説明

動きにより外観が変化する衣類及び多層構造生地

【課題】動くと確実に色や模様が変わる衣服を実現する。
【解決手段】マスクと開口窓からなる表側生地(81)と2色に塗り分けられた裏側生地(82)を糸(83)等の連結手段で開口窓直径程度の弛みを設けることで、表側生地と裏側生地の隙間距離が一定範囲内になり、マスクの影を最小にして開口部からの色の表出が安定させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
衣類の外観を着ている人間の動きで変化させることで意匠的価値を高める技術。重ね着をする衣類や多層構造の衣類に関する分野。
【背景技術】
【0002】
旧来からレース生地や透明、半透明素材は衣服に用いられていた。また、見る角度で生地が光って見えたり、色が変化して見えるものもある。
【0003】
調査した範囲では、本件発明者が15年前に出願した下記実用新案文献1が本発明に該当した。開示されている内容は、裏側生地が透けて見える窓を持つ表側生地と複数の見え方の部位を持った裏側生地を互いに固定せずに組み合わせることで、表側生地の窓から表出する色や柄が変化するというものである。
【0004】
【実用新案文献1】
実開平5−85818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実用新案文献1のように裏側生地と表側生地を固定せずに用いると、用いる場所によって裏側生地と表側生地が密着している場合、あまりズレが思ったほど発生しない。また反対に、表側生地をブカブカ状態にして裏側生地からかなり余裕を持たせると用い方によって裏側生地のプリントと開口窓からの距離が一定せず、窓から表出する彩色部位の大きさが相対的に変化してしまったり、裏側生地の彩色部位が窓の陰になったりして暗くなる等、思ったような効果が得られない場合があった。更に該文献に示される図3のスカートのように一部を固定しても、単に裏側生地と表側生地を固定するだけではズレが発生しない。また該文献では、商品として表側生地と裏側生地の距離が適度になるように事前に調整することは体形の個人差により困難である。また、2種類の文字や画像を動きで切り替える場合には、彩色部位の中途半端な位置に開口部が止まってしまうことが多く、特に、柄や模様の変化を楽しむ時には不都合である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の手段では、表側生地には開口窓または透明または半透明の窓と、裏側生地の見え方の異なる部位の少なくとも一つを覆うマスクを設けてなる表側生地と、該窓の寸法で規則的に複数の見え方の異なる部位を配置してなる裏側生地を、該窓から該裏側生地の該部位が見えるように重ね合わせた構成であり、該窓寸法以上に弛みまたは弾性をもたせて該表側生地と該裏側生地の少なくとも一部を連結手段または固定手段で固定し、身体の動きにより該表側生地と該裏側生地が、少なくとも該窓寸法以上にその相対位置がズレることが可能な構成としたことを特徴とする。
【0007】
本手段では、表側生地と裏側生地に弛みや弾性をもたせることで、表側生地と裏側生地間に適度な隙間ができ、密着することがなく、窓から表出する色や柄が容易に変化する。また、表側生地と裏側生地が何らかの手段で一部が連結または固定されているため、表側生地と裏側生地の隙間が大きくなりすぎて裏側生地の色や柄部分にマスクの影ができて暗くなることを防止することができる。
【0008】
第二の手段では、表側生地には開口窓または透明または半透明の窓と、裏側生地の見え方の異なる部位の少なくとも一つを覆うマスクを設けてなる表側生地と、該窓の寸法で規則的に複数の見え方の異なる部位を配置してなる裏側生地を、該窓から該裏側生地の該部位が見えるように重ね合わせた構成であり、該表側生地と該裏側生地が少なくとも該窓寸法以上にその相対位置がズレることが可能な構成とし、更に、該表側生地裏側と該裏側生地表側に適度に嵌合する凹凸を設けたことを特徴とする。
【0009】
