現することができ、それによって、スナップ嵌め構成は、本体の相補的な機能構成に係合することができる。アプリケータチップの基端は開口されており、それによって、アプリケータチップは回路ハウジング(40)を受け入れることができる。アプリケータチップは、中空であり、それによって、リザーバ(15)から出口オリフィス(23)まで流路(25)を作り出し、そこから、繰り出される製品が出てくる。アプリケータチップは、出口オリフィスを形成するように開口する第2の端部又は末端(21)を有する。図示のようにアプリケータチップは、全体的に円錐形の形状を有するが、このことは要求されるものではない。図示のように、アプリケータチップの末尾部分(24)は狭くしてもよい。しかし、この末尾部分の中空内部は、スイッチアセンブリ(50)が実質的に出口オリフィスの近くまで延在することができ、出口オリフィスを通してクロージャ(70)のピントル(pintel)(71)が中空内部に達することができるように十分に大きくなければならない(下記にこれについてより多くのことを示す)。任意選択的に、これらの要素を組み立てる場合、アプリケータチップには、本体の末端(12)に着座する肩部(26)が設けられてもよい。同様に又は二者択一的に、この肩部は、クロージャをアプリケータチップの上方を滑らせる場合にクロージャの当たり止めを形成することができる。
【0034】
一つの実施形態では、製品は、出口オリフィス(23)の外に、ターゲットとなる表面すなわち皮膚の上へ直接流れる。或いは、アプリケータチップ(20)には、「作用部」(27)を設けることができる。このチップの作用部は、出口オリフィスに直接に隣接しているアプリケータチップの外面の一部である。これが設けられる場合には、作用部は通常、塗布面に製品を運ぶために使用されるチップの一部となるであろう。したがって、作用部は、その方法を促進する任意の機能を組み込むことができる。例えば、作用部は身体の特定部分に化粧品を塗布することができるように形成されるべく、チップの作用部の形状に対して考慮を払ってもよく、比較的小さな作用部は目領域に塗布することができるように形成され、リップスチックビュレット(lipstick bullet)の形状の作用部は唇に製品を送出することができるように形成され、比較的大きな拡張した平坦面は身体の拡張した表面、すなわち腕及び脚に製品を送出することができるように形成される。任意の有用な形状の作用部を使用することができる。
【0035】
変化が可能であるもう一つのチップの機能は、作用部(27)のテクスチャである。作用部は、製品を拾いかつ送出することを促進するように滑らかであり、又はテクスチャード加工(織り目加工)することができる。テクスチャは、チップの表面を処理することによって設けることができる。例えば、チップは、吸収性材料や剥離材で被膜することができる。チップをフロック加工することは、むきだしのチップよりもリザーバからより多くの製品を集める吸収性材料を設けるという一つの例であり、また、塗布面への塗布を促進する場合もある。スポンジはもう一つの例である。或いは、剥離チップは、塗布時に、加熱された製品が皮膚により良好に浸透できるように使用することができる。この場合には、剥離作用とアプリケータからの熱の両方が、より深いレベルで製品を受け入れるために皮膚の毛穴を開くように作用する。剥離作用部は、研磨材でチップの作用部を被覆することによって、又は隆起パターン及び浮彫りパターンをチップ自体に成形することによって、設けることができる。
【0036】
アプリケータチップ(20)全体又はアプリケータチップ(20)の任意の部分は、真直ぐ、又は湾曲していてもよい。この湾曲した形状が、もしチップが湾曲していないならば、より到達し難く、又は製品でより被覆し難いことになる身体の特定領域へ、製品を送出することを促進するには、チップ全体を湾曲することが有益であるかもしれない。例えば、湾曲した又はアークをなすアプリケータを、まぶたやまつ毛に使用することができる。湾曲したアプリケータによって、末端から基端までアプリケータの内側を通過する中心軸が湾曲していることを意味する。
【0037】
アプリケータチップ(20)の内側は、製品がアプリケータチップを通って流動可能であり、繰り出される際に、加熱された製品と接触する。この熱の一部は、アプリケータチップに伝達され、そこでユーザに不快さを与え、そこから熱は周辺の大気に失われるであろう。繰り出される製品の中に最大の熱量が残るために、アプリケータチップが熱をたやすく伝導しない場合には、任意選択的に、アプリケータチップのいくつかの部分が断熱材であり得ることが好ましい。アプリケータチップを断熱することによって、エネルギーを節約することができ、製品をより効率よく加熱することができ、消費者は、不注意な又はのぞまない熱に対する放出を抑えることができる。断熱する一つの方法には、熱損失を遅くするように、十分な厚さのプラスチックでアプリケータチップの壁を作ってもよい。実際の厚さは、熱発生の速度、及び使用される特定の材料に依存することになる。このことは、ごく普通の実験によってたやすく決定される。熱をたやすく伝導する材料は、アプリケータチップにあまり好まれないかもしれない。
