説明

劣化したメタクリル酸製造用触媒のスラリーの送液方法

【課題】貯蔵槽内の抜き出し口を閉塞することなく、劣化したメタクリル酸製造用触媒のスラリーを、効率よく次の工程に送液する方法を提供すること。
【解決手段】リンおよびモリブデンを含むヘテロポリ酸化合物からなる劣化したメタクリル酸製造用触媒のスラリーの送液方法であって、劣化した前記触媒を350℃以上の温度で熱処理し、得られた熱処理物、水、硝酸根およびアンモニウム根からなるスラリーを貯蔵槽に貯蔵し、貯蔵槽から前記スラリーを次の工程に送液する際に、前記貯蔵槽内における前記スラリーの抜き出し口近傍の流速を0.16m/秒以上に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、劣化したメタクリル酸製造用触媒のスラリーの送液方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リンおよびモリブデンを含むヘテロポリ酸化合物からなるメタクリル酸製造用触媒は、メタクロレインなどを原料とする気相接触酸化反応に長時間使用されると、熱負荷などにより触媒活性が低下し、触媒が劣化することが知られている。
【0003】
劣化触媒の再生方法として、特許文献1には、劣化触媒を350℃以上で熱処理した後、水、硝酸根およびアンモニウム根と混合してスラリー状とし、次いで乾燥して乾燥物を得、乾燥物を焼成する方法が記載されている。
【0004】
ところで、劣化触媒を再生する際、熱処理された劣化触媒、水、硝酸根およびアンモニア根のスラリーは、一旦、貯蔵槽などに貯蔵された後、必要量が貯蔵槽から抜き出され、例えば乾燥工程などの次の工程に供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−248035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、本発明者らによる検討により、上記スラリーは、熱処理した劣化触媒を含むものであることから、貯蔵中に固形分が沈降し易く、沈降した固形分により抜き出し口が閉塞されるという問題を生じることが判った。
【0007】
本発明の課題は、貯蔵槽内の抜き出し口を閉塞することなく、メタクリル酸製造用触媒を含むスラリーを、効率よく次の工程に送液する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記問題を解決すべく種々検討した結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)リンおよびモリブデンを含むヘテロポリ酸化合物からなる劣化したメタクリル酸製造用触媒のスラリーの送液方法であって、劣化した前記触媒を350℃以上の温度で熱処理し、得られた熱処理物、水、硝酸根およびアンモニウム根からなるスラリーを貯蔵槽に貯蔵し、貯蔵槽から前記スラリーを次の工程に送液する際に、前記貯蔵槽内における前記スラリーの抜き出し口近傍の流速を、0.16m/秒以上に保持することを特徴とする送液方法。
(2)前記貯蔵槽からスラリーを抜き出して、抜き出したスラリーを再度貯蔵槽に返送し、スラリーを循環させることによって、前記貯蔵槽内における前記スラリーの抜き出し口近傍の流速を、0.16m/秒以上に保持する、(1)に記載の方法。
(3)前記熱処理物100質量部に対して、前記水が200〜600質量部、前記硝酸根を発生させる化合物が50〜100質量部、および前記アンモニウム根を発生させる化合物が50〜100質量部の割合で混合される、(1)または(2)に記載の方法。
(4)前記硝酸根に対する前記アンモニウム根のモル比率が1.3以下である、(1)〜(3)のいずれかの項に記載の方法。
(5)前記流速が0.18m/秒以上である、(1)〜(4)のいずれかの項に記載の方法。
(6)(1)〜(5)のいずれかの項に記載の送液方法に用いられる送液装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、貯蔵槽内の抜き出し口を閉塞することなく、劣化したメタクリル酸製造用触媒のスラリーを、効率よく次の工程に送液することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の送液方法に用いられる送液装置の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の送液方法は、リンおよびモリブデンを含むヘテロポリ酸化合物からなる劣化したメタクリル酸製造用触媒のスラリーの送液方法であって、劣化した前記触媒を350℃以上の温度で熱処理し、得られた熱処理物、水、硝酸根およびアンモニウム根からなるスラリーを貯蔵槽に貯蔵し、貯蔵槽から前記スラリーを次の工程に送液する際に、前記貯蔵槽内における前記スラリーの抜き出し口近傍の流速を、0.16m/秒以上に保持することを特徴とする。以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明によって送液されるスラリーに含まれるメタクリル酸製造用触媒(以下、単に「触媒」と記載する場合がある)は、リンおよびモリブデンを必須とするヘテロポリ酸化合物からなり、遊離のヘテロポリ酸からなるものであってもよいし、ヘテロポリ酸の塩からなるものであってもよい。これらの中でも、ヘテロポリ酸の酸性塩(部分中和塩)からなるものが好ましく、ケギン型へテロポリ酸の酸性塩からなるものがより好ましい。