本手段では、裏側生地の見え方表現部位を表側生地から盛り上がらせることで、表側生地の開口窓や凹部に嵌まりこむため、過度の変化を抑えることができる。また、該表現部位の途中でズレが止まって、窓から表出する色や柄が混色状態になるのを抑制することができる。本手段では、表側生地と裏側生地を必ずしも連結する必要はない。例えば帽子等のように連結なしで表側生地と裏側生地の距離を一定に保つことが容易なものには特に効果を発揮できる。本手段の一例では、表側生地窓が、開口状態または裏側生地に対して凹状である該表側生地と、該裏側生地の規則的に配置された見え方の異なる部位が表側生地に対して凸状とした該裏側生地からなる。更に他の一例では、表側生地マスクまたは、透明または半透明の素材で構成された表側生地窓が、裏側生地に対して凸状に構成してなる該表側生地と、該裏側生地の規則的に配置された見え方の異なる部位が表側生地に対して凹状とした該裏側生地からなるように構成しても良い。
【0010】
第三の手段では、表側生地には開口窓または透明または半透明の窓と、裏側生地の見え方の異なる部位の少なくとも一つを覆うマスクを設けてなる表側生地と、該窓の寸法で規則的に複数の見え方の異なる部位を配置してなる裏側生地を、該窓から該裏側生地の該部位が見えるように重ね合わせた構成であり、表生地の開口列に対して裏側生地の色列を斜めに傾けた位置関係になるように構成したことを特徴とし、身体の動きにより該表側生地と該裏側生地が、少なくとも該窓寸法以上にその相対位置がズレることが可能な構成としたことを特徴とする。
【0011】
表側生地と裏側生地を斜めに傾けて配置することで、表側生地の開口部から裏側生地の彩色部の一部が規則的に表出し、あたかもモアレ模様のような意匠が現出する。傾ける角度を一定にしてずらすと、モアレ様模様が動いて見える。生地を上下に動かすとモアレ様模様が左右に動き、左右に動かすとモアレは上下に動く。また、角度を変化させるとモアレ様模様の大きさが変化する。角度と大きさは反比例の関係にある。更に、生地を曲げたときに、表側生地と裏側生地の曲率を変えるとモアレ様模様の形状が歪むように変化する。本手段では、必ずしも表側生地と裏側生地を固定する必要はなく、両生地を重ね着しても十分効果を発揮することができる。
【0012】
第四の手段では、表側生地には開口窓または透明または半透明の窓と、裏側生地の見え方の異なる部位の少なくとも一つを覆うマスクを設けてなる表側生地と、該窓の寸法で規則的に複数の見え方の異なる部位を配置してなる裏側生地を、該窓から該裏側生地の該部位が見えるように重ね合わせた構成であり、表生地の開口部間隔に対して裏側生地の配色間隔が異なる関係になるように構成したことを特徴とし、身体の動きにより該表側生地と該裏側生地が、少なくとも該窓寸法以上にその相対位置がズレることが可能な構成としたことを特徴とする。
【0013】
表側生地の開口ピッチと裏側生地の配色ピッチを数%〜30%ずらすことで、表側生地の開口部から裏側生地の配色の一部が規則的に表出してモアレ様模様が動きとともに変化する。大きくずらしすぎるとモアレ様模様が現れない。
【0014】
第五の手段では、表側生地または裏側生地にプリーツ加工を施すことで、表側生地と裏側生地に動作によりズレを発生させることを特徴とする。
【0015】
片方の生地にプリーツ等の皴を寄せる加工をすることで、動くと生地間に容易にズレが発生する。このとき、できるだけプリーツの間隔を空けたサイドプリーツのような加工が望ましい。
【0016】
第六の手段では、表側生地に伸縮性素材を用い、伸び方によって表側生地開口部の面積が変化し、該開口部から表出する裏側生地の見え方が変化することを特徴とする。
【0017】
本手段では、表側生地が伸縮することで糸の太さ及び糸の間隔が変化することで、開口面積と開口位置が変化する。その開口サイズと開口部位置に合わせて裏側生地に彩色することで、伸縮にあわせて見え方が変化する。
【0018】
第七の手段では、裏側生地の見え方の異なる部位が、開口または透明または半透明の部位と不透明な部位で構成されていることを特徴とする。
【0019】
本手段では、表側生地の開口窓と裏側生地の開口部が重なった状態では例えば、下着や肌が透過して見える。裏側生地の不透明部位と重なった場合には、下着や肌が見えなくなる。見せる下着などで、動きによって見えたり隠れたりすることで効果を発揮する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、実施において最も問題となった問題群を解決することができた。製品化の第一の問題は、表側生地と裏側生地を固定せずに、重ね着での効果を狙う場合、使用者の体型の個人差により、表側生地と裏側生地の間に適度な隙間を設けることが困難であった。表側生地と裏側生地の間に適度な弛みを持たせて接合させることで問題を解決できた。