【0038】
図4及び図5を参照すると、プリント回路ハウジング(40)は、本体(10)を通ってアプリケータチップ(20)の中に延在する長尺部材である。チャンネルが回路ハウジングの全長を通過する。チャンネルはプリント回路(60)を受け入れることができる。チャンネルは、回路ハウジングの第2の端部又は末端(42)の上に開口する。末端における開口は、スイッチアセンブリ(50)のピストン(52)を受け入れるように寸法取りされる。回路ハウジングは、プリント回路を支持し、部分的にリザーバ(15)の周囲との接触からプリント回路を保護する。回路ハウジングの第1の端部又は基端(41)は、本体(10)を把持し、それとともに液密シールを形成し、並びに電流源ハウジング(30)に取り付くように構成される。このことは、回路ハウジングの第1の端部の近くに二つのセットのスナップ嵌め構成を設けることによって実現することができ、それによって、スナップ嵌め構成のうちの一方のセットは、本体の相補的な機能構成に係合することができ、スナップ嵌め構成のうちの他方のセットは、電流源ハウジングの相補的な機能構成に係合することができる。図5の実施形態では、スナップ嵌め構成の各セットは、二つの環状フランジ(43)及び環状フランジ(44)のうちの一つに設けられる。
【0039】
図5を参照すると、電流源ハウジング(30)は、プリント回路ハウジング(40)に取り付けられる。上述のように、スナップ付属品が、この接続を実現するために使用されてもよい。電流源(31)は、電流源ハウジング(30)に収容される。望ましくは、電流源へのユーザアクセスを可能にしてもよい。このことは、ユーザが消耗した電流源を取り替えることができるように行ってもよい。一つの実施形態では、電流源ハウジング全体を、プリント回路ハウジングに脱着自在に取り付けることができ、その結果、手で加えられる力によりその構成要素を分離できる。いったん電流源が取り替えられると、その部品は手により互いにプレス嵌めすることができる。もう一つの実施形態では、電流源ハウジングの一部が、アクセスを可能にするように開口する。例えば、電流源ハウジングの基端は、ねじって緩めるなどしてハウジングの残部から取り外すことができる。さらに、電流源ハウジングには、発光ダイオード(LED)インジケータの光を照射することができ、電流が流れていることを示す窓(35)を備えてもよい。電流源ハウジングは、このような窓を有することが好ましい。
【0040】
電流源は、熱を発生する抵抗素子に電気エネルギーを供給する。電流源は、直流電源を備えることが好ましい。好ましい実施形態では、直流電源は、一つ又は複数のバッテリである。抵抗素子に適切な電流及び電圧を供給するように選択される、フラッシュ灯及び煙感知器に使用されるものなどの通常の家庭用バッテリが好ましい。これらには、通常、AAバッテリ、AAAバッテリ、Cバッテリ、Dバッテリ、及び9ボルトバッテリとして知られているものがある。適切であり得る他のバッテリとは、セルフォン、補聴器、腕時計、及び35mmカメラにおいて、通常見られるものである。本発明は、バッテリに使用される化学的性質の種類に限定されるものではない。バッテリの化学的性質の例には、亜鉛炭素(又は標準炭素)、アルカリ、リチウム、ニッケルカドミニウム(再充電可能である)、ニッケル水素(再充電可能である)、リチウムイオン、亜鉛空気、酸化亜鉛水銀、及び銀亜鉛の化学的性質がある。
【0041】
他の直流電流源には、例えば計算機及びセルフォンなどの多くのハンドヘルド装置に見られるような、太陽光電池技術がある。この実施形態によれば、太陽光や人工光をその上に照射することができる一つ又は複数の集光部が配置される。例えば、集光部は、ハンドルの軸に平行な、ハンドルの外側表面に配置してもよい。光が集光部に突き当たると、光エネルギーは、よく知られている光電池技術により、抵抗素子に供給するために電流に変換される。任意選択的に、蓄電池は、光電池によって作り出される任意の未使用の電気エネルギーを貯蔵するように設けることができ、これは、後ほど、例えば採光が加熱素子用の適切な光電流を作り出すには余りにもほの暗すぎる場合などに、抵抗加熱素子に供給するために使用することができる。
【0042】
電流源(31)は、正端子及び負端子を備える。電流は、正端子(32)において電流源から外に流れ、負端子(33)において電流源に戻る。電流源(すなわちバッテリ)が電流源ハウジング内に配置されると、次には電流源の負端子(33)は、マイナスリード(34)と電気的接触しているのである。マイナスリードは、プリント回路から電流源まで電流の流れを容易にし、電流源ハウジングの一部として構成され、又は電流源ハウジングの内側に取り付けることができる。「電気的接触(electrical contact)」とは、閉回路において、電流が、介在部品のいかなる数にも関係なく上述の各部品の間を流れることを意味する。