【0013】
上記触媒としては、リンおよびモリブデンを含んでいれば特に限定されず、例えば、バナジウムをさらに含む触媒が好ましい。さらに、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムから選ばれる少なくとも1種の元素(以下、X元素と記載する場合がある)や、銅、ヒ素、アンチモン、ホウ素、銀、ビスマス、鉄、コバルト、ランタンおよびセリウムから選ばれる少なくとも1種の元素(以下、Y元素と記載する場合がある)を含んでいてもよい。モリブデン12原子に対して、リン、バナジウム、X原子およびY原子が、それぞれ3原子以下の割合で含まれる触媒が、好ましく用いられる。
【0014】
このような触媒は、メタクリル酸の製造に使用されたり、熱負荷を受けたり、吸湿したりすると、触媒活性が低下(劣化触媒)する。メタクリル酸の製造において劣化触媒を再利用する場合、再生処理を施した劣化触媒は、スラリー状態で貯蔵槽などに貯蔵され、貯蔵槽から必要量が抜き出されて次の工程(例えば、乾燥工程など)に供される。しかし、上記のように、熱処理した劣化触媒のスラリーは、それに含まれる固形分の沈降速度が速いために貯蔵中に固形分が沈降し、沈降した固形分により抜き出し口が閉塞されるため、スラリーを貯蔵槽から抜き出せない。この問題を解決するのが本発明の送液方法である。
【0015】
劣化触媒は、まず350℃以上の温度で熱処理に供される。熱処理は、350℃以上であれば特に限定されないが、好ましくは600℃以下で行われ、より好ましくは550℃以下で行われる。熱処理の温度が350℃未満の場合、劣化触媒は新触媒と同等程度には活性化されず、触媒として再利用できない。
【0016】
熱処理は、酸化性ガス雰囲気下、非酸化性ガス雰囲気下など任意の雰囲気下で行われるが、好ましくは酸化性ガス雰囲気下で行われる。なお、「酸化性ガス」とは、100%の酸化性ガスではなく、酸素など酸化性ガスを含むガスのことであり、例えば空気などの酸素含有ガスなどが挙げられる。この場合、酸素濃度は、通常1〜30容量%程度である。酸素源は、空気や純酸素が挙げられ、必要に応じて不活性ガス(窒素、アルゴンなど)で希釈される。また、ガス中には水分(水蒸気)を含んでいてもよいが、その濃度は10容量%以下が好ましい。例えば、空気には20容量%程度の酸素が含まれるため、空気を酸化性ガスとして使用するのが好ましい。
【0017】
熱処理の時間は特に限定されず、通常0.1〜24時間、好ましくは0.5〜10時間程度である。
【0018】
次いで、劣化触媒を熱処理して得られる熱処理物は、水、硝酸根およびアンモニウム根とともに混合される。混合方法は特に限定されず、熱処理物を水に懸濁させた後、硝酸根を発生させる化合物(以下、「硝酸根源」と記載する場合がある)およびアンモニウム根を発生させる化合物(以下、「アンモニウム根源」と記載する場合がある)を添加してもよく、硝酸根源およびアンモニウム根源を含む水溶液に熱処理物を懸濁させてもよい。
【0019】
劣化触媒(熱処理物)が成形体である場合、そのまま懸濁させてもよく、成形体を粉砕して懸濁させてもよい。但し、成形体が触媒の強度を発現させるファイバーなどを含む場合、ファイバーを切断すると強度の低下が懸念されるため、ファイバーなどが切断されないように粉砕する(例えば、押しつぶす)のが好ましい。
【0020】
硝酸根源としては、例えば、硝酸、硝酸塩(例えば、硝酸アンモニウムなど)などが挙げられ、好ましくは硝酸または硝酸アンモニウムである。硝酸根源は、熱処理物100質量部に対して、好ましくは50〜100質量部、より好ましくは55〜70質量部の割合で用いられる。
【0021】
アンモニウム根源としては、例えば、アンモニア、アンモニウム塩(例えば、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸アンモニウムなど)などが挙げられ、好ましくはアンモニアまたは硝酸アンモニウムである。アンモニウム根源は、熱処理物100質量部に対して、好ましくは50〜100質量部、より好ましくは55〜70質量部の割合で用いられる。
【0022】
硝酸根源およびアンモニウム根源の使用量は適宜設定され得、好ましくは、硝酸根に対するアンモニウム根のモル比率が、1.3以下となるように使用される。例えば、硝酸アンモニウムを使用すると、硝酸根およびアンモニウム根両方の発生源となり特に好ましい。
【0023】
水は、水道水、工業用水、イオン交換水、蒸留水など特に限定されない。通常、イオン交換水が用いられる。水は、熱処理物100質量部に対して、好ましくは200〜600質量部、より好ましくは400〜500質量部の割合で用いられる。