また、重ね着で表側と裏側生地の間隔を調整しなくても約30%程度までの見かけ上のピッチの差であればモアレ様の模様が現出することを発見したため、モアレを利用することで生地間の隙間の問題を解決することができ、新たな意匠を創出することができた。あるいは、表側生地の開口列と裏側生地の配色列を相対的に傾けることで同様の効果が得られる。また、2種類の柄や模様を切り替えて表出する際に問題となった、混色の問題も、裏側生地と表側生地に凹凸を設けて適度に嵌め合わせることで解決した。更に、色や柄以外に、裏側生地の窓の開閉で新たな効果を演出することができた。また、本発明で作成した多層構造生地で、例えばバックのような袋物を製造すれば、物を入れると膨らんで色や見え方が変化する小物を製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
実施するための最良の形態を以下の実施例を用いて説明する。
【実施例1】
【0022】
図1、図2、図3、図4、図5、図6及び図7は本発明装置の一実施例を説明する正面から見た説明図であって、図8は、同斜視説明図である。10は表側生地メッシュ、20は裏側生地、31は変化前、32は変化後、41はパターン1、42はパターン2、51は変化1、52は変化2、61は開口窓、62はマスク、71は色1、72は色2、81は表側生地、82は裏側生地、83は糸である。
【0023】
本実施例は、本発明の一実施例である。図1の表側生地(10)はメッシュ状の構造となっており、図2の裏側生地(20)表面には2色で彩色されている。図6は図1の表側生地メッシュの拡大図である。図7は、図2の裏側生地の拡大図である。表側生地メッシュは開口窓(61)とマスク(62)からなり、裏側生地は色1(71)と色2(72)の2色に彩色されている。更に後加工の場合は、表側生地と裏側生地は図8の如く接合されている。表側生地メッシュ(81)の製造は、ニットで引っ張って開口部を市松模様に形成したり、不織布を抜型で抜いて形成することができる。裏側生地の彩色は、多色の糸を用いて自動織機で彩色、あるいは、ニットで複数色編んで作成する。または、布地に後処理で彩色する。表側生地メッシュ(81)と2色の彩色裏側生地(82)を、刺繍機を用いて糸(83)で浮かして接合して、更に生地にコーティングを掛けることで糸の飛び出しを防止する。本実施例では、女性用ブラウスの脇からバスト・トップにかけて本生地を設けた(図示せず)。表側生地のメッシュ(10、81)は、腕を動かした時は、腕の動きで引っ張られて、胴に接している裏側生地(20、82)との間に位置的なズレが生じて、開口窓(61)から裏側生地の2色の彩色部位(71、72)が交互に透過して見える。見え方は、図3に示すように、変化前(31)と変化後(32)のように変化する。また、表側生地をメッシュではなく、レースに刺繍機を用いて市松模様を作成してもよい。レースの場合の開口部はできるだけ透明度の高い糸を用いることが望ましい。
【0024】
また、図4のごとく2つの模様を裏側生地にパターン1(41)、パターン2(42)のように表側生地マスク寸法に合わせて規則的に配色することで、使用者の動きで図5の如く、変化1(51)及び変化2(52)のように模様が変化する。
【0025】
表側生地と裏側生地を、開口窓寸法分弛みを持たせて連結することで、表側生地と裏側生地の距離が常に一定寸法以内に保たれることで、裏側生地の彩色部位が表側生地マスクの影になって暗くなったり、距離が離れることで、見かけサイズが小さくなったりすることを防止することができる。
【実施例2】
【0026】
図9及び図11は、本発明装置の他の一実施例を説明する側面断面を示した説明図である。図10は、図9の正面展開図である。91は表側生地、92は弛み生地、93は裏側生地、94は弛み生地、101は弛み生地、102は表側生地、103は弛み生地、111はマスク、112は開口窓、113は顔料1、114は顔料2、115は裏側生地である。
【0027】
本実施例は、本発明の他の一実施例である。図9及び図10は左右にゴム製の弛み生地(92、94、101、103)を設けて表側生地(91、102)と裏側生地(93)を接合したものである。図11のごとく、裏側生地(115)には2色の顔料(113、114)が配色されている。顔料(113、114)は厚みが厚く、裏側生地(115)表面から上方に盛り上がったプリントとなっており、表側生地開口窓(112)に僅かに嵌まり込む寸法関係となっている。
【0028】