【0043】
図6は、スイッチアセンブリ(50)の分解図である。スイッチアセンブリの四つの主要な部品は、伝導性チップ(51)、ピストン(52)、スプリング(53)、及び摺動接点(sliding contact)(54)である。ピストンの末端側の部分は、伝導性チップの基端側の部分と接触する。例えば、ピストンの末端側の部分は、伝導性チップのある長さまで伝導性チップの木端部側の部分の中に挿入することができる(図7a及び図7bを参照されたい)。ピストン(52)の基端側の部分は、プリント回路ハウジング(40)の末端側の部分の中に受け入れられる。ピストンは、プリント回路ハウジング内で摺動し、プリント回路ハウジングとの接触を維持する。この接触は、液密シールがピストンとプリント回路ハウジングとの間に維持されるようなものである。ピストンは、成形プラスチック部品であることが好ましい。
【0044】
スイッチアセンブリ(50)は、中空であり、プリント回路サブアセンブリ(60)の末端側の部分を受け入れることができる。プリント回路サブアセンブリは、プリント回路ハウジングから出てきて、スイッチアセンブリに入る。プリント回路サブアセンブリは、伝導性チップ(51)の中に到達し、その結果、熱発生部(69)が伝導性チップに隣接する。伝導性チップを通して伝達する際にできるだけ少ない熱しか失われないので、伝導性チップはたやすく熱を伝導する。伝導性チップはプラスチックから成形することができ、少ない熱損失で熱を伝導する厚さになり、又は金属性であってもよい。摺動接点(54)は、ピストン(52)の内側にあり、ピストンに対して固定され、それによって、ピストンがプリント回路ハウジング内で摺動すると、摺動接点はピストンと共に移動する。摺動接点は、固締具や接着剤によってピストンに固定することができ、又は、摺動接点は、ピストンに対する接点の並進運動を妨げる各付属品の間に制限されてもよい。摺動接点は、プリント回路サブアセンブリ(60)と接触する二つの端部を備える。摺動接点は、これらの二つの端部の間で電気を伝導し、プリント回路上のこれらの二つの端部の位置に左右されることができ、これにより、電気回路が閉じられ又は開かれることになる。摺動接点は金属性であることが好ましい。
【0045】
スプリング(53)の基端側の部分は、プリント回路ハウジング(40)に支えられており、スプリングの末端側の部分は、ピストン(52)に支えられている。圧縮されると、スプリングは、ピストンに力を及ぼし、その結果、装置の末端に向かってピストンを動作させる。スプリングの末端側の部分は、ピストンの基端側の部分の中に受け入れられることが好ましい。軸方向力が伝導性チップ(51)に直接的に加えられると、伝導性チップ、ピストン、及び摺動接点(54)は装置の基端に向かって移動し、これにより、スプリングは圧縮され、電気回路が開かれる(図7b)。直接的に加えられた力が取り除かれると、次いでスプリングは、装置の末端に向かって伝導性チップ、ピストン、及び摺動接点を動作させ、これにより電気回路が閉じられる(図7a)。スプリングは、いかなるプラスチックや金属であってもよく、又は、ピストンがそれを押すと位置エネルギーを蓄える任意の付勢手段に代替してもよい。
【0046】
任意の位置決め部(55)が、基端ピストンから垂下している。位置決め部が設けられる場合、図3、図7a、及び図7bに示されるように、次には位置決め部溝(45)がプリント回路ハウジングに設けられる。位置決め部及び位置決め溝は、スイッチアセンブリ及びプリント回路サブアセンブリの適切な位置合わせを確実にする。位置決め部及び位置決め溝などの手段を設けることが好ましい。
【0047】
アプリケータチップ(20)を覆って嵌合し、装置に脱着自在に取り付けるクロージャ(70)が設けられる。クロージャは、本体(10)とスナップ嵌合し、又はねじ係合してもよい。図の実施形態では、クロージャは、摩擦嵌合によってアプリケータチップに固定する。クロージャの内側には、アプリケータチップの出口オリフィス(23)に入り、スイッチアセンブリ(50)の伝導性チップ(51)を押すように配置されるピントル(71)が設けられる(図2及び図3を参照されたい)。したがって、装置からクロージャを取り外すと、電気回路を閉じて、クロージャが外れている限り熱が発生される。クロージャを再度取り付けると、電気回路が開き、熱発生が止まる。このように、装置が意図せずにオンのままにしておかれることはほとんどありそうもない。
【0048】