【0024】
メタクリル酸製造用触媒は、製造時や熱負荷を受けた場合に、リンやモリブデンなどの触媒を構成する成分の一部が飛散することがある。このような場合、蛍光X線分析やICP発光分析により、飛散した成分の種類および量を導き、その飛散分を上記の混合の際に添加するのが好ましい。
【0025】
添加する化合物としては、メタクリル酸製造用触媒の原料化合物が用いられ、例えば、各元素のオキソ酸、オキソ酸塩、酸化物、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物、ハロゲン化物などが挙げられる。リンを含む化合物としては、リン酸やリン酸塩などが挙げられる。モリブデンを含む化合物としては、モリブデン酸、モリブデン酸塩、酸化モリブデン、塩化モリブデンなどが挙げられる。バナジウムを含む化合物としては、バナジン酸、バナジン酸塩、酸化バナジウム、塩化バナジウムなどが挙げられる。上記X元素を含む化合物としては、X元素を含む酸化物、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物、ハロゲン化物などが挙げられる。上記Y元素を含む化合物としては、Y元素を含むオキソ酸、オキソ酸塩、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物、ハロゲン化物などが挙げられる。
【0026】
劣化触媒を350℃以上の温度で熱処理し、水、硝酸根およびアンモニウム根と混合することにより、劣化触媒の触媒活性を効果的に回復させることができる。なお、劣化触媒の劣化の程度は、反応に用いた時間や熱負荷を受けた時間などにより異なるが、上記のように処理することにより、ほぼ同程度の触媒活性まで回復させことができる。したがって、再生触媒の活性をほぼ均一にすることができるため、再生触媒を使用しても、ムラが少なく安定的にメタクリル酸の製造に用いることができる。
【0027】
このように、処理されたスラリーは、貯蔵槽に貯蔵される。本発明の送液方法では、貯蔵の際、貯蔵槽内におけるスラリーの抜き出し口近傍の流速を0.16m/秒以上に保持することを特徴とする。スラリーの抜き出し口近傍の流速を、0.16m/秒以上、好ましくは0.18m/秒以上として、常に流れ状態とすることにより、固形分が沈降しにくくなり、固形分で抜き出し口が閉塞されにくくなる。流速の上限は特に限定されないが、好ましくは0.5m/秒以下、より好ましくは0.3m/秒以下程度である。
【0028】
流れ状態を作り出す方法は特に限定されず、例えば、貯蔵槽内のスラリーを抜き出し口から抜き出し、再度貯蔵槽にスラリーを返送するような循環させる方法が挙げられる。
【0029】
本発明の送液方法に用いられる送液装置の一例を図1に示す。図1に示す送液装置は、貯蔵槽1の内部に撹拌機2が備えられており、貯蔵槽1の抜き出し口11から返送口12までスラリーの循環路3が設けられている。この循環路3には循環手段4が備えられており、循環手段4によってスラリーの循環が可能となる。さらに、循環路3には、スラリーが次の工程に供給され得るように分岐路が形成され、その分岐点には、自由に開閉できるようにバルブ5が備えられている。
【0030】
貯蔵槽1の大きさは、スラリーの貯蔵量に応じて適宜設定され得る。また、貯蔵槽1の材質についてもスラリーと反応しない限り、特に限定されない。例えば、ステンレス製の貯蔵槽や内側がガラスコーティングされた貯蔵槽などが挙げられる。貯蔵槽1は、スラリーを抜き出す抜き出し口11および抜き出したスラリーを貯蔵槽1に返送する返送口12が設けられている。
【0031】
抜き出し口11および返送口12が設けられる位置は特に限定されない。例えば、図1に示すように、抜き出し口11は、貯蔵槽1の底部付近に設けられることが好ましく、返送口12は、貯蔵槽1の上部付近に設けられることが好ましい。
【0032】
撹拌機2は、貯蔵槽1内のスラリーを撹拌するために備えられる。貯蔵槽1の内部を撹拌することにより、固形分がより沈降しにくくなる。
【0033】
貯蔵槽1内のスラリーは、循環手段4を用いて抜き出し口11から抜き出される。循環手段4としては、例えばターボ型ポンプ、容積型ポンプなどの一般的なポンプが挙げられる。抜き出し口近傍の流速が0.16m/秒以上となるように、循環手段4を用いて貯蔵槽1内のスラリーを、例えば吸引して抜き出せばよい。抜き出されたスラリーは、循環路3内を流れて返送口12から貯蔵槽1に返送される。
【0034】
スラリーを、次の工程(例えば、乾燥工程など)に供する場合、バルブ5を開いて必要量を次の工程に供する。すなわち、バルブ5は、通常閉じておき、必要に応じて開いてスラリーを次の工程に供する。
【0035】
このように、本発明の送液方法を適用することにより、貯蔵槽の抜き出し口が固形分で閉塞されず、劣化したメタクリル酸製造用触媒のスラリーを、効率よく次の工程に送液することができる。
【実施例】