本実施例では、表側生地寸法が裏側生地寸法に比べてサイズを大きくして両生地を縫製してあるため、その分弛んで両生地がズレる。また、表側生地の一部にプリーツや皺を作っても同等の効果が得られる。裏側生地よりも相対的に大きな表側生地をもった生地の固定法には、縫製以外にも、表側生地及び裏側生地の両周縁部を接合させずにゴムやベルトで身体に固定しても良い。更に、顔料に厚みを持たせているため開口部に浅く嵌まり込むため過度の変化が抑制され、また、中途半端な顔料位置で止まることが少なくなり、混色効果を適度に抑制することができる。
【実施例3】
【0029】
図12は本発明装置の更に他の一実施例を説明する側面断面を示した説明図である。121は表側生地マスク、122は表側生地窓、123は裏側生地彩色面、124は肌、125は裏側生地窓、126は裏側生地マスクである。
【0030】
本実施例は、本発明の更に他の一実施例である。図12に示すように、表側生地のマスク(121)と窓(122)を設け、更に裏側生地にも窓(125)とマスク(126)を設けたことを特徴とする。マスクには彩色することができ、裏側生地の彩色面(123)を構成している。動きによって表側生地の開口部(122)裏側生地の開口部と(125)が重なると、この両生地の下に着た肌着や素肌(124)が透けて見える。
【0031】
従来、シースルーで下着や肌を見せるものがあった。また、メッシュ状のニットで動きにより伸縮すると下地が見えるもの等があった。しかし、任意の部位のみを素材によらず、動きで肌や下着が見え隠れさせることは困難であった。本実施例では動きによって肌や下着がチラチラ見え隠れするので、より官能的で刺激的な意匠を現出させることが可能となる。
【実施例4】
【0032】
図13は、本発明装置の更に他の一実施例を説明する説明図である。131は表側生地、132は裏側生地、133は裏側生地彩色部2、134は同彩色部1、135は表側生地開口部、136は表側生地マスク部である。
【0033】
図13の表側生地(131)は女性用ブラウスの生地の一部で、裏側生地(132)はインナーであり、表面には表側生地のマスクと開口(136、135)の大きさとピッチに合わせて2色の彩色(133、134)がなされており、彩色部の輪郭形状は、表側生地の開口部(135)及びマスク部(136)の形状を5度斜めに傾けた形状となっている。更に、表側生地の開口列は裏側生地の配色列に対して彩色部が開口部に嵌るように5度傾斜させて配列して構成されている。表側生地(131)と裏側生地(132)は接合されておらず、単に重ね着の状態となっている。
【0034】
表側生地と裏側生地の配列に角度差をつけることで、配色部の一部が規則的に開口部から表出してモアレ様の模様を現出する。傾ける角度を一定にしてずらすと、モアレ様模様が動いて見える。生地を上下に動かすとモアレ様模様が左右に動き、左右に動かすとモアレは上下に動く。また、角度を変化させるとモアレ様模様の大きさが変化する。角度と大きさは反比例の関係にある。更に、生地を曲げたときに、表側生地と裏側生地の曲率を変えるとモアレ様模様の形状が歪むように変化する。
【産業上の利用可能性】
【0035】
衣服、手袋、靴下や帽子等の衣類への応用、また、多層構造生地として使用できる。生地は、編み(ニット)や織りで製造される。また、この多層生地を用いて製造されるバックなどの物入れにも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施方法を示した説明図である。(実施例1)
【図2】本発明の実施方法を示した説明図である。(実施例1)
【図3】本発明の実施方法を示した説明図である。(実施例1)
【図4】本発明の実施方法を示した説明図である。(実施例1)
【図5】本発明の実施方法を示した説明図である。(実施例1)
【図6】本発明の実施方法を示した説明図である。(実施例1)
【図7】本発明の実施方法を示した説明図である。(実施例1)
【図8】本発明の実施方法を示した説明図である。(実施例1)
【図9】本発明の実施方法を示した説明図である。(実施例2)
【図10】本発明の実施方法を示した説明図である。(実施例2)
【図11】本発明の実施方法を示した説明図である。(実施例2)
【図12】本発明の実施方法を示した説明図である。(実施例3)
【図13】本発明の実施方法を示した説明図である。(実施例4)
【符号の説明】
【0037】
10 表側生地メッシュ
20 裏側生地
31 変化前
32 変化後
41 パターン1
42 パターン2
51 変化1
52 変化2
61 開口窓
62 マスク