製品の温度を上昇させることは、熱発生部(69)内の熱発生の速度、及び伝導性チップ(51)を通じた熱伝達の速度に左右される。これらは、周囲温度から塗布温度まで製品を上昇させるに十分でなければならない。製品塗布温度とは、それについて特定の塗布を受ける特定の製品が有効である温度又は温度範囲である。本発明は、少なくとも40°Fから120°Fまでの範囲における製品塗布温度を包含する。この範囲の下限は、40°Fまで製品温度を上昇させると、製品を活性化するに十分であり得る寒い環境下で使用され得る製品を意図している。上限において、約120°Fを超えて上昇させた製品は、化粧品及びスキンケア用途にはあまりにも熱すぎる場合がある。しかし、それが有益であるかも知れない場合、原則として、40°Fから120°Fまで製品塗布温度を限定する本発明の装置には大したことではない。従来の化粧品の使用では、約95°Fの製品温度は、消費者にとって気持ちのよい塗布になることが多いが、約85°Fよりも低い製品温度は、なまぬるく、かつ幾分満足されないように思われることがある。それぞれ特定の状況において、最適な製品温度は、塗布されている製品の物理的特性に依存するであろう。テクスチャ、粘度、pH等のようなパラメータが、一般に、最適な製品塗布温度を決定する際に考慮されることになる。適切な製品塗布温度を、試行錯誤によって決定することは当業者の範囲を超えるものではない。また、製品の一つ又は複数の物理的特性を変えるに十分である製品の熱伝達の速度を、試行錯誤によって決定することも当業者の範囲を超えるものではない。例えば、リザーバ(15)の周囲状態において比較的不活性である製品を提供することが望ましいことがある。この場合には、熱発生部は、製品の中への熱伝達の速度が塗布時に製品を活性化するに十分であるように選択することができる。
【0049】
熱発生部(69)と製品との間の空間内の環境への熱損失により、及び製品表面から周囲大気への熱損失により、熱発生部は、所望の製品塗布温度よりも高い温度が可能でなければならない。特定の製品の塗布に要求される熱発生速度及び熱伝達速度は、基礎的な熱力学の原理から算出することができ、かつ/又はごく普通の実験によって実証することができる。アプリケータチップ(20)の温度にはもう一つの考慮事項があり、なぜならばこのチップは使用中に皮膚と接触することがあるからである。すなわち、このチップの温度を約120°Fより低く、又は一層適切には、約115°Fより低く保ちながら、所望の製品塗布温度を実現することが好ましい。
【0050】
塗布の広い範囲について、本明細書において説明したように、アプリケータチップ(20)、熱発生部(69)、及び電流源(31)は、熱発生及び熱伝達の必要な速度を実現することができる。これらの速度は、妥当な時間内に製品の温度を上昇させるに十分であることが好ましい。妥当な時間とは、加熱されたアプリケータの使用前にあまりにも長く待たなければならないことによって消費者に欲求不満を起こさせない時間である。この時間は、特定の塗布、及び消費者の期待に応じて変化する。例えば、化粧品の塗布を行う消費者の場合、妥当な時間は、1分より短く、好ましくは10秒より短く、最も好ましくは約5秒より短いことがある。迅速に製品を加熱することによって、消費者には、加熱された製品のみを塗布することが保証される。任意選択的に、電子回路は、アプリケータチップ又はアプリケータチップ内の製品の温度をサンプリングする手段、並びに、製品がある一定の温度に達していること、又は塗布できる状態になっていること、或いはもっと多くの時間を必要とすることをユーザに指示する手段を含むことができる。例えば、アプリケータチップは、特定の温度に達すると、ある一定の色に変化する熱変色性材料から構成することができる。任意選択的に、プリント回路サブアセンブリ(60)は、電力が熱に変換される速度を調整する手段を含んでもよい。例えば、ユーザによって作動可能な加減抵抗器を、当業界で知られている方法で設けることができる。
【0051】
図4を参照すると、回路サブアセンブリ(60)は、電流源ハウジング(30)の内側から、回路ハウジング(40)を通して、及びアプリケータチップ(20)の中に延在している。図8に転じると、回路サブアセンブリは、電気に非伝導性であり、かつさまざまな電気伝導性素子を支持する基板(61)を備え、その素子は、電気回路の一部を形成する。適切な基板材料には、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ、及びベークライト(Bakelite)(熱硬化性フェノールホルムアルデヒド樹脂)があるが、これに限定されるものではない。基板は、約0.5mmから2.0mmの厚さであることが好ましい。基板の片側又は両側の部分は、約35μmの厚さぐらいの銅の層で被覆することができる。本発明の好ましい実施形態では、回路サブアセンブリは、プリント回路について当業界で知られているプリント回路技術により、プリント回路として実施される。この実施形態では、さまざまな伝導性素子が基板にプリントされる。正端子(32)及び負端子(33)、摺動接点(54)、並びに熱発生部(69)と組み合わさって、これらのプリントされた素子は、閉回路を形成する。このように説明したように、基板に支持される回路は、基板の厚さそのもの、及び熱発生部の可撓性に応じて、多少ある程度までは可撓性がある。
【0052】