【0036】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0037】
(実施例1)
リン、モリブデン、バナジウム、アンチモン、銅およびセシウムを、それぞれ1.5、12、0.5、0.5、0.3および1.4の原子比で含むケギン型ヘテロポリ酸の酸性塩からなる触媒を、長時間メタクロレインの接触気相酸化反応に付して劣化触媒を得た。この劣化触媒を蛍光X線分析したところ、リン、モリブデン、バナジウム、アンチモン、銅およびセシウムの原子比は、1.3、9.6、0.5、0.5、0.3および1.4であった。この劣化触媒200gを、450℃で5時間加熱して熱処理物を得た。次いで、この熱処理物200g、イオン交換水1000g、硝酸根源およびアンモニウム根源として硝酸アンモニウム69.2g、およびさらなるアンモニウム根源として25質量%アンモニア水12.5gを混合し、さらに劣化触媒の不足分を補うために、三酸化モリブデン31.5gおよび75重量%のオルトリン酸2.7gを添加して、スラリーを得た。
【0038】
得られたスラリー(スラリー比重:1.170)を貯蔵槽に入れ、0.13W/m3の撹拌動力で撹拌した。このスラリーを貯蔵槽の底部から0.289m/秒の線速度(すなわち、抜き出し口近傍の流速が0.289m/秒)で抜き出し、貯蔵槽の上部に返送するように循環させた。この場合、スラリーの固形物が沈降することなく、効率よくスラリーを抜き出し循環させることができた。
【0039】
(実施例2)
線速度を0.204m/秒(すなわち、抜き出し口近傍の流速が0.204m/秒)にしたこと以外は、実施例1と同様にしてスラリーを抜き出したところ、スラリーの固形物が沈降することなく、効率よくスラリーを抜き出し循環させることができた。
【0040】
(比較例1)
線速度を0.134m/秒(すなわち、抜き出し口近傍の流速が0.134m/秒)にしたこと以外は、実施例1と同様にしてスラリーを抜き出そうとしたが、スラリーの固形物が沈降して抜き出し口付近を閉塞し、スラリーを抜き出すことができなかった。
【0041】
(比較例2)
流れ状態を作り出さなかった(すなわち、線速度0)こと以外は、実施例1と同様にしてスラリーを抜き出そうとしたが、スラリーの固形物が沈降して抜き出し口付近を閉塞し、スラリーを抜き出すことができなかった。
【0042】
(参考例1)
劣化触媒を加熱処理せず、線速度を0.132m/秒(すなわち、抜き出し口近傍の流速が0.132m/秒)にしたこと以外は、実施例1と同様にして抜き出し、貯蔵槽の上部に返送するように循環させた。この場合、スラリーの固形物が若干沈降するものの、効率よくスラリーを抜き出し循環させることができた。なお、劣化触媒に加熱処理を施していないため、劣化触媒は活性化されず、触媒として再利用できなかった。
【符号の説明】
【0043】
1 貯蔵槽
11 抜き出し口
12 返送口
2 撹拌機
3 循環路
4 循環手段
5 バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンおよびモリブデンを含むヘテロポリ酸化合物からなる劣化したメタクリル酸製造用触媒のスラリーの送液方法であって、
劣化した前記触媒を350℃以上の温度で熱処理し、得られた熱処理物、水、硝酸根およびアンモニウム根からなるスラリーを貯蔵槽に貯蔵し、貯蔵槽から前記スラリーを次の工程に送液する際に、前記貯蔵槽内における前記スラリーの抜き出し口近傍の流速を、0.16m/秒以上に保持することを特徴とする送液方法。
【請求項2】
前記貯蔵槽からスラリーを抜き出して、抜き出したスラリーを再度貯蔵槽に返送し、スラリーを循環させることによって、前記貯蔵槽内における前記スラリーの抜き出し口近傍の流速を、0.16m/秒以上に保持する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱処理物100質量部に対して、前記水が200〜600質量部、前記硝酸根を発生させる化合物が50〜100質量部、および前記アンモニウム根を発生させる化合物が50〜100質量部の割合で混合される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記硝酸根に対する前記アンモニウム根のモル比率が1.3以下である、請求項1〜3のいずれかの項に記載の方法。
【請求項5】
前記流速が0.18m/秒以上である、請求項1〜4のいずれかの項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかの項に記載の送液方法に用いられる送液装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−232265(P2012−232265A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103386(P2011−103386)
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】