71 色1
72 色2
81 表側生地
82 彩色裏側生地
83 糸
91 表側生地
92 弛み生地
93 裏側生地
94 弛み生地
101 弛み生地
102 表側生地
103 弛み生地
111 マスク
112 開口窓
113 顔料1
114 顔料2
115 裏側生地
121 表側生地マスク
122 表側生地窓
123 裏側生地彩色面
124 肌
125 裏側生地窓
126 裏側生地マスク
131 表側生地
132 裏側生地
133 彩色部2
134 彩色部1
135 開口部
136 マスク部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表側生地には開口窓または透明または半透明の窓と、裏側生地の見え方の異なる部位の少なくとも一つを覆うマスクを設けてなる表側生地と、該窓の寸法で規則的に複数の見え方の異なる部位を配置してなる裏側生地を、該窓から該裏側生地の該部位が見えるように重ね合わせた構成であり、該窓寸法以上に弛みまたは弾性をもたせて該表側生地と該裏側生地の少なくとも一部を連結手段または固定手段でずれないように固定し、身体の動きにより該表側生地と該裏側生地が、少なくとも該窓寸法以上にその相対位置がずれることが可能な構成としたことを特徴とする動作により外観が変化する衣類及び多層構造生地。
【請求項2】
表側生地には開口窓または透明または半透明の窓と、裏側生地の見え方の異なる部位の少なくとも一つを覆うマスクを設けてなる表側生地と、該窓の寸法で規則的に複数の見え方の異なる部位を配置してなる裏側生地を、該窓から該裏側生地の該部位が見えるように重ね合わせた構成であり、該表側生地と該裏側生地が少なくとも該窓寸法以上にその相対位置がずれることが可能な構成とし、更に、該表側生地裏側と該裏側生地表側に適度に嵌合する凹凸を設けたことを特徴とする動作により外観が変化する衣類及び多層構造生地。
【請求項3】
表側生地には開口窓または透明または半透明の窓と、裏側生地の見え方の異なる部位の少なくとも一つを覆うマスクを設けてなる表側生地と、該窓の寸法で規則的に複数の見え方の異なる部位を配置してなる裏側生地を、該窓から該裏側生地の該部位が見えるように重ね合わせた構成であり、表生地の開口列に対して裏側生地の色列を斜めに傾けた位置関係になるように構成したことを特徴とし、身体の動きにより該表側生地と該裏側生地が、少なくとも該窓寸法以上にその相対位置がずれることが可能な構成としたことを特徴とする動作により外観が変化する衣類及び多層構造生地。
【請求項4】
表側生地には開口窓または透明または半透明の窓と、裏側生地の見え方の異なる部位の少なくとも一つを覆うマスクを設けてなる表側生地と、該窓の寸法で規則的に複数の見え方の異なる部位を配置してなる裏側生地を、該窓から該裏側生地の該部位が見えるように重ね合わせた構成であり、表生地の開口部間隔に対して裏側生地の配色間隔が異なる関係になるように構成したことを特徴とし、身体の動きにより該表側生地と該裏側生地が、少なくとも該窓寸法以上にその相対位置がずれることが可能な構成としたことを特徴とする動作により外観が変化する衣類及び多層構造生地。
【請求項5】
表側生地または裏側生地にプリーツ加工を施すことで、表側生地と裏側生地に動作によりズレを発生させることを特徴とした請求項1、2、3または4に記載の動作により外観が変化する衣類及び多層構造生地。
【請求項6】
表側生地に伸縮性素材を用い、伸び方によって表側生地開口部の面積が変化し、該開口部から表出する裏側生地の見え方が変化することを特徴とした請求項1、2、3、4または5に記載の動作により外観が変化する衣類及び多層構造生地。
【請求項7】
裏側生地の見え方の異なる部位が、開口または透明または半透明の部位と不透明な部位で構成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載の動作により外観が変化する衣類及び多層構造生地。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2009−46794(P2009−46794A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279591(P2007−279591)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(507275604)株式会社ミツヤコーポレーション (10)
【Fターム(参考)】