また、熱発生部(69)を基板(61)にプリントすることもできる。しかし、好ましい実施形態では、熱発生部は別個の構成要素であり、少なくとも基板のように可撓性があることが好ましい。図では、熱発生部は、円形の抵抗性ワイヤの巻き線として示されている。これは、もしかすると効果的であるかもしれないが、熱発生部に不利に働く。巻き線は、製品の温度を上昇させるに十分である熱発生表面領域の大きさを与えるが、巻き線は長く、発生した熱は、比較的大きな領域にわたって拡散され、製品の比較的大きな容積を加熱する。この熱発生手段は局所加熱(targeted)されないということもできる。結果として、塗布前の加熱時間は、より局所加熱の熱発生部(targeted heat generating portion)が利用できる場合に比べてより大きくなる。また、円形のワイヤの簡単な巻き線は、回路サブアセンブリの可撓性を制限する傾向がある。
【0053】
対照的に、当初は航空機産業及び防衛産業用に設計された「可撓性ヒーター(flexible heaters)」として知られている汎用クラスのヒーターがあり、この場合、塗布することには、航空機、人工衛星、航海、誘導、及びレーダー装置の計装時に一定の温度を維持することが含まれていたが、航空機産業以外に多くのその他の使用はそれ以来ずっと発見されていない。可撓性ヒーターの有利な特性には、その軽量さ、薄肉のプロファイル、及び可撓性がある。また、これらのヒーターは、局所加熱された熱集中を可能にするように事実上任意のパターンに構成することができる。複雑な形状、輪郭、及び三次元パターンが可能である。可撓性ヒーターの一つの例には、ペンシルベニア州ピッツバーグのオグデンマニュファクチャリング社(Ogden Manufacturing Co.)によって供給されるものがある。好ましい可撓性ヒーターは、Thermofoil(商標)の名でミンコプロダクツ社(Minco Products, Inc(ミネソタ州ミネアポリス))によって供給されている。Thermofoil(商標)ヒーター及びそれらの等価物は、ワイヤ巻き抵抗素子より優れた、かなりの数の利点を提供する。Mincoのウェブサイトによると、「Thermofoil(商標)ヒーターとは、可撓性絶縁の各層の間に積層されたエッチングされた箔(状)の抵抗素子から成る薄肉の可撓性加熱素子である」と示している。さらに、「Thermofoil(商標)ヒーターは、それを必要とするところに熱を与える。ただ加熱すべき部分の表面にこれらのヒーターを作用させるだけである。これらの薄肉プロファイルは、ヒーターとヒートシンクとの間に密接した熱結合を与える。熱損失がより大きい領域に、より高いワット密度を有する特殊形状の熱パターンの仕様を指定することさえできる」と示している。さらに、「Thermofoil(商標)ヒーターの平箔素子は、円形のワイヤよりも大きな表面領域に一層効率よく熱を伝達する。したがって、Thermofoil(商標)ヒーターは、抵抗素子とヒートシンクとの間でより少ない温度勾配を発生する。ヒーターは、より低温のままでありある。その結果として、より高い許容ワット密度、より迅速なウォーミングアップ、及び長期の絶縁寿命となる。Thermofoil(商標)ヒーターは、ワイヤの巻きの等価物の2倍のワット数で安全に作動することができる。絶縁寿命は、10倍ほどより長くできる」と示している。Thermofoil(商標)ヒーターは、シート状のポリイミドであるKapton(登録商標)(デュポン)で作られる。可撓性ヒーターの利点は、本発明に特有に適しており、加熱すべき表面領域が小さく、かつその領域を局所加熱とすることができ、迅速なウォーミングアップが市場での成功に重要であり、構成部品の可撓性により製造及び組立プロセスが改善される。Thermofoil(商標)ヒーターは、優秀な化学的耐性、並びに非常に良好な密封特性及び気密特性を有し、このことは、ヒーターを水中に沈めることができることを意味する。さらに、その厚さ(例えば0.15mm)により、Thermofoil(商標)ヒーターは、隙間のない又は込み合った空間の中に嵌合するようにうねらせ、又はねじ曲げることができるほど可撓性がある。
【0054】
本発明は、先行技術と比較して新規、かつ非自明である。なぜならば、先行技術では、局所製品、可撓性プリント回路を組み込んだ一体型アプリケータ、及び可撓性の局所加熱ヒーターの技術(flexible targeted heater technology)を何も示唆していないからである。
【0055】
プリントされた伝導性素子の数及び位置は、回路の配置及び複雑さに応じて変化し得る。比較的簡単な、しかし効果的な回路が、図8に示されている。正電極(62)が回路サブアセンブリ(60)通路の最初の部分であり、これは、電流源の正端子(32)から、その正端子との直接接触を通して、又は介在する導通リードを通して電流を受け入れることができる。図2、図4、及び図5は、正電極と正のバッテリ端子との間の直接接触を示す。また、正電極は、基板(61)上で第1のプリント回路素子(66)と電気的接触を有する。任意選択的に、電流の一部が、発光ダイオード(65)を通って流れ、その発光ダイオードは、装置がオンにあるというインジケータとして働く。発光ダイオード及び窓(35)は、発光ダイオードからの光がユーザの目に見えることになるように互いに対して配置される。回路サブアセンブリは発光ダイオードを備えることが好ましい。発光ダイオードは、基板の導通部分に直接溶接してもよい。電流の残部は、基板の一つの縁部に沿って一対の間隔を置いて設けられた摺動接点端子(64)まで末端の方に流れる。摺動接点端子は、回路にプリントしてもよく、又は基板に固定される金属接点であってもよい。摺動接点端子の間の空間は、電気を伝導しない。回路が閉じられると、摺動接点(54)は空間を跨ぎ、同時に両方の摺動接点端子と接触する。回路が開かれると、摺動接点は、一方の摺動接点端子から他方の摺動接点端子まで電気を導電する位置にはなく、いかなる電力も熱発生部に達することはない。閉回路では、電気は、基板の縁部の下方に第2のプリント回路素子(67)に沿って流れ、熱発生部(69)に入る。熱発生部から出た後に、電流は、第3のプリント回路素子(68)に沿って電流源に向かって戻り、そこで電流の発光ダイオード部分に合流する。次いで、電気は負電極(63)に入り、このことはまた、プリント回路素子の形で、又はプリント回路と電気的接触を行う別個の伝導体の形で実現することもできる。負電極から、電流は、電流源ハウジング(30)(図4及び図5を参照されたい)のマイナスリード(34)に沿って、及び電流源(すなわち、バッテリ)の負端子(33)の中に流れ、このようにして回路が完成される。
【0056】
可撓性プリント回路の一つの利点は、事実上、任意の電気回路をかなり小さな寸法のプリント回路の形で再現できることである。この利点は、熱発生部(69)を薄肉プロファイルの可撓性のある局所加熱ヒーターの形で実現する場合には、一層より大きい。したがって、本明細書において説明したように、加熱されたアプリケータ装置で実現するには嵩張り過ぎる非常に複雑な回路は、プリント回路ストリップで実施することができる。上記に議論したように、アプリケータのサイズを実質的に大きくすることなく、化粧品アプリケータに熱発生能力を追加できることは、大きな利点である。さらに、図8に示されるプリント回路基板(61)は、高い割合の未使用空間を有する。これは、望ましくは、一層より多くの導電素子がアプリケータの物理的寸法を増加させることなくその上にプリントできることを意味する。これは、利用できる空間をかなり使い果たす従来のワイヤ導体回路すなわち、未使用のままであるべき比較的高い割合の空間を必要とする導電回路とは異なるものである。また、追加された複雑な構成のすべてがプリント回路基板に集約されるので、プリント回路がいかに複雑になるかに拘わらず、本発明の最終的な組み立てに影響を与えない。このことは、ハウジングの中へのアプリケータの最終的な組み立て中に、各追加の回路素子を組み立てなければならない従来のワイヤ導体回路と異なる。本発明のプリント回路は、アプリケータハウジングの中へのその最終的な組み立ての前にうまく製作することができる。従来のワイヤ導体回路では、大部分が、ハウジング又は本体の中へ組み立てる前に、電子回路を組み立てることはできない。なぜならば、この回路を支持し、電気的接続を行う際に助力するために、ハウジングが必要とされるからである。
【0057】
プリント回路は、個々のワイヤ導体を全く用いず、又は比較的少ない個々のワイヤ導体を用いて本発明を実現する可能性のような、追加の利点も提供する。すべての又は大部分の電子機器は、カスタマイズ可能なモジュラー式熱発生部(69)を有するプリント回路サブアセンブリ(60)に集約することができる。また、プリント回路ストリップの基板(61)は、実質的に硬質、又は可撓性であってもよい。本明細書において、本発明のもう一つの利点を示している。可撓性回路ストリップは、真直ぐ以外の内側空間の中に組み立てることができる。簡単化ために、プリント回路ストリップは真直ぐな又は直線の形態で製作してもよいが、ストリップの可撓性により、ストリップをさまざまな形状のアプリケータハウジングに使用することができる。また、たとえプリント回路ストリップが組立アプリケータ内に直線的に載っていても、可撓性ストリップは、アプリケータハウジングの中へのストリップの組み立てを容易にすることができる。
【0058】
可撓性プリント回路の利点のゆえに、さらに可撓性のヒーターの技術(flexible heater technology)の利点ゆえに、例えば、鉛筆と同じように細い熱発生一体型アプリケータを今や容易に構成することができ、設計、構成部品、及び製作のコストが最小である。実際に、本発明の一体型アプリケータは、類似の役目を果たすと称する先行技術の任意のものよりも扱いにくくはなく、かつ複雑でもない。実際に、本発明のアプリケータは、先行技術の任意のものと異なりたやすく流動可能な、加熱された製品を繰り出すのに特有に適している。
【0059】
使用時に、クロージャ(70)は、アプリケータチップ(20)から取り外され、この動作により、スプリング負荷されたスイッチアセンブリ(50)が開放される。スイッチアセンブリの動きにより電気回路が完成され、その結果、熱発生ユニット(69)に電力を送る。この回路を完成する僅かな時間内に、熱が、熱発生ユニットからスイッチアセンブリの伝導性チップ(51)を通して、及びスイッチアセンブリのすぐ周りの製品の中に流れる。妥当な時間内に、製品の温度は、初期又は周囲温度から最終又は塗布温度に向かって上昇する。塗布温度に達すると、或いは、温度インジケータ手段からの信号を受け取ると、ユーザは、本体壁の一つ又は複数の可撓性部分(14)を押して、出口オリフィス(23)を通して加熱された製品を流動させる。加熱された製品は、指示された方法、又は自ら狙った方法で塗布される。ユーザが製品を塗布している間に、回路は閉じられ、その結果、塗布が完了する前に製品が冷えないように、塗布の間中熱が製品を引き続き暖める。その後、より多くの製品を必要とする場合に、ユーザは、再び壁の可撓性部分を押し、より多くの加熱された製品を回収することができる。伝導性チップの近くの製品のみが任意の有効な温度まで加熱されるので、リザーバ内の製品を実質的に加熱することは起らない。塗布中、ユーザの自由で、この種の手段(すなわち、加減抵抗器)がもうけられている場合には、熱を発生する速度が調整され得る。温度が最適でないとユーザが感じる場合、又は塗布温度に達する時間があまりにも長すぎる場合、ユーザはこれを行うように選択することができる。完了すると、ユーザは、アプリケータチップ上のクロージャを元の位置に取り付ける。この結果として、ピントルが出口オリフィスを封止し、スイッチアセンブリを押し、これにより回路を開く。本明細書において説明したように、アプリケータを使用する他のシナリオが存在することがあり、かつこれらの例は、網羅的であることを意図していない。
【0060】
本発明による一体型アプリケータは、容易に充填される(図9を参照されたい)。本体(10)、アプリケータチップ(20)、及びクロージャ(70)は、予め組みたれられることが好ましい。クロージャのピントル(71)は、アプリケータチップ(20)の出口オリフィス(23)からの漏れを防止することになる。また、プリント回路ハウジング(40)、スイッチアセンブリ(50)、及び熱発生部(69)を備えるプリント回路サブアセンブリ(60)も予め組み立てられている。開口した基端部(11)を通して、組み合わされたスイッチ―プリント回路サブアセンブリ(60)が本体の中に挿入されると、本体及びアプリケータチップは、本体の縁からあふれ出ないレベルまで装填される。組み合わされたスイッチ―プリント回路サブアセンブリは、環状フランジ(43)が開口端部の中に摩擦嵌合するまで、本体の開口した基端部の中に挿入される。この挿入は、位置決め部(55)及び位置決め溝(45)によって助けられ、この位置決め部及び位置決め溝は、組み合わされたスイッチ―プリント回路サブアセンブリが本体に対して適切に回転されることを保証にする。その後、電流源(31)を取り付けた電流源ハウジング(30)が、プリント回路ハウジングの環状フランジ(44)に取り付けられる。
【0061】
本発明は、皮膚、毛髪、及び爪を処理するための製品を含む、あらゆるタイプの化粧品及び皮膚科処理製品を塗布するために有用である。適切な皮膚処理製品は、皮膚の表面で有効なもの、及び皮膚のより深い層において有効なものを含む。本明細書において説明した一体型アプリケータでの使用のために好ましい製品は、室温で、又は本発明による装置によって加熱された後にたやすく流動可能である。たやすく流動可能な製品は、リザーバから、及び可撓性壁部分(14)を圧搾することによってアプリケータチップの中に効率よく排出することができる。その自重の下でたやすく流れない製品、又はアプリケータの表面にくっつく製品は、もし他の付勢手段を設けなければ、たやすく流動可能な製品ほど効率よく排出されないであろう。たやすく流動可能な製品用のスポット処理一体型加熱アプリケータを本明細書において詳細に議論した。たやすく流動できない製品の効率よい排出を実現する改変が当業者には明らかであり、このような改変は本発明の主旨の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともその一部が可撓性の壁、並びに開口した基端及び開口した末端を備える、リザーバを画定する中空の本体と、
前記本体の前記末端に取り付けられる基端、及び出口オリフィスを形成するように開口する末端を有する中空のアプリケータチップと、
前記本体内に配置され、かつ、前記アプリケータチップ内に配置された可撓性のプリント電子回路サブアセンブリであり、熱発生部を備え、かつ、電流源と電気的に接触することができる、プリント電子回路サブアセンブリと、
オン・オフスイッチと、
を備える熱発生一体型のアプリケータ。
【請求項2】
前記アプリケータチップが、前記出口オリフィスに直接に隣接して前記アプリケータチップの外面に作用部を備える、請求項1に記載のアプリケータ。
【請求項3】
前記作用部が、目の領域、顔、腕、又は脚に製品を塗布するために形成される、請求項2に記載のアプリケータ。
【請求項4】
前記作用部が、製品を集め、送出することを促進するためにテクスチャード加工される、請求項2に記載のアプリケータ。
【請求項5】
前記アプリケータチップがフロック加工される、請求項4に記載のアプリケータ。
【請求項6】
前記プリント電子回路サブアセンブリが長尺のプリント回路ハウジングに配置され、前記プリント回路ハウジングが開口した基端及び開口した末端を有する、請求項1に記載のアプリケータ。
【請求項7】
前記プリント回路ハウジングがその基端の近くに第1の環状フランジ及び第2の環状フランジを備え、前記第1の環状フランジが前記本体の前記開口した基端に取り付けられる、請求項6に記載のアプリケータ。
【請求項8】
前記プリント回路ハウジングの前記2の環状フランジに取り付けられる電流源ハウジングと、
前記電流源ハウジング内に配置される電流源と、
をさらに備える、請求項7に記載のアプリケータ。
【請求項9】
前記電流源ハウジングが窓を有する、請求項8に記載のアプリケータ。
【請求項10】
前記電流源ハウジングが、前記電流源へのユーザアクセスを可能にする、請求項8に記載のアプリケータ。
【請求項11】
前記電流源が、一つ又は複数の直流バッテリから成る、請求項10に記載のアプリケータ。
【請求項12】
前記プリント回路ハウジングの前記末端に部分的に配置され、前記プリント回路サブアセンブリの一部をその中に受け入れるスイッチアセンブリをさらに備える、請求項6に記載のアプリケータ。
【請求項13】
前記スイッチアセンブリが、
その内部に前記熱発生部を有する熱伝導性チップと、
前記熱伝導性チップに取り付けられ、前記出口オリフィスに向かうように、及び、前記出口オリフィスから離れるように、摺動可能であるピストンと、
前記出口オリフィスに向かって前記ピストン及び前記伝導性チップを付勢するスプリングと、
前記ピストンに対して固定される導電性の摺動接点と、
を備える、請求項12に記載のアプリケータ。
【請求項14】
前記摺動接点が、二つの点で前記プリント回路サブアセンブリと接触し、前記プリント回路サブアセンブリに対して回路開位置及び回路閉位置をとることができる、請求項13に記載のアプリケータ。
【請求項15】
クロージャの内部から垂下するピントルを有するクロージャをさらに備え、それによって、前記クロージャが前記アプリケータチップの上に当てがわれると、前記ピンテルは前記アプリケータチップの前記出口オリフィスに入り、前記熱伝導性チップを押し、これにより前記摺動接点が前記回路開位置から前記回路閉位置まで移動する、請求項14に記載のアプリケータ。
【請求項16】
前記アプリケータチップの中に製品を有し、前記プリント回路サブアセンブリが、妥当な時間内に周囲温度から製品塗布温度まで前記製品の温度を上昇させるに十分な速度で熱を発生する、請求項1に記載のアプリケータ。
【請求項17】
1分以内で前記製品の前記温度を上昇させることができる、請求項16に記載のアプリケータ。
【請求項18】
前記製品塗布温度が、40°Fと120°Fとの間にある、請求項16に記載のアプリケータ。
【請求項19】
製品温度インジケータをさらに備える、請求項16に記載のアプリケータ。
【請求項20】
前記熱発生部が、局所加熱の可撓性ヒーターの技術(targeted, flexible heater technology)を備える、請求項1に記載のアプリケータ。
【請求項21】
前記熱発生部がエッチングされた箔の抵抗素子を含む、請求項20に記載のアプリケータ。
【請求項22】
前記プリント回路サブアセンブリが、前記窓を照射するように配置される発光ダイオードを備える、請求項9に記載のアプリケータ。
【請求項23】
前記クロージャが前記アプリケータチップの上に配置され、前記アプリケータが流動性製品を含み、前記プリント回路サブアセンブリが電流源に接続されるように請求項15による一体型アプリケータを備えるステップと、
前記アプリケータチップから前記クロージャを引き抜くステップと、
塗布温度に達するように前記アプリケータチップ内で製品の一部を待ち受けるステップと、
前記本体の可撓性部分を圧搾するステップと、
表面に前記製品を塗布するステップと
を含む、表面に加熱された化粧品を塗布する方法。
【請求項24】
前記圧搾するステップ及び前記塗布するステップが繰り返される、請求項23に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−539494(P2009−539494A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514459(P2009−514459)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/069213
【国際公開番号】WO2007/143370
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)